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【発明の名称】 無線アクセスシステム及びその制御方法
【発明者】 【氏名】小田切 勝宏
【住所又は居所】東京都港区港南一丁目9番1号 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社内

【要約】 【課題】契約したキャリアに関係なく、いずれのアクセスポイントをも利用でき、使用した料金のみで容易に使用可能な無線アクセスシステムを提供する。

【解決手段】本発明の無線アクセスシステムは、電波を伝送媒体とし、異なるキャリアA,B,Cが各々設置したアクセスポイント21,…,2nを介して、携帯端末1をインターネットIに接続する無線アクセスシステムであり、アクセスポイント21,…,2nを介して入力される、ユーザ端末1の送信データから識別情報を抽出し、この識別情報に基づいて、対応するキャリアへの接続を確立する振り分けサーバ5と、各キャリアA,B,Cに設けられ、携帯端末1から入力されるID番号及びパスワードにより、ユーザの認証を行い、このID番号に対応して記憶された利用可能度数とインターネットへの接続時間とに基づき、ユーザ端末1のインターネットIへの接続を制御する認証サーバ10A,10B,10Cとを具備することを特徴する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電波を伝送媒体とし、異なるキャリアが各々設置したアクセスポイントを介して、携帯端末をインターネットに接続する無線アクセスシステムであり、前記アクセスポイントを介して入力される前記ユーザ端末の送信データから識別情報を抽出し、この識別情報に基づいて、対応するキャリアへの接続を確立する振り分けサーバと、各キャリアに設けられ、前記携帯端末から入力されるID番号及びパスワードにより、ユーザの認証を行い、このID番号に対応して記憶された利用可能度数とインターネットへの接続時間とに基づき、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御する認証サーバとを具備することを特徴する無線アクセスシステム。
【請求項2】 前記振り分けサーバが、利用可能なID番号を記憶し、対応するID番号が無い場合、キャリアへの回線の接続を行わないことを特徴とする請求項1記載の無線アクセスシステム。
【請求項3】 前記振り分けサーバが、前記ID番号と前記キャリアとの対応表を有し、前記識別情報にこのID番号を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無線アクセスシステム。
【請求項4】 前記振り分けサーバが、設置場所またはキャリアの種別に対応した各アクセスポイントと、アクセスポイントから各キャリアへの度数あたりの度数計数時間と対応を示すテーブルを記憶していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線アクセスシステム。
【請求項5】 前記認証サーバが、このID番号に対応して記憶された利用可能度数から、前記度数計数時間経過毎に度数を減算し、この利用可能度数が「0」となるか否かの管理を行うことにより、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御することを特徴とする請求項4記載の無線アクセスシステム。
【請求項6】 前記振り分けサーバが、前記使用度数に基づき、各キャリア間のアクセスポイントの相互利用における超過度数を求め、この超過度数に基づき算出される精算金額を、各キャリアへ通知することを特徴とする請求項5記載の無線アクセスシステム。
【請求項7】 電波を伝送媒体とし、異なるキャリアが各々設置したアクセスポイントを介して、携帯端末をインターネットに接続する無線アクセスシステムに対する無線アクセス制御方法であり、前記アクセスポイントを介して入力される、前記ユーザ端末の送信データから識別情報を抽出し、この識別情報に基づいて、対応するキャリアへの接続を確立するキャリア接続過程と、各キャリアに設けられ、前記携帯端末から入力されるID番号及びパスワードにより、ユーザの認証を行い、このID番号に対応して記憶された利用可能度数とインターネットへの接続時間とに基づき、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御する接続制御過程とを具備することを特徴する無線アクセス制御方法。
【請求項8】 前記キャリア接続過程において、前記ID番号と前記キャリアとの対応表を有し、前記識別情報にこのID番号を用いることを特徴とする請求項7記載の無線アクセス制御方法。
