| 【発明の名称】 |
顆粒物通過検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】十亀 治光 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】種子、肥料、薬剤等の顆粒物を圃場に供給する顆粒物吐出機に設けられる顆粒物通過検出装置の構造簡素化、低コスト化を図る。
【解決手段】顆粒物を移送する顆粒物移送路の一部に顆粒物検出用の通路81を形成し、その通路を通過する顆粒物を顆粒物検出センサ85で検出する。顆粒物移送路を構成する部材80に顆粒物検出センサ85を着脱可能に取り付け、該センサと前記部材とで囲まれた空間を顆粒物検出用の通路81とする。これにより、顆粒物移送路を構成する部材80及び顆粒物検出センサ85以外の部材が不要になる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 顆粒物を移送する顆粒物移送路の一部に顆粒物検出用の通路を形成し、その通路を通過する顆粒物を顆粒物検出センサで検出する顆粒物通過検出装置であって、前記顆粒物移送路を構成する部材に顆粒物検出センサを着脱可能に取り付け、該センサと前記部材とで囲まれた空間を顆粒物検出用の通路としたことを特徴とする顆粒物通過検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、種子、肥料、薬剤等の顆粒物を圃場に供給する顆粒物吐出機に設けられる顆粒物通過検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 種子ホッパに収容されている種子を種子繰出装置によって所定量づつ繰り出し、さらにその繰り出された種子を種子放出装置によって加速して下方に放出することにより、圃場の土壌中適正深さに種子を供給するようにした播種機がある。従来、この種の播種機には前記種子放出装置から圃場に種子を導く種子案内管に種子センサが設けられており、該種子案内管が種子や泥で詰まると警報を発して作業者に知らせるようになっていた。 【0003】 上記従来の播種機に設けられている種子センサは、単に種子案内管が詰まっているか否かを判断するだけであったので、何らかの事情で種子の吐出量が変動したとしても異常が検出されず、不適正な状態のまま播種作業が続けられる虞があった。したがって、播種作業が適正に行われるようにするために種子の吐出量を正確に検出する必要があるが、種子繰出装置からの吐出物には正常な種子以外に、割れた種子、種子から剥離したコーティング材の破片等が含まれており、これら雑物の存在が種子の吐出量を正確に検出することの障害となっていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 そこで、顆粒物(種子)を移送する顆粒物移送路(種子移送路)の一部にほぼ目的の顆粒物だけが通過する通路を形成し、その通路を通過する顆粒物を顆粒物検出センサで検出することにより、顆粒物の吐出量を正確に検出する顆粒物通過検出装置の研究がなされている。これを実用化するにあたり、前記通路をどのような形態で形成するかが、構造の簡素化、低コスト化を図るうえで重要な課題になっている。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記課題に対し、本発明にかかる顆粒物通過検出装置は、顆粒物を移送する顆粒物移送路の一部に顆粒物検出用の通路を形成し、その通路を通過する顆粒物を顆粒物検出センサで検出する顆粒物通過検出装置であって、前記顆粒物移送路を構成する部材に顆粒物検出センサを着脱可能に取り付け、該センサと前記部材とで囲まれた空間を顆粒物検出用の通路としたことを特徴としている。 【0006】 【発明の効果】 本発明によれば、顆粒物移送路を構成する部材と顆粒物検出センサとだけで顆粒物検出用の通路を形成するので、部品点数が少なくてすみ、構造の簡素化及び低コスト化を図れる。 【0007】 【発明の実施の形態】 以下、図面に表された実施の形態について説明する。 図1及び図2は本発明の顆粒物通過検出装置を装備した顆粒物吐出機の全体図、図3はその一部を拡大して表した図である。この顆粒物吐出機1は、種籾を播種するとともに播種位置の近傍に施肥する8条施肥播種機であり、走行車体2の後部上側に施肥装置4の肥料ホッパ40及び肥料繰出部41が設けられていると共に、走行車体2の後方に昇降リンク装置5を介して播種装置6が昇降可能に設けられている。 