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【発明の名称】 半導体モジュール
【発明者】 【氏名】岩城 秀樹
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】小掠 哲義
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】田口 豊
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】半導体装置を安定してフリップチップ実装できる半導体モジュールを提供する。

【解決手段】本発明の半導体モジュールは、多層基板103と、多層基板103の表面に少なくとも4つ設けられた端子電極102と、全ての前記端子電極102の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板103の内部領域に選択的に設けられた電気機能層109と、端子電極102にフリップチップ実装された半導体装置101とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多層基板と、前記多層基板の表面に少なくとも4つ設けられた端子電極と、全ての前記端子電極の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に選択的に設けられた電気機能層と、前記端子電極にフリップチップ実装された半導体装置と、を有する半導体モジュール。
【請求項2】 前記電気機能層は、誘電体層または抵抗体層または磁性体層のうちの一つである請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】 前記端子電極の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に設けられて前記電気機能層と前記端子電極とを電気的に接続する導電体を有する請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】 前記半導体装置の中央部の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に、前記電気機能層が存在しない領域を設ける請求項1〜3のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項5】 前記多層基板の両面それぞれに前記端子電極を設け、これら基板両面の端子電極に前記半導体装置をフリップチップ実装する請求項1〜4のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項6】 前記電気機能層の基板厚み方向の両面に内部電極を設け、この内部電極の長手方向寸法を、前記半導体装置に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より小さくする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項7】 前記内部電極の長手方向寸法を、前記半導体装置に入力される電気信号の波長の1/8波長に相当する寸法より小さくする請求項6に記載の半導体モジュール。
【請求項8】 前記内部電極それぞれを複数に分割する請求項6または7に記載の半導体モジュール。
【請求項9】 前記内部電極を、前記端子電極の形成されていない領域に沿って複数に分割する請求項8に記載の半導体モジュール。
【請求項10】 前記電気機能層を、前記多層基板の表面部位に設ける請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項11】 誘電体層または抵抗体層または磁性体層のうちの少なくとも2つの層を、前記電気機能層として前記多層基板内の同一の層に設ける請求項1〜9のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項12】 誘電体層または抵抗体層または磁性体層のうち少なくとも2つの層を、前記電気機能層として前記多層基板内の異なる層に設ける請求項1〜9のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項13】 前記半導体装置の周囲を、無機質フィラーと熱硬化性樹脂組成物とを含む混合物で充填する請求項1〜12のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項14】 前記無機質フィラーは、アルミナ、AlN、窒化ケイ素、ベリリア(BeO)のうち少なくとも1つを含む請求項13に記載の半導体モジュール。
【請求項15】 請求項13に記載の半導体モジュールを複数有し、一の半導体モジュールの前記混合物の表面に、他の半導体モジュールの前記多層基板を積層配置し、前記混合物内に、各半導体モジュールの端子電極どうしを電気的に接続する導電体を設ける半導体モジュール。
【請求項16】 前記電気機能層の少なくとも一つを、前記電気機能層と同等の厚みを有する絶縁層に置き換える請求項1〜15のいずれかにに記載の半導体モジュール。
【請求項17】 前記多層基板を構成する絶縁体は無機材料の焼結体を主体とする低温焼結性ガラスセラミックスであり、前記電気機能層は、鉛系ペロブスカイト型化合物を主体とする誘電体層である請求項1〜16のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項18】 前記多層基板を構成する絶縁体は無機材料の焼結体を主体とする低温焼結性ガラスセラミックスであり、前記電気機能層はRuO2を主体とする抵抗体層である請求項1〜16のいずれかに記載の半導体モジュール。
【請求項19】多層基板と、前記多層基板の表面に設けられた端子電極と、前記端子電極の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板本体の内部領域に設けられた電気機能層と、前記電気機能層の基板厚み方向の両面に設けられた内部電極と、前記端子電極にフリップチップ実装された半導体装置と、を有し、前記内部電極の長手方向寸法を、前記半導体装置に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より小さくする、半導体モジュール。
【請求項20】 前記内部電極の長手方向寸法を、前記半導体装置に入力される電気信号の波長の1/8波長に相当する寸法より小さくする請求項19に記載の半導体モジュール。
【請求項21】多層基板と、前記多層基板の表面に少なくとも4つ設けられた端子電極と、前記端子電極基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に設けられた電気機能層と、前記端子電極に実装された半導体装置と、を有する半導体モジュール。
【請求項22】多層基板本体と、前記多層基板本体の表面に少なくとも4つ設けられて、外部の電子部品と電気的に接続される端子電極と、全ての前記端子電極の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に選択的に設けられた電気機能層と、を有する多層基板。
【請求項23】 前記電気機能層は、誘電体層または抵抗体層または磁性体層のうちの一つである請求項22に記載の多層基板。
【請求項24】 前記端子電極の直下に位置する前記多層基板本体に設けられて前記電気機能層と前記端子電極とを電気的に接続する導電体を有する請求項22に記載の多層基板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的電気機能素子等の電気機能層が内蔵される半導体モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体モジュールとして、多層基板に半導体装置が実装されたものがある。このような半導体モジュールを構成する多層基板として採用可能な基板構造として、特開平06−164150号に記載されたものが知られている。
【0003】この多層基板の内部には容量素子層が設けられている。容量素子層は、誘電体層と、この誘電体層を挟んで対向配置された一対の内部電極とを有している。誘電体層は、容量素子層が設けられた基板領域だけに選択的に設けられている。多層基板の表面には端子電極が設けられている。一方の端子電極は内部電極の直上に設けられており、多層基板に設けられたビアホールを介して前記内部電極に電気的に接続されている。他方の端子電極は、多層基板の側面まで引き出されており、多層基板の側面に形成された側面電極に接続されている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】高周波帯域(1MHz〜数十GHz)で用いられる半導体モジュールにおいては、高周波特性の改善が問題となる。ここでいう、高周波特性の改善としては、遮断周波数(通過帯域と減衰帯域との間の境界となる周波数)の設計の容易化や、帯域の広域化や、歪み特性の改善や、実装に起因する寄生容量成分(寄生インダクタンスを含む)の低減等がある。
【0005】上記従来の多層基板(特開平06−164150号)に半導体装置が実装されてなる半導体モジュールでは、上述した高周波特性の改善をある程度図ることができる。
【0006】しかしながら、このような半導体モジュールにおいては、容量素子層の上方に位置する端子電極(この端子電極はビアホールを介して内部電極に電気的に接続されている)と、容量素子層の上方に位置しない端子電極(この端子電極は内部配線を介して側面電極に電気的に接続されている)との間で、互いの高さ位置にばらつきが生じる。
【0007】半導体装置と多層基板との間の接続箇所が3箇所までの構造(端子電極数が3以下)では、上記高さばらつきが生じた状態においても各接続箇所を結ぶ一平面が必ず存在する。しかしながら、前記接続箇所が4箇所以上となった構造(端子電極数が4以上)では、上記高さばらつきが生じた状態になると、各接続箇所を結ぶ一平面が形成できなくなる。その結果、上記接続箇所が4箇所以上(端子電極が4つ以上)となった多層基板に半導体装置をフリップチップ実装すると、上述した端子電極の高さばらつきによって半導体装置と端子電極との間に隙間が発生してしまう。これにより、半導体装置を安定してフリップチップ実装することが困難となる。
【0008】しかも、半導体モジュールにおいては次のような理由により上記高さばらつきがさらに大きくなる。すなわち、半導体モジュールにおいて問題となる寄生容量成分を低減するためには、半導体装置と容量素子層とをできるだけ短い距離で接続する必要がある。このような短距離接続を行うためには、ビアホール(容量素子層を構成する電極層と多層基板表面に設けられた端子電極とを接続している)の長さを短くすることが考えられる。ビアホールの長さを短くするためには、ビアホールが形成される基板領域の厚みを薄くすればよい。しかしながら、ビアホールは容量素子層の上方に位置しており、ビアホールが形成される基板領域とは、容量素子層が設けられている基板領域である。そのため、ビアホールが形成される基板領域の厚みを薄くすれば、その基板領域の全体厚みに対する容量素子層の厚みの比率が高くなる。その結果、容量素子層を設けることで生じる高さばらつきがさらに大きなものとなってしまう。
