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【発明の名称】 サブソイリングディガ−プラウ作業機
【発明者】 【氏名】菅野 祥孝
【住所又は居所】茨城県稲敷郡美浦村大字間野字天神台300番地 スガノ農機株式会社茨城工場内

【要約】 【課題】圃場の土の耕起はもちろんのこと、土の乾燥を促進するための作業機で、心土耕起はもちろん圃場表面作土層の耕起のより表面残渣物の埋没性を向上でき、さらに中耕作業に用いることができるように放擲幅を小さくしたものを提供することを目的としている。

【解決手段】作業機を構成する作業機フレームに複数の掘削反転爪ユニットを取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットと、この掘削反転ボードユニットを構成する掘削反転板には高さ方向の中間位置に幅員寸法の減少部が形成されて、掘削上昇されるれき土の放擲速度、放擲量に制限が加えられるように構成したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削曲面部より幅寸法が漸減されて狭くなっている排出面部とをもち、前記掘削曲面部により掘削された掘削土が上昇する際に制限が加えられるように構成したことを特徴とするサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項2】
作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削曲面部より幅寸法が漸減されて狭くなっていて、作業進行方向の側方に向かってねじりが与えられている排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に側方に向かって放擲されるとともに、放擲排出土に制限が加えられるように構成したことを特徴とするサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項3】
作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削面部より幅寸法が階段的に漸減されて狭くなっている排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に制限が加えられるように構成したことを特徴とするサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項4】
作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削曲面部より幅寸法が階段的に漸減されて狭くなっていて、作業進行方向の側方に向かって捻りが与えられた排出面部とをもち、前記掘削曲面部などにより掘削された掘削土が上昇する際に上昇速度に制限が加えられるとともに、捕縄表面に開放されたとき側方に向かって放擲されように構成したことを特徴とするサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項5】
作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、
下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部に連続して作業幅方向に捻りが与えられて正面視投影上幅寸法が掘削曲面部より漸減されて狭くなっていて、作業進行方向から次第に側方に向かって逸れる状態の排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に側方に向かって放擲されるとともに、排出れき土に対して上昇ときと、放擲ときに制限が加えられるように構成したことを特徴とするサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項6】
前記掘削反転爪ユニットは作業前面側に掘削反転板をもち、その裏面に金属製のブラケット板が密着状態で取り付けられていて、このブラケット板がビームに対して取付けられている構成であることを特徴とする請求項1ないし請求項5記載のサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項7】
前記掘削反転爪ユニットの掘削反転板は耐摩耗性があり、土の付着が少ないプラスチック板あるいは、金属板で形成した構成であることを特徴とする請求項1ないし請求項6記載のサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項8】
