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【発明の名称】 歩行型耕耘機
【発明者】 【氏名】金尾 洋平
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】山崎 栄二
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】部分正逆転ロ−タリ耕耘装置を自走車体に連設して構成される歩行型耕耘機を、ロ−タリ耕耘装置の付替えが可能でありながら耕耘装置連設部分周りの構成が簡潔で、逆転爪が跳ね上げる耕土の付着堆積が防がれるものにする。

【解決手段】部分正逆転ロ−タリ耕耘装置のドライブケ−ス上部と自走車体の走行ミッションケ−ス上部とを単一枠の連結体で分離可能に結合し、連結体の下面側が閉塞部材で閉塞されるようにした。また、耕耘部カバ−に、連結体の左右幅と略同等かそれよりも幅広に形成されて連結体の直下部に位置し、耕耘部カバ−の前端から下向きに張り出す土跳ね制止板を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブケ−ス(25)に支承した内外二重のロ−タリ軸(53)(52)を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸(53)側に取付けた耕耘爪(63)群と外ロ−タリ軸(52)側に取付けた耕耘爪(61)群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置(16)を、自走車体(14)に連設するに、ロ−タリ耕耘装置(16)側のドライブケ−ス(25)の上部と自走車体(14)側の走行ミッションケ−ス(11)の上部とを単一枠の連結体(23)で分離可能に結合し、その結合状態において連結体(23)の下面側が閉塞部材(23c)によって閉塞されるようにしてあることを特徴とする歩行型耕耘機。
【請求項2】
ドライブケ−ス(25)に支承した内外二重のロ−タリ軸(53)(52)を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸(53)側に取付けた耕耘爪(63)群と外ロ−タリ軸(52)側に取付けた耕耘爪(61)群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置(16)を、自走車体(14)に単一枠の連結体(23)を介して分離可能に結合連設した歩行型耕耘機において、前記ロ−タリ耕耘装置(16)の耕耘爪(61)(63)群の回転圏外方を被蓋する耕耘部カバ−(31)に、前記連結体(23)の左右幅と略同等かそれよりも幅広に形成されて連結体(23)の直下部に位置し、耕耘部カバ−(31)の前端から下向きに張り出す土跳ね制止板(64a)を設けてあることを特徴とする歩行型耕耘機。
【請求項3】
ドライブケ−ス(25)に支承した内外二重のロ−タリ軸(53)(52)を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸(53)側に取付けた耕耘爪(63)群と外ロ−タリ軸(52)側に取付けた耕耘爪(61)群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置(16)を、自走車体(14)に連設するに、前記ロ−タリ耕耘装置(16)側のドライブケ−ス(25)の上部と自走車体(14)側の走行ミッションケ−ス(11)の上部とを単一枠の連結体(23)で分離可能に結合して、連結体(23)の下面側を閉塞部材(23c)で閉塞するとともに、前記ロ−タリ耕耘装置(16)の耕耘爪(61)(63)群の回転圏外方を被蓋する耕耘部カバ−(31)に、連結体(23)の左右幅と略同等かそれよりも幅広に形成されて連結体(23)の直下部に位置し、耕耘部カバ−(31)の前端から下向きに張り出す土跳ね制止板(64a)を設けてあることを特徴とする歩行型耕耘機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライブケ−スに支承した内外二重のロ−タリ軸を