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【発明の名称】 プリント配線板の製造方法
【発明者】 【氏名】仁木 礼雄
【住所又は居所】岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデン株式会社内

【氏名】浅井 元雄
【住所又は居所】岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデン株式会社内

【氏名】川村 洋一郎
【住所又は居所】岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビデン株式会社内

【要約】 【課題】露光用マスク材としてマスクパターンが形成されたガラス基板を使用することにより、露光用マスク材の寸法変化を抑制することが可能であり、もってバイアホール、・っきレジストパターン、ソルダーレジストパターンの位置ずれを防止することが可能なプリント配線板の製造方法を提供する。

【解決手段】配線板PC上に感光性樹脂層6を形成し、感光性樹脂層6をマスクパターン14が描画されたガラス基板13を介して6格子、これを現像してバイアホール形成用の開口を設け、次いで前記感光性樹脂層上に導体回路及びバイアホールを形成する。また、配線板PC上に感光性樹脂層6を形成し、この感光性樹脂層6をマスクパターン14が描画されたガラス基板13を介して露光し、これを現像してレジストパターンを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 導体回路が形成された基板上に感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をマスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光し、これを現像してバイアホール形成用の開口を設け、次いで前記感光性樹脂層上に導体回路及びバイアホールを形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】 基板上に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をマスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光し、これを現像してレジストパターンを形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項3】 前記レジストパターンは、ソルダーレジストパターンもしくはめっきレジストパターンである請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】 前記マスクパターンが描画されたガラス基板は、遮光インクによりマスクパターンが描画されたガラス基板もしくは金属層によりマスクパターンが描画されたガラス基板である請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】 前記マスクパターンが描画されたガラス基板を、マスクパターンが描画された側を感光性樹脂層に密着させて露光する請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】 感光性樹脂層に透光性フィルムを貼付した後、マスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光する請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】 前記感光性樹脂層表面をプレスするか、又は、研磨することにより平滑化した後、マスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光する請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項8】 前記マスクパターンは、設計値に対して、0.01〜0.1%拡大されている請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の製造方法に関し、特に、露光用マスク材としてマスクパターンが形成されたガラス基板を使用することにより、露光用マスク材の寸法変化を抑制することが可能であり、もってバイアホール、めっきレジストパターン、ソルダーレジストパターンの位置ずれを防止することが可能なプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多層配線基板の高密度化という要請から、いわゆるビルドアップ多層配線基板が注目されている。このビルドアップ多層配線基板は、例えば特公平4−55555号公報に開示されているような方法により製造される。即ち、コア基板上に、感光性樹脂からなる無電解めっき用接着剤を塗布し、これを乾燥したのち露光、現像することにより、バイアホール用開口を有する層間絶縁材層を形成する。次いで、この層間絶縁材層の表面を酸化剤等による処理にて粗化した後、その粗化面に感光性樹脂層を露光、現像処理してめっきレジストを設け、その後、レジスト非形成部分に無電解めっきを施してバイアホールを含む導体回路パターンを形成する。そして、このような工程を複数回繰り返すことにより、多層化したビルドアップ配線基板が得られるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の多層プリント配線板では、感光性樹脂を露光する際に使用するマスクフィルムとして樹脂フィルムを使用しており、かかるマイクフィルムにおいては線熱膨張係数が1.8×10-5/℃、湿度膨張係数が1.0×10-5/℃と大きく、従って、周囲の温度、湿度により寸法変化が生じ易く、その結果バイアホール位置やめっきレジストパターンの位置にずれが発生してしまうという問題がある。
