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【発明の名称】 電気部品保持装置のフィルタの目詰まり状態検査,清掃方法および装置
【発明者】 【氏名】磯貝 武義
【住所又は居所】愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械製造株式会社内

【氏名】鈴木 雅登
【住所又は居所】愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械製造株式会社内

【氏名】岩城 範明
【住所又は居所】愛知県知立市山町茶碓山19番地 富士機械製造株式会社内

【要約】 【課題】電気部品保持装置において、フィルタを装着したまま目詰まり状態の検査や清掃を可能とする。

【解決手段】圧力供給通路内に設けられたフィルタ152の前後に圧力差を発生させる圧力供給装置160を設け、その圧力供給装置160には可変絞りおよび圧力センサを設ける。フィルタ152とノズル保持部140を接続する圧力供給通路にも圧力センサPf204を設ける。フィルタ152の前後の圧力差によりフィルタ152を通過する気流が発生するが、目詰まりした状態のフィルタ152の通気抵抗は正常なフィルタ152と比較して大きく、各圧力センサで測定される圧力や圧力変化速度が変わる。よって、この圧力や圧力変化速度の変化に基づいてフィルタ152の目詰まり状態等を検査することができる。フィルタ152の清掃は、圧力供給装置160よりフィルタ152に正圧を供給し、さらに脈動させることにより良好に行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタの目詰まりを検査する方法であって、前記フィルタを前記電気部品保持装置に装着したままで、そのフィルタを通過する空気の流れを生じさせ、フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を検査することを特徴とするフィルタの目詰まり検査方法。
【請求項2】 前記フィルタを通過する空気の流れを生じさせ、フィルタの通気抵抗の変化によって生じる前記圧力供給通路の圧力の変化に基づいて、前記フィルタの目詰まり状態を検査する請求項1に記載の目詰まり検査方法。
【請求項3】 前記圧力供給装置により前記圧力供給通路に負圧を供給した状態で前記通気抵抗の変化に起因して生じる前記圧力供給通路の負圧の変化に基づいて、前記フィルタの目詰まり状態を検査する請求項1または2に記載の目詰まり検査方法。
【請求項4】 前記フィルタの前後に圧力差がない状態から圧力差がある状態に急激に変化させた場合における前記圧力供給通路の圧力変化速度に基づいて、フィルタの目詰まり状態を検査する請求項1ないし3のいずれかに記載の目詰まり検査方法。
【請求項5】 前記目詰まり状態の検査を、前記ノズル保持部に前記吸着ノズルを保持させない状態で行う請求項1ないし4のいずれかに記載の目詰まり検査方法。
【請求項6】 前記目詰まり状態の検査を、前記ノズル保持部に前記吸着ノズルを保持させた状態で行う請求項1ないし5のいずれかに記載の目詰まり検査方法。
【請求項7】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタを清掃する方法であって、前記フィルタを前記電気部品保持装置に装着したままで、前記圧力供給通路の前記フィルタより前記ノズル保持部側の部分に負圧を供給することと、反対側の部分に正圧を供給することとの少なくとも一方により、フィルタに前記ノズル保持部に向かう向きの空気の流れを生じさせて、フィルタの目詰まりを解消することを特徴とするフィルタ清掃方法。
【請求項8】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタを清掃する方法であって、前記フィルタを前記電気部品保持装置に装着したままで、そのフィルタの目詰まりを検出する目詰まり検出工程と、その目詰まり検出工程においてフィルタの目詰まりが検出された場合に、そのフィルタを電気部品保持装置に装着したままで、目詰まりを解消する目詰まり解消工程とを含むことを特徴とするフィルタ清掃方法。
【請求項9】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタの目詰まりを自動で検査するためにコンピュータにより実行される目詰まり検査プログラムであって、前記フィルタが前記電気部品保持装置に装着された状態でそのフィルタを通過する空気の流れを生じさせる空気流生成ステップと、前記空気の流れに対する前記フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定ステップとを含むことを特徴とする目詰まり検査プログラム。
【請求項10】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタの目詰まりを自動で検査し、目詰まりが検出された前記フィルタを自動で清掃するためにコンピュータにより実行されるフィルタ清掃プログラムであって、前記フィルタが前記電気部品保持装置に装着された状態でそのフィルタを通過する空気の流れを生じさせる空気流生成ステップと、前記空気の流れに対する前記フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定ステップと、前記フィルタが前記電気部品保持装置に装着された状態でそのフィルタに前記ノズル保持部に向かう向きの空気の流れを生じさせる目詰まり状態解消ステップとを含むことを特徴とするフィルタ清掃プログラム。
【請求項11】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置において、前記圧力供給通路に圧力センサを設けるとともに、その圧力センサの検出値に基づいて前記フィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定装置を接続したことを特徴とする電気部品保持装置。
【請求項12】 前記圧力供給通路が複数に分岐させられ、それら分岐部の各々に前記ノズル保持部,前記フィルタおよび前記開閉弁が互いに直列に設けられた請求項11に記載の電気部品保持装置。
【請求項13】 前記圧力供給通路に、前記圧力供給装置側より前記ノズル保持部側が低く、かつ、前記フィルタの目詰まりを解消するに十分な大きさの圧力差を生じさせる圧力差発生装置を含む請求項11または12に記載の電気部品保持装置。
【請求項14】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置において、前記圧力供給通路に、前記圧力供給装置側より前記ノズル保持部側が低く、かつ、前記フィルタの目詰まりを解消するに十分な大きさの圧力差を生じさせる圧力差発生装置を設けたことを特徴とする電気部品保持装置。
【請求項15】 吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、吸着ノズルを経て吸入される外気に含まれる異物を除去するフィルタとを含む電気部品保持装置において、前記圧力供給通路に圧力センサを設けるとともに、その圧力センサの検出値に基づいて前記フィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定装置を接続したことを特徴とする電気部品保持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負圧により電気部品(電子部品を含む)を吸着し、保持する電気部品保持装置に関するものであり、特に、電気部品吸引力の低下の原因となるフィルタの目詰まり等の検査および清掃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気部品を吸着ノズルにより吸着し、保持する電気部品保持ヘッドを備えた電気部品保持装置が知られている。この装置において、フィルタは、圧力供給通路の途中に設けられ、電気部品吸着時の吸入空気中の異物を除去する。その結果、フィルタにより捕集された異物が増加すれば当然ながら通気抵抗が増大し、吸着ノズルに供給される負圧が減少するため吸引力が低下する。吸引力が低下すれば、一旦吸着ノズルに吸着された電気部品が途中で落下し、あるいは吸着ノズルが電気部品を吸着できなくなるなどの吸着ミスが発生する。吸着ミスを防ぐためには、定期的にメンテナンスを行いフィルタの目詰まり状態を確認することが有効である。しかし、フィルタが保持装置の圧力供給通路内、例えばヘッド本体内に設けられているため、外部から確認することはできない。圧力供給通路を形成する複数の部材を分解し、フィルタの状態を確認することが必要なのである。確認の結果、フィルタが汚れている場合は、清掃するか新しいフィルタと交換し、複数の部材を一体的に組み付け直す。
【0003】しかしながら、フィルタの目詰まり状態を確認する度に圧力供給通路を形成する複数の部材の分解および組み付けが必要なため、メンテナンスに要する労力が多大であり、定期的なメンテナンスの間隔を長くせざるを得ない。そのため、メンテナンスの際には未だ汚れが少なく、使用可能なフィルタであるにもかかわらず、次回のメンテナンスまで吸着ミスの発生を確実に回避するために、交換を余儀なくされて、無駄なコストが生じる。一方、メンテナンスが遅れると、汚れがひどく、使用限度を超えたフィルタであるにもかかわらず使用され、吸着ミス発生の一因となる。フィルタの適切な交換時期あるいは清掃時期の決定が容易ではないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】本発明は以上の事情を背景とし、フィルタの目詰まりの検出を容易にし、あるいはフィルタの清掃時期ないし交換時期の決定と、フィルタの清掃との少なくとも一方を容易に行うことができるようにすることを課題として為されたものであり、本発明によって、下記各態様のフィルタの目詰まり検査方法,フィルタ清掃方法,フィルタ管理方法,目詰まり検査プログラム,フィルタ清掃プログラム,電気部品保持装置等が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書の記載の技術的特徴およびそれらの組み合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0005】なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(7)項が請求項5に、(8)項が請求項6に、(10)項と(11)項を併せた項が請求項7に、(13)項が請求項8に、(15)項が請求項9に、(17)項が請求項10に、(18)項が請求項11に、(22)項が請求項12に、(33)項が請求項13に、(29)項が請求項14に、(34)項が請求項15に、それぞれ相当する。
【0006】○フィルタを装着したままで目詰まり状態を検査する方法(1)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタの目詰まりを検査する方法であって、前記フィルタを前記電気部品保持装置に装着したままで、そのフィルタを通過する空気の流れを生じさせ、フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を検査することを特徴とするフィルタの目詰まり検査方法。フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を検査するためには、フィルタの前後に圧力差を生じさせてフィルタを通過する気体の流れを生じさせることが必要である。そのためには、圧力供給通路のフィルタに対してノズル保持部とは反対側の部分に負圧または正圧を供給することが簡便さの点で優れているが、フィルタの両側にそれぞれ正圧と負圧とを供給すること、例えば、圧力供給通路のフィルタよりノズル保持部側の部分に負圧(以後、第2負圧と称する)を、反対側の部分に正圧をそれぞれ供給することによって、比較的弱い負圧および正圧を使用しながらフィルタの両側の圧力差を大きくすることができる。フィルタの通気抵抗の検出には、例えば、圧力供給通路の圧力の変化の検出やフィルタ等が気流に押される力の変化の検出などを利用し得る。
(2)前記フィルタを通過する空気の流れを生じさせ、フィルタの通気抵抗の変化によって生じる前記圧力供給通路の圧力の変化に基づいて、前記フィルタの目詰まり状態を検査する (1)項に記載の目詰まり検査方法。圧力供給通路における気体流量はフィルタの通気抵抗の変化に影響される。そして、供給される圧力が一定であると仮定すると、フィルタの目詰まり状態がひどければ通気抵抗が大きいため気体流量が少なくなり、目詰まりのない正常な状態であれば気体流量は多くなる。すなわち、フィルタの目詰まり状態の違いによる通気抵抗の違いが気体流量を変化させ、その影響によって圧力供給通路内の圧力が変化する。その圧力の変化に基づきフィルタの目詰まり状態を検査することが可能である。なお、ここでいう圧力とは正圧,負圧および絶対圧のいずれをも包含する。検査対象のフィルタについての圧力の変化は、例えば、次のような量に基づいて検出することができる。(a)圧力供給通路の気流および圧力が安定した状態における圧力である気流安定時圧力。(b)圧力供給通路に供給される圧力の急激な変化に伴う圧力供給通路の圧力変化途中における圧力である過渡状態圧力。(c)圧力供給通路において気流が存在しない状態における圧力と気流安定時圧力との差である圧力増減量。(d)圧力供給通路のフィルタの前後における圧力の差である差圧。(e)供給される圧力が変化した際に生じる圧力供給通路の圧力変化の速度である圧力変化速度。上記をはじめとする圧力に関連した物理量である圧力関連量としきい圧力関連量との比較によってフィルタの目詰まり状態を判定することが可能である。また、フィルタの目詰まり状態検査に使用する圧力関連量は1つでも良いし複数でも良い。圧力関連量およびしきい圧力関連量は、正圧,負圧,絶対圧のいずれに関連するものでも良い。
(3)前記圧力供給装置により前記圧力供給通路に負圧を供給した状態で前記通気抵抗の変化に起因して生じる前記圧力供給通路の負圧の変化に基づいて、前記フィルタの目詰まり状態を検査する (1)項または(2)項に記載の目詰まり検査方法。フィルタの目詰まり状態が激しいほどフィルタより圧力供給装置側の圧力供給通路の負圧が強くなるため、例えば、圧力供給通路の実際の負圧としきい負圧とを比較し、実際の負圧がしきい負圧より強ければ、目詰まり状態になったと判定されるようにすることができる。また、フィルタの目詰まり状態が激しい状態において、フィルタよりノズル保持部側の圧力供給通路の負圧は弱くなり、それによっても目詰まり状態の判定が可能である。その他の負圧関連量としきい負圧関連量との比較による判定も可能である。
(4)前記圧力供給装置により圧力供給通路に正圧を供給した状態で、前記通気抵抗の変化に起因して生じる前記圧力供給通路の正圧の変化に基づいて、前記フィルタの目詰まり状態を検査する (1)項ないし(3)項のいずれかに記載の目詰まり検査方法。前項と同様に、正圧関連量としきい正圧関連量との比較により目詰まり状態の判定が可能である。また、本項が(3)項に従属する形態においては、正圧による検査と負圧による検査を選択的に行うことや、相前後して両方を行うことが可能である。
(5)前記フィルタの前後に圧力差がない状態から圧力差がある状態に急激に変化させた場合における前記圧力供給通路の圧力変化速度に基づいて、フィルタの目詰まり状態を検査する(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の目詰まり検査方法。圧力変化速度に基づく量としては、圧力変化の勾配や、圧力供給通路の圧力が定常状態になる前の状態において、圧力差が発生してから予め設定された設定圧力に達するまでの時間や,圧力差が発生してから予め設定された設定時間後における圧力などがある。本形態においては、圧力差による気流が圧力供給通路に発生してから、圧力供給通路の圧力が定常状態になる時点より手前の時点(過渡時点と称する)における圧力が測定される。詳細は実施形態の目詰まり等監視モードにて説明する。
(6)前記フィルタの前後に圧力差がある状態から圧力差がない状態に急激に変化させた場合における前記圧力供給通路内の圧力変化速度に基づいて、フィルタの目詰まり状態を検査する(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の目詰まり検査方法。例えば、圧力の供給を停止することにより圧力差がある状態から圧力差がない状態に急激に変化させることが可能である。その変化に応じて、フィルタの前後の圧力供給通路における圧力は等しくなっていくが、その際の圧力変化速度はフィルタの目詰まり状態に影響されるため、その圧力変化速度に基づいて目詰まり状態を検査することができる。
(7)前記目詰まり状態の検査を、前記ノズル保持部に前記吸着ノズルを保持させない状態で行う(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の目詰まり検査方法。吸着ノズルを保持させない状態であれば、吸着ノズルの通気抵抗による影響を受けることなく目詰まり状態の検査を行うことができる。
(8)前記目詰まり状態の検査を、前記ノズル保持部に前記吸着ノズルを保持させた状態で行う(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の目詰まり検査方法。吸着ノズルを保持した状態で検査を行えば、吸着ノズルを取り外す手間が省ける。また、フィルタの検査とともに吸着ノズルの詰まりの検査を行うことが可能な場合もある。電気部品保持装置に複数のノズル保持部およびフィルタが備えられている場合は、全てのノズル保持部に吸着ノズルが保持されている必要はなく、吸着ノズルが保持されないノズル保持部が混在していても本項の検査を行うことができる。また、ノズル保持部が複数ある場合や、吸着ノズルを保持した状態と保持しない状態との両方で検査を行う場合等においては、本項は前項と排他的な関係にはなく、ノズル保持部に吸着ノズルを保持しない状態では前項の方法の実施が可能である。
