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【発明の名称】 パネルの動作機構
【発明者】 【氏名】今井 照明
【住所又は居所】長野県伊那市西箕輪2676番地1 株式会社長野ケンウッド内

【氏名】那須野 守
【住所又は居所】長野県伊那市西箕輪2676番地1 株式会社長野ケンウッド内

【要約】 【課題】軸が外部に露出せず、パネルを筐体に干渉させることなく回動させることを可能とするパネルの動作機構を提供すること。

【解決手段】パネルの開閉機構10を以下のように構成する。筐体30に対して垂直に突出するようにスライド部材11を設け、このスライド部材11に、互いに平行となるように軸12、補助軸13を設ける。軸12には扇形ギア14、補助軸13にはピニオンギア15、を取り付け、筐体30にはラック34を形成し、ピニオンギア15が扇形ギア14とラック37との双方に噛合しながら回動するようにする。これにより、パネル20が開くとともに、軸12が筐体30の前方に移動するため、パネル20と筐体30とが互いに干渉せず、パネル20が安定的に開かれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】筐体に対し回動動作可能に組み付けられるパネルの動作機構であって、筐体にスライド動作可能に組み付けられ、前記パネルが回動動作可能に軸支されるスライド部材を備えることを特徴とするパネルの動作機構。
【請求項2】請求項1記載のパネルの動作機構において、前記パネルの回動動作に連動して前記スライド部材をスライド動作させる連動機構を備えることを特徴とするパネルの動作機構。
【請求項3】請求項2記載のパネルの動作機構において、前記連動機構は、前記パネルに一体的に設けた第1ギア部材と、前記スライド部材に回転可能に設けられて前記第1ギア部材に噛み合う第2ギア部材と、前記筐体に一体的に設けられ、前記第2ギア部材に噛み合うラック部材と、からなることを特徴とするパネルの動作機構。
【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のパネルの動作機構において、前記パネルは、前記筐体に形成された開口部を開閉する蓋部材であることを特徴とするパネルの動作機構。
【請求項5】請求項4記載のパネルの動作機構において、前記パネルは、軸支部側の下辺部、この下辺部より長くて平行する上辺部、を備える略台形状をなし、前記筐体は、パネルの側面部に近接する側面部、を備えることを特徴とするパネルの動作機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、オーディオ機器における記録媒体挿入口の蓋部材として設けられるパネルの動作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、オーディオ機器における記録媒体挿入口等に蓋部材として設けられるパネルには、筐体に軸支されて回動するものがある。前記のようなパネルの動作機構としては、一般に図7(a)〜図7(c)に示す形態が知られている。
【0003】図7(a)に示すパネルの動作機構110は、筐体130に備えられた軸112が外部に露出してしまい、外観が良くない。図7(b)に示すパネルの動作機構210は、軸212が外部に露出しないものの、軸212とパネル220とは円弧状に形成されたアーム部材211によって連結されている。したがって、パネル220を回動させる際には、前記アーム部材212を動作させるスペースを大きく確保する必要があり、スペースの制約を要求されるカーオーディオ等においては適用が困難である。
【0004】これに対して、図7(c)に示すパネルの動作機構310は、筐体330に備えられた軸312が外部に露出せず、図7(b)に示すようなアーム部材211もないため、外観が良くなり、スペースの制約にも対応できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図7(c)の形態においては、パネル320の厚みによっては、パネル320の筐体側角部と筐体330とのクリアランスを十分に確保しないと、パネル320と筐体330とが干渉してしまう。また、デザイン上から、図8(a)に示すような形状のパネルを採用することが考えられる。図8(a)において、パネル420は、軸支部側の下辺部421、この下辺部421より長くて平行する上辺部422、を備える略等脚台形状をなす。筐体430には、パネル420の正面部424と略面一となる表面部432、パネル420の側面部425に略接するように近接する近接面部433、が形成される。この場合において、図7(c)と同形態のパネルの動作機構を用いてパネル420を回動させようとすると、パネル420の斜辺部423が筐体430に干渉し、パネル430の回動ができない。
