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【発明の名称】 畦塗り機
【発明者】 【氏名】萱原 博文
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【氏名】遠藤 忠治
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【氏名】岡本 孝志
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【要約】 【課題】走行機体の後部に、整畦体及び前処理体を左右いずれか一方にオフセットする状態に装着し、オフセット切換え動作と連動してクラッチをカバーする畦塗り機の提供。

【解決手段】走行機体の後部に装着され、該走行機体の走行に伴って進行して走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置を作業する畦塗り機1であって、走行機体の後部に本体フレーム2が装着され、整畦体3及び前処理体4を、本体フレーム2に対して左右方向に回動して左右いずれか一方にオフセット可能に支持し、本体フレーム2の左右両側に設けた出力側クラッチ9を、伝動軸12側に設けた入力側クラッチ41と接合していないときにそれぞれカバーするクラッチカバー42を設け、該クラッチカバー42は、整畦体3及び前処理体4を左右回動する動作と連動して作動するリンク体43により開閉作動するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の後部に装着され、該走行機体の走行に伴って進行して走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置を作業する畦塗り機(1)において、
上記走行機体の後部に本体フレーム(2)が装着され、整畦体(3)及び前処理体(4)を、上記本体フレーム(2)に対して左右方向に回動して左右いずれか一方にオフセット可能に支持し、本体フレーム(2)の左右両側に設けた出力側クラッチ(9)を、上記伝動軸(12)側に設けた入力側クラッチ(41)と接合していないときにそれぞれカバーするクラッチカバー(42)を設け、該クラッチカバー(42)は、整畦体(3)及び前処理体(4)を左右回動する動作と連動して作動するリンク体(43)により開閉作動するようにしたことを特徴とする畦塗り機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体の後部に装着され、該走行機体の走行に伴って進行して走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置を作業する畦塗り機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行機体の後部に本体フレームが装着され、該本体フレームに、整畦体及び前処理体を左右いずれか一方にオフセットした状態に設けた畦塗り機が、特許文献1により周知である。
【0003】
【特許文献1】特開平8−9706号公報
【0004】
そして、上記先行技術の畦塗り機は、前進走行する走行機体から動力を受けて回転駆動し、整畦体及び前処理体が左右いずれか一方にオフセットされた側の元畦に対して、前処理装置により掘削された土壌を整畦体により元畦の斜面及び上面に塗り付けて整畦するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の畦塗り機においては、整畦体及び前処理体を走行機体の後部の左右いずれか一方にオフセットした状態で、機体を前進させながら整畦作業を行うのであり、走行機体の前端部が圃場の端部に達したときには、整畦体及び前処理体の位置から走行機体の前端位置まで、即ち、整畦体及び前処理体の位置から圃場の端部までの元畦に対して整畦作業が行われない状態で残ることになり、この残った部分を人力により整畦する必要があった。このため、多くの労力と時間を要する、という問題点があった。
【0006】
このような問題点を解決するために、走行機体の左右いずれか一方にオフセットされている整畦体及び前処理体を、水平方向に回動して左右他側にオフセットし、機体を後進させながら前進作業で残った部分の整畦作業を行なおうとする手段が提案されている。その際に、整畦体及び前処理体への動力伝達を、整畦体及び前処理体が左右いずれか一方のオフセット位置のとき接合し、回動途中では離間するクラッチを採用すると、接合していないクラッチが回動していると危険であり、また、クラッチに泥土が入り込んだりするという、解決すべき課題が発生することになる。
本発明は、上記の課題を解決することを目的になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために本発明は、
A.走行機体の後部に装着され、該走行機体の走行に伴って進行して走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置を作業する畦塗り機1において、
B.上記走行機体の後部に本体フレーム2が装着され、整畦体3及び前処理体4を、上記本体フレーム2に対して左右方向に回動して左右いずれか一方にオフセット可能に支持し、本体フレーム2の左右両側に設けた出力側クラッチ9を、上記伝動軸12側に設けた入力側クラッチ41と接合していないときにそれぞれカバーするクラッチカバー42を設け、該クラッチカバー42は、整畦体3及び前処理体4を左右回動する動作と連動して作動するリンク体43により開閉作動するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
