| 【発明の名称】 |
受信システム |
| 【発明者】 |
【氏名】島田 義一 【住所又は居所】京都市右京区西院溝崎町21番地 ローム株式会社内
【氏名】蘆田 浩行 【住所又は居所】京都市右京区西院溝崎町21番地 ローム株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】3次入力インターセプトポイントを大きくすることができるバンドパスフィルタ回路を用いた受信システムを提供する。
【解決手段】ローパスフィルタ4と、ローパスフィルタ4の出力信号を入力するバンドパスフィルタ1’と、から成り、バンドパスフィルタ1’の高域遮断周波数を低域遮断周波数で除した値が2未満であり、バンドパスフィルタ1’の中心周波数が略1〜3MHzの範囲内であり、ローパスフィルタ4の遮断周波数がバンドパスフィルタ1’の中心周波数より大きくなるように構成したバンドパスフィルタ回路10をミキサ(図示せず)の次段に設けた受信システム(図示せず)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】高周波信号を受信するアンテナと、該アンテナから送出される高周波信号を増幅する増幅器と、局部発振信号を送出する局部発振器と、前記増幅器の出力信号と前記局部発振信号を混合して中間周波信号を生成するミキサと、前記ミキサの出力信号から不要な周波数成分を除去するバンドパスフィルタ回路と、を備えた受信システムであって、前記バンドパスフィルタ回路が、前記ミキサの出力信号を入力するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力信号を入力するバンドパスフィルタと、から成り、前記バンドパスフィルタの高域遮断周波数を低域遮断周波数で除した値が2未満であり、前記バンドパスフィルタの中心周波数が略1〜3MHzの範囲内であり、前記ローパスフィルタの遮断周波数が前記バンドパスフィルタの中心周波数より大きいことを特徴とする受信システム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、受信システムに関するものである。特に、IF信号が略1〜3MHzの範囲内であってミキサの次段にバンドパスフィルタ回路が設けられるスーパーへテロダイン型の受信システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】スーパーヘテロダイン型受信装置では、受信RF信号をダウンコンバートしてIF信号を出力するミキサの次段にバンドパスフィルタが設けられる。このバンドパスフィルタによって、IF信号から不要な周波数成分を除去することができる。 【0003】IF信号が略1〜3MHzの範囲内であるスーパーヘテロダイン型受信装置では、IF信号から不要な周波数成分を除去するバンドパスフィルタの集積化を図るため、一般的に図4に示すような演算トランスコンダクタンス増幅器を用いたバンドパスフィルタ(以下、gmバンドパスフィルタという)をIF信号から不要な周波数成分を除去するバンドパスフィルタに用いている。 【0004】図4に示すgmバンドパスフィルタ回路の構成について説明する。gmバンドパスフィルタ1は、入力端子2と、出力端子3と、コンデンサC2〜C5と、インダクタL1〜L4と、抵抗R2とから成る。入力端子2はフローティングインダクタL1の一端に接続される。フローティングインダクタL1の他端はコンデンサC2の一端に接続される。コンデンサC2の他端は、コンデンサC3の一端、片側接地インダクタL2、及びフローティングインダクタL3の一端に接続される。そして、コンデンサC3の他端は接地され、フローティングインダクタL3の他端はコンデンサC4の一端に接続される。コンデンサC4の他端は、コンデンサC5の一端、片側接地インダクタL4、片側接地抵抗R2、及び出力端子3に接続される。コンデンサC5の他端は接地される。 【0005】そして、フローティングインダクタL1、L3は図6(a)に示すコンデンサ及び演算トランスコンダクタンス増幅器から成る等価インダクタ回路で構成される。また、片側接地インダクタL2、L4は図6(b)に示すコンデンサ及び演算トランスコンダクタンス増幅器から成る等価インダクタ回路で構成される。また、片側接地抵抗R2は図6(c)に示す演算トランスコンダクタンス増幅器から成る等価抵抗回路で構成される。 【0006】これに対して、IF信号が略100〜200MHzの範囲内であるスーパーヘテロダイン型受信装置では、IF信号から不要な周波数成分を除去するバンドパスフィルタの次数を高くしなければならないので、一般的にgmバンドパスフィルタではなくSAWフィルタなどをIF信号から不要な周波数成分を除去するバンドパスフィルタに用いている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】図4に示すgmバンドパスフィルタ1は、インダクタL1〜L4を演算トランスコンダクタンス増幅器を用いた等価インダクタ回路で構成するので、集積化を図ることができる。しかしながら、gmバンドパスフィルタ1は演算トランスコンダクタンス増幅器内に能動素子(トランジスタ)を備えているので、gmバンドパスフィルタ1の入出力特性にひずみが生じる。このひずみによって、相互変調が発生してしまうという問題があった。 【0008】一般に、ひずみの程度を示す指標として3次入力インターセプトポイントがよく用いられる。