| 【発明の名称】 |
農用トラクタ |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 隆志
【氏名】手島 司
【氏名】高橋 弘行
【氏名】杉浦 泰郎
【氏名】古山 隆司
【氏名】積 栄
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| 【要約】 |
【課題】農用トラクタの作業能率の向上、燃料消費率の低減、内燃機関の排気ガス中有害成分の低減、ロータリ耕うん作業時に起きる「ダッシング現象」の改善を図る。
【解決手段】走行部(1A,1B,2A,2B,3A,3B,4)及び作業機駆動部(6,7)と、これらの動力源となる内燃機関8と電動発電機9A、又は内燃機関8と電動発電機9A,9Bと、電動発電機9A,9Bの一方又は両方で発電した電気を蓄電するとともに電動発電機9A,9Bの一方又は両方への電気供給を行う電源装置12と、動力源の駆動制御を行う制御装置13とを備え、第1の電動発電機9Aから走行部へ動力を伝達するとともに、内燃機関8から、又は内燃機関8と第2の電動発電機9Bから作業機駆動部に動力を伝達する伝動手段10を備え、作業機駆動部を駆動することによる機体の推進力を走行部を介した電動発電機9Aの発電によって吸収させ、制御装置13によって第1の電動発電機9A、又は第1の電動発電機9Aと第2の電動発電機9Bを制御して機体の走行速度を制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動部としての走行部及び作業機駆動部と、前記駆動部の動力源としての内燃機関及び電動機と、前記駆動部の駆動に伴って発電する発電機と、該発電機で発電した電気を蓄電するとともに前記電動機への電気供給を行う電源装置と、前記動力源の駆動制御を行う制御装置とを備え、 第1の電動機から前記走行部へ動力を伝達するとともに、前記内燃機関から、又は前記内燃機関と第2の電動機とから前記作業機駆動部に動力を伝達する伝動手段を備え、 前記作業機駆動部を駆動することによる機体の推進力を前記走行部を介した前記発電機の発電によって吸収させるとともに、前記制御装置によって前記第1の電動機を制御して機体の走行速度を制御することを特徴とする農用トラクタ。 【請求項2】 前記走行速度の制御は、前記内燃機関の出力がほぼ一定になるように制御されることを特徴とする請求項1記載の農用トラクタ。 【請求項3】 前記伝動手段は、前記作業機駆動部の低負荷時に前記内燃機関のみによって該作業機駆動部を駆動する第1の伝動状態と、前記作業機駆動部の高負荷時に前記内燃機関と前記第2の電動機によって該作業機駆動部を駆動する第2の伝動状態とを切り換え可能にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の農用トラクタ。 【請求項4】 前記伝動状態の切り換えは、前記内燃機関の出力に応じてなされることを特徴とする請求項3記載の農用トラクタ。 【請求項5】 前記第1又は第2の電動機は、前記発電機を兼ねる電動発電機であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の農用トラクタ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、走行部と作業機駆動部とを駆動部として備える農用トラクタに関するものであって、特には、内燃機関とともに電動機を駆動部の動力源とする農用トラクタに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 農用トラクタは駆動部として走行部と作業機駆動部とを備えるが、一般的なものでは、走行部と作業機駆動部とを単一の内燃機関のみによって駆動しているため、内燃機関の負荷変動が大きく、燃料消費率の増大や排ガス中の有害成分の増大などが問題視されている。 【0003】 この問題に対処するために、駆動部の動力源として内燃機関に加えて電動機を装備する所謂ハイブリッド方式の農用トラクタが各種提案されている。その一つの方式は、例えば下記特許文献1に記載されるように、発電機を搭載させて、内燃機関の動力が作業機駆動部と発電機の駆動系に伝達される構成を備え、作業機による内燃機関の負荷が小さいときには、内燃機関と電動機で走行部,作業機駆動部に加えて発電機を駆動し、内燃機関の余裕動力で発電機を駆動することで、内燃機関の負荷を大きく保つようにし、一方、作業機による内燃機関の負荷が大きいときには、内燃機関及び発電機で生成され蓄えられた電力により駆動される電動機で、走行部と作業機駆動部とを駆動するものである。また、他の方式としては、下記特許文献2に記載されるように、同様に発電機を搭載し、内燃機関で走行部と発電機を駆動し、電動機で作業機駆動部を駆動するものである。 