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【発明の名称】 折り畳み農作業機
【発明者】 【氏名】岡本 孝志
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【氏名】阿部 徹
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【要約】 【課題】作業機本体に軸支された回転軸と延長作業機体に軸支された延長回転軸との接続部において、露出した接続部への草,わら等の絡みつきを防止すると共に、安全性の高い折り畳み農作業機を提供することができる。

【解決手段】折り畳み農作業機における作業機本体側のロータリ軸10Aの端部に設けられ、固定カバー部材15の側面に露出した接続部11に対して、この接続部11の周囲を囲うように筒状体21が突設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタの後部に昇降可能に連結され、該トラクタからの動力により駆動される回転軸が軸支された作業機本体と、該作業機本体に対して作業幅を延長するように配備され、前記回転軸からの動力を受けて回転される延長回転軸が軸支された延長作業機体とからなり、前記回転軸端部と前記延長回転軸端部とが接続部を介して接続される状態と、前記回転軸と前記延長回転軸とを離脱して前記作業機本体に対して前記延長作業機体を折り畳む状態とを選択可能にし、前記作業機本体の側面に、露出された前記接続部の回りを囲む筒状体を突設させたことを特徴とする折り畳み農作業機。
【請求項2】
前記筒状体は前記接続部の先端と間隔を開けて該接続部を囲むように設けられることを特徴とする請求項1記載の折り畳み農作業機。
【請求項3】
前記筒状体の側面又は底面には内部に貫通する隙間が形成されることを特徴とする請求項1記載の折り畳み農作業機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタの後部に昇降可能に連結される作業機本体に対して延長作業機体を設けて、この延長作業機体を作業機本体に対して折り畳み可能に配備した折り畳み農作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の折り畳み作業機としては、耕耘・整地或いは代掻き作業を行うロータリ作業機が知られている。このロータリ作業機は、トラクタの後部に昇降可能の連結装置を介して作業幅中央部分の作業機本体が連結されており、この作業機本体の左右両側に作業幅を延長する延長作業機体が折り畳み可能に配備されている。ここで、作業機本体に軸支されたロータリ軸(回転軸)は、トラクタからの動力によって回転駆動され、延長作業機体に軸支される延長ロータリ軸(延長回転軸)は、ロータリ軸の端部をこの延長ロータリ軸の端部に接続することによってロータリ軸を介して回転駆動される。したがって、この折り畳みロータリ作業機は、中央部分の作業機本体に対して左右両側の延長作業機体を折り畳んだ状態で、作業機本体を単独で使用して狭幅の作業を行うことが可能であり、また、左右の延長作業機体の一方又は両方を延長状態に設置し、延長ロータリ軸を作業機本体のロータリ軸と接続させて、作業幅を延長させた状態で作業することも可能である。
【0003】
このようなロータリ作業機におけるロータリ軸と延長ロータリ軸の端部接続に関しては、従来より各種の提案がなされている。特開平8−191609号公報には、ロータリ軸端部に一方の爪クラッチを突出させたクラッチ装置を設け、延長ロータリ軸の端部にこれに噛み合う他方の爪クラッチを突出させたクラッチ装置を設けたものが開示されている。また、特開2000−342001号公報には、ロータリ軸の端部に軸の回転方向側に係合面を形成した係合体を設け、延長ロータリ軸の端部にこの係合体の係合面と係合する被係合面を形成した被係合体を設けたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術によると、ロータリ軸と延長ロータリ軸との接続部が互いに作業機本体或いは延長作業機体の側面から露出した状態で配備されている。そして、作業機本体は、延長作業機体を折り畳んだ状態で単独で使用することもあるので、特に作業機本体側の側面に露出している接続部においては、草やわら等の夾雑物が絡みついて回転駆動の抵抗になると共に、絡みついた夾雑物等が障害になって延長作業機体の延長回転軸との接続が円滑に行われないという問題が生じていた。
【0005】
