| 【発明の名称】 |
歩行型農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 信男 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【氏名】西江 博徳 【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】連結機構21に、動力伝達装置側に対する畝立て機側の上下動を許容する連結リンク78を備え、この連結リンク78に、連結リンク78の畝立て機側の下限位置を制限する沈み込み位置制限機構76を設け、畝立て機の下限位置を制限することで、作業中に畝立て機の土壌中への沈下深さを制限するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体の後部に走行車輪用の車軸を設け、この車軸の前方に耕耘装置を取付け、前記車軸の後方であって機体の後部に畝立て機等の作業装置を連結機構を介して連結可能とした歩行型農作業機において、 前記連結機構は、機体側に対する作業装置側の上下動を許容する上下可動部材を備え、この上下可動部材に、上下可動部材の作業装置側の下限位置を制限する下限位置制限機構を設け、作業装置の下限位置を制限することで、作業中における作業装置の土壌中への沈下深さを制限するようにしたことを特徴とする歩行型農作業機。 【請求項2】 前記上下可動部材は、機体側に一端をスイング可能に取付けるとともに他端を作業装置側にスイング可能に取付けたアッパリンク及びロアリンクから構成し、前記下限位置制限機構は、アッパリンク又はロアリンクに一端を係合させた第1リンクと、この第1リンクの他端にスイング可能に連結した第2リンクと、この第2リンク及び第1リンクを介してアッパリンク又はロアリンクの作業装置側高さを選択的に変更するために機体側に係止できるように第2リンクに設けた係止部材とから構成したことを特徴とする請求項1記載の歩行型農作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、畝立て機等の作業装置を牽引する歩行型農作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】 歩行型農作業機として、後部に牽引する牽引作業機の位置を規制するガイドアームを設けたもの(例えば、特許文献1参照。)、後方に昇降自在に各種副作業装置を連結するための昇降機構を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。 【0003】 【特許文献1】 特開2001−238504公報(第3−5頁、図1、図3) 【特許文献2】 特開平10−225205号公報(第3−7頁、図1、図12) 【0004】 特許文献1の図1を以下の図15で、特許文献1の図3を以下の図16で説明する。なお、符号は振り直した。 図15は従来の歩行型農作業機の後部及び牽引作業機を示す要部側面図(従来例1)であり、歩行型農作業機としての耕耘機に設けた伝動ケース201の後部に枠板202を取付け、この枠板202に下部軸202aにて牽引バー203をスイング可能に取付け、この牽引バー203の後端部に牽引作業機である畝立て器204を連結し、枠板202にガイドアーム205を上下スイング可能に取付け、このガイドアーム205に上方規制部206を形成し、この上方規制部206で牽引バー203に設けたピン軸207の位置を規制したことを示す。 【0005】 牽引バー203は、後端部にホルダー208を備え、このホルダー208にステー211を挿入するとともにこのステー211をホルダー208に係止具212で固定することで畝立て器204を連結する。 【0006】 図中の213はグリップであり、回転させることで支点214を中心にして畝立て器204の中央刃部215の角度を変更することが可能である。 216は調節ハンドルであり、回転操作することで尾輪217の上下高さを変更することが可能である。 【0007】 図16は従来の歩行型農作業機の牽引作業状態を示す側面図(従来例1)であり、駆動輪221で走行しながら耕耘爪222で硬い土壌223を耕耘土壌224にし、畝立て器204で畝を形成することを示す。 【0008】 特許文献2の図1を以下の図17で、特許文献2の図12を以下の図18で説明する。なお、符号は振り直した。 図17は従来の歩行型農作業機の側面図(従来例2)であり、歩行型農作業機231の後部に昇降機構242を介して各種副作業装置としての播種装置232を昇降自在に連結したことを示す。なお、234はロータリ爪235を備えたロータリ装置、236は車軸237に取付けた走行車輪である。 