前記掘削反転爪ユニットの掘削反転板はチゼル表面に連続して掘削曲面部を形成した構成であることを特徴とする請求項1記載ないし請求項6記載のサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【請求項9】
前記掘削反転爪ユニットは前記掘削反転板が土の付着の少ない金属板で形成されている構成であることを特徴とする請求項1記載のサブソイリングディガ−プラウ作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サブソイリングディガ−プラウ作業機に関し、さらに詳しくは、心土の掘り起こしと、掘削されたれき土が圃場表面上に排出放擲される量、速度に制限を加えることで隣り合った畝にれき土が放擲されることのないようにして中耕作業にも用いることができるようにしたサブソイリングディガ−プラウ作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知にように、わが国高温多雨地帯に属するため、農業生産の基盤となる圃場は余剰水分の処理が重要であって、圃場の環境を改善するためには土壌の排水を図るばかりでなく、土壌を乾燥させることが必要である。
そのために、欧米の機械化された農業に採用されているボトムプラウ作業機を用いた反転耕法がわが国でも採用されているが、元来集約農業であるわが国の農業ではその普及が遅々として進まないのが現状である。
特に、本州以南では亜熱帯に近い気候であるので土壌の乾燥の促進を図る上で反転耕法を採用すべきであるが、本州の多くの農家の営農規模は北海道のそれに比較して小さく、ボトムプラウ作業機は普及するに至っていないのである。
【0003】
また、圃場土壌の排水を促進する作業機としてサブソイラ作業機が採用されている。これは土壌中にスリット状の深い溝を形成して硬化層や心土層の一部を破砕し、このスリット状の空間に圃場の余剰水を硬化層以下の心土層中に導くようにしたものである。
ところが、サブソイラ作業機は圃場の土中にスリット状の空間を形成するだけで、いわば、部分深耕の一つではあるが、耕起機能はもたないために圃場表面の乾燥は図ることができるが、圃場の表土下の深い位置での土壌を積極的に乾燥させる機能は持ち合わせていない。
また、先に本願出願人が提案した数々の掘削作業機、サブソイルディガープラウ作業機は掘削爪を1つのユニットとしてこれを作業機フレームに取り付けて圃場に対して掘削、耕耘するようにしたものである。
具体的には、特開平9−322601号公報や、特開2000−270602号公報を挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の先行技術に係る作業機は、何れも作業機を構成する作業機フレームに前記耕耘爪ユニットが作業進行方向に向って横一列の配列構成になったものである。これらの作業機でも圃場土壌の排水、乾燥を促す上では大変有効であるが、掘削反転刃を深い位置に潜り込ませての作業のため作業牽引抵抗が大きく、わが国の殆どの農家で使用されているトラクタではその作業を行うことができない。敢えて作業を行うとすれば掘削反転爪ユニットの数を単数にした作業機が使用できるに留まっている。これでは圃場区画の拡大により大規模化された農業経営には適さない。
【0005】
また、大規模化傾向にある圃場を能率よく乾燥させるには大型化された作業機が必要であるが、わが国農業の特殊性を考えると、やはり小型のトラクタに適用できる作業機の必要性はかなり高いものがある。
言い換えると、作物生育上圃場環境を整える作業を能率よく行うことを考えると大型化された作業機や、トラクタが必要であるが、わが国農業の特殊性を考慮すると、比較的小型のトラクタにより使用できる作業機でないと普及が困難であり、両者の関係は二律背反の関係にある。
また、前記作業機は心土の掘起作業には適しているが、圃場表面に存在する夾雑物、たとえば、雑草や収穫後の切り株などの埋没作業を行うには適していない。
【0006】
さらにまた、作付け後の中耕作業に用いることで圏根域の拡大や余剰水の排除、さらにはこの余剰水を心土部分に蓄えることで乾燥にも強い圃場環境の整備にも貢献することができるのであるが、中耕作業に用いた場合、圃場表面に排出されたれき土が隣り合った畝の作物、とくに発芽間ない作物の上まで飛び散ることには注意が必要になり、放擲域を制限することが必要になる。
【0007】
また、掘削跡に形成される溝空間の開放口が大きい場合、畑圃場ではさして問題は生じないが、水田圃場の場合には後に田植え機による作業を行う際に田植え作業機の轍が前記溝空間の開放口に陥没することがあって、その作業を困難にすることがあった。即ち、前記溝空間の開放口は作業後の時間的な経過とともに閉塞されるのであるが、経過後にあってもその開放口は土が柔らかくなっているので田植え作業機の重量により轍がそれと一致すると轍が陥没することがあった。
