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【発明の名称】 投射型画像表示システム及びその色補正方法
【発明者】 【氏名】中村 智幸
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】和田 徹
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【氏名】石井 謙介
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【要約】 【課題】補正の煩雑さを低減すること等が可能な投射型画像表示システムを提供する。

【解決手段】カラー画像表示手段17からスクリーン18に映像を投影する投射型画像表示システムであって、初期調整時にスクリーンに投影される映像の初期XYZ3刺激値と、初期調整時にスクリーンに投影される映像の初期光強度値との相関関係を求めて記憶する手段13と、初期調整時から所定時間経過後にスクリーンに投影される映像の各原色の最大発光時の光強度を測定する手段12と、測定した最大発光時の光強度値と記憶した相関関係とから、所定時間経過後のスクリーン上の映像のXYZ3刺激値を推定する手段14と、推定したXYZ3刺激値から色補正係数を算出する手段15とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】カラー画像表示手段からスクリーンに映像を投影する投射型画像表示システムの色補正方法であって、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期XYZ3刺激値を測定する工程と、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期光強度値を測定する工程と、前記測定した初期XYZ3刺激値と前記測定した初期光強度値との相関関係を求める工程と、前記初期調整時から所定時間経過後に前記スクリーンに投影される映像の各原色の最大発光時の光強度を測定する工程と、前記測定した最大発光時の光強度値と前記求めた相関関係とから、前記所定時間経過後の前記スクリーン上の映像のXYZ3刺激値を推定する工程と、前記推定したXYZ3刺激値から色補正係数を算出する工程とからなることを特徴とする投射型画像表示システムの色補正方法。
【請求項2】カラー画像表示手段からスクリーンに映像を投影する投射型画像表示システムであって、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期XYZ3刺激値と、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期光強度値との相関関係を求めて記憶する手段と、前記初期調整時から所定時間経過後に前記スクリーンに投影される映像の各原色の最大発光時の光強度を測定する手段と、前記測定した最大発光時の光強度値と前記記憶した相関関係とから、前記所定時間経過後の前記スクリーン上の映像のXYZ3刺激値を推定する手段と、前記推定したXYZ3刺激値から色補正係数を算出する手段とを有することを特徴とする投射型画像表示システム。
【請求項3】画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線を反射させて前記スクリーンへ導くためのものであって、前記光線が反射する面全体が均一な反射率となるように構成された反射ミラーと、前記反射ミラーの前記光線が反射する面とは逆の面側に設けられ、前記光線のうち前記反射ミラーを透過した光線の光強度を測定する光強度測定手段とを有することを特徴とする投射型画像表示システム。
【請求項4】前記反射ミラーは、平面又は曲面からなることを特徴とする請求項3に記載の投射型画像表示システム。
【請求項5】前記反射ミラーの反射率は、80%以上且つ99%以下であることを特徴とする請求項4に記載の投射型画像表示システム。
【請求項6】前記反射ミラーは、高透過率材料に金属膜が蒸着されたものであることを特徴とする請求項5に記載の投射型画像表示システム。
【請求項7】前記光強度測定手段に入射する前記反射ミラーを透過した光線は、前記光強度測定手段の測定受光面に対して略垂直に入射することを特徴とする請求項3に記載の投射型画像表示システム。
【請求項8】前記投射型画像表示システムは、前記画像表示手段及び前記投影光学系をそれぞれ複数有し、前記スクリーンに投影された複数の画像によって1つの画像を合成表示するものであり、前記光強度測定手段による測定対象領域は、前記スクリーンに表示される複数の画像の互いに近接する領域であることを特徴とする請求項3に記載の投射型画像表示システム。
【請求項9】前記光強度測定手段は、測定する色毎に増幅率を切り換えて光強度値の測定を行うものであることを特徴とする請求項3に記載の投射型画像表示システム。
【請求項10】表示用カラー画像データがそれぞれ入力することにより、1画面のカラー画像として合成表示される部分カラー画像をそれぞれ表示する複数の部分カラー画像表示手段と、前記各部分カラー画像表示手段が表示する画像の光強度値をそれぞれ測定するための複数の光強度測定手段と、前記複数の光強度測定手段で測定した複数の光強度値を比較する比較手段と、前記比較手段での比較結果に基づいて警告を発する警告手段とを有することを特徴とする投射型画像表示システム。
【請求項11】前記警告手段は、前記複数の光強度測定手段が測定した複数の光強度値の平均値よりも少なくとも一つの前記部分カラー画像表示手段が表示する画像の光強度値が50%以下であるときに警告を発することを特徴とする請求項10に記載の投射型画像表示システム。
【請求項12】前記警告手段は、前記複数の光強度測定手段が測定した複数の光強度値のうち最も低い光強度値が最も高い光強度値の50%以下であるときに警告を発することを特徴とする請求項10に記載の投射型画像表示システム。
【請求項13】前記警告手段から発せられる警告が前記複数の部分カラー画像表示手段から投影される映像上に現れることを特徴とする請求項11又は12に記載の投射型画像表示システム。