(9)前記目詰まり状態の検査を、前記ノズル保持部に保持されている吸着ノズルの内径が設定値以上である場合に、その吸着ノズルをノズル保持部に保持させたままの状態で行う (8)項に記載の目詰まり検査方法。例えば、ノズル保持部に内径が設定値以上である吸着ノズルが保持されている間の適宜の時期に目詰まり状態の検査を行えば、吸着ノズルを取り外すことなく、しかも、確実に目詰まり状態を検出することができる。もし、予め定められた条件が満たされた時点、例えば、フィルタ使用量が設定使用量を超えた時点、さらに具体的には、累積吸着回数が設定回数を超えた時点や、装着装置の累積運転時間が設定時間を超えた時点などに、未だ、一度も内径が設定値以上である吸着ノズルが保持されたことがないノズル保持部があった場合には、そのノズル保持部については、吸着ノズルを取り外して、そのノズル保持部に対応するフィルタの目詰まり状態を検査することが望ましい。
○フィルタを装着したままで清掃する方法(10)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタを清掃する方法であって、前記フィルタを前記電気部品保持装置に装着したままで、前記圧力供給装置から前記フィルタに向かう向きの空気の流れを生じさせて、フィルタの目詰まりを解消することを特徴とするフィルタ清掃方法。フィルタの目詰まりは、圧力供給装置により圧力供給通路に負圧が供給された際に、ちり等の異物がノズル保持部側から吸引され、フィルタの穴より大きい異物が主にフィルタのノズル保持部側の面に付着することによって生じるため、フィルタからノズル保持部に向かう向きの気流により少なくとも一部の異物を除去することができる。
(11)前記圧力供給通路の前記フィルタより前記圧力供給装置側の部分に正圧を供給することと、反対側の部分に負圧を供給することとの少なくとも一方により、前記圧力供給装置から前記フィルタに向かう向きの空気の流れを生じさせる(10)項に記載のフィルタ清掃方法。
(12)前記圧力供給装置から前記フィルタに向かう向きの空気の流れに脈動を生じさせる (10)項または(11)項に記載のフィルタ清掃方法。例えば、間欠的な圧力の供給により気流に脈動を生じさせることが可能であり、清掃の効果が高まる。
○フィルタを装着したままで目詰まり状態検査し、必要があれば清掃する方法(13)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタを清掃する方法であって、前記フィルタを前記電気部品保持装置に装着したままで、そのフィルタの目詰まりを検出する目詰まり検出工程と、その目詰まり検出工程においてフィルタの目詰まりが検出された場合に、そのフィルタを電気部品保持装置に装着したままで、目詰まりを解消する目詰まり解消工程とを含むことを特徴とするフィルタ清掃方法。前記 (1)項ないし(12)項のいずれかに記載の特徴は本項のフィルタ清掃方法にも採用することができる。全てのフィルタを清掃するのではなく、目詰まりしたフィルタだけを清掃することで、清掃にかかる時間を短縮し得る。
○フィルタ管理方法(14) (10)項ないし(13)項のいずれかに記載のフィルタ清掃方法と、そのフィルタ清掃方法の実行後にフィルタの目詰まり状態を検査する工程と、その検査工程において、前記フィルタ清掃方法の実行にもかかわらずフィルタの目詰まり状態が解消されていない場合には、そのフィルタを別のフィルタと交換するフィルタ交換工程とを含むフィルタ管理方法。前記 (1)項ないし(9)項のいずれかに記載の特徴は本項のフィルタ管理方法にも適用することができる。清掃後に検査を行うことにより、清掃の効果が得られない使用限度を超えた目詰まりフィルタがあれば、そのフィルタを正常なものと交換することによりその後の吸着ミスの発生を防止することができる。
○目詰まり検査プログラム(15)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタの目詰まりを自動で検査するためにコンピュータにより実行される目詰まり検査プログラムであって、前記フィルタが前記電気部品保持装置に装着された状態でそのフィルタを通過する空気の流れを生じさせる空気流生成ステップと、前記空気の流れに対する前記フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定ステップとを含むことを特徴とする目詰まり検査プログラム。前記(2)項ないし(9)項のいずれかに記載の特徴は本項の目詰まり検査プログラムにも採用可能である。後述する(18)項ないし(28)項のいずれかに記載の技術的特徴は本項の目詰まり検査プログラムにも採用可能である。
○フィルタ清掃プログラム(16)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタを自動で清掃するためにコンピュータにより実行されるフィルタ清掃プログラムであって、前記フィルタが前記電気部品保持装置に装着された状態で前記圧力供給装置からそのフィルタに向かう向きの空気の流れを生じさせる目詰まり状態解消ステップを含むことを特徴とするフィルタ清掃プログラム。(11)項ないし(14)項のいずれかに記載の特徴は本項のフィルタ清掃プログラムにも採用可能である。後述する(29)項ないし(32)項のいずれかに記載の技術的特徴は本項のフィルタ清掃プログラムにも採用可能である。
(17)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタの目詰まりを自動で検査し、目詰まりが検出された前記フィルタを自動で清掃するためにコンピュータにより実行されるフィルタ清掃プログラムであって、前記フィルタが前記電気部品保持装置に装着された状態でそのフィルタを通過する空気の流れを生じさせる空気流生成ステップと、前記空気の流れに対する前記フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定ステップと、前記フィルタが前記電気部品保持装置に装着された状態で前記圧力供給装置からそのフィルタに向かう向きの空気の流れを生じさせる目詰まり状態解消ステップとを含むことを特徴とするフィルタ清掃プログラム。前記(2)項ないし(14)項のいずれかに記載の方法の各工程を自動で行うプログラムを作成することが可能である。後に示す(18)項ないし(32)項に記載の特徴は本項のフィルタのメンテナンス・プログラムにも採用可能である。以上の検査や清掃等の方法を実施する各プログラムは、コンピュータにより読み取り可能な状態で記録媒体に記録される態様も本発明の一実施態様である。特に取り外し可能なもの(FD,CD−ROM,HD,MO等)に記録されることが望ましい。
○フィルタを装着したままで目詰まり状態を検査する装置(18)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置において、前圧力供給通路に圧力センサを設けるとともに、その圧力センサの検出値に基づいて前記フィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定装置を接続したことを特徴とする電気部品保持装置。圧力供給通路は、圧力供給装置の外部のみを意味せず、圧力供給装置内部の圧力源にまでつながっているものとする。本項ないし(28)項に係る電気部品保持装置は、前記(2)項ないし(9)項のいずれかに係るフィルタの目詰まり状態検査方法の実施に好適なものである。
(19)前記圧力センサが、前記フィルタと前記圧力供給装置との間の前記圧力供給通路と、前記フィルタと前記ノズル保持部との間の前記圧力供給通路との少なくとも一方に設けられた(18)項に記載の電気部品保持装置。フィルタとノズル保持部との間に圧力センサが設けられる場合は、圧力センサから外気までの圧力供給通路の長さがある程度確保されていることと、圧力センサから外気までの圧力供給通路に適度な通気抵抗が存在していることとの少なくとも一方の条件が満たされていることが望ましい。例えば、ノズルの内径が設定内径以上である吸着ノズルが装着されている場合などである。
(20)前記圧力供給通路に設けられ、その部分を必要に応じて遮断する開閉弁を含む(18)項または(19)項に記載の電気部品保持装置。開閉弁の連通・遮断により急激な圧力差の発生・消滅や気流の脈動等が可能となる。
(21)前記圧力供給通路が複数に分岐させられ、それら分岐部の各々に前記ノズル保持部および前記フィルタが互いに直列に設けられた(18)項ないし(20)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。
(22)前記圧力供給通路が複数に分岐させられ、それら分岐部の各々に前記ノズル保持部,前記フィルタおよび前記開閉弁が互いに直列に設けられた(18)項ないし(20)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。圧力センサを圧力供給装置と圧力供給通路の分岐との間に設けることにより、1つの圧力センサで複数のフィルタに対する検査を行うことが可能となる。
(23)前記圧力供給装置が前記圧力供給通路に負圧および正圧を個別に供給可能なものである(18)項ないし(22)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。
(24)前記フィルタに対して前記圧力供給装置と反対側において、前記電子部品保持装置と接続可能な負圧供給装置を含む(18)項ないし(23)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。
(25)前記目詰まり状態判定装置が、前記圧力供給装置により前記圧力供給通路に圧力が供給されている状態で前記圧力センサの検出値から求められる圧力関連量としきい圧力関連量との比較によって前記フィルタの目詰まり状態を判定するしきい圧力関連量依拠判定部を含む(18)項ないし(24)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。
(26)前記目詰まり状態判定装置が、前記圧力供給装置により前記圧力供給通路に負圧が供給されている状態で前記圧力センサの検出値から求められる負圧関連量としきい負圧関連量との比較によって前記フィルタの目詰まり状態を判定するしきい負圧関連量依拠判定部を含む(18)項ないし(25)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。
(27)前記目詰まり状態判定装置が、前記圧力供給装置により前記圧力供給通路に正圧が供給されている状態で前記圧力センサの検出値から求められる正圧関連量としきい正圧関連量の比較によって前記フィルタの目詰まり状態を判定するしきい正圧関連量依拠判定部を含む(18)項ないし(26)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。
(28)前記フィルタの前後の圧力差を急変させる圧力差急変装置を含み、かつ、前記目詰まり状態判定装置が、その圧力差急変装置により前記圧力差が急変させられた場合における前記圧力供給通路内の圧力変化速度に基づいて、フィルタの目詰まり状態を判定する圧力変化速度依拠判定部を含む(18)項ないし(27)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。圧力差急変装置としては、複数の圧力源を備えた圧力供給装置,開閉弁,絞り弁,方向切換弁などが挙げられる。また、それらを組み合わせても良い。圧力差急変装置により、圧力を十分急激に変化させることで圧力供給通路の圧力変化速度に基づくフィルタの目詰まり状態の判定を行い易くなる。
○フィルタを装着したままで清掃する装置(29)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、前記圧力供給通路に設けられたフィルタとを含む電気部品保持装置において、前記圧力供給通路に、前記圧力供給装置側より前記ノズル保持部側が低く、かつ、前記フィルタの目詰まりを解消するに十分な大きさの圧力差を生じさせる圧力差発生装置を設けたことを特徴とする電気部品保持装置。本項ないし(32)項に係る電気部品保持装置は、前記(10)項ないし(12)項のいずれかに係るフィルタの目詰まり状態検査方法の実施に好適なものである。
(30)前記圧力差発生装置が、前記圧力供給通路に正圧を供給することが可能な圧力供給装置を含む(29)項に記載の電気部品保持装置。
(31)前記圧力差発生装置が、前記フィルタに対して前記圧力供給装置と反対側において、前記電子部品保持装置と接続可能な負圧供給装置を含む(29)項または(30)項に記載の電気部品保持装置。フィルタに対して圧力供給装置と反対側に負圧を供給することにより、気流によりフィルタから除去された異物の飛散を防止でき、負圧供給装置手前の圧力供給通路に別のフィルタを設ければ、除去された異物を捕集することが可能となる。また、フィルタの前後に発生する圧力差を大きくすることができる。
(32)前記圧力供給装置から前記フィルタに向かう向きの空気の流れに脈動を生じさせる脈動発生装置を含む(29)項ないし(31)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。気流の脈動を生じさせる手段としては、例えば圧力の供給と停止とを繰り返す制御、圧力供給通路の一部を連通,遮断する開閉弁、圧力供給装置の複数の圧力源と圧力供給通路との接続を切り換える方向切換弁、圧力供給通路と外気との連通,遮断を選択可能な通気口などが挙げられる。
○フィルタを装着したままで検査や清掃を行う装置(33)前記圧力供給通路に、前記圧力供給装置側より前記ノズル保持部側が低く、かつ、前記フィルタの目詰まりを解消するに十分な大きさの圧力差を生じさせる圧力差発生装置を含む(18)項ないし(28)項のいずれかに記載の電気部品保持装置。本項に係る電気部品保持装置には、(30)項または(31)項に記載の圧力差発生装置や(32)項に記載の脈動発生装置が採用可能である。本項に係る電気部品保持装置は、前記(2)項ないし(14)項のいずれかに係るフィルタの目詰まり状態検査やフィルタの清掃方法の実施に好適なものである。フィルタの検査が可能な装置に、圧力供給装置からフィルタに向かう向きの気流を発生させる装置を設ければ、検査と清掃とを必要に応じて適宜行うことが可能となる。
(34)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、吸着ノズルを経て吸入される外気に含まれる異物を除去するフィルタとを含む電気部品保持装置において、前記圧力供給通路に圧力センサを設けるとともに、その圧力センサの検出値に基づいて前記フィルタの目詰まり状態を判定する目詰まり状態判定装置を接続したことを特徴とする電気部品保持装置。前記(19)項ないし(28)項,(33)項のいずれかに記載の特徴は本項の電気部品保持装置にも適用可能である。本項に(22)項が従属する形態においては、圧力供給装置側から開閉弁,ノズル保持部,フィルタの順に直列に設けられた電気部品保持装置も含まれる。本項に記載の電気部品保持装置は、前記(2)項ないし(9)項のいずれかに係るフィルタの目詰まり状態検査方法の実施に好適なものである。フィルタが圧力供給装置とノズル保持部との間の圧力供給通路に設けられても良く、吸着ノズルや吸着管に設けられても良い。
(35)吸着ノズルを保持するノズル保持部と、そのノズル保持部に圧力供給通路を経て圧力を供給する圧力供給装置と、吸着ノズルを経て吸入される外気に含まれる異物を除去するフィルタとを含む電気部品保持装置における前記フィルタの目詰まりを検査する方法であって、前記フィルタを前記電気部品保持装置に装着したままで、そのフィルタを通過する空気の流れを生じさせ、フィルタの通気抵抗に基づいてフィルタの目詰まり状態を検査することを特徴とするフィルタの目詰まり検査方法。前記(2)項ないし(6)項,(8)項のいずれかに記載の特徴は本項のフィルタ目詰まり検査方法にも適用可能である。
【0007】以上に述べた(1)項ないし(35)項の各々は、フィルタの目詰まり検査や清掃を目的としているが、後に実施形態において例を示すように、それらを採用してフィルタの目詰まりと吸着ノズルの詰まりとの検査と清掃との少なくとも一方を実施することができる。電気部品の吸着能力低下の主な原因は、フィルタの目詰まりと吸着ノズルの詰まりとの少なくとも一方であるため、それらを検査または清掃することはそれぞれ電気部品保持装置の吸着能力の検査または維持につながる。よって、(1)項ないし(35)項の各々は、フィルタの検査や清掃に限らず、単独または複数の特徴を組み合わせて、電気部品保持装置の吸着能力の維持を図る検査と清掃との少なくとも一方を含むメンテナンス方法,メンテナンス・プログラム,メンテナンス装置として考えることもできる。
【0008】<実施形態・ハード構成>本発明の一実施形態である電子部品装着システムを図1に示す。図において符号10はシステム本体としてのベースを示す。ベース10上には、回路基板の一種であるプリント配線板14を搬送する配線板コンベヤ16、プリント配線板14を水平に保持する基板保持装置としての配線板保持装置18、プリント配線板14に電気部品の一種である電子部品20(図3参照)を装着する部品装着装置22および部品装着装置22に電子部品20を供給する部品供給装置24,26等が設けられている。
