トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 縦置き型装置の横置き使用防止方法
【発明者】 【氏名】川辺 浩一
【住所又は居所】東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 株式会社東芝日野工場内

【要約】 【課題】自然冷却効果を高める目的で電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置が、長時間横置き状態で通電されることを未然に防止する。

【解決手段】横置き検出部80が、縦置き型のIDU60装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出した場合、該異常使用状態を報知し、制御部65が、強制的に当該装置の電源が断されても該装置のフラッシュメモリ65b等の記憶部に記憶される動作プログラムや装置全体の制御情報を含むデータが破壊される事を回避すべく、上記記憶部へのアクセスを停止したアイドル状態に遷移する。そして、該遷移後、AC/DC72(電源部)のサーモスタット(72−1)にて当該装置内部の温度が所定温度以上になった場合、該装置への電源供給を断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自然冷却効果を高める目的で装置内部の電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置の横置き使用防止方法であって、前記縦置き型装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出し、該異常使用状態を報知することを特徴とする縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【請求項2】 前記横置き状態の検出が解除された場合、前記異常使用状態の報知動作を解除して前記装置を正常動作に復旧することを特徴とする請求項1記載の縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【請求項3】 自然冷却効果を高める目的で装置内部の電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置の横置き使用防止方法であって、前記縦置き型装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出し、該異常使用状態を報知すると共に、強制的に当該装置の電源が断されても該装置の記憶部に記憶される動作プログラムや装置全体の制御情報を含むデータが破壊される事を回避すべく、前記記憶部へのアクセスを停止したアイドル状態に遷移することを特徴とする縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【請求項4】 前記横置き状態の検出が解除された場合、前記異常使用状態の報知動作及び前記アイドル状態への遷移動作を解除して前記装置を正常動作に復旧することを特徴とする請求項3記載の縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【請求項5】 自然冷却効果を高める目的で装置内部の電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置の横置き使用防止方法であって、前記縦置き型装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出し、該異常使用状態を報知すると共に、強制的に当該装置の電源が断されても該装置の記憶部に記憶される動作プログラムや装置全体の制御情報を含むデータが破壊される事を回避すべく、前記記憶部へのアクセスを停止したアイドル状態に遷移し、該遷移した後、当該装置内部の温度が所定温度以上になった場合、該装置への電源供給を断することを特徴とする縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【請求項6】 前記アイドル状態に遷移して前記電源供給を断する前、若しくは前記電源供給を断した後で前記装置内部の温度が一定温度以下になった場合に、前記横置き状態の検出が解除された場合、前記異常使用状態の報知動作及び前記アイドル状態への遷移動作を解除して該装置を正常動作に復旧することを特徴とする請求項5記載の縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【請求項7】 前記所定温度以上とは、該装置の動作保証温度範囲を超えた場合であることを特徴とする請求項5記載の縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【請求項8】 