トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 細粒剤用拡散部及び散布ノズル
【発明者】 【氏名】梶谷 恭一
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【氏名】平島 紘一
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【要約】 【課題】細粒剤を幅広く均一に散布することができるようにする。

【解決手段】本発明の細粒剤用拡散部1は、粉粒剤散布装置の粗粒剤用散布ノズル5の先端部に取り付けられるものであり、細粒剤Pの流入側より吐出側へ行くに従って幅広となる略扇形に形成された底壁20と、底壁20の両側縁部に立設された一対の側壁21とにより細粒剤Pの流下路22が形成され、底壁20の上面20aは、細粒剤Pの流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒剤散布装置の粗粒剤用散布ノズルの先端部に取り付けられる細粒剤用拡散部であって、
細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って幅広となる略扇形に形成された底壁と、該底壁の両側縁部に立設された一対の側壁とにより細粒剤の流下路が形成され、
前記底壁の上面は、細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成された細粒剤用拡散部。
【請求項2】
前記一対の側壁の上端縁部を連結し前記流下路を覆う透明板を備えた請求項1記載の細粒剤用拡散部。
【請求項3】
細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って幅広となる略扇形に形成された底壁と、該底壁の両側縁部に立設された一対の側壁とにより細粒剤の流下路が形成され、
前記底壁の上面は、細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成された細粒剤用散布ノズル。
【請求項4】
前記一対の側壁の上端縁部を連結し前記流下路を覆う透明板を備えた請求項3記載の細粒剤用散布ノズル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農薬や肥料等の粉粒剤のなかでも砂に似た細粒剤と呼ばれるものを散布するための細粒剤用拡散部及び散布ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、畝状に栽培されている例えば大豆、麦、トウモロコシ等の作物間に発生する雑草を防除するための薬剤として、細粒剤と呼ばれる砂に似た薬剤(例えば、商品名「クリアターン(登録商標) 細粒剤F」(クミアイ化学工業社製))が使用されてきている。
【0003】
また、薬剤等の粉粒剤を散布する従来の粉粒剤散布装置としては、本出願人が特開2000−316335号公報に開示したものを例示する。この散布装置は、粉粒剤を図8に示す散布ノズル51から吐出するように構成されている。この散布ノズル51は、その粉粒剤の流下路上に複数の凸状の散布ピン52が凸設されている。この散布ピン52は、流下してくる粉粒剤を分散しながら散布ノズル51の吐出口51aに案内するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の粉粒剤散布装置は、粗粒剤又はそれよりも大きい粒からなる通常の粒剤のサイズや、該粒剤の運動の仕方に基づいて設計されているため、細粒剤Pを散布しようとすると、図8に示すように細粒剤Pがすじ状に片寄って吐出されてしまい、細粒剤Pを幅広く均一に散布することができないという問題がある。このため、細粒剤の散布作業は専ら手散布によることが多く、手間がかかっている。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、細粒剤を幅広く均一に散布することができる細粒剤用拡散部及び散布ノズルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の細粒剤用拡散部は、粉粒剤散布装置の粗粒剤用散布ノズルの先端部に取り付けられる細粒剤用拡散部であって、細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って幅広となる略扇形に形成された底壁と、該底壁の両側縁部に立設された一対の側壁とにより細粒剤の流下路が形成され、前記底壁の上面は、細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成されている。
【0007】
前記「細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成」とは、具体的には、前記細粒剤の流下方向に直交する底壁上面の断面曲線の中央部が、流入口より吐出口に行くに従って高くなるように形成することを例示する。なお、前記断面曲線としては、特に限定されないが、略円弧状の曲線とすることを例示する。
