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【発明の名称】 電源分配箱及びパワーデバイスモジュール
【発明者】 【氏名】森本 充晃
【住所又は居所】静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社内

【氏名】生田 宜範
【住所又は居所】静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社内

【要約】 【課題】部品点数の削減によるコストダウンとスペースの縮小を図る。

【解決手段】電源側に接続される電源側ブスバー5と、各負荷側に接続される端子を一端にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバー7と、電源側ブスバー5と各負荷側ブスバー7との間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイス8と、各パワーデバイス8へ制御信号を送るためのドライバ回路を組み込んだ回路基板9と、を1つのケース2の内部に内蔵した電源分配箱において、前記各パワーデバイス8をベアチップ化し、ケース2の内部に配した負荷側ブスバー7上に実装してボンディングすると共に、各パワーデバイス8と回路基板9との接続及び各パワーデバイス8と電源側ブスバー5との接続をそれぞれワイヤボンディング11,12で行った。また、負荷側ブスバー7の端子をヒューズ50の板状端子50aの差し込み可能な音叉型端子6とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電源側に接続される電源側ブスバーと、各負荷側に接続される端子を一端にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバーと、電源側ブスバーと各負荷側ブスバーとの間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイスと、各パワーデバイスへ制御信号を送るためのドライバ回路を組み込んだ回路基板と、を1つのケースの内部に内蔵した電源分配箱において、前記各パワーデバイスをベアチップ化し、前記ケースの内部に配した電源側ブスバーまたは負荷側ブスバーのうちの一方のブスバー上に実装してボンディングすると共に、前記各パワーデバイスと前記回路基板との接続及び前記各パワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行ったことを特徴とする電源分配箱。
【請求項2】 請求項1に記載の電源分配箱であって、前記負荷側に接続される端子が、該端子と負荷との間に介在されるヒューズの板状端子を差し込み可能なスリット付きの音叉型端子として構成されていることを特徴とする電源分配箱。
【請求項3】 請求項1または2に記載の電源分配箱であって、前記パワーデバイスの実装部位及びワイヤボンディングによる接続部位を樹脂モールドで保護したことを特徴とする電源分配箱。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電源分配箱であって、前記電源側ブスバーと負荷側ブスバーとを放熱板上に配置した上で、前記ケースの内部に収容したことを特徴とする電源分配箱。
【請求項5】 電源側に接続される電源側ブスバーと、各負荷側に接続される端子を一端にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバーと、電源側ブスバーと各負荷側ブスバーとの間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイスと、各パワーデバイスへ制御信号を送るためのドライバ回路に接続される接続端子とを、樹脂モールドにより一体化してなるパワーデバイスモジュールであって、前記各パワーデバイスをベアチップ化し、前記電源側ブスバーまたは負荷側ブスバーのうちの一方のブスバー上に実装してボンディングすると共に、前記各パワーデバイスと前記接続端子との接続及び前記各パワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行ったことを特徴とするパワーデバイスモジュール。
【請求項6】 請求項5に記載のパワーデバイスモジュールであって、前記電源側ブスバーを挟んだ一方側に前記複数の負荷側ブスバーを所定ピッチで配列すると共に他方側に前記複数の接続端子を所定ピッチで配列し、前記接続端子の配列ピッチを前記負荷側ブスバーの配列ピッチよりも小さくすることで接続端子の列の端部に空きスペースを確保し、その空きスペースに、実装すべき基板に対して当該パワーデバイスモジュールを取り付けるための取付部を設けたことを特徴とするパワーデバイスモジュール。
