| 【発明の名称】 |
保護ダイオードを備えた半導体装置およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】井本 努 【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニー株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】保護ダイオードの特性ばらつきを低減し、熱的安定性を高め、リーク電流を抑制し、低容量化可能な保護ダイオードを備えた半導体装置を提供する。
【解決手段】半絶縁性半導体基板1に低濃度n型導電体層2と、n型導電層2とpn接合する高濃度p型導電層3,4とから保護ダイオード10を構成する。高濃度p型導電層3,4の間隔dを、降伏電圧BV以下の所望の電圧を印加したときに、低濃度n型導電体層2における高濃度p型導電層3と高濃度p型導電層4との間の部分が空乏化する間隔に設定する。そして、電圧を印加した場合に、低濃度n型導電層2における高濃度p型導電層3,4の間の部分が空乏化し、低濃度n型導電層2内部の電位勾配が降伏電界に達し、降伏が発生する。この原理を採用して降伏電圧BVを低濃度n型導電層2における高濃度p型導電層3,4の間隔dによって規定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半絶縁性基板に設けられた第1導電型の第1の導電体層と、上記第1の導電体層とpn接合をなす第2導電型の第2の導電体層と、上記第1の導電体層とpn接合をなすとともに上記第2の導電体層と離れた位置に設けられた第2導電型の第3の導電体層とからなる保護ダイオードを有し、上記第2の導電体層と上記第3の導電体層との間隔が、降伏電圧以下の所望の電圧を印加したときに、上記第1の導電体層における上記第2の導電体層と上記第3の導電体層との間の部分が空乏化する間隔に設定されていることを特徴とする保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項2】 上記降伏電圧以下の所望の電圧を印加したときに、上記第2の導電体層と上記第3の導電体層との間のすべての上記第1の導電体層が空乏化するように上記間隔が設定されていることを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項3】 上記第2の導電体層と上記第3の導電体層の拡散深さが、上記第1の導電体層の拡散深さより浅いことを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項4】 上記第2の導電体層における担体濃度が、上記第1の導電体層における担体濃度より大きいことを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項5】 上記第3の導電体層における担体濃度が、上記第1の導電体層における担体濃度より大きいことを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項6】 上記第1導電型がn型であり、上記第2導電型がp型であることを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項7】 上記第1導電型がp型であり、上記第2導電型がn型であることを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項8】 上記第2の導電体層とオーミック接触した第1の電極と、上記第3の導電体層とオーミック接触した第2の電極とを有することを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項9】 少なくとも抵抗素子を有して構成されることを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項10】 上記抵抗素子が、第1導電型の第4の導電体層と、上記第4の導電体層内に設けられた第1導電体の第5の導電体層および第6の導電体層とからなることを特徴とする請求項9記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項11】 上記抵抗素子における第4の導電体層の担体濃度が、上記第5の導電体層および上記第6の導電体層における担体濃度より低い濃度であることを特徴とする請求項10記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項12】 少なくとも接合型電界効果トランジスタを有して構成されていることを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項13】 