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【発明の名称】 エレクトロルミネッセンス用プラスチック基板
【発明者】 【氏名】大月 敏敬
【住所又は居所】東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイエスアール株式会社内

【氏名】膳 信一郎
【住所又は居所】東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイエスアール株式会社内

【要約】 【課題】エレクトロルミネッセンス用透明導電性基板として使用可能な高い透明性、透明導電性膜の密着性、耐熱性に優れた透明導電性フィルムを提供すること。

【解決手段】環状オレフィン系重合体からなるフィルムに透明導電性薄膜を積層したエレクトロルミネッセンス用プラスチック基板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 環状オレフィン系重合体からなるフィルムに透明導電性薄膜を積層したエレクトロルミネッセンス用プラスチック基板。
【請求項2】 上記環状オレフィン系重合体が、下記一般式(1)で表される少なくとも一種の環状オレフィン誘導体よりなる特定単量体もしくはこの単量体と共重合可能な共重合性単量体を付加重合して得られる重合体、および/または下記一般式(1)で表される少なくとも一種の環状オレフィン誘導体よりなる特定単量体もしくはこの単量体と共重合可能な共重合性単量体を開環重合して得られる重合体またはその水素添加物である請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス用プラスチック基板。
【化1】

〔式中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、−(CR67nSi(OR5m8(3-m)、−(CR67nSi(R910)OSi(OR5m8(3-m)、−C(O)O(CH2nSi(OR5m8(3-m)、または−(CH2kXで表される極性基を示す。ここで、Xは−C(O)OR11、−OC(O)R12、―C(O)OH、―OR13、―OH、−CN、−NR1415からなる極性基を示す。R5は1〜10のアルキル基またはアリール基を示し、R6〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、gは0〜3の整数、hは0〜3の整数であり、g+hが0〜4である。mは0〜3の整数、nは0〜5の整数であり、R11〜R15は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基およびこれらのハロゲン置換基、kは0〜3の整数を示す。また、R1〜R4には、R1とR2または、R3とR4で形成されるビニリデニル基、R1とR2、R1とR3または、R3とR4、R2とR4で形成されるイミド基も含まれる。〕
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状オレフィン系重合体からなるフィルムに透明導電性薄膜を積層したエレクトロルミネッセンス用プラスチック基板に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンスディスプレイは、従来のディスプレイに対して薄型化が可能、応答速度が速い、低電圧駆動、低消費電力などの特徴を有しており、LCDに代わる次世代ディスプレイの本命として注目されている。特に、エレクトロルミネッセンスディスプレイは、薄型化に関して有利な方式であり、電極基板材料をガラスからプラスチックフィルムに代えることにより、更なる薄型化、軽量化が可能となる。
【0003】従来、エレクトロルミネッセンス用電極としては、ガラス基板上に酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズなどからなる金属酸化物膜を積層したものが使用されてきた。しかしながら、エレクトロルミネッセンス素子に対する軽量化、薄型化、耐衝撃性改良の要求に応えるために、透明導電性基板としてガラスに代えて、プラスチックフィルムを使用する試みが検討されている。例えば、特開平11−48388号公報には、プラスチックフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが使用できることが開示されている。ところが、これらプラスチック材料は、エレクトロルミネッセンス用透明導電性基板材料として用いるためには、透明性が不足している、プラスチックフィルムと透明導電性膜の密着性が不足している、耐熱性が不足しているなどの問題点があり、実用化には至っていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような状況に鑑み、エレクトロルミネッセンス用透明導電性基板として使用可能な高い透明性、透明導電性膜の密着性、耐熱性に優れた透明導電性フィルムを提供することを目的としたものである。また、驚くべきことに、本発明の透明導電性フィルムを用いることにより、従来のプラスチックフィルムを使用した透明導電性フィルムを用いた場合はもちろんのこと、ガラス基板と比べても鮮やかな表示特性を示すエレクトロルミネッセンスパネルが得られることも明らかになった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、環状オレフィン系重合体からなるフィルムに透明導電性薄膜を積層したエレクトロルミネッセンス用プラスチック基板に関する。ここで、上記環状オレフィン系重合体としては、下記一般式(1)で表される少なくとも一種の環状オレフィン誘導体よりなる特定単量体(以下「特定単量体」ともいう)もしくはこの特定単量体と共重合可能な共重合性単量体を付加重合して得られる重合体、および/または下記一般式(1)で表される少なくとも一種の環状オレフィン誘導体よりなる特定単量体もしくはこの特定単量体と共重合可能な共重合性単量体を開環重合して得られる重合体またはその水素添加物が好ましい。
【0006】
【化2】