【請求項7】 請求項5に記載のパワーデバイスモジュールであって、前記ベアチップ化した各パワーデバイスを電源側ブスバー上に所定ピッチで配列し、これらパワーデバイスの配列ピッチを前記負荷側ブスバーの配列ピッチよりも小さくすることでパワーデバイスの列の端部に空きスペースを確保し、その空きスペースに、電源側ブスバーと外部との接続を行う接続部を設けたことを特徴とするパワーデバイスモジュール。
【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載のパワーデバイスモジュールであって、前記負荷側に接続される端子が、該端子と負荷との間に介在されるヒューズの板状端子を差し込み可能なスリット付きの音叉型端子として構成されていることを特徴とするパワーデバイスモジュール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の電源分配箱、及び、それを実現するのに有用なパワーデバイスモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車用の電源分配箱は、1つのケースの内部に、電源(車載バッテリ)側に接続される電源側ブスバーと、各負荷側に接続される端子を一端にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバーと、電源側ブスバーと各負荷側ブスバーとの間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイスと、各パワーデバイスへ制御信号を送るためのドライバ回路を組み込んだ回路基板と、を内蔵した構造をなしている。
【0003】従来の電源分配箱では、前記パワーデバイスとしてパッケージ部品を使用しており、これを例えば回路基板上に実装し、パワーデバイスの各端子を回路基板上の回路導体に半田付けし、パワーデバイスや回路基板の端子と各ブスバーをコネクタやジャンパ線等の接続手段を用いて接続しているのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の電源分配箱では、例えばパワーデバイスや回路基板の端子と各ブスバーを接続するのに、コネクタやジャンパ線等の接続手段を用いる必要があったので、部品点数が多くなり、コストアップとスペースの増大につながっていた。
【0005】本発明は、上記事情を考慮し、部品点数の削減によるコストダウンとスペースの縮小を図ることのできる電源分配箱、及び、それを実現するのに有用なパワーデバイスモジュールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電源分配箱は、電源側に接続される電源側ブスバーと、各負荷側に接続される端子を一端にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバーと、電源側ブスバーと各負荷側ブスバーとの間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイスと、各パワーデバイスへ制御信号を送るためのドライバ回路を組み込んだ回路基板と、を1つのケースの内部に内蔵した電源分配箱において、前記各パワーデバイスをベアチップ化し、前記ケースの内部に配した電源側ブスバーまたは負荷側ブスバーのうちの一方のブスバー上に実装してボンディングすると共に、前記各パワーデバイスと前記回路基板との接続及び前記各パワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行ったことを特徴とする。
【0007】この電源分配箱では、パワーデバイスをベアチップ化した上で、電源側ブスバーまたは負荷側ブスバーのうちの一方のブスバー上に実装してボンディングし、パワーデバイスと回路基板との接続及びパワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行っているので、パッケージ部品を回路基板に実装するのと違い、各要素間をつなぐためにコネクタやジャンパ線等の接続手段を用いる必要がなくなり、部品点数の削減が図れる。また、電源分配箱内の必須部品であるブスバー上にベアチップ化したパワーデバイスを直接実装したことにより、回路基板上にパワーデバイスの実装スペースを確保する必要がなくなる上、回路基板内に配索していたパワー線を省略できるようになるので、回路基板の小型化による占有スペースの縮小を図ることができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1に記載の電源分配箱であって、前記負荷側に接続される端子が、該端子と負荷との間に介在されるヒューズの板状端子を差し込み可能なスリット付きの音叉型端子として構成されていることを特徴とする。
【0009】この電源分配箱では、負荷側ブスバーの一端に音叉型端子を設けたので、音叉端子に直接ヒューズの端子を嵌めることができる。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2に記載の電源分配箱であって、前記パワーデバイスの実装部位及びワイヤボンディングによる接続部位を樹脂モールドで保護したことを特徴とする。