【0009】 図18は従来の歩行型農作業機の昇降機構の側面図(従来例2)であり、ミッションケースの後部に変速ガイド体241を取付け、この変速ガイド体241に昇降機構242を取付けた状態を示す。 【0010】 昇降機構242は、変速ガイド体241に取付けたリンク支持体244と、このリンク支持体244に一端を上下スイング可能に取付けた上側リンク245及び下側リンク246と、これらの上側リンク245及び下側リンク246のそれぞれの他端にスイング可能に取付けた本体側ヒッチ247とからなり、本体側ヒッチ247に播種装置を取付ける。 【0011】 上側リンク245は、中間部に摺動ピン251を備え、この摺動ピン251をリンク支持体244に形成した下降規制用凹部252に当てることで本体側ヒッチ247の下限位置を規制し、摺動ピン251をリンク支持体244に形成した上昇規制用凹部253に当てることで本体側ヒッチ247の上限位置を規制する。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】 図15及び図16において、畝立て器204で形成する畝の高さを調整しようとした場合、畝立て器204の上下位置を変更するために、例えば、▲1▼ホルダー208に対してステー211を上下に移動させて係止具212で固定する、▲2▼グリップ213を回して中央刃部215の角度を変更する、▲3▼調節ハンドル216を回して尾輪217を上下に移動することが考えられる。 【0013】 しかし、これらの▲1▼〜▲3▼の方法は、牽引バー203に対する畝立て器204の上下方向の位置を調整するだけで、伝動ケース201側に対する畝立て器204の上下位置を変更することはできない。即ち、牽引バー203及び畝立て器204が伝動ケース201に対して下部軸202aを中心にしてスイングするからである。 【0014】 更に、畝立て器204は牽引バー203を介して上方規制部206及びピン軸207によって上方への移動を規制されているから、畝立て器204は伝動ケース201に対して所定の高さ以上に上方に移動することができない。 即ち、畝立て器204は所定の高さ未満では自由にスイングするから、畝を高さ一定に形成することは難しい。 【0015】 図17及び図18において、上側リンク245は下方へのスイングを下降規制用凹部252で規制され、上方へのスイングを上昇規制用凹部253で規制され、これらの間を自由にスイングする。 【0016】 例えば、摺動ピン251が下降規制用凹部252に当たった状態で、作業装置としての播種装置の高さ位置を調整しようとした場合は、オペレータがハンドルを上下に移動させて歩行型農作業機231と播種装置232との両方を共に前、あるいは後に傾けることになる。これでは、オペレータの負担が大きくなる。また、播種装置の高さを一定に保つには、オペレータに高度の技量や相当な作業経験が必要となる。 【0017】 そこで、本発明の目的は、歩行型農作業機を改良することで、作業装置の沈下深さを調整できるようにするとともに畝を一定の高さに形成し、沈下深さを調整するのにオペレータの技量や経験を必要とせず、オペレータの作業負担を軽減することで操作性を向上させることにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために請求項1は、機体の後部に走行車輪用の車軸を設け、この車軸の前方に耕耘装置を取付け、車軸の後方であって機体の後部に畝立て機等の作業装置を連結機構を介して連結可能とした歩行型農作業機において、連結機構に、機体側に対する作業装置側の上下動を許容する上下可動部材を備え、この上下可動部材に、上下可動部材の作業装置側の下限位置を制限する下限位置制限機構を設け、作業装置の下限位置を制限することで、作業中における作業装置の土壌中への沈下深さを制限するようにしたことを特徴とする。 【0019】 連結機構に下限位置制限機構を設けたことで、作業装置の沈下深さを制限することができ、一定の高さの畝を形成することができる。 また、従来は、作業装置の沈下深さを設定するのにオペレータの技量や経験が必要であったが、本発明では、下限位置制限機構により作業装置の所望の沈下深さを容易に設定することができ、オペレータに技量や経験が不要となり、作業装置による作業性を向上させることができる。 【0020】 更に、オペレータが所定の沈下深さまで作業装置を押し下げる等の労力が不要になり、歩行型農作業機の操作性を向上させることができるとともに、オペレータの作業負担を軽減することができる。 