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【発明の名称】 乗用田植機
【発明者】 【氏名】佐伯 正文
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【氏名】新山 裕之
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【氏名】鈴木 隆
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【氏名】石田 伊佐男
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】予備苗載台を走行車体の左右両側に設けた乗用田植機であって、運搬・格納時には、機体の左右幅が従来よりも小さくなるようにして運搬・格納の効率を向上し、作業時には、車体前部の左右両側のフロア面上を通行して乗降できるようにして作業能率の良い乗用田植機を得る。

【解決手段】予備苗載台34の苗台37を車体平面視で車体前部の左右両側のフロア面上に重なる状態と、該状態より左右方向外方に位置する状態とに移動できる構成とすると共に、該外方に位置する状態とした苗台37の外側端部が苗載台26外側端部よりも外方に位置し、且つ、隣接既植付条に条合せするサイドマーカー50よりも機体内方に位置する構成とした乗用田植機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右前輪4と左右後輪5を装備した走行車体1に座席9の前側左右側部から車体前部に至るフロア面を有する左右ステップフロア8を設け、該左右ステップフロア8の左右外側に立設した支持フレーム35に苗を載せる苗台37を備えた予備苗載台34を取り付け、該走行車体1の後部にリンク24を介して苗載台26を装備した苗移植作業機2を連結した乗用田植機において、予備苗載台34の支持フレーム35はその基部が前輪4よりも前側で機体正面視で機体左右方向に延びてその左右端部から更に上方に向けて設けた構成とし、該上方に向けて設けた支持フレーム35部に前記予備苗載台34の苗台37を設けて、該苗台37を車体平面視で車体前部の左右両側のフロア面上に重なる状態と、該状態より左右方向外方に位置する状態とに移動できる構成とすると共に、該外方に位置する状態とした苗台37の外側端部が苗載台26外側端部よりも外方に位置し、且つ、隣接既植付条に条合せするサイドマーカー50よりも機体内方に位置する構成としたことを特徴とする乗用田植機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、乗用型の田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の乗用田植機では、車体前部の左右両側にフロア面を設けてそのフロア面上を通行して機体前方から作業者が車体に乗降できるようにしている。これにより、畦から苗を補給するときに、機体を旋回させずに畦に向かって前進させて畦直前で機体を停止すると、作業者は水田内に降りずに直接車体上から畦に降り又畦から直接車体上に乗ることができるようになって、作業性が向上する。
【0003】
また、乗用田植機では、通常、作業能率向上のため多数の苗を機体に搭載できるよう、予備苗載台を走行車体の左右両側に設ける。ところが、予備苗載台を車体の左右両側に設けるにあたり、上記のように車体前部の左右両側にフロア面を設けてそのフロア面上を通行できるようにすると、予備苗載台が車体の左右外側方にはみ出た状態となるよう設けられることになり、その結果、機体の左右幅が大きいものとなって、機体を効率良く運搬・格納できない。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−192215号公報(第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、予備苗載台を走行車体の左右両側に設けた乗用田植機であって、運搬・格納時には、機体の左右幅が従来よりも小さくなるようにして運搬・格納の効率を向上しつつ、作業時には、車体前部の左右両側のフロア面上を通行して乗降できるようにして作業能率の良いものとした乗用田植機を得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上記課題を解決するために、左右前輪4と左右後輪5を装備した走行車体1に座席9の前側左右側部から車体前部に至るフロア面を有する左右ステップフロア8を設け、該左右ステップフロア8の左右外側に立