【0011】この電源分配箱では、樹脂モールドにより、パワーデバイスの実装部位及びワイヤボンディングによる接続部位を保護したので、外部からの障害を受けにくい構造となる。
【0012】請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の電源分配箱であって、前記電源側ブスバーと負荷側ブスバーとを放熱板上に配置した上で、前記ケースの内部に収容したことを特徴とする。
【0013】この電源分配箱では、電源側ブスバーと負荷側ブスバーとを放熱板上に配置した上でケース内部に収容したので、組み立てを簡単に行うことができると共に、パワーデバイスの放熱性を高めることができる。
【0014】請求項5の発明のパワーデバイスモジュールは、電源側に接続される電源側ブスバーと、各負荷側に接続される端子を一端にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバーと、電源側ブスバーと各負荷側ブスバーとの間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイスと、各パワーデバイスへ制御信号を送るためのドライバ回路に接続される接続端子とを、樹脂モールドにより一体化してなるパワーデバイスモジュールであって、前記各パワーデバイスをベアチップ化し、前記電源側ブスバーまたは負荷側ブスバーのうちの一方のブスバー上に実装してボンディングすると共に、前記各パワーデバイスと前記接続端子との接続及び前記各パワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行ったことを特徴とする。
【0015】このパワーデバイスモジュールは、モジュールの内部に電源側ブスバーと負荷側ブスバーを予め内蔵しており、いずれか一方のブスバー上にベアチップ化したパワーデバイスを実装してボンディングすると共に、パワーデバイスと接続端子との接続及びパワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行った上で、これらをモジュールの外殻をなす樹脂モールドにより一体化しているので、このモジュールを電源分配箱のケース内部に収容する回路基板上に実装して、接続端子を回路基板上の回路導体に接続するだけで、簡単に電源分配箱を組み上げることができる。従って、従来のようなパッケージ部品を回路基板上に実装した上で、回路基板とブスバーとの接続をとるのと違い、各要素間をつなぐためにコネクタやジャンパ線等の接続手段を省略することができ、部品点数の削減が図れる。また、予めモジュール内部に、電源分配箱を構成する上で必要なブスバーとパワーデバイスを内蔵しているので、モジュール外にブスバーを設ける必要がなくなる上、回路基板内に配索していたパワー線を省略できるようになり、その結果、占有スペースの縮小を図ることができる。
【0016】請求項6の発明は、請求項5に記載のパワーデバイスモジュールであって、前記電源側ブスバーを挟んだ一方側に前記複数の負荷側ブスバーを所定ピッチで配列すると共に他方側に前記複数の接続端子を所定ピッチで配列し、前記接続端子の配列ピッチを前記負荷側ブスバーの配列ピッチよりも小さくすることで接続端子の列の端部に空きスペースを確保し、その空きスペースに、実装すべき基板に対して当該パワーデバイスモジュールを取り付けるための取付部を設けたことを特徴とする。
【0017】このパワーデバイスモジュールでは、寸法的に余裕のある接続端子の配列ピッチを、負荷側ブスバーの配列ピッチに敢えて合わせずに、それよりも小さく設定することで接続端子の列の端部に空きスペースを確保し、その空きスペースに基板への取付部(ネジによる取付部など)を設けたので、取付部を極力、モジュールの内側の位置に設けることができる。従って、パワーデバイスモジュールの小型化を図ることができる。
【0018】請求項7の発明は、請求項5に記載のパワーデバイスモジュールであって、前記ベアチップ化した各パワーデバイスを電源側ブスバー上に所定ピッチで配列し、これらパワーデバイスの配列ピッチを前記負荷側ブスバーの配列ピッチよりも小さくすることでパワーデバイスの列の端部に空きスペースを確保し、その空きスペースに、電源側ブスバーと外部との接続を行う接続部を設けたことを特徴とする。
【0019】このパワーデバイスモジュールでは、ベアチップ化し寸法的に余裕のあるパワーデバイスの配列ピッチを、負荷側ブスバーの配列ピッチに敢えて合わせずに、それよりも小さく設定することでパワーデバイスの列の端部に空きスペースを確保し、その空きスペースに電源側ブスバーと外部との接続を行う接続部を設けたので、電源側ブスバーを、モジュールの外部に突き出すことなく配置することができ、パワーデバイスモジュールの小型化を図ることができる。