【0004】また、多層プリント配線板に限らずプリント配線板の表層には、半田バンプなどの半田体を形成する際に他の回路部分等を保護すべくソルダーレジスト層を設けるのが一般的である。このとき、ソルダーレジスト層において、感光性樹脂層を露光現像して半田体形成のための開口部が設けられるのであるが、感光性樹脂層の露光は、前記と同様、パターンが描画された樹脂製のマスクフィルムを介して行われており、従って、この場合においても前述した温度、湿度による寸法変化を生じて、半田体形成のための開口部の位置にズレが発生してしまうという問題が残存している。
【0005】本発明は前記従来の問題点を解消するためになれたものであり、露光用マスク材としてマイクパターンが形成されたガラス基板を使用することにより、露光用マスク材の寸法変化を抑制することが可能であり、もってバイアホール、めっきレジストパターン、ソルダーレジストパターンの位置ずれを防止することが可能なプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため請求項1に係るプリント配線板の製造方法は、導体回路が形成された基板上に感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をマスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光し、これを現像してバイアホール形成用の開口を設け、次いで前記感光性樹脂層上に導体回路及びバイアホールを形成することを特徴とする。
【0007】また、請求項2に係るプリント配線板の製造方法は、基板上に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をマスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光し、これを現像してレジストパターンを形成することを特徴とする。
【0008】更に、請求項3に係る製造方法は、請求項2の製造方法において、前記レジストパターンは、ソルダーレジストパターンもしくはめっきレジストパターンであることを特徴とし、また、請求項4に係る製造方法は、請求項1又は請求項2の製造方法において、前記マスクパターンが描画されたガラス基板は、遮光インクによりマスクパターンが描画されたガラス基板もしくは金属層によりマスクパターンが描画されたガラス基板であることを特徴とし、更に、請求項5に係る製造方法は、請求項1又は請求項2の製造方法において、前記マスクパターンが描画されたガラス基板を、マスクパターンが描画された側を感光性樹脂層に密着させて露光することを特徴とする。
【0009】前記請求項1の製造方法では、層間樹脂絶縁層となる感光性樹脂層をマスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光し、これを現像してバイアホール形成用の開口が設けられる。また、請求項2及び請求項3の製造方法では、感光性樹脂層をマスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光し、これを現像してソルダーレジストパターン又はめっきレジストパターンであるレジストパターンが設けられる。
【0010】前記各製造方法では、フォトマスクがガラスであるため吸湿せず、また、線膨張係数もソーダライムガラスで8.5×10-6/℃、石英ガラスで5.0×10-7/℃と小さいため湿度、温度による寸法変化が殆どない。これにより、マスクパターンやレジストパターンに位置ずれが発生することはなく、その結果、バイアホール位置、めっきレジストパターン位置、ソルダーレジストパターン位置にもずれが発生することはない。また、湿度、温度による寸法変化が殆どないため、マスクを交換する必要がなく、量産に適している。
【0011】ここに、請求項4に記載されているように、前記マスクパターンが描画されたガラス基板は、遮光インクによりマスクパターンが描画されたガラス基板もしくは金属層によりマスクパターンが描画されたガラス基板が好適である。
【0012】遮光インクによりマスクパターンが描画されたガラス基板は、ガラス基板表面に1〜10μm程度の遮光インクで描画されたマスクパターン層がある(図24(a)参照)。具体的には、図24(a)に示すガラス基板13において、その表面にマスクパターン層14が遮光インクにより形成されており、また、露光する場合にはマスクパターン層14の反対側から光を照射することが望ましいため、マスクパターン層14の反対側のガラス基板13の表面には反射防止膜15が形成されていてもよい。また、マスクパターン層14は透光性の保護層16で被覆されていてもよい。マスクパターン層14は、感光性の遮光インク組成物をガラス基板13に塗布し、これにレーザ光をスキャニングしてパターンを描画し、酸やアルカリで現像してマスクパターン層14とする。
【0013】また、金属層によりマスクパターンが描画されたガラス基板は、ガラス基板上に100〜1000オングストローム程度の金属層からなるマスクパターン層がある(図24(b)参照)。具体的には、図24(b)に示すガラス基板13において、金属層17は、クロム層からなることが望ましい。酸などによるエッチングにより鮮明なパターンを形成できること、酸化しにくいことによる。また、クロム層の表面に酸化膜を形成してもよい。
【0014】ガラス基板として使用されるガラスは、厚さ1〜10mmのソーダライムガラス、石英ガラスであることが望ましい。ソーダライムガラスの線熱膨張係数は、8.5×10-6/℃と小さく安価である。また、石英ガラスの線熱膨張係数は、5.0×10-7/℃と極めて小さい。
【0015】更に、請求項5に記載されているように、マスクパターンが描画されたガラス基板を、マスクパターンが描画された側を感光性樹脂層に密着させて露光することが望ましい。逆の場合は、感光性樹脂層とマスクパターンとの間に隙間が生じ、光が回折するため、正確なパターンが形成されないからである。