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群と外ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置を、自走車体に連設した歩行型耕耘機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライブケ−スに支承した内外二重のロ−タリ軸を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群と外ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群とを同時に正逆転させて耕耘作業できるようにしたロ−タリ耕耘装置(部分正逆転ロ−タリ耕耘装置)を自走車体に連設するに、ロ−タリ耕耘装置側に設けたコ字状の被連結ヒッチを自走車体側のコ字状ヒッチに合接させて両者の接合部にヒッチピンを貫挿して連結するようにした歩行型耕耘機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ドライブケ−スに支承した内外二重のロ−タリ軸を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群と外ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群とを同時に正逆転させて耕耘作業できるようにした部分正逆転ロ−タリ耕耘装置のドライブケ−スを、自走車体の走行ミッションケ−スと一体に形成したものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開平4−3503号公報
【特許文献2】
特開平8−116702号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に述べたものの前者は、コ字状のヒッチと被連結ヒッチの接合部に貫挿したヒッチピンの抜き差しにより自走車体に対して部分正逆転ロ−タリ耕耘装置を着脱できるから、ロ−タリ耕耘装置の付替えによる仕様変更が可能で汎用性はあるけれども、他方では相対応するコ字状のヒッチと被連結ヒッチを自走車体、ロ−タリ耕耘装置の双方に設けねばならず、また、自走車体の走行変速レバ−ガイド等は前記ヒッチ部以外の箇所に設けることを余儀なくされ、全体として部品点数が増しコンパクトに纏まり難く、さらに接合状態のヒッチ部及びヒッチピン等に、部分正逆転ロ−タリ耕耘装置の逆転耕耘爪群によって前方上向きに跳ね上げられる耕土が付着堆積し易いといった不具合がある。
【0006】
その点、後者においては、自走車体の走行ミッションケ−スと部分正逆転ロ−タリ耕耘装置のドライブケ−スとが一体に形成されてヒッチやヒッチピン等の連結部材が省かれ、自走車体に対するロ−タリ耕耘装置の連設構成は前者に比して簡潔化されるが、反面ではロ−タリ耕耘装置の付替えによる仕様変更が不可になるので汎用性が損なわれるし、また、部分正逆転ロ−タリ耕耘装置の逆転耕耘爪群によって前方上向きに跳ね上げられる耕土が走行ミッションケ−スとドライブケ−スとの連設部分に跳ねかかって付着堆積することは回避されない。
【0007】
本発明は、ロ−タリ耕耘装置の付替えによる仕様変更が可能で汎用性が確保されながら、自走車体と部分正逆転ロ−タリ耕耘装置の連設構成が簡素化されて自走車体の走行変速レバ−ガイドの設置を含む構成も簡潔コンパクトになり、さらに部分正逆転ロ−タリ耕耘装置の逆転耕耘爪群によって前方上向きに跳ね上げられる耕土が前記連設部分に跳ねかかって付着堆積することも防がれるようにした歩行型耕耘機を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そして、請求項1に係る発明の歩行型耕耘機は、ドライブケ−スに支承した内外二重のロ−タリ軸を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群と外ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置を、自走車体に連設するに、ロ−タリ耕耘装置側のドライブケ−スの上部と自走車体側の走行ミッションケ−スの上部とを単一枠の連結体で分離可能に結合し、その結合状態において連結体の下面側が閉塞部材によって閉塞されるものとしている。
