トップ :: H 電気 :: H01 基本的電気素子




【発明の名称】 チップインダクタ及びその製造方法
【発明者】 【氏名】戸波 與之
【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式会社村田製作所内

【要約】 【課題】積層数を増大させた場合であっても、基板の反りが生じ難く、コイル導体や層間絶縁層の剥離や基板の割れが生じ難く、生産工程を簡略化することができ、かつ製造コストを低減し得るチップインダクタを提供する。

【解決手段】基板2の第1,第2の主面に2a,2bのそれぞれにおいて、ビアホール電極が形成された層間絶縁層13,14を介してコイル導体11,12,15、16が電気的に接続されている第1,第2のコイル部3,4が構成されている、チップインダクタ1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1,第2の主面、第1,第2の端面及び第1,第2の側面を有する基板と、前記基板の前記第1,第2の両主面上において、層間絶縁層と複数のコイル導体が交互に積層され、層間絶縁層に形成されたビアホール電極を介して前記複数のコイル導体が電気的に接続された第1,第2のコイル部とを備える、チップインダクタ。
【請求項2】 前記基板の第1,第2の端面及び第1,第2の側面のいずれかに設けられた接続電極をさらに備え、前記第1,第2のコイル部が該接続電極により電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のチップインダクタ。
【請求項3】 前記基板に設けられたビアホール電極を接続電極としてさらに備え、前記第1,第2のコイル部が、該ビアホール電極により電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のチップインダクタ。
【請求項4】 第1,第2の主面、第1,第2の端面及び第1,第2の側面を有する基板を用意する工程と、前記基板の前記第1,第2の両主面上において、層間絶縁層と複数のコイル導体が交互に積層され、層間絶縁層に形成されたビアホール電極を介して前記複数のコイル導体が電気的に接続された第1,第2のコイル部を形成する工程とを備える、チップインダクタの製造方法。
【請求項5】 前記第1,第2のコイル部を形成する工程が同時に行なわれることを特徴とする、請求項4に記載のチップインダクタの製造方法。
【請求項6】 前記層間絶縁層及びコイル導体の形成がフォトリソグラフィーにより行なわれることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のチップインダクタの製造方法。
【請求項7】 前記層間絶縁層を構成する絶縁性材料が感光性ガラスからなることを特徴とする、請求項6に記載のチップインダクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面実装型のチップインダクタ及びその製造方法に関し、より詳細には、複数のコイル導体が層間絶縁層を介して積層された構造を有するチップインダクタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開2000−40633号公報には、表面実装型のチップインダクタの製造方法が開示されている。図12〜図17を参照して、従来のこの種のチップインダクタの製造方法を説明する。
【0003】図12は、従来のチップインダクタを示す斜視図であり、チップインダクタ101は、基板102上にコイル部103を形成した構造を有する。なお、104,105は端子電極を示す。図13は、端子電極104,105を取り除いた状態を示す斜視図であり、コイル部103の一方端面に、コイル端部106が引き出されている。
【0004】なお、コイルの他方端部は、コイル部103の図示されていない側の端面に引き出されており、前述した端子電極105(図12)に電気的に接続されている。
【0005】上記コイル部103は、図14〜図17に示す工程を経て製造されていた。すなわち、図14(a)及び(b)に示すように基板102上に、感光性導電ペーストを塗布し、フォトリソグラフィー技術によりパターニングし、さらに焼成することにより、スパイラル状のコイル導体111が形成される。
【0006】次に、感光性ガラスペーストを塗布し、フォトリソグラフィー技術によりパターニングし、さらに焼成することにより、図15(a)及び(b)に示されている層間絶縁層112が形成される。層間絶縁層112では、貫通孔112aが形成されている。