【請求項14】表示用カラー画像データがそれぞれ入力することにより、1画面のカラー画像として合成表示される部分カラー画像をそれぞれ表示する複数の部分カラー画像表示手段と、前記各部分カラー画像表示手段が表示する画像の光強度値をそれぞれ測定するための複数の光強度測定手段と、経時劣化の原因になり得る要素を点数化し、この点数を前記光強度測定手段の測定結果に応じて積算する点数積算手段と、前記点数積算手段での積算結果に基づいて警告を発する警告手段とを有することを特徴とする投射型画像表示システム。
【請求項15】システム終了時に前記光強度測定手段によって光強度の測定を毎回行い、次回起動時にその測定結果に基づく補正を反映させることを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示システム。
【請求項16】システム終了時の表示画像が前記光強度測定手段による光強度測定のための画像であることを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示システム。
【請求項17】一連の表示画像の中に前記光強度測定手段による光強度測定のための画像を含み、該画像が表示された際に前記光強度測定手段によって測定を行い、その測定結果に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示システム。
【請求項18】一連の表示画像の中に前記光強度測定手段による光強度測定のための画像を含み、該画像が表示された際に前記光強度測定手段によって測定を行うことを特徴とする請求項10又は13に記載の投射型画像表示システム。
【請求項19】前記初期XYZ3刺激値の測定領域と前記初期光強度値の測定領域は略同一であることを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示システム。
【請求項20】画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線を反射させて前記スクリーンへ導くための反射ミラーと、前記反射ミラーで反射した光線の光強度を測定する光強度測定手段と、通常の画像投影時には前記反射ミラーで反射した光線が前記光強度測定手段に照射されないようにし、光強度測定時には前記反射ミラーの角度を変化させて前記反射ミラーで反射した光線が前記光強度測定手段に照射されるように、前記反射ミラーの角度を変化させる反射ミラー駆動手段とを有することを特徴とする投射型画像表示システム。
【請求項21】画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線の光強度を測定する光強度測定手段を有し、前記投射型画像表示システムは、さらに、通常の画像投影時には前記光線が前記光強度測定手段に照射されないようにし、光強度測定時には前記スクリーンと前記画像表示手段との間に前記光強度測定手段が位置して前記光線が照射されるように、前記光強度測定手段を移動させる移動手段と、前記スクリーンを透過して前記画像表示手段側に入射する外光を遮蔽するための外光遮蔽手段とを有することを特徴とする投射型画像表示システム。
【請求項22】画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線の光強度を測定する光強度測定手段を有し、前記投射型画像表示システムは、さらに、通常の画像投影時には前記光線が前記光強度測定手段に照射されないようにし、光強度測定時には前記スクリーンの前記画像表示手段側とは逆側の面上において前記光線が照射されるように、前記光強度測定手段を移動させる移動手段を有することを特徴とする投射型画像表示システム。
【請求項23】前記光強度測定手段は前記カラー画像表示手段一つに対して複数設けられ、前記複数の光強度測定手段はそれぞれ、特定の波長帯の光を選択的に透過するフィルタを有することを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示システム。
【請求項24】前記光強度測定手段は前記カラー画像表示手段と同数であり、前記光強度測定手段は、それぞれが特定の波長帯の光を選択的に透過する複数のフィルタと、該複数のフィルタの位置を順次移動させるフィルタ駆動手段とを有することを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示システム。
【請求項25】入力された映像信号の処理手段をさらに有し、前記処理手段は、入力映像信号を各原色に分離する原色分離手段と、分離された各原色信号に対応するルックアップテーブルと、前記ルックアップテーブルの出力から映像信号を生成する信号生成部とを有することを特徴とする請求項2に記載の投射型画像表示システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投射型画像表示システム及びその色補正方法に関し、特に色や光強度の変化等を補正するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のプロジェクタ(画像表示手段)からの部分画像をスクリーン上で合成して1画面の画像として表示するマルチプロジェクションディスプレイシステム(多画面投射型画像表示システム)では、複数のディスプレイ間の特性の違いによって生じる色や輝度の違いを補正することは重要な課題である。例えば、特開2001-54131号には、分光計、画像撮影装置、色差計又は照度計のいずれかの測定手段を使用して各ディスプレイの特性データを測定し、複数の表示画面の色再現性の違いを補正する方法が記載されている。これにより、複数のディスプレイによってスクリーン上に投影される画像を不連続性を感じない1枚の画像として認識できるようにすることが可能である。
【0003】しかしながら、上述した補正方法では、各ディスプレイがそれぞれに経時変化を起こし再び補正が必要となった場合には、ユーザーが前記測定手段を設置して測定を行うか、サービスマンが現地に赴き前記測定手段を使用して測定を行う必要があり、非常に面倒である。