【0016】請求項6に記載されているように、感光性樹脂層に透光性フィルムを貼付した後、マスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光することが望ましい。感光性樹脂層に直接ガラス基板を載置すると、ガラス基板と感光性樹脂層が固着してしまい、ガラス基板の位置合わせが難しい。透光性フィルムを介することにより、滑りやすくすることができガラス基板による位置合わせが容易になる。
【0017】また、請求項7に記載しているように、感光性樹脂層を形成した後、その表面をプレスするか、又は、研磨することにより平滑化した後、マスクパターンが描画されたガラス基板を介して露光することが望ましい。ガラス基板は、樹脂製のフィルムと異なり、感光性樹脂層の凹凸に対して追従性がない。このため、感光性樹脂層表面に凹凸が存在する場合、露光するとパターンがぼけてしまい、明確な開口が得られない。特に、ロールコータなどを使用して感光性樹脂を塗布した場合は、基板の縁周に樹脂だまりができてしまうため、ガラス基板を感光性樹脂層に密着することができない。このため、表面をプレスするか、研磨して平滑化することにより、ガラス基板を密着させることができ有利である。
【0018】ここに、前記製造方法においては、層間樹脂絶縁層を形成するための感光性樹脂を加熱硬化(ポストベーク)させて耐塩基性を向上させている。無電解めっき液は強塩基性であるため、このような加熱が必要になる。ところが、加熱より、樹脂基板や感光性樹脂が硬化収縮してしまい、最終製品の寸法が設計値よりも小さくなってしまう。設計値通りでなければ、ICチップなどの半導体部品を搭載できなくなり、プリント配線板として機能しない。
【0019】更に、このような感光性樹脂を多層化する場合、樹脂基板や下層の感光性樹脂も同時に加熱してしまうため、樹脂基板や下層の感光性樹脂がさらに硬化収縮してしまうため、最終製品の寸法が設計値よりもさらに小さくなってしまう。また、感光性樹脂を多層化する場合、表面を平滑にするため、研磨を行う場合があるが、研磨により樹脂基板の寸法は設計値よりも大きくなる。
【0020】例えば、図25は、プリント配線板を多層化する場合に、樹脂基板がどのように寸法変化するかを表した図である。Xは基板のX軸方向、YはY軸方向の寸法変化を調べたものである。■は樹脂基板をバフ研磨した段階、■は最も内層(1−2層)の感光性樹脂層を塗布する直前の段階、■は2層目のめっきレジスト層形成直前の段階、■は次層(2−3層)の感光性樹脂層を塗布する直前の段階、■は3層目のめっきレジストを形成する直前の段階である。この図25から研磨により寸法変化が大きくなり、加熱硬化により寸法が小さくなり、最終的に最初の基板の大きさに対して−0.025%のずれを発生することがわかる。
【0021】このように、最終製品の寸法を設計値に合わせなければならず、このためには、硬化収縮を見込んでガラス基板に設計値よりも拡大したマスクパターンを描画する。設計値よりも拡大したマスクパターンであれば、露光、現像処理した後の加熱硬化(ポストベーク)で樹脂基板や感光性樹脂が収縮しても設計値に収束させることができる。このような設計値に対して拡大したマスクパターンは、ガラス基板に描画しなければならない。樹脂フィルムにマスクパターンを描画しても吸湿や温度変化でフィルムの大きさが変化し、マスクパターンの大きさまで変化してしまい、樹脂基板や感光性樹脂の硬化収縮のみならず、樹脂フィルムの寸法変化まで考慮しなければならないからである。
【0022】本願発明では、ガラス基板を使用しており、吸湿や温度変化によりガラス基板の大きさが変わらないため、マスクパターンの大きさの変動が極めて小さく、それゆえ硬化収縮の大きさ分を考慮してマスクパターンを拡大させておけば、確実に設計値に収束することができるのである。
【0023】さらに、感光性樹脂を多層化する場合は、各感光性樹脂層の加熱により、樹脂基板および感光性樹脂層がどれだけ硬化収縮するかを予め調べておき、収縮に見合った拡大率でパターンを描画しておくことにより、最終的に設計値に収束させることができる。設計値に対する拡大率は、プリント配線板の内層の感光性樹脂層を露光するパターンほど大きくなり、表層に近い感光性樹脂層を露光するパターンほど小さくなる。表層に近い感光性樹脂層を露光する場合は、硬化収縮が進行して樹脂基板の大きさが設計値に近くなるため、拡大率が低くなるからである。前記マスクパターンは、設計値に対して0.001〜0.100%大きく拡大されてなることが望ましい。片面3層(両面6層)のプリント配線板の場合は、0.03%程度の硬化収縮を、片面4層(両面8層)のプリント配線板の場合は、0.06%程度、片面5層(両面10層)のプリント配線板の場合は、0.100%程度の硬化収縮を見込む必要がある。
【0024】また、前記製造方法では、めっきレジストやソルダーレジストを熱硬化処理された基板上に形成している。例えば、めっきレジストは、フルアディティブプロセスでは、無電解めっき用接着剤層上に直接形成され、また、セミアディティブプロセスでは、無電解めっき用接着剤層上に薄く形成された無電解めっき膜上に形成され、いずれにしても無電解めっき用接着剤を加熱硬化(ポストベーク)して耐塩基性を向上させている。
【0025】ところが、加熱により、樹脂基板が硬化収縮してしまい、最終製品の寸法が設計値よりも小さくなってしまう。設計値通りでなければ、ICチップなどの半導体部品を搭載できなくなったり、バイアホールの接続不良を招いたりしてプリント配線板として機能しない。
【0026】さらに、このような無電解めっき用接着剤層を多層化する場合、樹脂基板をも同時に加熱してしまうため、樹脂基板がさらに硬化収縮し、最終製品の寸法が設計値よりも更に小さくなってしまう。また、樹脂基板の平滑化のために研磨を行う場合があるが、研磨により樹脂基板の寸法は設計値よりも大きくなる。
【0027】このように、最終製品寸法を設計値に合わせなければならず、このためには、前述したように硬化収縮を見込んでガラス基板に設計値よりも拡大したマスクパターンを描画する。設計値より拡大したマスクパターンであれば、無電解めっき用接着剤層の加熱硬化(ポストベーク)で樹脂基板が収縮しても設計値に収束させることができる。また、前述のようにマスクパターンは、ガラス基板に描画しなければならない。