【0004】 【特許文献1】 特開2001−161114号公報 【特許文献2】 特開2001−161104号公報 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前述した各方式のハイブリッド式農用トラクタは、通常農用トラクタの走行部が有段変速であるため、内燃機関の負荷が常に定格出力付近になるような作業速度で作業を行うことは難しく、ハイブリッド化による燃費消費率の低減効果が低いほか、内燃機関のみで駆動する従来の農用トラクタに比べて作業能率の向上もさほど期待できない。 【0006】 また、前述した各方式のハイブリッド式農用トラクタとも、農用トラクタの代表的な作業であるロータリ耕うん作業時に、ロータリ爪が土を切削する際の反力により起こる「ダッシング現象」(設定作業速度よりはるかに高速で農用トラクタ自身が走行し、作業不能となる現象)が従来の農用トラクタと同様に発生する問題がある。 【0007】 更には、前述した前者のハイブリッド式農用トラクタでは、我が国における主要なトラクタ作業であるロータリ耕うん作業のような比較的高い負荷が続く作業においては、搭載された発電機を駆動できる低負荷状態の作業割合が低く、十分な充電ができないという問題があり、また、前述した後者のハイブリッド式農用トラクタでは、ロータリ耕うん作業のように走行負荷に比べて作業機による負荷がはるかに大きい作業の場合、内燃機関の効率の良い定格出力付近で作業ができるにも拘わらず、負荷の大部分を電動機でまかなうため、燃料消費率が増大してしまうという問題がある。 【0008】 本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであって、農用トラクタの作業能率の向上、燃料消費率の低減、内燃機関の排気ガス中有害成分の低減、ロータリ耕うん作業時に起きる「ダッシング現象」の改善を目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】 このような目的を達成するために、本発明による農用トラクタは、以下の各請求項に係る特徴を具備するものである。 【0010】 請求項1に係る発明は、農用トラクタであって、駆動部としての走行部及び作業機駆動部と、前記駆動部の動力源としての内燃機関及び電動機と、前記駆動部の駆動に伴って発電する発電機と、該発電機で発電した電気を蓄電するとともに前記電動機への電気供給を行う電源装置と、前記動力源の駆動制御を行う制御装置とを備え、第1の電動機から前記走行部へ動力を伝達するとともに、前記内燃機関から、又は前記内燃機関と第2の電動機とから前記作業機駆動部に動力を伝達する伝動手段を備え、前記作業機駆動部を駆動することによる機体の推進力を前記走行部を介した前記発電機の発電によって吸収させるとともに、前記制御装置によって前記第1の電動機を制御して機体の走行速度を制御することを特徴とする。 【0011】 請求項2に係る発明は、前述した農用トラクタであって、前記走行速度の制御は、前記内燃機関の出力がほぼ一定になるように制御されることを特徴とする。 【0012】 請求項3に係る発明は、前述した農用トラクタであって、前記作業機駆動部の低負荷時に前記内燃機関のみによって該作業機駆動部を駆動する第1の伝動状態と、前記作業機駆動部の高負荷時に前記内燃機関と前記第2の電動機によって該作業機駆動部を駆動する第2の伝動状態とを切り換え可能にしたことを特徴とする。 【0013】 請求項4に係る発明は、前述した農用トラクタであって、前記伝動状態の切り換えは、前記内燃機関の出力に応じてなされることを特徴とする。 【0014】 請求項5に係る発明は、前述した農用トラクタであって、前記第1又は第2の電動機は、前記発電機を兼ねる電動発電機であることを特徴とする。 【0015】 このような特徴を具備した各請求項に係る発明は、以下の作用を有するものである。 【0016】 第1には、前述した特徴によって、作業能率の向上を図ることができる。すなわち、一般に、農用トラクタの作業負荷は作業速度が高まるほど増大するため、走行部の駆動制御によって作業速度を制御することにより、作業負荷を一定に保つことができる。前述の特徴によると、ロータリ耕うん作業のような高負荷の作業において、内燃機関の定格出力の範囲内で、最高の作業速度となるように走行速度が無段階に制御されるため、作業能率が向上する。 【0017】 第2には、前述した特徴によって、燃料消費率の低減を図ることができる。すなわち、走行部を第1の電動機で駆動し、作業機駆動部の負荷状態に応じてその回転数を制御するため、或いは、内燃機関の出力が一定値以上のときに内燃機関と第2の電動機とにより作業機駆動部を駆動するため、内燃機関の燃料消費率が高い低負荷条件下での作業が減少するとともに、より高速で作業を行うことができる。