【請求項9】 前記キャリア接続過程において、設置場所またはキャリアの種別に対応した各アクセスポイントと、アクセスポイントから各キャリアへの度数あたりの度数計数時間と対応を示すテーブルから、対応するアクセスポイントの度数計数時間を読み出し、前記接続制御過程において、ID番号に対応して記憶された利用可能度数から前記度数計数時間経過毎に度数を減算し、この利用可能度数が「0」となるか否かの管理を行うことにより、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の無線アクセス制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリペイド方式により無線LAN等を利用して、各サービスプロバイダのサービスを受ける無線アクセスシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ブロードバンドの普及とともに、インターネットへのパーソナルコンピュータの接続の手段として、無線LANが多く利用されるようになっている。特に、電波を使用した無線LANは、有線のように使用場所の制限をあまり受けずに、赤外線を使用した赤外線LANのように障害物に通信を妨害されることが少なく、かつデータ転送速度が向上しており、価格が低下していることもあり、利用者が増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の無線LANシステムは、使用場所の制限を受けないとは言うものの、キャリア(ISP:インターネット・サービス・プロバイダ)毎に、アクセスポイントのある場所が決められており、アクセスポイントを中心として100m程度の利用可能範囲が限られている。そして、従来の無線LANシステムは、各キャリアと契約して、IDとパスワードとを取得して、ユーザとしてのアカウントを有していないと使用できない。このため、従来の無線LANシステムには、使用可能な場所が契約したキャリアのアクセスポイントのある場所を中心として、例えば、半径100mの範囲でしか使用できないという欠点がある。
【0004】さらに、従来の無線LANシステムには、契約したキャリアの設置したアクセスポイント以外のアクセスポイントを使用できないという制限がある。すなわち、従来の無線LANシステムは、ESS-ID(Enhanced Service Set ID)により、無線LANのアクセスポイントが所属する無線グループ(各キャリアの管理する)が指定されている。このため、従来の無線LANシステムでは、同じESS-IDを設定した携帯端末(ユーザ所有)とアクセスポイント(キャリアが管理)との間のみで通信可能であり、ESS-IDが異なる携帯端末とアクセスポイントとの間の通信が行えないようになっている。
【0005】このため、従来の無線LANシステムには、同じESS-IDをもつアクセスポイントのもとにおいて、携帯端末を移動しながら使う(ローミング)こともできるが、各キャリア間の設置したESS-IDの異なるアクセスポイント間のローミングが行えないため、設置されたアクセスポイントが有効活用されず、利用者が携帯端末と同一のESS-IDを有するアクセスポイントの場所に移動して使用する必要があり、アクセスポイントからの使用可能な距離の制限も合わせて、移動場所で自由に使用できるという本来の利便性を低下させる欠点がある。
【0006】また、従来の無線LANシステムは、上述したように、アクセスポイントを利用するために、アカウントを取得する必要があり、あらかじめ各キャリアと契約し、月々使用する基本料金と利用料金との合計金額を払う必要がある。しかしながら、町のなかで無線LANを利用しようするユーザは、すでに家でADSL(Asymmetric Disital Subsucriber Line)等のインターネット接続サービスに加入している割合が多い。このため、従来の無線LANシステムには、ユーザの使用頻度が少ないにもかかわらず、無線LANの上記合計金額を払うため、すでに家で契約しているLANシステムの基本料金及び使用料金の合計金額との2重の料金を支払うことで、料金負担が大きくなり、利用者の増加を妨げるという問題がある。
