| 【発明の名称】 |
ロータリ耕耘装置の耕耘軸シール構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】大窪 晋 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】飯野 啓司 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】耕耘軸シール構造73は、耕耘筒72の端部95とこの耕耘筒72から両端96が突出する耕耘軸71との間に、軸受け85並びにこの軸受け85へ外から異物が向かうことを防止するシール部材86をこの順に介設し、異物がシール部材86に向かうことを防止する第1シールプレート91を耕耘筒72と耕耘軸71との間に介設し、この第1シールプレート91を囲う筒状カバー92を耕耘筒72側から延ばし、異物が第1シールプレート91へ向かうことを防止する第2シールプレート93を筒状カバー92と耕耘軸71との間に介設したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 耕耘軸を支持ケースに回転自在に嵌合するとともに、支持ケースと耕耘軸との間にシール部材を介設したロータリ耕耘装置において、 前記支持ケースと耕耘軸との間に回転自在に耕耘筒を嵌合し、この耕耘筒の端部とこの耕耘筒から両端が突出する耕耘軸との間に、軸受け並びにこの軸受けへ外から異物が向かうことを防止する前記シール部材をこの順に介設し、異物が前記シール部材に向かうことを防止する第1シールプレートを耕耘筒と耕耘軸との間に介設し、この第1シールプレートを囲う筒状カバーを耕耘筒側から延ばし、異物が前記第1シールプレートへ向かうことを防止する第2シールプレートを前記筒状カバーと耕耘軸との間に介設し、 前記シール部材に向かう異物を、第2シールプレート、筒状カバーおよび第1シールプレートで多重に阻止することを特徴とするロータリ耕耘装置の耕耘軸シール構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は耕耘機に設けたロータリ耕耘装置の耕耘軸シール構造に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の耕耘機の耕耘軸シール構造は、耕耘軸に嵌合したオイルシールへ異物が侵入するのを阻止するカバーをオイルシールの前に配置した構造である(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 【特許文献1】 実開昭59−131378号公報 (第4−6頁、第2図) 【0004】 特許文献1を、図面を参照の上、詳しく説明する。 図7は従来の移動農機の車軸駆動部の説明図である(特許文献1の第2図を写したもの。)。 従来の車軸駆動部は、伝動ケース2(符号は同公報に記載されたものを流用した。以下同様。)にベアリング10およびオイルシール11を介して車軸1を取り付けるとともに、車軸1に取り付けた椀状体12および伝動ケース2側に設けた環状突起部14aを有し、侵入異物によるオイルシール11の損傷を防止することができるというものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、上記図7の車軸駆動部では、環状突起部14aと椀状体12との間から土や草などの異物が侵入しやすく、異物を除去する頻度が高くなり、手間がかかる。 また、車軸1に椀状体12および筒車軸13をピンで連結した構成のため、ピンとピン孔との隙間により、椀状体12および筒車軸13はともに、軸線方向に矢印の如く移動することがあり、移動することで、椀状体12内に溜まった異物をオイルシール11に押し付けて、オイルシール11の寿命を早めることがある。 【0006】 そこで、本発明の目的は、耕耘軸と耕耘筒との間に設けたシール部材に向けて異物が侵入するのを抑制し、シール部材の耐久性の向上を図るロータリ耕耘装置の耕耘軸シール構造を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために請求項1は、耕耘軸を支持ケースに回転自在に嵌合するとともに、支持ケースと耕耘軸との間にシール部材を介設したロータリ耕耘装置において、支持ケースと耕耘軸との間に回転自在に耕耘筒を嵌合し、この耕耘筒の端部とこの耕耘筒から両端が突出する耕耘軸との間に、軸受け並びにこの軸受けへ外から異物が向かうことを防止するシール部材をこの順に介設し、異物がシール部材に向かうことを防止する第1シールプレートを耕耘筒と耕耘軸との間に介設し、この第1シールプレートを囲う筒状カバーを耕耘筒側から延ばし、異物が第1シールプレートへ向かうことを防止する第2シールプレートを筒状カバーと耕耘軸との間に介設し、シール部材に向かう異物を、第2シールプレート、筒状カバーおよび第1シールプレートで多重に阻止することを特徴とする。 