トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 作業機の連結装置
【発明者】 【氏名】金並 清二
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【氏名】長井 訓
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【氏名】桜原 清文
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【氏名】高橋 恒
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地           井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】従来の作業機連結装置では、U型保持具とセットピン間のガタ、取付ピンとU型保持具のピン穴とのガタ、取付ピンとセットピン間のガタが大きく、耕耘成畦作業時には、ロ−タリ耕耘装置や成畦器等を備えた作業機が左右横方向に振られて、往路と復路で畦形状、畦幅寸法が不安定なものとなっていた。

【解決手段】本発明による作業機の連結装置は、トラクタ−1側のヒッチ部2に設けられたU型保持具3と、このU型保持具3に嵌合支持される作業機4側のセットピン5と、U型保持具3の開放端側に貫通支架されて前記セットピン5の離脱を阻止する係止具6と、前記U型保持具3とセットピン5との間に設けられていて該セットピン5をU型保持具3側へ押し付けて固定保持する押圧保持具8とからなる構成を特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタ−1側のヒッチ部2に設けられたU型保持具3と、このU型保持具3に嵌合支持される作業機4側のセットピン5と、U型保持具3の開放端側に貫通支架されて前記セットピン5の離脱を阻止する係止具6と、前記U型保持具3とセットピン5との間に設けられていて該セットピン5をU型保持具3側へ押し付けて固定保持する押圧保持具8とからなる作業機の連結装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トラクタ−への作業機の連結装置に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、トラクタ−側U型保持具と作業機側セットピンとの保持部品として取付ピンとヘヤ−ピンが使用されていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−276501号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のものでは、U型保持具とセットピン間のガタ、取付ピンとU型保持具のピン穴とのガタ、取付ピンとセットピン間のガタが大きく、耕耘成畦作業時には、ロ−タリ耕耘装置や成畦器等を備えた作業機が左右横方向に振られて、往路と復路で畦形状、畦幅寸法が不安定なものとなっていた。
【0005】
この発明は、締付固定具により押圧保持具をセットピンに押し付けてガタを吸収し、U型保持具に対するセットピンの連結状態をロック保持することで、上記問題点を解消せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明による作業機の連結装置は、トラクタ−1側のヒッチ部2に設けられたU型保持具3と、このU型保持具3に嵌合支持される作業機4側のセットピン5と、U型保持具3の開放端側に貫通支架されて前記セットピン5の離脱を阻止する係止具6と、前記U型保持具3とセットピン5との間に設けられていて該セットピン5をU型保持具3側へ押し付けて固定保持する押圧保持具8とからなる構成を特徴としている。
【0007】
作業機4をトラクタ−1側のヒッチ部2に装着する場合には、セットピン5をU型保持具3内にその開放端側から挿入して係合保持し、U型保持具3の開放端側に係止具6を挿通支架することで、セットピン5の抜け出しを阻止する。そして、ホルダ−プレ−ト7に取り付けられた締付固定具9の操作により押圧保持具8をセットピン5に押し付けて締付固定する。従って、セットピンがU型保持具に対してガタのない状態にロック保持されるので、作業機の横振れがなくなり、成畦作業時における畦形状及び畦幅寸法の変化を防止することができる。
【0008】
【発明の効果】
以上要するに、この発明によれば、押圧保持具によりセットピンをU型保持具に対してガタのない確実にロック保持するので、作業機の横振れがなくなり、成畦作業時における畦形状及び畦幅寸法の変化を防止することができ、安定した成畦作業を可能にする特徴がある。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、乗用型トラクタ−1の後部に作業機4を連結した場合の従来構造の連結装置を示している。このトラクタ−1は、走行車体の前後部に操向可能な左右一対の前輪及び駆動回転する左右一対の後輪21を備えた四輪走行形態のもので、後輪21側の車体上部には乗用運転席22を設置している。