【0021】 請求項2は、上下可動部材を、機体側に一端をスイング可能に取付けるとともに他端を作業装置側にスイング可能に取付けたアッパリンク及びロアリンクから構成し、下限位置制限機構を、アッパリンク又はロアリンクに一端を係合させた第1リンクと、この第1リンクの他端にスイング可能に連結した第2リンクと、この第2リンク及び第1リンクを介してアッパリンク又はロアリンクの作業装置側高さを選択的に変更するために機体側に係止できるように第2リンクに設けた係止部材とから構成したことを特徴とする。 【0022】 下限位置制限機構を構成する係止部材を機体側の異なる高さ位置に選択的に係止すれば、アッパリンク及びロアリンクを平行とすることで、アッパリンク及びロアリンクを介して作業装置の姿勢をそれほど変化させずに作業装置を上下動させて下限位置を変更することができ、作業装置の各下限位置での作業性を向上させることができる。 【0023】 また、作業装置の各下限位置を、係止部材の係止位置を変更するだけで調整することができるから、作業装置の沈下深さを容易に調整することができ、連結する作業装置や土壌条件、栽培する作物に応じた沈下深さを簡単に設定することができる。 【0024】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。 図1は本発明に係る歩行型農作業機の斜視図であり、歩行型農作業機10(以下では単に「農作業機10」と記す。)は、エンジン11から機体としての動力伝達装置12を介して左右の走行車輪13,14(手前側の符号13のみ示す。)及びこれらの走行車輪13,14の前方に配置した左右の耕耘装置15、16へ動力を伝達し、動力伝達装置12の後部に畝立て機等の作業装置を連結する構造を有する農業機械であり、耕耘装置15,16で圃場を耕しながら、例えば畝立て機で畝を立てる。 【0025】 図2は本発明に係る農作業機の側面図であり、農作業機10は、機体の上部に配置したエンジン11と、このエンジン11の下部にクラッチ(不図示。17はクラッチを収納するクラッチケースである。)を介して取付けた動力伝達装置12と、この動力伝達装置12の前部に左右の耕耘軸15a,16a(手前側の符号15aのみ示す。)を介して回転可能に取付けた耕耘装置15,16と、動力伝達装置12の後部に左車軸13a及び右車軸14a(不図示)を介して回転可能に取付けた走行車輪13,14と、動力伝達装置12の後部から後方斜め上方に延ばしたハンドル18と、動力伝達装置12の後端に取付けた連結機構21とからなる。 【0026】 ここで、31は動力伝達装置12の前端部に上下に位置調整可能に取付けた走行補助輪、32は動力伝達装置12及び耕耘装置15,16の上方を覆うフェンダ、33はエンジン11の上方を覆うエンジンカバー、34はエアクリーナ、35は燃料タンク給油口用キャップ、36は変速レバー、37はデフロック用レバー、38はクラッチレバー、41は連結機構21に連結した作業装置を跳ね上げるための跳ね上げレバー、42は連結機構21に連結した作業装置の沈み込み位置を調整する沈み込み位置調整レバーである。 【0027】 図3は本発明に係る農作業機の平面図であり、農作業機10は、ハンドル18の右側前部に、エンジン11を始動させるリコイルスタータ用ノブ51と、エンジン11の出力を調整するスロットルレバー52と、前述のデフロック用レバー37とを配置し、ハンドル18の左側後部にエンジン11を停止させるエンジンスイッチ53を取付け、ハンドル18の後部にクラッチレバー38を取付け、動力伝達装置12(図1参照)の後部中央から後方へ変速レバー36を延ばし、連結機構21の後部左部から後方へ跳ね上げレバー41を延ばしたことを示す。 【0028】 図4は本発明に係る連結機構の側面図であり、連結機構21は、動力伝達装置12(図1参照)の後端にボルト61,61及びナット62,62で取付ける左右のベースプレート63,63(手前側の符号63のみ示す。)と、これらのベースプレート63,63間に配置するとともにベースプレート63,63に支軸64を介してスイング可能に取付けたベースアーム66と、このベースアーム66に上下スイング可能に取付けたアッパリンク67及びロアリンク68と、これらのアッパリンク67及びロアリンク68にスイング可能に取付けた連結部材71と、ベースアーム66の先端に支軸72を介してスイング可能に取付けた跳ね上げレバー73と、アッパリンク67の中間部に取付けた側方延出ピン74を上下移動させることでアッパリンク67及びロアリンク68及び連結部材71を介して連結部材71に連結する作業装置の土壌中の沈み込み位置を調整する下限位置調整機構としての沈み込み位置調整機構76とからなる。 上記したアッパリンク67及びロアリンク68は上下可動部材としての連結リンク78を構成する部材である。 