【0009】部品装着装置22には、複数(図示の例においては3つ)で1組の部品装着ユニット30およびそれら部品装着ユニット30を水平移動させるXYロボット32が備えられている。XYロボット32は、図1および図2に示すように、ベース10上にY軸方向に移動可能に設けられたY軸スライド34と、Y軸スライド34を移動させるY軸スライド移動装置36と、Y軸スライド34上にX軸方向に移動可能に設けられたX軸スライド38と、X軸スライド38を移動させるX軸スライド移動装置40とを含む。1組の部品装着ユニット30はXYロボット32により、XY座標面内の任意の位置へ移動させられて、部品供給装置24または26から供給される電子部品20を吸着により保持して搬送し、プリント配線板14の表面42(図3参照)に装着する。
【0010】1組の部品装着ユニット30は、X軸スライド38上にX軸方向に平行に一列に並んで設けられている。これら部品装着ユニット30の構成は同じであり、1つを代表的に説明する。部品装着ユニット30は、図3に示すように、吸着ノズル50を着脱可能に保持するノズルホルダ56と、そのノズルホルダ56を前記水平なXY座標面に直角な方向である垂直方向に移動させるホルダ昇降装置58とを含む。
【0011】本電子部品装着システムにおいては、電子部品20の装着時には、複数の吸着ノズル50のうちの少なくとも1つが電子部品20を吸着して装着する。複数のノズルホルダ56には、種類が同じあるいは異なる複数の吸着ノズル50がそれぞれ1個ずつ保持される。
【0012】図4に示すように、ノズルホルダ56はアダプタ60を介して吸着ノズル50を保持する。アダプタ60は、保持軸62の下端部に設けられたノズルホルダ56に形成された嵌合穴64に軸方向に相対移動可能に嵌合されており、複数の保持部材66(図3には代表的に1個のみ図示)の各係合突起68が係合部70に係合することにより保持されるとともに、付勢装置の一種である弾性部材であって、ばね部材たる圧縮コイルスプリング71により、ノズルホルダ56から下方に突出する向きに付勢されている。ノズルホルダ56には保持軸62の軸線に平行に延びる複数の切欠72が等角度間隔に形成されている。前記複数の保持部材66の各々は、それら切欠72に回動可能に嵌合されるとともに、突部74が切欠76へ嵌入させられ、かつ、ノズルホルダ56に巻き付けられたリング状のばね部材78により中心方向へ付勢されることによってノズルホルダ56に保持されている。
【0013】吸着ノズル50は、係合部材としての係合レバー90により、固定解除操作なしには離脱不能にアダプタ60に装着される。アダプタ60には、図5に示すように、保持軸62の軸線に平行に延びる切欠92が形成されている。係合レバー90はその切欠92に嵌合されるとともに、係合レバー90の突部94がアダプタ60に形成された切欠96に嵌入し、かつ、アダプタ60に巻き付けられたリング状のばね部材98により中心方向へ付勢されることによってアダプタ60に保持される。係合レバー90の下部には、アダプタ60の軸線側へ突出する係合突部100が一体に形成されており、吸着ノズル50の円環状の係合溝102に係合する係合位置にあるロック状態において、吸着ノズル50がアダプタ60から離脱することを防止する。
【0014】吸着ノズル50は、吸着管保持体110およびその吸着管保持体110に保持された吸着管112を有している。吸着管保持体110は、図5および図6に示すように、テーパ外周面116を有するテーパ軸部118を備え、アダプタ60に設けられたテーパ内周面120を有するテーパ穴122に嵌合されるとともに、ばね部材126によりアダプタ60に保持されている。ばね部材126は、平行に向かい合う一対のアーム部とそれらアーム部の基端同士を連結する連結部とを有してコの字形をなしており、コの字の平行に向かい合う一対のアーム部の中央部が、図6に示すように、アダプタ60に形成された一対の切欠134を貫通し、吸着管保持体110のテーパ面138に係合している。テーパ面138は、吸着管保持体110の円環状の係合溝102の開口の上縁に形成され、下方に向かうに従って吸着管保持体110の軸線に近づく向きに傾斜させられており、ばね部材126のアーム部とテーパ面138との係合により、吸着管保持体110が斜面の効果でテーパ穴122内に引き込まれて位置決めされる。アダプタ60のテーパ穴122を形成する部分が、吸着ノズル50を保持するノズル保持部140を構成しており、このノズル保持部140内の空間は、テーパ内周面120とテーパ外周面116との密着により気密性が保たれている。
【0015】<フィルタ>前記アダプタ60のテーパ穴122の上方に続いた穴であるフィルタ設置穴150の上部に板状のフィルタ152が水平に設けられている。フィルタ152はフィルタ設置穴150の上部に嵌合され、その下側にリング状のフィルタ押さえ154がフィルタ設置穴150にしまり嵌合されることによって固定される。フィルタ152は厚さ数百μm以下の金属板であり、空気透過面に円相当径が数百μm以下の穴(形状は問わないが、本実施形態では正方形の穴)が多数、均一に形成されている。
【0016】フィルタ押さえ154の一部を鉛直方向に切断するようにスリット156が設けられており、フィルタ押さえ154の水平断面形状がアルファベットのC状にされ、フィルタ押さえ154の外径が弾性的に変化することが可能となっている。フィルタ設置穴150の内径よりもわずかに大きな外径を持つフィルタ押さえ154が、円周が減少するように弾性変形させられた状態でフィルタ設置穴150に嵌合させられることにより、フィルタ設置穴150から容易に離脱しないようにされている(図5)。フィルタ押さえ154には、離脱時に離脱方向の力を作用させるための係合面である円環溝157が設けられている。
【0017】前記ノズルホルダ56の前記嵌合穴64につながる前記保持軸62の中央にある穴158は(図4)、吸着ノズル50とは反対の側から圧力が供給される通路であり、前記アダプタ60の中央を鉛直方向に貫通するよう設けられた穴159およびフィルタ押さえ154のスリット156を通してノズル保持部140内の空間と気体の通路でつながっており、吸着ノズル50の装着状態ではそのノズル保持部140内の空間が吸着管112を鉛直方向に貫通する穴を通して外気と連通する。電子部品20吸着時に吸着管112より吸引される外気はアダプタ60の穴159へ流れる前にフィルタ152を通過し、フィルタ152の網目よりも大きな異物は捕集される。
【0018】<実施形態回路図>図7に本実施形態の回路図を示す。本装置には、圧力供給装置160の各圧力源によって発生させられた圧力を供給すべきヘッド部(各々フィルタ152およびノズル保持部140を含む)が3組設けられ、それら3組のヘッド部それぞれに異なる圧力が独立に供給可能なように各圧力源,複数の方向切換弁,複数の開閉弁および3組のヘッド部が、圧力を供給するための気体の通路である圧力供給通路によって接続されている。まず、1組のヘッド部に各種の圧力を供給するための構成について説明する。圧力供給装置160は、圧力源として、正圧供給装置162,大気開放口164および第1負圧供給装置166を備えている。正圧供給装置162および第1負圧供給装置166内には圧力制御弁および流量制御弁が設けられており(図示省略)、常に安定した圧力を供給することが可能とされている。正圧供給装置162から供給される正圧が供給される圧力供給通路は2本に分岐し、一方には減圧されない第1正圧が供給され、他方には減圧された第2正圧が供給される。そのために、他方の圧力供給通路には圧力調整弁170および可変絞り172が直列に接続されており、2つの正圧のどちらかが方向切換弁174により選択されるようになっている。
【0019】第1負圧供給装置166と大気開放口164とのいずれかが方向切換弁176により選択され、方向切換弁178と接続される。方向切換弁178は、正圧供給装置162から供給される正圧と、第1負圧供給装置166または大気開放口164から供給される負圧または大気圧とを選択し、開閉弁180を経てヘッド部に供給する。
【0020】次に、3組のヘッド部に各種の圧力を独立に供給するための構成について説明する。開閉弁180,方向切換弁178および方向切換弁176が3組設けられ、第1負圧供給装置166につながる1本の圧力供給通路,大気開放口164につながる1本の圧力供給通路および前記方向切換弁174につながる1本の圧力供給通路は、それぞれ3本に分岐し、1つのヘッド部の場合に上述したように接続される。第1負圧供給装置166からの圧力供給通路の分岐点前の部分に可変絞り182が設けられている。この可変絞り182および前記可変絞り172が設けられている理由、ならびに可変絞り172,182の設定については後に詳述する。大気開放口164からの圧力供給通路の分岐点前の部分にフィルタ184が設けられている。フィルタ184はフィルタ152と同等以上の濾過機能を有し、濾過面積が十分大きなものであれば、いかなるものでもよい。方向切換弁178は3系統のヘッド部につながる3つの開閉弁180とそれぞれ1対1で接続され、前記3組のヘッド部においてはフィルタ152およびノズル保持部140が直列に接続されている。可変絞り172と方向切換弁174の間の圧力供給通路に圧力測定点Ppが、可変絞り182と圧力供給通路の分岐点との間に圧力測定点Pnが、フィルタ152とノズル保持部140との間の圧力供給通路に圧力測定点Pfが設定されている。圧力測定点Pp,PnおよびPf(以後、それぞれを測定点Pp,PnおよびPfと略記する)には、圧力センサPp200,Pn202およびPf204が設けられている。圧力センサPf204は、図6に示すように、ノズルアダプタ60の側部に設けられており、圧力センサPf204の設置空間とテーパ穴122とが穴210によって接続されている。前記フィルタ押さえ154は前述のようにスリット156が形成されており、圧力センサPf204にはこのスリット156を経てフィルタ152下部空間の圧力が供給される。前記フィルタ押さえ154がフィルタ設置穴150に嵌合される際には、スリット156と穴210との距離が近い方が望ましく、また、スリット156の位置が常に同じであることが望ましい。
【0021】<ノズル収容装置>電子部品装着システムの吸着ノズル50の交換領域が、図1の配線板保持装置18と電子部品供給装置26との間に設定されており、保持具収容装置としての吸着ノズル収容装置214(以後、ノズル収容装置と略記する。)が設けられている。XYロボット32およびホルダ昇降装置58によって部品装着ユニット30が移動させられ、ノズル収容装置214の所定の収納位置に吸着ノズル50が収納され、あるいは所定の収納位置から吸着ノズル50が自動的に取り出される。
【0022】本電子部品装着システムは、図7に示すように、前記第1負圧供給装置166とは別に第2負圧供給装置220を備えている。この第2負圧供給装置220内には圧力制御弁および流量制御弁が設けられており(図示省略)、常に安定した圧力を供給することが可能とされている。その第2負圧供給装置220の接続時に使用されるダミーノズル222および接続部224の1組を代表的に図8に示す。接続部224には鉛直方向の穴230があり、その穴230は接続部224の下方で開閉弁232(図7参照)と接続されている。接続部224上面には穴230の開口部の周りに閉曲線である円周に沿って溝234が設けられており、その溝234にはそれぞれ閉曲線である円周に沿ったシール部材であるOリング236がはめ込まれている。
【0023】ダミーノズル222には、吸着管112は設けられておらず、中央には鉛直方向の穴が設けられており、その穴の断面積は大径の吸着管112の中空部の断面積およびフィルタ152の総開口面積等よりも十分大きくされている。ダミーノズル222には、吸着ノズル50と同様の位置に係合溝102およびテーパ面138等が設けられ、吸着ノズル50と同様にアダプタ60を介してノズル保持部140に保持される。ダミーノズル222は、ノズル収容装置214に収納されており、吸着ノズル50と同様に自動的に着脱可能である。
【0024】以上に述べた穴230,円環状の溝234およびOリング236が、接続部224上面に3組設けられており、3つの穴230の配置が、3つのノズル保持部140に保持された3つのダミーノズル222の配置と等しいため、3つのノズル保持部140に保持された3つのダミーノズル222と同時に接続可能である。ダミーノズル222を保持したノズル保持部140が、接続部224に接続されることにより、3つのノズル保持部140と3つの開閉弁232が接続部224を介してそれぞれ1対1で接続される。3つの開閉弁232に個別につながっている3本の圧力供給通路が1本に集合し、その1本の圧力供給通路が容量の大きなフィルタ240を通過した後に第2負圧供給装置220に接続されている。なお、接続部224は通常の吸着ノズル50とも接続可能である。
【0025】前述のように、圧力供給装置160は3つの開閉弁180を経て3つの並列なヘッド部と接続され、各ヘッド部に正圧,負圧および大気圧を個別に供給する。吸着ノズル50は負圧により電子部品20を吸着するものであり、圧力供給装置160から圧力供給通路を通じて供給される圧力が、大気圧以上の圧力から負圧に切り換わると吸着ノズル50の吸着面242に電子部品20を吸着する吸着状態となり、圧力供給装置160から吸着ノズル50の通路内に供給される圧力が、負圧から大気圧以上の圧力に切り換わると吸着ノズル50から電子部品20を解放する解放状態となる。
【0026】<制御装置>フィルタの目詰まり状態検査および清掃は、電子部品装着システムの制御装置によって実行され、フィルタの検査・清掃制御に関係の深い部分のみを制御装置260として図9に示す。制御装置260は、PU(プロセッシングユニット))262,ROM(リードオンリメモリ)264,RAM(ランダムアクセスメモリ)266,入出力インタフェース268がバスラインにより接続されてなるコンピュータを備えている。入出力インタフェース268にはホストコンピュータ280が接続され、フィルタの目詰まり状態検査およびフィルタの清掃プログラムおよび各種の設定値がホストコンピュータ280に保存されており、フィルタの目詰まり状態等の検査およびフィルタ等の清掃プログラム実行時にRAM266に読み込まれる。
【0027】入出力インタフェース268の入力側には、入力装置282としてキーボードやマウス等が接続され、圧力センサPp200,Pn202およびPf204が接続される。入出力インタフェース268の出力側には駆動回路284を介して、X軸スライド移動装置40,Y軸スライド移動装置36,ホルダ昇降装置58,開閉弁180・232,方向切換弁174・176・178,可変絞り172・182,圧力調整弁170および表示装置286が接続されている。図9において、同種類の部品が複数存在する場合は1つの部品番号を代表的に示し、残りの番号は括弧内に示す。第1負圧供給装置166および正圧供給装置162のそれぞれの手前に接続された可変絞り182および172は、吸着ノズル50の脱着時または交換時に、ノズルの内径にあわせて予め設定されている絞り量に自動調節される。ノズルの内径とは、吸着ノズル50に設けられている吸着管112の内径を意味し、以後、ノズルの内径あるいはノズル内径と称する。目詰まり状態判定装置の主な構成要素であるしきい圧力関連量依拠判定部には、主に圧力センサPp200,Pn202,Pf204の少なくとも1つと制御装置260とが含まれる。
【0028】<検査・清掃制御プログラムのメインルーチン>主にフィルタの目詰まりおよびノズルの詰まり状態の検査および清掃を行う検査・清掃制御プログラムは電子部品装着システムの制御装置260によって、電子部品装着システムを制御するシステム制御プログラムや、システム制御プログラムの一部であってプリント配線板14へ電子部品20を装着するための部品装着装置制御プログラム等と共に、時分割で実行される。図10に検査・清掃制御プログラムのメインルーチンのフロチャート(以後、検査・清掃制御メインルーチンと略記)を示す。検査・清掃制御プログラムには主として、フィルタ目詰まりおよびノズルの詰まり状態監視(以後、目詰まり等監視と略記),フィルタ目詰まり状態検査(以後、目詰まり検査と略記),フィルタの清掃,フィルタ目詰まり状態等検査および清掃(以後、検査および清掃と略記),フィルタ目詰まりおよびノズルの詰まり清掃および状態検査(以後、清掃および検査と略記)の5つのモードがある。
【0029】検査・清掃制御メインルーチンのステップ1(以下S1と略記する。他のステップについても同様とする)においては、変数およびメモリの初期化,ノズル内径の読込み,各種のしきい値の読込み,各時間間隔の設定および下記モードの設定などが行われる。S2では目詰まり等監視モードの実行指示がONかOFFかが判断され、ONの場合、S3の目詰まり等監視ルーチンが実行された後、S4の処理が行われる。残りの4つのモードは、上記S1の初期設定においては自動的に非選択状態に設定されるが、自動設定の終了後、表示装置286にオペレータがいずれかのモードの設定を希望するか否かを問い合わせる表示、および希望する場合の設定操作ガイドが表示され、その表示に応じてオペレータが設定操作を行えば、いずれか1つのモードが設定される。その結果、S4,5,6,7のいずれかの判定がYESとなり、対応するモードのステップ(それぞれS8,9,10,11)が実行される。上記の処理が行われた後S12が実行され、再び処理がS2から実行される。