【0007】本発明はこのような背景の下になされたもので、契約したキャリアに関係なく、いずれのアクセスポイントをも利用でき、かつ、使用した料金のみで容易に使用可能な無線アクセスシステムを提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の無線アクセスシステムは、電波を伝送媒体とし、異なるキャリア(例えば、キャリアA,B,C)が各々設置したアクセスポイント(例えば、アクセスポイント21,22,…,2n)を介して、携帯端末(例えば、携帯端末1)をインターネットに接続する無線アクセスシステムであり、前記アクセスポイントを介して入力される前記ユーザ端末の送信データから識別情報を抽出し、この識別情報に基づいて、対応するキャリアへの接続を確立する振り分けサーバ(例えば、振り分けサーバ5)と、各キャリアに設けられ、前記携帯端末から入力されるID番号及びパスワードにより、ユーザの認証を行い、このID番号に対応して記憶された利用可能度数とインターネットへの接続時間とに基づき、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御する認証サーバ(例えば、認証サーバ10A,10B,10C)とを具備することを特徴する。
【0009】本発明の無線アクセスシステムは、前記振り分けサーバが、利用可能なID番号を記憶し、対応するID番号が無い場合、キャリアへの回線の接続を行わないことを特徴とする。本発明の無線アクセスシステムは、前記振り分けサーバが、前記ID番号と前記キャリアとの対応表を有し、前記識別情報にこのID番号を用いることを特徴とする。本発明の無線アクセスシステムは、前記振り分けサーバが、設置場所またはキャリアの種別に対応した各アクセスポイントと、アクセスポイントから各キャリアへの度数あたりの度数計数時間と対応を示すテーブルを記憶していることを特徴とする。
【0010】本発明の無線アクセスシステムは、前記認証サーバが、このID番号に対応して記憶された利用可能度数から、前記度数計数時間経過毎に度数を減算し、この利用可能度数が「0」となるか否かの管理を行うことにより、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御することを特徴とする請求項4記載の無線アクセスシステム。本発明の無線アクセスシステムは、前記振り分けサーバが、前記使用度数に基づき、各キャリア間のアクセスポイントの相互利用における超過度数を求め、この超過度数に基づき算出される精算金額を、各キャリアへ通知することを特徴とする。
【0011】本発明の無線アクセス制御方法は、電波を伝送媒体とし、異なるキャリアが各々設置したアクセスポイントを介して、携帯端末をインターネットに接続する無線アクセスシステムに対する無線アクセス制御方法であり、前記アクセスポイントを介して入力される、前記ユーザ端末の送信データから識別情報を抽出し、この識別情報に基づいて、対応するキャリアへの接続を確立するキャリア接続過程と、各キャリアに設けられ、前記携帯端末から入力されるID番号及びパスワードにより、ユーザの認証を行い、このID番号に対応して記憶された利用可能度数とインターネットへの接続時間とに基づき、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御する接続制御過程とを具備することを特徴する。
【0012】本発明の無線アクセス制御方法は、前記キャリア接続過程において、前記ID番号と前記キャリアとの対応表を有し、前記識別情報にこのID番号を用いることを特徴とする。本発明の無線アクセス制御方法は、前記キャリア接続過程において、設置場所またはキャリアの種別に対応した各アクセスポイントと、アクセスポイントから各キャリアへの度数あたりの度数計数時間と対応を示すテーブルから、対応するアクセスポイントの度数計数時間を読み出し、前記接続制御過程において、ID番号に対応して記憶された利用可能度数から前記度数計数時間経過毎に度数を減算し、この利用可能度数が「0」となるか否かの管理を行うことにより、前記ユーザ端末のインターネットへの接続を制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の無線アクセスシステムは、各キャリアが設置したアクセスポイントにおいて、設置したキャリアに関係なく、各アクセスポイントを各キャリアが共同利用(異なるキャリアの設置したアクセスポイントにおけるローミング)し、プリペイド方式によりインターネットに接続するサービスを提供するものである。すなわち、ユーザは、あらかじめ所定の単位時間、例えば、1時間の回線の使用時間の使用料金を払い、ID番号及びパスワードを取得して、各キャリアの設置したアクセスポイントを利用して、料金を支払った先のキャリア(インターネット接続プロバイダでもある)のインターネットサービスを受ける。
【0014】以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態による、電波を伝送媒体として使用する無線通信方式の無線LANを用いた無線アクセスシステムの構成を示すブロック図である。この図において、ユーザ端末1は、ブラウザが搭載されたノートパソコンや携帯情報端末であり、無線LAN機能を有している。ユーザ端末1において、利用者がユーティリティを起動することにより、画面にアクセス可能なアクセスポイント(アクセスポイント21〜2nの中の1つまたは複数)が表示され、接続したいアクセスポイントを選択してクリックすることにより、この選択したアクセスポイント、例えばアクセスポイント22に接続される。
