| 【発明の名称】 |
畝表層部処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石田 伊佐男 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、ビニール製マルチシートで畝を覆うことなく、畝から雑草が生えるのを良好に抑制して、マルチシートの除去作業を解消して農作業の労力軽減を図り、マルチシート廃棄時の環境問題を解消することを課題とする。
【解決手段】畝立て装置2等で成形された畝に沿って移動しながら畝上面に液体を散布する液体散布手段と、畝に沿って移動しながら畝の表層部に接触して回転し前記液体散布手段により散布された液体を含んだ畝の表層部の土を練り土状にする回転体18とを設ける。また、自走車体1に、畝立て装置2と前記液体散布手段と前記回転体18を装着する。或は、また、紙26をロール状に巻いた紙ロール23を支持する紙ロール支持手段と、紙ロール23から引き出された紙26を畝上面に案内する案内手段25と、畝を被覆した紙26が畝表層部と密着させる水等の液体を散布する液体散布手段とを設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 畝立て装置2等で成形された畝に沿って移動しながら畝上面に液体を散布する液体散布手段と、畝に沿って移動しながら畝の表層部に接触して回転し前記液体散布手段により散布された液体を含んだ畝の表層部の土を練り土状にする回転体18とを設けたことを特徴とする畝表層部処理装置。 【請求項2】 自走車体1に、畝立て装置2と前記液体散布手段と前記回転体18を装着したことを特徴とする請求項1記載の畝表層部処理装置。 【請求項3】 紙26をロール状に巻いた紙ロール23を支持する紙ロール支持手段と、紙ロール23から引き出された紙26を畝上面に案内する案内手段25と、畝を被覆した紙26が畝表層部と密着させる水等の液体を散布する液体散布手段とを設けたことを特徴とする畝表層部処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、成形した畝の表層部を雑草が生えにくいように処理する畝表層部処理装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、下記特許文献1に示されるように、ビニール製マルチフィルムを畝に被覆する装置を設けたものがあり、これにより畝から雑草が生えるのを抑制するものがあった。 【0003】 また、下記特許文献2に示されるように、成形された畝の表面部をスリップ回転する回転体を設けて、畝の表面部を締め固める装置があり、これにより畝を崩れ難くしたものがあった。 【0004】 【特許文献1】特開平9−98675号公報 【0005】 【特許文献2】特開平6−217601号公報 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 上記従来技術の前者のものは、栽培終了後の除去作業が煩わしく、また、ビニール製マルチフィルムが腐敗しないため、それを焼却する際に生じるガスが環境問題にもなっている。なお、後者のものは、畝の表面部を締め固めて畝の崩れを少なくするのであるが、マルチフィルムで覆った畝のように雑草が生えるのを抑制することができない。そこで、本発明は、ビニール製マルチシートで畝を覆うことなく、畝から雑草が生えるのを良好に抑制して、マルチシートの除去作業を解消して農作業の労力軽減を図り、マルチシート廃棄時の環境問題を解消することを課題とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じた。 請求項1に係る発明は、畝立て装置2等で成形された畝に沿って移動しながら畝上面に液体を散布する液体散布手段と、畝に沿って移動しながら畝の表層部に接触して回転し前記液体散布手段により散布された液体を含んだ畝の表層部の土を練り土状にする回転体18とを設けたことを特徴とする畝表層部処理装置としたものである。 【0008】 請求項2に係る発明は、自走車体1に、畝立て装置2と前記液体散布手段と前記回転体18を装着したことを特徴とする請求項1記載の畝表層部処理装置としたものである。 請求項3に係る発明は、紙26をロール状に巻いた紙ロール23を支持する紙ロール支持手段と、紙ロール23から引き出された紙26を畝上面に案内する案内手段25と、畝を被覆した紙26が畝表層部と密着させる水等の液体を散布する液体散布手段とを設けたことを特徴とする畝表層部処理装置としたものである。 