【0008】
そこで、本発明は通気性、透排水性が悪く、栄養分が少ない疲弊気味の心土を圃場表面に耕起し、併せて、圃場表面における反転放擲されるれき土が隣り合った畝まで放擲されることがなく、適当な範囲での放擲にとどめ作物の生育を阻害することのないようにして圃場環境の改善を図ろうとする目論見に逆行することなく確実に圃場環境の改善を図ることができ、さらには、掘削溝が原因する作業上の不都合をも併せ解決ようにしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述のような課題を解決するために、本発明は先ず、作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削面部より幅寸法が漸減されて狭くなっている排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に制限が加えられるように構成したことを特徴とするものであるから、掘削曲に曲面部において掘削されたれき土が排出面部に沿って上昇して排出されるとき、排出面部で形成される空間が幅が狭くなっていてから上昇されるれき土が制限を受けることになり、圃場表面に放出されるに際して抵抗になり、隣り合った畝にまで届くような放擲が行われることがない。
【0010】
また、作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削面部より幅寸法が漸減されて狭くなっていて、作業進行方向の側方に向かってねじりが与えられている排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に側方に向かって放擲されるとともに、排出量に制限が加えられるように構成したことを特徴とするものであるから、掘削されたれき土が土中に空間を形成しながら掘削されたれき土をその上部空間から圃場表面へと排出するのであって、排出される土の量に制限が加えられているので隣り合った畝までれき土を放擲することがなく、しかも作業進行方向の側方に向かって確実に放擲して、心土の更新とともに地中に排水空間を確実に形成することができる。
【0011】
また、作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削面部より幅寸法が階段的に漸減されて狭くなっている排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に制限が加えられるように構成したことを特徴とするものであるから、掘削されたれき土が土中に空間を形成しながら掘削されたれき土をその上部空間から圃場表面へと排出するのであって、排出される土の量に制限が加えられているので隣り合った畝までれき土を放擲することがなく、しかも作業進行方向の側方に向かって確実に放擲して、心土の更新とともに地中に排水空間を確実に形成することができ、掘削爪ユニットの製作が容易である。
【0012】
また、作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成され掘削面部より幅寸法が階段的に漸減されて狭くなっていて、作業進行方向の側方に向かってねじりが与えられている排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に側方に向かって放擲されるとともに、排出量に制限が加えられるように構成したことを特徴とするものであるから、掘削されたれき土が土中に空間を形成しながら掘削されたれき土をその上部空間から圃場表面へと排出するのであって、排出される土の量に制限が加えられているので隣り合った畝までれき土を放擲することがなく、しかも作業進行方向の側方に向かって確実に放擲して、心土の更新とともに地中に排水空間を確実に形成することができる。
【0013】
また、作業機を構成する作業機フレームに掘削反転爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部に連続して作業幅方向に捻りが与えられて正面視上幅寸法が掘削曲面部より漸減されて狭くなっていて、作業進行方向とは次第に側方に向かって逸れる状態の排出面部とをもち、前記掘削部により掘削された掘削土が上昇する際に側方に向かって放擲されるとともに、排出土に制限が加えられるように構成したことを特徴とするものであるから、排出面部の作業進行方向に向かっての幅寸法が上端に向かうほどに減じられているので掘削後に形成される溝空間が上部に向かって減じられるので心土の掘削と反転ができ、さらには掘削される土が必要以上に広い範囲に放擲されることがない。