【0007】次に、図16(a)及び(b)に示すように、上記層間絶縁層112上に、再度感光性導電ペーストの塗布、パターニング及び焼成により、コイル導体113が形成される。この導電ペーストの塗布、パターニング及び焼成により、図15に示した貫通孔112a内にも導電ペーストが入り込み、ビアホール電極114が形成される。ビアホール電極114により、コイル導体111とコイル導体113とが電気的に接続される。
【0008】しかる後、層間絶縁層及びコイル導体の形成を繰り返すことにより、図17に示すコイル部103が構成される。しかる後、端子電極104,105を両端面に形成することにより、チップインダクタ101が得られる。
【0009】なお、層間絶縁層の形成に際しては、感光性ガラスペーストの他、感光性ポリイミドなどの合成樹脂を塗布し、パターニングした後、加熱により硬化させる方法も用いられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この種のインダクタにおいて大きなインダクタンスを得るには、コイル部103におけるコイル巻回数を増加させる必要がある。しかしながら、コイル導体の微細化には限界があった。また、コイル導体が細くなりすぎると、直列抵抗が増加し、Qが劣化する。従って、従来、上記のように複数のコイル導体を層間絶縁層を介して積層する方法が採用されている。
【0011】ところが、大きなインダクタンス値を得るには、上記コイル導体を層間絶縁層を介して多数、例えば3層以上積層しなければならない。コイル導体の積層数が増加すると、コイル導体や層間絶縁層の形成に際しての膜応力によって基板101に反りが生じがちであった。
【0012】他方、この種のチップインダクタの製造に際しては、従来、マザー基板上において多数のコイル部が同時に形成される。従って、上記のような反りが生じると、マザー基板上において、フォトリソグラフィーなどの技術を用いてコイル導体やビアホール電極を有する層間絶縁層を正確に形成することができなくなる。また、はなはだしき場合には、膜応力により、コイル導体や層間絶縁層の剥離が生じたり、基板101に割れが生じたりすることもあった。
【0013】さらに、積層数が増加すると、工程数が増加するため、歩留りが低下しがちであった。また、工程数の増加により、チップインダクタのコストが高くつくという問題もあった。特に、上述した導電ペーストやガラスペーストなどの厚膜ペーストの焼成及び合成樹脂の熱硬化には長時間を必要とするため、積層数が増加するにつれて、コストが非常に高くつかざるを得なかった。
【0014】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、高インダクタンス値を得るために積層数を増加させた場合であっても、膜応力による基板の反りの発生を抑制することができ、生産性に優れ、かつ安価に提供し得るチップインダクタ及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るチップインダクタは、第1,第2の主面、第1,第2の端面及び第1,第2の側面を有する基板と、前記基板の前記第1,第2の両主面上において、層間絶縁層と複数のコイル導体が交互に積層され、層間絶縁層に形成されたビアホール電極を介して前記複数のコイル導体が電気的に接続された第1,第2のコイル部とを備える。
【0016】すなわち、本発明に係るチップインダクタは、1つのチップインダクタ内に独立した第1,第2の2つのコイル部が設けられているインダクタアレイである。本発明においては、第1,第2のコイル部を電気的に接続するための接続電極がさらに備えられてもよい。接続電極の形態は、特に限定されず、基板の第1,第2の端面及び第1,第2の側面のいずれかに設けられた接続電極であってもよく、あるいは基板の第1,第2の主面を貫通するビアホール電極であってもよい。
【0017】本発明のチップインダクタの製造方法は、第1,第2の主面、第1,第2の端面及び第1,第2の側面を有する基板を用意する工程と、前記基板の前記第1,第2の両主面上において、層間絶縁層と複数のコイル導体が交互に積層され、層間絶縁層に形成されたビアホール電極を介して前記複数のコイル導体が電気的に接続された第1,第2のコイル部を形成する工程とを備える。