前記所定温度以上とは、該装置の故障の可能性が有る温度以上であることを特徴とする請求項5記載の縦置き型装置の横置き使用防止方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤレスモデムなどの高消費電力な加入者宅内機器に適用され、特に、自然冷却効果を高める目的で電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置が、長時間横置き状態で通電されることを未然に防止することが可能な縦置き型装置の横置き使用防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電話加入者線に接続されるモデムやケーブルテレビ回線に接続されるケーブルモデムは、低消費電力であるため加入者宅内における設置方法には制限が少ない。
【0003】これに対して、無線送受信を行うワイヤレスモデムには制限がある。
【0004】具体的には、ワイヤレスモデムは、有線モデムと比較して高出力が要求され、また、モデム部と無線部から構成されることにより電気的回路規模が大きくなることから、高消費電力化が避けられないものとなっている。
【0005】このように消費電力が大きくなると問題となるのが、装置内部の温度上昇である。
【0006】過度の温度上昇は、装置故障ばかりでなく、使用者が火傷をするなどの問題を引き起こす可能性がある。
【0007】この為、温度上昇を防ぐべく装置内部を冷却する方法として、冷却ファンを取付けることなどが考えられる。
【0008】しかし、冷却ファンは一般的に他の電気部品より短寿命である為、保守交換が必要となり得策ではなく、また、モデムのような加入者宅内機器は安価であることも要求される為、そのような高価な冷却機構を設けることはできない。
【0009】そこで、最も単純な冷却方法として、装置内部の電子基板を垂直にする方法がある。
【0010】この方法では、基板が垂直に立つことにより自然冷却効果が高まり、ファンなどの追加装置が不用となる。
【0011】この場合、装置の外観は、鉛直方向に長い(高さの高い)外観となる(図3(a)参照)。即ち、この場合、基板を垂直にするのに合わせて装置筐体も鉛直方向に長い構成とする為、横置き装置と比べて基板と平行な筐体の両面が設置面とは離れるこにより上記筐体両面が空気中にさらされ、従来の横置き装置のように基板と平行な筐体面が設置面との距離が短いことで装置内部に熱がこもることが無い。
【0012】ところが、この場合に問題となるのは、ユーザが故意に装置を横置きで使用したり、ユーザの意図しない所で装置が横方向に倒れて装置が横置き状態(図3(b)参照)で長時間通電された場合には、内部温度上昇により、装置が故障したり、使用者が火傷をする虞がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来、自然冷却効果を高める目的で電子基板を垂直に立たせた縦置き型のワイヤレスモデム等の装置にあっては、ユーザが故意に装置を横置きに設置して使用したり、ユーザの意図しない所で装置が横方向に倒れて装置が横置き状態で長時間通電された場合には、内部温度上昇により、装置が故障したり、使用者が火傷をする虞があった。
【0014】そこで、本発明は上記実状を鑑み、自然冷却効果を高める目的で電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置が、長時間横置き状態で通電されることを未然に防止することが可能な縦置き型装置の横置き使用防止方法の提供を目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、自然冷却効果を高める目的で装置内部の電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置の横置き使用防止方法であって、前記縦置き型装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出し、該異常使用状態を報知することを特徴とする。
【0016】また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記横置き状態の検出が解除された場合、前記異常使用状態の報知動作を解除して前記装置を正常動作に復旧することを特徴とする。
【0017】また、請求項3の発明は、自然冷却効果を高める目的で装置内部の電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置の横置き使用防止方法であって、前記縦置き型装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出し、該異常使用状態を報知すると共に、強制的に当該装置の電源が断されても該装置の記憶部に記憶される動作プログラムや装置全体の制御情報を含むデータが破壊される事を回避すべく、前記記憶部へのアクセスを停止したアイドル状態に遷移することを特徴とする。
