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【発明の名称】 農作業機
【発明者】 【氏名】吉村 茂樹
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】上杉 洋一
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】中沢 厚
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】東城 正司
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【要約】 【課題】崩れにくい強固な畦を形成できる農作業機を提供する。

【解決手段】農作業機は、土を盛り上げる盛土体と、盛土体にて盛り上げた土を締め固めて畦側面を形成する略円錐状の側面形成体15とを具備する。側面形成体15は、回転中心軸線Xを中心として放射状に位置する複数枚の側面形成板21を備える。互いに隣り合う側面形成板21のうちの一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が、正面視で他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土を盛り上げる盛土体と、
回転中心軸線を中心として回転しながら、前記盛土体にて盛り上げられた土を締め固めて畦側面を形成する略円錐状の側面形成体とを具備し、
前記側面形成体は、前記回転中心軸線を中心として放射状に位置する複数枚の側面形成板を備え、
互いに隣り合う側面形成板のうちの一方の側面形成板の回転方向前端部の外端が、正面視で他方の側面形成板の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
土を盛り上げる盛土体と、
回転中心軸線を中心として回転しながら、前記盛土体にて盛り上げられた土を締め固めて畦側面を形成する略円錐状の側面形成体とを具備し、
前記側面形成体は、前記回転中心軸線を中心として放射状に位置する略扇状の複数枚の側面形成板を備え、
互いに隣り合う側面形成板のうちの一方の側面形成板の回転方向前端部の長さ寸法が、他方の側面形成板の回転方向後端部の長さ寸法より短くなっており、
前記一方の側面形成板の回転方向前端部の外端が、正面視で前記他方の側面形成板の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置する
ことを特徴とする農作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、崩れにくい強固な畦を形成できる農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の農作業機は、土を盛り上げる盛土体と、回転中心軸線を中心として回転しながら盛土体にて盛り上げられた土を締め固めて畦側面を形成する略円錐状の側面形成体とを具備している。また、側面形成体は、回転方向に並び、回転中心軸線を中心として放射状に位置する複数枚の略扇状の側面形成板を備えている。
【0003】
そして、互いに隣り合う2枚の側面形成板のうちの一方の側面形成板の回転方向前端部の長さ寸法が、他方の側面形成板の回転方向後端部の長さ寸法と同一である(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3148678号公報(第1頁〜第2頁、図5)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の農作業機では、一方の側面形成板の回転方向前端部の長さ寸法と他方の側面形成板の回転方向後端部の長さ寸法とが同一であることから、一方の側面形成板の回転方向前端部の外端が、正面視で他方の側面形成板の回転方向後端部の外端より反畦側に突出した状態に位置する(図3の2点鎖線参照)。
【0006】
このため、各側面形成板による締め込み開始のたびに、スラスト力が側面形成体に対して作用し、その側面形成体が畦から一旦離れるため、適切な締め込み力が得られず、崩れにくい強固な畦が形成されないおそれがある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、崩れにくい強固な畦を形成できる農作業機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の農作業機は、土を盛り上げる盛土体と、回転中心軸線を中心として回転しながら、前記盛土体にて盛り上げられた土を締め固めて畦側面を形成する略円錐状の側面形成体とを具備し、前記側面形成体は、前記回転中心軸線を中心として放射状に位置する複数枚の側面形成板を備え、互いに隣り合う側面形成板のうちの一方の側面形成板の回転方向前端部の外端が、正面視で他方の側面形成板の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置するものであり、適切な締め込み力が得られて、崩れにくい強固な畦が形成される。
【0009】