【0008】
このように通常の粉粒剤の散布ノズルの先端部に前記拡散部を取り付けることにより、細粒剤が該拡散部の前記流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成された底壁上面を流下しながら、徐々に拡散して行き、吐出側からは全体的に幅広く均一に拡散された状態で吐出されるようにしている。このため、該拡散部の吐出口全幅に亘って均一に細粒剤を落下散布することができる。
【0009】
前記細粒剤用拡散部においては、前記一対の側壁の上端縁部を連結し前記流下路を覆う透明板を備えた態様を例示する。
【0010】
この構成により、前記流下路の途中で細粒剤が風に吹き飛ばされ散逸してしまうことを防止するようにしている。また、常時、細粒剤の流下状態を監視できるので、例えば拡散部の傾き角度が適当でなく、前記流下路上で細粒剤の片寄りが起きるようなときは、直ちに傾きを修正し、対応することができる。
【0011】
また、本発明の細粒剤用散布ノズルは、細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って幅広となる略扇形に形成された底壁と、該底壁の両側縁部に立設された一対の側壁とにより細粒剤の流下路が形成され、前記底壁の上面は、細粒剤の流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成されている。
【0012】
前記細粒剤用散布ノズルにおいては、前記一対の側壁の上端縁部を連結し前記流下路を覆う透明板を備えた態様を例示する。
【0013】
前記細粒剤用散布ノズルによっても、前記細粒剤用拡散部と同様の作用・効果を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は本発明を具体化した第一実施形態の細粒剤用拡散部1を示している。図1は該拡散部1を装着した粉粒剤散布装置2を示しており、この装置2は、細粒剤Pや粗粒剤等の粉粒体を収納するホッパー3と、該ホッパー3の上部開口部を開閉自在に密閉する蓋4と、該ホッパー3の前部に設けられた粉粒体流下口3aに着脱自在に取り付けられた散布ノズル5と、該ホッパー3の後部に設けられた提げ手6とを備えている。そして、散布ノズル5の先端部には、拡散部1が着脱自在に取り付けられている。
【0015】
図5及び図6に示すように、ホッパー3内には該ホッパー3後部のスプリング機構(図示略)によって後方に付勢されたロッド10が前後動自在に支持されている。ロッド10の前端には、流下口3aに対して開閉自在に設けられている略円錐形の開閉弁11が取り付けられている。ロッド10の後端は、ホッパー3の後部壁面を貫通しており、その先端に押し釦12が取り付けられており、この押し釦12を押すと、開閉弁11が前方に移動し、流下口3aが開くようになっている。
【0016】
散布ノズル5は、上蓋14と底板15とからなり、図6に示すように底板15における細粒剤Pの流下路上には複数の凸状の散布ピン16が凸設されている。この散布ピン16は、流下口3aから流下してくる細粒剤Pを分散しながら散布ノズル5の吐出口に案内するものである。
【0017】
拡散部1は、細粒剤Pの流入側より吐出側へ行くに従って幅広となる略扇形に形成された底壁20と、該底壁20の両側縁部に立設された一対の側壁21とにより細粒剤Pの流下路22が形成されている。そして一対の側壁21の上端縁部には、それらを連結し流下路22を覆う透明板23が取り付けられている。拡散部1の流入口部24は、散布ノズル5の先端部に外装可能に形成されている。なお、本例では、図2に示すように散布ノズル5に嵌装した拡散部1を固定手段としてのネジとナットで固定するようにしている。
【0018】
拡散部1の底壁上面20aは、図5に示すように散布ノズル5の細粒剤P吐出方向に対してやや上向きに傾斜した状態にされている。また、底壁上面20aは、細粒剤Pの流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成されており、具体的には、図4に二点鎖線で示すように細粒剤Pの流下方向に直交する底壁上面20aの断面曲線の中央部が、流入口より吐出口に行くに従って高くなるように形成されている。具体的には、本例の前記断面曲線は略円弧状の曲線となっている。本例の拡散部1の流下路22は、長さが約135mm、細粒剤Pの流入側の幅が約140mm、吐出側の幅が約210mmに設定されている。そして、吐出側において、細粒剤Pの流下方向に直交する底壁上面20aの断面曲線の中央部の高さは約45mmに設定されている。吐出側における断面曲線の中央部の高さは、特に限定されないが、前記吐出側の幅に対して、10%〜30%に設定することが好ましい。ここで、下限を約10%としたのは、それより小さいと細粒剤Pの側方への拡散が十分でなく、また、上限を30%としたのは、それより大きいと細粒剤Pが側方に多く散布されすぎて、中央部が少なくなるからである。
