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【発明の名称】 田植機の回転式マーカ
【発明者】 【氏名】前川 智史
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【氏名】筆山 悟史
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】収納が容易で、取り付けやすい回転体を有する回転式マーカを提供する。

【解決手段】回転式マーカ40を具備する田植機において、回転式マーカ40を、少なくとも植付部4に取り付ける支持杆41と切替機構42と回転体44とで構成し、支持杆41と回転体44との間に、回転体44を苗載台16に対して略垂直方向と略平行に回転させて固定可能とする切替機構42を設け、前記回転式マーカ40を収納位置とした時に、回転式マーカ40を施肥機33と苗載台16との間に収納する。また、前記回転体44を、軸受部61と、外周部62と、軸受部61と外周部62とを連結する複数のスポーク63・・・と、外周部62に装着されている複数の爪部64・・・とで構成し、前記スポーク63・・・を回転方向を表す形状とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式マーカを具備する田植機において、
回転式マーカを、少なくとも植付部に取り付ける支持杆と切替機構と回転体とで構成し、支持杆と回転体との間に、回転体を苗載台に対して略垂直方向と略平行に回転させて固定可能とする切替機構を設け、前記回転式マーカを収納位置とした時に、回転式マーカを施肥機と苗載台との間に収納することを特徴とする田植機の回転式マーカ。
【請求項2】
前記回転体を、軸受部と、外周部と、軸受部と外周部とを連結する連結部材と、外周部に装着されている複数の爪部とで構成し、前記連結部材を回転方向を表す形状としたことを特徴とする請求項1に記載の田植機の回転式マーカ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミッドマウント施肥機を搭載した田植機のマーカの構造に関し、より詳しくは、回転式マーカの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ミッドマウント施肥機を具備した田植機の走行部の後部に昇降可能に植付部を装着し、該植付部の側部に回転式のマーカを備え、植付け作業を行なう時の目標となる線を、回転式マーカによって圃場に描く技術は公知となっている。(例えば、特許文献1参照)
従来の回転式マーカは、支持杆及び回転体等で構成されており、該支持杆の基部は、植付部の左右側端部に回動可能に支持され、回転式マーカを外下方に広げた作業状態と、回転式マーカを上方へ配置した非作業状態とを切替可能に構成されていた。
また、前記回転体は、外周部に複数の爪部が形成されており、該爪部と、回転体を軸支する軸受部と、の間にスポークが設けられている。該スポークは、左右対称に形成されており、該スポークには、回転方向を矢印で表示されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−78514号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の回転式マーカは、植付を終了し回転式マーカを引き上げると、回転体が苗載台に対して略垂直に配置され、収納時には回転式マーカの回転体と施肥機等とが干渉するため、回転体を取り外して収納しなければならず、回転体を紛失したり、また、回転体の取付作業が煩雑である等の不具合があった。
また、回転体を取り付ける際は、回転方向を間違えて取り付けないように、スポークに矢印を表示しているが、矢印だけでは、一見して回転方向を識別し難いため、間違えて取り付ける場合があり、良好な走行目標基準線を描けなくなるという不具合があった。
そこで、本発明では、収納が容易で、取り付けやすい回転体を有する回転式マーカを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、回転式マーカを具備する田植機において、回転式マーカを、少なくとも植付部に取り付ける支持杆と切替機構と回転体とで構成し、支持杆と回転体との間に、回転体を苗載台に対して略垂直方向と略平行に回転させて固定可能とする切替機構を設け、前記回転式マーカを収納位置とした時に、回転式マーカを施肥機と苗載台との間に収納するものである。
【0007】