【0020】請求項8の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載のパワーデバイスモジュールであって、前記負荷側に接続される端子が、該端子と負荷との間に介在されるヒューズの板状端子を差し込み可能なスリット付きの音叉型端子として構成されていることを特徴とする。
【0021】このパワーデバイスモジュールでは、負荷側ブスバーの一端に音叉型端子を設けているので、音叉端子に直接ヒューズの端子を嵌めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】図1は本発明の電源分配箱の実施形態を示す斜視図、図2は同電源分配箱内に収容されるパワーデバイスのブスバーに対する実装状態を拡大して示す斜視図である。
【0024】この電源分配箱1のケース2は、矩形箱形のケース本体3と、その上面開口を覆うカバー4とからなる。ケース本体3の内部には、電源側に接続される電源側ブスバー5と、各負荷側に接続される音叉型端子6を一端部にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバー7と、電源側ブスバー5と各負荷側ブスバー7との間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイス8と、各パワーデバイス8へ制御信号を送るためのドライバ回路を組み込んだ回路基板9とが内蔵されている。
【0025】カバー4には、各種コネクタやヒューズ50等を装着するためのハウジング52、53が設けられている。負荷側ブスバー7の一端部に形成されている音叉型端子6は、該端子6と負荷との間に介在されるヒューズ50の板状端子50aを差し込むことのできるスリット6aを備えたものである。この音叉型端子6は、負荷側ブスバー7をL字形に折り曲げることで上向きに突出しており、その音叉型端子6に対して、カバー4側からヒューズ50の板状端子50aを差し込み接続できるようになっている。また、電源側ブスバー5も、L字形に折り曲げることで、端子部5aを上向きに突出させている。
【0026】電源側ブスバー5と負荷側ブスバー7は、高熱伝導性を有する絶縁材料よりなる放熱板10の上面に所定の配置で固着された上で、ケース本体3の内部に収容されている。各負荷への電源供給制御を行うパワーデバイス8は、それぞれがベアチップ化されて、各負荷側ブスバー7の他端部の上面に実装されており、図示しない負荷側電極部分が直接負荷側ブスバー7上にボンディングされている。また、各パワーデバイス8と回路基板9との接続、及び、各パワーデバイス8と電源側ブスバー5との接続は、それぞれワイヤボンディング11、12によって行われている。
【0027】そして、好ましくは、パワーデバイス8の実装部位及びワイヤボンディング11、12による接続部位を覆うように、それらの部分を保護するための樹脂モールド(図示略)が後から設けられている。
【0028】この電源分配箱1は、上述したように、パワーデバイス8をベアチップ化した上で、各負荷側ブスバー7の上に実装してボンディングし、パワーデバイス8と回路基板9との接続及びパワーデバイス8と電源側ブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディング11、12で行っているので、パッケージ部品を回路基板に実装するのと違って、各要素間をつなぐためにコネクタやジャンパ線等の接続手段を用いる必要がなく、部品点数の削減が図れる。
【0029】また、電源分配箱1内の必須部品である負荷側ブスバー7上に、ベアチップ化したパワーデバイス8を直接実装しているので、回路基板9上にパワーデバイスの実装スペースを確保する必要がない上、回路基板9内にパワー線を配索する必要もない。よって、その分、回路基板9の小型化による占有スペースの縮小が図れる。
【0030】また、負荷側ブスバー7の一端には音叉型端子6を設けているので、この音叉端子6に直接ヒューズ50の板状端子50aを嵌めるだけで、負荷との接続を簡単に実施することができ、接続作業の簡略化が図れる。また、樹脂モールドによってパワーデバイス8の実装部位及びワイヤボンディング11、12による接続部位を覆った場合は、回路の信頼性を高めることができる。また、電源側ブスバー5と負荷側ブスバー7とを放熱板10上に配置した上で、ケース本体3の内部に収容しているので、組み立てを簡単に行うことができると共に、パワーデバイス8の放熱性を高めることができる。
【0031】なお、上記実施形態においては、各負荷側ブスバー7の上に、ベアチップ化したパワーデバイス8を実装しているが、ベアチップの構造によっては、電源側ブスバー5上に、ベアチップ化したパワーデバイス8を実装する方がよいこともある。
【0032】また、放熱板10は金属板で構成してもよく、そうにした場合は、電源側ブスバー5及び負荷側ブスバー7を、絶縁シートを介して放熱板10上に接着固定することになる。