【0018】また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記横置き状態の検出が解除された場合、前記異常使用状態の報知動作及び前記アイドル状態への遷移動作を解除して前記装置を正常動作に復旧することを特徴とする。
【0019】また、請求項5の発明は、自然冷却効果を高める目的で装置内部の電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置の横置き使用防止方法であって、前記縦置き型装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出し、該異常使用状態を報知すると共に、強制的に当該装置の電源が断されても該装置の記憶部に記憶される動作プログラムや装置全体の制御情報を含むデータが破壊される事を回避すべく、前記記憶部へのアクセスを停止したアイドル状態に遷移し、該遷移した後、当該装置内部の温度が所定温度以上になった場合、該装置への電源供給を断することを特徴とする。
【0020】また、請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記アイドル状態に遷移して前記電源供給を断する前、若しくは前記電源供給を断した後で前記装置内部の温度が一定温度以下になった場合に、前記横置き状態の検出が解除された場合、前記異常使用状態の報知動作及び前記アイドル状態への遷移動作を解除して該装置を正常動作に復旧することを特徴とする。
【0021】また、請求項7の発明は、請求項5の発明において、前記所定温度以上とは、該装置の動作保証温度範囲を超えた場合であることを特徴とする。
【0022】また、請求項8の発明は、請求項5の発明において、前記所定温度以上とは、該装置の故障の可能性が有る温度以上であることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明が適用されるポイント・ツー・マルチポイント(PTMP)システムの全体構成を説明するための図である。
【0025】図1において、既存の公衆網に有線回線または無線回線により接続された基地局10には、アンテナ11が設けられており、この基地局10を介して通信が可能な範囲であるゾーン1の内部には、複数の加入者局20が設置されている。図1に示すように、各加入者局20は、その設置場所により基地局10との間の距離は各々異なっている。
【0026】図2は、上記図1に示す加入者局20の概略外観構成を示す図である。
【0027】図2に示すように、この加入者局20は、アンテナ30と、第1のユニットとしてアンテナ30に接続され屋外に設置される屋外装置(以下、単に「ODU」という。)40と、接続線としての同軸ケーブル50と、第2のユニットとして屋内に設置される屋内装置(以下、単に「IDU」という。)60とを加入者宅Aに設置して構成される。
【0028】尚、本発明では、上記ODU40は、屋根や外壁に固定設置される為、横置き問題からは除外する。
【0029】そして、同図2に示すように、上記ODU40への電源供給は、上記IDU60から行う場合を例にしている。
【0030】図3は、上記図2に示すIDU60の外観概略構成及び使用状態を示す図であり、図3(a)が、IDU60の正常使用状態を示し、図3(b)がIDU60の異常使用状態を示している。
【0031】図3(a)に示すように、このIDU60は、筐体となるIDUシャーシ60a内部のIDU電子基板60bが設置平面Bに対して垂直に立った状態が通常の正常使用状態となる。
【0032】このIDU60は、自然冷却効果を高める目的で内部のIDU電子基板60bを垂直に立たせて使用される形態となっている。即ち、このIDU60では、電子基板を垂直にするのに合わせて装置筐体も鉛直方向に長い構成とする為、横置き装置と比べて基板と平行な筐体の両面が設置面と離れることにより上記筐体両面が空気中にさらされ、横置き装置のように基板と平行な筐体面が設置面との距離が短いことで装置内部に熱がこもることが無い。
【0033】また、同図3(b)には、ユーザが故意に装置を横置きで使用したり、ユーザの意図しない所で装置が横方向に倒れて装置が横置き状態になった異常使用状態を示している。このように横置き状態で装置に長時間通電された場合には、内部温度上昇により、装置が故障したり、使用者が火傷をする虞がある。
【0034】図4は、上記図2に示した各加入者局20に設置されるODU40とIDU60の内部構成を示すブロック図である。
【0035】図4に示すように、加入者局20は、アンテナ30、第1のユニットとしてアンテナ30に接続され屋外に設置されるODU40、接続線としての同軸ケーブル50、第2のユニットとして屋内に設置されるIDU60とから構成される。
【0036】なお、以下の説明では便宜上、アンテナ30→ODU40→同軸ケーブル50→IDU60の向きの信号を受信信号とし、逆に、IDU60→同軸ケーブル50→ODU40→アンテナ30の向きの信号を送信信号として説明する。