【0007】〔式中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、−(CR67nSi(OR5m8(3-m),−(CR67nSi(R910)OSi(OR5m8(3-m)、−C(O)O(CH2nSi(OR5m8(3-m)または、−(CH2kXで表される極性基を示す。ここで、Xは−C(O)OR11、−OC(O)R12、―C(O)OH、―OR13、―OH、−CN、−NR1415からなるの極性基を示す。R5は1〜10のアルキル基またはアリール基を示し、R6〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、または炭素数1〜20の炭化水素基を示し、gは0〜3の整数、hは0〜3の整数であり、g+hが0〜4である。mは0〜3の整数、nは0〜5の整数であり、R11〜R15は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基およびこれらのハロゲン置換基、kは0〜3の整数を示す。また、R1〜R4には、R1とR2または、R3とR4で形成されるビニリデニル基、R1とR2、R1とR3または、R3とR4、R2とR4で形成されるイミド基も含まれる。〕
【0008】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)で表される特定単量体のうち、R1〜R4の少なくとも一つが極性を有する基である特定単量体は、得られるプラスチックフィルムと金属酸化膜との密着性に優れる点で好ましく、特に、極性基がエステル基、カルボキシル基である重合体は色相、吸水率などのバランスが優れている。
【0009】特定単量体の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘプチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アミノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(N,N−ジエチルアミノ)―ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリメトキシシリル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジメトキシクロロシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジメトキシクロロシリル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシクロロメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジメトキシクロロシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシヒドリドメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジメトキシヒドリドシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシジメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリエトキシシリル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジエトキシクロロシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシクロロ−メチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジエトキシヒドリドシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシジメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシジエチルシリル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロポキシジメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリプロポキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリフェノキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリメトキシシリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−トリメトキシシリル)エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−ジメトキシクロロシリル)エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−トリメトキシシリル)エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2−トリメトキシシリル)プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(1−トリメトキシシリル)プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリエトキシシリルエチル−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジメトキシメチルシリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリメトキシプロピルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−クロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ブロモテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジクロロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−n―ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−n―ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−アミノテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−(N,N−ジエチルアミノ)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−ヒドロキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、N−シクロヘキシルジカルボキシイミドテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリメトキシシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリエトキシシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチルジメトキシシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−トリエトキシシロキシ−ジメチルシリルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、などのテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン、1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセンなどのヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン、15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセンなどのオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、15,16−ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセンなどのペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,9.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセンなどのヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,9.012,16]−5−エイコセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]―3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]―3−デセン、5−メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]―3−デセンなどのトリシクロ[4.3.0.12,5]―3−デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.12,5]―3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12,5]―3−ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.0.2,5]―3−ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセンなどのペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセン、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111.18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111.18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、トリメチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111.18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,18.02,11.04,9.013,22.015,20]−5−ヘキサコセン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1,4−メタノ−1,4,4a、9a―テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a、5,10,10a―ヘキサヒドロアントラセン、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加体、5−エチリデンビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン、5−(α―ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アントラセニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどを挙げることができる。これらの特定単量体は、単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0010】本発明の環状オレフィン系付加重合体は、上記特定単量体と共重合可能な共重合性単量体(A)(オレフィン化合物)を共重合した重合体を用いることもできる。共重合可能な共重合性単量体(A)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどのα―オレフィン、シクロペンテン、シクロへキセンなどのシクロオレフィン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエンなどの非共役ジエン類を挙げることができる。
【0011】上記共重合性単量体(A)(オレフィン化合物)を共重合性単量体として用いる場合に、当該共重合性単量体(A)の種類は、最終的に得られる重合体に求められる特性に応じて選択されるが、通常、エチレンを用いることが好ましく、この場合には、他の共重合性単量体を用いる場合に比して、大きな重合活性が得られて重合体への転化率が大きくなると共に、得られる重合体のガラス転移温度(Tg)を容易に制御できる。共重合性単量体(A)の使用量は、得られる重合体に求められる特性に応じて適宜定められるが、通常、特定単量体/共重合性単量体の重量比の値が100/0〜10/90、好ましくは100/0〜20/80の範囲となる量とされる。
【0012】上記付加重合体を合成するための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。ここで、チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどを、またジルコニウム化合物としてはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができる。
