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【発明の名称】 差動増幅回路
【発明者】 【氏名】中村 政則
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【氏名】伊藤 順治
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内
【課題】高周波ミキサ回路のローカル信号増幅器等に用いる差動増幅回路に関するものであり、アンプの出力ノイズ成分を低減し、消費電流を抑え、アンプ出力波形の切り換え時間を早くすることを目的とする。

【解決手段】差動対を有するトランジスタ1,2のトランジスタ1のコレクタにトランジスタ3のエミッタが接続され、トランジスタ2のコレクタにトランジスタ4のエミッタが接続される。トランジスタ1のベースがコンデンサ61を介してトランジスタ4のベースに、トランジスタ2のベースがコンデンサ62を介してトランジスタ3のベースにそれぞれ接続される。トランジスタ3,4のベースはインピーダンス51,52を介して電源100に接続され、トランジスタ3,4のコレクタが電源100に接続される。ここで、トランジスタ1,2のベースを差動入力端子とし、トランジスタ3,4のエミッタを出力端子とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 差動対を有する第1、第2のトランジスタのエミッタが短絡し電流源または抵抗を介して接地され、前記第1のトランジスタのコレクタに第3のトランジスタのエミッタが、前記第2のトランジスタのコレクタに第4のトランジスタのエミッタがそれぞれ接続され、前記第1のトランジスタのベースが第1のコンデンサを介して前記第4のトランジスタのベースに、前記第2のトランジスタのベースが第2のコンデンサを介して前記第3のトランジスタのベースにそれぞれ接続され、前記第3、第4のトランジスタのベースは第1、第2のインピーダンス素子を介して電源に接続され、前記第3、第4のトランジスタのコレクタが電源に接続され、前記第1、第2のトランジスタのベースを差動入力端子とし、前記第3、第4のトランジスタのエミッタを出力端子とした差動増幅回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波ミキサ回路のローカル信号増幅器等に用いる差動増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の差動増幅回路を示した図である。
【0003】図3において、トランジスタ1、トランジスタ2は差動型のローカル信号増幅器を構成するNPN型バイポーラトランジスタである。トランジスタ1とトランジスタ2は同一特性のトランジスタである。
【0004】トランジスタ1のベースおよびトランジスタ2のベースを入力とし、トランジスタ1のエミッタとトランジスタ2のエミッタは短絡され、定電流源21に接続される。更にトランジスタ1のコレクタは負荷インピーダンス51を介して電源100に接続される。同様にして、トランジスタ2のコレクタはインピーダンス52を介して電源100に接続される。トランジスタ1、トランジスタ2のコレクタはアンプ出力としてそれぞれバッファ入力トランジスタ8,9のベースに接続される。トランジスタ8、トランジスタ9のエミッタはバッファ出力としてそれぞれ、ミキサ入力トランジスタ6,7のベースに接続される。図3のミキサ部におけるトランジスタ5,6及びトランジスタ7はシングルバランス型ミキサを構成するNPN型バイポーラトランジスタである。トランジスタ6,7は同一特性のトランジスタである。トランジスタ5のエミッタはGNDに接続され、トランジスタ5のベースは入力端子33に接続される。トランジスタ5のコレクタはトランジスタ6,7のエミッタと短絡される。トランジスタ6とトランジスタ7のべースはバッファ出力トランジスタ8、トランジスタ9のエミッタにそれぞれ接続される。トランジスタ6,7のコレクタは差動出力としてそれぞれ、出力端子43,44に接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような差動増幅回路では、通常負荷として抵抗を用いるため、出力に現れるノイズ成分が大きくなる。また差動増幅回路の出力インピーダンスが大きい為、次段にエミッタフォロワなどのバッファを接続しなければならず、その結果消費電流が大きくなってしまう。さらに、ローカル信号増幅器として使用する場合、ミキサの雑音指数を良くする為には、差動アンプ出力波形の切り換え時間を早くする必要があるが、そのためには負荷抵抗の値を大きくする、またはアンプの電流を大きくするといった方法が考えられる。しかし、抵抗を大きくするとノイズ成分が大きくなるといった問題が生じ、電流増加は消費電力の増加につながる。
【0006】本発明は、上記問題を解決するもので、アンプの出力ノイズ成分を低減し、消費電流を抑え、アンプ出力波形の切り換え時間を早くすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決する為に本発明は、差動対を有する第1、第2のトランジスタのエミッタが短絡し電流源または抵抗を介して接地され、前記第1のトランジスタのコレクタに第3のトランジスタのエミッタが、前記第2のトランジスタのコレクタに第4のトランジスタのエミッタがそれぞれ接続され、前記第1のトランジスタのベースが第1のコンデンサを介して前記第4のトランジスタのベースに、前記第2のトランジスタのベースが第2のコンデンサを介して前記第3のトランジスタのベースにそれぞれ接続され、前記第3、第4のトランジスタのベースは第1、第2のインピーダンス素子を介して電源100に接続され、前記第3、第4のトランジスタのコレクタが電源100に接続され、前記第1、第2のトランジスタのベースを差動入力端子とし、前記第3、第4のトランジスタのエミッタを出力端子としたものである。