【0009】したがって、本発明の主たる目的は、半導体装置を安定してフリップチップ実装できる半導体モジュールの提供である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0011】すなわち、本発明の半導体モジュールは、多層基板と、前記多層基板の表面に少なくとも4つ設けられた端子電極と、全ての前記端子電極の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に選択的に設けられた電気機能層と、前記端子電極にフリップチップ実装された半導体装置とを有している。
【0012】本発明によれば、全ての端子電極の下方位置に選択的に電気機能層を設けたことにより、各端子電極の間の高さ位置が揃うことになる。そのため、多層基板の端子電極と半導体装置の入出力電極との間に隙間が生じることがなくなり、両電極を直接接触させて電気的に接続することが可能となる。これにより、半導体装置を多層基板に安定した状態でフリップチップ実装することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の半導体モジュールは、要するに、多層基板と、前記多層基板の表面に少なくとも4つ設けられた端子電極と、全ての前記端子電極の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に選択的に設けられた電気機能層と、前記端子電極にフリップチップ実装された半導体装置とを有している。なお、端子電極の基板厚み方向の下方位置とは、端子電極の基板厚み方向の真下位置およびその近傍位置を示している。
【0014】本発明によれば、全ての端子電極の下方位置に選択的に電気機能層を設けたことにより、各端子電極の間の高さ位置が揃うことになる。そのため、多層基板の端子電極と半導体装置の入出力電極との間に隙間が生じることがなくなり、両電極を直接接触させて電気的に接続することが可能となる。これにより、半導体装置を多層基板に安定した状態でフリップチップ実装することができる。
【0015】なお、端子電極が3箇所までの構造では、上記高さばらつきが生じた状態においても各接続箇所を結ぶ一平面が必ず存在する。しかしながら、端子電極が4箇所以上となった構造では、上記高さばらつきが生じた状態になると、各接続箇所を結ぶ一平面が形成できなくなる。その結果、端子電極が4箇所以上となった本発明の基本構造において多層基板に半導体装置をフリップチップ実装すると、上述した端子電極の高さばらつきによって半導体装置と端子電極との間に隙間が発生するのは避けられない。そのため、端子電極の高さばらつきを抑えることができる本発明の構成は、非常に有効なものとなる。
【0016】さらには、半導体装置の入出力電極と多層基板の端子電極との間に隙間がない状態で接続するので、両電極を最短距離と見なすことができる距離で電気的に接続することが可能となる。これにより、寄生インダクタンスの低減と高周波特性の向上が図れるようになる結果、高周波特性に優れた半導体モジュールが構成されることになる。
【0017】端子電極の高さばらつきをなくすためには、多層基板を構成する絶縁層の一つを、その絶縁体層毎、電気機能層に取り替えることが考えられる。そうすれば、半導体装置の下方位置の多層基板内に電気機能層を形成できるうえに、端子電極の高さばらつきもなくなる。しかしながら、そのような構造では、多層基板内において、不要な部分にも電気機能層が設けられることになる。そうすると、多層基板内部の配線層でクロストークや浮遊容量が発生する要因となり都合が悪い。
【0018】これに対して、本願発明の構成では、電気機能素子が設けられる位置にだけ選択的に電気機能層が設けられるため、不要な部分に電気機能層が設けられることはない。したがって、内部の配線層でクロストークや浮遊容量は発生しない。
【0019】さらには、本願発明は、以下の理由により寄生インダクタンスを低減することができる。半導体モジュールにおいて問題となる寄生容量成分を低減するためには、多層基板内の電気機能層(例えば容量素子層)と半導体装置とをできるだけ短い距離で接続する必要がある。
【0020】このような短距離接続を行うためには、端子電極の基板厚み方向の下方に位置する多層基板の内部領域に導電体(ビアホール)を設けて、この導電体により電気機能層と端子電極とを電気的に接続するのが好ましい。さらには、導電体の長さをできる限り短くするのが好ましい。
【0021】前記導電体の長さを短くするためには、前記導電体が形成されている基板の内部領域の厚みを薄くすればよい。しかしながら、前記導電体は電気機能層の基板厚み方向の上方に位置している。そのため、前記導電体が形成されている基板の内部領域の厚みを薄くすれば、その基板領域の全体厚みに対する電気機能層の厚みの比率が高くなる。
【0022】従来の構成において基板厚みを薄くすると、上述した理由により電気機能層に起因する端子電極間の高さばらつきがさらに大きなものとなってしまう。これに対して、本願発明の構成では、各端子電極の高さ位置が互いに揃った状態となっている。そのため、前記導電体が形成される基板領域の厚みを薄くしても、端子電極の高さばらつきが生じたり、そのばらつきがさらに大きくなることはない。このような理由により、本願発明の構成では、前記導電体の長さを短くして、寄生インダクタンス成分をさらに低減することができる。
【0023】なお、半導体装置の中央部の基板厚み方向の下方に位置する前記多層基板の内部領域に、前記電気機能層が存在しない領域が設けられるのが好ましい。そうすれば、端子電極と電気機能層とを電気的に接続する電気的配線(ビアホールを含む)の配置の自由度を向上させることができ、より高周波特性が良好な半導体モジュールが実現されることになる。
【0024】また、前記多層基板の両面それぞれに前記端子電極が設けられ、これら基板両面の端子電極に前記半導体装置がフリップチップ実装されるのが好ましい。そうすれば、多層基板の両面に実装した各半導体装置と、多層基板内の電気機能層とが最短距離で電気的に接続されることになる。これにより、複数の半導体装置の機能が複合される結果、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0025】また、前記電気機能層の基板厚み方向の両面に内部電極が設けられており、この内部電極の長手方向寸法が、前記半導体装置に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より小さくされるのが好ましい。そうすれば、次のような利点がある。すなわち、内部電極の長さ方向寸法が、半導体装置に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より大きい場合、内部電極の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いに一致しなくなる。そうすると、特に、電気機能層が容量素子層である場合において、その容量素子層がバイパスコンデンサとして機能しなくなるおそれがある。これに対して、内部電極の長手方向寸法が、前記半導体装置に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より小さくなっている構成では、内部電極の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いにほぼ一致することになる。そのため、電気機能層が容量素子層である場合において、その容量素子層がバイパスコンデンサとして十分機能することになる。
【0026】なお、内部電極上の各位置の見かけ上のインピーダンスを一致させるためには、前記内部電極の長手方向寸法が、前記半導体装置に入力される電気信号の波長の1/8波長に相当する寸法より小さくされるのがさらに好ましい。
【0027】なお、前記電気機能層の基板厚み方向の両面に内部電極が設けられ、これら内部電極それぞれが複数に分割されるのが好ましい。そうすれば、半導体装置内の複数の端子に、異なる特性の電気機能層を最短距離で接続することができる。そのため、半導体装置の端子ごとに最適な回路構成が実現される。
【0028】なお、前記内部電極は、前記端子電極の形成されていない領域に沿って複数に分割されるのが好ましい。そうすれば、内部電極の分割線の直上位置に端子電極が存在しなくなる。分割線上の直上位置に端子電極が存在すると、分割線上の端子電極とそうでない位置の端子電極との間に高さ位置のばらつきが生じる。内部電極の分割線の直上位置に端子電極が存在しないことにより、前記分割線に起因する端子電極の高さ位置のばらつきは防止される。これにより、半導体装置を多層基板に極めて安定して接続することができる。
【0029】なお、前記電気機能層が前記多層基板の表面部位に設けられるのが好ましい。そうすれば、半導体装置と電気機能層とをより短い距離で接続することができ、より一層、高周波特性に優れた半導体モジュールが実現される。
【0030】なお、誘電体層または抵抗体層または磁性体層のうちの少なくとも2つの層が、前記電気機能層として前記多層基板内の同一の層に設けられるのが好ましい。そうすれば、より高機能で高周波特性に優れた回路を半導体モジュール内に実現することができる。
【0031】なお、誘電体層または抵抗体層または磁性体層のうち少なくとも2つの層が、前記電気機能層として前記多層基板内の異なる層に設けられるのが好ましい。そうすれば、各層ごとに最適な材料を用いた回路素子を形成することができる。
【0032】なお、前記半導体装置の周囲が、無機質フィラーと熱硬化性樹脂組成物とを含む混合物で充填されるのが好ましい。無機質フィラーは、アルミナ、AlN、窒化ケイ素、ベリリア(BeO)のうち少なくとも1つを含むことがさらに好ましい。そうすれば、半導体装置の周囲に充填した混合物には、熱伝導性の高い任意の無機質フィラーが含まれており、放熱性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0033】なお、半導体モジュールが複数設けられ、一の半導体モジュールの前記混合物の表面に、他の半導体モジュールの前記多層基板の背面が積層配置され、前記混合物内に、各半導体モジュールの端子電極どうしを電気的に接続する導電体が設けられるのが好ましい。そうすれば、電気機能層を内蔵した多層基板上に搭載されたそれぞれ機能の異なる半導体装置からなる実装体を、3次元方向に自由に積層できる。
【0034】なお、前記電気機能層の少なくとも一つが、前記電気機能層と同等の厚みを有する絶縁層に置き換えられてもよい。