【0009】
また、請求項2に係る発明の歩行型耕耘機は、ドライブケ−スに支承した内外二重のロ−タリ軸を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群と外ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置を、自走車体に単一枠の連結体を介して分離可能に結合連設した歩行型耕耘機において、前記ロ−タリ耕耘装置の耕耘爪群の回転圏外方を被蓋する耕耘部カバ−に、連結体の左右幅と略同等かそれよりも幅広に形成されて連結体の直下部に位置し、耕耘部カバ−の前端から下向きに張り出す土跳ね制止板を設けたものとしている。
【0010】
また、請求項3に係る発明の歩行型耕耘機は、ドライブケ−スに支承した内外二重のロ−タリ軸を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群と外ロ−タリ軸側に取付けた耕耘爪群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置を、自走車体に連設するに、ロ−タリ耕耘装置側のドライブケ−スの上部と自走車体側の走行ミッションケ−スの上部とを単一枠の連結体で分離可能に結合して、連結体の下面側を閉塞部材で閉塞するとともに、前記ロ−タリ耕耘装置の耕耘爪群の回転圏外方を被蓋する耕耘部カバ−に、連結体の左右幅と略同等かそれよりも幅広に形成されて連結体の直下部に位置し、耕耘部カバ−の前端から下向きに張り出す土跳ね制止板を設けたものとしている。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る歩行型耕耘機(管理機、テイラ−等を含む)の全体側面図、図2は同じく全体平面図である。
【0012】
図1〜図2において、歩行型耕耘機は、左右一対の走行車輪(10)(10)を支持した走行ミッションケ−ス(11)と、走行ミッションケ−ス(11)から前延するマウントフレ−ム(12)に搭載したエンジン(13)等によって構成された自走車体(14)に、操縦ハンドル(15)やロ−タリ耕耘装置(16)を連設して構成されている。
【0013】
そして、エンジン(13)の出力軸(17)と走行ミッションケ−ス(11)の入力軸(18)の間が主伝動ケ−ス(19)に内蔵した主伝動機構で動力断続自在に連動連結されて、入力軸(18)から走行ミッションケ−ス(11)内の走行伝動機構を経て左右の車軸(20)(20)に伝達される動力で前記走行車輪(10)(10)を回転駆動し、又、走行ミッションケ−ス(11)のPTO軸からPTOケ−ス(21)内の出力伝動機構を経て前記ロ−タリ耕耘装置(16)の受動軸(22)に伝達される動力でロ−タリ耕耘装置(16)を稼動するようになっている。なお、PTOケ−ス(21)及びロ−タリ耕耘装置(16)の詳細構成については後記に詳述する。
【0014】
走行ミッションケ−ス(11)は、上方の変速機構収容部と下方の最終伝動機構収容部とを左右幅の狭い中間部で連絡させて形成されて、変速機構収容部に前記入力軸(18)と変速機構が設けられ、また、これに連動する最終伝動機構及び左右の車軸(20)(20)が最終伝動機構収容部に設けられて、入力軸(18)から左右の車軸(20)(20)に伝動する走行伝動装置(図示省略)が収容されている。
【0015】
左右の車軸(20)(20)は走行ミッションケ−ス(11)の最終伝動機構収容部から左右に延出され、その延出部分に轍間距離調節可能に走行車輪(10)(10)が取付けられており、轍間距離を調節するにあたっては、走行ミッションケ−ス(11)の中間部が左右幅狭く形成されていることと、図1にみられる如く側面視で走行車輪(10)(10)が周辺の他部材に干渉しないようになっていることとから、自走車体(14)の最大横幅よりも狭い轍間距離にすることができ、そのような狭い轍間距離に設定することで自走車体(14)が畝間や作物条間などのような狭い箇所をも難なく走行できるものとなっている。
