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【発明の名称】 コイルボビン
【発明者】 【氏名】岡野 幸平
【住所又は居所】埼玉県坂戸市千代田5丁目5番30号 株式会社タムラ製作所埼玉事業所内

【氏名】羽賀 勇二
【住所又は居所】埼玉県坂戸市千代田5丁目5番30号 株式会社タムラ製作所埼玉事業所内

【氏名】相川 淳
【住所又は居所】埼玉県坂戸市千代田5丁目5番30号 株式会社タムラ製作所埼玉事業所内

【要約】 【課題】上側フランジの両側に貫通孔を形成しないようにし大型化を防止し、また、端子台に破損し易い長いアームを形成せず、容易に端子台をフランジに取付けることができるトランス用コイルボビンを提供する。

【解決手段】巻胴部(2)の上端側に形成した上側フランジ(3)の一端部に端子台取付部(5)を形成し、この端子台取付部(5)に別体の端子台(8)を取付可能としたコイルボビンにおいて、前記端子台取付部(5)の内側にリブ(7)を形成し、このリブ(7)の上部に複数個の板状の壁を形成し、前記端子台(8)の内端部に前記壁を挿通する複数個の貫通穴(17)を形成した構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 巻胴部(2、2A、2B)の上端側に形成した上側フランジ(3、3A、3B)の一端部に端子台取付部(5、5A、5B)を形成し、この端子台取付部(5、5A、5B)に別体の端子台(8、8A、8B)を取付可能としたコイルボビンにおいて、前記端子台取付部(5、5A、5B)の内側にリブ(7)を形成し、このリブ(7)の上部に複数個の板状の壁を形成し、前記端子台(8、8A、8B)の内端部に前記壁を挿通する複数個の貫通穴(17)を形成したことを特徴とするコイルボビン。
【請求項2】 請求項1記載のコイルボビンにおいて、前記端子台(8、8A、8B)の内面に係合用突起(14)を形成し、前記壁に前記係合用突起(14)と係合する貫通穴(9a)または窪み(9b)を形成したことを特徴とするコイルボビン。
【請求項3】 請求項1記載のコイルボビンにおいて、前記端子台(8、8a、8b)の内端部に前記リブ(7)の外側に位置する外側挟持片(16)と前記リブ(7)の内側に位置する凹部(13)を形成し、これらによって前記リブ(7)を挟み込むことを特徴とするコイルボビン。
【請求項4】 請求項1記載のコイルボビンにおいて、前記端子台(8、8a、8b)の内端部に前記リブ(7)の外側に位置する外側挟持片(16)と前記リブ(7)の内側に位置する凹部(13)を形成し、さらに内側挟持片(15)を形成し、これらによって前記リブ(7)を挟み込むことを特徴とするコイルボビン。
【請求項5】 請求項1記載のコイルボビンにおいて、前記端子台取付部(5、5A、5B)の上面に少なくとも2以上の補強用リブ(18、18A)を形成したことを特徴とするコイルボビン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、DVDの普及に伴う大型AVアンプ等に用いられるトランス用コイルボビン、詳しくは別体の端子台を取付けてなるコイルボビンに関する。
【0002】この種のコイルボビンとして、日本国公開実用新案1981−118376号に示されるように、コイルボビンと端子台とがそれぞれ別々に形成され、組立時にコイルボビンのフランジに端子台を取付けるものがある。
【0003】図13は、上記従来例のコイルボビン30のフランジ部分の斜視図とそのフランジ部分に取付けられる端子台31の斜視図を示す。
【0004】この従来例ではコイルボビン30の上側フランジ32の端部に形成した端子台取付部の両端に端子台取付用の貫通孔33を形成している。また、端子34が植設された端子台31の下面の両端に取付用の長いアーム35を形成し、アーム35の先端外側にフック36を形成している。
【0005】端子台31をコイルボビン30の上側フランジ32の端子台取付部に取付ける場合、先端にフック36が形成されたアーム35を、上側フランジ32の貫通孔33に挿通し、フック36を上側フランジ32の下面側まで到達させ、フック36によって端子台31の抜けを防止し、上側フランジ32の端子台取付部に端子台31を固定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この従来例のコイルボビン30においては上側フランジ32の両側に端子台31を取付けるための貫通孔33を形成するスペースを確保しなければならないため、その分、外形が大きくなってしまう、という課題があった。
【0007】また、端子台31に形成した成形品からなる長いアーム35は割れ易い、という課題があった。