【0013】さらに、バナジウム化合物としては、一般式VO(OR)a Xb 、またはV(OR)c Xd〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が用いられる。上記電子供与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げられる。
【0014】さらに、助触媒としての有機アルミニウム化合物としては、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合あるいはアルミニウム−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種が用いられる。上記において、例えばバナジウム化合物を用いる場合におけるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
【0015】また、重合触媒としては、通常、周期律表8族のNi、Pd、Coなどのカチオン錯体またはカチオン錯体を形成する触媒を用いることもできる。代表的なものとして、〔Pd(CH3CN)4〕〔BF42、〔Pd(PhCN)4〕〔SbF6〕、ジ−μ−クロロ−ビス(6−メトキシビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン−エンド−5σ,2π)Pd(以下、「I」と略す。)、Iとメチルアルモキサン(以下、「MAO」と略す。)、IとAgSbF6、IとAgBF4、〔(η3−アリール)PdCl〕2とAgSbF6、〔(η3−アリール)PdCl〕2とAgBF4、〔(η3−クロチル)Pd(シクロオクタジエン)〕〔PF6〕、〔(1,5−シクロオクタジエン)Pd(CH3)(Cl)〕とPPh3とNaB〔3,5−(CF32634、〔(η3−クロチル)Ni(シクロオクタジエン)〕〔B((CF32644〕、NiBr(NPMe3)〕4とMAO、Ni(オクトエート)2とMAO、Ni(オクトエート)2とB(C653とAlEt3、Ni(オクトエート)2とHSbF6の反応物とBF3・Et2OとAlEt3、Ni(オクトエート)2とHSbF6の反応物とBF3・Et2OとAlEt3の反応物、Ni(オクトエート)2とHSbF6の反応物とAlEt2F、Ni(オクトエート)2とHSbF6の反応物とAlEtF2、Ni(ナフトエート)2とHSbF6の反応物とBF3・Et2OとAlBu3、Ni(ナフトエート)2とHSbF6の反応物とB(C653とAlEt3の反応物、Ni(オクトエート)2とPh3C・B(C653とAlEt3、Toluene・Ni(C652、Xylene・Ni(C652、Mesitylene・Ni(C652、Co(ネオデカノエート)とMAO、などが挙げられる。さらに、特願2001−132054号明細書に記載の遷移金属錯体化合物を使用することもできる。
【0016】重合反応に用いる溶媒としては、シクロへキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、γ―ブチロラクトン、プロピレングリコール、ジメチルエーテル、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、ピリジン、N,N´−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどから選ばれた溶媒が用いられる。
【0017】一方、本発明の開環重合体は、メタセシス開環重合により合成される。
<開環重合触媒>本発明における開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
【0018】(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6 、MoCl5 、ReOCl3 などの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。(b)成分の具体例としては、n−C4 H9 Li、(C2 H5 )3 Al、(C2 H5 )2 AlCl、(C2 H5 )1.5 AlCl1.5 、(C2 H5 )AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
【0019】メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
【0020】<重合反応用溶媒>開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
【0021】<分子量調節剤>得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する。ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
【0022】開環重合体を得るための開環重合工程においては、上記の特定単量体を単独で開環重合させてもよいが、当該特定単量体と共重合性単量体(B)とを開環共重合させてもよい。この場合に使用される共重合性単量体(B)の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましくは5〜12である。なお、共重合性単量体の使用量は、得られる重合体に求められる特性に応じて適宜定められるが、通常、特定単量体/共重合性単量体(B)の重量比の値が100/0〜10/90、好ましくは100/0〜20/80の範囲となる量とされる。さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。また、上記開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化して用いることができ、さらに、これを水素添加して使用することもできる。
【0023】以上のようにして得られる開環(共)重合体は、そのままでも用いられるが、これをさらに水素添加して得られた水素添加(共)重合体は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
【0024】<水素添加触媒>水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環(共)重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
【0025】不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