【0028】さらに、無電解めっき用接着剤を多層化する場合は、加熱により、樹脂基板がどれだけ硬化収縮するかを予め調べておき、収縮に見合った拡大率でパターンを描画しておくことにより、最終的に設計値に収束させることができる。設計値に対する拡大率は、プリント配線板の内層のめっきレジスト形成のためのパターンほど大きくなり、表層に近いめっきレジスト形成のためのパターンほど小さくなる。表層に近いめっきレジストを形成する場合は、硬化収縮が進行して樹脂基板の大きさが設計値に近くなるため、拡大率が低くなるからである。前記マスクパターンは、設計値に対して0.01〜0.100%大きく拡大されてなることが望ましい。片面3層(両面6層)のプリント配線板の場合は、0.03%程度の硬化収縮を、片面4層(両面8層)のプリント配線板の場合は、0.06%程度の硬化収縮を、片面5層(両面10層)のプリント配線板の場合は、0.100%程度の硬化収縮を見込む必要がある。
【0029】前記マスクパターンの拡大率は、X、Y方向で異なっていてもよい。
【0030】また、原則としてガラス基板に描画されたマスクパターンの設計値に対する拡大率を表層に近いほど小さくするのであるが、研磨などを行う場合は、基板が伸びてしまうため、より表層に近い方のマスクパターンの設計値に対する拡大率を、そのマスクパターンよりも内層側の感光性樹脂層を露光するために使用するマスクパターンの拡大率より大きなものを使用することができる。
【0031】また、前記製造方法に適用されるプリント配線板は特に限定されず、例えば、めっきレジストを形成する場合には、無電解めっき用接着剤層が形成された基板、無電解めっき用接着剤層に無電解めっき膜が形成された基板などが適用できる。また、ソルダーレジストを形成する場合には、半田パッドとなる導体層を設けた基板が適用される。
【0032】更に、感光性樹脂層に関して、バイアホール形成用の開口を設ける感光性樹脂層は、感光性の無電解めっき用接着剤層を用いることが望ましい。この感光性無電解めっき用接着剤は、硬化処理された酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、酸あるいは酸化剤に難溶性の未硬化の感光性樹脂中に分散されてなるものが最適である。酸、酸化剤で処理することにより、耐熱性樹脂粒子が溶解除去されて、表面に蛸つぼ状のアンカーからなる粗化面を形成できる。
【0033】上記感光性無電解めっき用接着剤において、特に硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、■平均粒径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、■平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、■平均粒径が2μm〜10μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、■平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1種を付着させてなる疑似粒子、から選ばれるいずれか少なくとも1種を用いることが望ましい。これらは、より複雑なアンカーを形成できるからである。
【0034】また、めっきレジストやソルダーレジストを形成する場合の感光性樹脂組成物としては、特にクレゾールノボラックやフェノールノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートとイミダゾール硬化剤からなる組成物を用いることが望ましいが、他に市販品を使用することもできる。また、ソルダーレジストを形成する場合は、フタロシアニングリーンなどの色素やアルミナ、シリカ粒子などを添加してもよい。尚、以上からすれば、請求項8に記載されているように、前記マスクパターンは、設計値に対して、0.01〜0.1%拡大されていることが望ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係るプリント配線板の製造方法について、本発明のプリント配線板の製造方法をセミアディティブ法につき具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。尚、製造方法としてフルアディティブ法を採用してもよいことはいうまでもない。
【0036】(1)まず、コア基板1の表面に内層銅パターン(導体回路)2を形成した配線基板PCを作製する(図1、図2)。このコア基板1への銅パターン2の形成方法としては、銅張積層板をエッチングして行うか、あるいは、ガラスエポキシ基板やポリイミド基板、セラミック基板、金属基板などの基板に無電解めっき用接着剤層を形成し、この接着剤層表面を粗化して粗化面とし、ここに無電解めっきするか、もしくは全面無電解めっき、めっきレジスト形成、電解めっき後、めっきレジスト除去、エッチング処理し、電解めっき膜と無電解めっき膜からなる導体回路を形成する方法がある。尚、配線基板PCの所定位置にはスルーホールHが形成され、このスルーホールHの内面及び開口部周縁部には銅パターン2が形成される。
【0037】尚、スルーホールの内壁、スルーホールのランドの側面、導体回路2の側面には粗化層が設けられていることが望ましい。粗化層を側面に設けることにより、後述する充填樹脂18との密着を改善でき、ヒートサイクルに起因して、樹脂18と導体回路2との境界を起点としてその境界上の層間絶縁層に発生するクラックを抑制することができるからである。
【0038】次に、スルーホールHの内部および配線板PCの導体回路2間には樹脂18が充填されて、平滑性が確保される(図3)。更に、上記配線基板PCにおける下層導体回路2の表面には、銅−ニッケル−リンからなる粗化層5が形成される(図4)。粗化層5は、無電解めっきにより形成される。めっき液組成としては、銅イオン濃度、ニッケルイオン濃度、次亜リン酸イオン濃度は、それぞれ2.2×10-2〜4.1×10-2mol/l、2.2×10-3〜4.1×10-3mol/l、0.20〜0.25mol/lであることが望ましい。