【0004】また、ホワイトバランスやコンバーゼンス誤差を補正するために、ディスプレイ内外に光検出手段を配する場合がある。例えば特公平7-121129号には、表面に専用の加工を施したミラーやハーフミラーを光路中に配置し、その裏面側に光検出手段を配置するという提案がなされている。また、特開平7-284120号には、ディスプレイのオーバースキャン部に光検出手段を配置するという提案がなされている。これにより、各ディスプレイからの投射光を光検出手段で測定でき、ホワイトバランスやコンバーゼンス誤差の補正が可能である。
【0005】しかしながら、表面上に専用の加工を施したミラーやハーフミラーの裏面側に光検出手段を配置して投射光を検出する場合、ミラーの表面を加工したことによってスクリーン上で部分的或いは全体的な光量の低下が多かれ少なかれ起き、画質が劣化するという問題がある。
【0006】また、例えば特開平8-292495号には、光源の発光輝度の変化を検出してランプの交換時期を警告するディスプレイシステムが提案されている。これにより、ランプが切れる以前にランプ交換の必要性を知ることができる。
【0007】しかしながら、上述した技術では、ランプの交換に関連する情報を知らせることを想定しているだけである。そのため、多画面のカラー画像表示装置において、ランプの交換は不要だが、画面間の簡易的な色補正が必要であるといった情報、或いは簡易的は補正ではなく測色計等を用いての補正が必要であるといった情報は得ることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、補正に手間がかかり煩雑であるといった問題、補正手段によって画質が劣化するといった問題、或いは補正処理の必要性を知らせることができないといった問題があった。
【0009】本発明は上記従来の課題に対してなされたものであり、補正の煩雑さを低減すること、補正手段による画質劣化を抑制すること、或いは補正処理の必要性を容易に認識することが可能な投射型画像表示システム等を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る投射型画像表示システムの色補正方法は、カラー画像表示手段からスクリーンに映像を投影する投射型画像表示システムの色補正方法であって、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期XYZ3刺激値を測定する工程と、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期光強度値を測定する工程と、前記測定した初期XYZ3刺激値と前記測定した初期光強度値との相関関係を求める工程と、前記初期調整時から所定時間経過後に前記スクリーンに投影される映像の各原色の最大発光時の光強度を測定する工程と、前記測定した最大発光時の光強度値と前記求めた相関関係とから、前記所定時間経過後の前記スクリーン上の映像のXYZ3刺激値を推定する工程と、前記推定したXYZ3刺激値から色補正係数を算出する工程とからなることを特徴とする。
【0011】本発明に係る投射型画像表示システムは、カラー画像表示手段からスクリーンに映像を投影する投射型画像表示システムであって、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期XYZ3刺激値と、初期調整時に前記スクリーンに投影される映像の初期光強度値との相関関係を求めて記憶する手段と、前記初期調整時から所定時間経過後に前記スクリーンに投影される映像の各原色の最大発光時の光強度を測定する手段と、前記測定した最大発光時の光強度値と前記記憶した相関関係とから、前記所定時間経過後の前記スクリーン上の映像のXYZ3刺激値を推定する手段と、前記推定したXYZ3刺激値から色補正係数を算出する手段とを有することを特徴とする。
【0012】また、本発明に係る投射型画像表示システムは、画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線を反射させて前記スクリーンへ導くためのものであって、前記光線が反射する面全体が均一な反射率となるように構成された反射ミラーと、前記反射ミラーの前記光線が反射する面とは逆の面側に設けられ、前記光線のうち前記反射ミラーを透過した光線の光強度を測定する光強度測定手段とを有することを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る投射型画像表示システムは、表示用カラー画像データがそれぞれ入力することにより、1画面のカラー画像として合成表示される部分カラー画像をそれぞれ表示する複数の部分カラー画像表示手段と、前記各部分カラー画像表示手段が表示する画像の光強度値をそれぞれ測定するための複数の光強度測定手段と、前記複数の光強度測定手段で測定した複数の光強度値を比較する比較手段と、前記比較手段での比較結果に基づいて警告を発する警告手段とを有することを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る投射型画像表示システムは、表示用カラー画像データがそれぞれ入力することにより、1画面のカラー画像として合成表示される部分カラー画像をそれぞれ表示する複数の部分カラー画像表示手段と、前記各部分カラー画像表示手段が表示する画像の光強度値をそれぞれ測定するための複数の光強度測定手段と、経時劣化の原因になり得る要素を点数化し、この点数を前記光強度測定手段の測定結果に応じて積算する点数積算手段と、前記点数積算手段での積算結果に基づいて警告を発する警告手段とを有することを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る投射型画像表示システムは、画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線を反射させて前記スクリーンへ導くための反射ミラーと、前記反射ミラーで反射した光線の光強度を測定する光強度測定手段と、通常の画像投影時には前記反射ミラーで反射した光線が前記光強度測定手段に照射されないようにし、光強度測定時には前記反射ミラーの角度を変化させて前記反射ミラーで反射した光線が前記光強度測定手段に照射されるように、前記反射ミラーの角度を変化させる反射ミラー駆動手段とを有することを特徴とする。
