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【発明の名称】 農作業機
【発明者】 【氏名】谷澤 勉
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】佐藤 元紀
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】小出 盛人
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】東城 正司
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【要約】 【課題】軽量化が容易であるとともに、製造コストを低減できる農作業機を提供する。

【解決手段】農作業機は、トラクタの走行により前方に移動しながら所定の作業をする折畳式のものである。農作業機は、動力伝達部から動力を受けて回転して耕耘作業をする耕耘体36を有し回動中心軸線を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能な耕耘整地手段4を備えている。農作業機は、耕耘体36の回転軸71の動力伝達部側の端部を折畳非作業状態時には支持するが展開作業状態時には支持しない回転軸支持体75を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力伝達部から動力を受けて回転して耕耘作業をする耕耘体を有し、回動中心軸線を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切り換えられる耕耘整地手段を備えた折畳式の農作業機であって、
前記耕耘体の回転軸の前記動力伝達部側の端部を折畳非作業状態時には支持するが展開作業状態時には支持しない回転軸支持体を備えた
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
回転軸支持体に当接して耕耘体の回転軸の動力伝達部側への移動を規制するストッパ体を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
動力伝達部から動力を受けて回転して耕耘作業をする耕耘体を有し、回動中心軸線を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切り換えられる耕耘整地手段を備えた折畳式の農作業機であって、
前記耕耘体の回転軸の前記動力伝達部側とは反対側の端部が軸受体にて回転可能に軸支され、前記耕耘体の回転軸の前記動力伝達部側の端部が展開作業状態時にのみ前記動力伝達部と係脱可能に係合してこの動力伝達部にて支持される係合端部となっている
ことを特徴とする農作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量化が容易であるとともに、製造コストを低減できる農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば動力伝達部から動力を受けて回転して耕耘作業をする耕耘体を有し回動中心軸線を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切り換えられる耕耘整地手段を備えた折畳式の農作業機であって、耕耘体の回転軸の軸方向両端部の各々が円筒状の軸受体にて回転可能に軸支された構成のものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−289814号公報(第9頁、図6)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の農作業機のように耕耘体の回転軸の軸方向両端部の各々を円筒状の軸受体にて回転可能に軸支した構成では、軽量化が困難であるとともに、製造コストが高くなりがちであるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、軽量化が容易であるとともに、製造コストを低減できる農作業機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の農作業機は、動力伝達部から動力を受けて回転して耕耘作業をする耕耘体を有し、回動中心軸線を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切り換えられる耕耘整地手段を備えた折畳式の農作業機であって、前記耕耘体の回転軸の前記動力伝達部側の端部を折畳非作業状態時には支持するが展開作業状態時には支持しない回転軸支持体を備えたものである。