【0008】 走行車体2は、駆動輪である各左右一対の前輪7,7及び後輪8,8を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部に配設されたミッションケース10の左右側方に前輪ファイナルケース12,12が変向可能に設けられ、該ケースに前輪7,7が回転自在に支承されている。また、ミッションケース10の背面部にメインフレーム13の前端部が固着され、該メインフレームの後端に支持された前後方向の軸を支点に後輪ファイナルケース15,15がローリング自在に設けられ、該ケースに後輪8,8が回転自在に支承されている。 【0009】 エンジン20はメインフレーム13の上に搭載されている。そして、エンジン20の左側面部に突出するエンジン出力軸に取り出される回転動力が、第一ベルト伝動装置21によって油圧ポンプ22の駆動軸に伝達され、さらに該駆動軸から第二ベルト伝動装置23によって、ミッションケース10の左側面部に突出するミッション入力軸に伝達される。 【0010】 ミッションケース10に伝達された回転動力は、ケース内の主変速装置(図示せず)で変速して走行動力と作業動力とに分岐して取り出され、走行動力を前輪ファイナルケース12,12を経由して左右の前輪7,7に伝達すると共に、後輪ファイナルケース15,15を経由して左右の後輪8,8に伝達し、また、作業動力をPTOクラッチケース25を経由して施肥装置4及び播種装置6に伝達する。 【0011】 エンジン20の上側はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には、左右の前輪7,7を操向する操向ハンドル32が設けられている。 【0012】 施肥装置4は、4条づつ共用の肥料ホッパ40,40内の肥料を肥料繰出部41,…によって一定量づつ下方に繰り出し、その繰り出された肥料をブロア42から供給されるエアによって施肥ホース43,…を通って施肥ガイド44,…まで移送し、該施肥ガイドの前側に設けた施肥作溝器45,…によって播種装置6による播種位置の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込むようになっている。 【0013】 昇降リンク装置5は、メインフレーム13の後端部から上向きに突設したリンク支持フレーム50に側面視で互いに平行な上リンク51及び左右一対の下リンク52,52が回動自在に支持され、これら各リンクの後端部に連結枠53が枢結されている。連結枠53には、播種装置6の基部フレーム6aに回転自在に支承されたローリング軸54の前端部が連結されている。これにより、播種装置6はローリング自在に支持されている。下リンク52,52と一体回動するようにスイングアーム55が設けられ、メインフレーム13に基部側が支持された昇降油圧シリンダ56のピストンロッドが上記スイングアーム55に連結されている。昇降油圧シリンダ56を伸縮させると、各リンクが上下に回動し、播種装置6がほぼ一定姿勢のまま昇降する。 【0014】 播種装置6は、4条づつ共用の種子ホッパ60,60、該種子ホッパ内の種子を所定量づつ繰り出す8個の種子繰出部61,…、該種子繰出部から繰り出される種子を適数粒(3個程度)づつ下方に向けて加速して放出する種子放出部63,…、該種子放出部から放出された種子を後述する播種作溝器73,…まで案内する案内管64,…等で播種本体部が構成されている。また、排気案内ホース65,…を介して導かれるエンジン20の排気によって播種本体部を加温して、内部を乾燥状態に保つことにより、安定した播種作業が行えるようにしている。この施肥播種機1では、カルパーコーティングした種子が用いられる。 【0015】 播種本体部は全条とも左右方向に長い共通の播種支持フレーム66に支持されている。この播種支持フレーム66は、前記基部フレーム6aと一体の左右フレーム67から上方に突設した左右一対の上下フレーム68,68に支持されている。 【0016】 また、左右フレーム67に4対のフロート支持フレーム70,…が固着して設けられ、各対の後端部に整地フロート71,…が左右方向に軸72,…回りに回動自在に支持されている。各整地フロート71,…の左右両側には、圃場に播種用の溝を形成する播種作溝器73,…が取り付けられている。播種作業時には、4個の整地フロート71,…が播種装置6全体を支持する状態で水田面上を滑走する。 