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【発明の名称】 同調型アンテナ
【発明者】 【氏名】津田 直明
【住所又は居所】埼玉県比企郡玉川村大字玉川字日野原828番地 東光株式会社玉川工場内
【氏名】中村 克朗
【住所又は居所】埼玉県比企郡玉川村大字玉川字日野原828番地 東光株式会社玉川工場内
【氏名】後町 幸里
【住所又は居所】埼玉県比企郡玉川村大字玉川字日野原828番地 東光株式会社玉川工場内
【課題】超小型で高利得の同調型アンテナを得る。

【解決手段】透磁率が8程度の磁性体15に導体膜14を形成し、その開放端をバイアス源と並列な可変容量ダイオード17と抵抗の直列回路を介して接続する。バイアス電圧によって可変容量ダイオード17の容量が変化し、アンテナとして同調周波数を変化させることができる。テレビチューナのシールドケースに搭載できるサイズでテレビ放送のUHF帯に同調可能なアンテナが得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アンテナ素子にバイアスを印加して周波数を可変とする同調型アンテナにおいて、アンテナ素子は直方体の磁性体の周囲に1ターン弱の導体層を具えたものであり、その導体層の両端が可変容量ダイオードを介してバイアス源と接続されるとともに、その両端が平衡−不平衡回路に接続されたことを特徴とする同調型アンテナ。
【請求項2】 アンテナ素子にバイアスを印加して周波数を可変とする同調型アンテナにおいて、アンテナ素子は直方体の磁性体の周囲に1ターン弱の導体層を具えたものであり、その導体層の両端が可変容量ダイオードを介してバイアス源と接続されるとともに、その両端が平衡−不平衡回路を介して同軸線路に接続されたことを特徴とする同調型アンテナ。
【請求項3】 アンテナ素子、可変容量ダイオードおよび平衡―不平衡回路を構成するバルーントランスが1枚のプリント配線基板上に搭載された請求項2記載の同調型アンテナ。
【請求項4】 携帯機器のアダプタカード内に絶縁層を介してチューナ部と一体に収容された請求項3記載の同調型アンテナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型の同調型アンテナに係るもので、UHF帯の受信が可能な磁性体を用いた同調型アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】2003年よりUHF帯地上波デイジタルテレビ放送の開始が予定されており、携帯情報端末(PDA)の液晶画面でも小型サイズのテレビ画面が受信できるようになる。PDA、携帯電話等のアダプタカードに内蔵可能な小型の同調型アンテナが必要となる。
【0003】従来の地上波テレビ放送はアナログ放送であり、VHF−L、VHF−H帯とUHF帯が用いられているが、主たるVHF帯ではテレビアンテナが大型となり、携帯テレビは実用域に達していない。なお、VHF−L帯は90−180MHz、VHF−H帯は170−222MHzであり、UHF帯は470−770MHzである。
【0004】地上波デイジタルテレビ放送はUHF帯を用いるため、VHF帯よりは小型のアンテナが使用できるが、500MHzでも1/2波長は300mmになり、標準アンテナサイズは300mmを要する。従来は、アンテナに近接アース等がない条件で設計された1/2波長広帯域非同調型金属導体アンテナ(ダイポール型、八木型、ロッド型等)または1波長金属導体ループ型が使われている。標準アンテナの基本寸法は1/2波長のため、上記のようにUHFの500MHz帯でのアンテナサイズは300mmにもなり、PDAの代表的な本体寸法60mm×150mmや、より小型の携帯電話機に装着するには大き過ぎる。
【0005】PDAや携帯電話機等への挿入用コンパクトフラッシュ(登録商標)等メモリカードサイズのテレビ受信アダプタ等に装着するには、超小型テレビチューナに加えてテレビアンテナも同時にメモリーカード上に装着する必要がある。UHF帯専用テレビチューナの予想される寸法35mm×18mm×5mmと重ねて装着することを考慮すると30mm×18mm×5mm以下とする必要がある。
【0006】従来のテレビアンテナは概ね金属導体の1/2波長のダイポール型か1波長ループ型で非同調型である。伸縮ロッドアンテナもあるが、機械的な伸縮で利得を調整するもので同調型とはいえない。1/2波長型の問題点として、幅は狭いが1/4波長型のほぼ2倍のサイズ長を要する。また、1波長ループ型の問題点は1辺1/4波長の正方形断面積で面積が大きくなることである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】寸法が74mm×138mmの代表的なPDAや携帯電話機のオプションカードのコンパクトフラッシュ(登録商標)寸法は約40mm×30mmであり、アンテナはコンパクトフラッシュ(登録商標)上にUHF帯テレビチューナ部とともに装着する必要がある。また、可動部を有さず、出っ張りのない平面状の超小型化が要求される。超小型で高利得を得るためには同調型が必要となる。本発明は、このような要求を満たす同調型アンテナを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性体を用いて導体の短縮をはかり、また可変容量ダイオードを接続することによって周波数可変とすることによって、上記の課題を解決するものである。