【0007】
そして、耕耘体の回転軸の動力伝達部側の端部を折畳非作業状態時には支持するが展開作業状態時には支持しない回転軸支持体を備えたものであるから、耕耘体の回転軸の軸方向両端部の各々を円筒状の軸受体にて軸支したものに比べて、軽量化が容易であるとともに、製造コストが低減する。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、回転軸支持体に当接して耕耘体の回転軸の動力伝達部側への移動を規制するストッパ体を備えたものである。
【0009】
そして、ストッパ体が回転軸支持体に当接して耕耘体の回転軸の動力伝達部側への移動を規制するため、安全性が向上する。
【0010】
請求項3記載の農作業機は、動力伝達部から動力を受けて回転して耕耘作業をする耕耘体を有し、回動中心軸線を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切り換えられる耕耘整地手段を備えた折畳式の農作業機であって、前記耕耘体の回転軸の前記動力伝達部側とは反対側の端部が軸受体にて回転可能に軸支され、前記耕耘体の回転軸の前記動力伝達部側の端部が展開作業状態時にのみ前記動力伝達部と係脱可能に係合してこの動力伝達部にて支持される係合端部となっているものである。
【0011】
そして、耕耘体の回転軸の動力伝達部側とは反対側の端部が軸受体にて回転可能に軸支され、耕耘体の回転軸の動力伝達部側の端部が展開作業状態時にのみ動力伝達部と係脱可能に係合してこの動力伝達部にて支持される係合端部となっているため、耕耘体の回転軸の軸方向両端部の各々を円筒状の軸受体にて軸支したものに比べて、軽量化が容易であるとともに、製造コストが低減する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1ないし図5において、1は左右方向に長手状をなす折畳式の農作業機で、この農作業機1は、その左右方向略中央部で走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に昇降可能に連結され、このトラクタの走行により水田等の圃場を前方(進行方向)に移動しながら耕耘整地作業等の所定の作業をする代掻きハロー等である。なお、この農作業機1は例えば左右2分割式のものである。
【0014】
この農作業機1は、トラクタの後部の作業機連結部である3点リンク部(3点支持装置)に昇降可能に連結される連結部である3点連結部2を有する機枠である固定機枠3と、この固定機枠3に略前後方向の1本の回動中心軸線Xを中心とする上下回動(例えばβ=約85°)により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能に設けられた左右一対の土作業部である耕耘整地手段4とを備えている(図5参照)。
【0015】
なお、トラクタの3点リンク部は、1本のトップリンク、左右一対のロワリンクおよび各リンクを上下回動させる駆動手段等にて構成されている。また、固定機枠3の3点連結部2は、1本のトップマスト5および左右一対のロワアーム6等にて構成されている。
【0016】
そして、固定機枠3は、前面から突出しトラクタからの動力を農作業機1に入力する入力軸11を回転可能に支持する略箱状の軸支持体であるミッションケース12を固定機枠3の左右方向略中央部に有している。
【0017】
このミッションケース12は、金属等にて一体に形成された中空状の鋳物で、農作業機1の左右方向略中央部に配置され、このミッションケース12の前面から入力軸11の先端側が前方に向って突出している。
【0018】
このミッションケース12にて保持された入力軸11は農作業機1の左右方向略中央部に配設されている。そして、この入力軸11の回転中心軸線Yは、農作業機1の左右方向略中央部に位置し、耕耘整地手段4の折畳中心軸線である回動中心軸線Xと平面視で略一致している。
【0019】
また、この固定機枠3のミッションケース12の下面部17からは、図4および図5に示すように、入力軸11からの動力を耕耘整地手段4に伝達する耕耘機能をもった動力伝達部13が下方に向って突出している。
【0020】
この動力伝達部13は、ミッションケース12の下面部17に着脱可能に取り付けられた伝動ケース26を有している。そして、この伝動ケース26の下端部には、入力軸11からの動力をミッションケース12および伝動ケース26内に収容されたベベルギアおよびチェーン等からなる伝動機構(図示せず)を介して受けて回転する係合回転体27が回転可能に設けられている。