【0037】アンテナ30は基地局10との間で無線信号の送受信を行えるようにするため、方向調整を行った後、設置されている。また、アンテナ30に接続されるODU40は、アンテナ30で送受信される無線周波数信号を中間周波数信号であるIF信号に変換するもので、通常アンテナ30と一体化成形されている場合が多い。そして、アンテナ30とODU40は、例えば建物の屋上等にポールを立て、このポールに締結されて設置される。
【0038】また、ODU40には、同軸ケーブル50が接続され、この同軸ケーブル50を介して屋内に設置されるIDU60と接続される。この同軸ケーブル50内は、IDU60からODU40に向けて伝送される中間周波数帯の送信信号(以下、送信IF信号という。)、ODU40からIDU60に向けて伝送される中間周波数帯の受信信号(以下、受信IF信号という。)、各種制御信号、及びIDU60からODU40に対して供給される電源電圧が多重して伝送される。また、このIDU60には、LAN等のネットワークを介して、電話機やPC等の端末機器が接続され、既存網との通信ができるようになっている。ここで、IDU60と端末機器との接続は、LAN等を介することなく直接接続するようなものであってもよい。
【0039】ODU40の大まかな構成としては送信系、受信系、ODU全体の制御を行う制御部41から構成されている。アンテナ30との接続端は分岐され、受信用フィルタ421と送信用フィルタ434に接続されている。ここで受信用フィルタ421は受信信号用の無線周波数帯信号を通過し、送信信号用の無線周波数帯の信号を遮断する特性を有している。逆に、送信用フィルタ434は送信信号用の無線周波数帯信号を通過し、受信信号用の無線周波数帯の信号を遮断する特性を有している。
【0040】受信信号が通過する受信系は、受信用フィルタ421から受信用アンプ422、周波数変換部423、受信用可変減衰部(以下、受信用ATTという。)424を介してODU多重分離部44に接続されている。一方、送信信号が通過する送信系は、前記ODU多重分離部44から、送信用可変減衰部(以下、送信用ATTという。)431、周波数変換部432、送信用アンプ433を介して、前記送信フィルタ434に接続されている。そして、ODU多重分離部44はIDU60と接続するための同軸ケーブル50を接続するため端子と接続されている。
【0041】更に、ODU多重分離部44には、DC/DCコンバータ45が接続されており、IDU60から供給された電源電圧を所望の電圧に変換して、ODU40内の各部に供給している。
【0042】また、ODU40には制御信号用端子46が設けられており、制御部41に接続されている。
【0043】次にIDU60の構成について説明する。
【0044】IDU60は、前記同軸ケーブル50に接続される端子には、IDU60からODU40へ伝送される送信IF信号と、ODU40からIDU60へ伝送される受信IF信号と、電源電圧とを分離するIDU多重分離部61が接続されている。
【0045】そして、受信系は、IDU多重分離部61から受信機621、A/Dコンバータ622、復調/誤り訂正復号部623を介して端末I/F部63に接続されている。
【0046】一方、送信系は端末I/F部63に、変調/誤り訂正符号化部641、周波数変換部642、可変減衰部643を介して、前記IDU多重分離部61に接続されている。
【0047】制御部(CPU)65は、IDU60全体の制御を行うものである。
【0048】また、IDU60には外部電源が接続する外部電源端子71が設けられている。この外部電源端子71には、AC/DCコンバータ72が接続され、AC/DCコンバータ72で直流化された電源電圧をIDU60内の各部に供給するとともに、IDU多重分離部61を介して、ODU40にも供給するようになっている。
【0049】次に、動作について説明する。
【0050】基地局10から受信した無線周波数帯の受信信号は、受信用フィルタ421を介して、受信用アンプ422に入力される。この受信用アンプ422で所定のレベルに増幅される。その後、無線周波数帯の受信信号は、周波数変換部423により、局部発振器461からハイブリッド回路462を介して出力される局発信号とミキシングすることにより、受信用IF信号に周波数変換され、受信用ATT424に入力される。
【0051】ここで、受信用ATT424は、制御部41からの制御に基づくレベルに減衰するもので、このレベルを調整することにより、ODUの受信ゲインを調整することができる。受信用ATT424で所望のレベルに減衰された受信IF信号は、ODU多重分離部44に入力される。
【0052】ここで、受信IF信号の周波数は、送信IF信号の周波数と帯域を異ならせている。このため、送信IF信号と多重しても、後で分離が可能となっている。また、IDU60から伝送されてくる電源電圧は、直流電圧であるため分離が可能となっている。