【0035】なお、多層基板を形成する絶縁体は、無機材料の焼結体を主体とする低温焼結性ガラスセラミックスであり、電気機能層は、鉛系ペロブスカイト型化合物を主体とする誘電体層であることが好ましい。そうすれば、低温焼結性ガラスセラミックスでは、製造時の熱処理温度を低くすることができるため、誘電体層の鉛ペロブスカイト型化合物と多層基板の絶縁体との間での熱拡散を低減することができる。
【0036】また、多層基板を形成する絶縁体は、例えば無機材料の焼結体を主体とする低温焼結性ガラスセラミックスであり、電気機能層は、例えばRuO2を主体とする抵抗体層であるのが好ましい。そうすれば、低温焼結性ガラスセラミックスでは、製造時の熱処理温度を低くすることができるため、抵抗体層のRuO2と絶縁体との間での熱拡散を低減することができ、抵抗体層は所望の抵抗値を得ることができる。
【0037】以下、本発明の実施例について、図面に基づいて、詳細に説明する。
【0038】なお、本発明において、各端子電極の下方に電気機能素子を設けるとは、多層基板内方向において電気機能素子を設けることを意味し、また、多層基板ならびに半導体モジュールの設置姿勢は、各実施例に限らず、上下が逆となった姿勢や、垂直姿勢等であってもよい。
【0039】
【実施例】(第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例における多層基板の構成の概略を示す断面図であり、図2は、本発明の第1の実施例における多層基板の構成の概略を示す平面図であり、図3は、本発明の第1の実施例における多層基板の製造方法の概略を示す工程断面図である。
【0040】以下に本実施例における多層基板について、図1および図2を参照しながら説明する。図1および図2において、102は端子電極である。103は多層基板である。105は上側内部電極である。106は下側内部電極である。108はビアホールを形成する導電体である。109は誘電体層である。
【0041】端子電極102は半導体装置に接続される電極である。端子電極102は多層基板103の表面に設けられている。上側内部電極105と下側内部電極106と誘電体層109とは多層基板103の内部に設けられている。上側内部電極105と下側内部電極106とは、誘電体層109をその厚み方向に挟んで配置されている。端子電極102は、4つ以上、図2では、16本設けられている。端子電極102は、多層基板103の厚み方向に沿って配置された導電体108を介して上側内部電極105と下側内部電極106とにそれぞれ接続されている。
【0042】誘電体層109は、多層基板103を形成する絶縁体材料とは異なり、端子電極102の下方位置に形成されている。すなわち、図2に示すように、端子電極102の下方には必ず誘電体層109が形成されており、それ以外の不要な領域には形成されていない。
【0043】なお、誘電体材料の比誘電率は、絶縁体材料の比誘電率よりも高いものが用いられる。
【0044】誘電体材料としては、例えば、鉛を含む複合ペロブスカイト化合物材料系やチタン酸バリウム系材料などが用いられる。特に大きな誘電率を有し、焼結温度が比較的低温であることから、鉛を含む複合ペロブスカイト化合物材料系を使用することが好ましい。
【0045】鉛系複合ぺロブスカイト化合物としては、Pb(B1B2)O3(ただし、B1はCo、Mg、MnまたはNiであり、B2はNb、TaまたはWである)で表される化合物およびこれらの化合物を組み合わせたものを例示することができる。例えば、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−Pb(Ni1/2W1/2)O3−PbTiO3などが挙げられる。また、誘電体層109の層厚は、特に限定するものではないが、通常、5μm〜50μm程度である。
【0046】また、絶縁体材料としては、例えば、アルミナに代表されるセラミックス材料や、ガラス−セラミックス複合材料などが用いられる。
【0047】絶縁体材料としては、特に、焼結温度が比較的低く、銅や銀等の低融点の金属を導体として使用できることから、ガラス−セラミックス複合材料を使用するのが好ましい。ガラス−セラミックス複合材料を構成するガラス成分としては、酸化鉛、酸化亜鉛、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物などを含有するほう珪酸塩ガラスおよびほう珪酸ガラスなどの結晶質ガラスなどが挙げられる。なお、ガラス−セラミックス複合材料における各成分の組成比は、複合材料の焼結温度、比誘電率および機械的強度等を考慮して適宜調整することができる。多層基板(絶縁体層)103の層厚は、特に限定するものではないが、通常30μm〜300μm程度である。
【0048】次に、図3を用いて、多層基板の製造方法が説明される。まず、少なくとも一面に下側内部電極106が形成されたシート状絶縁体104が用意される。そのシート状絶縁体104の上に誘電体層109が形成される。誘電体層109は次のようにして形成される。すなわち、鉛系ペロブスカイト化合物の原料粉体に有機バインダを混合してスラリーが作製される。混合は、例えばボールミルや3本ロールなどの慣用の混練機を使用して行われる。次に、下側内部電極106が形成されたシート状絶縁体104上にスラリーが印刷される。これにより、シート状絶縁体104上に誘電体層109が形成される。
【0049】一方、シート状絶縁体としてガラスとアルミナを主成分とする低温焼成基板材料よりなるグリーンシート(日本電気硝子製のMLS−1000:商品名、220μm厚み)112が用意される。このグリーンシート112に0.2mmφの貫通孔が形成される。貫通孔はパンチャによる穴加工で形成される。さらに、銀粉体を主成分とする導電性ペーストが印刷法によって前記貫通孔に充填される。これにより導電体108が形成される。
【0050】グリーンシート112の一面に端子電極102を含む配線パターンが印刷形成される。グリーンシート112の他面に上側内部電極105を含む配線パターンが印刷形成される。
【0051】誘電体層109を挟み込むように、シート状絶縁体104とグリーンシート112が積層される。この積層体が、70度の温度で50Kg/cm2の圧力で加圧される。積層体が、850℃〜950℃で0.1時間〜10時間の範囲において設定された条件で焼成される。これにより、多層基板103が作製される。
【0052】このようにして作製された多層基板103では、誘電体層109を多層基板103内の所望の領域に設けることができる。すなわち、図2に示すように、端子電極102の下部には必ず誘電体層109が設けられることになる。
【0053】このとき、誘電体層109が設けられる領域は、誘電体層109が設けられていない領域に比べ、多層基板103全体の厚さが厚くなる。例えば、表面に端子電極102などの導体が形成されている2つの領域A,A‘において比較した場合、誘電体層109の厚さを10μmとすると、誘電体層109が形成されていた領域Aを含む多層基板103の厚さは、誘電体層109を含まない領域A‘の多層基板103の厚さよりも1μm〜10μm程度厚くなる。
【0054】しかしながら、誘電体層109が設けられた領域の表面は互いに平坦面となる。これにより、図2において、半導体装置を接続する各領域Bにおける端子電極102の高さばらつきはなくなる。
【0055】なお、表面における2つの領域A,A‘の高さばらつきは、多層基板103の製造時の誘電体材料の収縮量により異なり、また誘電体材料の材料自身の特性やプレス時の圧力等によっても変化する。さらに、誘電体材料の上下部における導電体108の有無によっても前記高さばらつきは変化する。
【0056】また、内蔵される容量値としては、例えば、誘電体層109が形成される大きさとして縦1mm,横1mmとした場合、約2nFの容量素子が内蔵される。
【0057】このように構成された多層基板103によると、端子電極102の下方に全てに、選択的に誘電体層109が設けられる構成となる。これにより、半導体装置と接続する端子電極102の高さばらつきが抑えられる。そのため、多層基板103に半導体装置101を安定してフリップチップ接続することができる。したがって、接続不良が防止され、歩留まりの高い半導体装置のフリップチップ実装が確実に行われる。
【0058】端子電極102の数が4つ以上となった本実施例の構造では、端子電極102に高さばらつきが生じた状態になると、半導体装置101と端子電極102との間の接続箇所を結んで一平面が形成できなくなる。本実施例の多層基板103に半導体装置101をフリップチップ実装すると、上述した端子電極の高さばらつきによって半導体装置101と端子電極102との間に隙間が発生してしまうのは避けられない。
【0059】これに対して、本実施例では、端子電極102の高さばらつきが抑えられている。そのため、4つ以上の端子電極102を設けた本実施例の構成でも、半導体装置101と端子電極102との間に隙間が生じない。そのため、安定した状態で、半導体装置101を多層基板103にフリップチップ実装することができる。
【0060】また、端子電極102の下方位置に電気機能素子(容量素子)100が形成されることになる。これにより、多層基板103内において端子電極102からみてほぼ最短と見なすことができる位置に容量素子が配置されることになる。そのため、インピーダンスが小さくなる結果、高周波特性に優れた多層基板が得られる。
【0061】(第2の実施例)図4は、本発明の第2の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図であり、図5は、第2の実施例における半導体モジュールの製造方法の概略を示す工程断面図である。
【0062】本実施例においては、第1の実施例における多層基板103を備えている。多層基板103は、第1の実施例で説明したのと同一の構成を備えている。そのため、ここでは多層基板103の説明は省略する。
【0063】半導体装置101は、その能動面にバンプ電極107が設けられている。半導体装置101は、その能動面を多層基板103側に向けて配置されており、バンプ電極107が端子電極102に電気的に接続されている。これにより、半導体装置101は多層基板103にフリップチップ実装されている。
【0064】このような半導体モジュールの構成では、半導体装置101の下方に位置する多層基板103の内部領域に誘電体層109が配置されている。そのため、半導体装置101に接続される端子電極102は、互いの高さばらつきがほとんど生じない状態となっている。
【0065】このような構造上の特徴を有する多層基板103に対して半導体装置101をフリップチップ実装する方法としては、例えば、次のような方法がある。
【0066】すなわち、図5(A)に示すように、半導体装置101の入出力端子(図示省略)上にワイヤボンディング法またはめっき法によってAuなどからなるバンプ電極107が形成される。一方、樹脂中にフレーク状の金、銀、銀―パラジウム合金の粒子を分散した導電性接着剤111が用意される。そして、この導電性接着剤111がバンプ電極107に着けられる。