そのため、作業面積当たりの燃料消費量を低減でき、地球温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することができる。 【0018】 第3には、前述した特徴によって、有害排気ガスの低減を図ることができる。すなわち、走行部を第1の電動機で駆動し作業機駆動部の負荷状態に応じてその回転数を制御するため、或いは、内燃機関の出力が一定値以上のときに内燃機関と第2の電動機により作業機駆動部を駆動するため、過負荷状態での作業が減少し、ディーゼルエンジンを内燃機関とした場合に、その排ガス中の粒子状物質の発生を減らすことができる。また、作業能率の向上により短時間で作業を終了できるので、排ガス中の窒素酸化物の面積当たり排出量を減らすことができる。 【0019】 第4には、前述した特徴により、ダッシング現象の改善を図ることができる。すなわち、ロータリ耕うん作業のように、トラクタを前方に推進する力が発生する作業において、この力を発電機で吸収して電源装置に蓄電し、これを作業機駆動部に利用するため、設定走行速度よりもはるかに速い速度で農用トラクタが走行してしまうダッシング現象を防ぐことが可能になる。 【0020】 第5には、前述した特徴により、ロータリ耕うん作業のように、トラクタを前方に推進する力が発生する作業において、この力を発電機で吸収して蓄電するため、ロータリ耕うん作業のような比較的高い負荷が続く作業においても、長時間の充電が可能である。 【0021】 また、第1又は第2の電動機を発電機を兼ねる電動発電機とすることで、前述した機能を有する農用トラクタの構造を簡素化することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る農用トラクタの駆動系を示すブロック図である。本実施形態の農用トラクタは駆動部として走行部と作業機駆動部とを備える。走行部は、前輪1A,1Bと後輪2A,2B、走行部変速機構4、この走行部変速機構4から前後輪1A〜2Bに動力を伝達する差動装置3A,3Bを含む伝動系からなる。作業機駆動部は、作業機5に動力を伝達するドライブシャフト6,作業機駆動部変速機構7とからなる。 【0023】 これらの駆動部の動力源としては、内燃機関8、第1の電動発電機9A、第2の電動発電機9Bが搭載されており、これらの動力源から前述の走行部或いは作業機駆動部に動力を伝達する伝動部10が設けられている。この伝動部10には伝動系を結合・切断できるクラッチ11A〜11Dが設けられている。また、この実施形態では、第1の電動発電機9Aと第2の電動発電機9Bを用いたが、これらを第1又は第2の電動機として、前述した駆動部の駆動に伴って発電する発電機を別途設けても良い。そして、第1又は第2の電動発電機9A,9Bで発電した電気を蓄電するとともに、この第1又は第2の電動発電機9A,9Bへの電気供給を行う電源装置12が設けられている。 【0024】 また、制御装置13が設けられており、この制御装置13には内燃機関8の排気筒8A内に設けられた排気温度センサ8Bからの信号13aが入力され、制御装置13からは、前述したクラッチ11B〜11Dの結合・切断を制御するクラッチ制御信号13b〜13d,内燃機関の出力制御信号13e,第1の電動機の回転数制御信号13f,第2の電動機の回転数制御信号13gがそれぞれ出力されるようになっている。 【0025】 前述したクラッチ制御信号13b〜13dによって制御される伝動部10の伝動系について説明すると、まず、内燃機関8からの動力は、クラッチペタルによって断続されるクラッチ11Aを介して出力され、作業機駆動変速機構7に入力されるとともにクラッチ11Bを介して走行部変速機構4側に入力できるようになっている。また、第1の電動発電機9Aからの動力は、クラッチ11Cを介して走行部変速機構4に入力されるようになっている。更に、第2の電動発電機9Bからの動力は、クラッチ11Dを介して作業機駆動部変速機構7に入力されるようになっている。 【0026】 したがって、クラッチ11Bを切断して、クラッチ11Cを結合させることで、第1の電動発電機9Aのみによって走行部を駆動させることでき、クラッチ11Bとクラッチ11Dを切断することによって、内燃機関8のみで作業機駆動部を駆動させることができ、クラッチ11Bを切断して、クラッチ11Dを結合させることによって内燃機関8と第2の電動発電機9Bによって作業機駆動部を駆動させることができる。 【0027】 図1には、動力源として、内燃機関8,第1の電動発電機9A及び第2の電動発電機9Bを有する実施形態を示しているが、動力源に、内燃機関8及び第1の電動発電機9Aのみを持つ実施形態も可能である。 【0028】 このような構成を備えた農用トラクタの作用を前述した図1と図2〜4に基づいて説明する。