【0008】この発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目的とするところは、上側フランジの両側に貫通孔を形成しないようにし大型化を防止し、端子台には破損し易い長いアームを形成せず、容易に端子台をフランジに取付けることができ、また、成形品からなる端子台が反っても取付けによってその反りを矯正し得るトランス用コイルボビンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、巻胴部2、2A、2Bの上端側に形成した上側フランジ3、3A、3Bの一端部に端子台取付部5、5A、5Bを形成し、この端子台取付部5、5A、5Bに別体の端子台8、8A、8Bを取付可能としたコイルボビンにおいて、前記端子台取付部5、5A、5Bの内側にリブ7を形成し、このリブ7の上部に複数個の板状の壁を形成し、前記端子台8、8A、8Bの内端部に前記壁を挿通する複数個の貫通穴17を形成した構成とすることにより、上記目的を達成している。
【0010】また、前記端子台8、8A、8Bの内面に係合用突起14を形成し、前記壁に前記係合用突起14と係合する貫通穴9aまたは窪み9bを形成したことを特徴とする。
【0011】また、前記端子台8、8A、8Bの内端部に前記リブ7の外側に位置する外側挟持片16と前記リブ7の内側に位置する凹部13を形成し、これらによって前記リブ7を挟み込むことを特徴としている。
【0012】さらに、前記端子台8、8A、8Bの内端部に前記リブ7の外側に位置する外側挟持片16と前記リブ7の内側に位置する凹部13を形成し、さらに内側挟持片15をも形成し、これらによって前記リブ7を挟み込むことを特徴としている。
【0013】また、前記端子台取付部5の上面に少なくとも2以上の補強用リブ18、18Aを形成したことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明では、コイルボビン1の上側フランジ3、3A、3Bに形成されたコア位置決め用のリブ7を利用し、リブ7の一部を上方に延ばし端子板取付用の横長であって板状の中央壁9、その両側に側壁10をそれぞれ形成し、また、端子板8の内端部のデッドスペースを利用して、そこに側壁10が挿入される横長であって矩形の貫通穴17を形成したため、コイルボビン1や端子台8が大型化することはない。
【0015】また、横長の成形品からなる端子台8、8A、8Bが深い引出溝を形成したことによって外側に反っても、端子台取付部5に取付ける際、端子台8の内端部両側に形成した貫通穴17内にそれぞれ側壁10を挿入して取付けるようにしたため、反りを矯正して取付けることができる。
【0016】
【実施例1】以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。図1は本発明の第1実施例の要部の分解斜視図を示す。図2はその組立状態を示す。図3は図2中A−A’線断面図、図4は図2中B−B’線断面図、図5は図2中B−B’線断面部分の他の例を示す。
【0017】図1〜図4において、コイルボビン1はその外周にコイル(図示せず)が巻回され、内部にコアの中央脚(図示せず)が挿入される中空状の巻胴部2を有している。この巻胴部2は一対の長辺2aと一対の短辺2bとからなる角筒状に形成されている(図1参照)。
【0018】巻胴部2の上部には上側フランジ3が形成され、かつ下部には下側フランジ4が形成されている。
【0019】上側フランジ3の一端部には外側に張り出した端子台取付部5が形成されている。この端子台取付部5は巻胴部2の一方の短辺2b側において外側に向って突設されている。
【0020】端子台取付部5の外端部には適間隔で複数個のリード線を引出すための引出溝6が形成されている。また、端子台取付部5の内端部には端子台取付用のリブ7が立設されている。このリブ7はコア(図示せず)の位置決め用の部材としても機能する。
【0021】リブ7の上部の高さは凹凸状をなし、中央部には端子台8を取付けた場合その抜けを防止するための貫通穴9aを有する矩形であって板状の中央壁9が形成されている。また、その両側には矩形であって板状の側壁10がそれぞれ形成されている。
【0022】端子台8の平面形状は横長の長方形をなし、その長辺側の長さは、端子台取付部5のリブ7の長さとほぼ同じに形成されている。
【0023】端子台8の外端部にはリード線案内用の引出溝11が適間隔でもって複数形成されている。これらの引出溝11の数は端子台取付部5側の引出溝6と同じでなくても良いが、端子板8を端子台取付部5に取付けた場合、いずれかの引出溝6と引出溝11とはほぼ同じ位置となり、整合する。