【0067】次に、図5(B)に示すように、端子電極102に導電性接着剤111が当接するように、半導体装置101が多層基板103に対して位置合せされる。この状態で導電性接着剤111が硬化される。これにより、導電性接着剤111を介してバンプ電極107が端子電極102に電気的に接続される。バンプ電極107を形成する金属は、貴金属によるもの以外に半田でもよく、この場合には、半田の溶融によってバンプ電極107を形成することができる。また、半田によってバンプ電極107が形成された場合においても、バンプ電極107と端子電極102との電気的接続に導電性接着剤を用いてもよい。
【0068】次に、図5(C)に示すように、半導体装置101と多層基板103との間の接続を補強するために、半導体装置101と多層基板103との間の形成される空間に液状の樹脂組成物110が充填されて硬化される。これにより、上記空間が封止される。この場合、樹脂組成物110としては、エポキシ系の樹脂とシリカなどのフィラーとが含まれたものを用いることができる。なお、フィラーは樹脂組成物110内に均一に分散されているのが好ましい。
【0069】端子電極102とバンプ電極107との電気的接続を行う場合においては、バンプ電極107の高さばらつきは接続不良の原因となる。しかしながら、導電性接着剤111を設けると、導電性接着剤111は、バンプ電極107と端子電極102との間の高さばらつきを吸収する働きをする。
【0070】通常、導電性接着剤111の厚さは10μm程度ある。そのため、導電性接着剤111の厚さよりもバンプ電極107の高さばらつき量が小さい場合、上述した接続不良が発生せず、バンプ電極107を端子電極102に安定した状態で電気的接続することができる。
【0071】このことは、換言すれば、基板表面の凹凸が10μm以下になると、バンプ電極107を端子電極102に対して安定した状態で電気的に接続できることを意味している。
【0072】多層基板103においては、その端子電極102どうしの間の高さばらつきがほとんど生じない構成となっている。したがって、多層基板103の表面の凹凸が10μm以下にされた状態となっている。そのため、このような構成を有する多層基板103に対して半導体装置101をフリップチップ実装した場合、その実装形態は安定したものとなる。その結果、歩留まりの高い半導体モジュールが得られる。
【0073】端子電極102の数が4つ以上となった本実施例の構造では、端子電極102に高さばらつきが生じた状態になると、半導体装置101と端子電極102との間の接続箇所を結んで一平面が形成できなくなる。本実施例の多層基板103に半導体装置101をフリップチップ実装すると、上述した端子電極の高さばらつきによって半導体装置101と端子電極102との間に隙間が発生してしまうのは避けられない。
【0074】これに対して、本実施例では、端子電極102の高さばらつきが抑えられている。そのため、4つ以上の端子電極102を設けた本実施例の構成でも、半導体装置101と端子電極102との間に隙間が生じない。そのため、安定した状態で、半導体装置101を多層基板103にフリップチップ実装することができる。
【0075】また、端子電極102の下方位置に、容量素子となる電気機能素子100が配置されている。これにより、端子電極102からみて最短距離とみなすことができる位置に容量素子が配置されることになる。そのため、インピーダンスが小さくなって、高周波特性が向上する。
【0076】本実施例では、上述した構成の他に次にような構成を備えている。すなわち、上側内部電極105の長手方向寸法H1と、下側内部電極106の長手方向寸法H2とが次のように設定されている。
【0077】これら長手方向寸法H1、H2が、半導体装置101に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より小さく設定されている。
【0078】このように上側、下側内部電極105、106の長手方向寸法H1、H2が設定されることで次のような効果が発揮される。すなわち、内部電極105、106の長さ方向寸法H1、H2が、半導体装置101に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より大きい場合、内部電極105、106の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いに一致しなくなる。そうすると、誘電体層109により構成される容量素子層がバイパスコンデンサとして機能しなくなるおそれがある。これに対して、内部電極105、106の長手方向寸法が、半導体装置101に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法より小さくなっている本実施例の構成では、内部電極105、106の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いにほぼ一致することになる。そのため、誘電体層109により構成される容量素子層がバイパスコンデンサとして十分機能することになる。
【0079】なお、内部電極105、106上の各位置の見かけ上のインピーダンスを正確に一致させるためには、前記長手方向寸法H1、H2が前記電気信号の波長の1/8波長に相当する寸法より小さくされるのが好ましい。
【0080】例えば、10GHzの電気信号を半導体装置101に入力する場合には、その電気信号の波長は10.0mmとなる。そのため、前記長手方向寸法H1、H2は、10/4=2.5mm以下とされる。さらに好ましくは、前記長手方向寸法H1、H2は、10/8=1.25mm以下とされる。
【0081】なお、前記第1,2の実施例においては、電気機能素子100が容量素子である場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、容量素子に代えて、インダクタまたは抵抗素子から電気機能素子100を構成してもよい。
【0082】電気機能素子100としてインダクタを内蔵した多層基板103は、誘電体層109の代わりに磁性体層が設けられる。この場合、内部電極105、106の位置およびその形状が多少異なること以外は、上述した容量素子を内蔵した多層基板103と同様の構造を有するものとなる。
【0083】磁性体層としては、特に限定するものではなく、従来からインダクタ用磁性体として知られているものを、焼結温度、透磁率、磁気損失、温度特性などに応じて適宜選択することができる。例えば、NiZnCu系、NiZn系、MnZn系、MgZn系等のスピネルフェライトやガーネットフェライトなどを磁性体層として例示することができる。特に、電気抵抗率が大きく、焼結温度が比較的低温であることから、NiZnCu系スピネルフェライトが磁性体層として有用である。
【0084】また、内部電極105、106は、上記容量素子を内蔵した多層基板103の内部電極105、106と同様の材料を使用することができ、その形状は、線状、スパイラル状、ミアンダ状など用途に応じて選択することができる。
【0085】(第3の実施例)図6は、本発明の第3の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図であり、図7は、本発明の第3の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す平面図である。
【0086】上述した第2の実施例においては、半導体装置101の基板厚み方向の下方に位置する多層基板103の内部領域に誘電体109が形成されていた。これに対して、本実施例においては、半導体装置101のバンプ電極107を介して接続される全ての端子電極(4つ以上設けられている)102の基板厚み方向の下方位置にのみに、誘電体層109を選択的に形成したものである。さらには、誘電体層109を矩形枠状に形成することで、半導体装置101の中央部の基板厚み方向の下方位置においては誘電体層109が形成されない領域Cが設けられている。これにより、容量素子の形成に制限されることなく配線(導電体108)を配置することができる。例えば、半導体装置101の基板厚み方向の下方位置において、導電体108を介して端子電極102を内層の配線に接続することができる。特に、半導体装置101の基板厚み方向の下方位置において、端子電極102を下側内部電極106に導電体108を介して電気的に接続することができる。これにより配線設計上の自由度が増す。
【0087】この半導体モジュールにおいては、上述した第1、第2の実施例と同様、端子電極102の高さばらつきを抑制することができる。そのため、多層基板103と半導体装置101とを安定した状態でフリップチップ接続することができる。これにより、歩留まりの高い半導体モジュールを得ることができる。
【0088】また、端子電極102の基板厚み方向下方位置に電気機能素子(容量素子)100が形成されるので、上述した実施例1、2と同様の理由により、インピーダンスが小さくなり、その結果、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0089】なお、本実施例では、容量素子を形成する誘電体層109を、半導体装置101の中央部における基板厚み方向の下方位置(領域C)を除く、端子電極102の直下位置に設けた例について説明した。しかしながら、誘電体層109が形成されない領域Cは、半導体装置101の中央部における下方位置に限るものではなく、端子電極102の下方位置を除くいずれの領域に設けてもよい。
【0090】また、本実施例においても、上側内部電極105の長手方向寸法H1と、下側内部電極106の長手方向寸法H2とが次のように設定されている。すなわち、長手方向寸法H1、H2が、半導体装置101に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法(好ましくは1/8波長に相当する寸法)より小さく設定されている。これにより、内部電極105、106の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いにほぼ一致することになる。そのため、誘電体層109により構成される容量素子層がバイパスコンデンサとして十分機能することになる。
【0091】また、電気機能素子100は容量素子に限るものではなく、インダクタまたは抵抗素子であってもよい。
【0092】(第4の実施例)図8は、本発明の第4の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図であり、図9は、本発明の第4の実施例における半導体モジュールの製造方法の概略を示す工程断面図である。
【0093】第3の実施例においては、多層基板103の片面に少なくとも1つの半導体装置101がフリップチップ実装されていた。これに対して本実施例においては、多層基板103の両面にそれぞれ少なくとも1つの半導体装置101がフリップチップ実装されている。