【0014】
また、前記掘削反転爪ユニットは作業前面側に掘削反転板をもち、その裏面に金属製のブラケット板が密着状態で取り付けられていて、このブラケット板がビームに対して取付けられている構成であることを特徴とするものであるから、ブラケット板が掘削反転板の補強の機能をも併せもち掘削反転機能に加えて、反転板の補強も期待することができ、さらには、ビームに対する取り付けの容易性の向上を図ることができる。
【0015】
また、前記掘削反転爪ユニットの掘削反転板は耐摩耗性があり、土の付着が少ないプラスチック板あるいは、金属板で形成した構成であることを特徴とするものであるから、圃場の土が掘削反転ユニットに付着して掘削機能を低下させることがない。
【0016】
また、前記掘削反転爪ユニットの掘削反転板はチゼル表面に連続して掘削曲面部を形成した構成であることを特徴とするものであるから、掘削作業時の抵抗がなく円滑に掘削した土を上昇移動させることができる。
【0017】
また、前記掘削反転爪ユニットは前記掘削反転板が土の付着の少ない金属板で形成されている構成であることを特徴とするものであるから、圃場の土質によっては構造簡単にして掘削、反転作業を容易に行うことができる作業機を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付した図1ないし、図11に沿って説明する。これらの図において符号100は本発明に係るサソイリングディガープラウ作業機全体(以下、作業機と略称する)を示し、この作業機100は作業幅方向に沿って長い作業機フレーム11と、この作業機フレーム10の作業幅方向の中央位置に立設されているセンターマスト11、さらに、このセンターマスト11の両脇にあってセンターマストとは逆に下方に伸びるロアアーム12が設けてあり、ロアアーム12の先端部にはトラクタのもつロアリンクLのヒッチピン12Aが取り付けてある。
【0019】
前記センターマスト11の先端部13Bにはボルト13AによりトラクタのもつアッパリンクUをヒッチするためのヒッチ座13が枢着されていて、このヒッチ座13は前記ボルト13Aを中心とした回転を止めるボルト孔をもち、前記センターマスト11の先端部13Bに穿ってあるボルト孔13X、13Yの何れかを選択して先端部13Bに対するヒッチ座13の姿勢を固定できるようになっている。これはアッパリンクのヒッチ点を選択するためであって、作業条件や、作業機の圃場間移動の場合に使用される。
【0020】
そして、前記作業機フレーム10にはこれから説明する掘削反転爪ユニット20を取付けるための取付け座アーム15が取付けられており、この取付け座アーム15は前記作業機フレーム10に対して締着されているフランジ16から延びている。このフランジ16は作業機フレーム11の外周のうち半周を囲む形状で「く」型をしたもので、このフランジ16に対して前記取付け座アーム15が作業進行方向の後方に向かって延びた板状のもので形成されている。このフランジに対して作業機フレーム11の残る半周分を囲む「く」型のボルト17によりその両端部がフランジ16を貫き、作業機フレーム10の周囲を略半周しているフランジをナットで締めることで締着されて取付けられている。
【0021】
この取付け座アーム15はセンターマスト11を中心として作業幅方向の左右に一つづつ設けてあり、言い換えると、2本の掘削反転爪ユニット20を装備することができるようになっている。いわゆる2本爪装備の作業機である。
前記取付け座アーム15の端部が取付け座アーム15Aになっており上下に穿ったボルト15Bにより掘削反転爪ユニット20を構成するビーム21の上端部21Uを取付け得るようになっている。
【0022】
このビーム21はその上端部21Uの前縁(作業進行方向の前側の縁)は側面視上直線状であり、この前縁に連続して中間部21Cと作業進行方向に突き出した下端部21Sとの間を結んで弧を描いた曲線状になっている。その下端部21Sにはベッド22Aを介してチゼル22が取付けられて、掘削作業時に先頭位置となって掘削作業を行うようになっている。
【0023】
このビーム21には前記上端部21U、中間部21Cの前縁に沿った形状の弧を描いた板状のブラケット板23が取付けられるのであって、このブラケット板23の裏側には適当な間隔で取付けられている一対の取付け板片23A、23Aが複数組あり、これらの取付け板片23Aがビーム21を両側面側から挟む状態におかれてビーム21にボルトにより取付けられている。このブラケット板23は金属板などで形成されたもので、後に説明する掘削反転板25を補強する機能と、ビーム21に対する取付けを容易にする機能をもっていて、さらに、ブラケット板23はビーム21の上端部21U近くまでせり上がって延びた形状になっており、掘削反転板25のもつ曲面に沿った形状になっている。