【0026】これらの水素添加触媒は、開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。このように、水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっても、その特性が劣化することはない。ここに、水素添加率は、通常、50%以上、好ましく70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
【0027】本発明の方法によって得られる環状オレフィン系重合体の分子量は、重合条件などによって制御することができるが、通常、固有粘度(ηinh )が0.2〜5dL/g、好ましくは0.4〜1.5dL/gとなる大きさであることが好ましい。また、本発明による環状オレフィン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜1, 000,000の範囲であることが好ましい。本発明による環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、用いる単量体の種類によっても異なり、従って単量体を選択することによって適宜制御することが可能である。本発明に用いる場合、該重合体のガラス転移温度は、120℃〜350℃であることが好ましく、さらに好ましくは150℃〜300℃である。高耐熱性が要求される場合には、付加型重合体を使用することが好ましい。
【0028】さらに、本発明の方法によって得られる環状オレフィン系重合体には、各種の添加剤を添加することができる。添加剤の代表例は酸化防止剤である。酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチルテトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤、または例えばトリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系酸化防止剤を挙げることができ、これらの酸化防止剤の1種または2種以上を添加することにより、シクロオレフィン系重合体に向上した酸化安定性を得ることができる。
【0029】他の添加剤の具体例としては、例えば、離型剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、紫外線吸収剤、石油樹脂、可塑剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、シリコーンオイル、発泡剤などの公知の添加剤を挙げることができ、これらは適宜配合することができる。
【0030】本発明に用いられるフィルムは、上記重合体を含む溶液をキャスティングする方法(溶液流延法)、あるいは、上記重合体を溶融成形する方法により得ることができる。溶液流延法によってシートを形成する場合には、表面粗さを小さいものとするするために、重合体の溶液にレベリング剤を添加してもよい。レベリング剤としては、例えば、フッ素系ノニオン界面活性剤、アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などの塗料用レベリング剤を用いることができ、それらの中でも、当該重合体の溶液を形成する有機溶媒に対して良好な相溶性を有するものが好ましい。また、本発明の環状オレフィン系重合体のうち、シリル基を含有する重合体は、酸性化合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機金属化合物などの架橋触媒を添加して、フィルム・シートに加工・成形したのち、必要に応じて、加熱処理して2次架橋して使用することもできる。
【0031】このようにして作製されたフィルムは、さらに延伸処理を実施して使用することもできるし、延伸処理無しに使用することも可能である。延伸処理を実施する場合、1軸、または、2軸方向に延伸されたものいずれでもかまわない。また、製膜後にアニール処理を施してもかまわない。
【0032】また、上記フィルム中もしくは表面上に、公知の添加剤、例えば易滑剤、ハードコート剤、防湿剤、腐食防止剤などが添加もしくはコートされていてもかまわない。さらに、上記フィルム上に、公知の表面処理、例えばコロナ処理、粗面化処理、アンカーコート処理を行うことも可能である。
【0033】上記フィルムの膜厚としては、特に制限はないが、5〜300μmであることが好ましく、50〜260μmの範囲であることが特に好ましい。フィルム膜厚が5μm未満ではフィルムの腰が弱く、エレクトロルミネッセンスパネルの作製工程での取り扱い性に難がある。一方、フィルム膜厚が300μmを超えると、エレクトロルミネッセンスパネルの厚さが厚くなりすぎるため好ましくない。
【0034】本発明においては、上記フィルムに透明導電性薄膜を積層して使用するが、透明導電性薄膜としては、透明性および導電性を兼ね備えた材料であれば特に制限はない。代表的なものとしては、金、銀、銅、アルミニウム、パラジウムなどの金属およびこれらの合金、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウム−スズ(ITO)、酸化亜鉛などの化合物半導体およびそれらの混合物の単層、積層体などからなる薄膜が用いられる。透明導電膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ法、スプレー法などの公知の方法を用いることができる。透明導電性薄膜の厚さは、通常、1〜1,000nm、好ましくは5〜500nmである。
【0035】透明導電層の表面抵抗値としては、通常、10〜1,000Ω/□であることが好ましい。10Ω/□よりも低い表面抵抗値を得るためには、透明導電性薄膜の膜厚を非常に厚いものにする必要があり、製造コスト面、特性(曲げ特性など)面から好ましくない。一方、1,000Ω/□より高い表面抵抗値の場合には、エレクトロルミネッセンスパネルに用いた場合の発光輝度の点で問題となる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限を受けるものではない。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り、重量部および%である。
【0037】なお、密着性、熱収縮率、耐久性(耐熱性)、表示の鮮やかさは、下記の方法により測定・評価した。
(1) 密着性評価試料に対して、カッターにより1mm×1mmの碁盤目が10個×10個形成されるように、切り込みを入れ、セロハンテープによる剥離試験を行い、25ブロック中における剥離したブロック数を測定した。
(2) 熱収縮率JIS C2318の方法に準拠し、熱処理前の寸法L、150℃±3℃に保たれた恒温槽中に3時間放置後の寸法Mを測定し、(L−M)×100/Lの式から熱収縮率を求めた。
