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【発明の名称】 落花生、大豆等の播種装置
【発明者】 【氏名】塚本 勇吉

【要約】 【課題】あらかじめ定められた数の種子を確実に播種することができ、構造や操作が簡便で取り扱いしやすく安価な、落花生、大豆等の播種装置を提供する。

【解決手段】種子ホッパ21の内底部に供給予備室22を設け、ホッパ底部と供給予備室の間に底部傾斜面に沿って制御板24を設置する。そして可撓性材質の間仕切板25を挟んで供給予備室22に隣接して種子供給室23を設け、その下方に種子保持穴27を設けた繰出しプレート26を、前記供給予備室と種子供給室との間を往復動可能に設ける。更に種子供給室の真下に位置するようにガイドパイプ31を設け、それに播種パイプ32とシャッターパイプ35を昇降可能に組み合わせて設け、設置輪4の回動により駆動力を得て、適宜の伝達機構を介して前記繰出しプレートと播種パイプを関連づけて作動させ、一定間隔で地面に播種するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏斗形状の種子ホッパ(21)の内底部に供給予備室(22)を設け、ホッパ底部と供給予備室(22)の間に底部傾斜面に沿って制御板(24)を出入調節自在に設置し、制御板(24)先端部とホッパ壁面との間隔を適宜の寸法に調整することにより、供給予備室(22)に流入する種子の数量を調節できるようにするとともに、可撓性材質の間仕切板(25)を挟んで供給予備室(22)に隣接して種子供給室(23)を設け、その下方に種子保持穴(27)を設けた繰出しプレート(26)を設け、その種子保持穴(27)が前記供給予備室(22)と種子供給室(23)との間を、略水平に往復動可能に構成したことを特徴とする、落花生、大豆等の播種装置。
【請求項2】
機体フレーム(2)の前後方向略中央付近、前記種子供給室(23)の真下に位置するように中空のガイドパイプ(31)を略垂直に下方に向け固着して設け、内側に播種パイプ(32)を昇降自在に嵌装して、さらに播種パイプ(32)の下部外側には摺動自在にシャッターパイプ(35)を嵌装し、播種パイプ(32)とシャッターパイプ(35)とで播種パイプ下部の播種口(34)を開閉可能に構成するとともに、装置後方に設けた接地輪(4)の回転により駆動力を得て、ピッチ円周上に等間隔に複数の作動ピン(9)を固設した作動板(8)を回転させて、適宜のレバー、アーム、連結ロッドを介して前記繰出しプレート(26)の略水平往復動と、播種パイプ(32)及びシャッターパイプ(35)の昇降動作とを関連づけて作動させ、所定数の種子を一定間隔で地面に播種するように構成したことを特徴とする、請求項1記載の落花生、大豆等の播種装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は農用走行車に連結され、落花生のような楕円形の大径の種子、又は大豆のような円形の大径種子を一定間隔で畑地に播種する、播種装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、農用走行車に連結された機枠を進行させつつ、地面に浅い孔をあけてその中へ種子を落としていくようにした播種装置は公知となっている。例えば実公昭57−15606号公報に記載の技術の如くである。 又、比較的大粒の種子を1粒ないし数粒ずつ繰り出すようにした、種子の繰出し機構に関する技術も、例えば実公平7−39376号公報に記載されているように、種子を保持する穴を設けたゴムベルトや、プラスチック製の板をリンクで連結したベルト状の繰出し装置を、種子ホッパの下端に設けたものや、実公平7−50886号公報に記載されているように、円盤状の目皿の外周部分に種子嵌入孔を設けたものをホッパの底部に水平又は傾斜させて設け、回転させることにより所定の位置で排出するようにした、目皿式繰出し装置などが公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記実公昭57−15606号公報に記載のものは、周面に数個の凹所を穿った繰り出しロールと調整板により、種子を適量ずつ地面に吐出する構造なので、白菜や大根のような比較的小粒径の種子には好適であるが、大粒径の大豆や大径楕円形の落花生の種子の播種には適しておらず、また、実公平7−39376号公報に記載されているような、リンク式搬送ベルトを複数のピースによってループ状に形成し、各ピースの表面に種子を収納する凹部を設け、ホッパから種子を繰り出すようにした種子繰出し装置では、ホッパ部に入れた種子の全重量が各ピースの凹部に収納された種子にかかるため、ホッパから所定の数の種子を繰り出す際に予定通りの数が収納されなかったり、種子に傷が付くおそれがあった。