【0016】
一方、走行ミッションケ−ス(11)上部の変速機構収容部の後面側部分には図3及び図4に示している連結体(23)が連設される。そして、連結体(23)はプレス成型によって剛性を高めた左右側板(23a)(23b)を所定の間隔で左右に並置して、両側板(23a)(23b)をそれらに直交する方向の補強板(23c)で一体に結合した単一枠体に形成されている。
【0017】
また、連結体(23)は、側面視(図3参照)において略々「く」字状を呈するように成形され、側面視で前低後高に傾斜する前上方縁辺部(23d)の下方寄り部位において左右側板(23a)(23b)に複数個の脚筒(23e)(23e)・・が左右相対向するように横内向きに突設固定されている。
【0018】
そして、左右の脚筒(23e)(23e)・・の間に走行ミッションケ−ス(11)の上部後側の所定部位を挿入重合させて連結体(23)を走行ミッションケ−ス(11)に合せ、前記左右側板(23a)(23b)の外側から各脚筒(23e)(23e)・・に挿通するボルト(24)(24)・・を走行ミッションケ−ス(11)側のネジ部にそれぞれ螺合させて締付固定することによって走行ミッションケ−ス(11)に結合される。
【0019】
また、連結体(23)の後側縁辺部(23f)は、側面視においてロ−タリ耕耘装置(16)側のドライブケ−ス(25)の上部前縁から上面縁にかけての部分の形状に略沿う彎曲形状に形成されている。そして、連結体(23)の後側縁辺部(23f)において左右側板(23a)(23b)間にロ−タリ耕耘装置(16)のドライブケ−ス(25)上部の前縁から上縁にかけての部分を入り込み重合させ、連結体(23)の後側縁辺部(23f)に所定ピッチで開設されている複数個の孔に左右側板(23a)(23b)の外側から挿通するボルト(26)・・をドライブケ−ス(25)側のネジ部にそれぞれ螺合させて締付固定することによって連結体(23)とロ−タリ耕耘装置(16)のドライブケ−ス(25)とが結合される。
【0020】
つまり、上記のような構成によって走行ミッションケ−ス(11)とロ−タリ耕耘装置(16)のドライブケ−ス(25)とが、単一枠の連結体(23)によって分離可能に一体的に結合されて、自走車体(14)にロ−タリ耕耘装置(16)が連設されるものとなっている。
【0021】
なお、連結体(23)において、左右側板(23a)(23b)を連絡結合する補強板(23c)は、前記左右側板(23a)(23b)間の空間下端部を閉塞するように両側板(23a)(23b)の下縁部分に渡架し固着されている。また、連結体(23)の後側上方の後向き面部(23h)には、連結体(23)の左右側板(23a)(23b)の後端部間を連絡結合する部材としての役目をも果す走行変速ガイド板(27)が設けられる。
【0022】
走行変速ガイド板(27)には図4にみられるように変速ガイド溝(27a)が開設されている。そして、前記走行ミッションケ−ス(11)の変速機構収容部から後方斜め上方に延出される走行変速レバ−(28)が変速ガイド溝(27a)を貫通して更に後方に伸延され、その変速レバ−(28)を変速ガイド溝(27a)に沿って任意の掛止位置に移動させることにより、走行ミッションケ−ス(11)内の走行伝動機構を変速及び前後進切換えできるようになっている。
【0023】
さらに、連結体(23)の左右側板(23a)(23b)の外側面には菊座状のハンドル取付座(29)(29)が設けられ、そのハンドル取付座(29)(29)に前記操縦ハンドル(15)の左右の基部に形成した相手方の菊座体を各々合接し、操縦ハンドル(15)の左右基部にそれぞれ外側から挿通しハンドル取付座(29)(29)側の受ネジに螺合させる固定ボルトで締付けることにより、操縦ハンドル(15)を角度調節自在に取付固定できるようになっている。
【0024】
なお、図1及び図2中の(30)は外装カバ−であり、該カバ−(30)は前記走行変速ガイド板(27)の外方からエンジン(13)の後端部にかけての部分を覆って外観性を向上する。そして、走行変速ガイド板(27)の外側を覆う部分には前記変速ガイド溝(27a)に合致するガイド溝が開設されており、前記走行変速レバ−(28)は走行変速ガイド板(27)の変速ガイド溝(27a)と外装カバ−(30)に開設されているガイド溝の双方を貫通して後方に伸延されるのである。