【0016】また、本発明に係る投射型画像表示システムは、画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線の光強度を測定する光強度測定手段を有し、前記投射型画像表示システムは、さらに、通常の画像投影時には前記光線が前記光強度測定手段に照射されないようにし、光強度測定時には前記スクリーンと前記画像表示手段との間に前記光強度測定手段が位置して前記光線が照射されるように、前記光強度測定手段を移動させる移動手段と、前記スクリーンを透過して前記画像表示手段側に入射する外光を遮蔽するための外光遮蔽手段とを有することを特徴とする。
【0017】また、本発明に係る投射型画像表示システムは、画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段が表示する画像を投射するための投影光学系と、前記投影光学系で投射された画像を映し出すスクリーンとを有する投射型画像表示システムであって、前記投影光学系は、前記画像表示手段からの光線の光強度を測定する光強度測定手段を有し、前記投射型画像表示システムは、さらに、通常の画像投影時には前記光線が前記光強度測定手段に照射されないようにし、光強度測定時には前記スクリーンの前記画像表示手段側とは逆側の面上において前記光線が照射されるように、前記光強度測定手段を移動させる移動手段を有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に係る背面投射型カラー画像表示システムの構成例を示したものである。なお、本発明は背面投射型のカラー画像システムに特に限定されるものではないが、本実施形態では背面投射型を例にとって説明する。
【0020】本投射型カラー画像表示システムは、3刺激値測定部11と、光強度測定部12と、記憶部13と、推定部14と、色補正係数算出部15と、画像変換部16と、カラー画像表示部17と、スクリーン部18と、反射ミラー21とから構成されている。
【0021】3刺激値測定部11は、例えば分光計などの3刺激値XYZが測定可能な測定器からなる。この3刺激値測定部11を用いて、プロジェクタなどのカラー画像表示部17からスクリーン部18へ投影された画像の各原色毎のXYZ3刺激値を、工場などで行う初期調整の際に測定する。
【0022】光強度測定部12は、フォトダイオードなどの光の強度を測定することが可能な受光素子からなる。この光強度測定部12により、3刺激値測定部11と同様に、カラー画像表示部17からスクリーン部18へ投影される画像の各原色毎の光強度値を、工場などで行う初期調整の際に測定する。
【0023】初期調整時における3刺激値測定部11と光強度測定部12の測定では、各原色毎に数段階の光強度レベルで同じ画像の同じ領域をできるだけ同時に測定し、各原色毎のXYZ3刺激値と光強度値との相関関係を求め、記憶部13にこの相関関係を記憶させる。3刺激値測定部11と光強度測定部12とで同じ領域を測定するのは、カラー画像表示部17の画面内での光強度やγのむらによる相関関係への影響を極力避けるためである。
【0024】図2は、原色RのX値と光強度値との相関関係の一例を示したものである。相関関係の求め方としては、例えば図2のように5段階の光強度レベルで測定を行い、その間を線形補間で求める方法などが考えられる。この時、光強度値との相関関係を求める3刺激値XYZは、3つのうち最も値が大きなものを選ぶのがS/N比が良く望ましい。本発明者らの検討では、原色R(赤)ではX、原色G(緑)ではY、原色B(青)ではZを選ぶ、或いは、原色R及びGではY、原色BではZを選ぶと、光強度値との相関関係がほぼ線形となり、後述のXYZ3刺激値の推定が容易であった。
【0025】初期調整から時間が経過した後、カラー画像表示部17からスクリーン部18上へ投影された画像の各原色の最大発光時の光強度値を光強度測定部12で測定する。この経時変化後の光強度値と、記憶部13に記憶させたXYZ3刺激値と光強度値の相関関係とから、推定部14で経時変化後の各原色のXYZ3刺激値のうちの一つを推定して求める。
【0026】次に、各原色毎に推定によって求めたXYZ値と、初期調整時に測定したXYZ値とから、色補正係数算出部15により後述の方法によって色補正係数を算出する。
【0027】算出された各画像表示部毎の色補正係数を画像変換部16に送る。画像変換部16では、入力された各画像表示部17毎の映像信号のそれぞれに対応する色補正係数に基づいて画像変換処理を行い、各画像表示部17に変換された映像信号を送る。各画像表示部17では、補正された映像信号に基づいた画像をスクリーン部18に投影することで、各画面間の経時変化による色のずれが解消された1枚の画像がスクリーン上に表示されることとなる。
【0028】このように、本実施形態では、初期調整時にのみ分光計等の3刺激値測定部を用いて測定を行い、それ以降はシステム内の光強度測定部によって調整(経時劣化の補正)を行うので、使用者は分光計等による煩雑な測定を行わなくてすみ、補正処理の手間を大幅に軽減することができる。
【0029】次に、多画面投射型ディスプレイの基本的な色再現方法の一例について説明する。
【0030】映像信号源から画像変換部16に入力される各原色の信号値をRin、Gin及びBin(入力信号値)とし、出力される各原色の信号値をRout、Gout及びBout(出力信号値)とする。入力信号値は各カラー画像表示部17の特性には依存しない。画像変換部16では、これらの入力信号値Rin、Gin及びBinを、各カラー画像表示部17の色再現特性に応じて、表示に適した表示信号値Rout、Gout及びBoutに変換する。入力信号値Rin、Gin及びBinをXYZ3刺激値に変換するためのマトリックスAの要素をaとすると、その関係は、【数1】

と表わすことができる。
【0031】また、XYZ刺激値と表示信号Rout、Gout及びBoutとの関係は、【数2】

と表わすことができる。