【0030】各モードの選択はS1の初期設定で行われるが、S12にて各種フラグの状態が確認されており、モード選択が変更可能である。各モードの選択はコンピュータ画面上で行われ、図示は省略するが画面にはマウスでクリックされることによりON・OFFの状態が切り換えられるスイッチの画像が複数と、各スイッチの名称および説明とが表示されている。各モードそれぞれに対応するスイッチの画像があり、そのスイッチがONにされるとそれぞれのモードに対応するフラグがONにされ、図10検査・清掃制御メインルーチンの条件分岐で前記フラグに対応するモードの判定がYESとなる。
【0031】「フィルタの清掃」,「検査および清掃」および「清掃および検査」モードにおいて、初期状態では処理対象のヘッド部が自動的に選択されるが、オペレータにより処理対象のヘッド部が直接選択される場合もある。各ヘッド部1〜3に対応するスイッチである3つの処理対象選択ボタン1〜3のうち1つ以上がON状態にされると、そのON状態の処理対象選択ボタンに対応するヘッド部が処理される。前記処理対象選択ボタンに対応するフラグはX1〜3であり、処理対象選択ボタンがON状態にされると対応するフラグX1〜3がON状態にされ、後に出てくる処理で使用される。
【0032】<1.目詰まり等監視>電子部品20は、第1負圧供給装置166からノズル保持部140に負圧が供給され、吸着管112より外気が吸入されて吸着面242に生じる吸引力により吸着される。電子部品の吸着動作において、吸着ノズル50が部品の鉛直上方から下降させられるが、吸着ノズル50先端である吸着面242が電子部品20上面に接触した後速やかにその電子部品吸着に必要な吸引力を発生させるため、吸着面242が電子部品上面に接触する位置より少し手前にある時期に負圧の供給が開始される。
【0033】このように、本実施形態の電子部品装着システムは負圧による吸引力により電子部品20を吸着するため、大気中やプリント配線板14上面などに存在するダスト等の異物の吸入は避けられず、それら異物のうち微少なもの以外は、圧力供給通路を通じて開閉弁180等に侵入しないようフィルタ152が設けられている。フィルタ152には円相当径が数百μmまたはそれ以下のほぼ均一な大きさの穴が多数設けられており、吸入された異物の微少なもの以外は上記のフィルタ152に設けられた穴を通過できず、主にフィルタ152の吸着ノズル50側の面、本実施例の場合は下側の面(以後、フィルタ152下面と称する)、に付着し、捕集される。なお、フィルタ152下面に付着した異物に微少な異物が付着し、捕集されることもある。
【0034】フィルタ152に付着した異物の量が増加してくると、吸入された外気が通過するフィルタ152の実質的な開口面積が減少する結果、フィルタ152の通気抵抗が増大し、外気吸入流量が減少するとともに、電子部品20の吸引力も低下し、電子部品20吸着時に電子部品20が保持されない吸着ミスなどが発生する要因となる。この現象をフィルタの目詰まりと称する。吸着ノズル50の吸着管112内部に異物が付着しても電子部品20の吸引力が低下し、吸着ミスなどが発生する要因となる。この現象を吸着ノズルの詰まり(以後、ノズルの詰まりと略記する)と称する。吸引力の低下は装着作業中に進行するため、吸着ミスなどが装着作業中に発生する前に吸引力の低下を招くフィルタの目詰まりやノズルの詰まりが、フィルタ152や吸着ノズル50が装着されたままで検出されれば装着作業上のミスが減少し、フィルタ152や吸着ノズル50が適正な時間使用可能になるため、消耗部品コストやメンテナンス労力の低減等の効果が得られる。
【0035】S3の目詰まり等監視処理は前記目詰まり検出工程に該当する処理の1つであり、電子部品装着システムが電子部品装着作業(以下装着作業と略記する)の実行中にフィルタ152の目詰まり等を検査するための処理である。この処理は、1群の電子部品20の装着が終了し、新たな1群の電子部品20を吸着するために、部品装着ユニット30が電子部品を保持せずに部品供給装置24または26上へ移動する電子部品不保持移動(以下、不保持移動と略記する)の間に行われる。そのため、電子部品の装着作業を制御する部品装着装置制御プログラムにおいて、不保持移動の開始時に検査の実行を許可する許可フラグがONとされ、それに応じて後述されるフィルタ目詰まり等を検出する処理が実行される。
【0036】<電子部品装着フロー概要>システム制御プログラムの一部である部品装着装置制御プログラムのフロチャートを図11に示す。S21で許可フラグがOFFにリセットされる。S22の処理で電子部品20が吸着され、S23の処理で吸着された電子部品20がプリント配線板14表面の所定の位置に装着される。その後、S24で許可フラグがONにセットされ、図示は省略するが、電子部品装着システム全体を制御する上位ルーチンに処理が戻った後、再び本部品装着装置制御プログラムの実行が開始されてS21で許可フラグがリセットされるまで許可フラグのON状態が維持される。S3の目詰まり等監視処理においては、本許可フラグによって目詰まりを検出するタイミングが決定される。
【0037】S3の目詰まり等監視処理におけるフィルタ152および吸着ノズル50の監視は、前記フィルタの目詰まりおよびノズルの詰まりの少なくとも一方の状態では、フィルタ152および吸着ノズル50が正常な状態と比較して、圧力供給通路の少なくとも1つの圧力測定点における圧力に関連した物理量である圧力関連量が変化することに基づいている。そのため、本実施形態においては、負圧の供給が開始されて一定時間後(時間T2後、後に説明する。)のまだ圧力の変化が完了していない過渡的な状態の測定点PnおよびPfにおける負圧値である過渡負圧PnaおよびPfaが測定され、予め設定された複数のしきい値であるしきい過渡負圧とその過渡負圧とが比較されてフィルタ152または吸着ノズル50等の状態が推測される。測定点の圧力が変化途中であれば、その状態で測定された圧力を過渡状態圧力と称する。そして、圧力変化が開始されてから一定時間後であって圧力変化が完了していない時期に測定された圧力が過渡状態における圧力であり、この過渡圧力が圧力変化速度に基づく値の一例である。なお、過渡状態における負圧を過渡負圧と称する。
【0038】<目詰まり等監視>図10におけるS3の目詰まり等監視ルーチンを図12に示す。目詰まり等監視ルーチンは電子部品装着システムにより装着作業が行われている間に実行され、装着作業が停止中であれば実行されない。そのため、S31で運転状態が確認され、装着作業中であれば次の処理S32が実行される。装着作業中でない場合は制御が検査・清掃制御メインルーチンに移行し、S4を始めとする処理が進められた後再びS3の目詰まり等監視ルーチンが実行される。S32ではフラグF1が分岐条件となり、初期設定でフラグF1がOFFとされているため判定はNOとなり、S33が実行される。S33の検査ルーチンでは検査対象となるN番目のヘッド部−N(変数Nは1,2,3のどれか)に負圧が供給され、吸着ノズル50から外気が吸引されている状態における測定点PfおよびPnの負圧測定値からフィルタ152または吸着ノズル50の状態が判定される。この処理については後に詳述する。S34にて変数Nが1増加させられ、S35で変数Nが3以下の場合は検査・清掃制御メインルーチンに移行した後、再度S33が実行される。変数Nはヘッド部−1〜3の番号を表し、初期値は1である。変数Nの値が1,2,3と増加させられてS33が計3回実行されることはヘッド部−1から3まで順に検査されることを意味する。S33の検査ルーチンが変数Nの値が3で実行され、3つで1セットのヘッド部の検査が終了すると、S34にて変数Nの値が4となるためS35の判定がYESとなり、S36が実行されて変数Nが1にリセットされる。
【0039】S37でタイマ1が0からスタートさせられ、そのタイマ1の値がT1未満の間はS38の判定がNOとなり、フラグF1がONにされてから(S39)検査・清掃制御メインルーチンに移行し、次の処理からS32の条件分岐によりS33〜37がパスされる。タイマ1の値がT1以上になるとS40でフラグF1がOFFにされ、S41の終了処理後に検査・清掃制御メインルーチンに戻る。以上のような処理でヘッド部−1〜3を1セットとした検査がT1間隔で行われる。そのT1を検査実行間隔と称するが、その検査実行間隔T1に0または十分微少な値が設定された場合、部品装着と部品吸着の間の不保持移動毎に3つのヘッド部が順次1つずつ検査される。
【0040】<目詰まり等監視・検査ルーチン>図12におけるS33の検査ルーチンを図13に示す。本ルーチンによる検査処理は、許可フラグがOFFからONにされた時点で速やかに開始されることが望ましく、許可フラグがOFFになる寸前等では検査処理が開始されないことが望ましい。そのため、S51〜S55において、本検査ルーチンの実行開始時に許可フラグが既にON状態であった場合は検査処理が開始されず、許可フラグがOFFからONに切り換えられた直後に検査処理が実行されるようにされている。
【0041】本検査ルーチンの実行開始時に、許可フラグがON状態であれば、S51で判定がYESとなり、S52ではフラグF2が最初OFFのため判定がNOとなりS53が実行される。フラグF3は初期設定においてOFF状態にされているためS53の判定はYESとなり、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行され、その後再び検査ルーチンが実行された際に許可フラグがON状態であっても、フラグF3がOFF状態である限り検査・清掃制御メインルーチンに移行される。そして、許可フラグがOFFにされると、S51でNOの判定がなされ、S54でフラグF3がONにされて処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。そのため、次に本検査ルーチンの実行開始が開始された際には、フラグF3がON状態であるのでS53の判定がNOとなり、S56が実行される。
【0042】S56において、RAM266に記憶されている可変絞り182の設定値と、検査対象のヘッド部に装着されている吸着ノズル50の内径に適した設定値とが等しいかどうか判定され、等しくなかった場合に判定がNOとなり、S57が実行される。S57の可変絞り調節処理では、上記吸着ノズル50の内径に適した可変絞り182の設定値が選択され、入出力インタフェース268から駆動回路284に信号が出力され、可変絞り182が自動的に設定される。この、可変絞り182の設定については後に詳述する。可変絞り182が調節された後、設定値がRAM266に記憶され、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。
【0043】S56の判定がYESの場合はS58が実行され、その後S55にてON状態であったフラグF3がOFFにリセットされる。フラグF3がOFF状態になると一旦許可フラグがシステム制御プログラムによってOFF状態にされ、S54においてフラグF3がON状態にセットされるまではS53の判定によって処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。以上のような処理によって許可フラグがOFF状態からON状態に切り換わった時に検査処理が実行される。本実施形態においては、この処理によって装着と吸着の間の不保持移動毎に1つずつのヘッド部の検査が行われるのであるが、不保持移動時間と検査にかかる時間のバランスによっては、1回の不保持移動の間に複数のノズルが検査されるようにすることも可能である。
【0044】S58の負圧供給準備ルーチンでは、第1負圧供給装置166と検査するヘッド部−N(変数N=1,2,3のどれか)に対応する閉状態の開閉弁180−N(変数N=1,2,3のどれか)とが接続され、開閉弁180−Nが開かれた時に直ちに負圧がヘッド部に供給される状態とされる。この処理については後に詳述する。S59〜S62の処理で、開閉弁180−Nが開かれて時間T2後に圧力センサPn202およびPf204によって負圧値が測定される。すなわち、入出力インタフェース268から変数Nの値に対応する駆動回路284に信号が出力され、開閉弁180−Nが開かれる(S59)。S58で負圧が準備され、S59で開閉弁180が開かれることにより気流が発生し、主にこの2つのステップが本目詰まり等監視モードにおける空気流生成ステップとなる。その後すぐにタイマ2が0からスタートさせられ(S60)、タイマ2のカウント時間が監視され、開閉弁180−Nが開かれてからの時間が時間T2と等しいかまたはわずかに越えた時点で判定がYESとなり(S61)、開閉弁180が開かれてから時間T2後の測定点PnおよびPfにおける過渡的な状態の負圧測定値である過渡負圧PnaおよびPfaが圧力センサPn202およびPf204によって測定され(S62)、その結果に基づいてノズルの詰まり状態を判定する目詰まり等状態判定1(S63)が行われる。
【0045】本目詰まり等監視モードにおける目詰まり状態判定ステップであるS63の目詰まり等状態判定1では、装着されている吸着ノズル50およびフィルタ152が正常な状態と、吸着ノズル50の詰まりまたはフィルタ152の目詰まりの少なくとも一方の状態とでは、開閉弁180−Nが開かれてから測定点PnまたはPfの少なくとも一方の負圧の値および変化速度が異なることに基づき、予め設定されたしきい値と比較することにより吸着ノズル50やフィルタ152の状態が推測される。この処理については後に詳述する。
【0046】なお、装着された吸着ノズル50の内径が小さい場合、吸着ノズル50の通気抵抗の影響が、フィルタ152の通気抵抗による影響に対して無視できない大きさとなり、フィルタ152の目詰まり状態が正確に検出されにくい。そのため、吸着ノズル50の内径によって異なる判定法が用いられ、装着されている吸着ノズル50の内径が、予め設定されたしきい値であるノズル内径しきい値Ds(以後、しきい値Dsと略記。)未満の場合はノズルの詰まりのみ判定され、装着されている吸着ノズル50の内径がしきい値Ds以上の場合はノズルの詰まりおよびフィルタの目詰まりの両方が判定される。
【0047】S64では、S57において検査対象のヘッド部に装着された吸着ノズル50の内径に合わせて設定されていた可変絞り182が元の状態に戻され、設定値が記憶される。通常、可変絞り182は内径が最大の吸着ノズル50に合わせて設定されている。その後、フラグF2がOFFにリセットされ(S65)、負圧の供給が停止され(S66)、処理はフィルタ152の目詰まり等監視ルーチンに戻る。S61では、タイマ2の値が時間T2未満の場合判定がNOとなり、S67でフラグF2がONにされ、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行される。その後、本検査ルーチンが実行されるとS52の条件分岐で判定がYESとなり、S53〜S60の処理がパスされる。
【0048】<目詰まり等監視・負圧供給準備>図13におけるS58の負圧供給準備ルーチンを図14に示す。最初はフラグF4がOFF状態であるためS71の判定がNOとなり、S72が実行される。対象となるヘッド部−Nに対応する開閉弁180−Nが閉じられてから(S72)、同じく対象となるヘッド部−Nに対応する方向切換弁176−NがONにされて大気開放口164から第1負圧供給装置166へと接続が切り換えられ(S73)、負圧が開閉弁180−Nの手前まで供給される。方向切換弁176−NがONにされると、圧力測定点Pnの圧力が短時間ではあるが若干不安定になる。
【0049】検査時に安定した負圧が供給されるように、以下の処理で一定時間開閉弁180−Nが閉じられたままの密閉状態が保持される。そして、供給する負圧が安定するまでに必要な時間である供給負圧安定化時間T3が経過すると、安定した状態の圧力である密閉時圧力を取得すべく、測定点Pnの密閉時負圧Pncが測定される。タイマ3が0からスタートさせられ(S74)、タイマ3の値がT3未満の場合はS75にてNOの判定となりフラグF4がONにされて(S76)検査・清掃制御メインルーチンに移行する。次にこの負圧供給ルーチンが実行される場合は、S71の条件分岐で判定がYESとなるため、S72〜74の処理はパスされる。タイマ3の値がT3以上となってS75の判定がYESとなる時点では負圧値がすでに安定しており、開閉弁180−Nが閉じられた状態の測定点Pnにおける密閉時負圧Pncが測定される(S77)。
【0050】S78,S79では圧力センサPn202によって測定された密閉時負圧Pncが予め設定された値である第1負圧下限値Pn-midおよび第2負圧下限値Pn−low(Pn−mid>Pn−low)と比較され、適正な負圧値であるかどうか判断される。密閉時負圧Pncが第1負圧下限値のPn-mid以上であれば正常であり、S78で判定がYESとなり、処理は検査ルーチンへ移行する。密閉時負圧Pncが第1負圧下限値Pn-mid未満かつ第2負圧下限値のPn-low以上であれば、電子部品20の吸着は可能であるが供給される負圧が低下しており、負圧低下の記憶および警告表示が行われて(S80,S81)オペレーターに注意が促される。密閉時負圧Pncが第2負圧下限値のPn-low未満であれば電子部品の吸着ミスが発生する可能性が高く、S79で判定がNOとなり、負圧不足の記憶ならびに負圧不足および作業停止の表示が実行された後(S82,S83)、装着作業停止フラグがONにされる(S84)。この装着作業停止フラグがON状態であると、システム制御プログラムにより電子部品を吸着する前に装着作業が停止させられる。以上の判定その他が終了するとS85でフラグF4がOFFにリセットされ、処理は検査ルーチンへ戻る。