設した支持フレーム35に苗を載せる苗台37を備えた予備苗載台34を取り付け、該走行車体1の後部にリンク24を介して苗載台26を装備した苗移植作業機2を連結した乗用田植機において、予備苗載台34の支持フレーム35はその基部が前輪4よりも前側で機体正面視で機体左右方向に延びてその左右端部から更に上方に向けて設けた構成とし、該上方に向けて設けた支持フレーム35部に前記予備苗載台34の苗台37を設けて、該苗台37を車体平面視で車体前部の左右両側のフロア面上に重なる状態と、該状態より左右方向外方に位置する状態とに移動できる構成とすると共に、該外方に位置する状態とした苗台37の外側端部が苗載台26外側端部よりも外方に位置し、且つ、隣接既植付条に条合せするサイドマーカー50よりも機体内方に位置する構成とした乗用田植機としたものである。
【0007】
従って、この乗用田植機は、運搬・格納時には、基部が前輪4よりも前側で機体正面視で機体左右方向に延びてその左右端部から更に上方に向けて設けた支持フレーム35部に予備苗載台34の苗台37を設けて、その苗台37を、車体平面視で車体前部の左右両側のフロア面上に重なる状態に移動しておくことで、車体前部の左右両側のフロア面上の空間を利用して機体の左右幅を従来よりも小さくすることができ、効率良く運搬でき、狭い場所への格納も容易に行える。
【0008】
作業時には、予備苗載台34の苗台37を上記の状態より左右方向外側で、苗台37の外側端部が苗載台26外側端部よりも外方に位置し、且つ、隣接既植付条に条合せするサイドマーカー50よりも機体内方に位置する状態に移動しておくことで、車体前部の左右両側のフロア面の上方が解放され、畦の苗を機体に搭載するときなどに車体前部から乗降することが容易に行え、また、苗台37の外側端部が苗載台26外側端部よりも外方に位置することにより予備苗載台34の苗台37に苗を搭載する作業及び苗台37から苗を取出して苗載台26に供給する作業も容易で非常に作業性が良い。また、予備苗載台34の苗台37を左右方向外側に位置させた状態でも、サイドマーカー50が苗台37の外側端部よりも機体外側方に位置することになるので、作業者はサイドマーカー50が良く見えて隣接既植付条に条合せして機体を走行させることが容易に行える。
【0009】
【発明の効果】
よって、この発明は、基部が前輪4よりも前側で機体正面視で機体左右方向に延びてその左右端部から更に上方に向けて設けた支持フレーム35部に予備苗載台34の苗台37を設けて、その苗台37を上記のように移動することにより、運搬・格納時には、車体前部の左右両側のフロア面上の空間を利用して機体の左右幅を従来よりも小さくできて、運搬・格納の効率が良いものとなり、しかも、作業時には、車体前部の左右両側のフロア面上を通行して乗降し能率良く作業が行え、作業者はサイドマーカー50が良く見えて隣接既植付条に条合せして機体を走行させることが容易に行えるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。図中の符号1は乗用型走行車体で、後方にリンク24を介して苗移植作業機2を連結している。3はエンジンであって、前後方向で前輪4、4と後輪5、5の間で、ミッションケース6の後端から後方に向けて固着された1本のフレーム7a上に搭載されている。またエンジン3の上側はステップフロア8と一体のエンジンカバー部8aで覆われ、そのカバー8a上に座席9が配設されている。ステップフロア8は、座席9に座る作業者の足元部分、及び座席9の左右下側、そして、ハンドル15の左右下側即ち車体前部の左右両側に渡ってフロア面が連続的に延設されている。更に、座席9の左右両側には、ステップ8上への乗り降り用の乗降ステップ部8b、8bが一体的に設けられている。また、座席9の後側にはリヤステップ8c、8cが設けられている。このリヤステップ8c、8cは左右所定の間隔をあけて取付けられていて、その間をリンク24が油圧シリンダ23により昇降作動する。また、リヤステップ8c、8cは、苗移植作業機2の苗載台26の上位側(前側)部の下方に入り込むように位置させて取り付けられている。これにより、リヤステップ8c、8cに足を載せて、容易に、苗載台26の上に体を乗り出すことができ、苗載台26に載せた苗がめくれ上がったり、逆に滑り落ちなかったり等の苗載置不良状態を起こしたときに、安定した姿勢で、苗載台の下位側部に向かって手を延ばして不良状態となった苗を直接手で修正することができる。
【0011】