【0025】
上記の構成によって自走車体(14)に一体的に連設されるロ−タリ耕耘装置(16)は、前記伝動ドライブケ−ス(25)と、そのドライブケ−ス(25)に取付けられる耕耘部カバ−(31)と、耕耘部カバ−(31)の後方位に延出するホルダ−に上下位置調節自在に支持される尾輪装置(32)等で構成され、ドライブケ−ス(25)の下部にはロ−タリ爪軸がその軸芯を前記左右車軸(20)(20)の軸芯に平行させて支承横設されている。
【0026】
ロ−タリ耕耘装置(16)のドライブケ−ス(25)は、図5にみられる如く、上方の切換機構収容部と下方のロ−タリ爪軸支承部とを、これらの両部よりも著しく左右幅の狭い中間部分によって一体に連絡したものとなっている。そして、上方の切換機構収容部には、ドライブケ−ス(25)に収容される耕耘伝動機構の入力軸である前記受動軸(22)が左右横向きに軸受支承され、この受動軸(22)が自走車体(14)の右方側に延出されて、その延出部と前記走行ミッションケ−ス(11)から右方側に延出されているPTO軸の延出部とが前出のPTOケ−ス(21)内部の出力伝動機構によって連動連結される。
【0027】
PTOケ−ス(21)内部の出力伝動機構は、図6にみられるように構成されている。すなわち、自走車体(14)にロ−タリ耕耘装置(16)が連設された状態での走行ミッションケ−ス(11)側のPTO軸とドライブケ−ス(25)側の受動軸(22)の軸間距離に一致する軸間距離にしてPTOケ−ス(21)内に回転自在に軸受支承した二個のスプロケット(33)(34)にチエン(35)を掛回した正転伝動列と、この正転伝動列の両スプロケット(33)(34)の軸間距離と同じ軸間距離にしてPTOケ−ス(21)に回転自在に軸受支承するギヤ(36)(37)の間を中間ギヤ(38)(39)によって連動させた逆転伝動列とを左右横並びに設けて出力伝動機構が構成されている。
【0028】
前記正転伝動列のスプロケット(33)と逆転伝動列のギヤ(36)両者の同芯状の軸穴、及びスプロケット(34)と逆転伝動列のギヤ(37)両者の同芯状の軸穴はスプライン穴になっていて、スプライン穴の左右端部がPTOケ−ス(21)の左右側壁に開設されている開口穴にそれぞれ臨まされている。
【0029】
そして、正転伝動列のスプロケット(33)のスプライン軸穴を走行ミッションケ−ス(11)側のPTO軸に、スプロケット(34)のスプライン軸穴をドライブケ−ス(25)側の受動軸(22)に合わせてPTOケ−ス(21)を押し込んで固定すれば、スプロケット(33)(34)のみがPTO軸、受動軸(22)にそれぞれスプライン結合され、逆転伝動列のギヤ(36)(37)はPTO軸、受動軸(20)に対して非結合に保たれて、PTO軸から正転伝動列を経て伝達される動力により受動軸(22)が正回転する状態になる。なお、この場合、PTOケ−ス(21)の反対側壁部の開口穴は着脱自在の蓋(40)で閉塞される。
【0030】
また、上記の状態からPTOケ−ス(21)を一旦抜き外して左右に180°反転させて、逆転伝動列のギヤ(36)のスプライン軸穴を走行ミッションケ−ス(11)側のPTO軸に、ギヤ(37)のスプライン軸穴をドライブケ−ス(25)側の受動軸(22)に合わせてPTOケ−ス(21)を押し込んで固定すれば、前述とは逆にPTO軸と受動軸(22)とが逆転伝動列によって連動連結され、正転伝動列はPTO軸及び受動軸(22)に対して非結合になり、PTO軸から逆転伝動列を経て伝達される動力により受動軸(22)が逆回転する状態となるのである。
【0031】
ドライブケ−ス(25)の切換機構収容部には、前記受動軸(22)と共にそれに平行する回転軸(41)が軸受支承され、これらの受動軸(22)と回転軸(41)にわたって伝動切換機構が組成される。