【0024】
さらに詳しくは、ブラケット板23にはその裏面に適当な間隔で数組の取付け板片23A、23Aがビーム21を挟むことができる間隔を保って溶接などにより固定されていて、この一対の取付け板片23A、23Aは板片が並列配置されたものほか、断面形状がL型形状で一辺がブラケット板23の裏側に、他の一辺がビーム21の片面に宛がわれてボルトなどにより、あるいは逆U字型の取付け板片を用いてブラケット板23をビーム21に取付けることができる。
【0025】
このブラケット板23には、その作業進行方向前面に沿って掘削反転板25が密着した状態で取付けられていて、掘削反転板25の裏側から補強している。また、掘削反転板25の下端部25Sは前記チゼル22の表面と段差なく連続した曲面で連続しており、その中間部25Cは弧を描いて上方へと延びて掘削面部25Kを形成している。さらに、その上端部25Uはブラケット板23の最上端部より上に延びて掘削土の圃場表面への排出を促すための排出面部25Yを形成している。
【0026】
さらに、排出面部25Yに沿って上昇する掘削土を作業進行方向の側方に放擲するために、この掘削反転板25の上端部25Uは排出面部25Yに連続して前記ブラケット板23と共に、あるいは掘削反転板25の上端部25Uのみに、作業進行方向に向かって左右方向の何れかに向かって次第に捩れが与えられて反転曲面部25Xが形成されている。この反転曲面部25Xは前記ブラケット板23にも形成されているが、ブラケット板23より掘削反転板25の方が高さが高いので、言い換えると、下端部からの長さが長いので、捻りの状態は掘削反転板25の方が大きく捻られた形状になっている。
【0027】
この掘削反転板25には圃場の土の付着が少なく、作業抵抗が小さい上に、摩擦による摩耗が少ないプラスチックス製、たとえば、プロピレンや、ナイロンなどの樹脂が使用される。また、この掘削反転板25は前記プラスチックスのほか、土の性質によってはステンレス製、スチール製の方が土の付着が少ないことがあるので、使用される圃場の土質に合わせてその材質が選択される。このとき、ブラケット板23と同一金属製が使用される場合には、ブラケット板23そのものを掘削反転爪として使用することがある。言い換えると、ブラケット板23を掘削反転板25と兼用させることもできる。
【0028】
さらに、この掘削反転板25の上下方向の中間部位置25Cは下端部25Sから連続している側面視上曲面を描いているが、直線状の傾斜面でもよく、さらには作業幅方向にはその幅が減じられている。その幅寸法の変化は、図5、図7に示すように、下端部はH幅、上端部25Uはh巾になっていて、幅員寸法減少部として段部25Dを介して中間部25Cと、下端部25Sとは連続していて、その段部25Dの数は1つあるいは数個にわたるものがある。
また、図3に示すように、この段部25Dに代えて掘削曲面部25Xをもつ部分と中間部25Cであるである排出面部25Yの間において幅員寸法減少部を直線的(漸減直線25L)に形成して中間部25Cの幅寸法が減じられるものもある。
【0029】
要するに、掘削曲面部25Xの寸法が上端部に向かって作業幅寸法が減少して、作業により得られる溝空間の断面形状がチゼルや、掘削曲線部25X部分では大きく、これに連続する排出面部25Yの幅員寸法が段部25Dあるいは、直線的な変化により減少して溝の空間構造が下部が大きく、上部が狭く小さい、いわゆる蛸壺形状になっていることで,チゼル22、掘削曲面部25Xで掘削された掘削土が上昇する際に上昇するに連れて速度、あるいはその量的に制限が加えられて、掘削空間の開放端部から勢い良く排出されがちな排出れき土の量はもとより、排出排出速度に制限を与えている。
【0030】
以上は、掘削反転板25において掘削曲面部25Kに比較して、排出面部25Yの幅寸法を減少させたものであるが、その幅Hの減少は、作業進行方向に向かっての幅が減じられていることが必要であって、言い換えると、作業進行法方向における投影面積、投影幅が減少していればよいことから、前記段部25D、あるいは、漸減直線25Lにより減じられる他、掘削反転板25に90度近い捻り25Tを与えて、上端部に近い程正面における投影幅が細いものになっている。言い換えると、作業進行方向に向かって掘削反転板25の実効的な幅が復員寸法減少部25Fを介して減じられた形状になっている。
【0031】