【0033】また、図3に示すように、放熱板10に位置決め孔10aを開けておき、それを、ケース本体3の底面に突設した突起21に嵌めることで、ブスバー5、7とケース本体3の位置合わせを行うようにすることもできる。放熱板10を位置合わせした後は、接着、ネジ、リベット等の手段で放熱板10を固定することで、ブスバー5、7の装着が完了する。
【0034】また、ケース本体3の底板に開口22を設けておき、その開口22から、放熱板10の底面に、別の例えばフィン付きの放熱装置23を密着させることで、放熱性のさらなる向上を図ることもできる。
【0035】次に電源分配箱を組み上げるのに有用な本発明のパワーデバイスモジュールの実施形態について説明する。
【0036】図4はその第1の実施形態の構成図であり、(a)は樹脂モールドする前の状態を示す斜視図、(b)は樹脂モールドした後の状態を示す斜視図である。図5は同パワーデバイスモジュールを電源分配箱内に実装した状態を示す斜視図である。
【0037】このパワーデバイスモジュール60は、図4(a)に示すように、電源側に接続される電源側ブスバー61と、各負荷側に接続される音叉型端子62を一端にそれぞれ有した複数の負荷側ブスバー63と、電源側ブスバー61と各負荷側ブスバー63との間にそれぞれ介在されることで各負荷への電源供給制御を行う複数のパワーデバイス64と、各パワーデバイス64へ制御信号を送るためのドライバ回路に接続される接続端子65とを、樹脂モールド66によって一体化してなるものである。
【0038】各パワーデバイス64はベアチップ化されており、電源側ブスバー61の上面に実装されてボンディングされている。また、パワーデバイス64と負荷側ブスバー63との接続、及び、パワーデバイス64と接続端子65との接続は、それぞれワイヤボンディング67、68によって行われている。
【0039】電源側ブスバー61は、金属板を、短辺部61aと長辺部61bを有するL字形にカットしたものであり、一端側の短辺部61aが、電源側への接続部となっていて、ボルト取付孔61cを有し、他端側の長辺部61bの上面に、ベアチップ化されたパワーデバイス64が一列に並べて実装されている。また、負荷側ブスバー63は短尺帯板状をなしており、電源側ブスバー61の長辺部61bの一方の側縁部に直交する姿勢で一列に配列されている。
【0040】また、接続端子65はピン状をなしており、電源側ブスバー61の長辺部61bの他方の側縁部に直交する姿勢で一列に配列されている。これら接続端子65は、回路基板への接続を可能にするようにコネクタ端子状に配列されており、樹脂モールド66でパッケージングされた後、樹脂モールド66から出た部分が下向きに曲げられている。また、負荷側ブスバー63の一端に形成されている音叉型端子62は、該端子62と負荷との間に介在されるヒューズの板状端子を差し込むことのできるスリット62aを備えたものである。この音叉型端子6は、樹脂モールド66でパッケージングされた後、樹脂モールド66から出た部分で上向きにL字形に折り曲げられており、その音叉型端子62に対して、上からヒューズの板状端子を差し込み接続できるようになっている。
【0041】このパワーデバイスモジュール60を用いて電源分配箱を構成する場合は、図5に示すように、ケース本体3内に収容した回路基板55にこのパワーデバイスモジュール60を実装し、回路基板55上の回路導体(図示略)に接続端子65を半田付けする。また、電源側ブスバー61の取付孔61c(図5では図示されず)にボルト69を差し込んで、このボルト69によりパワーデバイスモジュール60をケース本体3に固定すると同時に電源側導体58に接続する。このように、回路基板55上の所定位置にパワーデバイスモジュール60を実装することにより、予めケース本体3に取り付けてある負荷側の音叉型端子57と、パワーデバイスモジュール60側の音叉型端子62とが、ヒューズを差し込み接続するための端子対をなす。
【0042】このパワーデバイスモジュール60は、モジュール60の内部に電源側ブスバー61と負荷側ブスバー63を最初から内蔵しており、負荷側ブスバー63上にベアチップ化したパワーデバイス64を実装し、パワーデバイス64と接続端子65との接続及びパワーデバイス64と電源側ブスバー61との接続をそれぞれワイヤボンディング67、68で行った上で樹脂モールド66により一体化した構成をなしているので、図5に示すように、このモジュール60を電源分配箱を構成する回路基板55上に実装して、接続端子65を回路基板55上の回路導体に接続するだけで、簡単に電源分配箱を組み上げることができる。