【0094】それぞれの半導体装置101と電気的に接続する端子電極102の基板厚み方向の下方位置には、誘電体層109が設けられている。
【0095】本実施例の半導体モジュールは、図9の工程断面図に示すようにして製造される。
【0096】まず図9(A)に示すように、下側シート状絶縁体124に貫通孔が形成される。貫通孔は、例えばパンチャによる穴加工で形成される。形成した貫通孔に銀粉体を主成分とする導電性ペーストが印刷法により充填される。これにより、導電体108が形成される。導電体108が形成された下側シート状絶縁体124の下面に端子電極102を含む配線パターンが印刷形成される。下側シート状絶縁体124の上面に下側内部電極106を含む配線パターンが印刷形成される。下側シート状絶縁体124の上面に誘電体層109が印刷法等により形成される。
【0097】上側シート状絶縁体114に、上述したのと同様の方法で貫通孔が形成される。さらに、形成された貫通孔に導電性ペーストが充填される。これにより導電体108が形成される。さらに、上側シート状絶縁体114の上面に端子電極102を含む配線パターンが印刷形成される。上側シート状絶縁体114の下面に上側内部電極105が形成される。
【0098】次に、図9(B)に示すように、上側内部電極105と下側内部電極106とで誘電体層109が挟み込まれるように、上側シート状絶縁体114と下側シート状絶縁体124とが加熱加圧により積層一体化される。作製した積層体が焼成される。このとき、誘電体層109は、上側シート状絶縁体114に形成された端子電極102の基板厚み方向の下方位置に形成され、同時に、下側シート状絶縁体124に形成された端子電極102の下方位置にも誘電体層109が形成される。
【0099】さらに、図9(C)に示しように、多層基板103の上下面の端子電極102と、半導体装置101とが位置合せされる。具体的には半導体装置101のバンプ電極107と端子電極102とが位置合わせされる。
【0100】その後、図9(D)で示すように、多層基板103の上下面に半導体装置101がそれぞれフリップチップ実装される。これにより、多層基板103の対向する両面に半導体装置101が搭載された半導体モジュールが完成する。
【0101】このようにして作製された半導体モジュールにおいては、電気機能素子100を形成する誘電体層109は、多層基板103内の所望の領域に設けられており、図8に示したように、半導体装置101と接続するための端子電極102の基板厚み方向の下方位置には必ず誘電体層109が設けられている。そのため、端子電極102どうしの間の高さばらつきはほとんど生じない。そのため、半導体装置101と多層基板103とを安定した状態で電気的に接続することができる。これにより、歩留まりの高い半導体モジュールを得ることができる。
【0102】さらに、半導体装置101と電気機能素子100との間を最短とみなすことができる接続距離で接続することができる。そのため、容量素子となる電機機能素子100を、不要な配線の寄生インダクタンスがほとんど含まれない電源用のバイパスコンデンサとして機能させることできる。電源用バイパスコンデンサは、例えば、半導体装置101の電源端子に接続される。
【0103】半導体装置100の電源端子に接続するバイパスコンデンサとして約200pFの容量素子を内蔵した多層基板103を作製した。そして、その多層基板103の50MHz〜13.5GHzまでの特性を測定した。その測定結果を図10(A)、図10(B)に示す。図10(A)は反射特性のスミスチャートを示し、図10(B)は反射特性のリアクタンス成分を示している。
【0104】10GHzにおいて約10Ω以下のインピーダンスを示しており、高周波帯において理想的な電源特性を得ることができるのが確認される。
【0105】本実施例では、複数半導体装置101を多層基板103に実装することができる。ここで、複数の半導体装置101として、砒化ガリウム等の同種の高周波用半導体を用いることもできる。そうすれば、電源端子のインピーダンスが高周波的に安定した半導体装置モジュールとなる。
【0106】また、高速光通信用のPINフォトダイオードやアバランシェフォトダイオードなどの受光素子と増幅素子、あるいは、レーザーダイオード等の発光素子とその駆動用素子の組み合わせにおいても同様の効果が得られる。これにより、高周波特性に優れた半導体モジュールが実現されているのが理解される。また、高速動作時に安定した電源インピーダンスが得られるため、珪素を主体とした材料で構成される高速信号処理用のロジック回路やメモリ回路を搭載した半導体装置においても、高速信号処理時の安定動作が可能となる。
【0107】なお、内蔵させる電気機能素子100は容量素子に限るものではなく、インダクタまたは抵抗素子を内蔵したものであってもよい。
【0108】(第5の実施例)図11は、本発明の第5の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す平面図であり、図12は図11のXII-XII断面図である。
【0109】本実施例の半導体モジュールは、多層基板103の内部に形成された上側内部電極105が、複数に分割形成されている。
【0110】なお、図11および図12においては、上側内部電極105が2つに分割されている例を示したが、容量素子をバイパスコンデンサとして内蔵する場合、半導体装置101の高周波用の電源端子数に応じて分割数を設定するのが望ましい。
【0111】例えば、比誘電率4000の材料で厚さが30μmの誘電体層109が設けられた場合、電極の寸法を0.95mm×0.95mmの大きさにすることにより約1000pFの容量値が得られる。また、2mm×2mmの大きさの半導体装置101を用いた場合、約1000pFの容量素子を半導体装置101の直下に4個配置することができる。そのため、4種類の電圧値の異なる電源端子に対応する容量素子を設けることができる。容量値は、誘電体層109の材料、厚さおよび電極の寸法により任意に制御することができ、電極の形状を任意に形成することにより、各端子ごとに容量値の異なる容量素子を形成することができる。
【0112】このように構成された半導体モジュールにおいても、前述した各具体例と同様、端子電極102の高さばらつきがなくなり、多層基板103と半導体装置101とを安定した状態でフリップチップ接続することができる。また、端子電極102の直下位置に容量素子となる電気機能素子100が形成されるので、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0113】また、本実施例においても、上側内部電極105の長手方向寸法H1と、下側内部電極106の長手方向寸法H2とが次のように設定されている。すなわち、長手方向寸法H1、H2が、半導体装置101に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法(好ましくは1/8波長に相当する寸法)より小さく設定されている。これにより、内部電極105、106の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いにほぼ一致することになる。そのため、誘電体層109により構成される容量素子層がバイパスコンデンサとして十分機能することになる。
【0114】さらには、本実施例の構成では、半導体装置101を接続する各端子電極102を異なる特性の電気機能素子100に最短で接続することができる。そのため、半導体装置101の端子電極102の電圧値がそれぞれ異なる場合であっても、各端子電極102が、その電圧値に対応する容量を有する電気機能素子100に電気的に接続される。そのため、半導体装置101の端子電極102ごとに最適な回路構成が実現される。
【0115】なお、本実施例の構成を、第4の実施例のように、多層基板103の両面に半導体装置101を実装する場合に適用してもよい。
【0116】また、電気機能素子100は容量素子に限るものではなく、インダクタまたは抵抗素子を内蔵したものであってもよい。
【0117】(第6の実施例)図13は、本発明の第6の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す平面図であり、図14は図13のXIV-XIV断面図である。
【0118】本実施例の半導体モジュールは、多層基板103の内部に形成された誘電体層109に接して設けられた上側内部電極105が複数に分割して形成されていることに第1の特徴がある。さらには、分割された上側内部電極105が端子電極102の基板厚み方向の下方位置に設けられていることに第2の特徴がある。すなわち、端子電極102が上側内部電極105の形成領域からはみ出さないように、上側内部電極105が設けられている。
【0119】このような構成を有する本実施例の半導体モジュールでは、前述した第5の実施例と同様の効果が得られるうえに、さらには、次のような効果が得られる。
【0120】上側、下側内部電極105、106として10μm未満の厚みを有する電極が形成されている場合はあまり問題とならないが、これらの内部電極105、106の抵抗成分を低下させるために、10μm以上の厚みを有する内部電極105、106が形成されている場合、多層基板103内部の内部電極105、106の有無に応じて多層基板103の表層に凹凸が発生する。したがって、端子電極102が形成された面内においても、内部電極105、106の有無に応じた凹凸が発生する。そのため、半導体装置101がフリップチップ実装される際に、バンプ電極107と端子電極102と間の距離が一定でなくなり、半導体装置101と多層基板103との間の電気的な接続の安定性が低下する恐れがある。
【0121】これに対して、本実施例では、上側内部電極105の分割されている領域に端子電極102が設けられていないために、端子電極102の形成領域における多層基板103の凹凸を抑えることができる。これにより、半導体装置101と多層基板103とを極めて安定した状態で電気的に接続することができ、半導体装置101と多層基板103の間の電気的接続がより一層確実となる。
【0122】また、本実施例においても、上側内部電極105の長手方向寸法H1と、下側内部電極106の長手方向寸法H2とが次のように設定されている。すなわち、長手方向寸法H1、H2が、半導体装置101に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法(好ましくは1/8波長に相当する寸法)より小さく設定されている。これにより、内部電極105、106の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いにほぼ一致することになる。そのため、誘電体層109により構成される容量素子層がバイパスコンデンサとして十分機能することになる。
【0123】なお、本実施例の構成を、第4の好ましい実施例のように、多層基板103の両面に半導体装置101を実装する場合に適用してもよい。