請求項2においては、前記回転体を、軸受部と、外周部と、軸受部と外周部とを連結する連結部材と、外周部に装着されている複数の爪部とで構成し、前記連結部材を回転方向を表す形状としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の回転式マーカを有する田植機の全体側面図、図2は回転式マーカの作業状態と非作業状態との切替機構を示す前斜視図、図3は回転式マーカの作業状態と非作業状態との切替機構を示す後斜視図、図4は第一実施例の切替機構を示す図、図5は作業状態における第一実施例の切替機構を示す図、図6は第一実施例の回転式マーカの切替状態を示す図、図7は第二実施例の切替機構を示す図、図8は第二実施例の回転式マーカの収納状態及び非作業状態を示す図、図9は第二実施例の回転式マーカの作業状態を示す図、図10は収納状態の回転式マーカを装着した田植機の後部側面図、図11は非作業状態の回転式マーカを装着した田植機の後部側面図、図12は回転方向が識別可能な形状のスポークを有する回転体を示す図、図13は別実施例の回転体を示す図である。
【0009】
まず、乗用田植機の全体構成について説明する。
この乗用田植機は図1に示すように、走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して植付部4を配置し、該走行部1においては車体フレーム3の前部上方にエンジン2を搭載し、前下部にフロントアクスルケースを介して前輪6を支持させるとともに、後部にリアアクスルケース7を介して後輪8を支持している。そして、前記エンジン2はボンネット9に覆われ、該ボンネット9の両側に予備苗載台10・10を配設し、該ボンネット9後部のダッシュボード5上に操向ハンドル14を配置し、該ボンネット9両側とその後部の車体フレーム3上を車体カバー12で覆い、操向ハンドル14後方位置に座席13を配置し、ボンネット9の両側と座席13前部と、座席13左右両側及び座席13後方をステップとしている。
そして、前記ダッシュボード5の側部には走行変速レバー等のレバー類が、ダッシュボード5の下部のステップ上には主クラッチペダル等のペダル類が配設され、前記座席13後方には六条用の施肥機33が配設されている。
【0010】
前記植付部4は、苗載台16や植付爪(図示せず)やセンターフロート34やサイドフロート35等から構成されており、前記苗載台16は前高後低に配設して、苗載台16の下部は下ガイドレール18、前面の上部は上ガイドレール19によって左右往復摺動自在に支持し、該下ガイドレール18及び上ガイドレール19は植付センターケース20より植付フレーム23等を介して支持されている。そして、植付センターケース20より左右両側方へ連結パイプ24(図2)を突設して伝動ケース21を固設し、該伝動ケース21・21・・・を平行に後方へ突出して、該伝動ケース21の後部両側に一方向に回転させるロータリーケース(図示せず)を配置し、該ロータリーケースの両側に一対の植付爪を配置している。
こうして、前進走行とともに苗載台16を左右に往復摺動して、この往復動に同期させて植付爪を駆動して一株分の苗を切り出し、連続的に植え付け作業を行なうように構成している。
【0011】
また、前記植付センターケース20の前部はローリング支点軸を介して前記昇降リンク機構27と連結され、該昇降リンク機構27はトップリンク25やロワーリンク26等より構成され、座席13下方に配置した昇降シリンダ(図示せず)によって植付部4を昇降できるようにしている。
【0012】
また、図2、図3に示すように、前記苗載台16を支持する植付フレーム23の下部には、連結パイプ24が横設されており、該連結パイプ24の左右両側に連結フレーム28・28が設けられている。該連結フレーム28・28の側方に、回転式マーカ40・40が配設されている。
【0013】
次に、回転式マーカについて説明する。
図2に示すように、前記回転式マーカ40は、基部を回動昇降可能に支持される棒状の支持杆41と、該支持杆41に切替機構42を介して回動可能に取り付けられている棒状のマーカロッド43と、該マーカロッド43の端部に取り付けられている回転体44等で構成されている。
前記回転式マーカ40は、その基部が前記植付フレーム23及び連結パイプ24の外端部に上下回動可能に支持され、外下方に広げた作業状態と、回転式マーカを使用しない場合に上方へ配置した非作業状態と、回転式マーカを収納する収納状態とに切替可能な構成としている。
尚、回転式マーカは、左右対称に装着されているため、本実施例では、進行方向左側の回転式マーカについて説明し、右側の回転式マーカは省略する。
【0014】