【0043】従って、回路基板55とパワーデバイス64及び各ブスバー61、63との接続をとるのに、コネクタやジャンパ線等の接続手段を用いる必要がなく、部品点数を削減することができる。また、予めモジュール60の内部に、電源分配箱を構成する上で必要なブスバー61、63とパワーデバイス64を内蔵しているので、モジュール60外に余計なブスバーを設ける必要がなくなる上、回路基板55内に配索していたパワー線も省略できるようになり、結果的に、部品搭載に必要な占有スペースの縮小を図ることができる。また、複数のパワーデバイス64をベアチップ化して使用することで、負荷側ブスバー63を含めた形の1部品にまとめているので、同じ個数のディスクリート部品を使用するよりも、部品としての占有スペースを小さくできる。
【0044】また、複数個のパワーデバイス64を内蔵しているので、負荷側の要求電流が大きい場合にも、パワーデバイス64を並列に使用することで、各パワーデバイス64の定格以上の通電電流を確保することができる。従って、通電電流が大きく、1個のパワーデバイス64では定格を超えてしまうような負荷を駆動する場合にも対応可能である。また、このモジュール60には、パワーデバイス64以外の素子は実装されていないため、負荷容量さえ超えなければ、どのような負荷も駆動可能である。
【0045】また、パワーデバイス64のドライブ回路は、モジュール60の外部の回路基板5上に設けることができるので、制御内容を自由に変更することができる。例えば、任意の立ち上がり、立ち下がり時間の設定により、どのような負荷に対しても最適な電源供給制御ができる。
【0046】なお、上記実施形態においては、電源側ブスバー61の上にベアチップ化したパワーデバイス64を実装しているが、ベアチップの構造によっては、各負荷側ブスバー63上にベアチップ化したパワーデバイス64を実装してもよい。
【0047】次にパワーデバイスモジュールを作る場合の手順を説明する。
【0048】図6に示す第1例では、まず、(a)に示すように、電源側ブスバー71、負荷側ブスバー72、接続端子73を、所定の配置となるように全て架橋部74aでつないで一体化したリードフレーム74を作製する。ここでは、直線形状の電源側ブスバー71を中央に配置し、その一方の側部に負荷側ブスバー72を電源側ブスバー71に直交する姿勢で配列し、他方の側部に接続端子73を電源側ブスバー71に直交する姿勢で配列している。なお、負荷側ブスバー72の外側の端部には音叉型端子72aが形成してある。
【0049】次いで、(b)に示すように、このリードフレーム74の中の電源側ブスバー71の上に一列に、ベアチップ化したパワーデバイス75を実装し、パワーデバイス75と負荷側ブスバー72の内側の端部をワイヤボンディング76で接続すると共に、パワーデバイス75と接続端子73の内側の端部をワイヤボンディング77で接続する。
【0050】次に、(c)に示すように、パワーデバイス75の実装部位及びワイヤボンディング76、77による接続部位を全て覆うように樹脂モールド78を成形して設け、モールド後に、(d)に示すように架橋部74aをカットする。この際、架橋部74aの環状部分は、負荷側ブスバー72及び接続端子73の長さ方向の略中間部に連結しているので、負荷側ブスバー72及び接続端子73の両側部で架橋部74aをカットする。
【0051】そして、最後に(e)に示すように、接続端子73の樹脂モールド78から突出している部分を下向きに折り曲げ、負荷側ブスバー72の樹脂モールド78から突出している部分を上向きに曲げることで、製品としてのパワーデバイスモジュール70を得る。
【0052】図7に示す第2例では、まず、(a)に示すように、電源側ブスバー81、負荷側ブスバー82、接続端子83を、所定の配置となるように全て架橋部84aでつないで一体化したリードフレーム84を作製する。ここでは、L字形の電源側ブスバー81を中央に配置し、その長辺部の一方の側部に負荷側ブスバー82を電源側ブスバー81に直交する姿勢で配列し、他方の側部に接続端子83を電源側ブスバー81に直交する姿勢で配列している。
【0053】架橋部84aの環状部分は、電源側ブスバー81、負荷側ブスバー82、接続端子83の外側に位置しており、その環状部分から延ばした枝部の先端が、電源側ブスバー81、負荷側ブスバー82、接続端子83に連結している。負荷側ブスバー82の外側の端部には音叉型端子82aが形成されており、この音叉型端子82aの先端に前記架橋部84aの枝部の先端が結合している。また、本例では、負荷側ブスバー82上にパワーデバイスを実装する関係上、負荷側ブスバー82の内側の端部には、パワーデバイスを実装するための広面部82bが設けられている。
【0054】このような構成のリードフレーム84が作製できたら、次に、(b)に示すように、負荷側ブスバー82の内側の端部に確保した広面部82bの上に、それぞれベアチップ化したパワーデバイス85を実装し、パワーデバイス85と電源側ブスバー81をワイヤボンディング86で接続すると共に、パワーデバイス85と接続端子83の内側の端部をワイヤボンディング87で接続する。