【0008】 ロータリ耕耘装置の耕耘軸および耕耘筒を回転させて土を耕耘すると、耕耘筒および耕耘軸に土や草などの異物が付着するが、異物が直接付く外面では、第2シールプレートと筒状カバーとで異物の侵入を減少させ、引き続き、通過した異物の侵入をシール部材の前に配置した次なる第1シールプレートでさらに減少させる。つまり、シール部材に向かう異物を、第2シールプレート、筒状カバーおよび第1シールプレートで多重に阻止することで、異物の侵入を妨げ、シール部材の耐久性の向上を図れる。 【0009】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。 図1は本発明に係る耕耘軸シール構造を採用した歩行型ロータリ耕耘機の斜視図である。図右上の「左」「右」「上」「下」は作業者から見た方向、「前」は前進側、「後」はその逆側をいう。 【0010】 歩行型ロータリ耕耘機10(以下では単に「耕耘機10」と記す。)は、駆動源としてのエンジン11から動力伝達装置12を介して左右の走行車輪13,14(図3参照)およびこれらの走行車輪13,14の前方に配置した左右のロータリ耕耘装置15,16へ動力を伝達し、動力伝達装置12の後部に畝立て装置17(図2参照)などの作業装置を連結する構造を有した農業機械であり、ロータリ耕耘装置15,16で圃場を耕しながら、例えば畝立て装置17で畝を立てる。 【0011】 図2は本発明に係る耕耘機の側面図であり、耕耘機10はまた、機体の上部に配置したエンジン11と、このエンジン11の下部に図に示していないクラッチ(クラッチケース11a)を介して取り付けた動力伝達装置12と、この動力伝達装置12の前部に回転可能に取り付けたロータリ耕耘装置15,16と、動力伝達装置12の後部に左・右車軸13a,14a(図3参照)を介して回転可能に取り付けた走行車輪13,14と、動力伝達装置12の後部から後方斜め上方に延ばしたハンドル18と、動力伝達装置12の後端に取り付けた連結機構21とからなる。Gは走行面を示す。 【0012】 ここで、31は動力伝達装置12の前端部に上下に位置調整可能に取り付けた走行補助輪、32は動力伝達装置12およびロータリ耕耘装置15,16の上方を覆うフェンダ、33はエンジン11の上方を覆うエンジンカバー、34はエアクリーナ、35は燃料タンク給油口用キャップ、36は変速レバー、37はデフロック用レバー、38はクラッチレバー、41は連結機構21に連結した作業装置を跳ね上げるための跳ね上げレバー、42は連結機構21に連結した作業装置の沈み込み位置を調整する沈み込み位置調整レバーである。 【0013】 図3は本発明に係る耕耘機の平面図であり、耕耘機10は、ハンドル18の右側前部に、エンジン11を始動させるリコイルスタータ用ノブ51と、エンジン11の出力を調整するスロットルレバー52と、前述のデフロック用レバー37を配置し、ハンドル18の左側後部にエンジン11を停止させるエンジンスイッチ53を取り付け、ハンドル18の後部にクラッチレバー38を取り付け、動力伝達装置12(図1参照)の後部中央から後方へ変速レバー36を延ばし、連結機構21の後部左部から後方へ跳ね上げレバー41を延ばしたことを示す。 【0014】 図4は図2の4−4線断面図であり、ロータリ耕耘装置15および動力伝達装置12を示す。 動力伝達装置12は、支持ケース12aと、支持ケース12a内の第1チェーン61を介して駆動する中間伝動手段62(第1・第2鎖歯車63,64、第1歯車65,65、第2チェーン66)を有する。 【0015】 ロータリ耕耘装置15は、動力伝達装置12により回転する耕耘軸71と、動力伝達装置12により回転し且つ支持ケース12aと耕耘軸71との間に回転自在に嵌合した耕耘筒72と、これらの耕耘軸71と耕耘筒72間に設けた耕耘軸シール構造73と、耕耘筒72に取り付けた内側耕耘爪74と、耕耘軸71に取り付けた外側耕耘爪75と、からなる。 