【0029】 ベースプレート63は、ほぼ中央に、側方延出ピン74をベースプレート63,63間から外部に突出させる第1窓部81を開け、上部に、沈み込み位置調整機構76を構成する係止ピン82を掛けるための上部切欠き部83〜85を設けた第2窓部87を開け、下部に、跳ね上げレバー73の先端に設けた側方突出ピン88を掛ける下部切欠き部91,92を形成した部材である。 【0030】 ベースアーム66は、支軸64を中心にして上方へスイングするときに、引張コイルばね94で引張力を作用させるようにした部材である。 引張コイルばね94は、ベースプレート63に設けたばね支持ピン95に一端を掛け、他端をベースアーム66に開けたばね掛け穴66aに掛けた部材である。この引張コイルばね94によって跳ね上げレバー73の操作力を軽減する。 【0031】 アッパリンク67及びロアリンク68は、例えば、平行で且つ取付部長さを同一とした平行リンクであり、図では、アッパリンク67及びロアリンク68は、アッパリンク67の側方延出ピン74が第1窓部81の下端に当たって、最も下方にスイングした位置にある。なお、97,98はアッパリンク67の両端をベースプレート63及び連結部材71に連結する連結ピン、101,102はロアリンク68の両端をベースプレート63及び連結部材71に連結する連結ピンである。 【0032】 連結部材71は、後部に、作業装置側の先端に設ける円柱状部材を挿入する円筒部104を備え、円柱状部材の抜け止めのためのロックピン105を円筒部104に貫通させ、このロックピン105の抜け止めのための抜け止めピン106をロックピン105の先端に挿入したものである。 【0033】 跳ね上げレバー73は、ベースアーム66に取付けた先端プレート108と、この先端プレート108から後方斜め上方にほぼクランク状に延ばしたレバー部111とからなり、先端プレート108に側方突出ピン88を取付け、この側方突出ピン88をベースプレート63の下部切欠き部91,92に選択的に掛けることができるものである。 【0034】 沈み込み位置調整機構76は、アッパリンク67の下部を支持するためにベースプレート63に支軸113を介してスイング可能に取付けたほぼL字状に成形した第1リンクとしてのL字リンク114と、このL字リンク114の先端に支軸115を介してスイング可能に連結した第2リンクとしての上部リンク116と、この上部リンク116の側面に取付けた係止ピン82と、上部リンク116の先端から上方に延ばした操作レバー117とからなり、ベースプレート63側のばね支持ピン95に一端を掛けた引張コイルばね118の他端を係止ピン82に掛けることで、係止ピン82が上部切欠き部83〜85から外れにくくしたものである。 ここで、21aはワッシャ、21bは各ピンの端部に抜け止めのために挿入した割りピンである。 【0035】 図5は図4の5矢視図であり、ベースアーム66を、左アーム121及び右アーム122と、これらの左アーム121及び右アーム122のそれぞれを結合する結合プレート部123とから一体成形するとともに左アーム121及び右アーム122の側面にそれぞれ支軸64,64を取付け、これらの支軸64,64を左右のベースプレート63,63で回転可能に支持し、アッパリンク67を左リンク125及び右リンク126から構成し、これらの左リンク125及び右リンク126に貫通するように側方延出ピン74を取付け、支軸72に巻き付けたねじりコイルばね128で跳ね上げレバー73に跳ね上げレバー73の後端を下げようとする弾性力を作用させ、沈み込み位置調整機構76の操作レバー117を門形として左右の上部リンク116,116に取付けたことを示す。 【0036】 図6は本発明に係る農作業機に作業装置を連結した状態を示す側面図であり、農作業機10の連結機構21に作業装置としての畝立て機22を連結したことを示す。 畝立て機22は、部品の配置を変更することで平畝と丸畝との両方を形成することができるものである。 【0037】 図7(a),(b)は本発明に係る連結機構の作用を示す第1作用図であり、アッパリンク67及びロアリンク68の作用を説明する。 (a)はアッパリンク67及びロアリンク68のそれぞれの後端に取付けた連結部材71が最も低い位置にある状態を示す。即ち、アッパリンク67の側方延出ピン74が第1窓部81の下端に当たっている状態である。 【0038】 (b)は、アッパリンク67及びロアリンク68が共に上方へスイングし、アッパリンク67及びロアリンク68の連結部材71側の端部がベースアーム66側の端部よりも高位置にある状態を示す。即ち、連結ピン98が連結ピン97よりも高位置にあり、連結ピン102が連結ピン101よりも高位置にある。 