【0053】同軸ケーブル50を介してIDU60に伝送された受信IF信号は、IDU多重分離部61で分離され、受信部621に入力される。そしてA/Dコンバータ622でデジタル信号に変換された後、復調/誤り訂正復号部623で復調と誤り訂正符号の復号が行われる。
【0054】復調/誤り訂正復号部623では、基地局10からの送信レベル制御を行うためのTPC制御信号が抽出され、このTPC制御信号は制御部65へ出力される。また、復調された受信信号は、端末I/F63を介して、IDU60に接続された端末等へ出力される。
【0055】一方、端末等からIDU60入力される送信信号は、変調/誤り訂正符号化部641では、例えばリードソロモン符号等の誤り訂正符号化が行われ、変調される。そして、周波数変換部642で送信用IF信号に周波数変換される。ここで、送信用のIF信号は、前にも説明したように、受信用のIF信号とは異なる周波数帯域になっている。
【0056】そして可変減衰部643で、基地局10から送信された送信レベル制御を行うためのTPC制御信号に基づいたレベルにレベル制御され、IDU多重分離部61に入力される。ここで、電源電圧等と多重化され、同軸ケーブル50に入力される。
【0057】同軸ケーブル50を介してODU40に伝送された送信IF信号は、ODU多重分離部44で電源電圧等と分離され、送信用ATT431に入力される。
【0058】ここで、送信用ATT431は、制御部41からの制御に基づくレベルに減衰するもので、このレベルを調整することにより、ODUの送信ゲインを調整することができる。送信用ATT431で所望のレベルに減衰された送信IF信号は、周波数変換部432に入力される。そして、送信IF信号は、周波数変換部432により、局部発振器461からハイブリッド回路462を介して出力される局発信号とミキシングすることにより、無線周波数帯信号に周波数変換され、送信用アンプ433で所定電圧に増幅された後、送信用フィルタ434を介して、アンテナ30から基地局10に対して出力される。
【0059】ここで、特に本発明に係る部分について説明する。
【0060】上記制御部65は、SRAM65aと、フラッシュメモリ65bとを具える。ここで、SRAM65aは、このワイヤレスモデムを介して送受信される通信データを蓄積する。尚、この蓄積されたデータは、モデム部(変復調部)やユーザインタフェース(I/F)部63へと送信される。また、フラッシュメモリ65bは、制御部の動作プログラムや、装置全体の制御情報が蓄積する。
【0061】そして、本発明では、上記IDU60の装置内部に横置き検出部80を具える。この横置き検出部80は、上記IDU60が横置きになったことを検出すると、後述するLEDを点灯させたり、ブザーを鳴動させユーザ(使用者)への警告動作を行うと共に、制御部65に対して該制御部がアイドル状態(任意の時に強制的に電源断できる状態)となるべく割り込み信号を発生させる。
【0062】尚、アイドル状態というのは具体的には、ハードディスクやフラッシュメモリ65bなどの電源OFF時にデータが保存される記憶領域に対して、アクセスを行わない状態とする。これは、強制的に電源が断されたときに、その記憶領域のデータが破壊されないようにするためである。
【0063】これにより、制御部65は、上記横置き検出部80から割り込み信号が入力され続けている間、アイドル状態となるべく動作状態が遷移される。
【0064】尚、上記実施例では、制御部65がフラッシュメモリ65b及びSRAM65aを具える構成を示したが、これに限らず、その他の箇所に具えるようにしても良く、強制的に電源が断された場合にデータ内容が破壊されると困るものを記憶する記憶媒体部であれば良い。
【0065】そして、本願発明では、横置き状態検出時に、上述のフラッシュメモリ及びSRAMへのアクセスを不可能にする制御部のアイドル状態として、上述の記憶媒体部へのアクセスを不可能にする制御部のアイドル状態に遷移するようにしても良い。
【0066】次に、上記図4に示した横置き検出部80の具体的な構成について説明する。
【0067】図5及び図6は、上記図4に示した横置き検出部80の具体的な構成を説明する為の図であり、図5が、横置き検出部80の概略構成を示し、図6が、該横置き検出部80の正常及び異常使用状態に応じた処理動作の仕組みを示している。図5に示すように、この横置き検出部80は、プッシュスイッチ600−1と、LED600−2と、ブザー600−3と、割り込み信号供給線600−4とを具えて構成される。
【0068】ここで、プッシュスイッチ600−1は、IDU60のシャーシ(60a)の底面部600aに設置される。そして、このプッシュスイッチ600−1には、信号線600−2aを介してLED600−2が電気的に接続され、信号線600−3aを介してブザー600−3が電気的に接続されると共に、割り込み信号供給線600−4を介して制御部65と電気的に接続される。
【0069】また、このプッシュスイッチ600−1は、突起部600−1aがスイッチ内部に押し上げられてる状態では動作せず、該突起部600−1aが外部に押し出された状態で動作する。