イ.前記B.の構成によって、走行機体の後部に本体フレーム2が装着され、整畦体3及び前処理体4を、本体フレーム2に対して左右方向に回動して左右いずれか一方にオフセット可能に支持し、本体フレーム2の左右両側に設けた出力側クラッチ9を、伝動軸12側に設けた入力側クラッチ41と接合していないときにそれぞれカバーするクラッチカバー42を設け、該クラッチカバー42は、整畦体3及び前処理体4を左右回動する動作と連動して作動するリンク体43により開閉作動するようにしたことで、本体フレーム2の左右両側に設けられた出力側クラッチ9は、整畦体3及び前処理体4側の入力側クラッチ41と接合していない状態のときは自動的にカバーされて、前処理体4により掘削された土壌が出力側クラッチ9内に入るのを防止すると共に、危険を防止する。また、入力側クラッチ41と接合されていない出力側クラッチ9は、クラッチカバー42により自動的にカバーされるので、カバーするのを忘れることがなく、カバーをするための労力を要さない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0010】
図1ないし図3において、符号1は図示しないトラクタの後部に設けられたトップリンク及びロアリンクからなる三点リンク連結機構に連結されて、整畦作業を行う畦塗り機である。この畦塗り機1は、伝動ケースを兼ねる本体フレーム2の後端部に、整畦体3及び前処理体4を、左右いずれか一方(図1及び図2で右側)にオフセットした通常の作業状態に設けている。また、上記整畦体3及び前処理体4は、本体フレーム2に対して左右方向に回動可能に支持され、機体の進行方向に対してオフセットされた通常の作業位置から、後述するように直角に旋回した非作業位置及び180度旋回した作業位置に固定、固定解除可能としている。
【0011】
上記トラクタの三点リンク連結機構にはオートヒッチカプラ5が連結され、このオートヒッチカプラ5を介して本体フレーム2の前端部に設けられた上部連結部6及び下部連結部7が、自動的に連結され、レバー操作で離脱され、また、自動連結可能状態にセットされる。本体フレーム2の前部から前方に入力軸8が突出しており、この入力軸8に、図示しないトラクタのPTO軸からユニバーサルジョイント及び伝動軸を介して回転動力が伝達される。入力軸8から入力された回転動力は本体フレーム2内で変速され、本体フレーム2の後端部において左右両側に出力され、それぞれの出力端に出力側クラッチ9,9を設けている。
【0012】
本体フレーム2の後端部にコ字状の回動支持部材10が、本体フレーム2から上下に突設した軸11,11を介して左右方向に回動自在に支持され、この回動支持部材10の鉛直部分に、整畦体3及び前処理体4を支持し伝動軸12を内装した支持フレーム13の先端部が固着されている。本体フレーム2の左右両側には、上下調節支持部14及び15を介して車輪状ゲージホイール16及びソロバン珠状ゲージホイール17が上下調節可能に設けられている。
【0013】
上記支持フレーム13の基端部には、整畦体伝動ケース18及び前処理体伝動ケース19が連結され、該整畦体伝動ケース18及び前処理体伝動ケース19を介して上記整畦体3及び前処理体4が装着されている。整畦体伝動ケース18の基端部は支持フレーム13に対して垂直方向に回動可能であり、この回動操作を整畦体回動調節機構20により行うようにしている。そして、整畦体回動調節機構20の操作により整畦体3は前後方向に回動して、その作業深さ調節及び前処理体4との間隔調節が行われる。
【0014】
整畦体3は、整畦体伝動ケース18の先端部から水平方向に突出した回転支持体21の先端部に、多角円錐状ドラム22を偏心して固着している。この多角円錐状ドラム22は、この実施例では12角の稜線と平面部を有しており、その基端部から水平方向に延びる水平筒状体23が一体的に設けられている。そして、機体の前進と共に前処理体4により掘削された土壌を、回転支持体21により回転する多角円錐状ドラム22によって元畦の傾斜面に塗り付け、また、元畦の水平頂部を水平筒状体23により塗り付けて整畦する。
【0015】
前処理体4は、前処理体伝動ケース19の先端部から水平方向に突出し、側枠24に支持された水平回転軸25の外周に、多数の爪取付けボックス26を介して多数の掘削爪27を装着している。掘削爪27は、元畦及び田面を縦方向に掘削する縦刃部と、縦刃部から一側に屈曲する横刃部とからなり、元畦及び田面に対して元畦側が浅く、田面側が深くなるように横刃部で階段状に掘削するように、縦刃部の長さ(回転半径)を異ならせている。そして、掘削爪27によって、元畦側が浅く、田面側が深くなる、ほぼ水平の階段が形成される。
【0016】
掘削爪27によって元畦及び田面が掘削され、元畦の田面側に形成された水平状の階段面に対して、掘削爪27によって掘削された土壌が、前処理体4の後ろ側に設けられた整畦体3の多角円錐状ドラム22及び水平筒状体23によって塗り付けられ、あるいは表面が叩き付けられて、元畦に新畦造成部分が上塗りされて新畦が整畦される。
【0017】
整畦体3と前処理体4との間には、前処理体4の後部から整畦体3の外周部にかけて、前処理体4により耕起された土壌を整畦体3に向け案内する弾性板体からなる土流ガイド28が、基端部を前処理体4の後部に固定し、先端部を自由端として設けられている。この土流ガイド28により、掘削爪27によって掘削された土壌が多角円錐状ドラム22及び水平筒状体23側に案内されて、多角円錐状ドラム22及び水平筒状体23により元畦に塗り付けられ整畦される。
【0018】
整畦体3及び前処理体4の上方は、整畦体カバー29及び前処理体カバー30により覆われている。また、前処理体4においては、内側に固定側板31を設けると共に、外側に設けられる外側板32を、上下方向にスライド可能で、かつ前後方向に回動可能に支点33に支持されたスライドアーム34と、前後方向に回動するリンク体35とにより支持している。即ち、外側板32は、側枠24の外側で、スライドアーム34の上下調節で上下移動し、その位置でリンク体35により上下しながら前処理体4の作業位置に追従していく。