エンジン3の回転動力は、伝動ベルト10を介してエンジン出力軸3aから油圧ポンプ駆動軸11aに伝動し、更に、油圧ポンプ駆動軸11aから伝動ベルト12を介してミッションケース6の入力軸6aに伝動する。ミッションケース6内に伝えられた動力は、走行系、作業機系へと伝達される。また、副変速機構として、図5−(a)〜(d)に示されるように、エンジン3の出力軸3aから油圧ポンプ11の駆動軸11aへの伝動と、油圧ポンプ11の駆動軸11aからミッションケース6の入力軸6aへの伝動とが、それぞれ伝動回転数を無段階に切替られる構成になっている。即ち、エンジン3の出力軸3aにはエンジン出力プーリー3bが一体回転するように取付けられ、油圧ポンプ11の駆動軸11aには割プーリ11bが一体回転且つプーリー幅を変更可能に取付けられている。この割プーリー11bとエンジン出力プーリー3bとに伝動ベルト10が巻き掛けられる。そして、ベルト10に張力をかけるベルトテンション装置T1が設けられ、テンションローラーR1がベルトテンションを強める側に移動すると、前記割プーリー11bの可動プーリ側が軸方向に摺動してプーリー幅が広くなり、割プーリー11bへのベルト巻き付き半径が小さくなって油圧ポンプ11側への伝動回転数が増大する。尚、割プーリー11bの可動プーリーは、スプリングSP1によりプーリー幅を小さくする方向に摺動するよう付勢されている。また、テンションローラーR1は、回動自在に枢支されたL字状のローラーアームA1に回動自在に取付けられて枢支軸廻りに揺動するようになっている。そして、ローラーアームA1のローラーR1取り付け側と反対側の端部と機体に枢着された副変速レバーVLに一体の操作プレートA1’の長孔部aとがスプリングSP1’を介したロッドL1で連結されている。
【0012】
次に、油圧ポンプ11の駆動軸11aには前記割プーリ11bの外側に油圧第2プーリー11cが一体回転するように取付けられ、トランスミッション6の入力軸6aには前記割プーリー11bと同様の割プーリ6bが一体回転且つプーリー幅を変更可能に取付けられている。この割プーリー6bと油圧第2プーリー11cとに伝動ベルト12が巻き掛けられる。そして、ベルト12に張力をかけるベルトテンション装置T2が設けられ、テンションローラーR2がベルトテンションを強める側に移動すると、前記割プーリー6bの可動プーリ側が軸方向に摺動してプーリー幅が広くなり、割プーリー6bへのベルト巻き付き半径が小さくなってミッションケース6側への伝動回転数が増大する。尚、割プーリー6bの可動プーリーは、スプリングSP2によりプーリー幅を小さくする方向に摺動するよう付勢されている。また、テンションローラーR2は、回動自在に枢支されたL字状のローラーアームA2に回動自在に取付けられて枢支軸廻りに揺動するようになっている。そして、ローラーアームA2のローラーR2取り付け側と反対側の端部と機体に枢着された副変速レバーVLに一体の操作プレートA2’とがスプリングSP2’を介したロッドL2で連結されている。
【0013】
上記構成の副変速機構は、副変速レバーVLにより以下のように作動する。即ち、副変速レバーVLが最低速位置P1に位置するときは、図5−(a)に示されるように、油圧ポンプ11側の割プーリー11bとミッションケース6側の割プーリー6bとが両方ともベルト巻き付き半径が最大半径となる低速伝動状態となる。この状態が最低速伝動状態となる。次に、副変速レバーVLを中速位置P2までシフトすると、図5−(b)に示されるように、油圧ポンプ11側のテンション装置T1側はロッドL1が操作プレートA1’の長孔部aを融通して引っ張られないので作動せず、油圧ポンプ11側の割プーリー11bは低速伝動状態のままとなる。しかし、ミッションケース6側の割プーリー6bは、副変速レバーVLに一体の操作プレートA2’にロッドL2が引っ張られてローラーアームA2が揺動し、テンションローラーR2が移動してベルト巻き付き半径が最小半径となり高速伝動状態となる。この状態が中速伝動状態となる。前記最低速伝動状態からこの中速伝動状態までの間の変速は無段階に操作でき、しかも、この間は、油圧ポンプ11の駆動軸11aへの伝動回転数は変化せず(但し、エンジンアクセル一定において)、油圧作動系(例えば油圧シリンダ23)の最低限必要な作動スピードは保持される。そして、副変速レバーVLを最高速位置P3までシフトすると、図5−(c)に示されるように、油圧ポンプ11側のテンション装置T1はロッドL1が長孔部aの融通許容範囲の融通が終って引っ張られ、ローラーアームA1が揺動してテンションローラーR1が移動し、油圧ポンプ11側の割プーリー11bのベルト巻き付き半径が最小半径となる高速伝動状態となる。一方、ミッションケース6側の割プーリー6bは、前述のように、既に、ベルト巻き付き半径が最小半径となるまでテンションローラーR2が移動しているから、ロッドL2のスプリングSP2’が伸びて高速伝動状態が維持される。この状態が最高速伝動状態となる。前記中速伝動状態からこの最高速伝動状態までの間の変速も無段階に操作でき前記最低速伝動状態から連続的に変速操作できる。更に、この間は、油圧ポンプ11の駆動軸11aへの伝動回転数が増大していき、油圧シリンダ23などの油圧作動系の作動スピードが走行スピードの増大に伴って増大し、高速作業走行における苗移植作業機2の昇降制御の追従性を高められる。