上記接合型電界効果トランジスタが、第1導電型の第7の導電体層と、上記第7の導電体層内に設けられた第1導電型の第8の導電体層および第9の導電体層と、上記第7の導電体層内で、上記第8の導電体層および上記第9の導電体層の間に設けられた第2導電型のゲート拡散層とから構成されていることを特徴とする請求項12記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項14】 上記ゲート拡散層の担体濃度が上記第7の導電体層の担体濃度より高い濃度であるとともに、上記第8の導電体層および上記第9の導電体層の担体濃度が上記第7の導電体層の担体濃度より高い濃度であることを特徴とする請求項13記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項15】 上記半絶縁性基板が、半絶縁性GaAs基板であることを特徴とする請求項1記載の保護ダイオードを備えた半導体装置。 【請求項16】 半絶縁性基板に、第1導電型の第1の導電体層を形成する工程と、上記第1の導電体層とpn接合をなす領域に第2導電型の第2の導電体層を形成する工程と、上記第1の導電体層とpn接合をなす領域で、上記第2の導電体層とは離れた位置に第2導電型の第3の導電体層を形成する工程とから保護ダイオードを形成し、上記第2の導電体層と上記第3の導電体層とを、降伏電圧以下の所望の電圧を印加したときに上記第2の導電体層と上記第3の導電体層との間の上記第1の導電体層が空乏化するような間隔を隔てて形成するようにしたことを特徴とする保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項17】 上記第2の導電体層における担体濃度が、上記第1の導電体層における担体濃度より大きいことを特徴とする請求項16記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項18】 上記第3の導電体層における担体濃度が、上記第1の導電体層における担体濃度より大きいことを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造方法。 【請求項19】 上記第1導電型がn型であり、上記第2導電型がp型であることを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造方法。 【請求項20】 上記第1導電型がp型であり、上記第2導電型がn型であることを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造方法。 【請求項21】 さらに、上記第2の導電体層とオーミック接触する第1の電極と、上記第3の導電体層とオーミック接触した第2の電極とを形成する工程を有することを特徴とする請求項16記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項22】 第1導電型の第4の導電体層と、上記第4の導電体層中に設けられた第1導電体の第5の導電体層および第6の導電体層とからなる抵抗素子をさらに有し、上記第1の導電体層の形成と、上記抵抗素子における第4の導電体層とを同一工程で行うようにしたことを特徴とする請求項16記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項23】 上記抵抗素子における第4の導電体層の担体濃度が、上記第5の導電体層および上記第6の導電体層における担体濃度より低い濃度であることを特徴とする請求項22記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項24】 少なくとも接合型電界効果トランジスタを有して構成されていることを特徴とする請求項16記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項25】 上記接合型電界効果トランジスタが、第1導電型の第7の導電体層と、上記第7の導電体層内に設けられた第1導電型の第8の導電体層および第9の導電体層と、上記第7の導電体層内で、上記第8の導電体層および上記第9の導電体層の間に設けられた第2導電型のゲート拡散層とから構成されていることを特徴とする請求項24記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項26】 上記ゲート拡散層の担体濃度が上記第7の導電体層の担体濃度より高い濃度であるとともに、上記第8の導電体層および上記第9の導電体層の担体濃度が上記第7の導電体層の担体濃度より高い濃度であることを特徴とする請求項25記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。 