【0070】この点について図6を用いて説明する。
【0071】図6(a)は、正常使用状態を示している。この場合、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aが押し上げられている状態、即ち、IDU60のシャーシ(60a)底面部600aを下にして設置平面B上にIDU60を設置した通常の縦置き状態を示している。
【0072】この場合、プッシュスイッチ600−1は特に信号出力動作等を行わない。
【0073】また、図6(b)は、異常使用状態を示している。この場合、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aが外部に押し出されている状態、即ち、IDU60のシャーシ(60a)底面部600aが設置平面Bから離れた状態を示している。
【0074】この場合、プッシュスイッチ600−1は、横置き状態を検出したことを示す割り込み信号を発生し、割り込み信号供給線600−4を介して制御部65に該割り込み信号を出力する。また、このプッシュスイッチ600−1は、信号線600−2aを介してLED600−2の表示点灯若しくは表示点滅を行うと共に、信号線600−3aを介してブザー600−3での警告音を鳴動する。
【0075】これに対し、制御部65では、上記横置き検出部80から横置き状態検出の割り込み信号を受けると、該割り込み信号が入力し続けている間中上述したアイドル状態に遷移する。これにより、フラッシュメモリ65bへのアクセスが停止され、強制的に電源が断した場合でもフラッシュメモリ65b内のデータが破壊されることを回避することができる。
【0076】尚、この実施例では、横置き検出部80として、プッシュスイッチ600−1を用いているが、これに限らず、その他、横置き状態を検出することが可能なスイッチであれば良いものとする。
【0077】また、LED600−2の表示点灯または表示点滅は、制御部65を用いてソフト的に行っても良いし、制御部65とは独立した回路で表示点灯または表示点滅させるようにしても良い。
【0078】ところで、本発明では、IDU(60)装置が横置き状態になった時点でLED600−2やブザー600−3による警報が発せられ、この警報にユーザ(使用者)が気づいて、このIDU(60)装置を縦置き状態(正常状態)に戻せば、LED600−2が消灯し、ブザー600−3が止まり、異常警報動作が解除される。
【0079】また、これと同時に、正常状態に戻されたことにより、プッシュスイッチ600−1が設置平面Bに押される形となって、制御部65への割り込み信号出力が停止され、該制御部65のアイドル状態が解除され、該制御部65は通常動作状態に戻る。
【0080】他方、これとは別に、ユーザ(使用者)が上記LED600−2やブザー600−3の異常警報に気が付かないか、或いは、無視した場合には、横置き状態が継続される。すなわち、LED600−2やブザー600−3による異常警報動作及び制御部65のアイドル状態の継続維持動作が行われる。
【0081】しかしながら、このように横置き状態が長時間継続されると、IDU60の装置内部が高温となって危険な状態になったり、該装置が壊れてしまうので、本発明では、電源を強制的に断する機能を設ける。
【0082】次に、上述した電源を強制的に断する仕組みについて説明する。
【0083】図7は、長時間IDU(60)装置が横置き状態で使用されて、該IDU(60)装置内部が高温となる虞を防止する為に強制的に電源を断する仕組みを示す図であり、上記図4に示すAC/DC72(電源)部の構成を示している。
【0084】図7において、このAC/DC72(電源)部では、IDU(60)への電源ラインCに直接サーモスタット(温度計測器)72−1を挿入し、ODU(40)への電源ラインDにはサーモスタット72−1を挿入しない。
【0085】ここで、IDU(60)とODU(40)への電源供給ラインが分岐する手前Eにサーモスタット72−1を挿入し、IDU(60)とODU(40)への電源をまとめて断しても良いが、そうすると、サーモスタットを挿入するラインの電流量が大きくなる為、サーモスタットの電流容量を大きくしなければならずコスト的にも不経済である。
【0086】それに、IDU(60)横置き時に電源を断しなければならないのは、IDU(60)への電源ラインだけなので、同図7に示す構成が好ましい。この構成によれば、小容量のサーモスタットで良いことになる。
【0087】そして、同図7に示す構成により、IDU(60)が長時間横置き状態で使用され、サーモスタット72−1の温度計測によって該IDU(60)内部の温度が一定以上、即ち装置の動作保証温度範囲を超えた若しくは該装置の故障の可能性が有る温度以上と計測されると、該サーモスタット72−1が強制的にIDU(60)への電源供給を断つ。