【0021】
この係合回転体27は、例えば左右方向の回転軸28と、この回転軸28の軸方向両端部に設けられ耕耘機能を兼ね備えた伝動用係合部材29とにて構成されている。
【0022】
また一方、このミッションケース12の平板状の後面部18には、互いに前後に離間対向した支持板部16を有する軸取付部材15が着脱可能に取り付けられている(図7参照)。
【0023】
さらに、固定機枠3の左右方向両端部には、収納時等に農作業機1を支持するスタンド装置21を着脱可能に取り付けるためのスタンドホルダ22が設けられている。
【0024】
また、固定機枠3の左右両側には、折畳非作業状態の耕耘整地手段4を固定機枠3に対して解除可能に固定する折畳固定手段23が設けられているとともに、展開作業状態の耕耘整地手段4を固定機枠3に対して解除可能に固定する展開固定手段24が設けられている。展開固定手段24は例えば2つの解除レバー25を有する2重ロック方式のものであり、折畳固定手段23も2重ロック方式のものである。
【0025】
また一方、左右一対の耕耘整地手段4は、これら左右一対の耕耘整地手段4のそれぞれに共通のもので農作業機1の左右方向略中央部に位置する1本の回動中心軸線Xを中心とする上下回動、すなわち例えば左右一対の耕耘整地手段4のそれぞれに共通のもので軸取付部材15に取り付けられ農作業機1の左右方向略中央部に配設され回動中心軸線X上に位置する共通軸部材であるそれぞれが1本の機枠共通軸31および整地体共通軸32を中心とする上下回動により、折畳非作業状態および展開作業状態に切り換えられるものである。
【0026】
つまり、これら左右一対の耕耘整地手段4は、垂直方向に対して傾斜した前傾状の回動中心軸線(機枠共通軸31および整地体共通軸32)Xを中心とする上方回動により略V字状の折畳非作業状態に切り換えられ、前傾状の回動中心軸線(機枠共通軸31および整地体共通軸32)Xを中心とする下方回動により略直線状で水平状の展開作業状態に切り換えられるものである。
【0027】
ここで、左右一対の耕耘整地手段4のそれぞれは、左右対称のもので、固定機枠3にこの固定機枠3の左右方向略中央部上側に位置する1本の機枠共通軸31を介して上下回動可能に設けられた可動機枠35を有している。
【0028】
これら左右一対の可動機枠35は、これら左右一対の可動機枠35のそれぞれに共通の1本の折畳中心軸である機枠共通軸31を中心とする上下回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能となっている。そして、両可動機枠35の回動中心である1本の機枠共通軸31は、固定機枠3のミッションケース12の後面部18に軸取付部材15を介して取り付けられ、ミッションケース12の後方にこのミッションケース12に近接して位置している。
【0029】
この各可動機枠35には、動力伝達部13の係合回転体27と係脱可能に係合した状態でこの動力伝達部13の係合回転体27から動力を受けてこの係合回転体27と同期して所定方向に駆動回転して耕耘作業をするロータリ式の耕耘体(ロータリ)36が回転可能に設けられている。すなわち、入力軸11側から動力を受けて回転して耕耘作業をする耕耘体36が可動機枠35にて回転可能に支持され、この耕耘体36の上方は可動機枠35のカバー部にて覆われており、この可動機枠35は耕耘体36に対するカバー機能を兼ね備えている。
【0030】
そして、この耕耘体36は、図8および図9に示すように、例えば複数の耕耘爪70が放射状に固着された耕耘軸である回転軸71を有し、この回転軸71の動力伝達部13側とは反対側の端部である外端部が可動機枠35の外端側の外側板35aに設けられた軸受体72にて回転可能に軸支されている。この軸受体72は、例えば円筒状の転がり軸受(ボールベアリング等)にて構成されている。
【0031】
また、この回転軸71の動力伝達部13側の端部である内端部には、中央の動力伝達部13の係合回転体27の伝動用係合部材29と係脱可能に係合する耕耘機能を兼ね備えた被係合部材73が設けられている。
【0032】
そして、この耕耘体36の回転軸71の内端部における被係合部材73の近傍位置を耕耘整地手段4の折畳非作業状態時には下方から支持するが耕耘整地手段4の展開作業状態時には支持しない略V字状の回転軸支持体75が、可動機枠35の内端側の内側板35bに設けられている。
【0033】