【0014】
前輪4、4は、ミッションケース6の左右両側に連結固着する前輪伝動ケース14a、14bの下側ケース14bに軸架されている。また、前輪4、4は、ミッションケース6から伝動されて駆動回転し、更に、ハンドル15の回動に対応して操向回動するようになっている。ハンドル15が回動すると、ステアリング軸15aを介してアーム16が連動して回動し、そのアーム16がロッド17、17を介して上側の前輪伝動ケース14aに対して回動自在な下側ケース14b、14bと連結して、ハンドル15の回動操作が前輪4、4に伝動されるようになっている。
【0015】
後輪5、5は、フレーム7aの後端の横フレーム7bの中央に後方へ向けて固着されたローリング軸18にローリング自在に取り付けられた後輪フレーム19の左右端部の後輪ギヤケース20、20に軸架されている。よって、後輪5、5はローリング軸18周りにローリング可能な構成になっている。後輪5、5への伝動は、ミッションケース6内の動力が、そのミッション内の後輪用の差動装置を介して、ミッションケース6の後端部左右2箇所から後方に突出させた後輪駆動軸21、21に伝動され、その駆動軸21、21と後輪ギヤケース20、20の入力軸20a、20aとを自在継手、伸縮継手を備えた後輪伝動軸22、22が連結して、後輪5、5へ動力が伝達されている。
【0016】
23は油圧シリンダで、シリンダの基部側はエンジン3の下側でフレーム7aに固着されたブラケットに軸支され、ピストンロッドの先端は走行車体1と作業機2を連結するリンク24のアッパーリンク24aに一体のアーム25に連結されている。油圧シリンダ23のシリンダ内へオイルが流入、流出することによって、ピストンロッドが突出、引退し、リンク24が走行車体1側を回動支点として上下し、作業機が昇降する。
【0017】
リンク24は、アッパーリンク24aとロアーリンク24b、24bが、走行車体1側の横フレーム7bに固着された走行車体側リンクベース24cにリンク回動支点として連結され、苗移植作業機2側には植付伝動ケース27に固着のローリング連結軸27aを左右ローリング自在に軸受している作業機側リンクベース24dが連結されている。
【0018】
25は作業機伝動軸で、ミッションケース6の後側部から後方に向けて突出させたPTO軸の回転動力を、作業機2の入力軸へ自在継手、伸縮継手を介して伝達する。26は苗載台で、前側が上位に後側が下位になるよう傾斜させて植付部伝動ケース27に固定されているレール上に左右スライド可能に取り付けられている。伝動ケース27内の左右往復機構により苗載台26は左右に往復移動して、植付装置28…にその植え付けサイクルに合わせて一株づつ苗を供給する。
【0019】
植付装置28…は、植付部伝動ケース27の左右端側からそれぞれ後方に向かって延びる2本の植付伝動フレーム29、29の後側に、左右両側2条分づつ取り付けられ全体で4条植え分装着されている。各条の植え付け装置28…は植付伝動フレーム29、29内のチェーン伝動機構を介して伝動ケース27の動力が伝達されている。また、植付装置28は、回転ケース30とそれに装着された2基の植付具31、31から構成されている。この2基の植付具31、31のそれぞれに植付爪が設けられ、その先端が回転ケース30の回転に伴うケース内のギヤ列の回転伝動によって楕円状の軌跡を描く運動を行い、苗載台26の苗供給に合わせて一株づつ苗を取って圃場に植え付けていく。
【0020】
32a、32b、32cはそれぞれ左側、中央側、及び右側の整地フロートで、植付伝動フレーム29、29の下側にそれぞれ前端が上下に揺動可能に吊り下げられ、植え付け圃場の泥面を整地しながら滑走していく。尚、中央整地フロート32bは、作業機2を昇降させる油圧シリンダ23を作動させる油圧バルブ23aのスプールと連結して、作業機昇降制御のセンサーフロートも兼ねる。
【0021】