【0009】すなわち、アンテナ素子にバイアスを印加して周波数を可変とする同調型アンテナにおいて、アンテナ素子は直方体の磁性体の周囲に1ターン弱の導体層を具えたものであり、その導体層の両端が可変容量ダイオードを介してバイアス源と接続されるとともに、その両端が平衡−不平衡回路に接続されたことに特徴を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のアンテナの構成要素は、(1)磁性体に導体層を形成したアンテナ素子、(2)可変容量ダイオードであり、これらをプリント配線基板に搭載し、バイアス源および平衡−不平衡回路と接続することによって完成する。平衡−不平衡回路はプリント配線基板上のバルーントランスで構成することができ、また、それらをチューナ部に絶縁層を介して一体に構成することもできる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。図1は本発明の実施例を示すもので(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は側面図である。両面に導体パターン11を形成したプリント板12の表面には導体箔14で一部が覆われた直方体のフェライト15が搭載され、平衡−不平衡変換を行うBALUN18が搭載されて巻き回された導体が導体パターンと接続される。また、同軸線19が導体パターンと接続されチューナのRF部に接続される。
【0012】フェライト15を覆う導体箔14はアンテナの導体部を構成するもので、フェライト15の周囲を1ターン弱巻き回されたインダクタンスとして作用する。図1(C)に示したように、この導体箔14の両端が裏面の導体パターン11に接続されるが、それらの導体パターンとバイアス源に接続された導体パターンに跨って直列逆接続された可変容量ダイオード(VCD)17が搭載され、接続されている。
【0013】導体箔14に接続される裏面の導体パターン(図1C参照)はさらに、表面の導体パターンに引き出され、そこにBALUN18に巻き回される導体が接続される。BALUN18に巻き回される導体の他端は信号線に接続される導体パターンとアースパターンに接続される。それらのパターンは同軸線19の内部導体と外部導体に接続される。
【0014】図2は図1のアンテナをメモリーカード型テレビ受信アダプタに組み込んだ状態を示すもので、受信アダプタ基板に搭載したテレビチューナ上に絶縁緩衝材を介して搭載したものである。このアダプタをPDAや携帯電話機に差し込むことによって受信した信号を画面に表示することが可能となる。
【0015】図3は、図1に示した平衡−不平衡回路を含む実施例の等価回路図である。アンテナの受信信号を平衡‐不平衡変換して同軸線から受信回路に出力するとともに、バイアス源(Vt)からのバイアス電圧によって容量を変化させる可変容量ダイオードによってアンテナの共振周波数を変化させるものである。
【0016】本発明による同調型アンテナのバイアス電圧と同調周波数との関係を図4に示す。バイアス電圧Vtを上げて行くと同調周波数も高い方向へシフトし、5Vで800MHz以上と広帯域のどうちょうが可能であることを示している。図5はSWR特性を示すもので、SWR<2の利得の良好な範囲の帯域幅30MHzが得られている。
【0017】なお、アンテナ素子として使用するフェライトは透磁率を8とした時、直列逆接続のVCDによって1波長共振させるアンテナ装置を23mm×12mm×4mmで構成することができた。このアンテナは可変構造を持たない薄型構造であり、周波数の可変範囲が470〜770MHzでSWR<2の帯域幅が30MHzと、帯域幅がテレビの1チャネルの6MHzに対して十分に広く得られる。
【0018】上記の例では平衡−不平衡変換のためのBALUNを一体に形成したが、もちろん他の基板に別に形成してもよい。フェライトの透磁率は5〜20程度の範囲で任意に選択することができるるし、導体箔を印刷等によって形成した導体膜とすることもできる。また、プリント板上の導体パターンも必要に応じて変えることもできる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、テレビ受信用アダプタ内にチューナとともに一体に内蔵可能な同調型アンテナが簡単な構造で実現できる。UHFテレビ放送の周波数帯の全域をカバーでき、可動部も有しないので薄型とすることができる。
【0020】また、波長600mmに対して1周が55mm程度の微小ループ構造のため、近接するテレビチューナのシールドケース等の影響および人体の影響を受け難い。そして、波長に対して開口が小さいために広指向性であり、装着されるPDA、携帯電話機が傾いても利得の変化が少ない。さらに、伝送線型バルーントランスを使用すれば整合と同時にチューナ回路部のシールドケースから高周波的に絶縁されて安定した特性が得られる。
【出願人】 【識別番号】000003089
【氏名又は名称】東光株式会社
【住所又は居所】東京都大田区東雪谷2丁目1番17号
【出願日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【代理人】 【識別番号】100073737
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 優
【公開番号】 特開2003−298337(P2003−298337A)
【公開日】 平成15年10月17日(2003.10.17)
【出願番号】 特願2002−95170(P2002−95170)