請求項2記載の農作業機は、土を盛り上げる盛土体と、回転中心軸線を中心として回転しながら、前記盛土体にて盛り上げられた土を締め固めて畦側面を形成する略円錐状の側面形成体とを具備し、前記側面形成体は、前記回転中心軸線を中心として放射状に位置する略扇状の複数枚の側面形成板を備え、互いに隣り合う側面形成板のうちの一方の側面形成板の回転方向前端部の長さ寸法が、他方の側面形成板の回転方向後端部の長さ寸法より短くなっており、前記一方の側面形成板の回転方向前端部の外端が、正面視で前記他方の側面形成板の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置するものであり、適切な締め込み力が得られて、崩れにくい強固な畦が形成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の農作業機の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1において、1は農作業機で、この農作業機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)に連結され、このトラクタの走行により畦に沿って移動しながら畦形成作業(畦修復作業)をする畦形成装置である。
【0012】
農作業機1は、トラクタの後部に3点リンク(作業機昇降支持装置)を介して連結された機枠2を備えている。
【0013】
機枠2は、連結部であるトラクタ連結部3を有しており、このトラクタ連結部3は、トップピンを有する中央のトップマスト(図示せず)と、ロワピン4を有する左右一対のロワアーム5とにて構成されている。
【0014】
また、機枠2には、前後方向の入力軸6が回転可能に設けられている。この入力軸6は、トラクタのPTO軸にユニバーサルジョイントを介して連結され、トラクタからの動力を入力する。
【0015】
さらに、機枠2の一側部における前側には、土を耕耘して盛り上げる前処理部である盛土体(ロータリ)7が回転可能に設けられている。この盛土体7は、入力軸6に伝動手段(図示せず)を介して接続された左右方向の水平状の回転軸8を有し、この回転軸8には耕耘爪9が放射状に取り付けられている。
【0016】
また、機枠2の一側部における後側には、進行方向前側の盛土体7にて畦に盛り上げられた土を締め固めて新たな畦面を形成する畦形成部(ディスク)11が回転可能に設けられている。なお、この畦形成部11の回転速度は、トラクタの走行速度との関係で、畦面に対してスリップ回転する値に設定されている。
【0017】
ここで、畦形成部11は、入力軸6に伝動手段(図示せず)を介して接続された左右方向の水平状の回転軸(軸芯が回転中心軸線Xと一致する軸)13を有している。
【0018】
この回転軸13には、図1ないし図4に示されるように、略円錐状の側面形成体15と略円筒状の上面形成体16とがそれぞれ回転軸13と同軸状に取り付けられている。
【0019】
側面形成体15は、上面形成体16側に向って縮径した略円錐状をなすもので、進行方向に対して直交する左右水平方向の回転中心軸線Xを中心として回転しながら、進行方向前側の盛土体7にて盛り上げられた土を畦に押し込むように締め固めて傾斜状の畦内側面を形成するものである。
【0020】
この側面形成体15は、対向端部が重なるようにして回転方向(図示イ方向)に並び、回転中心軸線Xを中心として放射状に位置する複数枚(例えば6枚)の略扇状の側面形成板(分割羽根板)21を外周面側に備えている。
【0021】
そして、対向端部が重なった状態で互いに隣り合う2枚の側面形成板21,21のうちの、一方の側面形成板21の回転方向前端部の長さ寸法(図示A寸法)が他方の側面形成板21の回転方向後端部の長さ寸法より短くなっている。そして、一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が、畦形成作業時において正面視で他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端より反畦側(畦側とは反対の側)に突出しない状態に位置する。
【0022】
すなわち、一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端は、畦形成作業時に不要なスラスト力が側面形成体15に対して作用しないように、正面視でつまり進行方向前方からみて他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置する。
【0023】
例えば、図3に示すように、回転中心軸線Xを通る平面(III―III断面図)で側面形成体15を切断した場合に、正面視で、一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端と他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端とが上下方向の1本の直線上に位置し、一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端の上方位置に離間対向して位置する。
【0024】
また、各側面形成板21は、いずれも同一形状のものであって、回転方向後端ほど強く土を押し込むものであり、この側面形成板21の全体が回転方向に沿ってやや湾曲した略扇状に形成されている。なお、各側面形成板21の外端側の略円弧状の外縁部21aは、回転中心軸線Xを中心とする仮想円上に位置しておらず、側面形成板21の径方向寸法は回転方向後端ほど長くなっている(図2参照)。
【0025】
さらに、各側面形成板21は、回転軸13の端部に固着された截頭円錐状のベース22にこのベース22の外周面に略沿って位置するように取付具(ボルトおよびナット等)23によって着脱可能に取り付けられている。
【0026】
なお、各側面形成板21とベース22との間にはスペーサ24が配設され、各側面形成板21の回転中心軸線Xからの離間距離が回転方向前端から回転方向後端に向って徐々に増大している。すなわち、各側面形成板21は、回転方向後端ほどベース体の外周面(基準円錐面)からの離間距離が大きくなるように傾斜状に配置されている。
【0027】