【0016】 耕耘筒72は、内筒76に外筒77をボルト78で固定したもので、内筒76に設けた第2歯車81を介して内側耕耘爪74を走行車輪13(図1参照)の回転方向a(図1参照)と同じ回転方向b(図1参照)に回転させる。 【0017】 耕耘軸71は、軸端に管部材82をピン83で取り付け、軸中央に嵌合した第3鎖歯車84を介して外側耕耘爪75を走行車輪13(図1参照)の回転方向a(図1参照)に対して逆の回転方向c(図1参照)に回転させる。その際、管部材82とピン83との隙間(ゆるいすきまばめのため)により、管部材82および外側耕耘爪75はともに、耕耘軸71の中心軸線Cの方向に矢印の如く僅かな距離だけ移動する。85は耕耘筒72と耕耘軸71との間に介設した軸受け、86は耕耘筒72と耕耘軸71との間に介設したシール部材を示す。 【0018】 なお、耕耘軸71は中央の対称中心線87を中心にほぼ対称の形状であり、ロータリ耕耘装置16にも含まれる。 ロータリ耕耘装置16は、ロータリ耕耘装置15とほぼ同様であり、ロータリ耕耘装置16の説明を省略する。 【0019】 耕耘軸シール構造73は、耕耘筒72に固定した第1シールプレート91および筒状カバー92と、耕耘軸71に固定した第2シールプレート93と、からなる。次図で詳細に説明する。 【0020】 図5は図4の5部詳細図であり、耕耘軸シール構造73を示す。 耕耘軸シール構造73は、具体的には、耕耘筒72の端部95とこの耕耘筒72から両端96,96(図4参照)が突出する耕耘軸71との間に、軸受け85並びにこの軸受け85へ外から異物が向かう(矢印▲1▼の方向)ことを防止するシール部材86をこの順に介設し、異物がシール部材86に向かうことを防止する第1シールプレート91を耕耘筒72と耕耘軸71との間に介設し、この第1シールプレート91を囲う筒状カバー92を耕耘筒72側から延ばし(矢印▲2▼の方向)、異物が第1シールプレート91へ向かうことを防止する第2シールプレート93を筒状カバー92と耕耘軸71との間に介設したものである。 【0021】 筒状カバー92は、耕耘筒72に一端97を溶接で固定し、他端98を第2シールプレート93の側面101に一致するまで延ばした管で、少なくとも他端98が側面101に一致するように全長をL1に設定した。 筒状カバー92の全長は、L1から第2シールプレート93の側面101より外側(矢印▲2▼の方向)に二点鎖線で示すように出るL2の範囲に設定する。全長L2はピン83など他の部品に干渉しない長さであり、L1×1.5を目安とする。 【0022】 第1シールプレート91の配置位置は、シール部材86と管部材82の間である。 管部材82の基端102には、面取り部103を形成した。 【0023】 以上に述べたロータリ耕耘装置の耕耘軸シール構造の作用を次に説明する。 図5に示すように、耕耘などの農作業中に異物が耕耘軸71や耕耘筒72に付着して端部95から次第に侵入するが、耕耘筒72と耕耘軸71との間に第1シールプレート91を介設したので、第1シールプレート91によって、第1シールプレート91より奥へ(矢印▲1▼の方向)異物が侵入するのを抑制することができる。 【0024】 筒状カバー92を耕耘筒72側から第2シールプレート93の側面101に一致するまで延ばしたので、農作業中に草が筒状カバー92に巻き付いて、筒状カバー92の回転に伴い次第に締まって第2シールプレート93に達しても、締まった草は第2シールプレート93に掛り難く、草の巻き付き防止効果をより高めることができる。 【0025】 このように耕耘軸シール構造73は、シール部材86に向かう異物を、第2シールプレート93、筒状カバー92および第1シールプレート91で多重に阻止する構造なので、異物の侵入は極めて遅くなり、シール部材86の耐久性の向上を図ることができる。 【0026】 管部材82の基端102に面取り部103を形成すると、板厚は減少して先端の断面積は小さくなる。その結果、管部材82が矢印▲1▼の方向に繰り返し微動しても、第1シールプレート91の前に達した異物内に入り込みやすく、異物は移動し難くなる。従って、シール部材86に向けて異物が侵入するのを抑制することができるとともに、シール部材86の耐久性の向上を図ることができる。 【0027】 また、管部材82の基端102に面取り部103を形成したので、第1シールプレート91の前に達した異物を第1シールプレート91に押し付けることなく面取り部103の傾斜面に沿って逆方向(矢印▲2▼の方向)に逃がして、端部95内の空間に滞留させることができる。