【0124】また、内蔵させる電気機能素子100は容量素子に限るものではなく、インダクタまたは抵抗素子を内蔵したものであってもよい。
【0125】(第7の実施例)図15は、本発明の第7の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図であり、図16は、本発明の第7の実施例における半導体モジュールに用いる多層基板の製造方法の概略を示す工程断面図である。
【0126】第1の実施例から第6の実施例においては、多層基板103の内部に電気機能素子100が内蔵されていた。これに対して、本実施例においては、基板表面の一部の領域に電気機能素子100が形成されている。
【0127】図15に示すように、配線基板113の表面には、下側内部配線106が設けられている。下側内部配線106の上面には、誘電体層109、109が設けられている。誘電体層109の上面には上側内部配線105が設けられている。上側内部電極105は、端子電極102の機能を兼ね備えている。
【0128】上側内部電極105のうち、半導体装置101の接地用端子に接続する一部の端子は、下側内部電極106と電気的に接続されている。また、上側内部電極105(端子電極102)には、バンプ電極107が電気的に接続されている。
【0129】このように構成された本実施例の半導体モジュールにおいては、上述した第1、第2の実施例と同様、端子電極102の高さばらつきを抑制することができる。そのため、多層基板103と半導体装置101とを安定した状態でフリップチップ接続することが可能となる。これにより、歩留まりの高い半導体モジュールが得られる。
【0130】また、端子電極102(上側内部電極105)の基板厚み方向の下方位置に電気機能素子(容量素子)100が形成されるので、上述した実施例1、2と同様の理由により、インピーダンスが小さくなり、その結果、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0131】さらに、端子電極102が上側内部電極105を兼ね備えているため、別途上側内部電極を設ける場合に比べ、半導体モジュールの小型化が図れる。
【0132】なお、配線基板113の両面に、本実施例のようにして電気機能素子100が形成されて、基板113の両面に半導体装置101が実装されるようにしてもよい。
【0133】また、内蔵させる電気機能素子100は容量素子に限るものではなく、インダクタまたは抵抗素子を内蔵したものであってもよい。
【0134】次に、本実施例の半導体モジュールに用いられる多層基板の製造方法について、図16(A)、図16(B)を用いて説明する。
【0135】まず、図16(A)に示すように、アルミナやガラス−セラミック複合材料等を絶縁層とする配線基板113が用意される。用意された配線基板113の表面に、下側内部電極106を含む配線パターンが印刷形成される。形成された配線パターンが50℃で5分間乾燥される。誘電体原料粉体に有機バインダを含んだスラリーが用意される。用意されたスラリーを用いて下側内部電極106上に、誘電体層のパターンが印刷形成される。形成された誘電体層のパターンが50℃で5分間乾燥されることで、誘電体109が形成される。
【0136】次に、図16(B)に示すように、誘電体層109の上に、上側内部電極105(端子電極102)が形成される。上側内部電極105は下側内部電極106と同様の方法で形成される。
【0137】半導体装置101のバンプ電極107と、端子電極102とが位置あわせされたうえで、半導体装置101が配線基板113にフリップチップ実装される。これにより半導体モジュールが完成する。
【0138】なお、導電性ペーストとしては、金属粉体に有機バインダおよび溶剤を十分に混合、混練たものから構成することができる。ここでいう金属粉体としては、特に限定するものではなく、例えば、銅、銀、金、パラジウム、白金、ニッケルまたはそれらの合金等が、焼成基板の材料や基板の製造条件、使用条件等に応じて適宜選択される。
【0139】誘電体層109の材料は、内蔵する所望の容量値、誘電体層109の厚さ、配線基板113や端子電極102の材料などにより適宜選択される。例えば、鉛系ペロブスカイト化合物が用いられ、配線基板用グリーンシートにガラスとアルミナの複合材料が用いられた場合、通常、焼成温度は850℃〜950℃の範囲で、焼成時間は0.1時間〜10時間に設定される。また、処理雰囲気は特に限定されるものではなく、例えば、大気、窒素、水素、またはそれらの混合ガス等が使用される。
【0140】なお、上述した本実施例の説明においては、アルミナ等の配線基板113に対して、内部配線105、106、誘電体層109が印刷形成される例を示した。しかしながら、未焼成のグリーンシートに内部配線105、106、誘電体層109が印刷形成されたのち、一括に焼成されてもよい。また、配線基板113として、多層基板が用いられてもよい。
【0141】(第8の実施例)図17は、本発明の第8の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図であり、図18は、本発明の第8の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す平面図であり、図19は、本発明の第8の実施例における半導体モジュールの製造方法の概略を示す工程断面図である。
【0142】第1〜第7の実施例においては、多層基板内に容量素子、インダクタまたは抵抗素子のいずれかが内蔵される構成であったのに対し、本実施例においては、多層基板の絶縁体層とは異なる誘電体の他に、抵抗体層、磁性体層が形成された機能層を含む電気機能素子が内蔵されている例が示されている。
【0143】図17に示すように、フリップチップ実装された半導体装置101と接続する端子電極102の基板厚み方向の下方位置に、誘電体層109と、抵抗体層119と磁性体層129とが設けられている。
【0144】このように、本実施例では、全ての端子電極102の基板厚み方向の下方位置に誘電体層109、抵抗体層119、磁性体層129のいずれかが必ず設けられている。それぞれの層109、119、129の端部は、端子電極102が形成されていない平面領域に設けられている。こうすることで、本実施例は、次のような利点を有している。すなわち、各端子電極102の直下位置ごとに異なる特性を有する層109、119、129が設けられたとしても、各端子電極102の基板厚み方向の下方位置には必ず、誘電体層109、抵抗体層119、磁性体層129のうちのいずれかの層が配置されることになる。そのため、端子電極102の高さ位置がばらつくことはない。
【0145】次に、図19(A)〜図19(C)を用いて、本実施例の半導体モジュールの製造方法が説明される。
【0146】まず、図19(A)に示すように、下側シート状絶縁体124が用意される。用意された下側シート状絶縁体124の一面に下側内部電極106が形成される。下側内部電極106が形成された下側シート状絶縁体124の上に誘電体層109が形成される。誘電体層109の形成は、第1の実施例と同様の方法で行われる。同様の方法で順次、抵抗体層119、磁性体層129が形成される。
【0147】次に、上側シート状絶縁体114が用意される。用意された上側シート状絶縁体114に導電体108が形成される。上側シート状絶縁体114の一面に端子電極102を含む配線パターンが形成される。上側シート状絶縁体114の他面に上側内部電極105を含む配線パターンが形成される。
【0148】上側シート状絶縁体114と下側シート状絶縁体124とが、80℃、50Kg/cm2の圧力で積層一体化されたのち、加熱炉にて大気中600℃で脱バインダ処理される。脱バインダ処理された積層体が850℃〜950℃の範囲で0.2時間焼成される。これにより、電気機能素子を内蔵した多層基板103が得られる。
【0149】その後、図19(B)で示すように、端子電極102と半導体装置101のバンプ電極107との位置合せが行われたうえで、バンプ電極107と端子電極102とが電気的に接続される。これにより、多層基板103に半導体装置101がフリップチップ実装されて、図19(C)に示す半導体モジュールが完成する。
【0150】なお、抵抗体層119の原料として、RuO2粉体とガラス粉体およびセルロース系樹脂の混合体を用いることができる。
【0151】このように構成された半導体モジュールにおいても、端子電極102の高さばらつきが抑えられる。そのため、半導体装置101を、安定した状態で多層基板103にフリップチップ接続することができる。
【0152】また、半導体装置101の各端子電極102ごとに、高周波特性に優れた所望の電気機能素子100を最短と見なせる配線距離で接続することができるため、高周波特性に優れた機能回路を含んだ多機能の半導体モジュールを実現することができる。
【0153】なお、本実施例の構成を、第4の実施例のように、多層基板103の両面に半導体装置101を実装する場合に適用してもよい。
【0154】また、内蔵させる電気機能素子100は、容量素子、インダクタまたは抵抗素子のうち少なくとも2つを内蔵したものであってもよい。
【0155】(第9の実施例)図20は、本発明の第9の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図である。
【0156】図20に示すように、全ての端子電極102の基板厚み方向下方位置に、誘電体層109が形成されており、さらにその下の異なる層に抵抗体層119または磁性体層129が形成されている。なお、抵抗体層119と磁性体層129とは、それぞれ異なる層に形成されているのが好ましい。誘電体層109、抵抗体層119、磁性体層129が設けられる全ての層において、端子電極102の基板厚み方向の下方位置にある基板領域には、必ず誘電体層109、抵抗体層119、磁性体層129が設けられている。
【0157】抵抗体層119としては、特に限定されるものではなく、焼結温度、抵抗率、温度特性などに応じて適宜選択することができる。例えば、RuO2粉体とガラス粉体およびセルロース系樹脂の混合体が用いられる。
【0158】磁性体層129としては、特に限定されるものではなく、焼結温度、透磁率、磁気損失、温度特性などに応じて適宜選択することができる。例えば、NiZnCu系、NiZn系、MnZn系、MgZn系等のスピネルフェライトやガーネットフェライトなどを例示することができる。特に、電気抵抗率が大きく、焼結温度が比較的低温であることから、NiZnCu系スピネルフェライトが有用である。
【0159】また、誘電体層109、抵抗体層119、磁性体層129は、それぞれの層において、印刷法等により配線電極がパターニングされたシート状の絶縁体の上に印刷等により形成される。
【0160】このように構成された半導体モジュールにおいても、端子電極102の高さばらつきを抑えることができる。そのために、半導体装置101を安定した状態で多層基板103にフリップチップ実装することができる。