【0015】アクセスポイント21〜2nは、各々キャリアA,B,Cにより設置された、有線LANと無線LANとを中継する装置であり、無線によりユーザ端末1とのLANを構成しており、各々ルータ31,…,3nとルータ4とを介して、管理会社Zの振り分けサーバ5に接続されている。ルータ31,…,3n及びルータ4は、ユーザ端末1を振り分けサーバ5に接続する。すなわち、本発明においては、使用料金を先払いしたキャリアのプロバイダサービスを、いずれのキャリアが設置したアクセスポイントでも受けることができる。
【0016】このとき、ルータ31,…,3n及びルータ4は、一般公開の場合に、ユーザ認証の必要を無くし、アクセスするユーザアカウントをAnonymous(アノニマス;匿名)とし、パスワードによる認証を行なわないように設定されたアノニマス状態で、アクセスポイント(アクセスポイント21〜2nのいずれか)にアクセスした携帯端末1を、振り分けサーバ5に接続する。また、アクセスポイント21〜2nは、振り分けサーバ5と携帯端末1とを接続するとき、携帯端末1にローカルなアドレスを付与し、自身の識別番号を振り分けサーバ5に出力する。振り分けサーバ5は、インターネットIに接続するプロバイダサービスを行うキャリア(電気通信事業者)A,B,Cが、各々発行して、現在使用可能なID番号の集合であるID番号群と、このID番号に各々対応した接続先のキャリアのキャリアアドレスとが、ID番号とキャリアアドレス(または電話番号)との対応関係を示すテーブル形式で記憶されている。
【0017】また、振り分けサーバ5は、ログイン時に携帯端末1から送信される送信データからID番号を抽出し、この抽出したID番号が、内部に記憶された現在使用可能なID番号群に含まれているか否かの判定を行う。さらに、振り分けサーバ5は、入力されるID番号が現在使用可能なID番号群に含まれていることを検出した場合、このID番号に基づき接続先のキャリア、例えばキャリアAを、上記ID番号とキャリアアドレスとの対応関係を示すテーブルから抽出して、このキャリアAの認証サーバ10Aと携帯端末1との接続を、ルータ7,情報通信網(公衆通信線,専用通信線,VPN(仮想私設網))8,ルータ9Aを介して確立する。
【0018】すなわち、振り分けサーバ5は、携帯端末1に対して設定されたローカルなアドレスと、振り分けサーバ5の抽出したキャリアアドレスとの間で、アドレス変換を行うことにより、複数のキャリアからいずれかのキャリアを選択し、この選択した認証サーバと携帯端末1との間における接続の確立処理を行う。ここで、ルータ7は、振り分けサーバ5の抽出したキャリアアドレスにより、携帯端末1を、例えば、接続先であるキャリアの認証サーバ10Aにルーティングを行う。
【0019】すなわち、ルータ9A,9B,9Cから各携帯端末1までは、ローカルなアドレスによる接続構成(インターネットにおける唯一のIPアドレスを有しているのは、認証サーバ10A,10B,10Cのみである)を有している。さらに、認証サーバ10A,10B,10Cは、インターネット接続機能を有し、インターネットにおける終端アドレス(IPアドレス)を有し、上記キャリアアドレスにより接続された携帯端末1のインターネットIに対する接続を、各々ルータ11A,11B,11Cを介して確立する処理を行う。以下、認証サーバ10Aを用いて、キャリアにおける認証サーバを説明するが、他の認証サーバ10B,10Cも認証サーバ10Aと同様な処理を行う。
【0020】また、振り分けサーバ5は、入力されるID番号が現在使用可能なID番号群に含まれていないことを検出した場合、このID番号を出力した携帯端末1との接続を切断する。そして、振り分けサーバ5は、携帯端末1の送信する送信データに含まれるMACアドレスなどにより、アクセスしている携帯端末1を識別しており、アクセス回数を計数しており、複数回、例えば3回使用不可能なID番号を送信してきた場合、この携帯端末1からの以降のアクセスを拒否する。
【0021】認証サーバ10Aは、入力されるID番号とパスワードとが、使用可能として、内部に記憶されているか否かの検出処理を行う。すなわち、認証サーバ10Aは、ID番号群に入力されたID番号が含まれているか否かを判定し、検出されれば、このID番号に対応して記憶されているパスワードと、入力されたパスワードが一致しているか否かの判定を行う。また、認証サーバ10Aは、内部のID番号群に入力されたID番号が存在し、このID番号に対応して記憶されているパスワードが、入力されたパスワードと等しいことを検出した場合、このID番号とパスワードとを出力した携帯端末1をインターネットIに、ルータ11Aを介して接続する。