【0039】 図8は本発明に係る連結機構の作用を示す第2作用図であり、作業装置に作用する押し下げ力について説明する。 例えば、畝立て機22で畝を立てる前には、畝立て機22が土壌132に接地した状態にあり、走行車輪13,14も接地している。 この状態では、アッパリンク67及びロアリンク68はそれぞれの後端側が前端側よりも高位置にある。 【0040】 この状態から走行車輪13,14が回転して農作業機が前進すると、畝立て機22には土壌132上を牽引するときの牽引抵抗力Rが矢印で示すように後向きに発生する。 【0041】 これにより、アッパリンク67及びロアリンク68に、アッパリンク67及びロアリンク68の長手方向に沿った前斜め下向きの牽引力T3が発生する。 従って、畝立て機22は、牽引力T3の鉛直下向きの分力T4及び自重によって次第に土壌132中に沈み込む。 【0042】 図9(a)〜(d)は本発明に係る農作業機及び畝立て機の作用を示す第3作用図であり、畝立て作業を順に説明する。 (a)は畝立て作業開始前の農作業機10及び畝立て機22を示す。 アッパリンク67及びロアリンク68は上下に拘束なくスイングできる状態にあるため、走行車輪13,14及び畝立て機22の両方が土壌132上に接地した状態にあり、アッパリンク67及びロアリンク68は、畝立て機22側の端部が走行車輪13,14側の端部よりも高位置にある。 【0043】 (b)において、走行車輪13,14を駆動して走行を開始するとともに耕耘装置15,16で耕耘を開始すると、農作業機10は前下がりになり、アッパリンク67及びロアリンク68の傾きは(a)の状態よりも小さくなり、畝立て機22は接地した状態を維持する。 【0044】 (c)は、農作業機10が更に前進して耕耘装置15,16による耕耘深さが必要耕耘深さDに達し、走行車輪13,14が既に耕耘した土壌、即ち既耕地133に入って沈み始め、畝立て機22も次第に沈み始める。このとき、アッパリンク67及びロアリンク68の傾きは(b)の状態よりも大きくなる。 【0045】 (d)は、更に農作業機10が前進し、畝立て機22の下端が既耕地133の底部に達し、その高さ位置を維持しながら畝134を形成する状態を示す。このとき、アッパリンク67及びロアリンク68はほぼ水平な状態にあり、畝立て機22への押し下げ力はほとんど発生しない。 【0046】 図10(a),(b)は本発明に係る連結機構の作用を示す第4作用図であり、沈み込み位置調整機構76の作用を説明する。 (a)は沈み込み位置調整機構76の係止ピン82を第1窓部81の最も下に位置する上部切欠き部83に掛けたことを示す。 この状態では、アッパリンク67及びロアリンク68がやや後下がりに傾斜する。 【0047】 (b)は沈み込み位置調整機構76の係止ピン82を第1窓部81の最も上に位置する上部切欠き部85に掛けたことを示す。この状態は、(a)の状態に対して、L字リンク114が支軸113を中心にして反時計回りにスイングし、側方延出ピン74を押し上げてアッパリンク67を反時計回りにスイングさせた状態である。このときの連結部材71を、説明の都合上、連結部材71Cとする。 【0048】 この状態では、アッパリンク67及びロアリンク68がやや後上がりに傾斜する。(a)に示した位置にある連結部材71を、説明の都合上、連結部材71Aとし、係止ピン82を上部切欠き部84に掛けたときの連結部材71を、説明の都合上、連結部材71Bとすると、連結部材71の上下動の下限位置が、連結部材71A、連結部材71B、連結部材71Cの順で次第に上側になる。 【0049】 図11(a),(b)は本発明に係る沈み込み位置調整機構の作用を示す第5作用図であり、畝立て機22の沈み込み量の調整について説明する。 (a)は沈み込み位置調整機構76を調整して、連結部材71が最も低い位置となるようにすれば、畝立て機22の沈み込み量、即ち沈下深さを最も大きくすることができる。そして、畝立て機22はこれ以上沈下しないから、畝134の高さを一定にすることができる。 【0050】 このときの畝134の高さをH1とする。畝立て機22の下面は既耕地133の底部に位置する。なお、d1は既耕地133の上端と畝134の上端との高低差であり、畝134を形成したときの圧縮量である。このとき、アッパリンク67及びロアリンク68はほぼ水平な状態にある。 【0051】 (b)は沈み込み位置調整機構76を調整して、連結部材71を(a)の位置よりも高くすれば、畝立て機22の沈み込み量を小さくすることができる。このとき、アッパリンク67及びロアリンク68は後上がりの状態にあり、畝立て機22には押し下げ力が作用するため、畝立て機22は、設定した沈下深さの下限位置にある。従って、畝立て機22はこれ以上沈下しないから、畝134の高さを一定にすることができる。 