【0039】この範囲で析出する被膜の結晶構造は針状構造になるため、アンカー効果に優れるからである。無電解めっき浴には上記化合物に加えて錯化剤や添加剤を加えてもよい。
【0040】粗化層5の形成方法としては、この他に前述した酸化−還元処理、銅表面を粒界に沿ってエッチングして粗化面を形成する方法などがある。具体的には、酸化浴(黒化浴)としては、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)及びNa3PO4(6g/l)からなる浴を用い、還元浴としては、NaOH(10g/l)及びNaBH4 (6g/l)からなる浴を用いることが望ましい。
【0041】尚、配線板PCに形成されたスルーホールHを介して表面と裏面の銅パターン2が電気的に接続される。
【0042】(2)次に、前記(1)で作製した配線基板PCの表面上に、感光性樹脂層6を形成する(図5)。このとき、特に本実施形態の製造方法では、感光性樹脂層6として前述した感光性無電解めっき用接着剤を用いることが望ましい。
【0043】(3)前記のように形成した感光性無電解めっき用接着剤層6を乾燥した後、前述したバイアホール形成のための円パターン(マスクパターン)14が描画されたガラス基板13を、円パターン14が感光性無電解めっき用接着剤層6に密着するように載置し、露光(図6)、現像処理する(図7)。これにより、バイアホール用開口Bが形成される。尚、図6では、ガラス基板13は配線板PCの上面に載置した状態が示されているが、配線板PCの下面についても同様の処理が行われる。
【0044】(4)次に、硬化した前記感光性無電解めっき用接着剤層6の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を酸あるいは酸化剤によって溶解除去し、接着剤層表面を粗化処理する(図8)。
【0045】ここで、上記酸としては、リン酸、塩酸、硫酸などの無機酸、あるいは蟻酸や酢酸などの有機酸があるが、特に有機酸を用いることが望ましい。粗化処理した場合に、バイアホールから露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
【0046】一方、上記酸化剤としては、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウムなど)を用いることが望ましい。
【0047】(5)次に、接着剤層6の表面を粗化した配線基板PCに触媒核を付与する。触媒核の付与には、貴金属イオンや貴金属コロイドなどを用いることが望ましく、一般的には、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使用する。なお、触媒核を固定するために加熱処理を行うことが望ましい。このような触媒核としてはパラジウムがよい。
【0048】(6)次に、無電解めっき用接着剤層6の表面に無電解めっきを施し、粗化面全面に無電解めっき膜3を形成する(図9)。無電解めっき膜3の厚みは1〜5μm、より望ましくは2〜3μmである。
【0049】(7)続いて、前記のように形成した無電解めっき膜3上に感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)19をラミネートし、また、めっきレジストパターン14が描画されたガラス基板13を、マスクパターン14が感光性樹脂フィルム19を介して感光性無電解めっき用接着剤層6に密着するように載置し、更に、露光、現像処理する(図10)。これにより、めっきレジスト層7が無電解めっき膜3上に形成される(図11)。尚、図10では、配線板PCの上面における処理状態が図示されているが、配線板PCの下面についても同様の処理が行われる。
【0050】(8)次に、めっきレジスト非形成部(めっきレジスト層7が形成されていない部分)に電解めっき膜4を形成し、導体回路、ならびにバイアホール100を設ける(図12)。ここで、上記無電解めっきとしては、銅めっきを用いることが望ましい。
【0051】(9)更に、めっきレジスト層7を除去した後、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどのエッチング液で無電解めっき膜3を溶解除去して、独立した導体回路とする(図13)。更に、露出した粗化面上の残留Pd触媒核をクロム酸で除去する。
【0052】(10)続いて、バイアホール100、導体パターン4の表面に粗化層5を形成する(図14)。ここに、粗化層5の形成方法としては、エッチング処理、研磨処理、酸化還元処理、めっき処理がある。酸化還元処理は、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を酸化浴(黒化浴)、NaOH(10g/l)、NaBH4 (5g/l)を還元浴とする。
【0053】また、銅−ニッケル−リン合金層による粗化層5を形成する場合は無電解めっきにより析出させる。この合金の無電解めっき液としては、硫酸銅1〜40g/l、硫酸ニッケル0.1〜6.0g/l、クエン酸10〜20g/l、次亜リン酸塩10〜100g/l、ホウ酸10〜40g/l、界面活性剤0.01〜10g/lからなる液組成のめっき浴を用いることが望ましい。
【0054】(11)次に、前記処理により得られた配線基板PC上に、感光性樹脂層として感光性無電解めっき用接着剤層6を形成する(図15)。
【0055】(12)更に、前記(3)〜(9)の工程を繰り返して行って更に上層の導体回路を設け、半田パッドとして機能する導体層10とバイアホール100を形成する(図16乃至図19)。
【0056】(13)次いで、必要に応じてバイアホール、導体層、ランド等の表面に粗化層5を設ける(図20)。粗化層5の形成方法としては、(10)で説明した方法と同様である。
