| 【発明の名称】 |
送波器 |
| 【発明者】 |
【氏名】河守 章好 【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】フレックステンショナル送波器において、従来と同じ駆動素子を使用し、従来の送波器とほぼ変わらない大きさで、実質的な送波面積を向上させる構造を提供する。
【解決手段】クラスIV型外シェル14の内側にクラスIV型内シェル15を配置し、外シェル14と内シェル15との間の長軸上両側に駆動素子26を配置する。駆動素子26はクラスIV型外シェル14及びクラスIV型内シェル15と結合されており、駆動素子26が振動すると、クラスIV型外シェル14とクラスIV型内シェル15は互いの短軸面同士、長軸面同士が同位相で振動し、シェルの媒質排除が同位相となる。その結果、全体として送波面積が増加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クラスIV型の第1のシェル及び第2のシェルと、駆動素子と、蓋部とを備える、液体内で用いられる送波器であって、前記第1のシェルの内部に前記第2のシェルが配置され、前記駆動素子は前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間の長軸上両側に配置されるとともに該第1のシェルと該第2のシェルに結合され、前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に形成される空間が前記蓋部により密閉されたことを特徴とする送波器。 【請求項2】 クラスVII型の第1のシェル及び第2のシェルと、駆動素子と、蓋部とを備える、液体内で用いられる送波器であって、前記第1のシェルの内部に前記第2のシェルが配置され、前記駆動素子は前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間の長軸上両側に配置されるとともに該第1のシェルと該第2のシェルに結合され、前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に形成される空間が前記蓋部により密閉されたことを特徴とする送波器。 【請求項3】 クラスVII型の第1のシェルと、クラスIV型の第2のシェルと、駆動素子と、蓋部とを備える、液体内で用いられる送波器であって、前記第1のシェルの内部に前記第2のシェルが配置され、前記駆動素子は前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間の長軸上両側に配置されるとともに該第1のシェルと該第2のシェルに結合され、前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に形成される空間が前記蓋部により密閉されたことを特徴とする送波器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水等の液体内で用いられるフレックステンショナル送波器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図1の斜視図は、中央部Aが山形に膨らんだ形状の柱体からなる殻(シェル)を示しており、クラスIV型シェルと呼ばれている。また、図2の斜視図は、中央部A‘が谷形に湾曲した形状の柱体からなる殻(シェル)を示しており、クラスVII型シェルと呼ばれている。 【0003】図3は、上述のクラスIV型シェル11を用いた、フレックステンショナル送波器(以下、クラスIV型送波器と呼ぶ)の構成を示したものである。このクラスIV型送波器は、同図のように電気信号を振動に変換する変換器21(以下、駆動素子と呼ぶ)と、シェル11が、長軸上で結合されたものである。駆動素子21が長軸方向に振動すると、その振動は、シェル11の長軸面から、位相が逆である短軸面の振動へと屈曲伝達され、より面積の大きな短軸送波面から、振動エネルギー(音響エネルギーでもある)が放射される。放射される音響エネルギーは、屈曲音響周波数で最大となり、駆動素子21自体の共振周波数よりも屈曲共振の方が低周波に設定しやすいことから、より低周波帯域の送波器として有用である。 【0004】そして、このクラスIV型送波器は液体、例えば水の中で使用されるため、シェル11の上面部及び下面部は、蓋部の役割をする図示せぬ上下板で覆われ、シェル21と上下板との間には、Oリング等のシーリングが施されている。また、水中で印加される圧力にかかわらず、シーリングによるシェル21と上下板との間の摩擦を一定に保つために、上下板の間に支柱31が設けられている。 【0005】図4は、上述のクラスVII型シェル12を用いた、フレックステンショナル送波器(以下、クラスVII型送波器と呼ぶ)の構成を示したものである。このクラスVII型送波器は、同図のように駆動素子22とシェル12が、長軸上で結合されたものである。