図2〜4は、前述した制御装置13の制御動作の流れを示す制御フローである。本実施形態の農用トラクタは、内燃機関8で走行部を駆動するエンジン走行モードと第1の電動発電機9Aで走行部を駆動するモータ走行モードが選択可能である。 【0029】 これを図2に基づいて説明すると、走行モードの選択(S1)でエンジン走行モードを選択すると、クラッチ11Bが結合される(S2)とともにクラッチ11Cが切断され(S3)、内燃機関により走行部が駆動されてエンジン走行モードによる走行が行われる(S4)。このモードは、本実施形態における特徴的な作用とは特に関係ない。本発明の実施形態における特徴的な作用は、モータ走行モードが選択された場合(S1)であり、この場合には、クラッチ11Bが切断される(S5)とともにクラッチ11Cが結合され(S6)、第1の電動発電機9Aにより走行部が駆動される(S7)。 【0030】 このモータ走行モードでは、図3及び図4に示すように、制御装置13に入力される排気温度センサ8Bからの信号13aに基づいて内燃機関の出力が検出される(S11,S21)。そして、この検出値と基準値(内燃機関の定格出力に対応する値)との比較がなされて、作業機駆動部の負荷状態に対する確認が取られる(S12,S22)。 【0031】 そして、このモータ走行モードにおいて、第2の電動発電機を使わないで走行速度制御のみを行う場合を図3のS12以下のステップで説明する。この場合には、負荷状態が低負荷状態の場合は、走行部を駆動する第1の電動発電機9Aの回転数を増大させて(S13)、走行速度が増大制御され(S14)、負荷状態が高負荷状態の場合には、走行部を駆動する第1の電動発電機9Aの回転数を低下させて(S15)、走行速度を低下させる制御がなされる(S16)。これによると、走行速度の制御によって負荷状態を定格出力付近に均一化することができる。 【0032】 次に、モータ走行モードにおいて、第1の電動発電機9Aによる走行速度制御と第2の電動発電機9Bによる作業機駆動部の動力アシストを行う場合を図4のS22以下のステップで説明する。 【0033】 この場合には、先ず、負荷状態が低負荷状態の場合には、内燃機関8のみによって作業機駆動部を駆動する第1の伝動状態になる。この伝動状態では、第1の電動発電機9Aに対しては、回転数制御信号13gが送られて、第1の電動発電機9Aの回転数が増大され(S23)、走行速度が増大制御される(S24)。また、第2の電動発電機9Bに対しては、クラッチ11Dが結合されるが(S25)、その回転数が低下され(S26)、第2の電動発電機9Bは作業機駆動部への動力伝達には関わらず、発電機として作用して(S27)電源装置12への充電を行うことになる。 【0034】 すなわち、低負荷時には、内燃機関8のみによって作業機駆動部を駆動し、しかも第1の電動発電機9Aの回転制御によって走行速度を速めることで、作業速度を上げて負荷状態を高くするとともに、第2の電動発電機9Bで発電を行う。これによって、内燃機関8の出力を定格出力付近のほぼ一定値に維持することが可能になり、また、その際の最高作業速度が得られるので、作業能率を高めることができる。 【0035】 一方、内燃機関出力の検出値から高負荷状態が確認された場合には、第1の電動発電機9Aに対しては、回転数が低下され(S28)、走行速度が低下制御され(S29)、また、第2の電動発電機9Bに対しては、クラッチ11Dが結合されて(S30)、第2の電動発電機9Bの回転数が増大され(S31)、第2の電動発電機9Bからの動力が作業機駆動部に伝達されるようになり、第2の電動発電機9Bによるパワーアシストが行われる(S32)。 【0036】 これによると、内燃機関8と第2の電動発電機9Bの両方によって作業機駆動部が駆動される第2の伝動状態に切り換えられることになる。この場合には、作業機駆動部の高負荷時に、走行速度が低下されるとともに、内燃機関8に対して第2の電動機9Bの出力がアシストされることになるので、内燃機関8の負荷状態を抑えることが可能になる。また、この際の走行速度及びアシスト状況は第1,第2の電動発電機9A,9Bに送られる回転数制御信号13g,13fによって調整される。 【0037】 そして、前述したように作業中には第1の電動発電機9Aが走行部に連結しているので、ロータリ耕うん作業のように農用トラクタの機体を前方に押し出す推進力が発生する作業においては、この力によって走行部を介して第1の電動発電機9Aが発電機として駆動されることになり、この推進力を第1の電動発電機9Aの発電で吸収して電源装置12に蓄電し、作業機駆動に利用することができるため、ロータリ耕うん作業に伴うダッシング現象を防ぐことが可能になる。 