【0057】(14)次に、前記(12)の処理を終えたプリント配線板PCの両面に、ソルダーレジスト組成物を塗布する(図21)。プリント配線板PCの両面にソルダーレジスト層8を塗布形成する際に、前記プリント配線板PCを垂直に立てた状態でロールコータの一対の塗布用ロールのロール間に挟み、下側から上側へ搬送させて配線基板PCの両面にソルダーレジスト組成物を同時に塗布することが望ましい。この理由は、現在のプリント配線板PCの基本仕様は両面であり、カーテンコート法(樹脂を滝のように上から下へ流し、この樹脂の”カーテン”に基板をくぐらせて塗布する方法)では、片面しか塗布できないからである。ソルダーレジスト組成物は、粘度を25℃で1〜10Pa・sとすることにより基板を垂直に立てて塗布しても流れず、また転写も良好である。
【0058】(15)次に、ソルダーレジスト組成物の塗膜を乾燥し、この塗膜に、開口部が円パターン14として描画したガラス基板13を円パターン14が描画された側をソルダーレジスト層8に密着させて、露光、現像処理することにより、パッド部分を露出させた開口部を形成する(図21)。また、プリント配線板PCの反対側面にはランドを露出させる。このようにして開口部を形成したソルダーレジスト層8を、更に80℃〜150℃で1〜10時間の熱処理により硬化させる。これにより、開口部を有するソルダーレジストパターン層8は導体回路の表面に設けた粗化層と密着する。
【0059】(16)次に、前記開口部から露出した前記半田パッド、ランド部上に、ニッケル層11−金層12からなる金属層を形成する。
【0060】(17)次に、前記開口部から露出した前記半田パッド部上に半田体9、90を供給する。(図22)。半田体9、90の供給方法としては、半田転写法や印刷法を用いることができる。ここで、半田転写法は、プリプレグにはんだ箔を貼合し、このはんだ箔を開口部分に相当する箇所のみを残してエッチングすることにより半田パターンを形成して半田キャリアフィルムとし、この半田キャリアフィルムを、基板のソルダーレジスト開口部分にフラックスを塗布した後、半田パターンがパッドに接触するように積層し、これを加熱して転写する方法である。
【0061】一方、印刷法は、パッドに相当する箇所に貫通孔を設けたメタルマスクを基板に載置し、半田ペーストを印刷して加熱処理する方法である。
【0062】以上説明した方法により、プリント配線板PCが製造される。
【0063】
【実施例】以下、実施例に基づいて説明する。
【0064】(実施例)
(1)厚さ0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなるコア基板1の両面に18μmの銅箔がラミネートされてなる銅張積層板を出発材料とした。この銅張積層板の銅箔を常法に従いパターン状にエッチング、穴明け、無電解めっきを施すことにより、基板の両面に内層導体回路2とスルーホールHを形成した。基板上の内層導体回路及びスルーホール及びその内壁に前述した酸化(黒化)−還元処理を行って、表面全体を粗化した。
【0065】更に、下層導体回路2間、スルーホールH内にビスフェノールF型エポキシ樹脂を充填した。ビスフェノールF型エポキシ樹脂を硬化させた後、ベルトサンダーおよびバフ研磨により研磨してビスフェノールF型エポキシ樹脂及び酸化(黒化)−還元処理による粗化層を除去して内層導体回路上面及びスルーホールのランド上面を露出させた。あらかじめBT樹脂基板に設けた穴の位置間隔を測定して、研磨前と研磨後の樹脂基板の伸びを測定した(図25の■、■)。2回の研磨により基板の伸びは、X方向で約0.01%、Y方向で約0.007%であった。
【0066】(2)前記(1)で内層銅パターンを形成した基板を水洗いし、乾燥した後、その基板を酸性脱脂してソフトエッチングし、次いで、塩化パラジウムと有機酸からなる触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与し、この触媒を活性化した後、硫酸銅8g/l、硫酸ニッケル0.6g/l、クエン酸15g/l、次亜リン酸ナトリウム29g/l、ホウ酸31g/l、界面活性剤0.1g/l、pH=9からなる無電解めっき浴にてめっきを施し、銅導体回路の全表面にCu−Ni−P合金の厚さ2.5μmの粗化層5(凹凸層)を形成した。尚、導体回路の側面、スルーホールのランド側面、スルーホール内壁に存在する酸化−還元の粗化層は簡略化のため省略した。
【0067】更に、0.1mol/lホウふっ化スズ−1.0mol/lチオ尿素液からなる無電解スズ置換めっき浴に50℃で1時間浸漬し、前記粗化層5の表面に厚さ0.3μmのスズ置換めっき層を設けた。
【0068】(3)DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル)に溶解したクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化物を35重量部、ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)2重量部、感光性モノマーであるカプロラクトン変成トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成製、商品名:アロニックスM325 )4重量部、光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)2重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)0.2重量部、さらにこの混合物に対してエポキシ樹脂粒子の平均粒径 3.0μmのものを10.3重量部、平均粒径0.5μmのものを3.09重量部を混合した後、NMP(ノルマルメチルピロリドン)を30重量部添加しながら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整し、続いて3本ロールで混練して感光性接着剤溶液(層間樹脂絶縁材)を得る。