そこで、gmバンドパスフィルタ1のひずみ特性を示す図5を参照して、3次入力インターセプトポイントについて説明する。3次インターセプトポイントIP3’は、入力信号に対する目的信号(gmバンドパスフィルタ1の中心周波数の信号)出力7の直線分を延長した線と入力信号に対する3次相互変調ひずみ出力8の直線部分を延長した線との交点である。そして、3次入力インターセプトポイントIIP3’は、3次インターセプトポイントIP3’における入力信号レベルである。 【0009】なお、3次相互変調ひずみ出力8は、5MHzと8MHzとの2つの信号を同一レベルでgmバンドパスフィルタ1に入力し、出力信号に生じる3次相互変調ひずみのレベル、すなわち2(=2×5−8)MHzの信号レベル及び11(=2×8−5)MHzの信号レベルを測定する方法(ツートーン測定)によって求められている。 【0010】3次入力インターセプトポイントIIP3’が大きいほど、gmバンドパスフィルタ1は妨害波の影響をうけにくい。しかし、gmバンドパスフィルタ1では3次入力インターセプトポイントIIP3’が−2dBmであり、3次入力インターセプトポイントIIP3’の値が小さすぎるという問題があった。そして、回路定数を調整しても3次入力インターセプトポイントIIP3’の値の改善は見込めなかった。 【0011】本発明は、上記の問題点に鑑み、3次入力インターセプトポイントを大きくすることができるバンドパスフィルタ回路及びこれを用いた受信システムを提供することを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明に係る受信システムにおいては、高周波信号を受信するアンテナと、該アンテナから送出される高周波信号を増幅する増幅器と、局部発振信号を送出する局部発振器と、前記増幅器の出力信号と前記局部発振信号を混合して中間周波信号を生成するミキサと、前記ミキサの出力信号から不要な周波数成分を除去するバンドパスフィルタ回路と、を備え、前記バンドパスフィルタ回路が、前記ミキサの出力信号を入力するローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力信号を入力するバンドパスフィルタと、から成り、前記バンドパスフィルタの高域遮断周波数を低域遮断周波数で除した値が2未満であり、前記バンドパスフィルタの中心周波数が略1〜3MHzの範囲内であり、前記ローパスフィルタの遮断周波数が前記バンドパスフィルタの中心周波数より大きい構成とする。また、上記目的を達成するために、本発明に係るバンドパスフィルタ回路においては、ローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力信号を入力するバンドパスフィルタと、から成り、前記バンドパスフィルタの高域遮断周波数を低域遮断周波数で除した値が2未満であり、前記バンドパスフィルタの中心周波数が略1〜3MHzの範囲内であり、前記ローパスフィルタの遮断周波数が前記バンドパスフィルタの中心周波数より大きい構成とする。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。以下、本発明に係るバンドパスフィルタ回路を用いた受信装置(例えば、携帯電話機やパソコン、AV機器等のBluetooth応用装置)について説明する。 【0014】まず、本発明に係るバンドパスフィルタ回路を備える受信装置の構成について図3を参照して説明する。アンテナ11によって受信された高周波信号がバンドパスフィルタ回路12に入力され、バンドパスフィルタ回路12によって不要な周波数成分が除去される。そして、不要な周波数成分が除去された高周波信号がローノイズアンプ13に入力され、ローノイズアンプ13で増幅されたのち、ミキサ14で発振器15から送出される局部発振信号とミキシングされ、2MHzのIF信号にダウンコンバートされる。このIF信号は、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10によって不要な周波数成分が除去され、増幅器16で増幅されたのち復調回路17に送られ、復調回路17で受信信号に復調される。A/D変換回路18はアナログ信号である受信信号をディジタル信号に変換して出力端子19に送出する。 【0015】IF信号の周波数が2MHzであるので、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10の中心周波数を2MHzに設定する。このように中心周波数の設定を1〜3MHzの範囲内にすることによって、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10の次数を小さくすることができ、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10の低コスト化を図ることができる。 【0016】次に、図1に示す本発明に係るバンドパスフィルタ回路の構成について説明する。なお、図3及び図4と同一の部分には同一の符号を付し説明を省略する。本発明に係るバンドパスフィルタ回路10は、図4に示す従来のgmバンドパスフィルタ1にローパスフィルタ4を設けた構成である。 【0017】ローパスフィルタ4は、抵抗R1及びコンデンサC1から成る。抵抗R1の一端が入力端子2に接続され、抵抗R1の他端がコンデンサC1の一端及びインダクタL1の一端に接続される。