まず、回転式マーカ40を外下方に広げた作業状態と、回転式マーカ40を上方へ配置した非作業状態との切替機構について説明する。
図2、図3に示すように、前記回転式マーカ40の支持杆41の基部側端は、起伏板37に溶接固定されており、該起伏板37の中途部は、前記支持パイプ31にピン等で枢支されている。
起伏板37の先端側が、バネ36を介してワイヤ38の一端が連結されており、該ワイヤ38の他端は植付部4のヒッチ(図示せず)に連結している。
このような構成で、例えば、植付を終了し、植付部昇降レバー等の操作で植付部4を上昇させると、前記ヒッチに連結しているワイヤ38が引張られ、起伏板37が回動し、図6(b)に示すように、回転式マーカ40が引き上げられるようになり、回転式マーカ40を非作業状態とする。このように、植付部4の上昇と連動して回転式マーカ40が引き上げられる構成としている。
【0015】
そして、起伏板37上のバネ36の係止部近傍に、非作業状態を維持するロック機構39が設けられている。該ロック機構39は、モータ39aを有しており、該モータ39aの出力軸よりロッド30を介してロックレバー29と連結している。該ロックレバー29は、起伏板37よリ突出したピン37aを係止可能とし、非作業状態で係止して維持している。該ロック機構39のモータ39aの駆動は、植付部昇降レバーの操作と連動しており、レバー近傍に配置したマイクロスイッチがONされるとモータ39aを作動してロックレバー29を回動して起伏板37がピン37aの係止を解除するようにして、植付部昇降レバーと前記ロック機構39とを連動連結している。なお、マイクロスイッチがOFFとなると、バネの付勢力によりロックレバー29は元の位置に戻り、係止可能位置となる。
一方、前記起伏板37の基部側端と支持パイプ31との間にバネ32が介装されマーカを下げるように付勢している。
このような構成において、植付部昇降レバーを操作して植付部4を下降させて(このとき回転式マーカ40は非作業状態となっている)、次に、植付部昇降レバーを右または左の未植付側へ回動すると、マイクロスイッチが作動し、ロック機構の39のモータ39aが駆動し、ロッド30を介してロックレバー29が回動されて、起伏板37の係止を解除し、バネ32の付勢力により、図6(a)に示すように、回転式マーカ40が圃場側に広がって、作業状態とする。圃場端に至り、或いは作業が終了したり、中断して、植付部4を上昇させると、ワイヤ38が引っ張られて回転式マーカ40を非作業に持ち上げ、ロック機構39により上昇させた状態を保持するようにしている。
【0016】
次に、圃場端等で回転式マーカを上方へ回動配置した非作業状態と、格納したり、路上走行する場合等において回転式マーカを収納する収納状態との切替機構について説明する。
従来の回転式マーカは、植付を終了し回転式マーカを引き上げると、回転体が苗載台に対して略垂直に配置され(回転体自体は略水平方向を向いている)て、収納時に更に機体内側へ回動しようとすると、回転式マーカの回転体と施肥機等とが干渉するため、回転体を取り外して収納しなければならず、回転体を紛失したり、回転体の取付作業が煩雑である等の不具合があった。
そこで、本実施例では、非作業状態では、図11に示すように、苗載台16に対して略垂直に配置している回転体44を、収納状態では、図10に示すように、苗載台16に対して略平行に近くなるように配置するように切替可能な構成としている。
【0017】
図2に示すように、前記支持杆41は、棒状部材であって、非作業状態及び収納状態において、上部が下部より機体内側に配置するように屈曲して形成されている。つまり、前記起伏板37から上前方に延設し、途中部で機体内側上方に屈曲し、更に上部で前上方に屈曲した略クランク形状としている。そして、上部(先端部)に切替機構42が配設されている。
該切替機構42に、マーカロッド43の一側が取り付けられており、該マーカロッド43の他側に回転体44が回転自在に取り付けられている。
【0018】
次に、前記切替機構42について説明する。
前記切替機構42は、図4、図5に示すように、コ字状プレート71、固定プレート72・72、筒状部材73、規制プレート74、バネ75、座金76等で構成され、回転体44を苗載台16に対して略垂直方向と略平行に回転させて固定可能としている。
前記支持杆41の上部に、コ字状プレート71、固定プレート72、固定プレート72と配置して順に回転自在に挿通されて、Eリング等の止め輪で係止されている。該コ字状プレート71は、溶接等で支持杆41の上部に固定され、該固定プレート72・72は、コ字状プレート71の内部であって、筒状部材73の両側面に溶接等で固設されている。なお、筒状部材73はコ字状プレート71の範囲内で作業時において前後方向に回転可能としている。また、支持杆41の端部上の固定プレート72・72間や固定プレート72とコ字状プレート71の間等にスペーサ等を配置して回転し易くすることもできる。