【0051】<目詰まり等監視・目詰まり等状態判定1>先に述べたように、装着されている吸着ノズル50の内径がノズル内径しきい値Ds以上の場合にフィルタの目詰まりおよびノズルの詰まりが検査され、装着されている吸着ノズル50の内径がしきい値Ds未満の場合は、ノズルの詰まりが検査される。図13のS63目詰まり等状態判定1のフロチャートを図15に示す。吸着ノズル50−Nの内径DN(変数Nは1,2,3のどれか)がしきい値Ds以上であればS91の判定がYESとなり、S92目詰まり等状態判定2ルーチンが実行され、ノズルの詰まりおよびフィルタの目詰まり等が判定された後、検査ルーチンに戻る。この処理については後に詳述する。吸着ノズル50−Nの内径DNがしきい値Ds未満の場合はS93,94,95の条件分岐でノズルの詰まりを判定する処理が実行される。
【0052】図13のS59において1つのヘッド部−Nに対応する開閉弁180−Nが開かれた際の、測定点PfおよびPnの圧力変化の傾向を図17に模式的に示す。測定点Pnの圧力状態は、開閉弁180が開かれるまでは密閉状態であるため、ほぼ供給された負圧と等しい負圧値であるが、開閉弁180が開かれると吸着ノズル50の吸着面242より外気が吸入されて急速に負圧値が減少し、一定時間後には負圧値が一定量減少した状態で安定となる。一方、測定点Pfの圧力状態は、開閉弁180が開かれるまでは大気圧状態であるが、開閉弁180が開かれて負圧が供給されると急速に圧力が変化して一定時間後に安定した負圧状態となる。開閉弁180が開かれると、圧力供給装置160側から負圧が供給されると同時に吸着面242から外気が吸引され、測定点PnおよびPfにおける負圧値の変化量および変化速度は、主に第1負圧供給装置166による圧力供給通路内への負圧を供給する速度(負圧供給速度と略称する)と吸着面242からの外気の吸入流量とに基づいて決まる。
【0053】吸着ノズル50の内径が設定値未満である場合には、上記外気の吸入流量は、主に吸着ノズル50の詰まりにより生じる通気抵抗の増加に影響され、ノズルの詰まりによって測定点PfおよびPnの負圧値の変化量および変化速度が、次のように変化する。ノズルの詰まりがなく通気抵抗が正常な状態と比較して、吸着ノズル50が詰まった状態(あるいは、吸着ノズル50が吸着した電子部品20の装着操作が行われたにもかかわらず電子部品20が吸着ノズル50先端の吸着面242に付着したままの状態)では、通気抵抗が大きく外気の吸入流量が小さいため、測定点Pnの負圧値の減少量および変化速度(減少速度)が小さくなり、一方、測定点Pfの負圧値の増加量および変化速度(増加速度)が大きくなる。
【0054】この事実に基づけば、吸着ノズル50の詰まり(あるいは、電子部品20の装着ミス)を検出することができるのであり、その検出のために、開閉弁180が開かれてから一定時間後(後に詳述するが時間T2後)の測定点PfおよびPnにおける負圧値である過渡負圧PfaおよびPnaが測定され、それらの測定値と予め設定されたしきい過渡負圧Pfa-tおよびPna-tとをそれぞれ比較することにより判定が行われる(図15)。なお、しきい過渡負圧Pfa-tおよびPna-tは、図17には記載されていないが、正常な吸着ノズル50が装着された場合の測定値と、詰まり気味の吸着ノズル50が装着された場合の測定値の間の値であり、それぞれ実験結果に基づいて設定される。内径が設定値未満である各吸着ノズル50について、実際上問題となる程度の詰まり状態が意図的に生じさせられ、それら詰まり状態の各吸着ノズル50を装着した場合の測定点PfおよびPnにおける負圧値が測定され、その測定結果に基づいて、ノズルの詰まり状態を判定するためのしきい過渡負圧Pfa-tおよびPna-tが設定されるのである。
【0055】負圧測定値PfおよびPnがともにそれぞれのしきい過渡負圧Pfa-tおよびPna-tよりも小さい場合、該当する吸着ノズル50−N(変数Nは検査対象ヘッド部−Nに対応しており1,2,3のどれか)は正常と判定され、その結果がS96で記憶され(変数Ja−N=0、変数Nは検査対象ヘッド部−Nに対応しており1,2,3のどれか)、S97で表示される。過渡負圧PfaまたはPnaのどちらかがしきい値以上で他方がしきい値未満の場合、ある程度の詰まりが吸着ノズル50−N(変数Nは検査対象ヘッド部−Nに対応)に発生していると判定され、ノズル詰まり注意という結果がS98で記憶され(変数Ja−N=11、変数Nは検査対象ヘッド部−Nに対応)、S99で表示される。過渡負圧PfaおよびPnaがともにそれぞれのしきい値以上である場合、該当する吸着ノズル50が詰まっている状態、または電子部品が付着した状態と判定され、その結果がS100で記憶され(変数Ja−N=12、変数Nは検査対象ヘッド部−Nに対応)、S101で表示される。判定処理が終了すると検査ルーチンに戻る。
【0056】<目詰まり等監視・目詰まり等状態判定2>S92目詰まり等状態判定2のフロチャートを図16に示す。装着されている吸着ノズル50の内径がノズル内径しきい値Ds以上の場合に実行されるS92目詰まり等状態判定2では、目詰まり等状態判定1と同様、フィルタ152および吸着ノズル50が正常な状態と比較して、フィルタの目詰まりおよびノズルの詰まり等の状態では、開閉弁180が開かれ、外気が吸入される状態の測定点PfおよびPnにおける負圧値の変化量および変化速度が異なること(図17参照)に基づいてフィルタ152および吸着ノズル50等の状態が判定される。
【0057】フィルタ152が目詰まりした状態ではフィルタ152の通気抵抗が大きくノズル保持部140への負圧供給速度が低下し、その結果外気吸入流量も減少するため、測定点PfおよびPnにおける負圧値の変化量および変化速度が小さくなる(図17参照)。一方、吸着ノズル50が詰まっている状態では吸着面242からの外気の吸入流量が少なくなるため、測定点Pfにおける負圧値の変化量および変化速度は大きくなり、測定点Pnにおける負圧値の変化量および変化速度は小さくなる。また、フィルタ152を装着していない場合は、フィルタ152の通気抵抗がないためノズル保持部140への負圧供給速度は大きく測定点Pfにおける負圧値の変化量および変化速度が大きくなり、かつ、全体として通気抵抗が減少するため外気吸入流量が増加し測定点Pnにおける負圧値の変化量および変化速度が大きくなる。
【0058】フィルタの目詰まりとノズルの詰まりとが同時に発生した状態では、フィルタ152の通気抵抗が大きいことからノズル保持部140への負圧供給速度が低下し、測定点Pfにおける負圧値の変化量および変化速度を小さくする影響と、吸着ノズル50の通気抵抗が大きいことから外気吸入流量が少なくなり、測定点Pfにおける負圧値の変化量および変化速度を大きくする影響とが互いにある程度打ち消し合い、測定点Pfにおける負圧値の変化量および変化速度が正常なフィルタ152および吸着ノズル50が装着された場合に近くなる。それに対し、フィルタ152と吸着ノズル50の通気抵抗の和が大きく、外気吸入流量が減少するため、測定点Pnにおける負圧値の変化量および変化速度は小さくなる。ただし、これは、測定点Pfにおける負圧値の変化量および変化速度に対するフィルタの目詰まりの影響度合いと、ノズルの詰まりの影響度合いとが同レベルである場合であって、どちらかの影響が非常に大きい場合はこのような状態にはならない。
【0059】上記に基づいてしきい値を設定するために、ヘッド部に装着されたフィルタ152および吸着ノズル50が意図的に次に記す状態とされ、開閉弁180が開かれてから時間T2後の測定値が実験値として求められる。(a)正常なフィルタ152および正常な吸着ノズル50が装着された状態。(b)目詰まり状態のフィルタ152および正常な吸着ノズル50が装着された状態。(c)正常なフィルタ152および半ば詰まり状態の吸着ノズル50が装着された状態。(d)フィルタ152を装着せず正常な吸着ノズル50が装着された状態。
【0060】求められた実験値から、次のようにしきい値が設定される(図17参照)。測定点Pfにおけるしきい値として、正常なフィルタ152装着時の測定点Pfでの負圧測定値と目詰まり状態のフィルタ152装着時の測定点Pfでの負圧測定値との間の値に一つ目のしきい過渡負圧Pfa1が設定され、正常なフィルタ152装着時の測定点Pfでの負圧測定値とノズル詰まり状態またはフィルタ152未装着時の測定点Pfでの負圧測定値との間の値に二つ目のしきい過渡負圧Pfa2が設定される。もし、測定点Pf単独で判定を行うとすれば、S33の検査ルーチンにおいて測定された過渡負圧Pfaの値が、Pfa1より小さければフィルタ152が目詰まりしていると推測され、Pfa1とPfa2の間であれば正常と推測され、Pfa2以上であればノズル詰まり状態またはフィルタ152未装着と推測される。一方、測定点Pnにおけるしきい値として、新品フィルタ152装着時の測定点Pnでの負圧測定値と目詰まり状態のフィルタ152装着時の測定点Pnでの負圧測定値との間の値にしきい過渡負圧Pnasが設定される。もし、測定点Pn単独で判定を行うとすれば、フィルタ152の目詰まり状態検査時に測定された過渡負圧Pnaの値が、Pnas以上であれば吸着ノズル50の詰まりまたはフィルタ152の目詰まりと推測され、Pnas未満であればフィルタ152および吸着ノズル50は正常と推測される。
【0061】以上に述べた事柄に基づいて、図16に示すように、過渡負圧PfaおよびPnaからS111〜S115の条件分岐により、フィルタ152−Nおよび吸着ノズル50−N(変数Nは検査対象ヘッド部−Nに対応しており1,2,3のどれか)の状態等が判定される。その最新の判定結果が変数Ja−Nに保存された後、表示される。本実施形態では、測定点Pf,Pn両方で圧力を測定しており、両者の変化を組み合わせて判定する方が望ましく、フィルタの目詰まりやノズルの詰まりだけでなく、次のような状態の可能性が推測される。それぞれの判定項目の最後にあるステップは、それぞれの判定結果を記憶し表示する処理を表す。(a)Pfa≦Pfa1かつPna<Pnasであれば変数Ja−N=5:第1負圧供給速度不足または吸着ノズル非装着−S116,117。(b)Pfa≦Pfa1かつPna≧Pnasであれば変数Ja−N=1:フィルタの目詰まり−S118,119。(c)Pfa1<Pfa≦Pfa2かつPna<Pnasであれば変数Ja−N=0:フィルタおよび吸着ノズル正常−S120,121。(d)Pfa1<Pfa≦Pfa2かつPna≧Pnasであれば変数Ja−N=2:ノズルの詰まり中期かつフィルタの目詰まり中期−S122,123。(e)Pfa>Pfa2かつPna<Pnasであれば変数Ja−N=4:フィルタ非装着−S124,125。(f)Pfa>Pfa2かつPna≧Pnasであれば変数Ja−N=3:ノズルの詰まり,電子部品付着または負圧供給速度過剰−S126,127。
【0062】<目詰まり等監視・短遅延時間T2>目詰まり等監視モードの検査処理において、判定に使用される負圧測定値は開閉弁180が開かれてから時間T2後に測定されるが、時間T2の根拠および設定方法について説明する。開閉弁180が開かれたからといって、測定点Pf、Pnの圧力が直ちに変化するわけではない。したがって、測定点Pf、Pnにおける負圧測定は開閉弁180が開かれてから所定の時間経過後に行われるべきであることは勿論である。一方、電子部品の吸着動作において、吸着ノズル50が部品の鉛直上方から下降させられるが、吸着ノズル50先端である吸着面242が電子部品20上面に接触した後速やかにその電子部品吸着に必要な吸引力を発生させるため、吸着面242が電子部品上面に接触する位置より少し手前にある時期に負圧の供給が開始される。上記時間T2は、この「開閉弁180が開かれてから電子部品上面に十分な吸引力が発生するまでに許容される時間」である許容遅れ時間や、測定点Pf,Pnにおける負圧の変化状況測定の実験結果等を基に設定される。
【0063】目詰まり等監視モードにおいて、負圧の測定は、部品装着ユニット30が電子部品を保持せずに部品供給装置24または26上へ移動する不保持移動中に行われるため、上記時間T2は、本来、上記遅れ許容時間の拘束は受けない。したがって、時間T2は、開閉弁180が開かれたことによる圧力変化が完了した後に負圧の測定が行われるように、十分な長さに設定することも可能であり、そのようにした場合には、目詰まり状態検査法が圧力値の変化量のみに基づくものとなる。
【0064】しかし、ノズルの詰まりやフィルタの目詰まりが問題となるのは、電子部品の吸着ミス等の原因となるためであることを考えれば、開閉弁180が開かれてから比較的短い時間後には吸着ノズル50の吸着面242に十分な負圧が供給されることが望ましい。したがって、測定点Pfの負圧も短時間に十分な大きさになること、すなわち圧力の変化速度が十分に大きいことが望ましいのであり、本実施形態においては、このことを考慮して、上記時間T2が、圧力変化が完了する少し手前の時期である過渡時点に負圧が測定されることになる長さに設定される。そのことから時間T2を短遅延時間T2と称する。したがって、本実施形態における目詰まり状態検査法は、圧力値の変化量と変化速度との両方に基づく検査法であることになる。このように、圧力の変化が完了して圧力が安定するのに必要な時間と比較して、時間T2が短く設定されれば、測定に必要な時間が短縮され、部品装着装置22がより高速に移動する電子部品装着システムにも適用可能となる利点もある。さらに、一般に、圧力の変化が完了して圧力が安定した後の負圧値より、圧力変化が完了する少し手前の時期における負圧の方が、フィルタの目詰まりや吸着ノズル50の詰まりの影響が表れ易いため、時間T2を短く設定すれば、目詰まり状態検査の信頼性が向上する利点もある。
【0065】上述したように電子部品20の吸着時には、吸着ノズル50の先端の吸着面242に短時間で十分な負圧が供給されることが望ましく、フィルタの目詰まり等の影響によって電子部品20の吸着に必要な大きさの負圧を供給するために必要な時間が長くなることは、供給圧力の変化に対する吸着面242における圧力の応答速度の低下を意味し、吸着ミスを発生させる要因となる。つまり、圧力変化完了手前の過渡時点における圧力関連量に基づくフィルタの目詰まり等の検査には、供給圧力の変化に対する吸着面242における圧力の応答速度の影響も反映されており、より吸着時に近い状態で検査できるという利点がある。
【0066】以下のような検査条件であっても、以上に述べたいくつかの利点の少なくとも1つが得られる。例えば、過渡時点における圧力と密閉時圧力との差(過渡時点における圧力増減量であるため過渡圧力増減量と称する)や過渡時点における圧力供給通路のフィルタの前後における圧力の差である差圧などを測定してもよい。また、圧力供給通路に供給される圧力が負圧でなく正圧であってもよいし、さらには正圧と負圧とがそれぞれフィルタ152等を挟む両側の圧力供給通路に供給されてもよい。目詰まり等監視モードでは、圧力差のない状態からある状態へ供給圧力が変化させられるが、圧力差の小さい状態から大きい状態への変化、あるいは圧力差の大きい状態から小さい状態への変化の際に、過渡時点における圧力関連量に基づく検査であっても同様な利点がある。過渡時点において測定される圧力関連量の値は正圧,負圧,絶対圧のいずれかの適用しやすいものを選択できる。
【0067】<可変絞りの設定>本目詰まり等監視処理は、前述のように、各内径の吸着ノズル50が装着された状態で行われる。そのため、吸着ノズル50の通気抵抗がフィルタ152の通気抵抗より小さい場合、フィルタ152の通気抵抗とほぼ等しい場合、およびフィルタ152の通気抵抗より大きい場合が生じる。吸着ノズル50の内径が大きく、その吸着ノズル50の通気抵抗がフィルタ152の通気抵抗に比較して十分に大きい場合には、吸着ノズル50の通気抵抗の圧力測定点Pf,Pnの負圧値に対する影響は小さいが、吸着ノズル50の内径が小さくなるに従って影響が大きくなり、やがて圧力測定点Pf,Pnの負圧値に基づいてフィルタ152の目詰まり状態を判定することができなくなる。また、目詰まり状態の判定ができる場合であっても、判定に用いられる圧力関連量のしきい値であるしきい圧力関連量を吸着ノズル50の内径に応じて変更することが必要になる。実際にしきい圧力関連量を吸着ノズル50の内径に応じて種々の値に設定し、目詰まり状態の判定を行うことも可能であるが、本実施形態においては、そうする代わりに可変絞り182を設け、その可変絞り182の絞りを吸着ノズル50の内径に応じて変えることにより、吸着ノズル50の内径の変化に基づく圧力測定点Pf,Pnの負圧値の変化をできる限り小さくし、判定のしきい圧力関連量をすべての内径の吸着ノズル50について一定とすることとした。
【0068】以上が可変絞り182の配設目的であるため、可変絞り182の絞りの設定値が以下のようにして決定される。まず、標準とする内径を持つ吸着ノズル50(以後、標準の吸着ノズル50と略記する。)について、フィルタの目詰まり等の影響が圧力測定点Pf,Pnの負圧値の変化または変化速度として明確に現れるように、可変絞り182が設定される。標準の吸着ノズル50が装着された状態で測定された圧力測定点Pf,Pnの負圧値が標準値とされ、異なる内径の吸着ノズル50が装着された状態で測定された負圧値が標準値とできる限り等しくなるように可変絞り182の設定値が決定される。このように、可変絞り182の設定値が各内径の吸着ノズル50に対して標準値とほぼ等しい負圧値が得られるように決定される結果、異なる内径の吸着ノズル50が装着されたとしても判定時におけるしきい値等が共用可能になる。
【0069】しかし、可変絞り182によって負圧供給速度が調節されたとしても、吸着ノズル50の内径がある値より小さい場合は、吸着ノズル50の通気抵抗はフィルタ152の通気抵抗よりも遙かに大きくなり、フィルタ152が多少目詰まり状態であったとしてもその影響が現れにくくなってしまう。そこで本目詰まり等監視モードでは、吸着ノズル50の内径がしきい値Ds未満の場合において、フィルタの目詰まりは検査の対象とされず、ノズルの詰まりが検査される。