すなわち、図8に示すように、折畳非作業状態時には、耕耘体36の回転軸71の内端部は、回転軸支持体75と接触してこの回転軸支持体75にて支持され、この結果、耕耘体36の回転軸71は、軸受体72および回転軸支持体75によって、軸方向両端部で安定的に支持された状態となる。
【0034】
また、図9に示すように、展開作業状態時には、耕耘体36の回転軸71の内端部は、係合回転体27の伝動用係合部材29と被係合部材73と係合に基づく係合回転体27の回転軸28と耕耘体36の回転軸71との軸心合わせにより回転軸支持体75からやや離反し、この結果、耕耘体36の回転軸71は、軸受体72および係合回転体27によって、軸方向両端部で安定的に支持された状態となる。
【0035】
ここで、耕耘体36の回転軸71を支持可能な回転軸支持体75は、例えば細長状部材が略V字状に折り曲げられて形成され両端部が内側板35bの内面側にボルト等の固定具79にて固定された支持本体部材76と、この支持本体部材76の中間部外周に嵌着された筒状の緩衝体(ゴムホース等)77とにて構成されている。
【0036】
そして、この回転軸支持体75の中間部と内側板35bとの間の軸挿通空間部78内に耕耘体36の回転軸71の内端部が常時挿通され、この回転軸71の内端部は、折畳非作業状態時のみに支持本体部材76の中間部に緩衝体77を介して支持される。
【0037】
また一方、耕耘体36の回転軸71の内端部には、回転軸支持体75に当接して耕耘体36の回転軸71の中央の動力伝達部13側への移動(自重に基づく下方移動)を規制する安全確保用のストッパ体80が回転軸71の外周面から突出した状態に設けられている。この膨出状のストッパ体80は、例えば耕耘体36の回転軸71の外周面から異なる2方向に突出した2つの突板片81にて構成されている。
【0038】
また、カバー機能をもった可動機枠35の後端部には、耕耘体36の後方位置で整地作業をする略板状の整地体である第1の整地体(均平板)37がゴム板38を介して上下回動可能に設けられている。すなわち、耕耘体36の後方位置で整地作業をする第1の整地体37が可動機枠35にてゴム板38を介して上下回動可能に支持されている。
【0039】
さらに、この第1の整地体37の後端部には、耕耘体36の後方位置において上下回動可能なフリー状態で整地作業をし、上下回動不能なロック状態で土引き作業をする略板状の整地体である第2の整地体(レーキ)40が左右方向の回動軸41を介して上下回動可能に設けられている。これら左右一対の第2の整地体40は、これら左右一対の第2の整地体40のそれぞれに共通の1本の整地体共通軸32を中心とする各回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能となっている。
【0040】
そして、左右一対の可動機枠35は、これら左右一対の可動機枠35のそれぞれに共通の1本の機枠共通軸31を介して互いに連結されている。
【0041】
すなわち例えば進行方向右側の可動機枠35の補強連結パイプ部43の内端部と進行方向左側の可動機枠35の補強連結パイプ部43の内端部とが、固定機枠3のミッションケース12の後面部18に1つの軸取付部材15を介して取り付けられた1本の機枠共通軸31を介して互いに連結されている。右側の可動機枠35の補強連結パイプ部43の略筒状の内端部が機枠共通軸31の後部に回動可能に連結され、左側の可動機枠35の補強連結パイプ部43の略筒状の内端部が機枠共通軸31の前部に回動可能に連結されている。なお、補強連結パイプ部43は可動機枠35の前端部にこの前端部の略全長にわたって形成されている。
【0042】
また、左右一対の第2の整地体40は、これら左右一対の第2の整地体40のそれぞれに共通の1本の整地体共通軸32を介して互いに連結されている。
【0043】
すなわち例えば進行方向右側の第2の整地体40の内端部と進行方向左側の第2の整地体40の内端部とが、1本の整地体共通軸32を介して互いに連結されている。右側の第2の整地体40の内端部に形成されたコ字状部44の孔と左側の第2の整地体40の内端部に形成されたコ字状部44の孔とに整地体共通軸32が挿通されている。
【0044】
そして、両可動機枠35間の機枠共通軸31と両第2の整地体40間の整地体共通軸32とが略一直線(回動中心軸線X)上に位置した状態時に、手動操作に基づいて左右両側の可動機枠35および第2の整地体40がそれぞれ機枠共通軸31および整地体共通軸32を中心として回動することにより、左右一対の耕耘整地手段4が略V字状の折畳非作業状態および略直線水平状の展開作業状態に切り換えられる。なお、人的な手動操作を容易にするために、固定機枠3と可動機枠35との間にガススプリング45が配設されている。