前記筒状部材73の一側端(非作業状態における機体外側)には、規制プレート74が一体的に軸心と直角方向に固設され、該規制プレート74は、略三角形状のプレートで構成され、それぞれの角部に孔が穿設されている。一つの孔であるロッド挿入用孔74aは、前記筒状部材73と同軸心上に形成されており、前記マーカロッド43が筒状部材73とともに挿通できる大きさとしている。そして、残り二つの孔である第一の孔74b、第二の孔74cは、後述するピン79が挿通できる大きさに形成されている。
【0019】
前記マーカロッド43の一端(作業時における上端)は、前記規制プレート74及び筒状部材73に挿通しており、更に、バネ75が挿通されて、該バネ75の一側は、前記筒状部材73の他端側に当接し、他側は、マーカロッド43先端に挿入された座金76に当接している。該座金76はマーカロッド43端部に設けられているピン孔43aにスナップピン77を嵌入固定することで、外れないようにしている。
【0020】
前記マーカロッド43の途中部に係止プレート78が固定されている。該係止プレート78は、前記規制プレート74の外側面に当接するように配置しており、マーカロッド43に垂直に一体的に取り付けられている。
該係止プレート78は、前記規制プレート74と同じプレートを使用してコスト低減化を図り、該係止プレート78に穿設された第一の孔78b、第二の孔78cの一方の第一の孔78bにピン79を上方へ突出するように挿通して固設している。該ピン79は前記規制プレート74に設けられた第一の孔74bまたは第二の孔74cに挿通して、後述する回転体44の位置を切り替えられるようにしている。
【0021】
前記マーカロッド43の一側、つまり非作業状態における機体内側には、前述の如く切替機構42が配設され、マーカロッド43の他側、つまり非作業状態においては機体外側には、図4(a)に示すように、回転体44を配設し、スナップピン45(図5)で外れないように、回動自在に係止している。該マーカロッド43の他側は略コ字状に形成されて、先端に回転体44の作業時における左右中心が前記筒状部材73の軸心(左右回転中心)と略一致するように配置している。
【0022】
以上のような構成で、作業時または非作業時は、図4(a)、図5に示すように、規制プレート74の第一の孔74bと、係止プレート78の第一の孔78bとを合わせて、ピン79で固定している。植付部を上昇させて回転式マーカ40を上昇させた非作業時には、図6(b)に示すように、回転体を苗載台16、つまり、植付フレーム23に対して略垂直となるように配置されている。
そして、作業時には、図6(a)に示すように、ロックを解除して回転式マーカ40を外下方に回動させて広げることで、次回の走行基準線を圃場に形成することができる状態としている。
一方、作業が終了し格納したり、路上走行したりするために回転式マーカ40を収納する際は、マーカロッド43をバネ75に抗して外側(回転体側)に押してピン79を第二の孔74cから抜き、その状態のまま回転させてピン79が第一の孔74bと一致する位置で、バネ75の付勢力で戻す(機体内側へ摺動)ことで、図4(b)に示すように、規制プレート74の第一の孔74bにピン79が挿入されて回転体44を回動した位置で固定することができる。つまり、図6(c)に示すように、回転体44を苗載台16(植付フレーム23)に対して略平行となるように配置された状態となり、この状態のまま更に支持杆41を機体内側へ回動することで、回転体44を、前記苗載台16と施肥機33との間に配置することができる。このとき、支持杆41は図示しない係止具によって植付フレーム23に係止することができる。また、ピン79を第一の孔74bまたは第二の孔74cに挿通した状態で、スナップピン等をピン79に挿入して抜けないようにすることで、確実にその状態を維持することがでる。
【0023】
このようにすることで、回転式マーカ40は機体から殆ど突出することなく、苗載台16及び施肥機33の間の狭いスペースに収納することができる。また、収納時に回転体44を取り外す必要がないため、回転体44を紛失することがなく、収納作業を容易に行なうことができる。なお、前記収納時において回転式マーカ40はわずかに苗載台16より側方へ出てしまうので、狭い倉庫等に格納するときには回転体44を外す。