【0052】 このときの畝134の高さをH2とすると、H2<H1となる。なお、d2は既耕地133の上端と畝134の上端との高低差、即ち、畝134を形成したときの圧縮量であり、ここではd2はほとんどd1に等しくして、必要な畝134の硬さを得る。 【0053】 以上の図2、図10及び図11で説明したように、本発明は第1に、動力伝達装置12の後部に走行車輪13,14用の左車軸13a及び右車軸14aを設け、これらの左車軸13a及び右車軸14aの前方に耕耘装置15,16を取付け、左車軸13a及び右車軸14aの後方であって動力伝達装置12の後部に畝立て機22等の作業装置を連結機構21を介して連結可能とした歩行型農作業機10において、連結機構21に、動力伝達装置12側(詳しくはベースプレート63及びベースアーム66(図4参照))に対する畝立て機22側(詳しくは連結部材71)の上下動を許容する連結リンク78を備え、この連結リンク78に、連結リンク78の畝立て機22側の下限位置を制限する沈み込み位置制限機構76を設け、畝立て機22の下限位置を制限することで、作業中における畝立て機22の土壌中への沈下深さを制限するようにしたことを特徴とする。 【0054】 連結機構21に沈み込み位置制限機構76を設けたことで、畝立て機22の沈下深さを制限することができて、一定の高さの畝を形成することができる。 また、従来は、作業装置の沈下深さを設定するのにオペレータの技量や経験が必要であったが、本発明では、沈み込み位置制限機構76により畝立て機22の所望の沈下深さを容易に設定することができ、オペレータに技量や経験が不要となり、畝立て機22による作業性を向上させることができる。 【0055】 更に、オペレータが所定の沈下深さまで畝立て機22を押し下げる等の労力が不要になり、歩行型農作業機10の操作性を向上させることができるとともに、オペレータの作業負担を軽減することができる。 【0056】 本発明は第2に、連結リンク78を、動力伝達装置12側(詳しくはベースアーム66)に一端をスイング可能に取付けるとともに他端を畝立て機22側(詳しくは連結部材71)にスイング可能に取付けたアッパリンク67及びロアリンク68から構成し、沈み込み位置制限機構76を、アッパリンク67又はロアリンク68に一端を係合させたL字リンク114と、このL字リンク114の他端にスイング可能に連結した上部リンク116と、この上部リンク116及びL字リンク114を介してアッパリンク67又はロアリンク68の畝立て機22側高さを選択的に変更するために動力伝達装置12側(詳しくはベースプレート63の上部切欠き部83〜85)に係止できるように上部リンク116に設けた係止ピン82とから構成したことを特徴とする。 【0057】 沈み込み位置制限機構76を構成する係止ピン82を動力伝達装置12側(詳しくは上部切欠き部83〜85の各位置)に選択的に係止すれば、アッパリンク67及びロアリンク68を平行且つ同一取付長とすることで、アッパリンク67及びロアリンク68を介して畝立て機22の姿勢をそれほど変化させずに畝立て機22を上下動させて下限位置を変更することができ、畝立て機22の各下限位置での作業性を向上させることができる。 【0058】 また、畝立て機22の各下限位置を、係止ピン82の係止位置を変更するだけで調整することができるから、畝立て機22の沈下深さを容易に調整することができ、連結する作業装置や土壌条件、栽培する作物に応じた沈下深さを簡単に設定することができる。 【0059】 図12(a)〜(c)は本発明に係る連結機構の作用を示す第6作用図であり、跳ね上げレバー73の作用を説明する。 (a)はベースプレート63の下部切欠き部91に跳ね上げレバー73の側方突出ピン88を掛けた状態である。 【0060】 (b)は(a)の状態から、側方突出ピン88が下部切欠き部91から外れるようにレバー部111を上方へスイングさせ、そして、レバー部111を後方斜め上方へ引いて側方突出ピン88が下部切欠き部91から離れた状態を示す。 【0061】 このとき、ベースアーム66は、支軸64を中心にして反時計回りにスイングし、アッパリンク67に設けた図示せぬストッパがベースアーム66に当たるために、ベースアーム66のスイングに伴ってアッパリンク67及びロアリンク68がベースアーム66と一体的にスイングする。 【0062】 (c)は(b)の状態から、更にレバー部111を後方斜め上方へ引き、側方突出ピン88を下部切欠き部92に臨む位置まで移動させた後にレバー部111を下方へスイングさせ、側方突出ピン88を下部切欠き部92に掛けた状態である。 この状態は、ベースアーム66、アッパリンク67及びロアリンク68が(b)の状態から更に上方へ一体的にスイングした状態である。 