【0017】 種子繰出部61は、外周面に複数(図示例では3)の凹部61a,…が形成された繰出ロール61bを一定方向に回転させ、種子ホッパ60内の種子を前記凹部61a,…が適数粒(3粒程度)づつ保持して下方に繰り出すように構成されている。したがって、種子の繰出は間欠的に行われ、圃場には一定間隔ごとに播種される。 【0018】 図4乃至図6は顆粒物通過検出装置を表している。種子繰出部61と種子放出部63とを接続する接続ブーツ80には、顆粒物用通路81と雑物用通路82とが形成されている。繰出ロール61bの凹部61aが種子を放出する位置Pのほぼ直下に位置する顆粒物用通路81は、主として正常な種子が通過する。一方、雑物用通路82は、繰出ロール61bの回転力により後方に飛ばされたり、種子繰出部61の後部壁面沿いに移動してくる割れた種子、剥離したカルパーの破片や粉等のような雑物が通過する。種子繰出部61の方が種子放出部63よりも左右幅が広く、接続ブーツ80の左右片方の壁面は傾斜面83になっているが、この傾斜面83は雑物用通路82の側に低位な片斜面になっているため、傾斜面83に落下した雑物を確実に雑物用通路82に誘導する。種子繰出部61には、種子用通路81の上方空間と雑物用通路82の上方空間とを仕切る仕切板61cが設けられている。 【0019】 そして、顆粒物用の通路81に光学式の顆粒物検出センサ85を設け、該センサで通路81の顆粒物通過量を検出する。それに基づき、顆粒物の吐出に異常がないかを判断する。異常がある場合は警報で知らせる。上記のように顆粒物用通路81は目的の顆粒物(正常な種子)だけが通過するので、雑物の影響を受けることなく正確な判断を行える。 【0020】 図7及び図8に示すように、顆粒物検出センサ85は、互いに平行な一対の素子保持部85a,85bに、複数組(例えば8組)の発光素子87及び受光素子88がそれぞれ対向して配置されている。受光素子88として一般にフォトダイオード、フォトトランジスタ等が使用されるが、受光量に対して出力が直線的であるフォトダイオードが好ましい(図9参照)。 【0021】 受光素子88の検出窓に設けられるレンズ89は、前面部分89aの幅を導光部89bの幅よりも広くしてある。連続作業を行う場合、カルパー粉はケースとレンズ89の隙間に付着してからレンズ89の前面に拡がっていく。レンズ89を上記形状にしておけば、導光部89bの前面部までカルパー粉の汚れが拡がりにくく、受光素子88の良好な検出状況を維持できる。 【0022】 顆粒物検出センサ85は、素子保持部85a,85bの先端側が後方を向く姿勢で、顆粒物用通路81の上下中間部に形成されたセンサホルダ91に前方から差し込んで装着する。顆粒物検出センサ85を所定位置まで差し込むと、該センサの左右外側面に形成された上下方向のロック溝92が接続ブーツ80のロック突起93に係合して顆粒物検出センサ85が固定される。このような差し込み式であると着脱が容易であり、メンテナンスを行いやすい。なお、94は顆粒物検出センサ85を当該播種機以外の機械に取り付ける場合に使用するボルト穴である。 【0023】 顆粒物検出センサ85を装着した状態では、素子保持部85a,85bの先端部の間にセンサホルダ91の後部中央壁91aが入り込み、顆粒物検出センサ85と後部中央壁91aとで囲まれた空間が顆粒物検出用の通路になる。この顆粒物検出用の通路は顆粒物用通路81と同形同寸である。発光素子87及び受光素子88は顆粒物検出用の通路のほぼ全域に配置されている。このように顆粒物検出センサ85と顆粒物移送路を構成する部材である接続ブーツ80だけで顆粒物検出用の通路を構成するので、部品点数が少なく、構造が簡素である。 【0024】 また、顆粒物検出センサ85を装着した状態では、素子保持部85a,85bとセンサホルダ91の後部左右壁91b,91cとの間に隙間があり、その隙間の下方に開口部95,95が形成されている。顆粒物検出センサ85の装着時、センサホルダ91のセンサを載せる部分に顆粒物が溜っていたとしても、その顆粒体が顆粒物検出センサ85に押されて開口部95,95から排出される。このため、顆粒物検出センサ85を正規の適正位置に装着することができる。なお、後部左右壁91b,91cの下部に開口部を設け、センサホルダ91に溜っている顆粒体を水平方向に排出するようにしてもよい。 【0025】 この顆粒体通過検出装置は、顆粒体検出センサ85の検出信号が予め設定した閾値を超えた場合に顆粒体が通過したと判断するように制御する。例えば図10に示すように、検出面に付着する塵埃の量は時間的に変動する。