駆動素子22が長軸方向に振動すると、その振動はシェル12の長軸面から、短軸面の振動へと屈曲伝達され、シェル12の長軸面と短軸面が同位相で振動する。 【0006】そして、このクラスVII型送波器は水中で使用されるため、シェル12の上面部及び下面部は、蓋部の役割をする図示せぬ上下板で覆われ、シェル12と上下板との間には、Oリング等のシーリングが施されている。また、水圧にかかわらず、シーリングによるシェル12と上下板との間の摩擦を一定に保つために、上下板の間に支柱32が設けられている。 【0007】図5は、クラスIV型シェル13と駆動素子23を流体結合させた、クラスIV型送波器を示したものである。ここで用いられている流体結合は、シェル13が水圧や熱膨張によって変形した場合に、駆動素子23を圧迫もしくは引張るといった問題点を解決するための構造である。図5のように、流体室41には、充填油42が充填されているとともに、駆動素子23と直結したピストン部24が設けられている。そして、このピストン部24には貫通穴25が設けられており、ピストン部24で区切られた流体室41内で、充填油42が移動できるようになっている。この流体結合は、ヘルムホルツ共振系と見なすことができるため、深度変化に対してシェル13が変形するといった静的な挙動では、シェル13と駆動素子23は結合しないが、所望の特定振動周波数帯域では、シェル13と駆動素子23は一体となった結合となり、通常の送波器として機能する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に示したクラスIV型送波器においては、シェル11が振動する際に、長軸面と短軸面が逆位相であるため、実質的な送波面積が小さくなってしまうという課題がある。この課題を解決するために、送波面積を広げた場合には、送波器全体が大型化してしまうという課題が生じてしまう。また、長軸面の面積を小さくした場合には、結合される駆動素子21の大きさ・仕様が制約されるという課題がある。 【0009】図4に示したクラスVII型送波器においては、シェル12が振動する際に、長軸面と短軸面が同位相であるので、送波面積はクラスIV型送波器より大きく設定できる。しかし、短軸面が最も内側に湾曲している中央部分では、シェル12と駆動素子22との隙間が狭くなっている。そのため、高水圧下でのクラスVII型送波器の運用を考えた場合に、最もシェル12の変位が大きい短軸面中央部分との近傍の空間には、充分な剛性のある支柱33を設置しにくいという課題がある。この課題を解決するために、駆動素子11を細くした場合には、駆動素子11の大きさ・仕様が制約されるという課題が生じてしまう。また、シェル12の短軸方向幅を増やした場合には、駆動素子22からシェル12の短軸面への応力伝達効率が悪くなるという課題がある。 【0010】図5に示した流体結合方式では、流体結合の製作過程において、流体室41の充填油42から、混入している気泡を取り除く必要があるため、製作工程が複雑で時間がかかるという課題がある。また、負圧時のキャビテーションを防ぐために流体室41に与圧が必要で、流体室41内の経時的な圧力減少や温度による圧力変化などに対応するためのメンテナンスが必要となるという課題がある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、二つのクラスIV型シェルと、駆動素子と、蓋部とからなる、水中で用いられる送波器であって、クラスIV型シェルの内部にもう一つのクラスIV型シェルが配置され、駆動素子は二つのシェルの長軸上両側に配置されるとともに二つのシェルに結合され、蓋部により、駆動素子が収納されている空間が密閉された構造の送波器を提供するものである。 【0012】また、本発明は、二つのクラスVII型シェルと、駆動素子と、蓋部とからなる、水中で用いられる送波器であって、クラスVII型シェルの内部にもう一つのクラスVII型シェルが配置され、駆動素子は二つのシェルの長軸上両側に配置されるとともに二つのシェルに結合され、蓋部により、駆動素子が収納されている空間が密閉された構造の送波器を提供するものである。 【0013】また、本発明は、クラスVII型シェルと、クラスIV型シェルと、駆動素子と、蓋部とからなる、水中で用いられる送波器であって、クラスVII型シェルの内部にクラスIV型シェルが配置され、駆動素子は二つのシェルの長軸上両側に配置されるとともに二つのシェルに結合され、蓋部により、駆動素子が収納されている空間が密閉された構造の送波器を提供するものである。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の送波器について、図面を用いて以下に説明する。 【0015】図6に本発明の送波器について、第1の実施の形態の構成を示す。この実施の形態においては、クラスIV型シェル14(以下、外シェルAと呼ぶ)の内部に、クラスIV型シェル15(以下、内シェルAと呼ぶ)が配置されたことが特徴である。 