【0004】
また、ベルト式或いは目皿式の繰出し装置を備えたものは、ベルト又は目皿を駆動するために機関動力を必要とし、構造も複雑で高価であった。
【0005】
本発明は上記の不具合を解消し、あらかじめ定められた数の種子を確実に播種することができて、構造や操作が簡便で取り扱いしやすく安価な、落花生、大豆等の播種装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の不具合を解消するため本発明の播種装置では、漏斗形状の種子ホッパの内底部に供給予備室を設け、ホッパ底部と供給予備室の間に底部傾斜面に沿って制御板を設置し、制御板先端部とホッパ壁面との間隔を調整することにより、供給予備室に流入する種子の数量を調節できるようにし、さらに可撓性材質の間仕切板を挟んで供給予備室に隣接して種子供給室を設け、その下方に所定数の種子を保持できる繰出しプレートを、前記供給予備室と種子供給室との間を略水平に往復動可能に設けた。
【0007】
また、機体フレームの中央付近、前記種子供給室の真下に位置するようにガイドパイプを固着して設け、内側に播種パイプを昇降自在に嵌装して、さらに播種パイプの下部外側には摺動自在にシャッターパイプを嵌装し、播種パイプとシャッターパイプとで播種パイプ下部の播種口を開閉可能に構成する。
【0008】
そして装置後方に設けた接地輪の回転により駆動力を得て、ピッチ円周上に等間隔に複数の作動ピンを固設した作動板を回転させて、適宜のレバー、アーム、連結ロッドを介して前記繰出しプレートの略水平往復動と、播種パイプ及びシャッターパイプの昇降動作とを関連づけて作動させ、所定数の種子を一定間隔で地面に播種するように構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1において、1は播種装置で、この播種装置1は図示しない耕耘機等農用走行車の機体の後部に着脱自在に連結して使用される。2は播種装置の機体フレームで、その上部には、底部に種子繰出し部を設けた種子ホッパ21を載置し、後部下方には両側に接地輪4が固着された駆動軸3を備えている。
【0010】
駆動軸3は後述する播種パイプ32の先端が播種地面に対して、播種に適した深さの孔を穿つ事ができるように、適宜の構成により上下に調節可能となっている。接地輪4はその周面に配設した多数の突片によって、農用走行車の進行に従って確実に回転される。駆動軸3の回転はスプロケット5、チェン6を介して従動軸7に伝達され、従動軸7に固着された作動板8が回転する。
【0011】
作動板8には従動軸7を中心とする一定のピッチ円周上に、複数の作動ピン9が配設されていて、作動板8の回転により後述する揺動レバー11が所定の角度に振り子状に揺動される。揺動レバー11は揺動軸10に着脱可能に固着されていて、この揺動軸10には繰出しプレート26を略水平に往復動させる繰出しアーム12と、播種パイプ33及びシャッターパイプ35を略垂直に昇降させる昇降アーム13が略直角状に固着されている。
【0012】
機体フレーム2上部に載置した漏斗形状の種子ホッパ21の内底部に供給予備室22を設け、ホッパ底部と供給予備室22の間にホッパ底部傾斜面に沿って、ホッパ壁面との間隔を調節可能に制御板24を設置し、供給予備室22に自然落下して入る種子の数量を調節できるようにした。実施例では種子の楕円短辺より若干広くしてある。そして可撓性材質の間仕切板25を介して供給予備室22に隣接して種子供給室23を設け、その下方に所定数の種子を保持できる繰出しプレート26を、略水平に前記供給予備室22と種子供給室23との間を往復動可能に設けた。この繰出しプレート26は、種子の径とほぼ同等の厚さを有し、所定数の種子が嵌入出来る種子保持穴27が設けられている。また、前記間仕切板25は繰出しプレート26が移動する際に種子保持穴27に嵌入した種子以外の種子が供給予備室22から種子供給室23に侵入することを防止する。