【0032】Xr、Yr及びZrは信号値Routによる最大発光時のXYZ値であり、同様にXg、Yg及びZgは信号値Goutによる最大発光時のXYZ値、Xb、Yb及びZbは信号値Boutによる最大発光時のXYZ値で、各カラー画像表示装置の色再現特性を表わす。また、添え字のiは、画像表示装置固有の識別記号であり、例えば1〜4などを表す。
【0033】前記式1及び式2より、出力信号値Rout、Gout及びBoutは、【数3】

と表わすことができる。
【0034】マトリックスAを表示システムに関連する何かの値として決め、各表示装置の各原色毎の最大発光時におけるXYZ3刺激値を測定することによって、各画面間の色補正係数を算出することができる。マトリックスAには、例えばsRGB規格で決められているような以下のマトリックス【数4】

を用いてもよい。
【0035】本発明では、初期調整時のみ測色計などでXYZ3刺激値を測定し、以降の色補正は光強度センサなどで光強度値のみを測定し、その光強度値から補正に必要なXYZ値を推定して色補正を行う。
【0036】光強度値からXYZ3刺激値を推定する際には、図2に示すような相関関係を求めておき、推定を行う。一般に、センサ出力値がセンサへの入射光の光強度に対して線形な出力を示すような感度の範囲で使用すれば、各原色のXYZ値の最も大きな値と光強度値との関係は線形になり、関係式は1次式で求めることができる。
【0037】式2は、以下の式5【数5】

のように変形することができる。
【0038】ここで、x、y、zは色度値を表わし、XYZ3刺激値との関係は、【数6】

となっている。これに式1を代入することにより、入力信号値Rin、Gin及びBinと出力信号値Rout、Gout及びBoutとの関係を求めることができる。
【0039】一般にプロジェクタの経時変化では、各原色のXYZの比は変化するものの、色度座標xyzは変化しない。よって、XYZに係る2つのマトリックスC、Dのうち、Dは初期調整時にだけ測定すればよく、Cのみを経時変化後に測定すればよい。Cの0以外の要素は光強度センサの光強度値からXYZ値を推定して求めることができるので、光強度値だけで経時劣化による色の補正を行うことが可能となる。
【0040】ここではRではX、GではY、BではZの3刺激値を選び、それについて式5で正規化しているが、これは一般に各原色では各値が3刺激値中の他の値よりも大きいためである。値の大きなものを選んだ方がS/N比が良くなるが、S/N比に問題がなければ、RではY、GではY、BではZと異なる選び方をしても問題はない。
【0041】次に、ユーザーに測定していることをあまり意識させない光強度測定のタイミングについて説明する。
【0042】例えば、システム終了時に毎回一連の処理として、補正処理のなされていないRGBの最大発光画像を表示して測定するという方法があげられる。システム終了時に測定を行うのは、液晶プロジェクタなどのディスプレイは通常、電源投入後しばらくの間は光強度が不安定なため、信頼性のあるデータの測定が難しいことによる。そして、表示を行っていない間に色補正に関する推定及び算出を行って画像変換部に算出された色補正係数を送っておき、次回の画像表示部の立ち上げ時にこの補正を反映させるというものである。
【0043】また、システム終了時に表示する補正のなされていないRGBの最大発光画像は全面均等である必要はなく、測定対象領域のみ所望の画像が表示されていればよい。従って、例えばシステム終了時の画像がメーカーのロゴ等を含み、測定に必要な箇所だけ模様のように補正なしのRGB最大発光画像が表示される画像を表示し、測定を行うことも可能である。
【0044】また、補正なしのRGBの最大発光の画像を表示するのが不自然な場合、補正済みのRGBの単色画像を表示するようにしてもよい。ただし、測定された光強度に画像変換部で施している補正の逆補正をかけて無補正時の最大発光の光強度値を算出して求め、色補正のための演算に使用する。このようにして測定された光強度値に逆補正をかけて使用するのであれば、通常の一連のコンテンツを表示している最中に測定対象領域に測定可能な単色画像が表示される際に、必ず測定を行うという方法も考えられる。
【0045】以上の測定タイミングで測定することにより、ユーザーは色補正のための光強度測定を行っていることを感じることなく、常にディスプレイ間の色が合った画像を表示することが可能となる。
【0046】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0047】本実施形態は、図1に示した主として反射ミラー部21に関するものである。図3に、光強度測定部12と反射ミラ−部21からなる投影光学系の構成例を示す。
【0048】本実施形態では、カラー画像表示部17からの光をスクリーンへ導くための反射ミラー部21の裏面側、つまりミラーを挟んで画像表示部17と反対側に光強度測定部12が配置されている。反射ミラー部21は、ガラスなどの高透過率材料に金属膜が蒸着されて作られており、80%以上で99%以下の高反射率を持ち、大部分の光量を反射するが、反射されないごく微弱な光量を透過させる。この透過した微量の光が光強度測定部12の受光面に入射するように配置する。また、反射ミラー21の反射面は平面又は曲面となっている。
【0049】図4(a)及び(b)は、本発明に関する従来の技術に係る反射ミラー部21及び光強度測定部(光輝度測定部)12の構成について示したものである。図4(a)は、反射ミラーに小さな穴を開け、光強度測定部12に画像表示部からの光が届くように加工されたものである。図4(b)は、光強度測定部12を配する部分のみ反射率を落として透過率を上げるように加工し、ミラー前面の反射率を50%前後にしたものである。このように、従来はミラーに何らかの加工が施されており、そのため光量低下等によって画質が劣化する。
【0050】これらの方式と比べて、本実施形態の反射ミラー21は、ミラーに対して反射率を下げるような特別な加工を施しておらず、反射面全体が均一で高反射率となるように構成されている。そのため、光を測定することによる表示画像の画質の劣化が生じない。言いかえれば、もともとスクリーン上での画像の表示には不要な、捨てられていた光を測定しているため、光強度測定による光量の低下が生じない。