【0016】この送波器では、駆動素子26は、外シェルA14と内シェルA15との間の長軸上両側に配置されており、駆動素子26の両端は、同図では省略しているが、それぞれ外シェルA24および内シェルA25と流体結合されている。そして、本送波器は水中で使用されるため、同図に示すように、外シェルA24の外面と内シェルA25の内面との範囲は、上下とも蓋部の役割を持つ図示せぬ上下板で覆われており、外シェルA24の外面と内シェルA25の内面は、水に接するようになっている。外シェルA24及び内シェルA25と上下板の接触部には、気密性能を得るために、Oリング等を用いたシーリングが施されている。なお、外シェルA24及び内シェルA25と上下板との摩擦を一定に保つために、水圧に対し、必要に応じて上下板を支えるための支柱が設置される。 【0017】次に、本発明の送波器について、第1の実施の形態の動作について説明する。上述の通り送波器は液体内に設置され、外シェルA14の外面、上下板、内シェルA15の内面は水に接した状態となる。音響エネルギーの放射中は駆動素子26が振動しており、例えば駆動素子26が伸びると長軸方向に対して外シェルA14は伸び、内シェルA15は縮む。その一次モードにおいて、シェルの中心部を基準とした場合、外シェルA14の短軸面は水を引く方向に働き、内シェルA15の短軸面も水を引く方向に働く。駆動素子26が縮む場合にも同様の原理で、外シェルA14の短軸面は水を押す方向に働き、内シェルA15の短軸面は水を押す方向に働く。 【0018】従って、水中の放射においては、外シェルA14、内シェルA15ともに媒質排除が同位相となる。またシェルの大きさの関係から、外シェルA14に対して内シェルA15の共振周波数は高くなるため、外シェルA14の一次共振時は内シェルA15も一次モードの範囲内で振動する。従って、外シェルA14と内シェルA15は互いの短軸面同士、長軸面同士は同位相となり、外シェルA14の大きさを基準とすれば、全体として送波面積が増加したことになる。 【0019】図7に、本発明の送波器について、第2の実施の形態の構成を示す。この実施の形態においては、クラスVII型シェル16(以下、外シェルBと呼ぶ)の内部に、クラスVII型シェル17(以下、内シェルBと呼ぶ)が配置されたことが特徴である。 【0020】この送波器では、駆動素子27は、外シェルB16と内シェルB17との間の長軸上両側に配置されており、駆動素子27の両端は、同図では省略しているが、それぞれ外シェルB16および内シェルB17と流体結合されている。そして、本送波器は水中で使用されるため、同図に示すように、外シェルB16の外面と内シェルB17の内面との範囲は、上下とも蓋部の役割を持つ図示せぬ上下板で覆われており、外シェルB16の外面と内シェルB17の内面は、水に接するようになっている。外シェルB16及び内シェルB17と上下板の接触部には、気密性能を得るために、Oリング等を用いたシーリングが施されている。また、外シェルB16及び内シェルB17と上下板との摩擦を一定に保つために、水圧に対し、上下板を支えるための支柱34が設置されている。 【0021】従来のクラスVII型シェルを用いた構造では、シェル短軸面の中央部分の内側に十分な寸法の支柱を設置することは難しかった。しかし、本実施の形態では、内シェルB17は内側に湾曲しているため、駆動素子27と外シェルB16間のスペースが拡大し、従来より大きい支柱が挿入可能となり、高耐水圧性能を得ることができる。 【0022】次に、本発明の送波器について、第2の実施の形態の動作について説明する。上述の通り送波器は水中に設置され、外シェルB16の外面、上下板、内シェルB17の内面は水に接した状態となる。音響エネルギー放射中の駆動素子27の振動に対し、一次モードにおける外シェルB16と内シェルB17は同位相で振動する。また、大きさの関係から外シェルB16に対する内シェルB17の共振周波数は高くなるため、外シェルB16の一次共振時も内シェルB17は一次モードの範囲内で振動する。したがって水中の放射においては、外シェルB16、内シェルB17ともに第1の実施の形態と同様に媒質排除が常に同位相となり、全体として送波面積が増加する。 【0023】なお、本実施の形態における支柱34は、送波器に加わる水圧に対し、必要に応じて設置されるものである。したがって、本実施の形態は支柱34を有する構成に限定されるものではない。 【0024】図8に、本発明の送波器について、第3の実施の形態の構造を示す。この実施の形態においては、クラスVII型シェル18(以下、外シェルCと呼ぶ)の内部に、クラスIV型シェル29(以下、内シェルCと呼ぶ)が配置されたことが特徴である。 【0025】この送波器では、駆動素子27は、外シェルC18と内シェルC19との間の長軸上両側に配置されており、駆動素子27の両側はボルト等によりそれぞれ外シェルC18及び内シェルC19と結合されている。