但し、前記規制プレート74と係止プレート78を固定するピン79は着脱式とすることも可能であり、この場合バネ75をなくすことができる。そして、回転位置を変更する場合には、第一の孔74b、第二の孔74cと第一の孔78b、第二の孔78cの何れかを一致させてピン79を挿通して、ピン79が抜けないようにスナップピン等で固定する。
【0024】
次に、回転式マーカの第二実施例について説明する。
前記第一実施例の切替機構42が回転体44とマーカ支持基部との途中部に配設されるのに対して、第二実施例の切替機構52は回転体54の枢支部、つまりマーカ支持部の先端に配設されている。こうすることで部品点数を減少させてコスト低減化を図っている。
該第二実施例の回転式マーカ50は、基部を回動昇降可能に支持される棒状の支持杆51と、該支持杆51の先端に切替機構52を介して回動自在に取り付けられている回転体54等で構成されている。
前記支持杆51は、図8に示すように、略L字状に形成され、収納状態(図8(a))において、基部から上方に延設し、上端部を外側方に屈曲した先端部を取付部51aとしている。該取付部51aには、切替機構52を介して回転体54が固定されている。
なお、回転式マーカ50の基体への取り付け、及び、回転式マーカ50を外下方に広げた作業状態と回転式マーカ50を上方へ配置した非作業状態との切替は、第一実施例と同様の構成としている。
【0025】
次に、切替機構52について説明する。
図7に示すように、前記取付部51aには、筒状部材83を挿通している。該筒状部材83の外周面からシャフトで構成した突出部83aが、軸心と垂直の外側方に向けて突設されており、該突出部83aに回転体54の中心部に設けた軸受部61(図12)を挿通し、スナップピン(図示せず)等で回転体54が外れないように係止している。
該筒状部材83の先端側の前記取付部51aの外周には、バネ85が挿通されている。該バネ85は取付部51aの端部に外嵌された座金86と、ピン孔51bに挿入したスナップピン(図示せず)により外れないようにしている。
また、前記筒状部材83の一側(基部側)に規制プレート84が一体的に固定されている。該規制プレート84は、第一実施例の規制プレート74と同様に、略三角形状で、取付部挿入用孔84a、第一の孔84b、第二の孔84cが形成されており、取付部挿入用孔84aに前記取付部51aが挿通している。そして、前記筒状部材83、規制プレート84、回転体54は、前記取付部51aを中心に、一体的に回動する構成としている。そして、第一の孔84bにピン89を挿通して基部側へ突出して固定されている。
【0026】
前記取付部51aの前記規制プレート84の基部側位置には、係止プレート88が固定されている。該係止プレート88も、第一実施例の係止プレート78と同様に、略三角形状で、第一の孔88b、第二の孔88cが形成されている。該係止プレート88に穿設された第一の孔88bに前記ピン89が挿入され、位置切替を前記第一実施例と略同様に行なえるようにしている。
【0027】
以上のような構成で、回転式マーカの作業時または非作業時は、図7(a)に示すように、規制プレート84の第一の孔84bにピン89を挿入することで固定し、図8(b)に示すように、回転体54を上昇させた状態で、苗載台16に対して略垂直となるように配置する。そして、図9に示すように、作業時に回転式マーカ50を外下方に広げることで、次回の走行基準線を圃場に形成することができる状態としている
一方、作業が終了し回転式マーカ50を収納する際は、図7(b)に示すように、回転体54を先端側(外側)へ引っ張って前記ピン89を第二の孔88cから外して、規制プレート84、筒状部材83、回転体54を回動し、係止プレート88の第一の孔88bとピン89とを合わせて、挿入することで固定することができ、図8(a)に示すように、回転体54を苗載台16に対して略平行となるように配置する。このようにすることで、更に回転式マーカ50を機体内側に回動して、前記苗載台16と施肥機33との間に配置することができ、収納することができる。このとき、回転式マーカ50が機体から突出することなく、苗載台16及び施肥機33の間の狭いスペースに収納することができる。また、収納時に回転式マーカを取り外す必要がないため、回転式マーカを紛失することがなく、収納作業を容易に行なうことができる。
【0028】
次に、回転体44について説明する。
図4、図5、図12に示すように、回転体44は、前記マーカロッド43を軸支する軸受部61、リング形状の外周部62、前記軸受部61と外周部62とを連結する連結部材となる複数のスポーク63・63・・・、前記外周部62に装着されている複数の爪部64・64・・・とで構成されている。