【0022】さらに、認証サーバ10Aは、利用可能なID番号に対応して、利用可能度数を記憶しており、この利用可能度数から使用度数を減算し、減算するごとに、利用可能度数が「0」となったか否かの判定を行い、利用可能度数が「0」となった時点で、対応する携帯端末1のインターネットIとの接続を切断する。このとき、認証サーバ10Aは、振り分けサーバ5から送信される、各アクセスポイントにおける度数レートに基づき、度数に対応して設定された接続時間をカウントして、度数計数時間として設定された接続時間(度数あたりの接続時間)に対応する時間が経過する毎に、利用可能度数から使用度数として1度数を減算する。
【0023】ここで、度数計数時間は、例えば、接続時間が10秒を経過すると、1度数と言うように、利用可能時間から減算する度数に対応する接続時間が図2に示すテーブル構成で設定されている。この図2においては、度数計数時間が分類として、自社レートと他社レートと複数のレートパターンに分けられ、それぞれのレートパターンに対応して、度数計数時間が各アクセスポイントの識別番号毎に示されている。自社レートはアクセスポイントを設置したキャリアと接続先が等しいときの度数レートであり、他社レートはアクセスポイントを設置したキャリアと接続先が異なるときの度数レートである。
【0024】振り分けサーバ5は、上記度数計数時間のテーブルを、アクセスポイント毎に、すなわち、図2に示すテーブル構成により、各アクセスポイントを示す識別番号毎に、各キャリアに対する度数計数時間を記憶している。例えば、アクセスポイント21をキャリアAが設置したとすると、アクセスポイント21における度数計数時間は、図3(a)に示すように、キャリアAの発行したIDが使用された場合、自社レート「a=60秒/1度数」となる。一方、アクセスポイント21における補正レートは、図3(b)に示すように、キャリアBの発行したID番号が使用された場合、他社レート「b=50秒/1度数」となる。
【0025】このように、度数計数時間は、キャリアの種別、すなわちアクセスポイントの接続先が設置したキャリアか、または他のキャリアかによって、各キャリアにより各々異なった値で設定されている。また、この補正レートは、同一のキャリアが設置したアクセスポイントの間においても、各アクセスポイントが設置された場所により、異なる値に設定(アクセスポイントが使用される頻度や設置の困難性に対応して値を設定)してもよい。
【0026】振り分けサーバ5は、各認証サーバ(10A,10B,10C)に対する携帯端末1の接続を確立するとき、ID番号及びパスワードとともに、上記自社レートまたは他社レートの対応するいずれかの度数計数時間を添付して出力する。例えば、認証サーバ10Aは、自社レート「a=60秒/1度数」が送信された場合、ID番号に対応した利用可能度数から、60秒経過するごとに1度数を減算する。一方、認証サーバ10Bは、他社レート「b=50秒/1度数」が送信された場合、ID番号に対応した利用可能度数から、50秒経過するごとに1度数を減算する。
【0027】そして、認証サーバ10Aは、内部に記憶した利用可能なID番号群から、この利用可能度数が「0」となったID番号を消去するとともに、振り分けサーバ5に対して、振り分けサーバ5内のID番号群からこのID番号の消去を要求する。振り分けサーバ5は、上述した認証サーバ10AからのID番号の消去の要求に基づき、内部に記憶したID番号群から、要求されたID番号を消去する。
【0028】管理会社Zにおいて、ID発行システム6は、所定の桁数の1次ID番号を乱数により発生し、この1次ID番号にランダムな数値(その時点のCPU使用率やディスク使用率など)に、一定の関数を乗じて2次ID番号を生成する。また、ID発行システム6は、発行済みID番号テーブルに、新たに生成した2次ID番号が存在するか否かの判定を行う。
【0029】そして、ID発行システム6は、発行済みID番号テーブルに2次ID番号と同一のID番号が存在しないことを検出した場合、この2次ID番号を正式なID番号として出力するとともに、このID番号を発行済みID番号テーブルに登録する。一方、ID番号発行システム6は、発行済みID番号テーブルに2次ID番号と同一のID番号が存在することを検出した場合、再度、乱数による1次ID番号の生成から、ID番号の生成を開始する。