【0038】 また、このようなロータリ耕うん作業を続けると前述した推進力の吸収に基づく蓄電が継続されることになるので、ロータリ耕うん作業のような比較的高い負荷が続く作業においても、電源装置12においては長時間の充電が可能になる。 【0039】 このように、本発明の実施形態では、走行部の駆動制御によって作業速度を制御することにより、作業負荷を一定に保つことができ、ロータリ耕うん作業のような高負荷の作業においても、内燃機関の定格出力の範囲内で、最高の作業速度となるように走行速度が無段階に制御されるので、作業能率の向上を図ることができる。 【0040】 また、走行部を第1の電動発電機9Aで駆動し、作業機駆動部の負荷状態に応じてその回転数を制御するため、或いは、内燃機関8の出力が一定値以上のときに内燃機関8と第2の電動発電機9Bとにより作業機駆動部を駆動するため、内燃機関8の燃料消費率が高い低負荷条件下での作業が減少することになり、より高速で作業を行うことができ、作業面積当たりの燃料消費量を低減することが可能になって、地球温暖化ガスである二酸化炭素の発生量を削減することが可能になる。 【0041】 また、走行部を第1の電動発電機9Aで駆動し作業機駆動部の負荷状態に応じてその回転数を制御するため、或いは、内燃機関8の出力が一定値以上のときに内燃機関と第2の電動発電機9Bとにより作業機駆動部を駆動するため、過負荷状態での作業が減少し、ディーゼルエンジンを内燃機関とした場合、その排ガス中の粒子状物質の発生を減らすことができる。また、作業能率の向上により短時間で作業を終了できるので、排ガス中の窒素酸化物の面積当たり排出量を減らすことが可能になる。 【0042】 また、ロータリ耕うん作業時のように機体を前方に推進する力が発生する作業において、この力を第1の電動発電機9Aの発電作用で吸収して電源装置12に蓄電して、これを作業機駆動部に利用することができるため、ロータリ耕うん作業時のダッシング現象を効果的に防ぐことが可能になる。 【0043】 更に、ロータリ耕うん作業のように、機体を前方に推進する力が発生する作業において、この力を吸収して蓄電するため、ロータリ耕うん作業のような比較的高い負荷が続く作業においても、長時間の充電が可能である。そして、第1又は第2の電動発電機9A,9Bを用いているので、電動機とは別に発電機を搭載するものと比較して、農用トラクタの構造を簡素化でき、低コスト化を図ることが可能になる。 【0044】 【発明の効果】 本発明はこのように構成されるので、農用トラクタの作業能率の向上、燃料消費率の低減、内燃機関の排気ガス中有害成分の低減、ロータリ耕うん作業時に起きる「ダッシング現象」の改善を図ることが可能である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態に係る農用トラクタの駆動系を示すブロック図である。 【図2】本発明の実施形態における制御装置の制御動作を示す制御フローである。 【図3】本発明の実施形態における制御装置の制御動作を示す制御フローである。 【図4】本発明の実施形態における制御装置の制御動作を示す制御フローである。 【符号の説明】 (走行部) 1A,1B 前輪 2A,2B 後輪 3A,3B 差動装置 4 走行変速機構 5 作業機 (作業機駆動部) 6 ドライブシャフト 7 作業機駆動部変速機構 8 内燃機関 9A 第1の電動発電機 9B 第2の電動発電機 10 伝動部 11A〜11D クラッチ 12 電源装置 13 制御装置 13a 信号 13b〜13d クラッチ制御信号 13e 出力制御信号 13f、13g 回転数制御信号
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| 【出願人】 |
【識別番号】501203344 【氏名又は名称】独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
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| 【出願日】 |
平成15年2月7日(2003.2.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063565 【弁理士】 【氏名又は名称】小橋 信淳
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| 【公開番号】 |
特開2004−236609(P2004−236609A) |
| 【公開日】 |
平成16年8月26日(2004.8.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−30594(P2003−30594) |
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