【請求項27】 第2導電型の上記第2の導電体層および上記第3の導電体層と、第2導電型の上記ゲート拡散層とを同一工程で形成するようにしたことを特徴とする請求項25記載の保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、保護ダイオードを備えた半導体装置およびその製造方法に関し、特に、トランジスタや抵抗素子などを有する集積回路に適用して好適なものである。 【0002】 【従来の技術】従来、化合物半導体集積回路においては、種々の構成を有する保護ダイオードが提案されている。このような保護ダイオードには、適当な降伏電圧、低いオン抵抗、および低容量であることが要請される。 【0003】上述した要請のうちの適当な降伏電圧は、内部回路に損傷を与えないためである。また、低いオン抵抗は、高い過渡電流によって保護抵抗の端子電圧が上昇し、内部回路に高い電圧が加わるのを防ぐためである。また、低い容量は、回路の高周波特性の劣化を防止するためである。さらに、保護ダイオード自体においても、静電気などの尖頭ノイズ(サージ)によって壊れにくいという観点も重要である。 【0004】このような従来の保護ダイオードにおける構成の第1の従来例を図7に示す。図7に示すように、第1の従来例による保護ダイオードにおいては、半絶縁性GaAs基板101の上部に、選択的に、高濃度の第1のn型導電層102と第2のn型導電層103とが設けられている。また、半絶縁性GaAs基板101上には、窒化シリコン(SiN)からなるパッシベーション膜104が設けられている。このパッシベーション膜104の部分における、第1のn型導電層102および第2のn型導電層103の上方に、それぞれコンタクトホール104a,104bが設けられている。また、これらのコンタクトホール104a,104bを通じて、それぞれの第1のn型導電層102および第2のn型導電層103にそれぞれオーミック接触した、第1の電極105および第2の電極106が設けられている。 【0005】このように構成された第1の従来例による保護ダイオードは、n−i(半絶縁領域)−n構造を有している。そして、この構造におけるパンチスルー電流を用いて、保護ダイオードにおける意図しない静電気の放出を図るものである。 【0006】次に、従来の保護ダイオードにおける第2の従来例を図8に示す。図8に示すように、第2の従来例による保護ダイオードにおいては、第1の従来例による保護ダイオードにおいて、高濃度の第1のn型導電層102と第2のn型導電層103との間の半絶縁性GaAs基板101に、選択的に電子線を照射することにより、RIE損傷層107を形成する。 【0007】そして、この第2の従来例による保護ダイオードは、電子線の照射により電気的に活性な格子欠陥が生成されたRIE損傷層107を有し、このRIE損傷層107により、降伏電圧を制御するようにしたものである。 【0008】次に、従来の保護ダイオードにおける第3の従来例を図9に示す。図9に示すように、第3の従来例による保護ダイオードにおいては、半絶縁性GaAs基板101の上部に、高濃度n型導電層108が選択的に設けられている。また、この高濃度n型導電層108の上部に、選択的に、高濃度の第1のp型導電層109および第2のp型導電層110とが設けられている。また、半絶縁性GaAs基板101上には、SiNからなるパッシベーション膜104が設けられている。このパッシベーション膜104の部分における、第1のp型導電層109および第2のp型導電層110の上方に、それぞれコンタクトホール104a,104bが設けられている。また、これらのコンタクトホール104a,104bを通じて、それぞれの第1のp型導電層109および第2のp型導電層110にそれぞれオーミック接触した、第1の電極105および第2の電極106が設けられている。 【0009】この第3の従来例による保護ダイオードは、n+−p+−n+構造を有し、ツェナー降伏を利用して、サージを逃がすものである。 【0010】以上のような第1の従来例から第3の従来例による保護ダイオードによれば、所望の特性を有する保護素子を得ることは可能であると考えられる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、保護素子それ自体の特性のばらつきの低減、熱的安定性の向上、さらには、消費電力の低減という観点から、これらの保護ダイオードにおける構造のさらなる改善が望まれていた。 【0012】具体的には、第1の従来例のn−i−n構造を有する保護ダイオードにおいては、降伏電圧(ブレイクダウン電圧)は、i領域のトラップ密度に依存すると考えられる。そのため、所望の降伏電圧を得るためには、i領域のトラップ密度を正確に制御する必要がある。