【0070】<2.目詰まり検査>図10に示す検査・清掃制御メインルーチンでは、S4の目詰まり検査モードがONの場合、前記目詰まり検出工程に該当する処理の1つであるS8の目詰まり検査処理が実行される。その目詰まり検査処理では、吸着ノズル50が取り外された状態でヘッド部に負圧が供給され、外気吸入状態における測定点Pnの負圧測定値がフィルタの目詰まり状態によって変化することに基づいてフィルタの目詰まり状態が判定される。そのため、本処理は、外気吸入状態における測定点Pnの負圧測定値がフィルタの目詰まり状態によって明確に変化するように、可変絞り182の絞りが予め定められた設定値に設定された状態で行われる。また、外気吸入状態の負圧測定値は、負圧の供給が開始されてから測定点Pnの圧力状態が安定するために十分な時間をおいてから測定される。また、フィルタの目詰まり状態の判定には、開閉弁180が閉じられた状態で測定点Pnにおける密閉時の負圧測定値と外気吸入状態の測定点Pnの負圧測定値との差が用いられることにより、もし供給負圧の変動が若干あったとしても、その影響が排除される。
【0071】S8の目詰まり検査ルーチンを図18に示す。この目詰まり検査は吸着ノズル50を外した状態で行われるため、ヘッド部に吸着ノズル50が装着された状態であれば(S191)、システム制御プログラムに吸着ノズル50の取り外しを要求する「ノズル取り外し要求フラグ」がONにされる(S192)。システム制御プログラムによりノズル取り外し要求フラグのON状態が検知され、吸着ノズル50が装着された状態であって、かつ他の処理が実行されていない時期に吸着ノズル50の取り外しが行われる。吸着ノズル50の取り外しが完了すると、装着された吸着ノズル50の種類を記憶するメモリのデータがその旨を表すデータに書き換えられる。そのため、S191において、吸着ノズル50が非装着状態であることが確認される。
【0072】吸着ノズル50が非装着状態であればS191の判定がYESとなり、S193において可変絞り182の絞りが前述の設定値に設定されているかどうか確認される。その結果、設定値が異なっている場合は判定がNOとなり、S194の可変絞り調節処理が実行される。このS194は目詰まり等監視モードのS57可変絞り調節とほぼ同様であるため簡単に説明する。S194では、吸着ノズル50非装着状態に適した可変絞り182の設定値が選択され、自動的に設定される。可変絞り182が調節された後、設定値が記憶され、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。その後、再び目詰まり検査ルーチンが実行されると、S193の判定がYESとなりS195が実行される。
【0073】S195の検査2は、3つのフィルタ152−1,2,3のうちN番目の値に対応するフィルタ152−N(変数Nは1,2,3のどれか)の目詰まり状態を検査するルーチンである。そのS195の検査2ルーチンは最初変数Nが1の状態で実行されるが、詳細は後述する。S195の検査2ルーチンにて使用されるフラグG1がON状態にされ(S196)、S197にて1増加させられた変数Nの値が3以下の場合は、処理がフィルタの検査・清掃制御メインルーチンに移行し(S198)、その後再びこの検査実行ルーチンが実行される。変数Nの値が1,2,3と増加しながらS195が実行されることにより、3つのフィルタ152−1〜3が全て検査される。変数Nが4になるとS198の判定がYESとなり、変数Nが1にリセットされ(S199)、フラグG1がOFFにされ(S200)、S201の終了処理が実行される。S201では、開閉弁や方向切換弁、S192のノズル取り外し要求フラグを含む各種のフラグ等、ならびに可変絞り182の設定および可変絞り182の設定値の記憶を目詰まり検査実行前の状態に戻す処理などが行われる。
【0074】<目詰まり検査・検査2>図18におけるS195の検査2ルーチンを図19に示す。フラグG2およびフラグG1は最初OFF状態のためS211,212の判定がNOとなりS213が実行される。S213の負圧供給準備は、目詰まり等監視における負圧供給準備(図14参照)とほぼ同様な処理であり、開閉弁180まで負圧が供給される。ただし、後に詳述するように、開閉弁180および方向切換弁の切換え状態と、負圧値が適正かどうかの判断が少し異なっている。S213の負圧供給準備が1回実行された後は、フラグG1またはフラグG2の少なくとも一方がON状態にされるため、フィルタ152全てが検査されるまでS213はパスされる。
【0075】負圧が準備されると、目詰まり状態の判定に必要な密閉時負圧Pncが測定されてから(S214)、検査対象のフィルタ152−N(変数Nは1,2,3のどれか)に対応する開閉弁180−N(変数Nは1,2,3のどれか)が開かれ(S215)、ノズル保持部140に負圧が供給される。なお、S213およびS215の処理で気流が発生し、主にこの2つのステップが本目詰まり検査モードにおける空気流生成ステップとなる。開閉弁180−Nが開かれるとノズル保持部140から外気が吸入され、測定点Pnにおける負圧値が変化し、低下する。一定の時間が経過するとノズル保持部140からの外気吸入流量が安定すると共に測定点Pnの圧力状態も安定する。この時の圧力を気流安定時圧力と称し、負圧が測定される場合は気流安定時負圧とし、測定点Pnの気流安定時負圧が測定された値をPnoとする。また、正圧供給装置162より正圧がヘッド部に供給される場合、供給された流体である気体がノズル保持部140から外気へ流れ出す向きの吐出方向となり、その吐出方向の気流が安定した状態の圧力も気流安定時圧力と称する。
【0076】検査対象フィルタ152−N(変数Nは1,2,3のどれか)に対応する開閉弁180−N(変数Nは1,2,3のどれか)が開かれた直後に0からスタートさせられたタイマ4の値が(S216)、測定点Pnの圧力状態が安定するのに十分な値に設定された気流安定化時間T4以上になると、S217の判定がYESとなり、安定した外気吸入状態の測定点Pnにおける圧力である気流安定時負圧Pnoが測定される(S218)。タイマ4の値がT4未満であれば、S217の判定がNOとなり、フラグG2がONにされてから(S219)、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。そして、検査・清掃制御メインルーチンにおいてS12を始めとする処理が実行された後にS8の目詰まり検査ルーチンが実行される。再びこの検査2ルーチンが実行される際には、S211の判定がYESとなりS212〜S216の処理がパスされる。本目詰まり検査モードにおける目詰まり状態判定ステップであるS220の目詰まり等状態判定3では密閉時負圧Pncおよび気流安定時負圧Pnoの値に基づき目詰まり状態が判定された後、開かれていた開閉弁180−Nが閉じられ(S221)、フラグG2がOFFにリセットされる(S222)。以上でフィルタ152の1つの検査が終了し、処理が検査実行ルーチンへ戻る。S220の目詰まり等状態判定3については後に詳述する。
【0077】<目詰まり検査・負圧供給準備2>図19におけるS213の負圧供給準備2ルーチンを図20に示す。S231において、フラグG3は最初OFF状態のため判定がNOとなり、3つの開閉弁180が閉じられ(S232)、3つの方向切換弁176がONにされて第1負圧供給装置166に接続される(S233)。方向切換弁176がONにされると、測定点Pnの圧力が短時間ではあるが若干不安定になる。測定時における負圧値および負圧の供給を安定させるために、方向切換弁176が切り換えられた直後に0からスタートさせられたタイマ5の値が、供給する負圧が安定するまでに必要な時間である供給負圧安定化時間T5になるまで(S234,235)、開閉弁180が閉じられたままの密閉状態が保持され、その後の安定した状態の測定点Pnにおける圧力が密閉時負圧Pncとして測定される(S236)。
【0078】タイマ5の値がT5未満であれば、S235の判定がNOとなり、S237でフラグG3がONにされてから処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。再びこの負圧供給準備2ルーチンが実行される際には、S231の判定がYESとなりS232〜S234の処理がパスされる。S238で密閉時負圧Pncが予め設定された第1負圧下限値Pn−mid以上であれば供給される負圧が適正であると判定され、密閉時負圧Pncが第1負圧下限値Pn−mid未満であればS238の判定がNOとなり、負圧不足が記憶され(S239)、負圧不足の警告が表示されて(S240)、圧力供給装置160等の点検が促される。上記S238の判定がどちらであっても、S241でフラグG3がOFFにリセットされた後、検査2ルーチンに戻る。
【0079】<目詰まり検査・目詰まり等状態判定3>図19におけるS220の目詰まり等状態判定3ルーチンを図21に示す。検査対象のフィルタ152−N(変数Nは1,2,3のどれか)に対応する開閉弁180−N(変数Nは1,2,3のどれか)が開かれると測定点Pnの圧力は密閉時負圧Pncから気流安定時負圧Pnoに負圧値が低下するが、フィルタ152の目詰まりの度合いによって負圧値低下の度合いが異なる。S251で密閉時負圧Pncと気流安定時負圧Pnoの差である負圧増減量Pn−dが求められ、S252〜S254で負圧増減量Pn−dと3つのしきい負圧増減量Pn−d1,Pn−d2,Pn−d3とを比較することによりフィルタ152の目詰まり状態が判定される。図22に示すように、しきい負圧増減量Pn−d1〜3は測定点Pnにおける密閉時負圧Pncと以下の値との差に基づいて決定されている。Pn−d1はフィルタ152非装着時の気流安定時負圧値と、正常なフィルタ152装着時の気流安定時負圧値との間の値。Pn−d2とPn−d3は正常なフィルタ152装着時の気流安定時負圧と、目詰まり状態のフィルタ152装着時の気流安定時負圧との間の値。なお、Pn−d2はPn−d3より大きい。
【0080】目詰まり状態の判定は次のように行われる。変数Jb−N(変数Nは検査対象フィルタ152−Nに対応しており1,2,3のどれか)は最新の目詰まり検査の判定結果を記憶する変数であり、それぞれの判定項目の最後にあるステップは、それぞれの判定結果が記憶され表示される処理を表す。(a)Pn−d>Pn−d1であれば変数Jb−N=4:フィルタ非装着等または負圧供給速度不足−S255,256。(b)Pn−d1≧Pn−d>Pn−d2であれば変数Jb−N=0:フィルタ正常−S257,258。(c)Pn−d2>Pn−d≧Pn−d3であれば変数Jb−N=1:フィルタ目詰まり初期−S259,260。(d)Pn−d3>Pn−dであれば変数Jb−N=2:フィルタ目詰まりまたは負圧供給速度過剰−S261,262。目詰まり検査モードでは、目詰まり等監視モードと異なり、開閉弁180が開かれてから外気吸入状態の圧力が安定するのに十分な時間をおいてからPnoが測定され、密閉時負圧Pncとの差を求めてからしきい値と比較される。
【0081】<3.フィルタの清掃>図10に示す検査・清掃制御メインルーチンにおいて、S5のフィルタの清掃モードがONの場合、前記目詰まり解消工程に該当する処理の1つであるS9のフィルタの清掃処理が実行される。このフィルタの清掃処理では、第2負圧供給装置220がノズル保持部140に接続され、正圧供給装置162によって発生させられる第1正圧と、第2負圧供給装置220によって発生させられる第2負圧とが、圧力供給通路を通じて清掃対象のフィルタ152に互いに逆の側から同時に供給され、その圧力差によって生じる気流がフィルタ152面を開閉弁180側からノズル保持部140側へ勢いよく通過する。それにより、フィルタ152のノズル保持部140側の面であるフィルタ152下面に付着し、フィルタ152の実効的な開口面積の減少要因となっているダスト等の異物が、付着したときとは逆向きの力を気流から受けることにより除去される。また、開閉弁180が一定微小時間間隔で開閉させられることにより、気流に脈動が生じさせられ、より効果的にフィルタ152の清掃が行われる。
【0082】電子部品の装着作業中は吸着ノズル50がノズル保持部140に装着されており、第2負圧供給装置220が接続されていないため、フィルタの清掃前に吸着ノズル50が、図8に示すダミーノズル222と交換されてから、第2負圧供給装置220に接続される。吸着ノズル50とダミーノズル222との交換時には、ノズル保持部140に保持された吸着ノズル50が、ノズル収容装置214のノズル収容位置に移動させられて取り外された後、吸着ノズル50非装着のノズル保持部140がノズル収容装置214のダミーノズル222収容位置に移動させられて、ダミーノズル222が装着される。ダミーノズル222が装着されたノズル保持部140と第2負圧供給装置220との接続時には、ダミーノズル222が装着されたノズル保持部140が接続位置まで移動させられ、ダミーノズル222の底面と接続部224上面とが密着させられ、Oリング236により気密が保たれた状態となる。第2負圧が供給されることにより開閉弁180側からの正圧と、ノズル保持部140側からの負圧とが同時に供給され、フィルタ152前後における圧力差が大きくなって清掃効果が高まる。また、第2負圧により吸引されることによって、フィルタ152から除去された異物の飛散が防止される。
【0083】S9のフィルタの清掃ルーチンを図23に示す。まず最初に第2負圧が接続されているかどうかが確認され(S301)、接続されていなければ、ダミーノズル222が装着されているかが確認される(S302)。ダミーノズル222が装着されていなければ、システム制御プログラムに対してダミーノズル222の装着を要求するダミーノズル装着要求フラグがONにされてから(S303)、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。ダミーノズル装着要求フラグのON状態がシステム制御プログラムによって検出されると、装着作業やその他の処理が行われていない時期にダミーノズル222が装着され、装着ノズルの種類を記憶するメモリのデータがその旨を表すデータに書き換えられる。それに基づいて、S302でダミーノズル222が装着状態にあることが確認される。
【0084】ノズル保持部140に保持されたダミーノズル222は、定められたXY座標に移動させられて接続部224の鉛直上方に位置した後(S304)、ノズル保持部140に保持されたダミーノズル222が接続部224の上面に密着させられ、Oリング236により気密が保持される状態になる規定の位置まで下降させられて(S305)、ノズル保持部140と第2負圧供給装置220とがダミーノズル222を介して接続される。第2負圧供給装置220が接続された後、処理が一旦検査・清掃制御メインルーチンに移行し、次にこのフィルタの清掃ルーチンが実行されると、S306において最初フラグH1がOFFのため判定がNOとなり、S307のフィルタの選択が実行される。このフィルタの選択については後に詳述するが、フィルタの清掃は、目詰まり等監視モードにおいて「フィルタの目詰まり」または「ノズルの詰まり中期かつフィルタの目詰まり中期」と判定されたフィルタ152について行われる。ただし、S1の初期設定で3つのフィルタ152のうち少なくとも1つが選択されている場合は、選択されたフィルタ152が清掃される。フィルタの選択の後、S308でフラグH1がONにされ、再度このフィルタの清掃ルーチンが実行されてもS306の条件分岐によりS307、308はパスされる。
【0085】S309では、フィルタ152−N(変数Nは1,2,3のどれか)に対応するフラグXN(変数Nは1,2,3のどれか)がON状態の時に判定がYESとなり、S310の清掃実行ルーチンが実行され、フラグXNがOFFの場合S310はパスされる。変数Nの初期値は1に設定されており、最初はフィルタ152−1に対応するフラグX1の値が調べられる。本フィルタの清掃モードにおける目詰まり状態解消ステップであるS310の清掃実行ルーチンでは、清掃対象のフィルタ152−Nに第1正圧と第2負圧が供給され、清掃対象フィルタ152−Nに対応する開閉弁180−N(変数Nは1,2,3のどれか)が一定時間間隔で開閉させられることにより気流が脈動させられてフィルタ152−Nが清掃される。S311で変数Nが1増加させられ、S312にて変数Nが3以下の場合は判定がNOとなり、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。その後再びこの清掃ルーチンが実行され、変数Nの値が1,2,3と増加しながらS309,310が実行されることにより、選択されたフィルタ152全てについて清掃処理が実行される。変数Nが4になるとS312の判定がYESとなり、S313で変数Nが1にリセットされる。S314でフラグH1がOFFにリセットされた後、S315終了処理により各種のフラグがOFFにリセットされ、ダミーノズル222が吸着ノズル50と交換される等の処理が行われてから検査・清掃制御メインルーチンに戻る。
【0086】<清掃・フィルタの選択>図23におけるS307のフィルタの選択ルーチンを図24に示す。S1の初期設定において、清掃するフィルタ152が指定された場合は、指定されたフィルタ152−1,2,3に対応するフラグX1,X2,X3の少なくとも1つがON状態にされており、S331の判定がYESとなりフィルタの清掃ルーチンに戻る。全てがOFFの状態であれば、目詰まり等監視モードの判定結果が目詰まり等であったフィルタ152−M(変数M=1,2,3のどれか)に対応するフラグXM(変数M=1,2,3)がONにされる(S332〜S335)。フィルタ152−1,2,3の目詰まり等監視モードにおける最終的な判定結果が変数Ja−1,2,3に記憶されており、目詰まり等監視モードの目詰まり等状態判定2(図16)において、判定結果がフィルタ目詰まりの場合は変数Ja−M(変数M=1,2,3)の値が1に設定され、ノズルの詰まり中期かつフィルタの目詰まり中期の場合は変数Ja−Mの値が2に設定されている。S332,S333においては、この変数Ja−Mの値に基づいて、フィルタ目詰まりあるいは、ノズルの詰まり中期かつフィルタの目詰まり中期の場合にそのフィルタ152−Mに対応するフラグXMがON状態にされる。S336で変数Mが1にリセットされてから、処理がフィルタの清掃ルーチンに戻る。