そして、本送波器は水中で使用されるため、同図に示すように、外シェルC18の外面と内シェルC19の内面との範囲は、上下とも蓋部の役割を持つ図示せぬ上下板で覆われており、外シェルC18の外面と内シェルC19の内面は、水に接するようになっている。外シェルC18及び内シェルC19と上下板の接触部には、気密性能を得るために、Oリング等を用いたシーリングが施されている。 【0026】次に、本発明の送波器について、第3の実施の形態の動作について説明する。上述の通り送波器は水中に設置され、外シェルC18の外面、上下板、内シェルC19の内面は水に接した状態となる。音響エネルギーの放射中の駆動素子15の振動に対し、一次モードにおける外シェルC18と内シェルC19の振動の位相は、短軸面は逆相であるが、長軸面では同相であり、長軸方向の水中媒質排除は同位相となる。したがって、送波面積は従来技術と比べ、ほぼ同一となる。 【0027】次に、第3の実施の形態の送波器に、水中で圧力が印加された場合について説明する。送波器に水圧が加わると、外シェルC18は全体的に縮む方向に変形し、長軸方向において駆動素子28を内側に押す力が発生する。内シェルC19は圧力に対し短軸方向には膨らむが、長軸方向においては縮む方向に変形するため、駆動素子28を内側に引張る力が発生する。その結果、送波器に圧力が印可された状態では、駆動素子28を変形させる成分よりも、単に内側に移動させる成分が支配的となるので、駆動素子28に加わる引張力および圧縮力は、従来の送波器に対し格段と小さくなる。よって、駆動素子28と外シェルC18及び内シェルC19との結合には、駆動素子28の変形を抑えるための流体結合が用いる必要がなく、ボルト等による直結構造とすることができる。 【0028】図9は、本実施の形態の送波器を、高水圧下で使用する場合の構成を示したものである。外シェルC18及び内シェルC19と、上下板との間の摩擦を一定に保つために、上下板を支えるための支柱35が設置されている。この場合、同図のように、外シェル18Cと内シェル19Cの短軸面中央部が近接するため、支柱は内シェルC19の内側の水中に設けられる。従って、上下板の範囲は、同図のように内シェル29の内側に張り出したところまで及ぶこととなる。 【0029】 【発明の効果】以上の説明のように第1の実施の形態にによれば、従来のクラスIV型シェルを用いた送波器に対し、内シェルの送波面積分だけ全体の送波面積が増加するため、クラスIV型シェルの送波器を全体的に大型化したり、シェル長軸面側の面積を無理に小さくして駆動素子の寸法を制約したりすることなく、かつクラスIV型シェルの長軸面と短軸面の水中媒質排除の位相が逆位相であるがための音響的な損失を補った高出力化が可能となる。 【0030】また、第2の実施の形態によれば、従来のクラスVII型シェルを用いた送波器に対し、短軸面中央部分の外シェルと内シェルの間に、耐水圧性能用の支柱を挿入するスペースが確保され、全体が大型化することなく耐水圧性能を向上させる効果があるとともに、送波面積が増加することによる高出力化が可能となる。 【0031】また、第3の実施の形態によれば、従来の駆動素子とシェルを直結した送波器に対し、駆動素子に加わる引張力や圧縮力は格段に小さく、駆動素子とシェルを直結した状態でも駆動素子の変形が小さいため、水圧による駆動素子の性能変化が小さくできる。したがって、水圧に対する駆動素子の変形を防ぐための流体結合を必要とせず、製作工程の簡略化及び流体室のメンテナンスが必要なくなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000295 【氏名又は名称】沖電気工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区虎ノ門1丁目7番12号
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| 【出願日】 |
平成14年3月29日(2002.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089093 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 健治
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| 【公開番号】 |
特開2003−299177(P2003−299177A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月17日(2003.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願2002−94605(P2002−94605) |
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