ところがトラップは種々の原因により発生する。そのため、正確な制御は非常に困難である。 【0013】また、第2の従来例による保護ダイオードにおいて採用されている、電子線を用いてトラップを意図的に導入する方法においては、保護ダイオード自体がサージによる発熱を繰り返し受ける素子であるため、降伏電圧の熱的安定性のさらなる向上を図る必要がある。 【0014】また、第3の従来例によるp+−n+−p+構造を有する保護ダイオードにおいては、降伏電圧に達しない通常の動作状態における接合リーク電流が高い。そのため、このp+−n+−p+構造を有する保護ダイオードを用いた集積回路において、その消費電流を増加させてしまうという問題がある。 【0015】したがって、この発明の目的は、保護ダイオードを備えた半導体装置において、保護ダイオードにおける特性ばらつきを低減し、その熱的安定性を高め、リーク電流を抑制することができ、さらに、低容量化することができる保護ダイオードを備えた半導体装置およびその製造方法を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明の第1の発明は、半絶縁性基板に設けられた第1導電型の第1の導電体層と、第1の導電体層とpn接合をなす第2導電型の第2の導電体層と、第1の導電体層とpn接合をなすとともに第2の導電体層と離れた位置に設けられた第2導電型の第3の導電体層とからなる保護ダイオードを有し、第2の導電体層と第3の導電体層との間隔が、降伏電圧以下の所望の電圧を印加したときに、第1の導電体層における第2の導電体層と第3の導電体層との間の部分が空乏化する間隔に設定されていることを特徴とする保護ダイオードを備えた半導体装置である。 【0017】この第1の発明において、好適には、降伏電圧以下の所望の電圧を印加したときに、第2の導電体層と第3の導電体層との間のすべての第1の導電体層が空乏化するように間隔が設定されている。 【0018】この第1の発明において、典型的には、第2の導電体層と第3の導電体層の拡散深さは、第1の導電体層の拡散深さより浅く構成されている。 【0019】この第1の発明において、典型的には、第2の導電体層における担体濃度は、第1の導電体層における担体濃度より大きい。また、この第1の発明において、典型的には、第3の導電体層における担体濃度は、第1の導電体層における担体濃度より大きい。また、この第1の発明において、第1の誘電体層と第2の誘電体層との間の容量、第1の誘電体層と第3の誘電体層との間の容量を低減する為に、好ましくは、少なくとも回路の動作状態によって、第2の導電体層および/または第3の導電体層から拡大していく空乏層が、第2の誘電体層および/または第3の誘電体層とpn接合をなす第1の誘電体層を突き抜けて、半絶縁性基板に達するようにする。 【0020】この第1の発明において、典型的には、第2の導電体層とオーミック接触した第1の電極と、第3の導電体層とオーミック接触した第2の電極とを有する。 【0021】この第1の発明において、典型的には、半導体装置は、少なくとも抵抗素子を有して構成される。また、この第1の発明において、好適には、抵抗素子は、第1導電型の第4の導電体層と、第4の導電体層内に設けられた第1導電体の第5の導電体層および第6の導電体層とからなる。また、抵抗素子における第4の導電体層の担体濃度は、第5の導電体層および第6の導電体層における担体濃度より低い濃度である。 【0022】この発明の第2の発明は、半絶縁性基板に、第1導電型の第1の導電体層を形成する工程と、第1の導電体層とpn接合をなす領域に第2導電型の第2の導電体層を形成する工程と、第1の導電体層とpn接合をなす領域で、第2の導電体層とは離れた位置に第2導電型の第3の導電体層を形成する工程とから保護ダイオードを形成し、第2の導電体層と第3の導電体層とを、降伏電圧以下の所望の電圧を印加したときに第2の導電体層と第3の導電体層との間の第1の導電体層が空乏化するような間隔を隔てて形成するようにしたことを特徴とする保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法である。 【0023】この第2の発明において、典型的には、第2の導電体層における担体濃度は、第1の導電体層における担体濃度より大きい。また、第2の発明において、典型的には、第3の導電体層における担体濃度が、第1の導電体層における担体濃度より大きい。 【0024】この第2の発明において、典型的には、さらに、第2の導電体層とオーミック接触する第1の電極と、第3の導電体層とオーミック接触した第2の電極とを形成する工程を有する。 