【0045】
また一方、農作業機1は、図6に示すように、左右一対の第2の整地体40を一斉にフリー状態およびロック状態に設定可能な1個の整地体操作手段51を備えている。
【0046】
この整地体操作手段51は、固定機枠3の左右方向略中央部と整地体共通軸32との間に配設されている。つまり、整地体操作手段51の上端部が固定機枠3の左右方向略中央部に連結され、整地体操作手段51の下端部が整地体共通軸32に連結されている。
【0047】
そして、この整地体操作手段51は、例えば第1連結アーム53を有し、この第1連結アーム53の下端部は、連結部材54に左右方向の支軸55を介して回動可能に連結されている。この連結部材54は、整地体共通軸32の外周側にこの整地体共通軸32の周方向に回動可能に嵌着されている。
【0048】
また、第1連結アーム53の上端部は、第2連結アーム56の後端部に左右方向の支軸57を介して回動可能に連結されている。この第2連結アーム56は、固定機枠3の左右方向略中央部に左右方向の支軸58を介して回動可能に連結されている。この第2連結アーム56の中間部には左右方向の係合ピン59が設けられている。この係合ピン59は、固定機枠3の左右方向略中央部に左右方向の回動軸60を中心として回動可能に設けられた操作レバー61の係合溝部62に対して係脱可能となっている。
【0049】
そして、整地体操作手段51の上端側の操作レバー61の前方への回動操作に基づいて係合溝部62と係合ピン59との係合が解除され、左右一対の第2の整地体40が一斉に回動軸41を中心として上下回動可能なフリー状態に設定される(図6の実線)。このフリー状態に設定された第2の整地体40は、略水平姿勢となって圃場の表面に接地しながら追従して整地作業をする。
【0050】
また、操作レバー61の後方への回動操作に基づいて係合溝部62と係合ピン59とが互いに係合し、左右一対の第2の整地体40が一斉に回動軸41を中心として上下回動不能な略起立姿勢のロック状態に設定される(図6の2点鎖線)。
【0051】
なお、図1に示すように、耕耘整地手段4の可動機枠35の外側板35aの下縁部に沿った線Zと回動中心軸線Xとがなす角度αは例えば0〜55°の角度である。この外側板35aの下縁部は、作業時には圃場表面にこの圃場表面に沿って接地しながら移動する。また、耕耘体36の回転中心軸線Rと回動中心軸線Xとの離間距離は、例えば30〜50cmである。
【0052】
次に、上記一実施の形態の動作等を説明する。
【0053】
農作業機1を用いて耕耘整地作業等(例えば代掻き作業や土引き作業)を行う場合、農作業機1をトラクタの後部に連結した後、スタンド装置21を固定機枠3のスタンドホルダ22から取り外す。
【0054】
次いで、左右一対の耕耘整地手段4が折畳非作業状態になっていれば、折畳固定手段23のロック解除をしてから左右一対の耕耘整地手段4の両方を略同軸上に位置する前傾状の機枠共通軸31および整地体共通軸32を中心としてそれぞれ下方回動させることにより略直線水平状の展開作業状態に切り換える。
【0055】
すると、両耕耘整地手段4の耕耘体36の回転軸71は、それぞれ、軸受体72および係合回転体27によって軸方向両端部で安定的に支持された状態となる。
【0056】
そして、トラクタの走行により農作業機1を前方に移動させると、展開作業状態の両耕耘整地手段4の耕耘体36が動力伝達部13から動力を受けて回転し、この回転する耕耘体36の耕耘爪70にてにて耕耘作業が行われ、第1の整地体37およびフリー状態の第2の整地体40にて整地作業が行われる。
【0057】
なお、圃場の畦際等で土引き作業を行う場合には、整地体操作手段51の操作レバー61を後方に回動操作することにより左右一対の第2の整地体40を上下回動不能なロック状態に設定する。
【0058】
また、耕耘整地作業等が終了した後、例えば農作業機1を倉庫まで運搬する場合、展開固定手段24のロック解除をしてから左右一対の耕耘整地手段4の両方を略同軸上に位置する前傾状の機枠共通軸31および整地体共通軸32を中心としてそれぞれ上方回動させることにより略V字状の折畳非作業状態に切り換える。
【0059】
両耕耘整地手段4がそれぞれ上方回動して略V字状の折畳非作業状態に切り換わると、両耕耘整地手段4の耕耘体36の回転軸71がそれぞれ軸受体72および回転軸支持体75によって軸方向両端部で安定的に支持された状態となるとともに、農作業機1全体の左右方向の長さ(農作業機1全体の幅)が折畳前の半分以下となり、トラクタに対する農作業機1の側方への突出量が減少するため、走行の安全性を容易に確保でき、農作業機1の運搬を容易に行うことができる。