【0009】 【作用及び発明の効果】 請求項1に係る発明により、畝の表層部は練土状に処理されるので、処理後その表層部が乾燥して硬くなり、畝の表面が硬い土の板で覆われた状態となる。これにより、従来のようにマルチシートで畝を覆うことなく、畝から雑草が生えるのを良好に抑制でき、マルチシートの除去作業を解消して農作業の労力軽減が図れ、マルチシート廃棄時の環境問題を解消するものとなる。また、上記ように畝表層部が処理された畝は、水分の蒸発が抑えられて畝の保水性が良好になり、更に、畝の下層部は固められてなく軟らかい状態が保たれているので、作物を良好に育成できる。 【0010】 請求項2に係る発明は、上記の作用及び効果を奏するうえ、畝表層部を練土状に処理する作業が、畝立て作業とともに行えて能率良く作業できる。 請求項3に係る発明は、畝表層部を練土状に処理する代りに、畝を覆う紙が散布された液体によって畝表層部の土に密着して貼り付いた状態に処理する。これにより、土壌で腐蝕しうる紙で畝を覆うことにより、畝から雑草が生えるのを良好に抑制でき、栽培終了後の除去作業の解消を解消することも可能となって農作業の労力軽減が図れ、また、紙製であることにより焼却廃棄する場合でも環境問題を回避できる。更に、畝を覆った紙が畝表層部の土に密着して貼り付いた状態になっているので、従来よりも畝から雑草が生えるのを良好に抑制でき、また、紙と畝表面との間に風が入り込んで紙が破れることが生じ難くなって、従来、単に畝上に被せるだけの紙製マルチよりも薄い紙が使用できて、資材コストを低減できる。 【0011】 【発明の実施の形態】 以下、図面に基づき、本件発明の実施の一形態について説明する。 図1、図2に示す例は、農用トラクタ等の自走車体1の後部に、畝立て装置2と、液体散布手段及び回転体18とを備えた畝表層部処理装置13とを装着した構成のものである。 【0012】 畝立て装置2は、自走車体1の後部に装備されたリンク装置2に装着している。リンク装置2は、左右のリフトアーム3,3及びリフトロッド4,4を介して駆動昇降可能な構成としている。畝立て装置2の構成は、自走車体1のPTO軸(図示省略)からユニバーサルジョイントを経て動力が伝達される中央伝動ケース5と、中央伝動ケース5に取り付けられているフレーム6と、中央伝動ケース5から下方に延出している耕耘伝動ケース7と、耕耘伝動ケース7の下部に、耕耘軸8と耕耘爪9,…により構成されている耕耘装置10と、耕耘装置10の上方を覆う耕耘カバー11と、耕耘装置10の後側左右両側に配置している左右畝成形板12,12とを備えた構成としている。 【0013】 畝表層部処理装置13は、畝立て装置2の後方で畝表層部処理作用するように設けている。本例では、具体的には、畝立て装置2の中央伝動ケース5から左側に延出している左伝動フレーム14、左伝動フレーム14の端部から後下方に延出している左伝動ケース15、中央伝動ケース5から右側に延出している右伝動フレーム16、右伝動フレーム16の端部から後下方に延出している右伝動ケース17、左伝動ケース15及び右伝動ケース17の各下端部の左右間に回転体18を駆動回転可能に軸架している。回転体18は、その外周面が、畝立て装置2によって成形された畝上面形状に沿うような形状を有し全体としてツツミ状の形状であり、畝の中央表層部に対応する小径円筒状部18aと、該小径円筒状部18aの左右両外側に連設され畝の左右傾斜部及び左右溝部に対応する大径円筒状部18b,18bを備えた構成としている。そして、この回転体18は、中央伝動ケース5内の動力が伝動されて畝表層部に接触しながら回転し、回転体18が自走車体1によって畝に沿って移動する速度よりも大なる周速度で回転体18の下側周面が前側から後側に移動する方向に高速回転する。なお、回転体18の回転速度を適宜変速可能に構成したり、或はまた、回転体18の下側周面が後側から前側に移動する方向に逆回転させるように構成すれば、異なる土質に対する処理適応性を向上できる。 【0014】 そして、畝表層部処理装置13は、更に、液体散布手段を備えている。液体散布手段は、本例では、具体的には、自走車体1の後部に設けられている液タンク19a、液タンク19aからポンプ20aに液を供給する供給ホース19b、液タンク19a内の液を圧送するポンプ20a、ポンプ20aから吐出する液を散布ノズル21,…に送る移送ホース20b、回転体18の上方に左右所定間隔を隔てて配置されていて回転体18の周面に液を散布する散布ノズル21,…を備えた構成としている。散布ノズル21,…から液体が散布される箇所は、回転体18の下端部箇所或はそれより前側位置に液体が散布されるように設けるか、又は、図示のように、回転体18の外周面に対して散布するように設ける。