そして、伝動切換機構は、前記受動軸(22)に遊転状態に嵌着される駆動スプロケット(42)からドライブケ−ス下部のロ−タリ爪軸支承部に収容されるロ−タリ爪軸駆動機構(詳細構造は後述する)に直接的に動力伝達する伝動列と、受動軸(22)に遊転嵌着されるギヤ(43)から回転軸(41)の遊転ギヤ(44)(45)を経て前記駆動スプロケット(42)と一体的なギヤ(46)に伝動してその動力を駆動スプロケット(42)から前記ロ−タリ爪軸駆動機構に伝達する伝動列とを備える。
【0032】
そして、駆動スプロケット(42)とギヤ(43)との間において受動軸(22)にスライド自在にスプライン装着された切換クラッチ体(47)を軸心方向に摺動移動して、駆動スプロケット(42)とギヤ(43)のいずれか一方に択一にクラッチ結合することにより、ロ−タリ爪軸駆動機構に伝達する動力を二様に変速設定でき、また、切換クラッチ体(47)を駆動スプロケット(42)とギヤ(43)のいずれにもクラッチ結合しない中立位置に保持することでロ−タリ爪軸駆動機構への伝動を遮断できるようになっている。
【0033】
切換クラッチ体(47)は、図7にみられるように、シフタ−(48)によってスライド移動されるようになっており、そのシフタ−(48)は前記受動軸(22)及び回転軸(41)と平行にして切換機構収容部に摺動移動可能に支承されるスライドピン(49)に支持され、操作部(50)を握持して軸心方向に押し引き操作することにより、前記切換クラッチ体(47)を駆動スプロケット(42)とギヤ(43)のいずれかにクラッチ結合する位置、或いは両者のいずれにも結合しない中立位置に選択的に切換保持できるようになっている。
【0034】
なお、スライドピン(49)は、前記切換機構収容部の外側方に配設される牽制機構(51)によって前出の走行変速レバ−(28)に連繋されて、走行変速レバ−(28)が後進位置にある時は、切換クラッチ体(47)を駆動スプロケット(42)或いはギヤ(43)のいずれにも結合することができず、また逆に、切換クラッチ体(47)が中立位置にあるとき以外は、走行変速レバ−(28)を後進位置に動かすことができないようにしてある。
【0035】
つぎに、ドライブケ−ス(25)下部のロ−タリ爪軸支承部に収容されるロ−タリ爪軸駆動機構は、図5の下半部にみられるように構成されている。
図5においてドライブケ−ス(25)下部のロ−タリ爪軸支承部には左右一対の外ロ−タリ軸(52)(52)と、それらの外ロ−タリ軸(52)(52)を相対回転自在に貫通して左右に延出する内ロ−タリ軸(53)とが内外二重軸状に軸受支承されると共に、外ロ−タリ軸(52)(52)並びに内ロ−タリ軸(53)より上方に在って両ロ−タリ軸(52)(52)、(53)に平行する中間回転軸(54)が回転自在に軸受支承される。
【0036】
そして、前記内ロ−タリ軸(53)の軸心方向中央部に内軸スプロケット(55)がスプライン嵌着され、この内軸スプロケット(55)と前記伝動切換機構の駆動スプロケット(42)とにチエンを巻き掛け、ドライブケ−ス(25)の幅狭中間部に支承して前記チエンに掛回外側から噛合させるアイドルスプロケット(56)でチエン張りして内ロ−タリ軸(53)を回転駆動する伝動系が構成されている。
【0037】
一方、中間回転軸(54)の軸心方向中央部には、前記チエンの掛回内側に噛合するスプロケット(57)がスプライン嵌着され、チエンの回動に連れて中間回転軸(54)を内ロ−タリ軸(53)と同じ方向に回転させるようになっており、この中間回転軸(54)部において、前記スプロケット(57)の左右両脇部には左右の駆動ギヤ(58)(58)が各々スプライン取付けされ、各駆動ギヤ(58)(58)が左右の外ロ−タリ軸(52)(52)の内端部に設けられている被動ギヤ(59)(59)に各々噛合されて、左右の外ロ−タリ軸(52)(52)を内ロ−タリ軸(53)とは反対方向に回転させる伝動系が構成されている。
【0038】
左右の外ロ−タリ軸(52)(52)には、それぞれの外方軸端部から外嵌して外ロ−タリ軸(52)(52)にスプライン結合する第1爪軸筒(60)(60)が設けられ、各々の第1爪軸筒(60)(60)の軸心方向内端寄り部分を、前記ロ−タリ軸支承部に形成されている左右の軸承部に差込んでベアリングにより回転自在に支持させている。つまり、前述した第1爪軸筒(60)(60)のベアリング支持によってロ−タリ軸支承部への外ロ−タリ軸(52)(52)の支持が行われ、また、外ロ−タリ軸(52)(52)に貫通された内ロ−タリ軸(53)のロ−タリ軸支承部への支持もが果されるようになっている。