【0030】次に、図1,図2,図3及び図4を参照し、一実施形態の動作例を説明する。図4は、図1に示す無線アクセスシステムの動作例のフローを示す概念図である。以下の説明は、コンビニエンスストアや駅の売店などでプリペイドカード(スクラッチを削ることで、ID番号及びパスワードを取得する)を購入する場合や、キャリアのホームページ及びキャリアに販売委託された販売会社のホームページからインターネットによりID番号及びパスワードを購入して取得する場合などを含むプリペイド方式として、無線LANの利用時間に対する料金の先払いを行うことを前提に行う。
【0031】ステップS1において、各キャリア(キャリアA,B,C)は、管理会社に対して、販売するプリペイドカードの数に対応して、所定の数のID番号の生成を依頼する。これにより、管理会社Zは、ID発行システム6により、各キャリアから依頼された数のID番号を生成し、このID番号を発行済みID番号テーブルに登録する。
【0032】次に、ステップS2において、ID発行システム6は、生成したID番号を振り分けサーバ5に送信する。そして、振り分けサーバ5は、ID番号が納品されるキャリアのアドレスに各々対応させてID番号群に登録、すなわち、ID番号と各接続先のキャリアのアドレスとの関係を示すテーブルに、新しく生成されたID番号の登録を行う。すなわち、振り分けサーバ5は、ID番号が使用されるキャリアに応じてあらかじめ振り分けられているため、ID番号と各接続先キャリアのキャリアアドレス(または電話番号)との関係を示す上記テーブルにより、接続先のキャリアを特定することとなる。
【0033】次に、ステップS3において、認証サーバ10A,B,Cは、各々の記憶している利用可能なID番号のID番号群の記憶領域に、新たに管理会社ZのID発行システム6により生成され、供給されたID番号を登録する。このとき、ステップS4において、認証サーバ10A,10B,10Cは、上記登録するID番号に対応させて、パスワードを乱数などにより生成し、このID番号に対応させて、ID番号群に登録する。
【0034】次に、ステップS5において、各キャリアA,B,Cは、印刷会社に依頼して、スクラッチ形式のプリペイドカードを作成させる。そして、各キャリアA,B,Cは、このプリペイドカードを委託した販売会社を介して、コンビニエンスストアや駅の売店で販売する。また、各キャリアA,B,Cは、自身のホームページ、または委託した販売会社のホームページにおいて、ID番号の販売を行う。認証サーバ10A,10B,10Cには、各ID番号に対応し、各々販売金額に応じて、接続できる利用可能度数が記憶されている。
【0035】次に、ステップS6において、利用者が各々のキャリアA,B,Cのいずれかの発行したID番号を、プリペイドカードにより取得する。例えば、利用者がキャリアAの発行したプリペイドカードを購入したとして、以下の説明を行う。このとき、この利用者の所持する携帯端末1は、無線LANを介して、キャリアAによりインターネットIに接続処理されることになる。
【0036】次に、ステップS7において、利用者は、キャリアAの設置したアクセスポイント22の近傍において、携帯端末1をインターネットIに接続しようとする。そして、例えば、利用者が携帯端末1において、無線LANにより、携帯端末1とアクセスポイントとを接続するユーティリティのソフトウェアを実行させることにより、携帯端末1がアクセスポイント22を、アクセスポイント22が電波により送信する識別信号により認識し、表示画面にアクセスポイント22を示すアイコンが表示される。そして、利用者がアクセスポイント22のアイコンをクリックすることにより、携帯端末1は、ローカルなアドレスに基づき、アクセスポイント22,ルータ32,ルータ4を介して、振り分けサーバ5に接続される。このとき、アクセスポイント22は、自身を識別する識別番号を振り分けサーバ5に送信する。
【0037】これにより、振り分けサーバ5は、携帯端末1に対して、ログイン画面を送信する。そして、利用者は、このログイン画面のID番号,パスワードを入力する欄に、各々、プリペイドカードに記載されているID番号及びパスワードを記入し、入力を確定する。これにより、振り分けサーバ5は、入力されたID番号が内部に記憶した、ID番号の示されたテーブルに存在するか否かの検出を行う。そして、振り分けサーバ5は、入力されたID番号が上記テーブルに存在することを検出すると、このID番号に対応したキャリアAのキャリアアドレス(または電話番号)を抽出し、このキャリアアドレス(または電話番号)に基づき、キャリアAに対する接続処理を行う。
【0038】次に、ステップS8において、振り分けサーバ5は、認証サーバに対する携帯端末1の接続を確立するとき、ID番号及びパスワードとともに、アクセスポイントの識別番号及びID番号に基づき、上記自社レートまたは他社レートの対応するいずれかを添付して、認証サーバ10Aへ出力する。ここで、振り分けサーバ5は、アクセスポイント22がキャリアAにより設置され、利用者の取得したID番号がキャリアAにより販売されたため、自社レートを認証サーバ10Aに出力する。これにより、振り分けサーバ5は、キャリアAの認証サーバ10Aに対して、携帯端末1との接続を確立する。