【0018】本発明に係る製造方法の特定の局面では、第1,第2のコイル部を形成する対応の工程が同時に行なわれ、それによって、基板の第1,第2の主面に加わる応力が相殺されて基板の反りの発生が抑制され、かつチップインダクタの製造工程の生産性が高められる。
【0019】本発明の別の特定の局面では、上記層間絶縁層及びコイル導体の形成がフォトリソグラフィーにより行なわれ、それによってコイル導体及び層間絶縁層が高精度に形成され得る。
【0020】本発明のさらに他の特定の局面では、層間絶縁層を構成する絶縁性材料が感光性ガラスからなる。感光性ガラスを形成する場合の焼成温度は、感光性樹脂を形成する場合の温度に比べて高いため、基板に加わる応力が大きくなるが、本発明に係る製造方法では、上述したように基板の第1,第2の主面に加わる応力が相殺されるので、感光性ガラスを用いた場合でも生産性を高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施形態に係るチップインダクタの外観を示す斜視図である。チップインダクタ1は、基板2と、基板2の上面2a及び下面2b上に構成された第1,第2のコイル部3,4とを有する。第1,第2のコイル部3,4は、後述するように、層間絶縁層を介して複数のコイル導体を積層した構造を有する。
【0023】基板2としては、誘電体セラミック、磁性体セラミック、ガラス、アルミナなどの適宜の絶縁性材料からなる基板を用いることができる。また、基板2の側面2c上には、接続導体としての接続電極5が形成されている。接続電極5は、第1,第2のコイル部3,4を電気的に接続するために設けられている。
【0024】また、基板2の一対の端面2e,2fには、それぞれ、端子電極6,7が形成されている。なお、図2は、図1のチップインダクタにおいて上記端子電極6,7及び接続電極5を除去した状態を示す斜視図である。
【0025】上記チップインダクタ1の構造を、チップインダクタ1の製造方法を説明することにより明らかにする。チップインダクタ1の製造に際しては、まず、基板2を有する。次に、基板2の第1の主面としての上面2aに、感光性導電ペーストとして感光性Agペーストを全面に印刷する。しかる後、露光・現像を行なうことにより、上記Agペースト層をスパイラル状の形状を有するようにパターニングする。このようにして図3(a),(b)に示すように、基板2の上面2a上に、パターニングされたAgペースト層11Aが形成される。
【0026】次に、上記と同様にして、基板2の第2の主面としての下面2bにも、Agペースト層を全面に印刷し、露光・現像することにより、スパイラル状のAgペースト層12Aを形成する(図4(a),(b))。
【0027】なお、Agペースト層12Aは、Agペースト層11Aと同じ工程で形成されてもよい。もっとも、基板2の両面において同時にAgペースト層のパターニングをフォトリソグラフィー技術を用いて行なう場合には、基板2として透明性を有しない材料を用いることが必要である。
【0028】次に、上記のようにして形成されたAgペースト層11A,12Aを同時に焼成する。これによって、スパイラル状のコイル導体11,12が形成される(図5(b)参照)。
【0029】しかる後、基板2の上面2aにおいて、感光性導電ペーストとして感光性ガラスペーストを印刷により全面に付与し、露光・現像を行なう。この露光・現像により、図5(a)に示す貫通孔13aを有するガラスペースト層13Aが形成される。
【0030】次に、図6(a),(b)に示すように、基板2の下面2a側においても、同様にして、貫通孔14aを有する感光性ガラスペースト層14Aを形成する。これらの感光性ガラスペースト層13A,14Aの形成は同時に行なわれてもよい。
【0031】次に、感光性ガラスペースト層13A,14Aを同時に焼成し、図7(b)に断面図で示されている層間絶縁層13,14が形成される。次に、上記層間絶縁層13上に、図7(a),(b)に示すように、感光性Agペーストを全面に塗布し、露光・現像することにより、パターニングし、感光性Agペースト層15Aを形成する。この場合、貫通孔13aにもAgペーストが入り込むことになる。従って、焼成後には、貫通孔13a内に入り込んだAgペーストが焼き付けられてビアホール電極が形成される。
【0032】基板2の下面側においても、同様にして、層間絶縁層14上において、スパイラル状の感光性Agペースト層が形成される。しかる後、スパイラル状の感光性Agペースト層15A及び下面に形成されたスパイラル状の感光性Agペースト層を同時に焼成する。その結果、図8に示すように、ビアホール電極17,18と、ビアホール電極17,18によりコイル導体11,12に接続されたコイル導体15,16とが形成される。