【0024】また、端子台8の上面には端子12が適間隔でもって複数設けられている。この端子12はほぼU字形をなし、下部は端子板8に埋設され、外側端子12a、内側端子12bが端子板8の上面から上方に向って突出している。なお、端子12は必ずしもU字形のものでなくても良い。
【0025】端子板8の内面中央には凹部13が形成され、この凹部13の中央部には端子板8を端子台取付部5に上方から取付けた場合の上方向の抜けを防止する係合用の突起14が形成され、この突起14は中央壁9の係合用の貫通穴9aに挿入される。
【0026】凹部13の両側であって端子板8の下面内側にはリブ7の外面側に位置する内側挟持片15が設けられている。また、これら内側挟持片15の外側にはリブ7の内面側に位置して当接する外側挟持片16が形成され、内、外の挟持片15、16によってリブ7を挟み込むように構成されている。
【0027】なお、リブ7はその外側に位置する外側の挟持片16と、リブ7の内側に位置する凹部13とによっても挟み込まれる。このため、内側の挟持片15は必ずしも必要とせず、なくても良い。但し、内側の挟持片15を設ければ、それだけリブ7を外側挟持片16、凹部13および内側挟持片15によって確実に挟み込むことができる。
【0028】また、端子板8の内端部両側にはリブ7からなる側壁10挿入用の貫通穴17がそれぞれ形成されている。
【0029】図13に示した従来例では、貫通穴33をコイルボビン30の上側フランジ32の端子板取付部の両側に設け、端子板31のアーム35のフック30を係合させていた。このため、端子板取付部の両側に貫通穴33を設けるスペースを確保しなければならず、端子板取付部の長さが長くなってしまい、コイルボビン30の形状が大きくなるとともに、端子台3の形状も大きくなる欠点を有していた。
【0030】この発明では、コイルボビン1の上側フランジ3のコア位置決め用のリブ7を利用し、リブ7の一部を上方に延ばし端子板取付用の横長であって板状の中央壁9、側壁10を形成し、また、端子板8の内端部のデッドスペースを利用して、側壁10が挿入される横長であって矩形の貫通穴17を形成したため、コイルボビン1や端子台8が大型化することはない。
【0031】次に、コイルボビン1の上側フランジ3の端子台取付部5に端子板8を取付ける場合について説明する。
【0032】図1に示すように、端子台取付部5の上方に端子板8を位置させ、端子台取付部5に向って下動させ、図2および図3に示すように、各貫通孔17の内部に各側壁10を挿入させ取付ける。また、外側挟持片16および凹部13によってリブ7を挟み込み端子板8のガタ付きを確実に防止でき、かつ端子台8を堅固に端子台取付部5に取付けることができる。端子板8の下面に内側挟持片15を形成しておけば、端子板8を端子台取付部5により堅固に取付けることができる。
【0033】また、端子板8の凹部13の突起14は、図1、図2および図4に示すように、端子台取付部5の中央壁9の貫通穴9a内に挿入・係合させれば、端子板8の上方向の抜けを防止することができる。この場合、抜け止め防止用の突起14は端子板8を端子台取付部5に取付ける妨げにならないように、突起14のリブ高さを高くしていないので、取り付け、貫通穴9aへの挿入をスムーズに行うことができる。
【0034】なお、貫通穴9aに代え、図5に示すように、窪み9bとし、この窪み9bに突起14を挿入・係合させ、端子板8の上方向の抜けを防止するようにしても良い。
【0035】
【実施例2】図6は本発明の第2実施例の要部の分解斜視図、図7は同上の組立状態の斜視図、図8は図7中C−C’線断面図を示す。
【0036】この実施例では、図6に示すように、端子台取付部5の上面両側に補強用のリブ18をそれぞれ形成したことに特徴を有している。
【0037】したがって、図7、図8に示すように、端子板8を端子台取付部5に取付けた場合、補強用リブ18によって端子板8は支えられる。両側にリブ18を形成したのはバランス良く安定して支えることができるようにしたためである。
【0038】その他の構成は前述の第1実施例と同様である。
【0039】
【実施例3】図9は本発明の第3実施例を示す。この実施例では、端子台取付部5の中央壁9と側壁10との間にも補強用リブ18をそれぞれ形成したことに特徴を有している。その他の構成は前述の実施例と同様である。
【0040】補強用リブ18の数は少なくとも2以上であれば良く、端子台の大きさに応じ適宜増減し得る。補強用リブ18の位置についても適宜好ましい位置に設ければ良い。
【0041】
【実施例4】図10(a)は本発明の第4実施例を示す。この実施例では端子台8の長さを長くし、外側から内側に向って深く切込まれた引出溝11Aを多数形成した例を示す。その他の構成は前述の実施例と同様である。