回転体18の下端部箇所或はそれより前側(回転体18が畝に沿って移動する方向側)位置に液体を散布されるように設けると、かなり乾燥して水分が極めて少ない土の畝に対して充分な量の液体を散布することができて良好に処理作業が行える利点がある。回転体18の外周面に対して液体を散布するように設けると、回転体18の外周面に付着した泥を洗い流すことができて回転体18の外周面に泥が堆積しにくくなり、処理作業を良好に継続できる利点がある。散布する液体は水でよいが、これに除草剤を混合しておけば、畝の除草効果を一層高めることができる。また、凝固剤やパルプ溶液を混合しておけば、練土状に処理された畝表層部の乾燥後の崩壊が生じにくく、畝の崩れが抑制されて、栽培作業が良好に行える。 【0015】 これにより、回転体18が接触する畝表層部の土が散布ノズル21,…から散布された液体で濡れた状態となり、この状態の畝表層部の土と回転体18の外周面が接触し、回転体18の外周面が畝表層部に対して接触しながら前側或は後側に移動することで、畝表層部が練土状に処理されることになる。 【0016】 上記構成のものは、例えば、以下のように作用するものとなる。機体の回転各部を回転しながら自走車体1を前進走行させると、畝立て装置2の耕耘装置10により圃場の土は耕耘され、左右畝成形板12,12により幅広の畝が形成される。そして、その畝の表層部を回転体18が接触しながら回転体18の下側周面が前側から後側に移動する方向に高速回転する。液タンク19の液体はポンプによって送られて散布ノズル21,…から噴出して回転体18の外周面左右全幅にわたって吹き付けられる。回転体18の外周面は散布された液体で塗れた状態で畝の表層部に接触しながら高速回転するので、回転体18が接触する畝表層部の土は練土状に処理される。従って、畝立て作業を行いながら、その畝表層部の土を練土状に処理していくものとなる。このような作業が施された畝は、その表面に泥を塗ったような状態となる。従って、練土状に処理された畝表層部が乾燥すれば、泥が乾いたときのように硬くなり、畝表面が緻密で硬い土の板で畝が覆われた状態となる。 【0017】 従って、従来のようにマルチシートで畝を覆うことなく、畝から雑草が生えるのを良好に抑制でき、マルチシートの除去作業を解消して農作業の労力軽減が図れ、マルチシート廃棄時の環境問題を解消するものとなる。また、上記ように畝表層部が処理された畝は、水分の蒸発が抑えられて畝の保水性が良好になり、更に、畝の下層部は固められてなく軟らかい状態が保たれているので、作物を良好に育成できる。 【0018】 更に、上記構成としたものは、畝表層部を練土状に処理する作業が、畝立て作業とともに行えて能率よく作業でき、また、畝表層部処理装置13を畝立て装置2に対して設定高さに支持した構成であるので、畝立て装置2が成形した畝に対し畝表層部処理装置13の回転体18が畝を押し固め過ぎない程度に畝表層部に接触させて作用させることができ、畝表層部を練土状に処理し且つ下層部は押し固めない状態で処理することができる。なお、図示していないが、畝立て装置2に対する畝表層部処理装置13の回転体18の上下方向の位置を変更する回転体高さ調節機構を設けていて、土質等に応じて回転体18の畝表層部に対する接触状態を適宜上下位置変更でき、良好な処理作業が行えるようになっている。また、自走車体1に畝立て装置2を設けないで、畝表層部処理装置13のみを装着する構成とした場合は、畝表層部処理装置13による畝表層部処理作業を行うに先立って、自走車体1に畝立て装置2を装着して畝立て作業を行うことになる。 【0019】 上記のように処理された畝に対し、播種或は苗を移植する場合は、播種時或は苗移植時に硬くなった畝表層部を突き破り、硬くなっていない下層部の土に播種或は苗を移植する方法をとることになる。この方法にて播種或は苗を移植すれば、播種或は苗の移植後においても、上記のように表層部が処理された畝は上記のような効果を充分に発揮できる状態を維持できる。 【0020】 次に、図3、図4に示す例について説明する。この例は、畝表層部を練土状に処理する代りに、畝を覆う紙が散布された液体によって畝表層部の土に密着して貼り付いた状態に処理するものであり、紙26をロール状に巻いた紙ロール23を支持する紙ロール支持手段と、紙ロール23から引き出された紙26を畝上面に案内する案内手段25と、畝を被覆した紙26が畝表層部と密着させる水等の液体を散布する液体散布手段とを設けた構成の畝表層部処理装置としたものである。 