【0087】<フィルタの清掃・清掃実行>図23におけるS310の清掃実行ルーチンを図25に示す。フラグH2は最初OFF状態のためS341の判定がNOとなり、清掃対象となるフィルタ152−N(変数Nは1,2,3のどれか)に第2負圧の供給および第1正圧の供給が開始される。すなわち、清掃対象となるフィルタ152−Nに対応する開閉弁232−N(変数Nは1,2,3のどれか)が開かれて第2負圧が供給され(S342)、方向切換弁174がONにされて第1正圧が選択され(S343)、方向切換弁178−NがONにされて第1正圧が供給される(S344)。その後、タイマ6が0からスタートさせられ(S345)、フラグH2がONにされ(S346)、S347の気流脈動ルーチンが実行される。この気流脈動ルーチンは、開閉弁180−Nを一定時間間隔で開閉させる処理である。そして、この第1正圧の脈動を伴う供給が一定時間(清掃時間T6)続けられる。この脈動を生じさせるための開閉弁180−Nの開閉制御はよく知られたものであるため、詳細な説明は書略する。
【0088】S348ではタイマ6の値が予め設定された値のT6以上になるまで判定がNOとなり、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行する。そして、S12を始めとする処理が実行された後再びS9のフィルタの清掃ルーチンが実行される。その後、再びこの清掃実行ルーチンが実行される際には、フラグH2がON状態であるためS341の判定がYESとなり、S342〜S346の処理がパスされる。そしてタイマ6の値が予め設定された値のT6以上になるまで気流脈動ルーチンが繰り返し実行される。タイマ6の値が予め設定された値のT6以上になるとS348の判定がYESとなり、フィルタ152の1つの清掃が終了する。方向切換弁178−NがOFFにされて正圧供給装置162との接続が切断され、開閉弁232−Nが閉じられ第2負圧の供給が停止される(S349,350)。フラグH2がOFFにリセットされて(S351)、処理はフィルタの清掃ルーチンへ戻る。
【0089】<4.検査および清掃>図10に示す検査・清掃制御メインルーチンにおいて、S6の検査および清掃モードがONの場合、S10の検査および清掃ルーチンが実行される。このルーチンでは、予め処理対象のフィルタ152が選択されていれば、それら選択されたフィルタ152について検査および清掃処理が行われ、処理対象のフィルタ152が選択されていない場合、電子部品の装着作業中にフィルタ152の使用量を監視し、いずれかのフィルタ152の使用量が設定値以上になった時に、システム制御プログラムに対して装着作業上都合の良い時点で装着作業を停止するよう要求する検査実行フラグがON状態にされる。システム制御プログラムによって、そのON状態の検査実行フラグが検出されると、1つのプリント配線板14に必要な装着作業が終了し、プリント配線板14が交換される時に検査処理が実行可能なように停止状態となる。その後、検査および清掃処理が終了すると再び装着作業が開始される。
【0090】S10の検査および清掃ルーチンでは、処理対象のノズル保持部140に装着されている吸着ノズル50の内径がノズル内径しきい値Ds以上の場合は吸着ノズル50が装着されたまま第2負圧供給装置220に接続されて検査および清掃が行われ、装着された吸着ノズル50の内径がしきい値Ds未満の場合は吸着ノズル50がダミーノズル222と交換されてから第2負圧供給装置220に接続されて検査および清掃が行われる。なお、上記吸着ノズル50の内径がしきい値Ds未満の場合は、装着作業の進行に伴い内径がしきい値Ds以上の吸着ノズル50と交換される可能性を考慮し、一定期間検査が保留され、その間に内径がしきい値Ds以上の吸着ノズル50と交換された場合は検査が行われ、そうでない場合は吸着ノズル50をダミーノズル222と交換して検査が行われる。
【0091】検査処理では、第2正圧および第2負圧が圧力供給通路に供給される。吸着ノズル50が装着されたまま検査される場合は目詰まり等監視モードの場合と同様な種類の判定結果が得られ、ダミーノズル222に交換されてから検査される場合は目詰まり検査モードの場合と同様な種類の判定結果が得られる。検査終了後に、フィルタの目詰まりまたはノズルの詰まり等と判定されたヘッド部があれば、検査時に第2負圧供給装置220と接続された状態のまま引き続き清掃が行われる。清掃処理では第1正圧および第2負圧が圧力供給通路に供給され、清掃方法はフィルタの清掃モードと同様、脈動する気流を一定時間発生させて行われる。
【0092】S10の検査および清掃ルーチンを図26に示す。まず最初に、S1の初期設定実行時にモード選択とともに処理対象のフィルタ152が選択され、フラグX1〜3のどれかがON状態にされているかどうかが判断される。何も選択されていなければフラグX1〜3は全てOFF状態であり、S401の判定はNOとなりS402が処理される。フラグI1は最初OFFのためS402の判定がYESとなり、S403の検査時期確認ルーチンにおいて、それぞれのフィルタ152が検査時期に該当するかどうか、さらに検査の際に吸着ノズル50をダミーノズル222と交換する必要があるかどうかが判断されて変数YM(変数Mは1,2,3のどれか)の値が設定され、検査時期に該当していればシステム制御プログラムに対してフィルタ検査を行うために装着作業停止を促す検査時期フラグがONにされる。このS403の検査時期確認ルーチンの詳細については後述する。
【0093】上記処理対象のフィルタ152が選択されていた場合は、S401の判定がYESとなり、S404が実行される。フラグI2は最初OFFのためS404の判定がYESとなり、S405の選択フィルタ設定ルーチンにおいて、選択されたフィルタ152が検査される際に吸着ノズル50をダミーノズル222と交換する必要があるかどうかが判断されて変数YMの値が設定され、検査が必要であればシステム制御プログラムに対してフィルタ等の検査を行うために装着作業停止を促す検査時期フラグがONにされる。このS405の選択フィルタ設定ルーチンの詳細については後述する。選択されたフィルタ152についての設定が終了するとフラグI2がON状態にされ(S406)、再び検査および清掃ルーチンが実行される際にはS404の判定がNOとなり、S405がパスされる。
【0094】電子部品装着システムが装着作業中の場合、S407のYES判定でS408〜S415がパスされ、フラグI3がOFFにされて(S416)から処理が検査・清掃制御メインルーチンに戻る。電子部品装着システムが装着作業中でなければフラグI1がONにされ(S408)、S409,410の判定が実行される。最初フラグI3,I4はOFF状態であるので判定がYESとなり、フィルタ152の目詰まり状態等を検査するS411の検査処理ルーチンが実行される。このS411の検査処理ルーチンは本検査および清掃モードにおける前記目詰まり検出工程に該当する処理の1つであり、空気流生成ステップと目詰まり状態判定ステップを含んでいる。S411の詳細については後述する。S411の処理が終了すると、フラグI4がON状態にされ(S412)、再び本検査および清掃ルーチンが実行される時はS410の判定によりS411,412の検査処理がパスされる。S413の清掃処理ルーチンにおいて、目詰まりが検出されたフィルタ152および詰まりが検出された吸着ノズル50について清掃が行われ、フィルタの清掃モードと同様に第1正圧と第2負圧が供給され、一定時間脈動する気流が発生させられる。このS413は本検査および清掃モードにおける前記目詰まり解消工程に該当する処理の1つであり、目詰まり状態解消ステップである。なお、S413の詳細な説明は省略する。
【0095】S414の終了処理でフラグX1〜3および変数Y1〜3およびフラグI1,I2,I4〜I7などがOFFにリセットされ、ダミーノズル222が吸着ノズル50と交換され、検査実行フラグがOFFにリセットされると、その後の装着作業の予定がある場合はシステム制御プログラムによって装着作業が開始される。電子部品装着システムの停止状態が続いた場合、フラグI3がONにされているため(S415)、再び検査および清掃ルーチンが実行された際は、S409の判定がNOとなりS410〜S415の処理はパスされ、一旦電子部品装着システムが装着作業を開始し、フラグI3がOFFにリセットされた(S416)後でないと検査および清掃は行われない。
【0096】<検査および清掃・検査時期確認>図26におけるS403の検査時期確認ルーチンを図27に示す。フィルタ152の使用量として、装着された吸着ノズル50の内径(以後、装着ノズル内径と略記する。)がフィルタ152の使用量の重み付けに利用され、「吸着回数×装着ノズル内径」で求められた値が使用され、新規のフィルタ152装着時より累積された吸着回数および吸着回数×装着ノズル内径の計算値である総累積使用量と、前回の検査が行われてから現在までの吸着回数および吸着回数×装着ノズル内径の計算値の累積である累積使用量とがホストコンピュータ280に保存されている。電子部品装着システム(以後、装着システムと略記)の起動時や、新しい種類のプリント配線板に対する電子部品の装着が開始される時等、予め定められた使用量データダウンロード条件が満たされた時に、ホストコンピュータ280から装着システムのコンピュータに総累積使用時間と累積使用時間とのデータがダウンロードされる。装着システムのコンピュータはこれらデータを電子部品の装着作業の間リアルタイムで更新し、一定稼動時間の経過時、装着システムの作動停止時、一種類のプリント配線板に対する電子部品の装着の完了時等、予め定められた使用量データアップロード条件が満たされた時に、ホストコンピュータ280にアップロードする。上記フィルタ152の累積使用量の監視は電子部品の装着毎に行われる点において、前記目詰まり等監視モードと似ており、目詰まり等監視モードで使用される許可フラグがOFF状態の時に1回行われ、その後、一旦許可フラグがON状態になってから再びOFF状態になった時に、累積使用量の監視が再び行われる(S421〜S424)。
【0097】上記累積使用量は変数Wdに設定され、しきい値としてWaおよびWbが設定されている(Wa<Wb)。S425〜S435において、M番目のフィルタ152についての累積使用量Wd−M(変数Mは1,2,3のどれか)の値としきい値WaおよびWbとの比較および、装着ノズル内径DM(変数Mは1,2,3のどれか)とノズル内径しきい値Dsとの比較から変数YM(変数Mは1,2,3のどれか)の値が次のように設定される。(a)Wd<WaであればYM=0:該当フィルタ152−Mはまだ検査時期に達していない。(b)Wb>Wd≧WaかつDM<DsであればYM=1:該当フィルタ152−Mは検査時期であるがノズル内径DMがしきい値Ds以上の吸着ノズル50が装着されるまで検査が保留される。(c)Wb>Wd≧WaかつDM≧DsであればYM=2:該当フィルタ152−Mは検査時期に達しており適宜のタイミングで検査される。(d)Wd≧WbかつDM≧DsであればYM=2:該当フィルタ152−Mは検査されぬまま設定された検査時期が過ぎており、システム制御によって設定された適宜のタイミングで検査される。(e)Wd≧WbかつDM<DsであればYM=3:該当フィルタ152−Mは装着ノズル内径DMがしきい値Ds以上の吸着ノズル50が装着される時期まで待機させられていたが、しきい値Ds以上の吸着ノズル50が装着されることなく設定された検査時期が過ぎており、装着されている吸着ノズル50をダミーノズル222に交換して検査される。以上の処理が変数Mの値が1,2,3の場合について行われ、全てのフィルタ152−1,2,3についての変数Y1,2,3が設定される。Y1,2,3のうち少なくとも1つが2以上の値であれば検査実行フラグがONにされ、そうでない場合は検査実行フラグがOFFにされる(S436〜S438)。
【0098】<検査および清掃・検査フィルタ設定>図26におけるS405の検査フィルタ設定ルーチンを図28に示す。オペレーターによって検査および清掃処理が設定されたフィルタ152は、装着ノズル内径DM(変数Mは1,2,3のどれか)がノズル内径しきい値Ds以上であれば検査対象フィルタ152に対応する変数YM(変数Mは1,2,3のどれか)が2に設定され、適宜のタイミングで検査される。装着ノズル内径DMがしきい値Ds未満であれば変数YMは3に設定され、装着ノズルをダミーノズル222に交換して検査される。以上の処理が変数Mが1,2,3について行われ、全てのフィルタ152−1,2,3についての変数Y1,2,3が設定される(S441〜S449)。最後に検査実行フラグがONにされて(S450)、検査および清掃ルーチンに戻る。
【0099】<検査および清掃・検査処理>図26におけるS411の検査処理ルーチンを図29に示す。変数Y1,2,3の少なくとも1つが3であった場合は、検査対象のノズル保持部140全てにダミーノズル222が装着されてから第2負圧供給装置220に接続される(S461〜S467)。そして、S468〜S471において、ダミーノズル222装着状態であれば、検査時期に該当しているにもかかわらず装着ノズル内径がしきい値未満であるために検査が保留されている変数YN(変数Nは1,2,3のどれか)が1に設定されたフィルタ152も検査されるように、変数YNが1以上の場合に検査が行われ、吸着ノズル50が装着された状態であれば、変数YNが2以上の場合に検査が行われる。
【0100】S471の検査3では、フロチャートによる詳細な説明は省略するが、使用される第2正圧は、圧力調整弁170により大気圧との差の絶対値が第1負圧と同程度の正圧に減圧されており、さらに可変絞り172の設定を変更することにより検査対象のヘッド部に装着された吸着ノズル50の内径またはダミーノズル222に合わせて圧力供給速度が調整される。可変絞り172の設定値の決定方法は、目詰まり等監視モードにおける方法とほぼ同様であるため説明は省略する。可変絞り172の設定が終了すると、第2正圧と第2負圧が同時に供給され、開閉弁180が閉じられた状態で測定点PpおよびPfにおける密閉時圧力PpcおよびPfcと、開閉弁180が開かれて圧力供給通路内の気流が安定し、測定点PpおよびPfにおける圧力状態が安定するのに十分な時間である気流安定化時間が経過した時点で、安定な圧力状態の測定点PpおよびPfにおける気流安定時圧力PpoおよびPfoとが測定される。密閉時圧力PpcおよびPfcが測定された際には、密閉時圧力Ppcが下限値以上であるかどうかおよび密閉時圧力Pfcが上限値以下であるかどうか確認され、密閉時圧力Ppcが下限値未満であれば第2正圧不足状態が、密閉時圧力Pfcが上限値以下であれば第2負圧不足状態が、記憶および警告表示される。
【0101】目詰まり状態等の判定において、吸着ノズル50が装着されている場合とダミーノズル222が装着されている場合では異なる判定法が用いられ、以下にそれぞれの判定法を説明する。まず、吸着ノズル50が装着されている場合について説明する。測定された気流安定時圧力PpoおよびPfoとそれぞれの密閉時圧力PpcおよびPfcとの差である圧力増減量Pp−dおよびPf−dが求められ、それぞれのしきい圧力増減量と比較される。圧力増減量Pp−dのしきい値は図30に示すように、正常なフィルタ152および吸着ノズル50が装着された場合と、目詰まり状態のフィルタ152または詰まり気味の吸着ノズル50等が装着された場合とにおける測定点Ppの2つの気流安定時圧力の間の値と、Ppcとの差であるしきい圧力増減量Pp−dsが設定されている。
【0102】圧力増減量Pf−dのしきい値は2つあり、それぞれ次に記述する3種類の測定点Pfにおける気流安定時圧力の1つ目と2つ目の間の値および2つ目と3つ目の間の値と、Pfcとの差がしきい圧力増減量Pf−d1およびしきい圧力増減量Pf−d2として設定されている。(i)目詰まり状態のフィルタ152および正常な吸着ノズル50が装着された場合の測定値。(ii)正常なフィルタ152および正常な吸着ノズル50が装着された場合の測定値。(iii)正常なフィルタ152および詰まり気味の吸着ノズル50が装着された場合またはフィルタ152が非装着で正常な吸着ノズル50が装着された場合の測定値。圧力増減量Pp−dおよびPf−dが上に述べたそれぞれのしきい圧力増減量と比較され、目詰まり等監視モードにおける目詰まり等状態判定2ルーチンとほぼ同様に判定される。ただし、このS411の検査処理ルーチンでは、判定に密閉時圧力と気流安定時圧力の差である圧力増減量が用いられており、もし供給された圧力に若干の変動が生じても補正されるため測定値が安定している。
【0103】吸着ノズル50が装着されている場合の判定結果は次のようになる。(a)Pf−d≦Pf−d1かつPp−d>Pp−dsであれば第2正圧供給速度不足またはノズル非装着。(b)Pf−d≦Pf−d1かつPp−d≦Pp−dsであればフィルタの目詰まり。(c)Pf−d1<Pf−d≦Pf−d2かつPp−d>Pp−dsであればフィルタおよび吸着ノズル正常。(d)Pf−d1<Pf−d≦Pf−d2かつPp−d≦Pp−dsであればノズルの詰まり中期かつフィルタの目詰まり中期。(e)Pf−d>Pf−d2かつPp−d>Pp−dsであればフィルタ非装着。(f)Pf−d>Pf−d2かつPp−d≦Pp−dsであればノズルの詰まり,電子部品付着または第2正圧供給速度過剰もしくは第2負圧供給速度不足。