【0019】
次に、図5及び図6は、本発明の拡散部1を装着した粉粒剤散布装置2により細粒剤Pを散布しているときの状態を示している。図5に示すように提げ手6を持ち、拡散部1が一定の傾き角度になるように保持する。そして、押し釦12を押すと、開閉弁11が開き、図6に示すようにホッパー3から細粒剤Pが流下してくる。この細粒剤Pは、散布ノズル5内で散布ピン16により6すじに分流され、拡散部1に至る。拡散部1に流入した細粒剤Pは、まず、散布ノズル5の細粒剤吐出方向に対してやや上向きに傾斜した底壁上面20aに乗り上げる。そして、細粒剤Pは、該細粒剤Pの流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成された底壁上面20aを流下しながら、各すじの細粒剤Pが徐々に拡幅して行き、吐出側からは全幅に亘って均一に拡幅された状態で吐出される。
【0020】
以上のように構成された本実施形態の拡散部1によれば、通常の粉粒剤の散布ノズル5の先端部に拡散部1を取り付けることにより、細粒剤Pを全体的に幅広く均一に拡散された状態で吐出させることができる。このため、拡散部1の吐出口全幅に亘って均一に細粒剤Pを落下散布することができる。
【0021】
また、一対の側壁21の上端縁部を連結し前記流下路22を覆う透明板23を備えているので、流下路22の途中で細粒剤Pが風に吹き飛ばされ散逸してしまうことを防止することができる。また、常時、細粒剤Pの流下状態を監視できるので、例えば拡散部1の傾き角度が適当でなく、流下路22上で細粒剤Pの片寄りが起きるようなときは、図5に実線の矢印で示すように直ちに傾きを修正し、対応することができる。
【0022】
次に、図7は本発明を具体化した第二実施形態の細粒剤用散布ノズル30を示している。本実施形態の散布ノズルは、第一実施形態における散布ノズル5と細粒剤用拡散部1とを一体化したものであり、その他の点については、第一実施形態と共通している。
【0023】
すなわち、本実施形態の細粒剤用散布ノズル30は、細粒剤Pの流入側より吐出側へ行くに従って幅広となる略扇形に形成された底壁31と、該底壁31の両側縁部に立設された一対の側壁32とにより細粒剤Pの流下路33が形成され、底壁31の上面31aは、細粒剤Pの流入側より吐出側へ行くに従って中高に形成されている。また、散布ノズル30は、一対の側壁32の上端縁部を連結し流下路33を覆う透明板34を備えている。
【0024】
本実施形態の細粒剤用散布ノズル30によっても、第一実施形態の細粒剤用拡散部1と同様の効果を得ることができる。
【0025】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)第一実施形態において、散布ノズル5に対する拡散部1の着脱手段や、固定手段を適宜変更すること。
(2)第一実施形態において、散布ノズル5に対する拡散部1の取付角度を調節可能に構成すること。
(3)本発明を手持式以外の粉粒剤散布装置(例えば、走行自在の機体に支持された粉粒剤散布装置等)に使用すること。
【0026】
【発明の効果】
本発明の細粒剤用拡散部及び散布ノズルによれば、細粒剤を幅広く均一に散布することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る細粒剤用拡散部を粉粒剤散布装置に装着した状態を示す斜視図である。
【図2】同拡散部を取り外した状態を示す斜視図である。
【図3】図2のIII矢視図である。
【図4】同拡散部の分解斜視図である。
【図5】同拡散部の使用状態を示す側面図である。
【図6】同拡散部による細粒剤の散布状態を示す平面図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る細粒剤用散布ノズルを示す斜視図である。
【図8】従来の粉粒剤散布装置の散布ノズルによる細粒剤の散布状態を示す平断面図である。
【符号の説明】
1  細粒剤用拡散部
2  粉粒剤散布装置
5  散布ノズル
20  底壁
20a 上面
21  側壁
22  流下路
23  透明板
30  細粒剤用散布ノズル
31  底壁
31a 上面
32  側壁
33  流下路
34  透明板
P   細粒剤
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地
【出願日】 平成14年6月11日(2002.6.11)
【代理人】 【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一

【公開番号】 特開2004−8182(P2004−8182A)
【公開日】 平成16年1月15日(2004.1.15)
【出願番号】 特願2002−170202(P2002−170202)