【0039】次に、ステップS9において、認証サーバ10Aは、入力されるID番号とパスワードとに基づき、インターネットへの接続が可能か否かの認証処理を行う。すなわち、認証サーバ10Aは、内部のID番号群において、入力されたID番号が検出され、このID番号に対応して記憶されているパスワードが、入力されたパスワードと等しいことを検出する。
【0040】次に、ステップS10において、認証サーバ10Aは、入力されるID番号が現在使用可能であることを検出した場合、このID番号とパスワードとを出力した携帯端末1とインターネットIとの接続を、ルータ11Aを介して確立する。そして、認証サーバ10Aは、携帯端末1のインターネットIに対する通信の監視を行う。すなわち、認証サーバ10Aは、利用可能なID番号に対応した利用可能度数から、度数計数時間に対応した接続時間の時間経過毎に、使用度数(1度数)を減算する。
【0041】そして、認証サーバ10Aは、利用可能度数から使用度数を減算するごとに、利用可能度数が「0」となったか否かの判定を行い、利用可能度数が「0」となった時点で、対応する携帯端末1のインターネットIとの接続を切断する。そして、認証サーバ10Aは、内部に記憶した利用可能なID番号群から、この利用可能度数が「0」となったID番号を消去するとともに、振り分けサーバ5に対して、振り分けサーバ5内のID番号群からこのID番号の消去を要求する。これにより、振り分けサーバ5は、上述した認証サーバ10AからのID番号の消去の要求に基づき、内部に記憶したID番号群から、要求されたID番号を消去するとともに、携帯端末1との接続を切断する。
【0042】次に、利用者に対するインターネット接続サービスの利用料金と、各キャリア間のアクセスポイントの共同利用に対するキャリア間の精算との計算に関する各サーバで行われる処理の説明を行う。振り分けサーバ5は、各キャリア毎に、所有するアクセスポイントのからの接続先のキャリアと接続時間(インターネットIへの接続時間と同等とする)とを示すログデータを収集し、各キャリア間におけるローミング接続費用の精算処理、すなわち上記差額の精算を行う。
【0043】すなわち、振り分けサーバ5は、各アクセスポイント毎に、各キャリアへの接続時間を記憶している。例えば、振り分けサーバ5には、図5(a)に示すテーブルの構成で、各アクセスポイント単位において、キャリアAの設置したアクセスポイント22を使用したキャリア毎に、各キャリアへの接続に対して使用された度数が積算され、累積度数として記憶されている。上述したように、振り分けサーバ5には、他のアクセスポイントに対しても、各キャリアへの接続に対して使用された度数を積算して累積度数を求め、図5(a)と同様な構成のテーブルとして記憶している。
【0044】また、振り分けサーバ5は、各キャリア間のアクセスポイントにおける精算を行うため、各キャリア毎に設置したアクセスポイントの累積度数の積算を行う。このとき、振り分けサーバ5は、図5(a)のテーブルに基づいて、キャリア毎に、各キャリア(例えば、キャリアA)の設置した全アクセスポイントにおける累積度数の積算を、利用したキャリア単位に行う。そして、振り分けサーバ5は、各キャリアの所有している全アクセスポイントにおける、各キャリアがアクセスポイントを相互使用した度数の総積算度数を求める。すなわち、振り分けサーバ5は、アクセスポイントを設置したキャリア以外の他のキャリアが、設置した全アクセスポイントに対してこの他のキャリアの利用した累積度数の積算を行い、他のキャリア毎の総積算度数を求める。
【0045】次に、振り分けサーバ5は、各キャリア間の相互利用において、いずれのキャリアの総積算度数が大きいかの検出を行い、総積算度数が大きい方から小さい方を減算して総積算度数の差、すなわち超過度数を求める。例えば、振り分けサーバ5は、キャリアAがキャリアBの設置したアクセスポイントを利用した総積算度数ABが「81700度数」であり、キャリアBがキャリアAの設置したアクセスポイントを利用した総積算度数BAが「20850度数」であるとすると、「AB>BA」であることを判定して、総積算度数ABから総積算度数BAを減算し、アクセスポイントの共同利用において、キャリアAがキャリアBの設置したアクセスポイントを超過して利用した超過度数を、「60850度数」として算出する。