【0055】次に、(c)に示すように、パワーデバイス85の実装部位及びワイヤボンディング86、87による接続部位を全て覆うように樹脂モールド88を成形して設け、モールド後に、(d)に示すように、架橋部84aを前述した枝部の先端でカットし、更に(e)に示すように、接続端子83の樹脂モールド88から突出している部分を下向きに折り曲げ、負荷側ブスバー82の樹脂モールド88から突出している部分を上向きに曲げ、電源側ブスバー81の樹脂モールド88から突出している部分を上向きに曲げることで、製品としてのパワーデバイスモジュール80を得る。
【0056】図8に示す第3例では、まず、(a)に示すように、電源側ブスバー91、負荷側ブスバー92、接続端子93を、所定の配置となるように全て架橋部94aでつないで一体化したリードフレーム94を作製する。ここでは、T字形の電源側ブスバー91を中央に配置し、その周囲に負荷側ブスバー92及び接続端子93を適当な順序で配置している。負荷側ブスバー92の外側の端部には音叉型端子92aが形成されている。また、負荷側ブスバー92上にパワーデバイスを実装する関係上、負荷側ブスバー92の内側の端部には、パワーデバイスを実装するための広面部92bが設けられている。
【0057】このような構成のリードフレーム94が作製できたら、次に、(b)に示すように、負荷側ブスバー92の内側の端部に確保した広面部92bの上に、それぞれベアチップ化したパワーデバイス95を実装し、パワーデバイス95と電源側ブスバー91をワイヤボンディング96で接続すると共に、パワーデバイス95と接続端子93の内側の端部をワイヤボンディング97で接続する。
【0058】次に、(c)に示すように、パワーデバイス95の実装部位及びワイヤボンディング96、97による接続部位を全て覆うように樹脂モールド98を成形して設け、モールド後に、(d)に示すように、架橋部94aを前述した枝部の先端でカットし、更に(e)に示すように、接続端子93の樹脂モールド98から突出している部分を下向きに折り曲げ、負荷側ブスバー92の樹脂モールド98から突出している部分を上向きに曲げ、電源側ブスバー91の樹脂モールド98から突出している部分を上向きに曲げることで、製品としてのパワーデバイスモジュール90を得る。
【0059】以上のように作製することにより、精度のよい製品(パワーデバイスモジュール70、80、90)を容易に作り出すことができる。
【0060】ところで、上記各実施形態のパワーデバイスモジュール60、70、80、90では、負荷側ブスバー63、72、82、92の配列ピッチと接続端子65、73、83、93の配列ピッチを等しく揃えていたが、接続端子65、73、83、93は、パワーデバイス64、75、85、95に制御信号を送るものであって、寸法的に細いものを使用しているので、端子間隔に十分な余裕がある。
【0061】そこで、接続端子の端子間隔を狭くしてモジュールの小型化を図ったのが、図9〜図11に示す実施形態のパワーデバイスモジュールである。以下、これについて説明する。
【0062】図9、図10の実施形態のパワーデバイスモジュール100では、電源側ブスバー101を挟んだ一方側に複数の負荷側ブスバー102を所定ピッチで配列すると共に他方側に複数の接続端子103を所定ピッチで配列している。そして、接続端子103の配列ピッチP3を、負荷側ブスバー102の配列ピッチP1よりも小さくすることで、接続端子103の列の両端部に空きスペースを確保し、樹脂モールド108上のその空きスペースに、実装すべき回路基板(図示略)に対してパワーデバイスモジュール100を取り付けるためのネジ取付部(本例ではネジ挿通孔)109を設けている。
【0063】また、ベアチップ化したパワーデバイス105は電源側ブスバー101上に配置しており、これらのパワーデバイス105についても寸法的な余裕がある程度あるので、間隔を詰めて配列している。そして、パワーデバイス105の配列ピッチP2を負荷側ブスバー102の配列ピッチP1よりも小さくすることでパワーデバイス105の列の両端部に空きスペースを確保し、その空きスペースに、電源側ブスバー101と外部との接続を行うための接続部(本例では接続孔)110を設けている。
【0064】なお、接続端子103の脚部は、樹脂モールド108の側面に設けた凹部108a内に隠れるようにして外部に突き出しており、凹部108aの両側の樹脂の突出部分に前記取付部109が配置されている。また、樹脂モールド108の下面には、位置決めに使用する突起112が設けられている。
【0065】このように、接続端子103の配列ピッチP3とパワーデバイス105の配列ピッチを負荷側ブスバー102の配列ピッチP1よりも狭くして、それによりできるスペースに取付部109や接続部110を設けているので、取付部109をパワーデバイスモジュール100の内側の位置にできるだけ寄らせて設けることができる。また、電源側ブスバー101をパワーデバイスモジュール100の外部に突き出すことなく配置することができる。そのため、パワーデバイスモジュール100の小型化を図ることができる。