【0019】
図4及び図5に示すように、本体フレーム2に対して整畦体3及び前処理体4が回動する位置に、即ち、本体フレーム2に対して回動支持部材10が回動する位置に、本体フレーム2から整畦体3及び前処理体4に動力を伝達する動力伝達経路に上記出力側クラッチ9,9と選択的に接,断操作する入力側クラッチ41を設け、この入力側クラッチ41の接,断操作を、フックレバー38を支点38aを中心に回動することにより操作するようにしている。また、フックレバー38は、係合板39により係止されるようになっている。
【0020】
フックレバー38と同軸にフック部40が設けられ、本体フレーム2の上部及び下部に固着された支持板36に、それぞれ突設された係合ピン37a,37b,37cに対して、フックレバー38の回動により選択的に係合,離脱する。そして、整畦体3及び前処理体4がオフセットされた通常の作業位置から、直角に旋回した非作業位置及び180度旋回した作業位置にそれぞれ係止し、また、離脱する係止機構を構成している。
【0021】
また、本体フレーム2に対して整畦体3及び前処理体4が回動する位置には、整畦体3及び前処理体4がオフセットされた通常の作業位置(図1ないし図3)から、図5を経て直角に旋回した非作業位置(図6ないし図9)及び180度旋回した作業位置(図10ないし図12)に回動させたとき、本体フレーム2の左右両側に設けたクラッチ9を、整畦体3及び前処理体4側に設けたクラッチ41と接合していないときにそれぞれカバーするクラッチカバー42を設け、該クラッチカバー42は、整畦体3及び前処理体4を水平回動する動作と連動して作動するリンク体43により開閉作動するようにしている。
【0022】
上記前処理体4により形成され、整畦体3により整畦される土壌表面に対して液体(水)を散布するノズル部44を前処理体4の上方に設け、該ノズル部44に配管46を介して液体を供給する液体タンク45を本体フレーム2上に設けている。そして、整畦体3により整畦される土壌表面に対して液体を散布し、前処理体4により掘削される土壌が多少乾いていても、整畦体3による元畦上への塗り付け作業が良好に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明により、走行機体の後部に、整畦体及び前処理体を左右いずれか一方にオフセットする状態に装着し、左右のオフセット切換え動作と連動して非伝動クラッチをカバーする畦塗り機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による畦塗り機のオフセットされた通常作業状態の全体背面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同側面図である。
【図4】本体フレームに対する整畦体及び前処理体の回動支持部において、フックレバーを係止(ロック)し、クラッチが接続された通常作業状態の平面図である。
【図5】同フックレバーの係止を解除し、クラッチを断った状態の平面図である。
【図6】本発明による畦塗り機の整畦体及び前処理体をオフセット作業位置から90度回動させた非作業状態の背面図である。
【図7】同平面図である。
【図8】同側面図である。
【図9】本体フレームに対する整畦体及び前処理体の回動支持部において、図5の状態から整畦体及び前処理体を90度回動させ、フックレバーを係止(ロック)し、てクラッチを接続した非作業状態の平面図である。
【図10】本発明による畦塗り機の整畦体及び前処理体をオフセット通常作業位置から180度回動させた後進作業状態の背面図である。
【図11】同平面図である。
【図12】本体フレームに対する整畦体及び前処理体の回動支持部において、図5の状態から整畦体及び前処理体を180度回動させ、クラッチを接続し、フックレバーを係止(ロック)した後進作業状態の平面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 畦塗り機
2 本体フレーム
3 整畦体
4 前処理体
5 オートヒッチカプラ
6 上部連結部
7 下部連結部
8 入力軸
9 出力側クラッチ
10 回動支持部材
11 軸
12 伝動軸
13 支持フレーム
14,15 上下調節支持部
16 車輪状ゲージホイール
17 ソロバン珠状ゲージホイール
18 整畦体伝動ケース
19 前処理体伝動ケース
20 整畦体回動調節機構
21 回転支持体
22 多角円錐状ドラム
23 水平筒状体
24 側枠
25 水平回転軸
26 爪取付けボックス
27 掘削爪
28 土流ガイド
29 整畦体カバー
30 前処理体カバー
31 固定側板
32 外側板
33 支点
34 スライドアーム
35 リンク体
36 支持板
37a〜37c 係合ピン
38 フックレバー 38a 支点
39 係合板
40 フック部
41 入力側クラッチ
42 クラッチカバー
43 リンク体
44 ノズル部
45 液体タンク
46 配管
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地
【出願日】 平成16年3月4日(2004.3.4)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2004−187692(P2004−187692A)
【公開日】 平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願番号】 特願2004−60850(P2004−60850)