【0039】
そして、外ロ−タリ軸(52)(52)と共に回転する第1爪軸筒(60)(60)に必要数の正逆転両用耕耘爪(61)が装着され、また、左右の外ロ−タリ軸(52)(52)及び第1爪軸筒(60)(60)の外端より横外方に突出した内ロ−タリ軸(53)の左右延出部にはそれぞれ第2爪軸筒(62)(62)が着脱自在にスプライン装着されて、各々の第2爪軸筒(62)(62)にも所用数の正逆転両用耕耘爪(63)が装着されている。なお、図5中の符号(L1)(L2)は、左右の第2爪軸筒(62)(62)に取付けられている耕耘爪(63)群による左右各々の耕耘幅を示し、また、符号(L3)は左右の第1爪軸筒(60)(60)に取付けられている耕耘爪(61)群の総和耕耘幅を示している。
【0040】
そして、図5のように走行ミッションケ−ス(11)側のPTO軸とドライブケ−ス(25)側の受動軸(22)間がPTOケ−ス(21)の正転伝動列により連動結合されている場合には、ロ−タリ爪軸の第1爪軸筒(60)(60)及びそれらに装着された耕耘爪(61)群が逆転方向(機体前進時の走行車輪とは反対の方向)に回転し、第2爪軸筒(62)(62)及びそれらに装着された耕耘爪(63)群が正転方向(機体前進時の走行車輪と同方向)に回転する態様で回転駆動され、又、走行ミッションケ−ス(11)側のPTO軸とドライブケ−ス(25)側の受動軸(22)間がPTOケ−ス(21)の逆転伝動列によって連動結合される状態に変換された場合には、前記とは逆に第1爪軸筒(60)(60)及びそれらに装着された耕耘爪(61)群が正転し、第2爪軸筒(62)(62)及びそれらに装着された耕耘爪(63)群が逆転する態様で回転駆動されるのである。
【0041】
また、前記両態様における第1爪軸筒(60)(60)とそれらに装着された耕耘爪(61)群ならびに第2爪軸筒(62)(62)とそれらに装着された耕耘爪(63)群の回転速度は、ドライブケ−ス(25)の切換機構収容部に設けられている伝動切換機構の切換操作によって二様に変速することができるのである。
【0042】
なお、図示の実施例においては、ドライブケ−ス(25)の切換機構収容部に設ける伝動切換機構を変速装置とし、この変速装置への入力伝動方向をPTOケ−ス(21)部において正逆転変換するように構成しているが、ドライブケ−ス(25)の切換機構収容部に設ける伝動切換機構を正逆転切換装置として同装置への入力伝動方向をPTOケ−ス(21)部において変速するようにしてもよい。
【0043】
また、ドライブケ−ス(25)の切換機構収容部、PTOケ−ス(21)部のいずれかに正逆転切換装置のみを備える構成にするか、ドライブケ−ス(25)の切換機構収容部、PTOケ−ス(21)部のいずれかに変速装置のみを備える構成にしてもよく、また、場合によっては前記正逆転切換装置、変速装置のいずれをも備えないものに構成してよい。
【0044】
さらに、前出の第2爪軸筒(62)(62)を、内ロ−タリ軸(53)に対して回転自在にして第1爪軸筒(60)(60)側に結合装着するものと付替えできるように構成することにより、必要に応じて第1爪軸筒(60)(60)と第2爪軸筒(62)(62)の双方が同じ方向に回転する態様でも作業できるのである。
【0045】
ロ−タリ爪軸の第1爪軸筒(60)(60)に装着された耕耘爪(61)群および第2爪軸筒(62)(62)に装着された耕耘爪(63)群双方の回転圏の上方及び左右両側方が前出の耕耘部カバ−(31)によって覆われるのであるが、該耕耘部カバ−(31)は、前記両耕耘爪(61)(63)群の回転圏から適宜上方に離間した部位において前記ドライブケ−ス(25)に固装されるカバ−基体(64)と、カバ−基体(64)の左右の縁辺部にそれぞれヒンジ(65)(65)を介して上下回動可能に装着される左右の天板部(66)(66)と、左右の天板部(66)(66)の遊端側にそれぞれ連設される左右の側板部とから成り、カバ−基体(64)の前端部には前方下向きに張出する土跳ね制止板(64a)が一体的または着脱若しくは格納自在に設けられている。