【0010】
作業機4は、ロ−タリ耕耘装置23や成畦器24等を備えた構成のものであり、トラクタ−1の後部に昇降リンク機構25を介して昇降可能に装着している。つまり、油圧昇降シリンダ26の伸縮によって昇降リンク機構25が上下動されて、作業機4がU型保持具3内に支承されたセットピン5を回動中心として昇降されるようになっている。
【0011】
そして、従来のこの種作業機の連結装置としては、前記の図1に示すように、トラクタ−1側のヒッチ部2に設けられたU型保持具3と、このU型保持具3内に係合保持される作業機4側のセットピン5と、U型保持具3の開放端側に設けられた穴11に挿通してセットピン5を係止保持する取付ピンSpと、この取付ピンの抜け止め用として設けられるヘア−ピンHpとからなる構成である。
【0012】
本発明にかかる連結装置としては、例えば、図2〜図4の実施例で示すように、トラクタ−1側のヒッチ部2に設けられたU型保持具3と、このU型保持具3に係合保持され作業機4側の支持フレ−ム10に固着されたセットピン5と、U型保持具3の開放端側に設けられた穴11に挿通支架されて前記セットピン5の離脱を阻止すべく係止保持する係止具6と、前記U型保持具3に係止具6を介して取り付けられたホルダプレ−ト7と、このホルダプレ−ト7に装着支持されて前記セットピン5をU型保持具3側へ押し付けて締付固定する押圧保持具8及び締付固定具9とからなる構成としている。
【0013】
係止具6は、係止ボルト6aと締付ナット6bからなり、前記セットピン5の係止保持と同時に、コ字型のホルダプレ−ト7をU型保持具3の両側から挟むように支持させて取り付け締付固定するように構成している。締付固定具9は、調節ボルト9aとロックナット9bとからなり、この調節ボルト9aを回すことにより押圧保持具8を移動させてセットピン5に押し付け、ロックナット9bにて締付固定する構成としている。
【0014】
図5及び図6に示す実施例は、押圧保持具3をL型ステ−12を介して調節ボルト9aに支持させた構成を示している。
また、図7及び図8に示す実施例は、U型保持具3とセットピン5との間に楔状の押圧保持具8a,8bを設け、そして、これら押圧保持具8a,8bの両者を係止具6の係止ボルト9aに螺合軸架させて、該係止ボルト9aの回動調節により、押圧保持具8a,8bの一方側又は両方が軸方向に移動するようにして、前記セットピン5を左右両側から挟圧保持する構成としている。従って、かかる構成によれば、簡単な構成でもって、上記図2及び図3に示す実施例と同様の効果を奏することができるものである。
【0015】
なお、本発明の実施例では、U型保持具3はトラクタ−側に設けた構成としているが、作業機側に設ける構成であってもよい。つまり、U型保持具3を作業機側とし、セットピン5をトラクタ−側とする構成である。
図9及び図10は作業機の連結装置として3P(3点リンク)リンク機構を示すものであり、油圧昇降シリンダの伸縮によってリフトア−ム27が上下回動し、このリフトア−ム27の上下回動によって左右一対のロアリンク28とトップリンク29が上下動されて、作業機4が昇降されるようになっている。30はリフトア−ム27とロアリンク28を連結するリフトロッドである。
【0016】
そして、通常の3P用トップリンク29は、図9に示すように長く構成されたリンクが使用され、また、特殊3P用のトップリンク29は、図10に示すように通常のものより短く構成されたリンクが使用されるようになっている。
本発明の別実施例では、図11に示すように、通常3P用の長いトップリンク29を使用し、トラクタ−側のブラケット31にトップリンク29の回動支点部aと固定支点部bを設け、該トップリンク29の中間部でトラクタ−側29aと作業機側29bとに2分割すると共に、その中間分割部には回動支点部Aと固定支点部Bを設ける。従って、特殊3P用トップリンクとして使用する場合には、固定支点部bをロックピン等によりロック状態に固定し、中間部の固定支点部Bのロック状態を解除すれば、作業機側のリンク29bは、固定状態のトラクタ−側リンク29aに対し回動支点部Aを回動軸芯として上下回動することになる。
【0017】
また、通常3P用トップリンクとして使用する場合には、上記とは逆に、中間部の固定支点部Bをロック状態に固定し、トラクタ−側の固定支点部bのロック状態を解除すれば、トップリンク29全体が回動支点部aを回動軸芯として上下回動することになる。そして、トップリンク29の作業機に対する連結点Qの動きは、特殊3P用では、K1の上下回動軌跡を描き、通常3P用では、K2の上下回動軌跡を描くことになり、特殊3P用と通常3P用とでは作業機の姿勢変化が大きく異なることになる。
【0018】
以上要するに、かかる構成によれば、固定支点部b,Bのロックピン付替により、トップリンクの動きを通常3P用と特殊3P用とに簡単に切り換えることができる。
図12〜図14に示す実施例について説明する。
【0019】
ロ−タリ耕耘装置23は、耕耘フレ−ム33の左右両側部に側部伝動ケ−ス34と側部フレ−ムが設けられ、これらの下端部間にわたって多数の耕耘爪35…を有した耕耘軸36を軸受して、PTO軸37、耕耘フレ−ム33の中間部に設けた入力ギヤケ−ス38内及び該耕耘フレ−ム33内、側部伝動ケ−ス34等内の伝動機構39を経て伝動回転するよう連動構成している。