【0051】また、光強度測定部12の受光面は、照射される光線の主な成分に対して垂直であることが望ましい。これは、光強度測定部12が一般に指向性を持ち、受光面に対して垂直に入射した光に対する感度が最も高いためである。図5に一般的なフォトダイオードの指向特性の例を示す。
【0052】また、例えば図6のように、4つの画像表示装置を使用して1枚の画像を表示する場合、光強度測定部12で測定を行う画像の測定対象領域は、各画面(各画像)の互いに近接する領域であることが望ましい。これは各画面の隣接領域付近での色のずれが最も目立つためであり、この領域付近での色の補正が重要なためである。
【0053】また、これまでの図では、光強度測定部12は各カラー画像表示部17に対してそれぞれ一つ備えられている。図7にフォトダイオードの分光感度特性の一例を示すが、波長によって分光感度が異なる。このため、測定する色毎に増幅器の増幅率を切り換えて、各原色の測定値が最適な数値範囲に収まるような状態で光強度値の測定を行うことが望ましい。
【0054】(第3の実施形態)図8は、本発明の第3の実施形態に係る多画面投射型カラー画像表示システムの構成例を示したものである。
【0055】本多画面投射型カラー画像表示システムは、画像表示部31と、光強度測定部32と、反射ミラー部33と、スクリーン部34と、測定値比較部35と、警告部36とからなる。なお、図8に示した構成は図1に示した構成と比べて画像表示装置31の台数と並び方が異なっているが、これ自体には特に意味はなく、本発明の全ての実施形態に記載されている内容はプロジェクタの台数及び並び方に依存するものではない。
【0056】所定の映像信号を各画像表示部31に入力し、各画像表示部31からスクリーン部34への投射光の光強度値を、各画像表示部31に対応して設置されている各反射ミラー部33の裏面に設けられた光強度測定部32によって測定する。測定された各光強度値は比較部35に入力され、比較部35で各光強度値の大小が比較される。そして、光強度値が最も高いものに対して光強度値が最も低いものの値が例えば50%以下であった場合に、警告部36に対して最も光強度が低いカラー画像表示部31の識別情報(固有番号等)を伝える。警告部36には各画像表示部31に対応する各映像信号が入力されているので、これらの映像信号のうち、問題のあった画像表示部31に対応する映像信号上に警告信号を重畳する。この重畳済みの映像信号が画像表示部31に送出され、表示される映像上に警告が表示されるため、ユーザーはスクリーン上の画像を見て色補正処理が必要かどうかを認識することができる。
【0057】なお、第1の実施形態で説明した色補正方法がまだ有効な範囲内かどうかを比較部35で比較判断し、補正が有効でない程度まで劣化を起こしている場合に、警告情報をスクリーン34上に表示するようにしてもよい。また、比較部35で各画像表示部31の光強度の測定値の平均値を求め、最も光強度が低いものの光強度値が平均値に対して50%以下である場合に、警告部36から警告信号を発してもよい。図9は、これについて示したものである。各画像表示装置A、B、C及びDの光強度値をそれぞれVa、Vb、Vc及びVdとして、4台の画像表示装置の光強度値の平均値をVavとしている。図の例では、Vdが最小で、かつVavの値より小さいことを示している。また、一連の表示画像の中に光強度測定のための画像を含ませ、該画像が表示された際に光強度測定を行うようにしてもよい。さらに、警告方法としては、映像信号上に警告信号を重畳するだけでなく、音声などで警告をするようにしてもよい。
【0058】このように、本実施形態では、測定された光強度値の比較結果に基づいて所定の警告を行うので、ユーザーは補正処理の必要性を容易かつ確実に認識することができる。
【0059】(第4の実施形態)図10は、本発明の第4の実施形態に係る多画面投射型カラー画像表示システムの構成例を示したものである。
【0060】本多画面投射型カラー画像表示システムは、画像表示部41と、光強度測定部42と、反射ミラー部43と、スクリーン部44と、点数積算部46と、警告部47とからなる。
【0061】各画像表示部41からスクリーン部44への投射光の光強度値を、各画像表示部41に対応して設置されている各反射ミラー部43の裏面に設けられた光強度測定部42によって測定する。測定された各光強度値は点数積算部46に入力され、点数積算部46では、光強度値の時間毎の変動から推測できる画質劣化要因を画像表示部41毎に点数化して、その点数化された要素を積算してゆく。そしてある画像表示部41の点数がある一定値以上に達した時に、警告部47にその画像表示部の識別情報(固有番号等)を伝える。警告部47では、第3の実施形態と同様の方法でユーザーに警告情報を伝える。
【0062】なお、測定された光強度値の変動から推測できる画質の劣化要因の例としては、「一定時間内のON/OFFの繰り返し」、「突然の電源OFF」、「一定時間内の急激な光強度の低下」、「50時間以上の連続点灯」などがあげられる。これらの要因について、図11に示すように、画質の劣化に与える影響の大小に応じて点数付けをしておき、点数積算部46に記憶させておくものとする。そして、各画像表示部41毎に点数を積算してゆく。
【0063】このように、本実施形態では、経時劣化の原因になり得る要素を点数化してその積算結果に基づいて警告を行うので、ユーザーは補正処理の必要性を容易かつ確実に認識することができる。
【0064】(第5の実施形態)図12は、本発明の第5の実施形態に係る投射型カラー画像表示システムの構成例を示したものである。
【0065】本投射型カラー画像表示システムは、画像表示部51と、反射ミラー部53、反射ミラー駆動部54及び光強度測定部55からなる投影光学系と、スクリーン部56と、外光遮蔽部57とから構成されている。