【0046】上述したように、振り分けサーバ5は、各キャリア間の上記超過度数を求めて、各キャリア毎の精算金額を演算するときに用いる図5(b)に示す精算テーブルを生成する。図5(b)のテーブルは、アクセスポイントを設置したキャリア(欄20)と、このアクセスポイントを利用したキャリア(欄30)との利用時間差の関係が示されている。例えば、欄100の正の値である「60850度数」は、キャリアAがキャリアBの設置したアクセスポイントを超過利用した超過度数を示し、欄200の負の「−60850度数」はキャリアBがキャリアAに対して共同利用において余分に使用された度数を示している。
【0047】そして、振り分けサーバ5は、定期的(例えば、1ヶ月毎)に、超過度数に度数あたりの金額(例えば、100円/度数)を乗じて、精算金額を求め、余分に使用されたキャリアにこの精算金額(相互利用における超過度数に対応した金額)を支払うように、アクセスポイントの共同利用で相互利用の使用度数が超過したキャリアに対して通知する。このとき、振り分けサーバ5は、キャリアAがキャリアBに対して支払う清算金額を、「60850×100=6085000(円)」として求める。そして、振り分けサーバ5は、この精算金額「6085000(円)」をキャリアBに対して支払う内容の通知を、電子メールなどでキャリアAに対して送信する。
【0048】上述してきたように、本発明の無線アクセスシステムは、従来のように基本料金を支払いアカウントを取得すること無く、プリペイド方式によりID番号を販売した各キャリアA、B,Cの各々の認証サーバ10A,10B,10Cが、各ID番号に対応した使用可能度数から、使用した度数を減算するのみであり、利用者にとっては使用した度数に対する料金を支払うこととなり、無線LANの使用形態の1つの選択肢として、一定期間または短時間しか使用しない利用者に対する利用効率が大幅に向上させることができる。
【0049】また、本発明の無線アクセスシステムは、振り分けサーバ5が利用者の入力するID番号に対応して、ID番号を購入したキャリアA,B,Cのそれぞれの認証サーバ10A,10B,10Cへの接続を各々制御するため、異なるキャリアA,B,Cの設置した各々のアクセスポイント21,22,…,2n間のローミングが可能であり、携帯端末1からのインターネットIへの接続可能な場所が大幅に増加し、無線アクセスシステムの利便性が大幅に向上する。
【0050】さらに、本発明の無線アクセスシステムは、アクセスポイントを多く設置したキャリアが、アクセスポイントの所有が少ないキャリアに対して、共同利用上において設備投資に対する料金の回収が不公平とならないように、振り分けサーバ5に記憶された補正レートにより、すなわち、自社レートと他社レートとにより、他のキャリアに相互利用において超過してアクセスポイントが使用された時間に対して差額が支払われるため、この補正レートを適正化させることにより、設備投資の大小における不公平をなくすことが可能である。
【0051】以上、本発明の一実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上述した一実施形態の無線アクセスシステムは、電波を伝送媒体として使用する無線通信方式として無線LANを用いて説明したが、Bluetooth(ブルートゥース:登録商標)等の他の電波を伝送媒体とする無線通信方式を利用しても良い。
【0052】
【発明の効果】本発明の無線アクセスシステムによれば、従来のように基本料金を支払いアカウントを取得すること無く、プリペイド方式によりID番号を販売した各キャリアの各々の認証サーバが、各ID番号に対応した使用可能度数から、使用した時間に対する度数(料金)を減算するのみであり、利用者にとっては使用した度数のみ料金を支払うこととなり、無線LANの使用形態の1つの選択肢として、一定期間または短時間しか使用しない利用者に対する利用効率が大幅に向上させることができる。
【0053】また、本発明の無線アクセスシステムによれば、振り分けサーバが利用者の入力するID番号に対応して、ID番号を購入したキャリアのそれぞれの認証サーバへの接続を各々制御するため、異なるキャリアの設置した各々のアクセスポイント間のローミングが可能であり、携帯端末からのインターネットIへの接続可能な場所が大幅に増加し、無線アクセスシステムの利便性が大幅に向上する。
【出願人】 【識別番号】397065480
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南一丁目9番1号
【出願日】 平成14年3月28日(2002.3.28)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
【公開番号】 特開2003−289331(P2003−289331A)
【公開日】 平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願番号】 特願2002−92722(P2002−92722)