【0060】
このようにして、上記一実施の形態の農作業機1によれば、それぞれに共通の1本の回動中心軸線X、すなわち例えばそれぞれ1本の機枠共通軸31および整地体共通軸32を中心とする上方回動により固定機枠3から斜め後上方に突出した略V字状の折畳非作業状態に切り換えられるとともに、それぞれに共通の1本の回動中心軸線X、すなわち例えばそれぞれ1本の機枠共通軸31および整地体共通軸32を中心とする下方回動により固定機枠3から側方に突出した略直線水平状の展開作業状態に切り換えられる左右一対の耕耘整地手段4を備えたものであるから、従来のような両耕耘整地手段がそれぞれに対応した別々の2本の回動中心軸線を中心として回動する構成等に比べて、軸部材等の部品点数を少なくでき、構成の簡素化および軽量化を図ることができ、製造コストも低減できる。
【0061】
また、左右一対の耕耘整地手段4が上方回動の途中でトラクタのキャビン等に当接することを防止できるとともに、前後の重量バランスおよび左右の重量バランスを良好にでき、しかも、左右一対の耕耘整地手段4がそれぞれ上方回動して略V字状の折畳非作業状態に切り換えられるため、トラクタからの後方視界を容易に確保できる。
【0062】
さらに、整地体共通軸32に下端部が連結された整地体操作手段51の操作レバー61を操作することにより左右一対の第2の整地体40を一斉にフリー状態およびロック状態に確実に設定でき、しかも、部品点数の減少によりガタが少なくなり、第2の整地体40の安定化を図ることができる。
【0063】
また、所定方向に回転して耕耘作業をする耕耘体36およびこの耕耘体36の後方位置で整地作業をする第1の整地体37を支持する左右一対の可動機枠35の回動中心である1本の機枠共通軸31を略箱状の軸支持体であるミッションケース12の後面部18にこのミッションケース12の後方に位置するように取り付けるものであるから、鋳物であるミッションケース12にて機枠共通軸31を安定保持できるばかりでなく、構成が簡単で、組立て作業を容易にでき、製造コストを低減でき、しかも、ミッションケース12周辺部のコンパクト化を容易に図ることができる。
【0064】
さらには、両耕耘整地手段4の耕耘体36の回転軸71の動力伝達部13側の端部を折畳非作業状態時には支持するが展開作業状態時には支持しない回転軸支持体75を備えたものであるから、耕耘体36の回転軸71の軸方向両端部の各々を円筒状の軸受体にて軸支したものに比べて、軽量化が容易であるとともに、製造コストを低減できる。
【0065】
また、耕耘体36の回転軸71の動力伝達部13側の端部に安全確保用のストッパ体80を突設したため、折畳非作業状態時に回転軸71が不本意に自重で下方移動したとしても、ストッパ体80が回転軸支持体75に当接して耕耘体36の回転軸71の中央の動力伝達部13側への移動が規制されるため、回転軸71の外端部が軸受体72から抜け出るようなこともなく、安全性を向上させることができる。
【0066】
なお、農作業機1は、回転軸支持体75を可動機枠35に設けたものには限定されず、例えば、図10および図11に示すより一層軽量で安価な構成とすることもできる。
【0067】
この図10および図11に示す農作業機1は、被駆動側作業部である耕耘整地手段4の駆動側作業部である動力伝達部13側の端部である内端部に軸受けをもたず、耕耘整地手段4の動力伝達部13側とは反対側の端部である外端部のみを軸受体72で回転可能に軸支した構成のものである。
【0068】
すなわち、この農作業機1は、耕耘体36の回転軸71の外端部が軸受体72にて回転可能に軸支され、耕耘体36の回転軸71の内端部である自由端部が展開作業状態時にのみ中央の動力伝達部13の係合回転体27の伝動用係合部材29と係脱可能に係合してこの動力伝達部13にて支持される係合端部90となっている。この係合端部90は、回転軸71の動力伝達部13側の端部である内端部に設けられ伝動用係合部材29と係脱可能に係合する被係合部材73を有している。
【0069】
なお、図10および図11に示す農作業機1は、左右方向略中央部に耕耘体、第1の整地体91および第2の整地体92等を有し耕耘機能および整地機能をもった動力伝達部13を備えた左右3分割式のもので、回転軸支持体75を備えていないものであるが、その他の構成部材は図1等に示す農作業機1と基本的に同一で、同様の作用効果を奏しうる。
【0070】