【0088】これにより、IDU(60)が故障したり、ユーザが火傷したりするといった事態を未然に防止することができる。また、前述したように、既に装置が横置きになった時点で制御部65がアイドル状態となっている為、このように強制的に電源断を行ったとしてもフラッシュメモリ65bの内容(プログラムデータや、制御情報等)が破壊されてしまう事も無い。
【0089】また、この構成におけるサーモスタット72−1では、上述のように強制的に電源断した後、IDU(60)内部の温度が所定の温度まで下がると、再びIDU(60)への電源を供給する。
【0090】しかし、この電源供給した時、未だIDU(60)が横置き状態であれば、横置き検出部80から制御部65に対して横置き状態検出の割り込み信号が入力され続けるので、制御部65は、アイドル状態を維持する。
【0091】他方、電源供給した時、IDU(60)の横置き状態が解除され、縦置き状態になっていれば、横置き検出部80から制御部65への割り込み信号の入力が行われないので、IDU(60)は正常動作に復旧する。
【0092】この構成によると、制御部(CPU)65が温度上昇を検出して電源を断するという比較的高価な機構を必要としなくても実現することができる。
【0093】次に、上述の構成による処理動作手順を分かり易くフローチャートを用いて説明する。
【0094】図8は、IDU(60)が横置き状態になった場合に異常警報のみを行うと共に、横置き状態が解除された場合の処理動作手順を示すフローチャートである。
【0095】図8に示すように、この処理は、IDU(60)が横置き状態になったことを検出すると開始される。即ち、横置き検出部80にてプッシュスイッチ600−1の突起部600−1aが外部に押し出された横置き状態が検出されると(ステップS101)、開始される。
【0096】このようにして横置き状態が検出されると、横置き検出部80では、プッシュスイッチ600−1によりLED600−2での表示点灯または表示点滅や、ブザー600−3での警告音の鳴動が行われ、ユーザ(使用者)に対し異常報知が行われる(ステップS102)。
【0097】その後、横置き検出部80では、横置き状態の検出が解除されたかどうかが監視される。具体的には、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aの引出しが解除され、スイッチ内部に押し上げられた状態となったかどうかが監視される(ステップS103)。
【0098】この監視の結果、横置き検出部80にて、横置き状態の検出が解除された、即ち、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aがスイッチ内部に押し上げられた状態となった場合(ステップS103YES)、横置き検出部80では、上記LED600−2とブザー600−3による異常警報の動作が解除される(ステップS104)。
【0099】これにより、IDU(60)の動作が正常動作に復旧され(ステップS105)、それ以降、上述のステップS101に戻って以下同様の処理が行われる。
【0100】図9は、IDU(60)が横置き状態になった場合に異常警報及びアイドル状態への遷移を行うと共に、横置き状態が解除された場合の処理動作手順を示すフローチャートである。
【0101】図9に示すように、この処理は、IDU(60)が横置き状態になったことを検出すると開始される。即ち、横置き検出部80にてプッシュスイッチ600−1の突起部600−1aが外部に押し出された横置き状態が検出されると(ステップS201)、開始される。
【0102】このようにして横置き状態が検出されると、横置き検出部80では、プッシュスイッチ600−1によりLED600−2での表示点灯または表示点滅や、ブザー600−3での警告音の鳴動が行われ、ユーザに対し異常報知が行われる。また、これと同時に、プッシュスイッチ600−1から割り込み信号供給線600−4を介して制御部65に割り込み信号が供給出力され、制御部65にてアイドル状態への遷移動作が行われる(ステップS202)。
【0103】その後、横置き検出部80では、横置き状態の検出が解除されたかどうかが監視される。具体的には、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aの外部への押し出しが解除されたかどうか、即ち、スイッチ内部に押し上げられた状態となったかどうかが監視される(ステップS203)。
【0104】この監視の結果、横置き検出部80にて、横置き状態の検出が解除された、即ち、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aがスイッチ内部に押し上げられた状態となった場合(ステップS203YES)、横置き検出部80では、上記LED600−2とブザー600−3での異常警報の動作が解除される。また、これと同時に、制御部65への割り込み信号の供給出力が解除される(ステップS204)。
【0105】これにより、IDU(60)の動作が正常動作に復旧され(ステップS205)、それ以降、上述のステップS201に戻って以下同様の処理が行われる。