【0013】
そして繰出しプレート26の一方の端部には、みぞ穴を設けた連結ロッドA14がボルト、ナットで微調節可能に連結され、他方には戻しスプリング28が連結されている。連結ロッドA14のみぞ穴には前記繰出しアーム12の先端部に固着した連結ピンA17が左右に移動可能に遊嵌されていて、繰出しアーム12が揺動されることにより繰出しプレート26も略水平方向に引っ張られ、種子保持穴27に嵌入した種子が種子供給室23に移動してガイドパイプ31内に落下した後、戻しスプリング26により初期の位置に引き戻される。
【0014】
機体フレーム2の中央付近、前記種子供給室23の真下に位置するように固着したガイドパイプ31には、内側に播種パイプ32を昇降自在に嵌装して、さらに播種パイプ32の下部外側には摺動自在にシャッターパイプ35を嵌装する。ガイドパイプ31、播種パイプ32、シャッターパイプ35は水平方向に回動しないように、それぞれ四角形状の角パイプで形成している。播種パイプ32は一方に丸穴、他の一方にみぞ穴を設けた連結ロッドB15を介して昇降アーム13先端部に連結されている。また、シャッターパイプ35は両端部に丸穴を設けた連結ロッドC16を介して昇降アーム13の適宜の位置に連結されていて、昇降アーム13の上下揺動動作に関連して昇降動作する。
【0015】
播種パイプ32の下端部は、播種装置1前進側の側壁を後方側に斜め下方に向けて傾斜させ種子受け部33を形成し、さらにその先端部は左右部を切除してV字形とし略垂直に折り下げ、播種地面への穿孔を容易にする。そして後方側の側壁下部は適宜寸法で切除して播種口34を形成する。播種パイプ32の外側に嵌装したシャッターパイプ35下端部は最下降時及び最上昇時に播種パイプ32の播種口34を閉じるように形成し、さらに播種パイプ32の種子受け部33とほぼ対象形に下端から上方に向けて後方に傾け、地面に側面視V字形の播種孔を穿設する穿孔板36を固設する。シャッターパイプ35下部に固着した37は土押え板を兼ねたウェートで播種パイプ32及びシャッターパイプ35が自重で勢い良く下降するようにする。また、シャッターパイプ35の中間部に係合ピン38を着脱可能に設け、播種パイプ32に設けたみぞ穴の下端部に係合させ、シャッターパイプ35と播種パイプ32は先端の播種口34を閉じた状態で同時に下降するようにする。
【0016】
ここで一連の播種動作について図を参照して説明する。
農用走行車の進行により接地輪4が回転すると、駆動軸3、スプロケット5、チェン6を介して従動軸7の作動板8が回転し、作動ピン9が揺動レバー11を押し下げると揺動軸10を支点として固着されている繰出しアーム12と昇降アーム13が同時に揺動する。この時繰出しプレート26は戻しスプリング28に引っ張られて種子保持穴27に種子を保持して初期の位置に止まっている。繰出しプレート26は繰出しアーム12が後方に揺動を開始しても繰出しアーム12先端部に固着した連結ピンA17が連結ロッドA14のみぞ穴の後端部に達するまで移動を開始しない。
【0017】
播種パイプ32とシャッターパイプ35は、播種口34を閉じた状態で最下降位置にあり、播種パイプ下端の種子受け部33に種子を保持していて、昇降アーム13の上方への揺動により、まず先に連結ロッドC16で連結したシャッターパイプ35が上昇して播種口34が開口し、さらに昇降アーム13が上方へ揺動して、連結ロッドB15が引き上げられみぞ穴の下端部が播種パイプ32に固着した連結ピンB18に達すると、播種パイプ32も上昇して種子受け部33に保持されていた種子は、播種パイプ32下端部とシャッターパイプ35下端部に設けた穿孔板36により地面に穿設した播種孔に落下する。
【0018】
揺動レバー11が作動ピン9に押され、さらに図中左方向へ揺動すると、繰出しアーム12先端の連結ピンA17は連結ロッドA14のみぞ穴後端部に達し、戻しスプリング28の引き張力に抗して、繰出しプレート26は後方(図中右方向)へ移動する。そして種子保持穴27が種子供給室23に達すると、保持されていた種子は、ガイドパイプ31を通過して播種パイプ32に落下供給されるのである。
【0019】