【0063】 図13は本発明に係る畝立て機の跳ね上げ状態を示す第7作用図であり、畝立て機22を跳ね上げレバー73で跳ね上げた状態を示す。畝立て機22で畝立て作業中に旋回するときや畝立て前に、あるいは畝立てを終えて走行する等のときの状態である。 【0064】 単に平行リンクを上方へスイングさせただけでは、跳ね上げ高さを確保できなかったり、平行リンクを長くしなければならないが、本発明の連結機構21は、アッパリンク67及びロアリンク68をベースアーム66に取付け、ベースアーム66を跳ね上げレバー73で上方へスイングさせて畝立て機22を跳ね上げるようにしたので、アッパリンク67及びロアリンク68の全長を大きくすることなく跳ね上げ高さを確保することができ、しかも、アッパリンク67及びロアリンク68が短いことから、跳ね上げた畝立て機22が後方へ大きく突出することがなく、ハンドル18の後端よりも前方に配置することができ、畝立て機22を跳ね上げた状態でも農作業機10の移動の邪魔にならず、都合がよい。 【0065】 図14(a)〜(d)は本発明に係る農作業機の沈み込み位置調整機構の別の実施の形態を示す説明図であり、図2及び図4に示した実施の形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。 (a)は農作業機10に連結機構141を介して畝立て機22を連結した状態の側面図を示す。 連結機構141は、農作業機10の後部に取付けたベース部材142と、このベース部材142にスイング可能に取付けたアッパリンク67及びロアリンク68と、これらのアッパリンク67及びロアリンク68のそれぞれの後端にスイング可能に取付けるとともに畝立て機22を連結する連結部材71と、アッパリンク67の後端を連結部材71に連結する連結ピン98にスイング可能に取付けた第1リンク143と、この第1リンク143の先端にスイング可能に取付けた第2リンク144と、この第2リンク144に一体的に取付けた操作レバー146と、これらの第2リンク144及び操作レバー146をスイング可能に支持するためにベース部材142に取付けた支持ピン147とを備える。 【0066】 (b)は操作レバー146の操作を説明する側面図を示す。 連結機構141の操作レバー146を矢印▲1▼の向きにスイングさせると、第2リンク144及び第1リンク143を介してアッパリンク67及びロアリンク68が反時計回りにスイングし、畝立て機22が矢印▲2▼のように上昇する。即ち、畝立て機22の沈み込み位置が高くなる。 【0067】 (c)は、連結機構141を示す側面図であり、連結機構141は、ベース部材142に取付けた係止部材151と、操作レバー146に係合する係合片152を備える。 【0068】 第1リンク143は、長穴154を開け、この長穴154内を連結ピン98が移動可能にした部材である。 係止部材151は、コ字状のコ字切欠き部156…(…は複数個を示す。以下同じ。)を形成した部材であり、これらのコ字切欠き部156…に操作レバー146を選択的に係止することで操作レバー146の固定位置を変更し、畝立て機の沈み込み位置を調整する。 【0069】 係合片152は、上部に切欠き部158を設け、この切欠き部158に操作レバー146を係合して操作レバー146と一体的にスイングするようにした部材である。 【0070】 (d)は(c)のd−d線断面図であり、支持ピン147に上部を湾曲させた係合片152を取付け、この係合片152に、支持ピン147に端部を嵌合させた操作レバー146の中間部を係合させ、支持ピン147を貫通させたベース部材142と操作レバー146との間の支持ピン147にカラー161を嵌め、ベース部材142の外側に突出した支持ピン147の一端部に止め輪162を取付けてベース部材142からの支持ピン147の抜け止めとし、ベース部材142の上部に湾曲させた係合部材151を取付け、支持ピン147の他端部に第2リンク144を取付け、支持ピン147の他端部を、ベース部材142と一体的に設けた別のベース部材163に貫通させ、ベース部材163の外側に突出した支持ピン147の他端部に止め輪164を取付けてベース部材163からの支持ピン147の抜け止めとしたことを示す。 【0071】 操作レバー146の位置を変更するには、操作レバー146を想像線の位置、即ち係合部材151のコ字切欠き部156を外れる位置まで撓ませ、その状態で操作レバー146をスイングさせて別のコ字切欠き部156に係止する。 【0072】 【発明の効果】 本発明は上記構成により次の効果を発揮する。 