トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 電磁波遮蔽複合部材
【発明者】 【氏名】小野寺 章
【住所又は居所】静岡県浜松市大久保町1509番地 日星電気株式会社内

【要約】 【課題】簡略された工程で、所望の長尺状電磁波遮蔽複合部材を提供すること。

【解決手段】織編構造の基材中に、長尺状の電磁遮蔽性部材を織または編み込んで該基材組織内に固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 織編構造の基材中に、長尺状電磁遮蔽性部材が織または編み込まれて該基材組織により固定されていることを特徴とする電磁波遮蔽複合部材。
【請求項2】 該長尺状電磁波遮蔽性部材が、可とう性部材である請求項1記載の電磁波遮蔽複合部材。
【請求項3】 該長尺状電磁波遮蔽性部材が、金属素線である請求項1または2に記載の電磁波遮蔽複合部材。
【請求項4】 該基材が、金属素線で構成された編組である請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波遮蔽複合部材。
【請求項5】 該長尺状電磁波遮蔽性部材が、編組の編目内に縦添え状態で組み込まれてなる請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波遮蔽複合部材。
【請求項6】 金属素線束の複数本が、該長尺状電磁波遮蔽性部材として、互いに平行状態で、編組の編目内に縦添え状態で組み込まれてなる請求項5記載の電磁波遮蔽複合部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子・電気機器等から発生される電磁波による他の機器又はシステムの誤動作及びその他の障害を防止するための電磁波遮蔽複合部材に関する。さらに詳しくは、本発明は、上記の電子・電気機器等、あるいは他の機器、システムが設置される部屋での壁材などの継ぎ合わせ部に生じる隙間を埋めて密閉性を確保するのに適した電磁波遮蔽複合部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁波遮蔽にあたっては、以下のような頻雑な多工程を経て得られた電磁波遮蔽複合部材が採用されてきた。先ず、モネル線をメリアス編み加工して、断面が略丸形あるいは四角形に形成された長尺状の加工品を電磁波遮蔽性部材として、そして同じモネル線のメリヤス編みチューブを基材として用意する。次に、該チューブ内で、且つその長手方向の両側縁に沿って、長尺状の電磁波遮蔽性部材を配置する。最後に、ミシン加工等任意の固定手段により、該チューブの両端において、両者を固定し、長手方向の断面がダンベル形状の電磁波遮蔽複合部材とする。ここで、電磁波遮蔽複合部材をダンベル形状に形成する理由は、壁材などの被固定部材との密閉性を高める必要性があるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したことからも容易に理解できるように従来の電磁波遮蔽複合部材の製造にあたっては、少なくとも3工程を要するばかりか、各工程においても、チューブ内への電磁波遮蔽性部材の挿入、あるいはミシン掛けといった、付加的、且つ非効率的な作業を強いられていた。
【0004】したがって、本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決し、より簡略された工程で、所望の長尺状電磁波遮蔽複合部材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、織編構造の基材の組織拘束力に注目し、該組織中に長尺状の電磁波遮蔽性部材を織または編み込むという単一工程だけで、該電磁波遮蔽性部材を該基材中に安定に保持し得ることを究明した。
【0006】かくして、本発明によれば、織編構造の基材中に、長尺状電磁遮蔽性部材が織または編み込まれて該基材組織により固定されていることを特徴とする電磁波遮蔽複合部材が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本発明を説明する。図1は、本発明の電磁波遮蔽複合部材の側面図であり、その際、1は長尺状の電磁波遮蔽性部材、2は基材である。
【0008】長尺状電磁波遮蔽性部材1としては、可とう性で導電性を有する部材を用いることができる。なかでも、高い電磁波遮蔽性を得る意味からは、軟銅線、スズメッキ軟銅線、ニッケルメッキ軟銅線、銀メッキ軟銅線、アルミ線またはステンレス線などの金属素線を複数本束ねたものが用いられる。この束は、単独は勿論、それらの複数本を基材中に一定間隔をおいた平行状態で配してもよい。このほかに、有機高分子からなる糸条に導電性物質を添加あるいはメッキした導電性糸条も採用できる。電磁波遮蔽に関連する、電磁波遮蔽性部材の外径、あるいは断面積は、最終製品のサイズにより任意に設定すればよい。
【0009】一方、基材2は、非導電糸または導電素線で構成されるが、電磁波遮蔽効果という観点からは、長尺状電磁波遮蔽性部材1と同種の導電性線状部材を用いることが好ましい。また、基材の組織としては、荒め織構造、たて編、よこ編、メリアス編さらには編組といった編構造があるが、なかでも編組組織が特に好ましく採用される。ここで、上記の編組を基材とする場合の利点について触れておく。複数本の金属素線を用いて編組加工する際、長尺状電磁波遮蔽性部材が編組に編みこまれながら編組目の間を通って長手方向に縦添えする際には、複数本の長尺状電磁波遮蔽性部材を同一編組組織内に容易に固定でき、さらには該長尺状電磁波遮蔽性部材を編組内の所望の位置に配しながら固定できる。したがって、別工程での、該長尺状電磁波遮蔽性部材の挿入固定作業が不要となるため、製造コストを大幅に低下できる。さらに、基材の編組加工時に、長尺状電磁波遮蔽性部材を複合化するため、遮蔽密度を任意に設定することもできる。また、長尺状電磁波遮蔽性部材に可とう性を有する金属線を採用することで、被固定材との密閉性が向上し、遮蔽効率が向上する。
【0010】
【発明の効果】本発明の電磁波遮蔽複合部材は、一本または複数本の長尺状電磁波遮蔽性部材を、基材の織編時を利用して、該基材中に配して得られるので、これまでのような付加的な固定作業が不要になり、その結果、製造コストが格段に低下した形で提供される。しかも、長尺状電磁波遮蔽性部材は、任意の外径・断面積のものを基材組織の任意の位置に固定形成できるので、製品の遮蔽密度の設定がきわめて容易になる。しかも、該部材が可とう性の場合は、被固定部材間の締め付け時にそのの隙間を密閉し、遮蔽密度を向上させることができる。
【0011】
【出願人】 【識別番号】000226932
【氏名又は名称】日星電気株式会社
【住所又は居所】静岡県浜松市大久保町1509番地
【出願日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−163490(P2003−163490A)
【公開日】 平成15年6月6日(2003.6.6)
【出願番号】 特願2001−361204(P2001−361204)