34、34は予備苗載台で、それぞれ機体の左右に取り付けられている。左右の予備苗載台34、34は、それぞれ同じ構成をとっており、具体的には以下のようになっている。即ち、予備苗載台34の支持フレーム35は、側面視逆L字状に成形されていて、その下側基部はミッションケース6の前側に固着のブラケット35aに固着され、遊端部には上下方向の回動軸36を受ける軸受部材35bが固着している。また、苗を収容した箱或は苗そのままを一枚づつ載せられる苗台37、37は苗台フレーム38a…、38b…に下側から固定支持され、苗台フレーム38…、38b…は上下の回動軸36を貫通する軸孔を有する回動部材39に固着されている。その回動部材39の軸孔と前記軸受部材35bの軸孔とを上下に連ねて回動軸36を貫通することで、苗台37、37を支持フレーム35に回動軸36廻りに回動自在に取付けられる。そして、軸受部材35bに固着のブラケット35c、35cで支持されたレバー回動支軸35dに苗台固定レバー40の係止プレート部40aが枢支されている。このレバー40の係止プレート部40aが前記回動部材39の下端に固着された回動プレート39aの固定位置決め用の切欠き部39b…の一つに係合させると、苗台37、37の回動軸36廻りの回動が阻止される。レバーの把手部40bを持ち上げると、係止プレート部40aが回動プレート39aの切欠き部39bから外れ、苗台37、37の回動軸36廻りの回動は許容される。そして、別の切欠き部39bに係合させれば、再び、苗台37、37を別の姿勢で固定できる。切欠き部39b…は、3個所設けられている。
【0022】
まず、切欠き位置X1に係合すると、苗台37、37がハンドル15に近接して車体平面視でステップフロア8の車体前部の左右両側に設けたフロア面上に重なる状態となり、このときハンドル15の左右を通過して機体前方からは乗り降りするには苗台37…が邪魔になるが、図面に示すように苗台37…は車体側面視で車体側部に設けた乗降用のステップ部8b,8b上方に重ならない状態にあるから、乗降ステップ部8b、8bを用いて走行車体1の側方から乗り降りするのには苗台37…が邪魔にならない。そして、左右の苗台37…をこの状態に位置させれば、乗用田植機の左右最大幅(苗移植作業機2の苗載台26下端部の苗受枠26aの左右幅)よりも、予備苗載台34、34の左右の幅が狭く内側に入った状態となる。したがって、運搬・格納時に苗台37…をこの状態に移動することで、車体前部の左右両側のフロア面上の空間を利用して機体の左右幅を従来よりも小さくさせられて、効率良く運搬でき、狭い場所への格納も容易に行える。しかも、狭い場所に機体を前進させて乗り入れるときやそこから出すときに、苗台37…が邪魔にならないで、車体側方から降りたり乗ったりすることが容易に行える。
【0023】
また、切欠き位置X2に係合すると、上記の状態より左右方向外側に位置する状態に移動する。したがって、作業時に、苗台37…をこの状態に移動することで、車体前部の左右両側のフロア面の上方が解放され、畦の苗を機体に搭載するときなどに車体前部から乗降することが容易に行える。このとき支持フレーム35、35の水平部35’、35’は乗り降り時の手摺りとなる。尚、左右の苗台37…をこの状態に位置させれば、乗用田植機の左右最大幅よりも、予備苗載台34、34の左右の幅が広く外側に出るが、前述の前側からの乗り降りができることに加えて、前方視界が広くなり、特に予備苗載台34、34で見えずらくなりがちな隣接既植付条への条合せサイドマーカー50、50の確認も良好となる。尚、切欠き部39b(切欠き位置X3)で係止すると、苗台37…の長手方向が左右横方向になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の乗用田植機を示す平面図である。
【図2】実施例の乗用田植機を示す側面図である。
【図3】予備苗載台の部分断面側面図である。
【図4】予備苗載台の部分断面平面図である。
【図5】副変速機構の説明図で、(a)最低速伝動状態の簡略側面図、(b)中速伝動状態の簡略側面図、(c)最高速伝動状態の簡略側面図、(d)簡略平面図である。
【符号の説明】
1:走行車体
2:苗移植作業機
4:左右前輪
5:左右後輪
8:ステップフロア
9:座席
24:リンク
26:苗載台
34:予備苗載台
35:支持フレーム
37:苗台
50:サイドマーカー
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成15年6月26日(2003.6.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−241(P2004−241A)
【公開日】 平成16年1月8日(2004.1.8)
【出願番号】 特願2003−182876(P2003−182876)