【0025】この第2の発明において、典型的には、第1導電型の第4の導電体層と、第4の導電体層中に設けられた第1導電体の第5の導電体層および第6の導電体層とからなる抵抗素子をさらに有し、第1の導電体層の形成と、抵抗素子における第4の導電体層とを同一工程で行うようにする。そして、好適には、抵抗素子における第4の導電体層の担体濃度が、第5の導電体層および第6の導電体層における担体濃度より低い濃度である。 【0026】この発明において、典型的には、半導体装置は、少なくとも接合型電界効果トランジスタを有して構成されている。また、接合型電界効果トランジスタは、第1導電型の第7の導電体層と、第7の導電体層内に設けられた第1導電型の第8の導電体層および第9の導電体層と、第7の導電体層内で、第8の導電体層および第9の導電体層の間に設けられた第2導電型のゲート拡散層とから構成されている。そして、好適には、ゲート拡散層の担体濃度が第7の導電体層の担体濃度より高い濃度であるとともに、第8の導電体層および第9の導電体層の担体濃度が第7の導電体層の担体濃度より高い濃度である。そして、第2の発明の製造方法において、好適には、第2導電型の第2の導電体層および第3の導電体層と、第2導電型のゲート拡散層とを同一工程で形成する。なお、接合型電界効果トランジスタ以外にも、典型的には、金属−半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、金属−絶縁体−半導体電界効果トランジスタ(MISFET)、特に金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などを用いることも可能である。 【0027】この発明において、典型的には、第1導電型はn型であり、第2導電型はp型であるが、第1導電型をp型とし、第2導電型をn型とすることも可能である。 【0028】この発明において、典型的には、半絶縁性基板は、半絶縁性GaAs基板であるが、半絶縁性基板として、このほかに、インジウムリン(InP)基板や、リン化ガリウム(GaP)基板などを用いることも可能である。また、半絶縁性基板が、半絶縁性GaAsからなる場合、この半絶縁性GaAsは、典型的には、液体封止引き上げ法(LEC法)により結晶成長されたものである。 【0029】上述のように構成されたこの発明によれば、第1の導電体層中に設けられた第2の導電体層と第3の導電体層との間隔が、所望の降伏電圧を印加したときに、第1の導電体層における第2の導電体層と第3の導電体層との間の部分が空乏化する間隔に設定されていることにより、電圧を印加した際に、第1の導電体層における第2の導電体層と第3の導電体層との間の部分が空乏化し、この第1の導電体層内部の電位勾配が降伏電界に達することによって、降伏が発生するという原理を利用することができ、降伏電圧を、第1の導電体層における第2の導電体層と第3の導電体層との間の間隔によって律することができる。 【0030】 【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。 【0031】まず、この発明の一実施形態によるnチャネル型接合型電界効果トランジスタ(nチャネル型JFET)と半導体抵抗素子とが設けられた、保護ダイオードを備えた半導体装置について説明する。図1Aに、この一実施形態による保護ダイオードを示し、図1Bに、この一実施形態によるnチャネル型JFETを示し、図1Cに、この一実施形態による半導体抵抗素子を示す。 【0032】図1Aに示すように、この一実施形態による保護ダイオード10においては、例えば半絶縁性GaAs基板などの半絶縁性半導体基板1の上部に、選択的に、n型不純物が低濃度にドープされた低濃度n型導電層2が設けられている。また、低濃度n型導電層2内の上部に、選択的に、p型不純物が高濃度にドープされた高濃度p型導電層3,4が設けられている。これらの高濃度p型導電層3,4は、所望とする降伏電圧BVによって設定される間隔dを隔てて設けられている。すなわち、低濃度n型導電層2の不純物濃度は、所望の降伏電圧BVが、高濃度p型導電層3,4の間の間隔dによって決定可能な程度の、低い濃度に設定される。 【0033】また、半絶縁性半導体基板1上には、表面保護を目的として、全面に例えばSiNからなるパッシベーション膜5が設けられている。このパッシベーション膜5の膜厚は、50nm〜1μmの範囲内に選ばれ、この一実施形態においては、例えば50nmに選ばれる。また、保護ダイオード10におけるパッシベーション膜5の部分には、コンタクトホール5a,5bが設けられている。そして、コンタクトホール5aを介して高濃度p型導電層3にオーミック接触した電極6が設けられているとともに、コンタクトホール5bを介して高濃度p型導電層4にオーミック接触した電極7が設けられている。これらの電極6,7は、例えばTi膜、白金(Pt)膜および金(Au)膜を順次積層したTi/Pt/Au膜からなる。また、この一実施形態においては、電極6,7を構成する積層膜のうちの、Ti膜の膜厚が例えば50nm、Pt膜の膜厚が例えば50nm、Au膜の膜厚が例えば600nmである。 【0034】また、この一実施形態による保護ダイオード10においては、高濃度p型導電層3と、高濃度p型導電層4との間隔dは、所望とする降伏電圧(ブレイクダウン電圧)に基づいて決定される。すなわち、本発明者の知見によれば、保護ダイオードにおける降伏電圧は、高濃度p型導電層3,4の間隔dに依存する。そして、その近似式は、下記の(1)式のように表すことができる。 【数1】