この構成により、ノイズ成分が小さく、後段にバッファ回路を必要とせず、差動出力の切り換え時間が早い差動増幅回路が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、差動対を有する第1、第2のトランジスタのエミッタが短絡し電流源または抵抗を介して接地され、前記第1のトランジスタのコレクタに第3のトランジスタのエミッタが、前記第2のトランジスタのコレクタに第4のトランジスタのエミッタがそれぞれ接続され、前記第1のトランジスタのベースが第1のコンデンサを介して前記第4のトランジスタのベースに、前記第2のトランジスタのベースが第2のコンデンサを介して前記第3のトランジスタのベースにそれぞれ接続され、前記第3、第4のトランジスタのベースは第1、第2のインピーダンス素子を介して電源100に接続され、前記第3、第4のトランジスタのコレクタが電源100に接続され、前記第1、第2のトランジスタのベースを差動入力端子とし、前記第3、第4のトランジスタのエミッタを出力端子としている。
【0009】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】図2は第1の実施の形態における本発明の使用例を示すものである。アンプ部がトランジスタ1、トランジスタ2で構成される差動型アンプで、トランジスタ1、トランジスタ2のエミッタが短絡し電流源または抵抗を介して接地され、トランジスタ1のコレクタにトランジスタ3のエミッタが、トランジスタ2のコレクタにトランジスタ4のエミッタがそれぞれ接続され、トランジスタ1のベースがコンデンサ61を介してトランジスタ4のベースに、トランジスタ2のベースがコンデンサ62を介してトランジスタ3のベースにそれぞれ接続される。トランジスタ3、トランジスタ4のベースがインピーダンス51,52を介して電源100に接続され、トランジスタ3、トランジスタ4のコレクタが電源100に接続される。トランジスタ1、トランジスタ2のトランジスタの両ベースを差動入力端子とし、トランジスタ3、トランジスタ4の両エミッタを出力端子としている。アンプ出力トランジスタ3,4のエミッタはそれぞれ、ミキサ入力トランジスタ6,7のベースに接続される。ミキサ部におけるトランジスタ5,6及びトランジスタ7はシングルバランス型ミキサを構成するNPN型バイポーラトランジスタである。トランジスタ6,7は同一特性のトランジスタである。トランジスタ5のエミッタはGNDに接続され、トランジスタ5のベースは入力端子33に接続される。トランジスタ5のコレクタはトランジスタ6,7のエミッタと短絡される。トランジスタ6とトランジスタ7のべースはアンプ出力トランジスタ1、トランジスタ2のベースにそれぞれ接続される。トランジスタ6,7のコレクタは差動出力としてそれぞれ、出力端子43,44に接続される。
【0011】以上のように構成された実施の形態の差動増幅回路について以下、図2を用いてその動作を説明する。
【0012】図2の差動型アンプは入力端子31,32より以下、振幅、周波数が全く同じで、位相が180°違うAC信号が入ったとする。このとき、トランジスタ1とトランジスタ2が交互にON/OFFすることになり、トランジスタ1、トランジスタ2のコレクタ電流I1、I2が交互に流れる。トランジスタ1、トランジスタ2のコレクタはトランジスタ3、トランジスタ4のエミッタに接続されているため、各トランジスタを流れる電流IC1、IC2の変化とともにトランジスタ3、トランジスタ4はON/OFFすることになる。
【0013】一方、トランジスタ1のベースはキャパシタンス61を介しトランジスタ4のベースに接続されているため、トランジスタ4のベース電圧はトランジスタ1とほぼ同じ位相、振幅で振れる、すなわちエミッタもほぼ同位相、振幅で振れることになる。トランジスタ1のベース電位が下がるときトランジスタ4のベース電位も下がり、エミッタ電位も下がる、そのタイミングで、トランジスタ2がONし、IC2が大きくなる為、トランジスタ4のVbeが大きくなり、トランジスタ4のエミッタ電位すなわちアンプ出力波形が下がる動作が加速される。逆にトランジスタ1のベース電位が上がるときはトランジスタ4のベース、エミッタ電位も上がるが、IC2は小さくなるためトランジスタ4のVbeが小さくなり、その結果トランジスタ4のエミッタ電位が上がる動作が加速される。逆相であるトランジスタ3の出力の場合も同様の動作である。
【0014】以上のような動作により、この作動増幅回路の出力波形の切り換え時間が早くなる。その結果、ミキサのローカルレベルの切り換え時間が早くなり、ミキサ出力のNFが改善される。また出力の負荷としてトランジスタ3、トランジスタ4を用いているため、出力インピーダンスがトランジスタ3,4のreの値となり、非常に小さい出力インピーダンスを実現できる。その結果、出力ノイズを低減でき、さらにエミッタフォロワなどのバッファを必要としないため電流消費も抑えることができる。
【0015】なお、本実施の形態では後段回路をシングルバランスミキサとしたが、後段回路はダブルバランスミキサ等でもよい。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、出力のノイズ成分を抑えながら、出力の切り換え時間を早くでき、さらに出力インピーダンスが小さくバッファ回路なしで出力できるため消費電流削減が可能となる差動増幅回路を実現できる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成14年3月27日(2002.3.27)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−283269(P2003−283269A)
【公開日】 平成15年10月3日(2003.10.3)
【出願番号】 特願2002−87879(P2002−87879)