また、延長作業機体を折り畳んだ状態で農作業機をリフトアップし、トラクタを路上走行させる際等においては、接続部における係合片等の突起が露出した状態で回転することになるので、安全性の面でも問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであって、具体的には、作業機本体に軸支された回転軸と延長作業機体に軸支された延長回転軸との接続部において、露出した接続部への草,わら等の絡みつきを防止すると共に、安全性の高い折り畳み農作業機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による各請求項に係る発明は以下の特徴を具備するものである。
【0008】
請求項1に係る発明は、トラクタの後部に昇降可能に連結され、該トラクタからの動力により駆動される回転軸が軸支された作業機本体と、該作業機本体に対して作業幅を延長するように配備され、前記回転軸からの動力を受けて回転される延長回転軸が軸支された延長作業機体とからなり、前記回転軸端部と前記延長回転軸端部とが接続部を介して接続される状態と、前記回転軸と前記延長回転軸とを離脱して前記作業機本体に対して前記延長作業機体を折り畳む状態とを選択可能にし、前記作業機本体の側面に、露出された前記接続部の回りを囲む筒状体を突設させたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明を前提として、前記筒状体は前記接続部の先端と間隔を開けて該接続部を囲むように設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明を前提として、前記筒状体の側面又は底面には内部に貫通する隙間が形成されることを特徴とする。
【0011】
このような各請求項に係る発明によると、以下の作用をなす。
【0012】
つまり、折り畳み農作業機は、トラクタの後部に昇降可能に連結され、このトラクタからの動力により駆動される回転軸が軸支された作業機本体と、この作業機本体に対して作業幅を延長するように配備され、回転軸からの動力を受けて回転される延長回転軸が軸支された延長作業機体とからなり、回転軸端部と延長回転軸端部とが接続される状態と、回転軸と延長回転軸とを離脱して作業機本体に対して延長作業機体を折り畳む状態とを選択可能にしているので、中央部分の作業機本体に対して左右両側の延長作業機体を折り畳んだ状態で、作業機本体を単独で使用して狭幅の作業を行うことが可能であり、また、左右の延長作業機体の一方又は両方を延長状態に設置し、延長回転軸を作業機本体の回転軸と接続させて、作業幅を延長させた状態で作業することが可能になる。
【0013】
そして、作業機本体の側面に、露出された接続部の回りを囲む筒状体を突設させているので、筒状体が接続部に近づく草,わら等に対する障壁となって、接続部への絡みつきを防止することができる。また、筒状体が接続部周辺を囲っているので、安全性を向上させることができる。
【0014】
また、特に、筒状体が接続部の先端と間隔を開けて接続部を囲むように設けられているので、筒状体の内部に土や石等が溜まった場合にも容易に排出することができる。この排出は、筒状体の側面又は底面に内部に貫通する隙間を形成することによって更に効果的に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1及び図2は、折り畳み農作業機であるロータリ作業機の外観図である。ロータリ作業機1は、左右方向の作業幅が長く、一行程で幅広の砕土或いは代掻き作業を行うことができるロータリ式のハローである。このロータリ作業機1の前部中央部分には、図示省略したトラクタのトップリンクとロアリンクとからなる3点リンクヒッチ機構に連結される連結部2が設けられ、ロータリ作業機1はトラクタの後部に連結部2によって昇降可能に連結されるものである。また、トラクタのPTO軸から、ユニバーサルジョイント等の伝動手段を介してギアボックス3に動力が伝達される。
【0017】
このロータリ作業機1は、トラクタのタイヤの間隔よりやや作業幅の広い中央部分の作業機本体4と、その作業機本体4の左右に作業幅を延長させるために配備される延長作業機体5L,5Rとからなり、この作業機本体4と延長作業機体5L,5Rとによって3分割された構造をなしている。そして、延長作業機体5L,5Rは、作業機本体4の固定カバー部材15に設けられた回転支持部6,6により、ほぼ180°回転可能に連結されており、図2に示されるように、作業機本体4の背面と左右に配備された延長作業機体5L,5Rの背面とを重ね合わせるようにして折り畳み状態を保持できるようにしている。また、作業幅を延長する際には、作業機本体4に対して、延長作業機体5L,5Rの一方又は両方を水平に展開した状態で保持できるようにしており、前述の折り畳み状態と展開状態とが選択可能になっている。
【0018】