また一方、略円筒状の上面形成体16は、進行方向に対して直交する左右水平方向の回転中心軸線Xを中心として回転しながら、進行方向前側の盛土体7にて盛り上げられた土を畦に押し込むように締め固めて水平状の畦上面を形成するものである。なお、上面形成体16の端部外面と側面形成体15の縮径側の端部外面とを覆うように畦肩部形成用の筒状部材25が配設されている。
【0028】
次に、上記農作業機1を用いて畦形成作業を行う場合について説明する。
【0029】
トラクタに農作業機1を連結した状態で、トラクタを前進走行させると、農作業機1がトラクタとともに進行方向に向って移動し、トラクタからの動力が入力軸6および伝動手段を経て回転軸8,13に伝達され、盛土体7、側面形成体15および上面形成体16がそれぞれ所定方向に駆動回転する。
【0030】
そして、畦塗り用の土が盛土体7の耕耘爪9にて耕耘されて盛り上げられ、この盛り上げられた土が側面形成体15および上面形成体16にて締め固められて傾斜状の畦側面および水平状の畦上面が形成され、崩れにくい強固な新畦が形成される。
【0031】
このとき、互いに隣り合う2枚の側面形成板21,21のうちの一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が、正面視で他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置する。
【0032】
このため、従来とは異なり、各側面形成板21による締め込み開始のたびに不要なスラスト力で側面形成体15が畦から離れるようなことがなく、トラクタの直進性が向上し、適切な締め込み力が得られる。
【0033】
このように、上記農作業機1によれば、互いに隣り合う側面形成板21のうちの一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が、正面視で他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端より反畦側に突出(膨出)しないようにしたため、不要なスラスト力を排除でき、側面形成体15が畦から離れるようなことがなく、よって、適切な締め込み力を得ることができ、崩れにくい強固な畦を形成できる。
【0034】
なお、上記一実施の形態の農作業機1の畦形成部11は、略円筒状の上面形成体16を有したものには限定されず、例えば図5に示すように、側面形成体15側に向って縮径した略円錐状の上面形成体16を有したもの等でもよい。
【0035】
また、一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が正面視で他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置する場合とは、一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端の上方位置に離間対向して位置する場合には限定されず、一方の側面形成板21の回転方向前端部の外端が他方の側面形成板21の回転方向後端部の外端より上方で畦側に位置するような場合でもよい。
【0036】
さらに、畦形成部11は、側面形成体15および上面形成体16を有するものには限定されず、少なくとも側面形成体15を有するものであればよく、例えば畦内側面を形成する側面形成体15のみを有するものや、側面形成体15および上面形成体16に加えて畦外側面を形成する側面形成体15と同一構成の追加側面形成体を有するもの等でもよい。
【0037】
また、側面形成体15の略円錐状には、厳密な意味での円錐形状・円錐台形状には限定されず、これら円錐形状・円錐台形状に近似した形状等も含まれる。
【0038】
さらに、側面形成体15は、互いに別体である側面形成板(分割羽根板)21を備えたものには限定されず、互いに一体的な側面形成板21を備えた一体構造とすることもできる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、互いに隣り合う側面形成板のうちの一方の側面形成板の回転方向前端部の外端が、正面視で他方の側面形成板の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置するため、適切な締め込み力を得ることができ、崩れにくい強固な畦を形成できる。
【0040】
請求項2の発明によれば、互いに隣り合う側面形成板のうちの一方の側面形成板の回転方向前端部の長さ寸法が他方の側面形成板の回転方向後端部の長さ寸法より短く、一方の側面形成板の回転方向前端部の外端が正面視で他方の側面形成板の回転方向後端部の外端より反畦側に突出しない状態に位置するため、適切な締め込み力を得ることができ、崩れにくい強固な畦を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農作業機の一実施の形態を示す概略平面図である。
【図2】同上農作業機の畦形成部の側面図である。
【図3】同上農作業機の畦形成部のIII―III断面図(正面視縦断面図)である。
【図4】同上農作業機の畦形成部の斜視図である。
【図5】本発明の農作業機の他の実施の形態の畦形成部の斜視図である。
【符号の説明】
1 農作業機
7 盛土体
15 側面形成体
21 側面形成板
イ 回転方向
X 回転中心軸線
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地
【出願日】 平成15年4月2日(2003.4.2)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也

【公開番号】 特開2004−305028(P2004−305028A)
【公開日】 平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願番号】 特願2003−99500(P2003−99500)