【0069】(4)前記(3)で得た感光性接着剤溶液を、前記(2)の処理を終えた基板の両面に、ロールコータを用いて塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分間の乾燥を行い、厚さ60μmの接着剤層6を形成した。
【0070】(5)前記(4)で接着剤層6を形成した基板の両面に、厚さ5μmの遮光インクによってバイアホールと同形の円パターン(マスクパターン)14が描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板13を円パターンが描画された側を接着剤層6に密着させて載置し、紫外線を照射して露光した。マスクパターンは、設計値よりも0.03%大きめに形成されている。
【0071】(6)露光した基板をDMTG(トリエチレングリジメチルエーテル)溶液でスプレー現像することにより、接着剤層に100μmφのバイアホールとなる開口を形成した。さらに、当該基板を超高圧水銀灯にて3000mJ/cm2で露光し、 100℃で1時間、その後150℃で5時間にて加熱処理することにより、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れ、開口(バイアホール形成用開口)を有する厚さ50μmの接着剤層を形成した。なお、バイアホールとなる開口には、粗化層を部分的に露出させる。
【0072】(7)前記(5)、(6)でバイアホール形成用開口を形成した基板を、クロム酸に2分間浸漬し、接着剤層表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去して、当該接着剤層の表面を粗化し、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗した。
【0073】(8)前記(7)で粗面化処理(粗化深さ5μm)を行った基板に対し、パラジウム触媒(アトテック製)を付与することにより、接着剤層およびバイアホール用開口の表面に触媒核を付与した。この段階で(図25の■)では、樹脂基板の最初の大きさに対してX方向で約−0.009%、Y方向で約−0.002%程度の寸法変化を示している。従って、約0.02%の寸法変化である。よって、設計値よりも0.03%より大きめのマスクパターンで形成されたバイアホール用開口は、設計値よりも0.01%大きなものとなる。
【0074】(9)以下の組成の無電解銅めっき浴中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ3μmの無電解銅めっき膜3を形成した。
【0075】無電解めっき液EDTA 150 g/l硫酸銅 20 g/lHCHO 30ml/lNaOH 40 g/lα、α’−ビピリジル 80mg/lPEG 0.1g/l無電解めっき条件70℃の液温度で30分(10)市販の感光性樹脂フィルム(ドライフィルム)を無電解銅めっき膜に張り付けるともに、厚さ600オングストロームのクロム層によって、めっきレジスト非形成部分がマスクパターン14として描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板13を、クロム層が形成された側を感光性樹脂フィルムに密着させて、110mJ/cm2で露光、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジストパターン7を設けた。マスクパターンは、設計値よりも0.008%大きめに形成されている。
【0076】(11)ついで、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜4を形成した。
【0077】
電解めっき液 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製 商品名カパラシドGL)
1ml/l 電解めっき条件 電流密度 1A/dm2 時間 30分 温度 室温(12)めっきレジスト7を5%KOHで剥離除去した後、硫酸と過酸化水素混合液でエッチングを行い、無電解めっき膜3を溶解除去して無電解銅めっき膜3と電解銅めっき膜4からなる厚さ18μmの内層導体回路を形成した。更に、800g/lのクロム酸に1〜2分浸漬して残留Pd触媒核を除去した。
【0078】(13)導体回路を形成した基板を、硫酸銅8g/l、硫酸ニッケル0.6g/l、クエン酸15g/l、次亜リン酸ナトリウム29g/l、ホウ酸31g/l、界面活性剤0.1g/lからなるpH=9の無電解めっき液に浸漬し、該導体回路の表面に厚さ3μmの銅−ニッケル−リンからなる粗化層5を形成した。
【0079】粗化層5をEPMA(蛍光X線分析装置)で分析したところ、Cu(98mol%)、Ni(1.5mol%)、P(0.5mol%)の組成比を示した。
【0080】そしてさらに、その基板を水洗いし、0.1mol/lホウふっ化スズ−1.0mol/lチオ尿素液からなる無電解スズ置換めっき浴に50℃で1時間浸漬し、前記粗化層の表面に厚さ0.3μmのスズ置換めっき層を形成した。この段階(図25の■)では、樹脂基板は最初の大きさに対してX方向、Y方向とも約−0.010%の寸法変化を示している。
【0081】(14)(4)〜(13)の工程を繰り返すことにより、さらに半田パッドを形成し、その表面に粗化層5を設けた。但し、粗化層表面はスズ置換めっき層を形成しなかった。バイアホール形成のためのマスクパターンは、設計値よりも0.003%大きめに形成されている。また、めっきレジスト形成のためのマスクパターンは、設計値通りの大きさである。
【0082】尚、めっきレジスト形成直前の段階(図25の■)では、樹脂基板は最初の基板の大きさに対してX方向で−0.025%、Y方向で−0.020%の寸法変化を示している。