また一方、耕耘整地手段4は、カバー機能をもった可動機枠35の後端部に第1の整地体37がゴム板38を介して設けられたものには限定されず、可動機枠35の後端部に第1の整地体37が直接的に設けられたものでもよい。
【0071】
さらに、農作業機1は、第2の整地体40を有しない左右一対の耕耘整地手段をそれぞれに共通の1本の折畳中心軸である共通軸部材(例えば機枠共通軸31)を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切り換えるようなものでもよい。
【0072】
また、農作業機1は、1本の回動中心軸線Xを中心とする上下回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能な左右一対の耕耘整地手段4を備えたものには限定されず、略上下方向の1本の回動中心軸線Xを中心とする前後回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能な左右一対の耕耘整地手段4を備えたものでもよい。
【0073】
さらに、農作業機1は、互いに平行な2本の回動中心軸線を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能な左右一対の耕耘整地手段を備えたものでもよく、左右一対の可動機枠35をそれぞれ別々の折畳中心軸を中心とする回動により折畳非作業状態および展開作業状態に切換可能なものとしてもよい。
【0074】
また、可動機枠35の回動中心である折畳中心軸(機枠共通軸31)を1つの軸取付部材15を介して略箱状のミッションケース12の上面部にミッションケース12の上方に位置するように取り付けてもよい。
【0075】
さらに、軸取付部材15を用いずに折畳中心軸をミッションケース12の後面部または上面部に直接的に取り付けてもよく、また、入力軸11を回転可能に支持するミッションケース12等の軸支持体は、略直方体状等の略箱状をなすものには限定されず、略箱状以外の形状のものでもよい。
【0076】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、耕耘体の回転軸の動力伝達部側の端部を折畳非作業状態時には支持するが展開作業状態時には支持しない回転軸支持体を備えたものであるから、耕耘体の回転軸の軸方向両端部の各々を円筒状の軸受体にて軸支したものに比べて、軽量化が容易であるとともに、製造コストを低減できる。
【0077】
請求項2の発明によれば、ストッパ体が回転軸支持体に当接して耕耘体の回転軸の動力伝達部側への移動を規制するため、安全性を向上させることができる。
【0078】
請求項3の発明によれば、耕耘体の回転軸の動力伝達部側とは反対側の端部が軸受体にて回転可能に軸支され、耕耘体の回転軸の動力伝達部側の端部が展開作業状態時にのみ動力伝達部と係脱可能に係合してこの動力伝達部にて支持される係合端部となっているため、耕耘体の回転軸の軸方向両端部の各々を円筒状の軸受体にて軸支したものに比べて、軽量化が容易であるとともに、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の農作業機の一実施の形態の側面図である。
【図2】同上農作業機の正面図である。
【図3】同上農作業機の平面図である。
【図4】同上農作業機の折畳時の側面図である。
【図5】同上農作業機の折畳時の正面図である。
【図6】同上農作業機の整地体操作手段の側面図である。
【図7】同上農作業機の概略部分側面図である。
【図8】同上農作業機の回転軸支持体の断面図である。
【図9】同上農作業機の回転軸支持体の側面図である。
【図10】本発明の農作業機の他の実施の形態の折畳時の側面図である。
【図11】同上農作業機の折畳時の正面図である。
【符号の説明】
1 農作業機
4 耕耘整地手段
13 動力伝達部
36 耕耘体
71 回転軸
75 回転軸支持体
80 ストッパ体
90 係合端部
X 回動中心軸線
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地
【出願日】 平成14年12月5日(2002.12.5)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也

【公開番号】 特開2004−180633(P2004−180633A)
【公開日】 平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願番号】 特願2002−354191(P2002−354191)