【0033】次に、図9(a)に示すように、コイル導体15を覆うようにガラスペースト層19Aを印刷し、しかる後基板2の下面側においても全面にガラスペーストを印刷する。そして、両面に印刷されたガラスペーストを同時に焼成することにより、図10に示すように絶縁層19,20が形成される。このようにして、層間絶縁層13,14を介してコイル導体11,15及び12,16が積層されている、第1,第2のコイル部3,4が基板2の上下に積層される。
【0034】なお、本実施形態では、層間絶縁層の上下にコイル導体が積層されていたが、2以上の層間絶縁層を配置し、各層間絶縁層の上下にコイル導体を配置することにより、より多くのコイル導体が積層されたコイル部3,4が構成されてもよい。また、上下のコイル導体間に介在される層間絶縁層は複数層であってもよい。
【0035】また、第1,第2のコイル部3,4のコイル導体の積層数は同一であってもよく、異なっていてもよい。好ましくは、コイル部3,4のコイル導体の積層数は同一とされる。コイル導体の積層数が同一の場合には、基板の両主面に加わる応力をバランスさせることができ、基板の反りを効果的に抑制することができ、かつ基板の上下の方向性を低めることができる。
【0036】コイル部3,4におけるコイル導体の積層数は、特に限定されないが、それぞれ、2〜4層が好ましい。上記のようにして、図2に示すように、基板2の両面に第1,第2のコイル部3,4が積層された構造が得られる。
【0037】図2から明らかなように、第1のコイル部3内の上方のコイル導体の端部と、第2のコイル4内の下方のコイル導体の端部とがチップインダクタの一対の端面に露出している。この第1,第2のコイル部3,4の端部を電気的に接続するために、基板2の側面に上述した接続電極5が形成される。接続電極5の形成は、Agペーストなどの導電ペーストの塗布・焼き付け、あるいはメッキもしくはスパッタリングなどの適宜の方法により行なわれ得る。
【0038】他方、基板2の端面2e、2fには、接続電極5と同様にして、前述した端子電極6,7が形成される。端子電極6は、コイル部3の端部としてのコイル導体15の端部15aに接続され、端子電極7はコイル部4の端部としてのコイル導体16の端部16aに接続される。従って、端子電極6,7間に、第1,第2のコイル部3,4部が直列に接続される。
【0039】また、本実施形態では、各コイル導体11,12,15,16の巻回部は、チップインダクタ1の中心を通り、基板2の主面2a,2bに直交する面(図1,図2のA−A線に沿う面)を介して対称となる形状を有する。なお、上記実施形態では、上下の第1,第2のコイル部3,4を電気的に接続するために接続電極5が基板2の側面2cに形成されていたが、接続電極5は、基板の他方の側面に形成されていてもよく、あるいは端面2e,2fにおいて端子電極の形状を端面の全領域を覆うように形成しない場合には、接続電極5は端面に形成されていてもよい。
【0040】また、接続電極5に代えて、基板2内に、コイル部3,4を電気的に接続するためのスルーホール電極を形成してもよい。すなわち、図10に想像線で示すようにコイル部3,4間を電気的に接続するスルーホール電極21を基板2内に形成してよい。
【0041】なお、上記実施形態では、コイル導体及び層間絶縁層を形成するのに、感光性導電ペーストや感光性絶縁ペーストなどの厚膜ペーストを用い、フォトリソグラフィー技術によりパターニングが行なわれたが、導電ペーストや絶縁ペーストの印刷に際してパターニングを行なってもよい。すなわち、コイル導体や貫通孔を有する層間絶縁層の形状に応じたパターンとなるように導電ペーストや絶縁ペーストを印刷してもよい。
【0042】また、コイル導体の形成は、蒸着やスパッタリングなどにより行なわれてもよい。同様に、層間絶縁層は、感光性ガラスペーストの焼成に限らず、感光性ポリイミドなどの樹脂を塗布し、パターニングし、熱硬化することにより形成されてもよい。なお、樹脂の熱硬化により層間絶縁層を形成する場合には、上記実施形態と同様に、基板2の上面及び下面において対応する層間絶縁層の形成に際し、熱硬化を同時に行なうことが望ましい。
【0043】本実施形態のチップインダクタでは、基板2の上面2a及び下面2bの双方において、コイル導体及び層間絶縁層が積層されて、第1,第2のコイル部3,4が構成される。従って、基板2の上面2a及び下面2bにおいて、焼成や熱硬化に起因する膜応力が相殺される。よって、基板2の反りを抑制することができる。