(3) 耐久性(耐熱性)
評価試料を150℃の条件で、100時間耐久試験を実施し、実施後の性状を目視判定した。
(4) エレクトロルミネッセンスパネルの表示の鮮やかさ試作パネルの表示を目視にて判定した。
○:非常に鮮やか△:やや鮮やかさに欠ける。
×:鮮やかさに欠ける。
【0038】合成例1(特定重合体の合成)
特定単量体として8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 250部と分子量調節剤である1−ヘキセン 18部とトルエン750部を、窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加熱した。これに、重合触媒であるトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液 0.62部と、t−ブタノ−ルおよびメタノ−ルでWCl6を変性し、t−ブタノールとメタノールおよびタングステンのモル比が0.35:0.3:1とされたWCl6溶液(濃度0.05モル/l)3.7部を加え、80℃で3時間加熱撹拌して、重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、重合体の固有粘度(ηinh)は0.65であった。得られた重合体溶液Aの4,000部をオートクレーブに入れ、これにRuHCl(CO)[P(C6533の0.48部を加え、水素ガス圧を100kg/cm2、反応温度165℃の条件で3時間加熱撹拌して水素添加反応を行った。得られた反応溶液を冷却した後、水素ガスを放圧し、水素添加重合体溶液を得た。この水素添加重合体溶液を大量のメタノール中で凝固させた後、乾燥させ、水素添加重合体(環状オレフィン系重合体)(以下「重合体A」という)を得た。
【0039】このようにして得られた水素添加重合体について、1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であった。また、この重合体について、DSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ、170℃であった。また、この重合体について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を測定したところ、120,000であった。
【0040】合成例2不活性ガス雰囲気下において、オートクレーブ中に触媒として下記一般式(2)において、A1およびA2がフェニル基、A3は無し、Lがトリフェニルホスフィン基、Xが−CH(CH32、Mがニッケル、Yが酸素原子である遷移金属錯体化合物の75マイクロモルを、ニッケルビスシクロオクタジエン150マイクロモルと共に入れ、全体の温度を10℃にした後、オートクレーブ内をエチレンで置換した。重合反応系の温度を10℃に保ちながら乾燥トルエン100mlを加え、エチレン圧2.5×10Paの条件下で、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−3−ドデセンの5.2g(22.4ミリモル)を加えて3時間重合反応処理したところ、GPC法(溶媒;テトラヒドロフラン)により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量が98,000の環状オレフィン系付加共重合体13gが得られた。このようにして得られた付加型重合体(以下「重合体B」という。)のガラス転移温度(Tg)をDSC法により測定したところ、280℃であった。
【0041】
【化3】

【0042】実施例1重合体Aから塩化メチレンを溶剤として用いて、厚さ100μmのキャストフィルムを作製し、これに、スパッタリング法により厚み0.1μmのITO層を形成させた。この透明導電フィルムの一部を用いて、接着性試験、熱収縮率を求めた。結果を表1にまとめた。また、この透明導電フィルムを用いて、エレクトロルミネッセンスパネルを以下のような手順で試作した。上記透明導電性薄膜上に、キノリノール錯体溶液を塗布した後、溶剤の除去処理を実施することにより、厚みが50nmのエレクトロルミネッセンス層を形成させた。次いで、エレクトロルミネッセンス層上に、トリスキノリノラートアルミナムよりなる厚みが60nmの電子輸送発光層を形成し、この電子輸送発光層上に、蒸着法によって厚みが100nmのマグネシウム/銀アロイ(重量比10:1)膜(陰極層)を形成させた。このようにして作製したエレクトロルミネッセンスパネルの評価結果を表1にまとめた。
【0043】実施例2重合体Bからトルエンを溶剤として用いて、厚さ100μmのキャストフィルムを作製し、これに、スパッタリング法により厚み0.1μmのITO層を形成させた。この透明導電フィルムの一部を用いて、接着性試験、熱収縮率を求めた。結果を表1にまとめた。また、この透明導電フィルムを用いて、エレクトロルミネッセンスパネルを実施例1と同様の方法により試作した。このようにして作製したエレクトロルミネッセンスパネルの評価結果を表1にまとめた。
【0044】比較例1プラスチックフィルムとして、厚さが188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔東洋紡績(株)製;A4140〕を用いた他は、実施例1と同様の方法により、透明導電フィルム、エレクトロルミネッセンスパネルを作成した。これらの評価結果を表1にまとめた。
【0045】比較例2プラスチックフィルムの代わりに、ガラス基板を使用した他は、実施例1と同様の方法により、ガラス基板のエレクトロルミネッセンスパネルを作成した。これらの評価結果を表1中に記す。
【0046】
【表1】

【0047】
【発明の効果】本発明の環状オレフィン系重合体をプラスチック基板として用いることにより、透明導電性薄膜との密着性に優れ、熱収縮率が小さく、耐久性(耐熱性)に優れたエレクトロルミネッセンスディスプレイを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000004178
【氏名又は名称】ジェイエスアール株式会社
【住所又は居所】東京都中央区築地2丁目11番24号
【出願日】 平成13年8月29日(2001.8.29)
【代理人】 【識別番号】100085224
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 重隆
【公開番号】 特開2003−68446(P2003−68446A)
【公開日】 平成15年3月7日(2003.3.7)
【出願番号】 特願2001−259406(P2001−259406)