この掘削反転板25の高さ方向の中間位置に幅員寸法減少部として捻り部25Tを与えて形成したものにあっては、ブラケット板23においても捻り部23Tが必要になるが、ブラケット板23の長さ、言い換えると、高さを掘削反転板25より低いものにしておくことで、ブラケット板23の捻りの度合いを小さい部分だけにより形成することができる。
ブラケット板23の裏打ち補強が期待できない掘削反転板25の上端部では裏側にリムあるいは、肉厚の大なる部分を形成することで強度を補うようにする。もちろん、ブラケット板23に捻り部23Tを与えて上端寄りを延ばすことで掘削反転板25を裏打ち補強することも可能である。
この掘削反転板25に捻り部25Tを介して上端部25Uを幅の狭い部分hに形成して作業進行方向の投影上の幅を狭くしたものにあっては、掘削反転板25の幅寸法が下から上まで同一幅寸法である場合には、捻り加工に困難を伴うが、捻り部Tから上端寄りを幅の狭いものにした方が加工が容易になり、加工上の都合から掘削反転板25の幅寸法を下端部に比較して上端部の方を狭いものにすることが望ましい。
【0032】
次に、本発明によるプラソイリングディガープラウ作業機100を用いた作業について説明する。先ず、作業機100はトラクタに3点リンク機構により装着されて作業に供されるものであって、実際の作業機軌跡を圃場の断面形状により説明すると、図4に示すように、掘削反転板25による掘削作用により心土部分Wにはチゼル22、ならびに掘削反転板25の掘削面部25Kが位置し、作土層部分Vには排出面部25Yがそれぞれ位置して掘削、排出作業を行うので、掘削軌跡においては下部が大きい空間K1、が形成されると共に、上端部に向かって立ち上がった幅の狭くなっている小さい空間K2が形成される。このように空間K1から空間K2のように幅方向の寸法が狭くなっていることで、掘削されて上昇するれき土が上昇途中で制限されて上昇量と共に、上昇速度が制限されることになり、側方へれき土が飛散されることが少なくなる。
【0033】
この図3、図4では掘削反転板25における捻り25T部分が作土層Vと心土層Wとに境界部分に位置しているものを示したが、前記捻り部分25Tの位置は心土層Wに位置して掘削作業を行うものの場合が好ましく、作土層V部分において掘削土量が多いと、放擲量が多くなって隣り合わせた畝まで放擲れき土が飛散して、植え付け後生育途中の作物の上に覆いかぶさることを防ぐことができる。掘削、放擲量は圃場の土質との関係で定まるので圃場環境に合わせて掘削反転板25の耕深を選択することが必要である。
【0034】
この掘削作業において、チゼル22、さらには掘削反転板25における掘削曲面部25Kが位置する空間K1では掘削された土が掘削反転板25がもつ曲面に沿って上昇させられるとき、上昇に連れて空間K2は空間K1より小さくなっているので、上昇れき土は上昇に抵抗などによる制限が加えられて上昇速度が減じられるとともに、上昇するれき土の量も減じられて、れき土が圃場表面において開放された場合、飛散する範囲、詳しくは、作業進行方向の側方に飛散する領域幅が小さくなって隣併せに存在する作物の上に飛散土が被さることがない。
【0035】
前記空間K1、K2を形成する掘削反転板25の形状は、幅員寸法減少部25Fとして、捻り25Tに代えて、図3に示すように、掘削曲面部25Kから反転曲面部25Xに連続する部分が直線的に復員が漸減直線25Lにより減じられた形状の他、図7に示すように段階部25Dにより減じられることで空間K1と、空間K2とを連続して形成させることもできる。
【0036】
このとき、圃場表面に雑草や、切り株などの夾雑物が存在している場合には、掘削反転板25により放擲されたれき土により、それらが覆土されて雑草を確実に埋没させるので、これらの繁茂を防止するとともに、有機物として圃場に還元することができる。
反転土の下側に確実に埋没させることができる。
【0037】
また、掘削反転板25により深い位置、すなわち、心土Wから掘削されたれき土は圃場の表面に放擲され、栄養分の少ない心土が過剰施肥や、永年施肥による残存肥料を含む作土層V上に放擲されて作土と混合されて心土の再生をも図ることができる。
【0038】
また、圃場表面に形成されるスリット状の溝空間は内部が大きい空間にもかかわらず、開放口は幅が狭くなっているので後に田植え作業機による植え付け作業時に轍がこの溝に陥没することがなく、とくに水田圃場の管理に適し、とくに中耕作業に用いることが可能になっている。
【0039】