この時、作動ピン9の揺動レバー11への押し作用は最終位置に達して、播種パイプ32とシャッターパイプ35は先端部の播種口34を閉じた状態で最上昇位置にある。そして、この直後に揺動レバー11先端から作動ピン9が外れると、戻しスプリング28の引き張力により繰出しプレート26は勢い良く初期の位置に戻る。同時に、昇降アーム12に連結されたシャッターパイプ35と播種パイプ32は播種口34を閉じたままの状態で自重により下降するが、昇降アーム12にも戻しスプリング28の引き張力は作用するので、戻しスプリング28の引き張力に加勢されて勢い良く下降して、地面に達するとシャッターパイプ35と播種パイプ32の先端部で播種孔を穿設する。
【0020】
以上で一連の播種作業の作用動作は終了する。そして、回転している作動板8の次の作動ピン9が初期の位置に戻った揺動レバー11に当接し、これを押し下げることにより播種作業が繰り返されるのである。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0022】
漏斗形状の種子ホッパ21の内底部に供給予備室22を設け、ホッパ底部と供給予備室の間にホッパ底部傾斜面に沿って制御板24を設置し、制御板先端部とホッパ壁面との間隔を調整することにより、供給予備室22に流入する種子の数量を調節できるようにしたので、繰出しプレート26の種子保持穴27に確実に所定数の種子が保持され、上方からの余分な圧力がかからないので、繰出しプレート26が移動して播種パイプ32に種子を供給する際に種子を傷つけることがない。
【0023】
また、装置後方に設けた接地輪4の回転により駆動力を得て、複数のピンを等間隔に固設した作動板8を回転させて、適宜のアーム、連接ロッドを介して前記供給予備室22の下方に設けた繰出しプレート26と、播種パイプ32及びシャッターパイプ35を関連づけて作動させ、確実に所定数の種子を一定間隔で地面に播種するように構成したので、装置全体が簡単に製造でき、メンテナンス等の取り扱いが簡単に出来る。
【0024】
また、繰出しプレート26を簡単に交換できるので、種子の種類や播種数に応じて種子保持穴27の大きさを変えたり、種子の大きさに合わせて厚みを変えた繰出しプレート26を数種類用意しておけば、1台の播種装置で異なった作物の播種作業が出来る。
【0025】
また、マルチフィルムを敷設した畝の播種作業であっても、播種パイプ32の下端先端部をV字形に鋭利に加工してあるので、フィルムを切り裂き畝地に播種孔を穿設し適数の種子を播種する事が出来る。
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す播種装置の全体側面図である。
【図2】播種装置の背面図である。
【図3】種子繰出し部の実施例を示す断面図である。
【図4】播種パイプとシャッターパイプの先端部の実施例を示す断面図である。
【図5】播種パイプ先端部の後方視図である。
【図6】昇降アームが最下降時の作用説明図である。
【図7】播種口が開口したときの作用説明図である。
【図8】供給プレートを後方に引き始めるときの作用説明図である。
【図9】供給プレートが最後方まで引かれ播種パイプが最上昇したときの作用説明図である。
【符号の説明】
A 種子
1 播種装置
2 機体フレーム
3 駆動軸
4 接地輪
5 スプロケット
6 チェーン
7 従動軸
8 作動板
9 作動ピン
10 揺動軸
11 揺動レバー
12 繰出しアーム
13 昇降アーム
14 連結ロッドA
15 連結ロッドB
16 連結ロッドC
17 連結ピンA
18 連結ピンB
19 連結ピンC
21 種子ホッパ
22 供給予備室
23 種子供給室
24 制御板
25 間仕切板
26 繰出しプレート
27 種子保持穴
28 戻しスプリング
31 ガイドパイプ
32 播種パイプ
33 種子受け部
34 播種口
35シャッターパイプ
36 穿孔板
37 ウェート
38 係合ピン
【出願人】 【識別番号】000207160
【氏名又は名称】大島農機株式会社
【出願日】 平成14年7月17日(2002.7.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−49031(P2004−49031A)
【公開日】 平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願番号】 特願2002−207647(P2002−207647)