【0021】 図例の具体的な構成について説明すると、図例のものは、自走車体1の後部に畝立て装置2を昇降自在に連結し、畝立て装置2の耕耘装置10の後部両側に左右畝成形板12,12を配置し、左右畝成形板12,12の後方には紙マルチ装置22を配置している。紙マルチ装置22は、耕耘カバー11のフレーム部に取り付けられている紙ロール23の支持装置24、支持装置24に巻き架けられている紙ロール23、紙ロール23から引き出した紙26を畝の表層部に案内接触する案内ローラー25、紙26の左右両端部を畝の溝部に鎮圧する左右鎮圧輪27,27、溝部の土を切削し紙26の左右両端部にかける左右回転ディスク28,28を備えた構成としている。液体散布手段は、自走車体1の後部に設けられている液タンク19a、送液用のポンプ19b、ポンプ19bの吐出口から延出しているホース20、ホース20の終端部に取り付けられていて畝の左右全幅にわたって液体を散布するよう設けられている散布ノズル21,…、(図示省略)等により構成している。散布ノズル21,…は、紙26で覆った後の畝上に、或は、紙26で覆う前の畝上に液体を散布するように配置する。図示例では、左右回転ディスク28,28の後方に配置した構成としている。 【0022】 上記のように構成したものは、機体の回転各部を回転しながら自走車体1を走行させると、畝立て装置2の耕耘装置10により耕耘され、左右畝成形板12,12により幅広の畝が形成される。次いで、紙ロール23から紙26が引き出され、引き出された紙26は案内ローラー25により畝の表層部に接触するように案内され、紙26の左右両端部は左右鎮圧輪27,27により畝の溝部に鎮圧保持される。次いで、左右回転ディスク28,28により切削された土が紙26の左右両端部にかけられ、紙26により畝及び溝部の全幅が被覆される。次いで、被せられた紙26の全幅にわたり散布ノズル21,…から液体が散布され、紙26が畝及び溝部表面に密着する。 【0023】 従って、上記構成のものは、土壌で腐蝕しうる紙で畝を覆うことにより、畝から雑草が生えるのを良好に抑制でき、栽培終了後の除去作業の解消を解消することも可能となって農作業の労力軽減が図れ、また、紙製であることにより焼却廃棄する場合でも環境問題を回避できる。 【0024】 また、従来、畝上面を紙製マルチシートで覆うものは知られているが、紙が厚くて重いため、取り扱いが困難でコスト高となり、また、薄い紙であると破れやすいという欠点があった。しかし、上記のように処理することで、畝を覆う紙が散布された液体によって畝表層部の土に密着して貼り付いた状態になっているので、従来よりも畝から雑草が生えるのを良好に抑制でき、また、紙と畝表面との間に風が入り込んで紙が破れることが生じ難くなって、従来、単に畝上に被せるだけの紙製マルチよりも薄い紙が使用できて、資材コストを低減できる。 【0025】 なお、液体に水溶性の糊をまぜると、紙の土への接着性が高まり、紙を確実に畝の表層部に密着させることができる。また、紙が被覆された畝に対し、播種或は苗を移植する場合は、播種時或は苗移植時に紙を突き破り、紙の下側の土に播種或は苗を移植する方法をとることになる。この方法にて播種或は苗を移植すれば、播種或は苗の移植後においても、上記のように処理された畝は上記のような効果を充分に発揮できる状態を維持できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】畝表層部処理装置を装着した作業機体の部分断面側面図。 【図2】畝表層部処理装置の要部の背面図。 【図3】別構成の畝表層部処理装置を装着した作業機体の部分断面側面図。 【図4】別構成の畝表層部処理装置の要部を示す背面図。 【符号の説明】 1 自走車体 2 畝立て装置 13 畝表層部処理装置 18 回転体 19 液タンク 20 ホース 21 散布ノズル 12 左右畝成形板 22 紙マルチ装置 23 紙ロール 24 支持装置 25 案内ローラー 26 紙 27 左右鎮圧輪 28 左右回転ディスク
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成14年9月27日(2002.9.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−113178(P2004−113178A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月15日(2004.4.15) |
| 【出願番号】 |
特願2002−283557(P2002−283557) |
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