ここで、作業機本体4は前述のようにトラクタのタイヤ間隔より広い作業幅を有して、トラクタのタイヤにより圃場に付けられた車輪跡を消去できるようにしている。また、延長作業機体5L,5Rは、左右両方を折り畳み状態にできるように、それぞれの長さを作業機本体4の長さに対して2分の1以下にしている。
【0019】
そして、作業機本体4及び延長作業機体5L,5Rのそれぞれにおける上部には、前述した固定カバー部材15,15aがそれぞれ設けられており、その後下端部のそれぞれに整地部材16,16aの上端部が枢支軸16bを介して回動自在に枢着されている。また、整地部材16,16aの後端部に均平板17,17aの基端部が枢支軸17bにより枢支されている。ここで、作業機本体4における均平板17は、均平板制御体18を介して幅方向中央部が支持されており、この均平板17が枢支軸17bにより自在に回動できる均平作業状態と、均平板17の回動を下方側で規制して代掻き土壌の土寄せ等を行う固定状態とを選択できるようにしており、この選択はトラクタ操縦者が運転状態のままで操作できるようにしている。
【0020】
また、作業機本体4における整地部材16と延長作業機体5L,5Rにおける整地部材16a,16aの両側部には、整地部材結合装置19が設けられており、作業機本体4における均平板17と延長作業機体5L,5Rにおける均平板17a,17aの両側部には、均平板結合装置20が設けられている。図2における符号19A及び20Aはそれぞれ整地部材結合装置19,均平板結合装置20における位置規制部材を示している。
【0021】
上記ギアボックス3の左右両側には作業機本体4を支持する本体フレーム7が延設されている。この作業機本体4における本体フレーム7の片端側には伝動ケース8が、他端側には支持枠9がそれぞれ垂設されており、この伝動ケース8と支持枠9との間にロータリ作業部10が軸装されている。また、延長作業機体5L,5Rにおいては、軸支部14,14間に延長ロータリ作業部13(13Aが延長ロータリ軸、13Bがロータリ爪を示している)が軸装されている。11は伝動ケース8の側面に露出する接続部であり(突出片11A,筒状体21)、12は軸支部14の外側に露出する被接続部である。
【0022】
図3は、前述したロータリ作業機の駆動部を説明する説明図である。前述と同一の部位には同一の符号を付している。ギアボックス3にはトラクタのPTO軸からの動力がユニバーサルジョイント等の伝動手段を介して入力される入力軸3Aが突出しており、この入力軸3Aに入力された動力は、歯車伝動機構3B,3C、伝動軸7A、伝動ケース8内のスプロケット8A及びチェン8Bを介してロータリ軸10Aに伝達されている。
【0023】
ロータリ軸10Aは、周面には複数のロータリ爪10Bが突設されており、その両端が作業機本体4の軸支部4A,4Aに軸支されてロータリ作業部10を形成している。また、延長ロータリ軸13Aは、周面に複数のロータリ爪10Bが突設されており、その両端が延長作業機体5L,5Rの軸支部14に軸支されて延長ロータリ作業部13を形成している。
【0024】
そして、ロータリ軸10Aの両端部には、作業機本体4の側面から外側に露出して接続部11が設けられいる。また、この接続部11(突出片11A,筒状体21)と接続する被接続部12が、延長作業機体5L,5Rの側面から露出して、延長ロータリ軸13Aの片側端部に設けられている。したがって、作業機本体4に対して水平に延長作業機体5L,5Rを展開すると、ロータリ軸10A端部の接続部11と延長ロータリ軸13A端部の被接続部12とが接続した状態になり、ロータリ軸10Aを介して延長ロータリ軸13Aに動力が伝達されることになる。また、ロータリ軸10Aと延長ロータリ軸13Aとを離脱して作業機本体4に対して延長作業機体5L,5Rを折り畳んだ状態では、ロータリ軸10Aが単独で駆動されることになる。
【0025】
図4は、作業機本体側の接続部と延長作業機体側の被接続部の形態を示す説明図である。接続部11は、ロータリ軸10Aの端部に設けられ、軸に対して垂直方向に突出した複数の突出片11Aが間隔を開けて軸対称に配置されている。一方、被接続部12は、延長ロータリ軸13Aの端部に設けられ、突出片11Aと嵌合するように開放した複数の嵌合溝12Aが軸方向に延びて軸対称に形成されている。そして、この嵌合溝12Aは、底部においては突出片11Aと密に嵌合する溝幅になっており、開口付近では、嵌合溝間において突出片11Aを嵌合溝12Aに案内する傾斜開放部12Bが形成されている。また、嵌合溝12Aの数は突出片11Aの数の倍数(2倍又は3倍)に設定されている。
【0026】