【0066】画像表示部51からの投影光を反射ミラー部53でスクリーン部56に導くことで映像を表示する。光強度測定部55は、通常の画像表示時には画像表示部51からスクリーン部56までの間の光路中になく、光路からやや外れたところに画像表示部51の方に受光面を向けて配置されている。光強度測定時には、ミラー駆動部54によって反射ミラー53の傾きを変化させることで光強度測定部55に画像光が照射され、さらにスクリーン56を透過してくる外光が外光遮蔽部57によって遮断されて、測定が可能になる。そして、測定終了後には、反射ミラー駆動部54によって反射ミラー部53の傾きが再び元の角度に戻る。図13に、これらの動作時における反射ミラー部53、光強度測定部55及び画像表示部51からの光線の位置関係の拡大図を示した。
【0067】このように、本実施形態では、通常の画像をスクリーン上に投影している際には、投影された画像の部分的或いは全体的な光強度落ちが生じずに画質の劣化を防止することができるとともに、光強度を測定する際には、反射ミラーの傾きを変えることで確実に光強度を測定することができる。
【0068】図14は、本実施形態の他の例を示した図である。本例は、光センサ移動部58によって光強度測定部55を移動させるものである。
【0069】本例では、光強度測定部55の受光部は常に画像表示部51側を向いているが、通常の画像表示時には画像表示部51からスクリーン56までの間の光路中は光強度測定部55は位置していない。画像光の光強度測定時には、光センサ移動部58によって光強度測定部55を画像光の光路中に移動して測定を行う。そして、測定終了後には、再び光強度測定部55は画像光の照射されない位置に配置される。
【0070】図15は、本実施形態のさらに他の例を示した図である。本例も、光センサ移動部58によって光強度測定部55を移動させるものである。
【0071】本例では、光強度測定部55が、筐体の外側にかつ受光面を画像表示部51側に向けて配置され、光センサ移動部58によって測定時にのみスクリーン56上を移動して画像光の光強度を測定するものである。
【0072】このように、図14及び図15に示した例では、光センサ移動部によって光強度移動部を移動させることで、図12に示した例と同様の作用効果を奏することができる。
【0073】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の実施形態について、図16及び図17を参照して説明する。
【0074】図16は、例えば図1に示した光強度測定部について、その一つをより詳細に示したたものである。図16に示すように、光強度測定部を構成する各センサは、3つのセンサセル61a、61b及び61cと、3つの光学フィルタ62a、62b及び62cとから構成されている。3つのセンサセル61a、61b及び61cは、画像表示部の投射画角に対して充分小さく、かつ3つが密着しており、3つのセンサセル61a、61b及び61cによって投影画像内のほぼ同位置の光強度を測定することが可能である。3つのセンサセル61a、61b及び61cには、その入射方向にそれぞれ光学フィルタ62a、62b及び62cが設置され、各セルには対応する各フィルタを透過した光が入射するようになっている。
【0075】図17は、各フィルタ62a、62b及び62cの分光透過特性(点線)と、画像表示装置の各原色のスペクトル(実線)とを示した図である。図に示すように、フィルタ62aは、原色Bの光のみを透過し、他の原色G、Rについては透過しない。フィルタ62bは、原色Gの光は透過するが、B、Rについては透過しない。フィルタ62cは、原色Rの光は透過するが、B、Gの光は透過しない。フィルタ特性をこのように設定することで、センサセル61aは原色Bの光強度のみを、センサセル61bは原色Gの光強度のみを、センサセル61cは原色Rの光強度のみを常に測定することができる。すなわち、各センサセル61a、61b及び61cは、他の原色が発光しているか否かにかかわらず、対応する原色の光強度を測定することができる。
【0076】これまでのセンサでは、原色の最大発光の光強度を測定する際に、画像表示装置に各原色(RGB)の測定用画像を順次表示し、それに同期して順次センサ出力を記録しなければならなかったが、上述したような構成にすることにより、RGB同時に最大発光させた時の各センサセル出力を記録することで、瞬時に測定が終了する。RGB同時に最大発光させることは、すなわち白色を表示することになり、スクリーンの画面上でも通常の表示から切り換わった際に違和感が無いので、通常の観賞用コンテンツの合間などに極短時間白色を表示して測定を行うことができる。
【0077】また、この測定のときはセンサに入射する部分のみが白色表示であればよく、センサに入射しない部分の映像は任意の色でよい。このことを利用して、測定時に表示する測定用画像として図18のようなものを用いることで、より一層違和感を抑制することができ、画面を観賞する者に意識させないで測定を行うことができる。図18は、画像表示装置を4つ用いて大きな1画面を構成するシステムに適用できる測定用画像である。文字部分が黒で背景が白色表示である。時刻表示はもちろん実際の時刻を表示する。点線で囲まれた部分がセンサに入射する部分に相当し、実際の画像にはこの点線は無い。このような測定用画像を用いて例えば毎定時に測定を行うようにすれば、鑑賞者は単に時報の表示と思い、鑑賞者に全く意識させずに測定を行うことができる。
【0078】(第7の実施形態)次に、本発明の第7の実施形態について、図19を参照して説明する。
【0079】図19は、例えば図1に示した光強度測定部について、その一つをより詳細に示したたものである。図19に示すように、光強度測定部を構成する各センサは、1つのセンサセル71と、3つの光学フィルタ72a、72b及び72cと、これらの光学フィルタ72a、72b及び72cを切り換えるフィルタ駆動部73とから構成されている。フィルタ駆動部73は、図示しないフィルタ制御部からの信号に従って左右に移動することで、フィルタ72a、72b及び72cを切り換える。
【0080】各フィルタ72a、72b及び72cの分光透過特性と、画像表示装置の各原色のスペクトルとの関係については、図17と同様である。したがって、フィルタ特性を図17のように設定し、フィルタ駆動部73によって各フィルタ72a、72b及び72cの切り換えを適宜行うようにすることで、センサセル71は、フィルタ72aが適用されているときには原色Bの光強度のみを、フィルタ72bのときには原色Gの光強度のみを、フィルタ72cのときには原色Rの光強度のみを測定することができる。すなわち、各フィルタを切り換えることで、他の原色が発光しているか否かにかかわらず、対応する原色の光強度を測定することができる。