前記爪部64は、側面視C字状として回転体の外周部から外方に向けて放射状に延出しており、先端が回転方向に対して逆向きに形成されている。
そして、機体の走行に伴って回転体44が回転し、その回転に伴って、土中に入った各爪部64・64・・・内に泥土が入り込み、爪部64は回転に伴い泥土層より上方へ出るが、泥土の粘着力によりある程度の高さまではその重量に打ち勝ち上昇し、その上昇途中で重力で圃場面に落下する。この落下した泥土の塊は圃場表面に所定間隔ごとに落下され、次回の走行基準線となる。
【0029】
また、前記スポーク63・63・・・は、回転体の回転方向を示す矢印の役目を果たす構成として、スポークの形状により、回転体44の回転方向が識別できるようにしている。
本実施例では、スポーク63・63・・・を、回転体44の軸受部61と外周部62との間において、スポーク63・63・・・の中途部が、回転方向に突出した円弧状の形状としている。
また連結部材の他の実施例として、図13に示すように、回転体44の軸受部61と外周部62との間をスポークの代わりに円盤状の板体65で構成し、該板体65に、回転方向が識別しやすい形状の孔65a・65a・・・を形成することもできる。該孔65aは、例えば、側面視「く」字状に構成して、該「く」字状の孔65aの中央部の折曲部を回転方向に向けて配置して、回転方向が一目で識別できるようにしている。
【0030】
このような構成とすることで、従来は、回転体のスポークを左右対称な形状とし、回転方向を矢印のみで示していたため、回転体を取り付ける際、回転方向を間違えて取り付けるという不具合があったが、矢印とスポークの形状とで、回転体44の回転方向を示す構成することで、回転方向が容易に識別可能となり、わかりやすく、作業者が間違えて取り付けることがない。従って、回転式マーカ40による良好な基準線を描けるようになるのである。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0032】
即ち、請求項1に示す如く、回転式マーカを具備する田植機において、回転式マーカを、少なくとも植付部に取り付ける支持杆と切替機構と回転体とで構成し、支持杆と回転体との間に、回転体を苗載台に対して略垂直方向と略平行に回転させて固定可能とする切替機構を設け、前記回転式マーカを収納位置とした時に、回転式マーカを施肥機と苗載台との間に収納するので、
回転式マーカを苗載台及び施肥機の間の狭いスペースに収納することができ、また、収納時に回転体を取り外す必要がないため、回転体を紛失することがなく収納作業を容易に行なうことができる。
【0033】
請求項2に示す如く、前記回転体を、軸受部と、外周部と、軸受部と外周部とを連結する連結部材と、外周部に装着されている複数の爪部とで構成し、前記連結部材を回転方向を表す形状としたので、
回転体の回転方向がわかりやすく、作業者が間違えて取り付けることがなく、よって、回転式マーカによる良好な基準線をかけるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転式マーカを有する田植機の全体側面図。
【図2】回転式マーカの作業状態と非作業状態との切替機構を示す前斜視図。
【図3】回転式マーカの作業状態と非作業状態との切替機構を示す後斜視図。
【図4】第一実施例の切替機構を示す図。
【図5】作業状態における第一実施例の切替機構を示す図。
【図6】第一実施例の回転式マーカの切替状態を示す図。
【図7】第二実施例の切替機構を示す図。
【図8】第二実施例の回転式マーカの収納状態及び非作業状態を示す図。
【図9】第二実施例の回転式マーカの作業状態を示す図。
【図10】収納状態の回転式マーカを装着した田植機の後部側面図。
【図11】非作業状態の回転式マーカを装着した田植機の後部側面図。
【図12】回転方向が識別可能な形状のスポークを有する回転体を示す図。
【図13】別実施例の回転体を示す図。
【符号の説明】
16 苗載台
33 施肥機
40 回転式マーカ
41 支持杆
42 切替機構
44 回転体
61 軸受部
62 外周部
63 スポーク
64 爪部
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2004−159542(P2004−159542A)
【公開日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願番号】 特願2002−328181(P2002−328181)