【0042】このように、溝の深い多数の引出溝11Aとした成形品からなる端子台8は、図10(b)に示すように、反ってしまい変形するおそれがある。
【0043】しかしながら、本発明の端子台8は、貫通孔17に図1等に示した側壁10を挿入する構成としているため、端子台8の反りを容易に矯正することができる。
【0044】
【実施例5】図11は本発明の第5実施例の分解斜視図、図12は同上の組立状態図を示す。
【0045】この実施例では、外側コイルボビン19と、内側コイルボビン20とからなる2重構造のコイルボビンに本発明を適用したものである。各部分の基本構成は第1〜第3実施例と同様である。
【0046】すなわち、外側コイルボビン19の上側フランジ3Aの一端部に、端子台取付部5Aが形成され、この端子台取付部5Aに端子台8Aが取付可能に構成されている。
【0047】端子台8Aは、図10(a)に示したように、長い形状に形成され、その長さ方向に間隔を介し多数の端子12Aが植設されている。また、深い溝の引出溝11Aが各端子12Aの間に形成されている。さらに、端子台8Aの内端部両側には貫通穴17が形成されている。
【0048】外側コイルボビン19の外側フランジ3Aの一方に形成された端子台取付部5Aは端子台8Aに対応して長い形状に形成されている。端子台取付部5Aの上面両側には補強用リブ18Aがそれぞれ形成されている。また、内側にも補強用リブ18Aがそれぞれ形成されている。さらに、リブ7の上部には貫通穴17に挿入される側壁10Aが形成されている。
【0049】この外側コイルボビン19の巻胴部2A内に内側コイルボビン20の下側フランジ4B、巻胴部2Bが収納される(図12参照)。
【0050】内側コイルボビン20の上側フランジ3Bの他端部に、第1〜第3実施例に示したように、リブ7に側壁や補強用のリブを形成した端子台取付部5Bが形成され、この部分に端子台8Bが取付けられる。
【0051】なお、内側コイルボビン20の上側フランジ3Bの一端部にはピン端子12bが植設された端子台5Cが形成されている。この端子台5Cは外側コイルボビン19に取付けられた端子台8A側に位置される(図12参照)。
【0052】トランスを組立てる場合、内側コイルボビン20の巻胴部2Bの外周に1次コイル(図示せず)が巻回され、その引出線(図示せず)は所定の端子12Bに絡げ付けられる。
【0053】この内側コイルボビン20は外側コイルボビン19内に組込まれる。
【0054】外側コイルボビン19の巻胴部2Aの外周に2次コイル(図示せず)が巻回され、その引出線(図示せず)は所定の端子12Aに絡げ付けられる。
【0055】この組立体に、周知のように、コア(図示せず)が組込まれトランスが組立てられる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、上側フランジ3、3A、3Bの端子台取付部5、5A、5Bに端子台8、8A、8Bを取付ける構成のコイルボビンにおいて、端子台取付部5、5A、5Bの内側に形成したリブ7の上部に端子台取付用の複数個の壁を突設し、端子台8、8A、8Bの内端部に壁挿入用の貫通穴17を形成するようにしたため、端子台取付部5、5A、5Bや端子台8、8A、8Bの長さが長くなることがなく、コイルボビンを小型化できる。
【0057】また、端子台8、8A、8Bの内面に係合用の突起14を形成し、端子台取付部5、5A、5Bのリブ7に形成した壁に、端子台8、8A、8Bを端子台取付部5、5A、5Bに取付けた場合に突起14と係合する貫通穴9aまたは、窪み9bを形成したため、端子台8、8A、8Bの抜けを防止することができる。
【0058】また、リブ7を外側挟持片16と凹部13とによって挟み込み、ガタ付きを防止しつつ堅固に取付けることができる。
【0059】さらに、内側挟持片15を形成すれば、より堅固に取付けることができる。
【0060】また、成形品からなる横長の端子台8、8A、8Bが反っても、端子台8、8A、8Bの貫通穴17内に上側フランジ側の側壁を挿入することで反りを矯正することができる。
【出願人】 【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
【住所又は居所】東京都練馬区東大泉1丁目19番43号
【出願日】 平成13年8月8日(2001.8.8)
【代理人】 【識別番号】100081259
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 道夫
【公開番号】 特開2003−59728(P2003−59728A)
【公開日】 平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願番号】 特願2001−240316(P2001−240316)