【0081】上記のような構成にすることにより、RGB同時に最大発光させた時にフィルタ72aからフィルタ72cへと順次フィルタを切り換えて、対応するセンサセル出力を記録することで、測定が終了する。RGB同時に最大発光させることは、すなわち白色を表示することになり、スクリーンの画面上でも通常の表示から切り換わった際に違和感が無いので、通常の観賞用コンテンツの合間などに極短時間白色を表示して測定を行うことができる。また、上記構成にすることで、センサセルを複数用いる場合に対し、測定する位置が同じであるため、RGBの各測定値の精度を向上させることが可能である。
【0082】なお、第6実施形態と同様に、測定用画像として図18のようなものを用いることで、画面を観賞する者に意識させないで測定を行うことができる。
【0083】(第8の実施形態)次に、本発明の第8の実施形態について、図20を参照して説明する。
【0084】図1に示した複数のカラー画像表示部17を用いて1つの大画面を構成する装置において、第1の実施形態では各カラー画像表示部17の画面間の色を合わせる際にマトリクス変換を行ったが、本実施形態ではマトリクス変換をしないで各画面間の色を合わせるようにしている。
【0085】図20は、図1に示した画像変換部16等の構成を示したものである。画像変換部16は、入力画像信号をRGBに分離する複数のRGB分離部81、分離されたRGBの各信号に対応する複数のLUT(ルックアップテーブル)82、RGBに対応したLUT82の出力からビデオ信号を生成する複数のビデオ信号生成部83とから構成されている。
【0086】LUT82は、各画像表示部17の各原色毎に設けられており、入力信号に対する画像表示部17への出力値が格納されている。LUT82に格納する値は、LUT82を通さない(LUT82の出力が入力と等しい)場合の画像表示部17のスクリーン上での光強度を各原色(RGB)毎に且つ各階調において測定した結果に基づき、各原色に対する所定入力値に対して一定の光強度となるよう設定される。複数の画像表示部17の画面間において各原色(RGB)の色度が等しい場合はこれでもよいが、一般的に画面間での各原色の色度値が異なる場合が多く、このような場合には白を出力したときに画面間の色差が目立つ。そこで、LUT82に格納する値を算出する際に、各原色の光強度だけではなく、白出力時の色度値を合わせるように補正を行う必要がある。以下、このような補正を行う方法について説明する。
【0087】第1の実施形態で述べた方法により、各画像表示部17の各原色の最大発光時の3刺激値XYZが推定される。Rの推定XYZ3刺激値をX'R(j)、Y'R(j)、Z'R(j)とし、G及びBについても同様にX'G(j)、Y'G(j)、Z'G(j)及びX'B(j)、Y'B(j)、Z'B(j)とする。これを用いて白色の最大発光時のXYZを算出し、用いられる複数の画像表示部17での平均値を求め、これを目標白色のXYZ3刺激値として、XWAVE、YWAVE、ZWAVEと表す。
【0088】目標白色を再現するためのR、G、Bゲイン値GR(j)、GG(j)、GB(j)を、以下の式7により、【数7】

として算出する。ただし、jは各画像表示部17に対応する記号である。
【0089】上記のようにして算出されたゲイン値に対して、最終的なWB調整用係数CR(j)、CG(j)、CB(j)を、以下の式により、CR(j)=GR(j)/GG(j)CG(j)=1.0CB(j)=GB(j)/GG(j)として決定する。
【0090】LUT82に格納する値は以下の手順で求める。LUT82を通さない(LUT82の出力が入力と等しい)場合の画像表示部17のスクリーン上での光強度を各原色(RGB)毎に且つ各階調において測定した結果に基づき、各原色に対する所定入力値に対して一定の光強度となるように目標値を決める。この目標値に、上記のようにして算出した係数を乗じた値を新しい目標値とし、所定入力値に対して目標値が出力値となるように求める。
【0091】このようにして求めたLUTを用いることで、画面間の原色色度が異なる場合でも、白色を表示した際に画面間の色差が目立たなくなる。
【0092】なお、本実施形態では、LUT82を各画像表示部17の各原色毎に1つ用いたが、1台の画像表示部17の画面を分割して、分割された領域1つに対して1つのLUTを用いる構成としてもよい。これによりLUTの数が増加することになるが、画像表示部17の面内に色ムラがあるような場合には、有効に補正することができる。
【0093】以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出され得る。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば発明として抽出され得る。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、初期調整時にのみ3刺激値測定手段を使用し、それ以降の調整はシステム内の光強度測定手段の測定結果に基づいて行うので、使用者は煩雑な測定を行わなくてすみ、補正処理の手間を大幅に軽減することが可能となる。
【0095】また、本発明によれば、本来スクリーンに到達するはずの光量を損なわずに光強度測定手段によって測定を行うことができるため、表示画像の画質の劣化を防止することが可能となる。
【0096】また、本発明によれば、画質の劣化によって補正処理が必要な場合に警告が発せられるので、使用者は補正処理の必要性を容易に知ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成13年12月5日(2001.12.5)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2003−174651(P2003−174651A)
【公開日】 平成15年6月20日(2003.6.20)
【出願番号】 特願2001−371786(P2001−371786)