【0006】本発明の課題は、軸が外部に露出せず、パネルを筐体に干渉させることなく回動させることを可能とするパネルの動作機構を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、筐体に対し回動動作可能に組み付けられるパネルの動作機構であって、筐体にスライド動作可能に組み付けられ、前記パネルが回動動作可能に軸支されるスライド部材を備えることを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のパネルの動作機構において、前記パネルの回動動作に連動して前記スライド部材をスライド動作させる連動機構を備えることを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載のパネルの動作機構において、前記連動機構は、前記パネルに一体的に設けた第1ギア部材と、前記スライド部材に回転可能に設けられて前記第1ギア部材に噛み合う第2ギア部材と、前記筐体に一体的に設けられ、前記第2ギア部材に噛み合うラック部材と、からなることを特徴としている。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のパネルの動作機構において、前記パネルは、前記筐体に形成された開口部を開閉する蓋部材であることを特徴としている。
【0011】請求項4記載のパネルの動作機構において、前記パネルは、軸支部側の下辺部、この下辺部より長くて平行する上辺部、を備える略台形状をなし、前記筐体は、パネルの側面部に近接する側面部、を備えることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を参照して、本発明に係るパネルの動作機構の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】図1〜図5に示すように、本発明に係るパネルの動作機構10は、例えば、カーオーディオの筐体30に形成される記録媒体挿入孔31(開口部)を開閉する蓋部材として設けられるパネル20の動作機構として用いられる。
【0014】パネル20は、軸支部側の下辺部21、この下辺部21より長くて平行する上辺部22、を備える略等脚台形状をなし、正面部24、この正面部24に略直交して隣り合う側面部25、を備える。正面部24の下方には、テーパ部26が形成され、後述する筐体30に形成されるテーパ部34と合わせて、パネル20の回動動作時にパネル20と筐体30とが干渉しないようになっている。パネル20の内部には、扇形ギア14(第1ギア部材)が一体的に取り付けられている。パネル20の両端部には、後述する、筐体30のガイド部35を回避してパネル20を閉じることを可能とする凹部27が形成されている。
【0015】筐体30には、記録媒体挿入孔31が形成されているとともに、パネル20によって記録媒体挿入孔31を閉じた状態において、パネル20の正面部24と略面一となる正面部32と、パネル20の側面部25に略接するように近接する近接面部33と、が形成されている。また、パネル20の下方となる位置にはテーパ部34が形成され、パネル20の回動動作時にパネル20と筐体30とが干渉しないようになっている。筐体30の左右となる位置2ヶ所には、前方に突出するように、後述するスライド部材11を案内するガイド部35が形成されている。このガイド部35の下方にはガイド孔36が形成されており、このガイド孔36に沿うように、スライド部材11は筐体30に対して前方にスライド動作可能である。さらにガイド部32には、後述するピニオンギア15が噛合するラック37が形成されている。
【0016】スライド部材11は、筐体30に形成されたガイド孔36にそれぞれ挿入されており、それぞれのスライド部材11の前部には軸12、軸12より後方に補助軸13が取り付けられている。
【0017】軸12には、パネル20に一体的に取り付けられる扇形ギア14(第1ギア部材)が取り付いている。
【0018】補助軸13にはピニオンギア15(第2ギア部材)が取り付けられており、このピニオンギア15は、扇形ギア14と筐体30に形成されたラック37とに同時に噛合する。ピニオンギア15は、筐体30内部に備えられている図示しないギア列およびモータが配された駆動部によって回動する。なお、駆動部によってピニオンギア15を直接回動させるのではなく、スライド部材11を前後動作させてもよい。
【0019】次に、以上のように構成されるパネルの動作機構10によって開閉するパネル20の動作について説明する。
【0020】パネル20が記録媒体挿入孔31を閉じた状態から開く場合の動作について説明する。パネル20は、図2、図5(a)に示すように略垂直となっている。この状態においては、軸12は筐体30内部に収容された第1位置aに位置する。この状態において、図示しない駆動部を駆動させ、ピニオンギア15を図1において右回りに回動させる。ピニオンギア15は補助軸13を中心に右回りに回動し、これにより、ピニオンギア15に噛合する扇形ギア14が左回りに回動し、ピニオンギア15がラック37に噛合しながら左方向に移動、すなわち、スライド部材11が左方向にスライドする。したがって、軸12が左方向にスライドし始めるとともに、この軸12を中心にパネル20が開き始める。
【0021】図3、図5(b)に示すように、パネル20は、開角度が大きくなるにつれ、左方向、すなわち、筐体30に対して前方にスライドする。そして、扇形ギア14とピニオンギア15との噛合部が、扇形ギア14の端部に達した時点でピニオンギア15の回転が止まり、この時点でパネル20は、図4、図5(c)に示すように、略水平に完全に開かれた状態となる。この状態においては、軸12は筐体30に対して前方となる第2位置bに位置する。
【0022】以上により、略垂直に閉じた状態のパネル20が、パネル20自体が筐体に対して前方にスライドしながら開き、略水平に完全に開いた状態となる。
【0023】この際、パネル20が筐体30に対して前方に突出しながら開かれるので、パネル20を開く途中において、パネル20の斜辺部23が、筐体30の表面部32と近接面部33とによって形成される角部に干渉することがなく、また、パネル20の筐体側下端が筐体30に干渉することもない。