コンデンサC1の他端は接地される。 【0018】なお、本実施形態では、ローパスフィルタ4の遮断周波数が3.18MHzになるように、ローパスフィルタ4の回路定数を設定している。また、本実施形態では、バンドパスフィルタ部1’の低域遮断周波数が1.6MHz、高域遮断周波数が2.4MHz、中心周波数が2MHzになるように、バンドパスフィルタ部1’の回路定数、すなわち演算トランスコンダクタンス増幅器のコンダクタンス値及びコンデンサの静電容量値を設定している。このように、ローパスフィルタ4の遮断周波数をバンドパスフィルタ部1’の中心周波数より大きくすることにより、ローパスフィルタ4が目的信号(本発明に係るバンドパスフィルタ回路10の中心周波数の信号)である2MHzの信号を減衰することがないようにしている。 【0019】次に、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10のひずみ特性を示す図2を参照して、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10の3次入力インターセプトポイントについて説明する。 【0020】3次相互変調ひずみ出力6は、5MHzと8MHzとの2つの信号を同一レベルで入力端子2に入力し、出力端子3から出力される出力信号に生じる3次相互変調ひずみのレベル、すなわち2(=2×5−8)MHzの信号レベル及び11(=2×8−5)MHzの信号レベルを測定する方法(ツートーン測定)によって求められている。本発明に係るバンドパスフィルタ回路10では、ローパスフィルタ4によって5MHzと8MHzとの2つの信号が減衰するので、この2つの信号の相互変調によって発生する3次相互変調ひずみのレベルが小さくなる。したがって、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10における3次相互変調ひずみ出力6は、従来のgmバンドパスフィルタ1における3次相互変調ひずみ出力8(図5参照)に比べて小さくなる。 【0021】また、上述したようにローパスフィルタ4が目的信号である2MHzの信号を減衰することがないように、ローパスフィルタ4の遮断周波数をバンドパスフィルタ部1’の中心周波数より大きくしているので、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10における目的信号出力5の直線部分は従来のgmバンドパスフィルタ1における目的信号出力7(図5参照)の直線部分と同一になる。 【0022】したがって、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10の3次入力インターセプトポイントIIP3は、従来のgmバンドパスフィルタ1の3次入力インターセプトポイントIIP3’よりも大きくなる。ちなみに、本発明に係るバンドパスフィルタ回路10の3次入力インターセプトポイントIIP3の値は13dBmであり、従来のgmバンドパスフィルタ1の3次入力インターセプトポイントIIP3’の値は−2dBmである。 【0023】 【発明の効果】本発明によると、受信システムのバンドパスフィルタ回路が、ローパスフィルタと、該ローパスフィルタの出力信号を入力するバンドパスフィルタと、から成るので、ツートーン測定において前記ローパスフィルタの遮断周波数より周波数の大きい信号を入力する場合、3次インターセプトポイントを大きくすることができる。また、前記ローパスフィルタの遮断周波数より周波数の大きい不要波は前記ローパスフィルタによって除去できるので、前記ローパスフィルタの遮断周波数より周波数の大きい不要波による3次相互変調ひずみは低減することができる。 【0024】また、本発明によると、前記バンドパスフィルタの高域遮断周波数を低域遮断周波数で除した値が2未満であるので、前記バンドパスフィルタによって除去可能な不要波の周波数範囲を大きくすることができる。 【0025】また、本発明によると、前記バンドパスフィルタの中心周波数が略1〜3MHzの範囲内であるので、前記バンドパスフィルタの次数を小さくすることができる。これにより、バンドパスフィルタ回路の低コスト化を図ることができる。 【0026】また、本発明によると、前記ローパスフィルタの遮断周波数を前記バンドパスフィルタの中心周波数より大きくするので、目的信号(前記バンドパスフィルタの中心周波数の信号)が前記ローパスフィルタで減衰することがない。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000116024 【氏名又は名称】ローム株式会社 【住所又は居所】京都府京都市右京区西院溝崎町21番地
|
| 【出願日】 |
平成13年12月6日(2001.12.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085501 【弁理士】 【氏名又は名称】佐野 静夫
|
| 【公開番号】 |
特開2003−174378(P2003−174378A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月20日(2003.6.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−372110(P2001−372110) |
|