【0161】また、半導体装置101の各端子電極102ごとに、高周波特性に優れた所望の電気機能素子100を最短距離と見なせる接続距離で接続することができる。そのため、高周波特性に優れた機能回路を含んだ多機能の半導体モジュールが実現される。
【0162】本実施例においては、誘電体層109が形成される層とは異なる層に抵抗体層119や磁性体層129が形成されている。そのため、容量素子、抵抗素子、インダクタ等が複合された電気機能素子100を内蔵した多層基板103の製造が容易になる。
【0163】なお、本実施例の構成を、第4の実施例のように、多層基板103の両面に半導体装置101を実装する構成において適用してもよい。
【0164】また、内蔵させる電気機能素子100は、容量素子、インダクタまたは抵抗素子のうち少なくとも2つを内蔵したものであってもよい。
【0165】(第10の実施例)図21は、本発明の第10の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図であり、図22は、本発明の第10の実施例における半導体モジュールの製造方法の概略を示す断面図である。
【0166】図21に示すように、端子電極102は、多層基板103の内部に設けられた上側内部電極105と下側内部電極106とに、導電体108を介してそれぞれ接続されている。
【0167】誘電体層109は、端子電極102の基板厚み方向の下方位置に選択的に設けられている。すなわち、図21に示すように、誘電体層109は端子電極102の基板厚み方向の下方位置に必ず形成されており、それ以外の不要な領域には形成されていない。
【0168】このような電気機能素子100が内蔵された多層基板103上の端子電極102に、半導体装置101がバンプ電極107を介してフリップチップ実装されている。さらに、半導体装置101の周囲が絶縁性の混合物118で充填されている。混合物118は無機質フィラーと熱硬化樹脂組成物とを含む材料から構成されている。混合物118には、半導体装置101の周囲に導電体108が形成されている。混合物118の表面には配線パターン117が形成されている。
【0169】熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂を用いることができ、無機フィラーとしてアルミナ、窒化ケイ素、ベリリア(BeO)、MgO、窒化アルミ、SiO2等を用いることができる。また必要であれば、カップリング剤、分散剤、着色剤が熱硬化性樹脂に添加されてもよい。
【0170】次に、図22を用いて、本実施例の半導体モジュールの製造方法について説明する。
【0171】第1の実施例および第2の実施例で説明した方法に基づいて作製した多層基板103に、半導体装置101がフリップチップ実装される。
【0172】一方、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物118がシート状に加工される。シート状に加工された混合物118に貫通孔が形成される。混合物118の貫通孔に導電性ペーストが充填されることで導電体108が形成される。
【0173】半導体装置101が実装された多層基板103と、混合物118と銅箔126とが互いに位置合せされたうえで積層される。その積層体がプレスにより加熱加圧される。これにより、半導体装置101の周囲が無機フィラーと熱硬化性樹脂の混合物118とで充填される。
【0174】無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物118をシート状に加工する工程は次のようにして行われる。すなわち、無機フィラーと液状の熱硬化性樹脂を混合してペースト状混練物が作製された後、一定厚みに成形されて熱処理されることで、未硬化状態のシート状混合物118が得られる。
【0175】無機フィラーとしてアルミナ粉末が用いられる。熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂が用いられる。シート状に加工される際には、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムで混合物118が挟まれ、加熱加圧により所定の厚さにプレスされる。この際、熱硬化性樹脂の硬化開始温度以下での熱処理が行われる。これにより、未硬化状態のシート状混合物118が得られる。例えば、エポキシ樹脂の硬化開始温度が130℃である場合は、熱処理温度は120℃、圧力は10kg/cm2とされる。プレスを行う際は、最終的に充填される半導体装置101の厚さよりも厚く形成することが必要となる。
【0176】その後、レーザー加工法やパンチング加工により貫通孔が形成される。貫通孔が印刷法などにより導電性ペーストで充填されることで、導電体108が形成される。導電性ペーストは、例えば、金や銀、銅の粉末の導電材料と、エポキシ樹脂と硬化剤からなる熱硬化性樹脂が混練されたものから構成される。
【0177】半導体装置101の周囲を混合物118で充填する工程は、混合物118中の熱硬化性樹脂が未硬化状態で実施される。具体的にはこの工程は、積層された半導体装置101と混合物118とを加圧処理することで実施される。
【0178】上記充填工程の後、上記積層体を175℃の加熱温度で1時間保持することで熱硬化性樹脂を硬化させる。これにより混合物118と導電体108とを完全に硬化させる。最後に、銅箔126がエッチング法等により加工されることで配線パターン117が形成される。
【0179】半導体装置101に対して混合物118が加圧される際において、混合物118は半導体装置101により圧縮される。これにより、銅箔126と半導体装置101との間に位置する混合物118は、他の箇所に位置する混合物118より強く圧縮される。そのため、銅箔126と半導体装置101との間に位置する混合物118は他の箇所の混合物118より無機質フィラーの充填率が高くなる。無機質フィラーは熱硬化性樹脂よりも大幅に熱伝導率が高い。したがって、無機質フィラーの充填率が高まることにより、半導体装置101の裏面は熱伝導性が高くなる。
【0180】本実施例の半導体モジュールにおいても、端子電極102の高さばらつきが抑えられるため、半導体装置101を安定した状態で多層基板103にフリップチップ接続することができる。したがって、歩留まりの高い半導体モジュールが得られる。
【0181】また、端子電極102の基板厚み方向の下方位置に電気機能素子100が形成されるので、端子電極102からみて最短距離と見なせる位置に電気機能素子が設けられる。これにより、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0182】さらに、半導体装置101の周囲に充填する混合物118において、熱伝導性の高い任意の無機質フィラーが添加されることで、放熱性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0183】なお、内蔵させる電気機能素子100は容量素子に限るものではなく、インダクタまたは抵抗素子を内蔵したものであってもよい。
【0184】また、本実施例においても、上側内部電極105の長手方向寸法H1と、下側内部電極106の長手方向寸法H2とが次のように設定されている。すなわち、長手方向寸法H1、H2が、半導体装置101に入力される電気信号の波長の1/4波長に相当する寸法(好ましくは1/8波長に相当する寸法)より小さく設定されている。これにより、内部電極105、106の長さ方向に沿って異なる位置における見かけ上のインピーダンスが互いにほぼ一致することになる。そのため、誘電体層109により構成される容量素子層がバイパスコンデンサとして十分機能することになる。
【0185】(第11の実施例)図23(A)、図23(B)は、本発明の第11の実施例における半導体モジュールの構成の概略を示す断面図、およびその製造方法の概略を示す断面図である。
【0186】本実施例は、第10の実施例で説明した半導体モジュールの単体を、導電体108が形成された無機質フィラーと熱硬化性樹脂とを介して複数層積層したものである。
【0187】図23(A)に示すように、端子電極102の基板厚み方向の下方位置には、誘電体層109、抵抗体層119、あるいは磁性体層129が設けられている。各層109、119、129の基板厚み方向の両面には、上側内部電極105と下側内部電極106とが設けられている。これにより、各層109、119、129は各種の電気機能素子100として機能する。
【0188】電気機能素子100を内蔵した多層基板103上に半導体装置101がフリップチップ実装された組が複数積層配置されている。それぞれの半導体装置101の周囲は、無機質フィラーと熱硬化性樹脂が混合されたシート状混合物118で充填されている。図23(A)において、多層基板103の半導体装置101が搭載されていない面と、半導体装置101が搭載された面とが導電体108を介して接続されている例を示したが、多層基板103の半導体装置101が搭載されていない面同士、若しくは、多層基板103の半導体装置101が搭載されている面同士を、導電体108を介して接続しても同様の効果が得られる。
【0189】次に、図23(B)を用いて、本実施例の半導体モジュールの製造方法について説明する。
【0190】まず、端子電極102の基板厚み方向の下方位置にある多層基板103内部領域に、誘電体層109と、抵抗体層119と、磁性体層129と、上側内部電極105と、下側内部電極106と、導電体108とが形成される。これらの形成方法は前述した各実施例で説明した方法と同様であるので、ここでは、詳しい説明は省略する。作製した多層基板103の上に半導体装置101がフリップチップ実装される。これにより、半導体モジュール125a、125bが形成される。
【0191】無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂の混合物をシート状に加工してなるシート状混合物118が複数枚用意される。それら混合物118に導電体108が充填形成される。
【0192】半導体モジュール125a、125bの間に混合物118を挟み込んだ状態で、半導体モジュール125a、125bと混合物118と銅箔126とが積層される。その際、導電体108は、半導体モジュール125aの電極パターン123と、半導体モジュール125bの電極パターン123とが電気的に接続される。
【0193】半導体モジュール125bの最外層に位置するシート状混合物118にある導電体108は、外部接続用の配線(銅箔126から構成される)に接続される。
【0194】次に、上記積層体が加熱加圧される。これにより、半導体装置101の周囲が混合物118で充填される。このときの加熱温度は、混合物118中の熱硬化性樹脂が硬化しない程度の加熱温度に設定される。
【0195】その後、混合物118中の熱硬化性樹脂が硬化する温度で上記積層体が加熱処理される。これにより、混合物118の熱硬化性樹脂および導電体108中の熱硬化性樹脂が完全に硬化される。最後に、銅箔126をエッチングなどによりパターニングすることにより、半導体モジュールが完成する。