【0066】なお、図9、図10の実施形態のパワーデバイスモジュール100では、負荷側ブスバー102の先端の端子102aをF−F端子形状にしているが、図11の実施形態のパワーデバイスモジュール100Bのように、負荷側ブスバー102Bの先端の端子102bを音叉端子形状にしてもよい。このようにすれば、音叉端子部102bに直接ヒューズの端子を嵌めることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明の電源分配箱によれば、パワーデバイスをベアチップ化した上で、電源側ブスバーまたは負荷側ブスバーのうちの一方のブスバー上に実装してボンディングし、パワーデバイスと回路基板との接続及びパワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行っているので、各要素間をつなぐためにコネクタやジャンパ線等の接続手段を用いる必要がなく、部品点数の削減が図れる。また、電源分配箱内の必須部品であるブスバー上に、ベアチップ化したパワーデバイスを直接実装しているので、回路基板上にパワーデバイスの実装スペースを確保する必要がなくなる上、回路基板内に配索していたパワー線を省略できるようになる。その結果、回路基板の小型化による占有スペースの縮小を図ることができ、前述したコネクタ等の部品の削減と占有スペースの縮小により、電源分配箱のコストダウン及び小型化を図ることができる。
【0068】請求項2の発明の電源分配箱によれば、前記負荷側ブスバーの一端に設けた端子をスリット付きの音叉型端子としたので、その音叉型端子に直接ヒューズの端子を嵌めるだけで、負荷との接続を簡単に実施することができ、接続作業の簡略化が図れる。
【0069】請求項3の発明の電源分配箱によれば、パワーデバイスの実装部位及びワイヤボンディングによる接続部位を樹脂モールドで保護したので、回路の信頼性を高めることができる。
【0070】請求項4の発明の電源分配箱によれば、電源側ブスバーと負荷側ブスバーとを放熱板上に配置した上でケース内部に収容したので、組み立てを簡単に行うことができると共に、パワーデバイスの放熱性を高めることができる。
【0071】請求項5の発明のパワーデバイスモジュールによれば、モジュールの内部に電源側ブスバーと負荷側ブスバーを予め内蔵しており、いずれか一方のブスバー上にベアチップ化したパワーデバイスを実装してボンディングすると共に、パワーデバイスと接続端子との接続及びパワーデバイスと他方のブスバーとの接続をそれぞれワイヤボンディングで行った上で、これらをモジュールの外殻をなす樹脂モールドにより一体化しているので、このモジュールを電源分配箱のケース内部に収容する回路基板上に実装して、接続端子を回路基板上の回路導体に接続するだけで、簡単に電源分配箱を組み上げることができる。従って、各要素間をつなぐためのコネクタやジャンパ線等の接続手段を省略することができ、部品点数の削減が図れる。また、最初からモジュールの内部に、電源分配箱を構成する上で必要なブスバーとパワーデバイスを内蔵しているので、モジュール外にブスバーを設ける必要がなくなる上、回路基板内に配索していたパワー線を省略できるようになり、その結果、占有スペースの縮小を図ることができる。また、モジュール内部には負荷側ブスバーに対応した複数のパワーデバイスを内蔵していることから、負荷側の要求電流が大きい場合にも、パワーデバイスを並列に使用することで、各パワーデバイスの定格以上の通電電流を確保することが可能である。
【0072】請求項6の発明のパワーデバイスモジュールによれば、寸法的に余裕のある接続端子の配列ピッチを小さくして、それによりできる空きスペースに基板に対する取付部を設けたので、取付部をモジュールの内側にできるだけ寄らせて配置することができ、モジュールの小型化が図れる。
【0073】請求項7の発明のパワーデバイスモジュールによれば、ベアチップ化することで寸法的に余裕のあるパワーデバイスの配列ピッチを小さくして、それによりできる空きスペースに電源側ブスバーに対する接続部を設けたので、接続部をモジュールの外側に突き出して設ける必要がなく、モジュールの小型化が図れる。
【0074】請求項8の発明のパワーデバイスモジュールによれば、前記負荷側ブスバーの一端に設けた端子をスリット付きの音叉型端子としたので、その音叉型端子に直接ヒューズの端子を嵌めるだけで、負荷との接続を簡単に実施することができ、接続作業の簡略化が図れる。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【住所又は居所】東京都港区三田1丁目4番28号
【出願日】 平成14年2月14日(2002.2.14)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2003−218554(P2003−218554A)
【公開日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願番号】 特願2002−37297(P2002−37297)