【0104】次にダミーノズル222が装着されている場合の判定法について説明する。測定点PpおよびPfにおいてそれぞれ測定された気流安定時圧力PpoとPfoの差圧Pdが求められ、しきい差圧と比較される。フィルタ152の正圧供給装置162側と、第2負圧供給装置220側との圧力差を求めることにより、目詰まりによるフィルタ152の通気抵抗増加が、主にフィルタ部の圧損の増加としてより明確に測定結果に反映される。しきい差圧は図31に示すように、正常なフィルタ152が装着された場合の差圧よりも小さいPd1と、正常なフィルタ152が装着された場合の差圧と目詰まり状態のフィルタ152が装着された場合の差圧との間の値であるPd2,Pd3(Pd2<Pd3)とが設定されている。判定結果は次のようになる。(a)Pd<Pd1:フィルタ非装着または圧力差不足。(b)Pd1≦Pd<Pd2:フィルタ正常。(c)Pd2≦Pd<Pd3:フィルタ目詰まり初期。(d)Pd3≦Pd:フィルタ目詰まりまたは圧力差過剰。
【0105】一旦S471の検査3ルーチンが実行された後、S472でフラグI7がON状態にされる。フラグI7は、S471の検査3ルーチン内で使用され、1回目の処理で圧力供給準備処理が行われ、2回目以降はフラグI7がON状態のため圧力供給準備処理がパスされる(目詰まり検査ルーチンのS203検査2参照)。変数Nの値が1〜3まで増加させられながらS468〜S470の判断が行われると検査対象のヘッド部は全て検査が終了し、変数Nが1に、フラグI7がOFFにリセットされる(S475,S476)。S477の終了処理では、ダミーノズル222が装着されていた場合は吸着ノズル50と交換され、また、吸着ノズル50が交換されたか否かにかかわらず可変絞り172の絞りの設定が内径が最大の吸着ノズル50に合わせて設定される。
【0106】<5.清掃および検査>図10に示す検査・清掃制御メインルーチンにおいて、S7の清掃および検査モードがONの場合、S11の清掃および検査ルーチンが実行される。S11では、予め処理対象のフィルタ152が選択されている場合は、それら選択されたフィルタ152について清掃および検査処理が行われ、処理対象のフィルタ152が選択されていない場合は、目詰まり等監視モードでフィルタの目詰まりまたはノズルの詰まり等が検出されたヘッド部が、吸着ノズル50を装着したまま接続部224を介して第2負圧供給装置220に接続され、第1正圧および第2負圧により発生させられた気流によりフィルタ152もしくは吸着ノズル50またはそれら両方が清掃され、その後、清掃されたヘッド部が検査されてフィルタの目詰まりまたはノズルの詰まり等が十分に解消されていなかった場合、フィルタ152もしくは吸着ノズル50がオペレーターによって新規の部品と交換される。
【0107】S11の清掃および検査ルーチンのフロチャートを図32に示す。S501では処理対象のヘッド部に対応するフラグXN(変数Nは1,2,3のどれか)がON状態に設定される。図10のS1初期設定において予め処理対象のヘッド部が選択されていれば、3つのヘッド部に対応するフラグX1,2,3の少なくとも1つがON状態にされており、フラグXNの値がそのまま使用される。予め処理対象のヘッド部が選択されていなかった場合は、目詰まり等監視モードでフィルタの目詰まりまたはノズルの詰まり等が検出されたヘッド部に対応するフラグXNがON状態にされる。処理対象のヘッド部が設定された後、電子部品装着システムが装着作業中でなければ、ノズル保持部140に保持された吸着ノズル50が接続部224上にXY移動させられた後、下降させられて第2負圧供給装置220と接続される(S502)。
【0108】S503の清掃処理2は、前記目詰まり解消工程に該当する処理の1つであり、本清掃および検査モードにおける目詰まり状態解消ステップである。S503の清掃処理2では、フィルタの清掃モードと同様に対象となるヘッド部1つにおいて、第1正圧が開閉弁180側からノズル保持部140に供給されると同時に第2負圧が吸着ノズル50側からノズル保持部140に供給され、開閉弁180から接続部224へヘッド部を通じて流れる気流が生じる。さらに、一定時間間隔で開閉弁180が開閉されることにより、一定時間気流が脈動させられ、対象となるヘッド部1つの清掃処理が終了する。選択された、つまりフラグXN(変数Nは1,2,3のどれか)がON状態であるヘッド部全ての清掃処理が終了すると、S504の検査処理2が実行される。
【0109】<清掃および検査・検査処理2>S504検査処理2は、前記目詰まり検出工程に該当する処理の1つであり、本清掃および検査モードにおける空気流生成ステップと目詰まり状態判定ステップとを含む。S504検査処理2では、清掃処理が行われたヘッド部、つまりS501においてON状態に設定されたフラグXN(変数Nは1,2,3のどれか)に対応するヘッド部について検査が行われる。可変絞り172が対象となるヘッド部に装着された吸着ノズル50の内径に適した設定値に設定された後、対象となるヘッド部1つに対して、開閉弁180が閉じられた状態で第2正圧が開閉弁180手前まで供給されると同時に、第2負圧が吸着ノズル50側からノズル保持部140に供給される。そして、密閉時圧力PpcおよびPfcが測定され、検査および清掃モードの検査3ルーチンと同様に、密閉時圧力PpcおよびPfcがそれぞれ下限値以上または上限値以下であるかどうか確認され、密閉時圧力Ppcが下限値未満であれば第2正圧不足状態が、密閉時圧力Pfcが上限値以下であれば第2負圧不足状態が、記憶および警告表示される。圧力の供給が開始されて圧力安定化時間経過後に、圧力供給通路内の圧力が安定した状態で測定点PpおよびPfにおける密閉時圧力PpcおよびPfcが測定される。開閉弁180が開かれると、開閉弁180側から接続部224側へ流れる気流が生じ、各圧力測定点の圧力状態は急激に変化するが、一定時間後には圧力供給通路を流れる気体流量はほぼ安定し、その安定した圧力状態の圧力測定値である気流安定時圧力PpoおよびPfoが測定点PpおよびPfにおいて測定される。
【0110】測定点PpおよびPfにおいて測定された密閉時圧力と気流安定時圧力の差がそれぞれ求められ、予め設定されたしきい値であるしきい圧力増減量と比較することによりフィルタ152および吸着ノズル50等の状態が判定される。なお、対象ヘッド部に装着された吸着ノズル50の内径がノズル内径しきい値Ds以上の場合は、検査および清掃モードにおいて吸着ノズル50が装着された状態の検査処理と同じ判定方法が用いられるため説明は省略する。一方、吸着ノズル50の内径がしきい値Ds未満の場合は、目詰まり等監視モードの目詰まり判定1と同様な判定方法が用いられ、以下に説明する。
【0111】対象ヘッド部に装着された吸着ノズル50の内径がしきい値Ds未満である場合には、密閉時圧力PpcおよびPfcと気流安定時圧力PpoおよびPfoの差の圧力増減量Pp−dおよびPf−dが求められ、予め設定されたしきい圧力増減量と比較される。それらのしきい圧力増減量には、図30に示されている各測定値との大小関係が、しきい圧力増減量Pp−dsおよびPf−d2と同様なしきい圧力増減量Pp−dtおよびPf−dtがそれぞれ設定されており、Pp−d>Pp−dtかつPf−d<Pf−dtであれば吸着ノズル50は正常と判定される。逆に、Pp−d≦Pp−dtかつPf−d≧Pf−dtであればノズルの詰まりと判定され、それ以外はノズルの詰まり中期と判定される。
【0112】清掃処理後にフィルタの目詰まりまたはノズルの詰まり等が検出された場合、S505の終了処理でオペレーターにフィルタ152または吸着ノズル50の交換を促す表示がなされる。また、目詰まり等が検出されなくとも各種のフラグや変数のリセット、開閉弁や方向切換弁を初期の状態に戻す処理、可変絞り172の設定を元に戻す処理等が行われて、検査・清掃制御メインルーチンに戻る。
【0113】清掃および検査モードでは、吸着ノズル50を装着したまま清掃および検査が行われる。このままでは、フィルタの目詰まり清掃および検査時に内径の小さい吸着ノズル50が装着されているとフィルタ152の清掃の効果および検査の精度が低くなる可能性がある。しかし、装着された吸着ノズル50の内径が大きい場合は吸着ノズル50の通気抵抗が比較的小さく外気の吸入流量が多いためフィルタの目詰まりによる影響が現れやすい傾向となり、一方、吸着ノズル50の内径が小さい場合は吸着ノズル50の通気抵抗が大きいためフィルタの目詰まりによる影響が現れにくく、逆にフィルタ152が多少目詰まり状態であっても外気の吸入流量が少ないため問題になりにくい。つまり、電子部品20の吸着ミスを防ぐという観点において、装着された吸着ノズル50の内径が小さい場合(ノズル内径しきい値Ds未満)は、吸着ノズル50の通気抵抗が大きいためフィルタ152の目詰まり状態が問題となる可能性は低く、主に吸着ノズル50の詰まりを清掃および検査すれば良いことになる。
【0114】<補足>本実施形態では電子部品装着システムにヘッド部が3つ設けられている例を示したが、ヘッド部の数が1つでも、複数であってもフィルタ等の検査および清掃の少なくとも一方が実行可能である。
【0115】フィルタの清掃モード・検査および清掃モード・清掃および検査モードにおいて、ノズル保持部140に第2負圧供給装置220が接続され、清掃時に第2負圧が供給されていたが、第2負圧供給装置220が接続されず、第2負圧の供給なしで、すなわち第1正圧のみで清掃を行うことも可能である。逆に、第1正圧なしで、すなわち第2負圧のみでフィルタの清掃を行うことも不可能ではない。また、目詰まり検査モード・検査および清掃モード・清掃および検査モードにおいては、第2負圧供給装置220が接続され、検査時に第2負圧が供給されていたが、第2負圧の供給なしで、すなわち第2正圧または第1負圧のどちらかのみで検査を行うことも可能である。また、第2負圧のみでフィルタの検査を行うことも可能である。
【0116】第2負圧供給装置220につながる圧力供給通路には、フィルタ152と気流の通過穴のサイズは同等で、濾過面積が大きなフィルタ240が設けられており、フィルタの清掃によって除去された異物が捕集される。フィルタの清掃は第2負圧供給装置220を接続しなくとも第1正圧の供給のみで実行可能であるが、第2負圧供給装置220を接続してフィルタの清掃を行うことにより、圧力差を増大させ得る上、異物の飛散が防止できる。
【0117】開閉弁180は可能な範囲でフィルタ152の近くに配置されることが望ましい。また、全てのヘッド部において開閉弁180からフィルタ152までの圧力供給通路の長さが、可及的に等しくなることが望ましい。開閉弁180の存在は必須ではないが、上記のように、開閉弁180を配設することにより、圧力をより急速に変化させることが可能となる。また、ヘッド部による測定値のばらつきが低下すると期待される。そのほかに、方向切換弁178を切り換えるよりも清掃時の脈動が強くなるメリットや、検査および清掃モードや清掃および検査モードの検査処理において測定点Pfにおける密閉時圧力を測定できるメリット等がある。なお、第2負圧供給装置220とフィルタ184との間の圧力供給通路に可変絞りと圧力センサを設ければ、1つの圧力センサで開閉弁180と第2負圧供給装置220との間の圧力供給通路や、開閉弁232と第2負圧供給装置220との間の圧力供給通路における密閉時圧力を測定することが可能である。なお、可変絞りは圧力センサより第2負圧供給装置220側に設けることが望ましい。
【0118】検査・清掃制御プログラムにおいて、検査および清掃モードで一定の使用量を越えたフィルタ152を検査するために検査実行フラグがONにされる。また、目詰まり等監視モードで密閉時負圧が低すぎる場合に装着作業停止フラグがONにされる。検査実行フラグのように検査や清掃を目的として作業停止を要求するフラグがON状態とされた場合には、システム制御プログラムにより適宜のタイミングで装着作業が停止され、その後に検査・清掃制御プログラムのダミーノズル装着要求フラグなどの何らかの処理を要求するフラグがON状態であると、要求された処理がシステム制御プログラムによって実行される。一方、供給圧力の異常などが原因で装着作業の停止が要求された場合は、システム制御プログラムにより装着作業が停止された後に検査・清掃制御プログラムの何らかの処理を要求するフラグがON状態とされても無視され、処理は行われない。つまり、検査・清掃制御プログラムの要求を実行するか否かは、システム制御プログラムに決定権があり、システム制御プログラムによって許可される時のみ検査・清掃制御プログラムの要求が実行される。
【0119】検査・清掃制御プログラムのフロチャートにおいて、処理が「リターン・メイン」に進むと、処理が検査・清掃制御メインルーチンに移行し、実行されていた各モードのルーチンの次に行われるべき処理が実行される。例えば、検査および清掃モードであれば、処理が「リターン・メイン」に進むと、検査・清掃制御メインルーチンにおけるS10の検査および清掃ルーチンの処理が1回終わったと見なされて、次にS12のその他の処理が実行された後、S2の処理を始めとする処理が実行される。他のモードについても同様である。フロチャートをいたずらに複雑にせず、理解を容易にするためこのような表現とした。
【0120】フィルタの目詰まり等の検査は、開閉弁180が閉じられヘッド部に圧力差のない状態から、開閉弁180が開かれて圧力差が発生した状態に変化した際の圧力変化速度を始めとする圧力関連量の変化に基づいてフィルタの目詰まり等の判定がなされるようにされていたが、逆に、開閉弁180が開かれヘッド部に圧力差が存在する状態から、開閉弁180が閉じられ圧力差のない状態にされることによりフィルタの目詰まり等の判定が行われるようにすることも可能である。
【0121】「フィルタの目詰まり」または「フィルタの目詰まりおよびノズルの詰まり」の清掃において、第1正圧・第2負圧の供給能力に余裕があれば、清掃時に複数のヘッド部に圧力を供給し、一度に複数のフィルタ152と吸着ノズル50との少なくとも一方を清掃することも可能であり、清掃時間の短縮となる。さらに、開閉弁180の開閉により気流を脈動させ、その際、ヘッド部によって開閉弁180を開閉するタイミングをずらせば圧力を効率よく使用できる。
【0122】「フィルタの目詰まり」または「フィルタの目詰まりおよびノズルの詰まり」の検査において、各ヘッド部の方向切換弁178とフィルタ152との間に可変絞りと圧力センサとを設置すれば、全てのフィルタを同時に検査可能である。ただし、圧力センサは可変絞りよりもフィルタ152に近い側に設置すべきである。
【0123】「フィルタの目詰まり」または「フィルタの目詰まりおよびノズルの詰まり」の検査および清掃を行う場合、検査を第1負圧で行い、清掃を第1正圧で行えば、あるヘッド部を検査している間に別のヘッド部を清掃することが可能であり、メンテナンス時間の短縮となる。さらに、開閉弁232を方向切換弁とし、第2負圧と大気圧を切り換えられるようにすれば、第1正圧と第2負圧を用いて清掃を行いながら、同時に他のヘッド部を第1負圧で検査することができる。
【0124】検査および清掃モードおよび清掃および検査モードでは、第2正圧および第2負圧が同時に使用されており、フィルタ152を通過する気流の向きが、フィルタ152に付着した異物を除去する向きであるため、強固に付着しているのでなければ検査時に除去されることもある。可能な範囲で圧力差を大きくして検査が行われれば、ある程度の清掃効果が期待され、清掃しながら検査可能になる。つまり、圧力供給によりフィルタ152の異物が減少すれば通気抵抗が小さくなり、一定時間間隔で圧力測定すれば異物減少の度合いが確認でき、圧力値,圧力増減量または差圧等が正常な範囲になった時点または変化が無くなったところで清掃を終了させることができる。
【0125】目詰まり検査モードではフィルタの目詰まり状態が3段階で評価されるが、このように複数のしきい圧力関連量を用いてフィルタの目詰まりおよびノズルの詰まり等の判定を行えば目詰まり状態等が段階的に把握可能になり、フィルタ152および吸着ノズル50の管理の効率化が上がる。しきい圧力関連量を3つ用いて4段階以上で評価することも可能であり、逆に2段階のみで評価することも可能である。同様に、他の検査処理を含む各モードにおける目詰まり状態等の判定が、2段階または3段階以上で評価されるようにすることも可能である。
【0126】圧力センサPp200,Pn202,Pf204のいずれかが設けられていればフィルタの目詰まり状態検査は実施可能である。検査および清掃モード,清掃および検査モードの説明において、各種の圧力関連量およびしきい圧力関連量の値は正圧または絶対圧のいずれかを用いることが望ましい。正圧を用いる場合、負圧は負の値で表せばよい。本実施形態では、フィルタ152が圧力供給装置160とノズル保持部140との間の圧力供給通路に設けられているが、フィルタ152が吸着ノズル50や吸着管112に設けられている場合であっても、フィルタの目詰まり検査や清掃を行うことが可能である。
【0127】以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【出願人】 【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
【住所又は居所】愛知県知立市山町茶碓山19番地
【出願日】 平成14年1月30日(2002.1.30)
【代理人】 【識別番号】100079669
【弁理士】
【氏名又は名称】神戸 典和
【公開番号】 特開2003−224397(P2003−224397A)
【公開日】 平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願番号】 特願2002−21710(P2002−21710)