【0106】図10は、IDU(60)が横置き状態になった場合に異常警報及びアイドル状態への遷移を行い、且つ装置内部の温度が一定以上超えた場合に、IDU(60)の電源供給を強制的に断すると共に、電源供給断した後に、装置内部の温度が所定の温度まで下がって横置き状態が解除された場合の処理動作手順を示すフローチャートである。
【0107】図10に示すように、この処理は、IDU(60)が横置き状態になったことを検出すると開始される。即ち、横置き検出部80にてプッシュスイッチ600−1の突起部600−1aが外部に押し出された横置き状態が検出されると(ステップS301)、開始される。
【0108】このようにして横置き状態が検出されると、横置き検出部80では、プッシュスイッチ600−1によりLED600−2での表示点灯または表示点滅や、ブザー600−3での警告音の鳴動が行われ、ユーザに対し異常報知が行われる。また、これと同時に、プッシュスイッチ600−1から割り込み信号供給線600−4を介して制御部65に割り込み信号が供給出力され、制御部65にてアイドル状態への遷移動作が行われる(ステップS302)。
【0109】その後、横置き検出部80では、横置き状態の検出が解除されたかどうかが監視される。具体的には、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aの外部への押し出しが解除されたかどうか、即ち、スイッチ内部に押し上げられた状態となったかどうかが監視される(ステップS303)。
【0110】この監視の結果、横置き検出部80にて、横置き状態の検出が解除された、即ち、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aがスイッチ内部に押し上げられた状態となった場合(ステップS303YES)、横置き検出部80では、上記LED600−2とブザー600−3での異常警報の動作が解除される。また、これと同時に、制御部65への割り込み信号の供給出力が解除される(ステップS307)。
【0111】これにより、IDU(60)の動作が正常動作に復旧され(ステップS308)、それ以降、上述のステップS301に戻って以下同様の処理が行われる。
【0112】また、他方、上述のステップS303の処理において、横置き状態の検出が解除されていない、即ち、プッシュスイッチ600−1の突起部600−1aが外部に押し出されたままの状態である場合(ステップS303NO)、AC/DC72(電源部)のサーモスタット72−1において、装置内部の温度が一定以上かどうか、即ち装置の動作保証温度を超えた若しくは該装置の故障の可能性が有る温度以上かどうかが監視される(ステップS304)。
【0113】この監視の結果、装置内部の温度が一定以上となった、即ち装置の動作保証温度を超えた場合(ステップS304YES)、サーモスタット72−1にてIDU(60)への電源供給が断される(ステップS305)。
【0114】その後、サーモスタット72−1にて装置内部の温度が所定温度まで下がったかどうかが監視される(ステップS306)。
【0115】この監視の結果、装置内部の温度が所定温度まで下がった場合(ステップS306YES)、上述のステップS307に移行して以下同様の処理が行われる。
【0116】また、上記ステップS306の判定処理において、装置内部の温度が所定温度まで下がっていなければ(ステップS306NO)、IDU(60)への電源供給は断のままである。
【0117】この構成によれば、電源供給を断した後、装置内部の温度が所定の温度まで下がり且つ横置き状態が解除されていれば、自動的に装置を正常動作に復旧させることができる。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、自然冷却効果を高める目的で装置内部の電子基板を垂直に立たせて使用される縦置き型装置の動作時に、該装置が横置きの異常状態になった事を自動的に検出し、該異常使用状態を報知すると共に、強制的に当該装置の電源が断されても該装置の記憶部に記憶される動作プログラムや装置全体の制御情報を含むデータが破壊される事を回避すべく、上記記憶部へのアクセスを停止したアイドル状態に遷移し、該遷移した後、当該装置内部の温度が所定温度以上になった場合、該装置への電源供給を断するようにしたため、高消費電力のワイヤレスモデム等の装置に適用することにより、安価でかつ確実、安全な横置き使用防止対策を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成14年2月15日(2002.2.15)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
【公開番号】 特開2003−243861(P2003−243861A)
【公開日】 平成15年8月29日(2003.8.29)
【出願番号】 特願2002−38645(P2002−38645)