前記閾値を最も塵埃の付着量が多い状態よりも上のレベルに設定しておけば、常に顆粒体の通過を検出することができ、検出精度が向上する。 【0026】 また、図11のフローチャートに示すように、作業開始前に顆粒体検出センサ85の光学面の汚れレベルを測定し、その測定結果が予め設定した値以上である場合は、清掃のための報知を行うようにしている。このように作業前に光学面の汚れをチェックすれば、作業を中断して清掃を行うことを少なくでき、作業能率が向上する。 【0027】 次に、顆粒物検出センサ85の異常をチェックする方法について説明する。顆粒物検出センサ85の異常は、複数ある発光素子及び受光素子のいずれかに故障や取付不良が発生して起きることが多い。その場合、問題の素子を特定するには、検出領域の各位置を個別に遮光して、それぞれ検出信号を測定する必要がある。 【0028】 検出領域の任意位置を遮光するには、図12に示す遮光治具が適している。この、遮光治具100は、素子保持部85a,85bに載置される板材101に素子の並び方向と平行な長穴102が形成され、この長穴102に沿って移動可能に遮光部材103を設けている。長穴102に沿って遮光部材103を移動させることにより、検出領域の任意の位置を遮光することができる。 【0029】 図13は遮光位置と検出電圧との関係を示すグラフである。このグラフから明らかなように、顆粒物検出センサ85には、中央部にある受光素子に比べ両端部にある受光素子は検出電圧が低くなるという特性がある。この理由は、両端部ではフォトダイオードに流れる電流の変化が全電流に対して小さいからである。検出精度の均一化を図るためには、両端部の受光素子の受光感度を中央部の受光素子の受光感度よりも高くするとよい。これには、図14に示すように、両端部の受光素子と中央部の受光素子とを別回路で構成することで対応できる。 【0030】 また、両端部の発光素子の発光強度を中央部の発光素子の発光感度よりも強くすることによっても、検出精度の均一化を図ることができる。これには、図15に示すように、両端部の発光素子と中央部の発光素子とを別回路で構成することで対応できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】施肥播種機の側面図である。 【図2】施肥播種機の平面図である。 【図3】播種装置の側面図である。 【図4】顆粒物通過検出装置の平面図である。 【図5】図4のA−A断面図である。 【図6】図4のB−B断面図である。 【図7】顆粒体検出センサの(a)正面図、(b)側面図、及び(c)平面図である。 【図8】受光側素子保持部の断面図である。 【図9】受光の透過率と検出電圧の関係を示すグラフである。 【図10】作業面積と粒体検出センサの検出電圧との関係を示すグラフである。 【図11】作業開始時制御のフローチャートである。 【図12】遮光治具の使用状態を示す(a)平面図、及び(b)背面図である。 【図13】遮光位置と検出信号の検出電圧との関係を示すグラフである。 【図14】受光素子の配線を示す電気回路図である。 【図15】発光素子の配線を示す電気回路図である。 【符号の説明】 1 施肥播種機(顆粒物吐出機) 2 走行車体 4 施肥装置 5 昇降リンク装置 6 播種装置 60 種子ホッパ 61 種子繰出部 63 種子放出部 80 接続ブーツ(顆粒物移送路を構成する部材) 81 顆粒物用通路 82 雑物用通路 85 顆粒物検出センサ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成14年9月19日(2002.9.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083611 【弁理士】 【氏名又は名称】菅原 弘志
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| 【公開番号】 |
特開2004−105104(P2004−105104A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月8日(2004.4.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−273134(P2002−273134) |
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