そして、土跳ね制止板(64a)は、前記連結体(23)の左右幅と略同等かそれよりも幅広に形成されて連結体(23)の直下部に位置されている。
【0046】
したがって、ロ−タリ爪軸の第1爪軸筒(60)(60)に装着されている耕耘爪(61)群が逆転する態様で作業する場合に、逆転する耕耘爪群によって耕土が前方上向きに跳ね上げられてもその耕土は土跳ね制止板(64a)により効果的に受止められ、走行ミッションケ−ス(11)や、その上部とロ−タリ耕耘装置(16)のドライブケ−ス(25)との結合部分などに耕土が付着堆積して正常な作業が妨げられることがないのである。
【0047】
なお、上述した左右のヒンジ(65)(65)の回動軸芯は、図5に示しているように、左側の第1爪軸筒(60)の耕耘爪(61)群による耕耘域と左側の第2爪軸筒(62)の耕耘爪(63)群による耕耘域との境界を通って上方に伸延する仮想鉛直線(YL)付近と、右側の第1爪軸筒(60)の耕耘爪(61)群による耕耘域と右側の第2爪軸筒(62)の耕耘爪(63)群による耕耘域との境界を通って上方に伸延する仮想鉛直線(YR)付近にそれぞれ位置されており、土盛や土入れ作業の場合には、このヒンジ(65)(65)を中心にして左右の天板部(66)(66)を図5に仮想線で示している如く上方に開動し維持して作業するのである。
【0048】
【発明の効果】
本発明に係る歩行型耕耘機は、ドライブケ−ス(25)に支承した内外二重のロ−タリ軸(53)(52)を互いに反対方向に回転させて内ロ−タリ軸(53)側に取付けた耕耘爪(63)群と外ロ−タリ軸(52)側に取付けた耕耘爪(61)群とを同時に正逆転させて耕耘作業し得るロ−タリ耕耘装置(16)を、自走車体(14)に連設するに、ロ−タリ耕耘装置(16)側のドライブケ−ス(25)の上部と自走車体(14)側の走行ミッションケ−ス(11)の上部とを単一枠の連結体(23)で分離可能に結合し、その結合状態において連結体(23)の下面側が閉塞部材(23c)によって閉塞されるようにしたものとし、また、前記ロ−タリ耕耘装置(16)の耕耘爪(61)(63)群の回転圏外方を被蓋する耕耘部カバ−(31)に、前記連結体(23)の左右幅と略同等かそれよりも幅広に形成されて連結体(23)の直下部に位置し、耕耘部カバ−(31)の前端から下向きに張り出す土跳ね制止板(64a)を設けたものとしているので、ロ−タリ耕耘装置の付替えによる仕様変更が可能で汎用性が確保されながら、自走車体と部分正逆転ロ−タリ耕耘装置の連設部構成が簡素化されて自走車体の走行変速レバ−ガイドの設置を含む構成も簡潔コンパクトになり、さらに部分正逆転ロ−タリ耕耘装置の逆転耕耘爪群によって前方上向きに跳ね上げられる耕土が前記連設部分に跳ねかかって付着堆積することも防がれて部分正逆転ロ−タリ耕耘装置による耕耘が良好に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】歩行型耕耘機の全体側面図である。
【図2】同じく全体平面図である。
【図3】連結体を拡大して示した側面図である。
【図4】同じく連結体の平面図である。
【図5】ロ−タリ耕耘装置の耕耘伝動機構を示した断面図である。
【図6】PTOケ−スの断面図である。
【図7】伝動切換機構の切換操作構造を示した断面部分図である。
【符号の説明】
14 自走車体
16 ロ−タリ耕耘装置
23 連結体
23c 閉塞部材
25 ドライブケ−ス
31 耕耘部カバ−
52 外ロ−タリ軸
53 内ロ−タリ軸
61 耕耘爪
63 耕耘爪
64a 土跳ね制止板
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成15年1月20日(2003.1.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−222513(P2004−222513A)
【公開日】 平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願番号】 特願2003−10545(P2003−10545)