【0020】
また、ロ−タリ耕耘装置23は、耕耘爪35…の上周部を覆う耕耘カバ−40、リヤカバ−41、サイドカバ−42等が設けられ、耕耘爪35…の回転で耕耘された耕耘土壌面をリヤカバ−41の後下端部で均平にすることができる。このリヤカバ−41は、通常は中央部をリンクボ−ル(ボ−ルジョイント)43でもって耕耘カバ−42側の支持部材44に軸受支持して上下、左右及び斜め方向に自由自在に揺動可能とし、上端部にゴム板41aを介装して耕耘カバ−40に連結している。なお、リンクボ−ル43は支持部材44の横軸44aに支承させている。また、リヤカバ−41と耕耘カバ−40との間には、リヤカバ−41の下端側を常時土壌面側に向けて押圧付勢するばね機構45を設けている。
【0021】
図12に示すように、耕耘カバ−40側とリヤカバ−41側とには揺動規制ブラケット46,47をボルト48により固着して設け、そして、両ブラケット46,47のピン挿通孔49,49を左右横方向に合致させて連結ピン50を挿通することで両者を連結し、リヤカバ−40が左右横方向の連結ピン50を支点として上下方向のみ揺動するよう他の動きを規制した構成としている。なお、前記連結ピン50の支点位置と前記リンクボ−ル43の支点位置(横軸44a)とは同一横軸線上に一致させている。また、リヤカバ−40側の揺動規制ブラケット47はゴム板41aの円弧形状との干渉を防ぐ形状に構成している。
【0022】
図13に示す実施例では、リヤカバ−40の上下方向のみの揺動規制をしたいときには、ボルト48により固定可能な連結ピン50をサイドカバ−42に設けた穴51から揺動規制ブラケット47のピン挿通孔49に挿通支架するようにしている。従って、リヤカバ−40は連結ピン50を支点として上下方向にのみ揺動することになる。なお、図中、52はボルト48により連結ピン50の取付部材50aを締付固定するためのボルト穴である。
【0023】
畑の畝崩し作業等で、リヤカバ−が自由に揺動する方式のものであると、畝崩し後の地均しが均平に仕上がらない場合がある。このような場合にはリヤカバ−を上下方向の揺動のみに変更することによって、あらゆる方向の揺動が一部規制されるため、地均しが容易にでき、均平に仕上げることができる。
【0024】
各耕耘爪35…の基部側近くには耕耘軸36と略並行するように巻付防止杆53が設けられている。この巻付防止杆53は、従来では、図14に示すように、耕耘軸36を支承する軸受体54から突設する取付部材55に巻付防止杆53の端部を貫通してナット56により締付固定する構成であった。
【0025】
本例では、図15に示すように、耕耘爪35を取り付ける爪ホルダ57に巻付防止杆の取付ホルダ58を抱合せ状態に接合して、ボルト59及びナット60,61等により両者を締付固定(共締め)するようにしている。そして、この取付ホルダ58には巻付防止杆の取付穴62と切欠スリット63を設けてあり、また、巻付防止杆53の取付側端部にはスリット部64と該防止杆より径大のストッパ−部65を設ける。従って、巻付防止杆53の取付に際しては、端部のスリット部64を取付ホルダ58の切欠スリット63から押し込んで取付穴62内に嵌め込み、そして、この嵌め込んだ巻付防止杆53を一定角度回動させておけば、この巻付防止杆は切欠スリット63から脱落することがなく、確実に固定することができる。要するに、本例のものでは、従来のものより構成が簡単で、且つ、着脱容易な装置を具現することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタ−要部の側面図
【図2】作業機連結装置の要部平面図
【図3】同上側面図
【図4】同上要部の平面図
【図5】作業機連結装置の要部平面図
【図6】同上側面図
【図7】作業機連結装置の要部平面図
【図8】同上側面図
【図9】トラクタ−の側面図
【図10】同上側面図
【図11】作業機連結装置の要部の側面図
【図12】ロ−タリ耕耘装置の要部の斜視図
【図13】ロ−タリ耕耘装置の一部の斜視図
【図14】同上要部の切断背面図
【図15】ロ−タリ耕耘装置の要部の分解斜視図
【符号の説明】
1  トラクタ−          2  ヒッチ部
3  U型保持具          4  作業機
5  セットピン          6  係止具
7  ホルダプレ−ト        8  押圧保持具
9  締付固定具         10  作業機支持フレ−ム
11  穴
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年9月27日(2002.9.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−113193(P2004−113193A)
【公開日】 平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願番号】 特願2002−284446(P2002−284446)