【0044】また、第1,第2のコイル部3,4における対応するコイル導体及び層間絶縁層の形成に際し、焼成もしくは熱硬化を同時に行なうことができるので、工程数を大幅に低減することができる。
【0045】また、第1,第2のコイル部は、端子電極6,7間で並列に接続されていてもよい。第1,第2のコイル部3,4が接続電極を用いることなく並列に接続されている場合には、コイルの直流抵抗を低減することができ、望ましい。
【0046】なお、上記実施形態では、接続電極5により、第1,第2のコイル部3,4が電気的に接続されていたが、本発明においては、接続電極5のような接続導体を設けずに、基板2の上下にそれぞれ独立したコイルを形成してもよい。図11は、このように、基板2の上下に独立したコイルが構成されたインダクタンスアレイを示す斜視図である。
【0047】図11に示すチップインダクタ31では、基板2の上下に第1,第2のコイル部3A,4Aが、第1の実施形態と同様にして構成されている。異なるところは、接続電極5に代えて、端子電極5A,5Bが側面に形成されていることにある。端子電極5Aは、第1のコイル部3Aの一端に、端子電極5Bは第2のコイル部4の一端に接続されている。従って、端子電極5Aと端子電極6との間で1つのコイル部品が構成され、端子電極5Bと端子電極7との間で他の1つのコイル部品が構成されることになる。
【0048】なお、端子電極5A,5Bは、同一側面に形成される必要はなく、異なる側面に分けて形成されてもよい。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るチップインダクタでは、基板の第1,第2の主面のそれぞれにおいて、層間絶縁層に形成されたビアホール電極を介して電気的に接続された複数のコイル導体を有する第1,第2のコイル部がそれぞれ形成されているので、第1,第2のコイル部の製造に際しての焼成工程や熱硬化工程を同時に行なうことにより、基板の反りを抑制することができる。従って、マザーのウエハーから多数のチップインダクタを安定にかつ高精度に得ることができ、チップインダクタの生産性を高めることができる。また、基板の反りが抑制されるので、コイル導体や層間絶縁層などの剥離や基板の割れなども生じ難い。
【0050】加えて、積層数を増加させた場合であっても、第1,第2のコイル部を構成するための焼成や熱硬化工程を同時に行なうことにより、工程数の削減及び歩留りの低下を果たすことがでる。従って、チップインダクタの量産性を高めることができるとともに、チップインダクタのコストを低減することが可能となる。
【0051】本発明に係るチップインダクタにおいて、第1,第2のコイル部を電気的に接続するように基板に接続電極が設けられており、接続電極が、基板の第1,第2の端面及び第1,第2の側面のいずれかに設けられている場合には、第1,第2のコイル部を電気的に接続するための接続導体を蒸着、メッキもしくはスパッタリングなどの適宜の方法により容易に形成することができる。
【0052】接続電極が第1,第2の主面を貫通するビアホール電極により構成されている場合には、基板を用意した段階で接続電極が構成されているので、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0053】本発明に係る製造方法によれば、第1,第2の主面のそれぞれにおいて、層間絶縁層と層間絶縁層を介して積層された複数のコイル導体とを形成することにより、第1,第2の主面上に第1,第2のコイル部が形成されるので、第1,第2のコイル部を形成するための焼成や熱硬化などの工程を同時に行なうことにより、基板における反りの発生を抑制することができ、本発明に従って構成されたチップインダクタを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
【住所又は居所】京都府長岡京市天神二丁目26番10号
【出願日】 平成13年8月8日(2001.8.8)
【代理人】 【識別番号】100086597
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▼崎▲ 主税
【公開番号】 特開2003−59720(P2003−59720A)
【公開日】 平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願番号】 特願2001−241113(P2001−241113)