なお、上式のEmは、下記の(2)のように表すことができる。 【数2】
【0035】また、上式に使用されているそれぞれの文字について、以下に示す。 ND:低濃度n型導電層2の実効的ドナー濃度Em:p++−nダイオード(高濃度p型導電層3,4と低濃度n型導電層2とからなるダイオード)のアバランシェ降伏時の最大電界であり、基板材料(Si,GaAs,GaP、Ge)と、この基板材料の不純物濃度によって決定する最大電界(図2(アバランシェ降伏時の空乏層幅Wmおよび、最大電界Emの、不純物濃度依存性)、図3(アバランシェ降伏時の空乏層幅Wmおよび、最大電界Emの、不純物濃度勾配依存性)参照) Wm:p++−nダイオード(高濃度p型導電層3,4と低濃度n型導電層2とからなるダイオード)のアバランシェ降伏時の空乏層幅ε0:真空誘電率εr:低濃度n型導電層2の比誘電率q :単位電荷量【0036】以上の(1)式および(2)式に基づいて、設計される半導体装置において所望とする降伏電圧BVを確保可能なように、高濃度p型導電層3,4の間隔dを決定し、その間隔に形成する。具体的には、この一実施形態による半導体装置における所望の降伏電圧BVが、7Vである場合、高濃度p型導電層3,4の間隔dを、約0.3μm(300nm)とする。このように間隔dを設定することにより、BV=7Vのときに、保護ダイオード10をブレイクダウンさせることが可能となる。すなわち、一方の空乏層が他方の接合に達する電圧をV1とし、降伏電圧をBVとしたときに、V1≦BVとなるように間隔を定める。 【0037】また、図1Bに示すように、この一実施形態による接合型電界効果トランジスタ(JFET)20においては、保護ダイオード10におけると共通の半絶縁性半導体基板1の上部に、選択的に、n型不純物が低濃度にドープされた低濃度n型導電層21が設けられている。また、低濃度n型導電層21内の上部に、選択的に、p型不純物が高濃度にドープされた一対の高濃度p型導電層22,23が設けられている。この一対の高濃度p型導電層22,23の間の部分における低濃度n型導電層21の上部には、p型不純物が高濃度にドープされたp+型のゲート拡散層24が設けられている。また、JFET20における半絶縁性半導体基板1の全面に、保護ダイオード10におけると共通のパッシベーション膜5が設けられている。また、JFET20のパッシベーション膜5の部分には、コンタクトホール5c,5d,5eが設けられている。そして、コンタクトホール5cを介して高濃度n型導電層22にオーミック接触したソース電極25が設けられているとともに、コンタクトホール5eを介して高濃度n型導電層23にオーミック接触したドレイン電極26が設けられている。また、コンタクトホール5dを介してゲート電極27が設けられている。そして、これらのソース電極25、ドレイン電極26およびゲート電極27は、保護ダイオード10における電極6,7と同様のTi/Pt/Au膜から構成される。 【0038】また、図1Cに示すように、この一実施形態による半導体抵抗素子30においては、保護ダイオード10およびJFET20におけると共通の半絶縁性半導体基板1の上部に、選択的に、n型不純物が低濃度にドープされた低濃度n型導電層31が設けられている。また、低濃度n型導電層31内の上部に、選択的に、n型不純物が高濃度にドープされた高濃度n型導電層32,33が設けられている。また、半導体抵抗素子30における半絶縁性半導体基板1の全面に、保護ダイオード10およびJFET20におけると共通のSiNからなるパッシベーション膜5が設けられている。また、半導体抵抗素子30におけるパッシベーション膜5の部分には、コンタクトホール5f,5gが設けられている。そして、コンタクトホール5fを介して高濃度n型導電層32にオーミック接触した電極34が設けられているとともに、コンタクトホール5gを介して高濃度n型導電層33にオーミック接触した電極35が設けられている。これらの電極34,35は、保護ダイオード10における電極6,7におけると同様の、Ti/Pt/Au膜からなる。 