【0024】なお、記録媒体挿入孔31を開いた状態からパネル20を閉じる場合の動作は、パネル20を開く場合の逆となる。すなわち、略水平に完全に開いた状態のパネル20は、パネル20自体が筐体30の方向にスライドしながら閉じ、閉じた状態においてはパネル20は略垂直となる。
【0025】本実施の形態におけるパネルの動作機構10によれば、パネル20が回動する軸12が、パネル20が閉じた状態における筐体30に収容された第1位置aと、パネル20が完全に開いた状態における筐体30に対して前方となる第2位置bと、の間をパネル20の開閉に連動して漸次スライドする。すなわち、パネル20が開くと同時に、筐体30に収容された軸12が筐体30の前方に移動し始める。したがって、パネル20が、前記したように略等脚台形状に形成されている場合においても、パネル20の回動の途中において、パネル20の斜辺部23が、筐体30の表面部32と近接面部33とによって形成される角部に干渉し、回動不能となることがない。また、パネル20の厚みによってパネル20の筐体側下端が筐体30に干渉することもない。
【0026】なお、パネル20を開いた状態においては、扇形ギア14やピニオンギア15が露出しているが、これらを隠すためにカバーを設けてもよい。これにより、ピニオンギア15等へのゴミ等の付着を防止できるとともに美観も保たれる。
【0027】また、本実施の形態に係るパネルの動作機構10によれば、パネル20が閉じることにより記録媒体挿入孔31が塞がれるので、外部からほこり等が侵入しない。
【0028】また、本実施の形態に係るパネルの動作機構10によれば、軸12が外部に露出しないので外観が良くなる。
【0029】また、本実施の形態に係るパネルの動作機構10によれば、図7(b)に示すようなアーム部材211を用いる必要がないため、スペースの制約に対応する。
【0030】また、本実施の形態に係るパネルの動作機構10によれば、パネル20を略等脚台形状に形成することができる。
【0031】本実施の形態は、一例であり適宜設計変更が可能である。
【0032】本実施の形態においては、駆動部でピニオンギア15を回動させてパネル20の開閉を行っているが、例えば、パネル20に直接手で触れて開閉させてもよい。
【0033】また、本実施の形態では、パネルの動作機構10をカーオーディオに適用した例を挙げたが、例えば、一般のオーディオ機器、小型或いは携帯テレビ、カーナビゲーション装置、その他各種計測装置や家電製品にも適用可能である。
【0034】また、例えば図6(a)、図6(b)に示すように、パネルの動作機構50を構成してもよい。図6において、パネル60は筐体70に、第1連結部材51、第2連結部材52、によって連結されている。第1連結部材51と第2連結部材52とは、それぞれ後端部側が、第1軸53において筐体70に軸支されている。また、第1連結部材51と第2連結部材52とは、それぞれ前端部側が、第2軸54と第3軸55とによって筐体60に軸支されている。さらに、第1軸53と第2軸54とには、それぞれ図示しないピニオンギアが取り付けられており、これらのピニオンギアはそれぞれ、筐体に形成されたラック71と、パネル60に形成されたラック61とに噛合しながら回動する。
【0035】前記のようなパネルの動作機構50によって、図示しない記録媒体挿入孔を閉じた状態のパネル60を開く場合の動作について説明する。パネル60は、図6(a)に示すように略垂直となっている。この状態において、図示しない駆動部を駆動させ、第1軸53に取り付けられたピニオンギアを図6(a)において左回りに回動させるとともに、第2軸に取り付けられたピニオンギアを図6(a)において左回りに回動させる。これにより、第1連結部材51と第2連結部材52とが、筐体70に対して右方向に移動するとともに、第2連結部材52が、第1軸53を中心に下方に回動する。これにより、パネル60が、右方向に移動しながら第3軸55を中心に開く。
【0036】この場合においても、パネル60が開くと同時に、第3軸55が筐体70に対して前方に移動し始める。したがって、この場合においても、パネル60の回動の途中において、パネル60と筐体70とが干渉して回動不能となることがない。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、前記スライド部材をスライド動作させながら、前記パネルを回動動作させることにより、パネルと前記筐体との干渉が回避され、パネルの回動が安定的に行われる。また、パネルの軸支部が閉状態で外部に露出しないため外観も良くなる。
【出願人】 【識別番号】000003595
【氏名又は名称】株式会社ケンウッド
【住所又は居所】東京都八王子市石川町2967番地3
【識別番号】592246211
【氏名又は名称】株式会社長野ケンウッド
【住所又は居所】長野県伊那市西箕輪2676番地1
【出願日】 平成14年1月31日(2002.1.31)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
【公開番号】 特開2003−224375(P2003−224375A)
【公開日】 平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願番号】 特願2002−23430(P2002−23430)