従って、シール部材86に向けて異物が侵入し難くなり、シール部材86の耐久性の向上を図ることができる。 【0028】 耕耘軸シール構造73は、耕耘筒72に固定した第1シールプレート91および筒状カバー92と、耕耘軸71に固定した第2シールプレート93と、からなる構成なので、部品点数が少なく、ロータリ耕耘装置16の生産コストを抑えることができる。 【0029】 耕耘軸シール構造73では、耕耘筒72に第1シールプレート91を備えた構成なので、簡単な構造となり、耕耘筒72と耕耘軸71との間に侵入した異物を取り除く作業は容易である。 【0030】 図6(a),(b)は耕耘軸シール構造の比較図である。 (a)は比較例で、従来の耕耘軸シール構造121を示す。従来の耕耘軸シール構造121は、耕耘筒122側から全長L3(L3<L1)の筒状カバー123を延ばし、耕耘軸124に第2シールプレート125を取り付けたもので、シール部材126へ異物が矢印▲3▼,▲4▼の如く侵入しやすい。 【0031】 (b)は図5を写した実施の形態で、本発明の耕耘軸シール構造は既に説明したように異物が矢印▲5▼,▲6▼の如く侵入し難い。 従って、本発明の構造によれば、シール部材86に向けて異物が侵入するのを抑制することができるとともに、シール部材86の耐久性の向上を図ることができる。 【0032】 尚、本発明の実施の形態に示した耕耘軸シール構造73に対してさらにシールプレートなど他の部品を追加して、異物の侵入径路をより複雑にし且つ、径路が長くなるように構成してもよい。 耕耘軸シール構造73で採用する部品間の隙間の値は、任意である。 第1シールプレート91や筒状カバー92を溶接で固定したが、溶接以外のもので固定してもよく、例えば、着脱可能な構成とすることも可能である。 【0033】 【発明の効果】 本発明は上記構成により次の効果を発揮する。 請求項1では、耕耘軸シール構造は、異物がシール部材に向かうことを防止する第1シールプレートを耕耘筒と耕耘軸との間に介設し、この第1シールプレートを囲う筒状カバーを耕耘筒側から延ばし、異物が第1シールプレートへ向かうことを防止する第2シールプレートを筒状カバーと耕耘軸との間に介設し、シール部材に向かう異物を、第2シールプレート、筒状カバーおよび第1シールプレートで多重に阻止する構成なので、耕耘軸と耕耘筒との間に設けたシール部材に向けて異物が侵入するのを抑制することができ、異物の侵入は極めて遅くなり、シール部材の耐久性の向上を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る耕耘軸シール構造を採用した歩行型ロータリ耕耘機の斜視図 【図2】本発明に係る耕耘機の側面図 【図3】本発明に係る耕耘機の平面図 【図4】図2の4−4線断面図 【図5】図4の5部詳細図 【図6】耕耘軸シール構造の比較図 【図7】従来の移動農機の車軸駆動部の説明図 【符号の説明】 11…エンジン(駆動源)、12a…支持ケース、15,16…ロータリ耕耘装置、71…耕耘軸、72…耕耘筒、74…内側耕耘爪、75…外側耕耘爪、73…耕耘軸シール構造、85…軸受け、86…シール部材、91…第1シールプレート、92…筒状カバー、93…第2シールプレート、95…耕耘筒の端部、96,96…耕耘軸の両端、b…内側耕耘爪の回転方向、c…外側耕耘爪の回転方向。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成15年1月17日(2003.1.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎
【識別番号】100094020 【弁理士】 【氏名又は名称】田宮 寛祉
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| 【公開番号】 |
特開2004−215618(P2004−215618A) |
| 【公開日】 |
平成16年8月5日(2004.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2003−9800(P2003−9800) |
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