【0039】以上のようにして、この一実施形態による保護ダイオード10、JFET20、および半導体抵抗素子30を少なくとも有する半導体装置が構成されている。 【0040】次に、以上のように構成された保護ダイオードを備えた半導体装置の製造方法について、図4から図6を参照しつつ説明する。 【0041】すなわち、図4に示すように、まず、例えばイオン注入法により、半絶縁性半導体基板1に所定の条件で例えばSiなどのn型不純物を選択的に導入する。その後、Asを所定の圧力とした雰囲気中において、例えば約850℃の温度に加熱して活性化アニールを行うことにより、導入されたn型不純物を活性化させる。この工程によって、図4Aに示す保護ダイオード10の低濃度n型導電層2、図4Bに示すJFET20の低濃度n型導電層21、および図4Cに示す半導体抵抗素子30の低濃度n型導電層31がそれぞれ形成される。その後、例えばSiなどのn型不純物を選択的にイオン注入する。これにより、JFET20の低濃度n型導電層21の上部に高濃度n型導電層22,23が形成されるとともに、半導体抵抗素子30の低濃度n型導電層31の上部に、高濃度n型導電層32,33が形成される。 【0042】次に、例えばプラズマCVD法により、半絶縁性半導体基板1上に例えばSiNからなるパッシベーション膜5を形成する。ここで、このCVD法による成膜条件の一例を挙げると、反応ガスとして、シラン(SiH4)ガスと窒素(N2)ガスとの混合ガスを用いる。 【0043】次に、リソグラフィ工程により、パッシベーション膜5上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンは、JFET20におけるゲート電極27の形成領域に開口を有するとともに、保護ダイオード10の電極6,7の形成領域に開口を有する。次に、このレジストパターンをマスクとして、例えばRIE法により、ゲート領域のパッシベーション膜5をエッチングする。これにより、JFET20のゲート拡散層24の上方におけるパッシベーション膜5の部分にコンタクトホール5dが形成されるとともに、保護ダイオード10の高濃度p型導電層3,4の上方におけるパッシベーション膜5の部分に、それぞれコンタクトホール5a,5bが形成される。ここで、このエッチングにおけるエッチングガスとしては、例えばCF4にH2またはO2を添加した混合ガスが用いられる。 【0044】次に、レジストパターンを除去した後、半絶縁性半導体基板1を拡散炉(図示せず)内に入れる。そして、例えばジエチルジンク(Zn(C2H5)2)を拡散源として含む雰囲気中で、半絶縁性半導体基板1を加熱する。これにより、コンタクトホール5dを通じて低濃度n型導電層21中にp型不純物のZnを拡散させて、p型のゲート拡散層24を形成するとともに、コンタクトホール5a,5bを通じて、低濃度n型導電層2中にp型不純物のZnを拡散させてそれぞれ高濃度p型導電層3,4を形成する。一般に、JFET20のゲート拡散層24の形成においてZnが用いられる場合、その濃度は、拡散フロントにおいて例えば2×1019/cm3である。 【0045】次に、図6に示すように、リソグラフィ工程により、パッシベーション膜5上に、図6Bに示すJFET20におけるソース電極25およびドレイン電極26の形成領域、および図6Cに示す半導体抵抗素子30における電極34,35に対応するそれぞれの部分に、それぞれ開口を有するレジストパターン(図示せず)を形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして、例えばRIE法により、例えばCF4にH2またはO2を添加した混合ガスを用いて、パッシベーション膜5をエッチングする。これにより、JFET20のパッシベーション膜5にコンタクトホール5c,5eが形成されるとともに、半導体抵抗素子30のパッシベーション膜5にコンタクトホール5f,5gが形成される。その後、レジストパターンを除去する。 【0046】次に、パッシベーション膜5の全面に例えば真空蒸着法によりTi/Pt/Au膜を形成する。その後、リソグラフィ工程により、保護ダイオード10における電極6,7、JFET20におけるゲート電極27および半導体抵抗素子30における電極34,35に対応する形状のレジストパターン(図示せず)を形成する。その後、このレジストパターンをマスクとして、例えばイオンミリング法によりTi/Pt/Au膜をパターニングする。これによって、パッシベーション膜5のコンタクトホール5a,5bの部分にそれぞれ電極6,7、コンタクトホール5c,5d,5eの部分にそれぞれソース電極25、ゲート電極27、ドレイン電極26、およびコンタクトホール5f,5gの部分にそれぞれ電極34,35が形成される。