【0083】(15)一方、DMDGに溶解させた60重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)を46.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート1001)15.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)1.6重量部、感光性モノマーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、商品名:R604 )3重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製、商品名:DPE6A )1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、商品名:S−65)0.71重量部を混合し、さらにこの混合物に対して光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を0.2重量部加えて、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
【0084】なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器、 DVL-B型)で 60rpmの場合はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0085】(16)基板にソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布した。
【0086】(17)次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理を行った後、厚さ600オングストロームのクロム層によって、ソルダーレジスト開口部の円パターン(マスクパターン)14が描画された厚さ5mmのソーダライムガラス基板13を、クロム層が形成された側をソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/cm2の紫外線で露光し、DMTG現像処理した。
【0087】さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱処理し、半田パッドの上面、バイアホールおよびランド部分を開口した(開口径200μm)ソルダーレジストパターン層8(厚み20μm)を形成した。
【0088】(18)次に、ソルダーレジストパターン層を形成した基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lからなるpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lからなる無電解金めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層11上に厚さ0.03μmの金めっき層12を形成した。
【0089】(19)そして、ソルダーレジストパターン層の開口部に、はんだペーストを印刷して200℃でリフローすることによりはんだバンプ(半田体)9を形成し、はんだバンプを有するプリント配線板を製造した。
【0090】前記したプリント配線板の製造方法によれば、従来の樹脂製フォトマスクフィルムで見られたバイアホールの位置ずれ、レジストパターンの位置ずれを完全に防止することができる。量産時においては、従来1〜5%の位置ずれ不良が見られたが、前記製造方法によればこのような不良の発生を防止できる。
【0091】また、ガラス基板からなるフォトマスクは、温度、湿度による寸法変化がなく、数十回の露光が可能である。露光回数とマスクの寸法変化との関係を図23に示す。図23において、横軸は露光回数、縦軸はマスク寸法変化量(μm)を表す。また、角丸印はガラス基板からなるフォトマスクを使用して行った実験結果を示し、黒丸印は従来の樹脂製フォトマスクを使用して行った実験結果を示す。
【0092】図23から明らかなように、ガラス基板のフォトマスクを使用した場合には、露光回数が50回程度まではマスク寸法に殆ど変化が発生しないことが分かる。これに対して、樹脂製フォトマスクを使用した場合には、露光回数が50回程度の範囲においても、マスク寸法が大きく変化することが分かり、また、露光回数が増加するに従ってマスク寸法の変化が大きくなっていく。
【0093】これらの実験結果から、樹脂製のフォトマスクを使用する場合に比して、ガラス基板製のフォトマスクを使用する場合の方が、マスク寸法の変化は少なく、従って、極めて精度良くバイアホール、めっきレジストパターン、ソルダーレジストパターンの位置ずれを防止することができるものである。
【0094】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1乃至請求項8に係るプリント配線板の製造方法によれば、フォトマスクの寸法変化を抑制でき、その結果、バイアホールの位置ずれ、また、めっきレジストパターン、ソルダーレジストパターンの位置ずれを完全に防止することができる。
【0095】このように、本発明は、露光用マスク材としてマスクパターンが形成されたガラス基板を使用することにより、露光用マスク材の寸法変化を抑制することが可能であり、もってバイアホール、めっきレジストパターン、ソルダーレジストパターンの位置ずれを防止することが可能なプリント配線板の製造方法を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
【住所又は居所】岐阜県大垣市神田町2丁目1番地
【出願日】 平成9年4月1日(1997.4.1)
【代理人】 【識別番号】100098431
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 郁生 (外2名)
【公開番号】 特開2003−234578(P2003−234578A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2003−10627(P2003−10627)