請求項1の歩行型農作業機は、連結機構に、機体側に対する作業装置側の上下動を許容する上下可動部材を備え、この上下可動部材に、上下可動部材の作業装置側の下限位置を制限する下限位置制限機構を設け、作業装置の下限位置を制限することで、作業中における作業装置の土壌中への沈下深さを制限するようにしたので、作業装置の沈下深さを制限できて、一定の高さの畝を形成することができる。 【0073】 また、従来は、作業装置の沈下深さを設定するのにオペレータの技量や経験が必要であったが、本発明では、下限位置制限機構により作業装置の所望の沈下深さを容易に設定することができ、オペレータに技量や経験が不要となり、作業装置による作業性を向上させることができる。 【0074】 更に、オペレータが所定の沈下深さまで作業装置を押し下げる等の労力が不要になり、歩行型農作業機の操作性を向上させることができるとともに、オペレータの作業負担を軽減することができる。 【0075】 請求項2の歩行型農作業機は、上下可動部材を、機体側に一端をスイング可能に取付けるとともに他端を作業装置側にスイング可能に取付けたアッパリンク及びロアリンクから構成し、下限位置制限機構を、アッパリンク又はロアリンクに一端を係合させた第1リンクと、この第1リンクの他端にスイング可能に連結した第2リンクと、この第2リンク及び第1リンクを介してアッパリンク又はロアリンクの作業装置側高さを選択的に変更するために機体側に係止できるように第2リンクに設けた係止部材とから構成したので、下限位置制限機構を構成する係止部材を機体側の異なる高さ位置に選択的に係止すれば、アッパリンク及びロアリンクを平行とすることで、アッパリンク及びロアリンクを介して作業装置の姿勢をそれほど変化させずに作業装置を上下動させて下限位置を変更することができ、作業装置の各下限位置での作業性を向上させることができる。 【0076】 また、作業装置の各下限位置を、係止部材の係止位置を変更するだけで調整することができるから、作業装置の沈下深さを容易に調整することができ、連結する作業装置や土壌条件、栽培する作物に応じた沈下深さを簡単に設定することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る歩行型農作業機の斜視図 【図2】本発明に係る農作業機の側面図 【図3】本発明に係る農作業機の平面図 【図4】本発明に係る連結機構の側面図 【図5】図4の5矢視図 【図6】本発明に係る農作業機に作業装置を連結した状態を示す側面図 【図7】本発明に係る連結機構の作用を示す第1作用図 【図8】本発明に係る連結機構の作用を示す第2作用図 【図9】本発明に係る農作業機及び畝立て機の作用を示す第3作用図 【図10】本発明に係る連結機構の作用を示す第4作用図 【図11】本発明に係る沈み込み位置調整機構の作用を示す第5作用図 【図12】本発明に係る連結機構の作用を示す第6作用図 【図13】本発明に係る畝立て機の跳ね上げ状態を示す第7作用図 【図14】本発明に係る農作業機の沈み込み位置調整機構の別の実施の形態を示す説明図 【図15】従来の歩行型農作業機の後部及び牽引作業機を示す要部側面図(従来例1) 【図16】従来の歩行型農作業機の牽引作業状態を示す側面図(従来例1) 【図17】従来の歩行型農作業機の側面図(従来例2) 【図18】従来の歩行型農作業機の昇降機構の側面図(従来例2) 【符号の説明】 10…歩行型農作業機、12…機体(動力伝達装置)、13,14…走行車輪、13a,14a…車軸(左車軸、右車軸)、15,16…耕耘装置、22…作業装置(畝立て機)、67…アッパリンク、68…ロアリンク、76…下限位置調整機構(沈み込み位置調整機構)、78…上下可動部材(連結リンク)、82…係止部材(係止ピン)、114…第1リンク(L字リンク)、116…第2リンク(上部リンク)、132…土壌。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年12月27日(2002.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067356 【弁理士】 【氏名又は名称】下田 容一郎
【識別番号】100094020 【弁理士】 【氏名又は名称】田宮 寛祉
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| 【公開番号】 |
特開2004−208598(P2004−208598A) |
| 【公開日】 |
平成16年7月29日(2004.7.29) |
| 【出願番号】 |
特願2002−381920(P2002−381920) |
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