なお、電極6,7,34,35、ソース電極25およびドレイン電極26と、ゲート電極27とを別の工程において形成するようにしても良く、ゲート電極27をTi/Pt/Au膜から構成するとともに、電極6,7,34,35、ソース電極25およびドレイン電極26をAuGe/Ni膜から構成するようにしても良い。 【0047】以上により、図1Aに示す保護ダイオード10、図1Bに示すJFET20、および図1Cに示す半導体抵抗素子30を有する、この一実施形態による半導体装置が製造される。 【0048】以上説明したように、この一実施形態によれば、半絶縁性半導体基板1に設けられた低濃度n型導電体層2と、この低濃度n型導電層2とpn接合をなす高濃度p型導電層3,4とからなる保護ダイオード10における、高濃度p型導電層3,4の間隔dを、所望の降伏電圧(ブレイクダウン電圧)BVのときに、低濃度n型導電体層2における高濃度p型導電層3と高濃度p型導電層4との間の部分が空乏化する間隔に設定するようにしていることにより、電圧を印加した際に、低濃度n型導電層2における高濃度p型導電層3,4の間の部分が空乏化し、低濃度n型導電層2内部の電位勾配が降伏電界に達することによって、降伏が発生するという原理を利用し、降伏電圧BVを、低濃度n型導電層2における高濃度p型導電層3,4の間隔によって律することができる。したがって、保護ダイオードにおける特性のばらつきを容易に制御することができ、ばらつきの抑制を図ることができる。また、意図しないトラップの影響を受けにくくなるため、降伏電圧が経時変化を起こしにくくなる。さらに、保護ダイオード10の熱的安定性を高めることができるとともに、リーク電流を抑制することができる。また、保護ダイオード10において、高濃度p型導電層3,4の拡散深さを低濃度n型導電層2の拡散深さより浅くし、電圧を印加した際に生じる空乏層を、低濃度n型導電層2より下にまで広げることができるので、保護ダイオード10の低容量化を図ることが可能となる。 【0049】以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。 【0050】例えば、上述の一実施形態において挙げた数値、材料、電極の積層構造はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、材料、電極の積層構造を用いてもよい。 【0051】また、例えば上述の一実施形態においては、基板として、半絶縁性GaAs基板を用いているが、半絶縁性GaAs基板以外にも、リン化ガリウム(GaP)基板やSi基板などを用いることも可能である。 【0052】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、第1の導電体層中に設けられた第2の導電体層と第3の導電体層との間隔が、所望の降伏電圧を印加したときに、第1の導電体層における第2の導電体層と第3の導電体層との間の部分が空乏化する間隔に設定されていることにより、電圧を印加した際に、第1の導電体層における第2の導電体層と第3の導電体層との間の部分が空乏化し、この第1の導電体層内部の電位勾配が降伏電界に達することによって、降伏が発生するという原理を利用することができ、降伏電圧を、第1の導電体層における第2の導電体層と第3の導電体層との間の間隔によって律することができる。したがって、保護ダイオードにおける特性のばらつきの制御を容易に行うことができるので、ばらつきを抑制することができる。また、意図しないトラップの影響を受けにくくなるため、降伏電圧が経時変化を起こしにくくなる。さらに、保護ダイオードにおける熱的安定性を高めることができるとともに、リーク電流を抑制することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社 【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号
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| 【出願日】 |
平成13年8月9日(2001.8.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082762 【弁理士】 【氏名又は名称】杉浦 正知
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| 【公開番号】 |
特開2003−60045(P2003−60045A) |
| 【公開日】 |
平成15年2月28日(2003.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2001−242052(P2001−242052) |
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