図5は、作業機本体4側のロータリ軸10A端部周辺を示す部分断面図である。作業機本体4における固定カバー部材15の側面、つまり作業機本体4の側面には、筒状体21が側面と垂直に突設されている。この筒状体21は作業機本体4の側面に露出する接続部11の周囲を囲うように配備されており、これによって、回転駆動する接続部11に草やわら等が接触しないように障壁を形成している。
【0027】
図6はこの筒状体21で囲まれた接続部11を正面視した図である。筒状体21は、軸に対して垂直に設けられた突出片11Aの先端と所定の間隔を開けてこれらの突出片11Aを囲うように設けられている。したがって、接続部11の周囲と筒状体21内との間には、ある程度の隙間21aが形成されており、これによって、筒状体21内に土や水,或いは石等が入った場合にも容易に排出できるようにしている。
【0028】
図7は図5に対応する図で、筒状体21の他の実施形態を示すものである。この例によると、筒状体21には、側部及び底部において内部貫通する間隙21bが形成されている。このような間隙21bを形成することによって、前述した土や水,或いは石等の排出をより良好にすることができる。
【0029】
このような実施形態のロータリ作業機1によると、図1に示すように、作業機本体4に対して左右の延長作業機体5L,5Rを水平に展開させて広い作業幅で作業する使用形態、図2に示すように、作業機本体4に対して左右の延長作業機体5L,5Rを折り畳んだ状態にし作業機本体4のみで作業する使用形態、作業機本体4に対して左右の延長作業機体5L,5Rの一方を折り畳んだ状態で左右の片側のみの作業幅を広げて作業する使用形態の各使用形態を選択することが可能である。また、路上での走行移動或いは倉庫への収納時には、作業機本体4を非作業位置にリフトアップして、この状態で作業機本体4に対して左右の延長作業機体5L,5Rを折り畳んだ状態にすることもできる。
【0030】
そして、作業機本体4の側面には、露出された接続部11の回りを囲む筒状体21を突設させているので、筒状体21が接続部11に近づく草,わら等に対する障壁となって、接続部11への絡みつきを防止することができる。また、筒状体21が接続部周辺を囲っているので、安全性を向上させることができる。
【0031】
また、筒状体21は接続部11の突出片11Aの先端と間隔を開けて突出片11Aを囲むように設けられているので、筒状体21の内部に土や石等が溜まった場合にも容易に排出することができる。図7に示した実施形態のように筒状体21の側面又は底面に内部に貫通する隙間21bを形成した場合には前述の排出効果をより高めることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明はこのように構成されるので、作業機本体に軸支された回転軸と延長作業機体に軸支された延長回転軸との接続部において、露出した接続部への草,わら等の絡みつきを防止すると共に、安全性の高い折り畳み農作業機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の折り畳み農作業機であるロータリ作業機の外観図(展開時)である。
【図2】本発明の折り畳み農作業機であるロータリ作業機の外観図(折り畳み時)である。
【図3】本発明の折り畳み農作業機であるロータリ作業機の駆動部を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る作業機本体側の接続部と延長作業機体側の被接続部の形態を示す説明図である。
【図5】本発明に係る作業機本体側のロータリ軸端部周辺を示す部分断面図である。
【図6】本発明に係る筒状体で囲まれた接続部を正面視した図である。
【図7】図5に対応する図で、筒状体の他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ロータリ作業機
2  連結部
3 ギヤボックス
4 作業機本体
4A 軸支部
5L,5R 延長作業機体
6 回転支持部
7 本体フレーム
8 伝動ケース
9 支持枠
10 ロータリ作業部
10A ロータリ軸(回転軸)
11 接続部
11A 突出片
12 被接続部
12A 嵌合溝
12B 傾斜開放部
13 延長ロータリ作業部
13A 延長ロータリ軸(延長回転軸)
14 軸支部
21 筒状体
21a,21b 隙間
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地
【出願日】 平成14年6月28日(2002.6.28)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2004−33019(P2004−33019A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2002−190602(P2002−190602)