以上の説明では、掘削反転板25の反作業面側にブラケット板23を取り付けた例を示したが、圃場土質との関係から金属製であっても土が付着しにくい土質があり、この場合、掘削反転板25を金属製としてブラケット板23を省略、あるいは兼用させることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の作業機によれば、本発明は先ず、作業機を構成する作業機フレームに複数の掘削反転放擲爪を取付けて構成したサブソイリングディガ−プラウ作業機において、下端部にチゼルをもち、上端部が作業機フレームに対して取付けられているビームと、このビームに対して取付けられている掘削反転爪ユニットとを備え、前記掘削反転爪ユニットは少なくともチゼル表面に連続した掘削曲面部と、この掘削曲面部の上部位置に形成された反転曲面部とをもち、少なくとも、前記掘削曲面部と上端部との中間部において正面における投影面積が小さくなった部分が形成されているので、心土層部分では大きな空間が形成され、圃場表面に近い位置では幅の狭い溝状の空間が形成されることで、心土部分を掘削したれき土が表面側へと上昇するにつれて上昇速度、ならびに放擲速度に制限が加えられ、さらには排土量にも制限が加えられてれき土の放擲量が少なくなると共に、放擲範囲が狭くなって隣り合わせの畝上にれき土を被せることがない。しかも、心土の再生にも寄与することができる。
【0041】
また、掘削曲面部に続いて形成される反転曲面部との境界部分が段部をもって幅員が狭くなって形成されているので、掘削反転板の加工が容易であり、取り付け後の強度にも問題は生じない。
【0042】
また、掘削曲面部に続いて形成される反転曲面部との境界部分が段部を重ねて漸次的に幅員が狭くなって形成されているので掘削反転板の加工が容易であるとともに、強度上にも問題はない。
【0043】
また、前記段部や、漸次的に幅員の減少による段部、さらには直線的な漸減により形成されて、その上部の幅員を狭くすることに加えて、段部に相当する部分に捻り部を与えて投影上の幅を狭くすることで作土層に形成される空間の幅を狭く、小さいものにすることができる。
圃場にあっては掘削反転爪ユニットにより形成される溝により余剰水分の排水を促すことができ、作土の深さに合わせた掘削土の放擲量に適当な制限を加えるとことができ、圃場における作土環境の整備や中耕作業に貢献することができ、さらには、水田圃場においては表面の溝空間の開放口が小さいことで田植え作業機の轍が陥落することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサブソイリングディガープラウ作業機の実施形態を示す正面図である。
【図2】同じく、サブソイリングディガープラウ作業機の実施形態を示す側面図である。
【図3】同じく、サブソイリングディガープラウ作業機における掘削反転爪ユニットの正面図である。
【図4】図3に示す掘削反転爪ユニットを用いた作業軌跡を示す説明断面図である。
【図5】同じく、掘削反転爪ユニットの他の実施態様を示す正面図である。
【図6】図5に示す掘削反転爪ユニットを用いた作業軌跡を示す説明断面図である。
【図7】同じく他の実施態様における、サブソイリングディガープラウ作業機における掘削反転爪ユニットの正面図である。
【図8】同じく、本発明のサブソイリングディガープラウ作業機に掘削反転ユニットを用いた掘削作業断面を示す断面図である。
【図9】同じく他の実施態様によるサブソイリングディガープラウ作業機の掘削反転爪ユニットの正面図である。
【図10】同じく掘削反転爪ユニットの平面図である。
【図11】同じく、掘削反転爪ユニットを用いた掘削作業断面を示す断面図である。
【符号の説明】
100 作業機
10 作業機フレーム
11 センターマスト
12 ロアアーム
13 ヒッチ座
13A ボルト
13B 先端部
13X ボルト孔
13Y ボルト孔
15 取付け座アーム
15A 取付け座
16 フランジ
17 ボルト
20 掘削反転爪ユニット
21 ビーム
21U 上端部
21C 中間部
21S 下端部
22 チゼル
22A ベッド
23 ブラケット板
23A 取付け板片
25 掘削反転爪
25S 下端部
25C 中間部
25U 上端部
25X 反転面部
25K 掘削曲面部
25D 段部
25T 捻り部
25L 漸減直線部
25F 幅員減少部
【出願人】 【識別番号】391057937
【氏名又は名称】スガノ農機株式会社
【住所又は居所】北海道空知郡上富良野町西2線北25号
【出願日】 平成15年1月31日(2003.1.31)
【代理人】 【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂

【公開番号】 特開2004−229574(P2004−229574A)
【公開日】 平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願番号】 特願2003−22939(P2003−22939)