【0196】複数の半導体装置101として、例えば、高速動作を行う同種のメモリを複数内蔵した構成にする。これにより、大容量のメモリを小型にすることができる。また、高速で動作する論理回路を含む素子と、高速動作するメモリのような異なる機能の半導体装置101とが内蔵されるようにすることもできる。さらに、表面側に発光素子もしくは受光素子が搭載され、内部側に増幅素子や論理演算を行う半導体装置101が内蔵されるようにすることもできる。そうすれば、1つのモジュールで全ての機能を実現する高周波特性に優れた半導体モジュールが実現される。
【0197】本実施例の半導体モジュールにおいても、端子電極102の高さばらつきが抑えられるため、半導体装置101を安定した状態でフリップチップ接続することができる。したがって、歩留まりの高い半導体モジュールを得ることができる。
【0198】また、端子電極102の基板厚み方向の下方位置に電気機能素子100が形成されるので、端子電極102からみて最短距離と見なせる位置に電気機能素子が設けられることになる。これにより、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0199】さらに、複数個の半導体装置101と電気機能素子100とを内蔵したモジュールが、高密度に3次元的に配置される。そのため、高周波特性に優れた極めて高密度な半導体モジュールが実現される。
【0200】なお、内蔵させる電気機能素子100は、容量素子、インダクタまたは抵抗素子のうち少なくとも1つを内蔵したものであればよい。
【0201】(第12の実施例)図24(A)〜図24(C)は、本発明の第12の実施例における半導体モジュールの製造方法の概略を示す工程断面図である。
【0202】まず、図24(A)に示すように、半導体装置101の入出力端子(図示省略)上に、ワイヤボンディング法またはめっき法によって、金等からなるバンプ電極107が形成される。
【0203】バンプ電極107を構成する金属は、貴金属によるもの以外に、半田による電極形成も可能であり、半田による電極形成と導電性接着剤の併用も可能である。線径が25μmの金線を用いてワイヤボンディング法によりバンプ電極107が形成される場合、バンプ電極107の高さは60μm〜100μmとなる。
【0204】一方、多層基板103が用意される。多層基板103としては次のものが用意される。すなわち、多層基板103の基板表面には端子電極102が設けられている。端子電極102の基板厚み方向の下方にある多層基板103の内部領域には誘電体層109と上側内部電極105と下側内部電極106とが設けられている。多層基板103の内部領域には、端子電極102と内部電極105、106とを電気的に接続する導電体108が設けられている。
【0205】次に、多層基板103の端子電極102上に、導電性接着剤111が印刷法等により供給される。導電性接着剤111としては、フレーク状の金,銀,銀―パラジウム合金の粒子が樹脂中に分散されたものが用いられる。
【0206】さらに、多層基板103上の半導体装置101が搭載される箇所の中央部に、バンプ電極107の高さと端子電極102の厚さとの合計よりも高くなるまで、熱硬化性樹脂115がディスペンサ等により供給される。
【0207】その後、図24(B)に示すように、バンプ電極107と端子電極102とが位置あわせされた状態で、多層基板103に半導体装置101が搭載される。その際、バンプ電極107が変形する圧力が半導体装置101の裏面から加えられる。そして、加圧と同時に加熱されて、熱硬化性樹脂115と導電性接着剤111とが硬化される。その際の圧力は、線径が25μmの金線を用いてバンプ電極107を形成した場合、1バンプ電極当たり50gの圧力となる。これにより、バンプ電極107は、40μm〜50μmの高さになるまで圧縮変形される。
【0208】その後、図24(C)に示すように、半導体装置101と多層基板103との間隙が、液状の樹脂組成物130で封止される。この場合、樹脂組成物130としてはエポキシ系の樹脂とシリカなどのフィラーとを含むものが好ましい。さらには、フィラーは樹脂組成物130内に均一に分散されているのが好ましい。
【0209】本実施例において、半導体装置101上にバンプ電極107を形成した後、端子電極102上に導電性樹接着剤111が供給されるようにした。しかしながら、例えば、バンプ電極107が半導体装置101上に形成された後、半導体装置101を多層基板103上に搭載する時に加える圧力よりも小さい圧力がバンプ電極107に加えられることで、バンプ電極107の高さが一定にレベリングされるようにしてもよい。この場合、レベリングされたバンプ電極107に対して導電性接着剤111が転写される。そして、半導体装置101が多層基板103に搭載されたのち、加熱加圧されることでバンプ電極107がさらに圧縮変形される。このようにすることで、バンプ電極107に転写される導電性接着剤111の量を容易に制御することができる。
【0210】本実施例の半導体モジュールにおいても、端子電極102の高さばらつきが抑えられるため、半導体装置101が安定した状態で多層基板103にフリップチップ接続される。したがって、歩留まりの高い半導体モジュールが得られる。
【0211】また、端子電極102の基板厚み方向の下方位置に電気機能素子100が形成されるので、端子電極102からみて最短距離と見なせる位置に電気機能素子100が設けられることになる。これにより、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0212】さらに、仮に端子電極102に高さばらつきがあったとしても、バンプ電極107が変形することで、安定した状態で半導体装置101と多層基板103とを接続することができる。
【0213】なお、多層基板103の両面に、熱硬化性樹脂115を介して半導体装置101を実装するようにしてもよい。
【0214】また、内蔵される電気機能素子100は、容量素子に限らず、インダクタまたは抵抗素子としてもよい。
【0215】(第13の実施例)図25(A)〜図25(G)は、本発明の第13の実施例における半導体モジュールの製造方法の概略を示す工程断面図である。
【0216】図25(A)に示すように、グリーンシート112と上側シート状絶縁体114とが用意される。グリーンシート112は、離型処理が施された支持基材121に張り付けられている。上側シート状絶縁体114は導電体108と上側内部電極105とが形成されている。用意されたグリーンシート112に貫通孔116が形成される。貫通孔116はパンチャもしくは金型による穴加工により形成される。
【0217】図25(B)に示すように、グリーンシート112と上側シート状絶縁体114とが位置あわせされて積層される。積層後、支持基材121は取り除かれる。
【0218】図25(C)に示すように、貫通孔116に印刷法により誘電体層109が充填される。誘電体層109としては、鉛系ペロブスカイト化合物の原料粉体に有機バインダを、ボールミルや3本ロールなどの混練機を使用して混合したスラリーが用いられる。
【0219】図25(D)で示すように、下側シート状絶縁体124が用意される。下側シート状絶縁体124には下側内部電極106と導電体108とが形成されている。
【0220】上側シート状絶縁体114とグリーンシート112とに対して、下側シート状絶縁体124が位置合わせされて積層される。これによりグリーンシート積層体122が作製される。
【0221】そして、図25(E)に示すように、グリーンシート積層体12の表面に端子電極102を含む最表層の電極パターンが形成される。電極パターンが形成されたグリーンシート積層体122が焼成される。焼成温度および焼成時間は、グリーンシート112と誘電体層109と上側シート状絶縁体114と下側シート状絶縁体124とを構成する各無機材料に応じて適宜設定される。例えば、上側シート状絶縁体114と下側シート状絶縁体124とが、ガラスとアルミナを主成分とするガラス−セラミックス複合材料から構成され、誘電体層109が鉛系複合ペロブスカイト化合物から構成される場合には、焼成温度は850℃〜950℃、焼成時間は0.1〜10.0時間に設定される。処理雰囲気は特に限定するものではなく、例えば、大気、窒素、水素またはそれらの混合ガスなどが使用される。
【0222】図25(F)に示すように、バンプ電極107が設けられた半導体装置101と端子電極102とが位置あわせされた後、半導体装置101がグリーンシート積層体122にフリップチップ実装される。これにより、図25(G)で示される半導体モジュールが完成する。
【0223】本実施例の半導体モジュールにおいても、端子電極102の高さばらつきが抑えられるため、半導体装置101を安定した状態で多層基板103にフリップチップ接続することができる。したがって、歩留まりの高い半導体モジュールが得られる。
【0224】また、端子電極102の基板厚み方向の下方位置に電気機能素子100が形成されるので、端子電極102からみて最短距離と見なせる位置に電気機能素子100が設けられることになる。これにより、高周波特性に優れた半導体モジュールが得られる。
【0225】なお、本実施例では、端子電極102の高さばらつきを抑えるグリーンシート112が、グリーンシート積層体122の全領域に渡って設けられていたが、少なくとも端子電極102の基板厚み方向の下方位置に設けられていればよい。
【0226】また、内蔵される電気機能素子100は、容量素子に限らず、インダクタまたは抵抗素子としてもよい。
【0227】さらに、グリーンシート積層体122の両面に、半導体装置101を実装するようにしてもよい。
【0228】この発明を詳細にその最も好ましい実施例について説明したが、その好ましい実施形態についての部品の組み合わせと配列は、この発明の精神と範囲とに反することなく種々変更することができるものである。
【0229】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、全ての端子電極の下方位置に選択的に電気機能層を設けたことにより、各端子電極の間の高さ位置が揃うことになり、これによって、多層基板の端子電極と半導体装置の入出力電極との間に隙間が生じることがなくなり、両電極を直接接触させて電気的に接続することが可能となる。これにより、半導体装置を多層基板に安定した状態でフリップチップ実装することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成14年6月5日(2002.6.5)
【代理人】 【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
【公開番号】 特開2003−60107(P2003−60107A)
【公開日】 平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願番号】 特願2002−163868(P2002−163868)