| 【発明の名称】 |
コイル回路付き金属ベース回路基板 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮腰 智寛 【住所又は居所】群馬県渋川市中村1135番地 電気化学工業株式会社渋川工場内
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| 【要約】 |
【課題】高いインダクタンスを有し、磁束の漏洩が防止され隣接のコイルや回路との相互干渉が防止されたコイルを有する、高周波特性に優れる金属ベース回路基板を提供する。
【解決手段】金属板上に、磁性層(A)と絶縁層とを順次介して、平面的にコイル状の回路を設けて、更に前記回路上に磁性層(B)を設けてなる金属ベース回路基板であり、好ましくは、磁性層(A)と磁性層(B)とが、前記コイル状回路を空間的に囲んで配置されている前記の金属ベース回路基板。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】金属板上に、磁性層(A)と絶縁層とを順次介し、平面的にコイル状の回路を設け、更に前記回路上に磁性層(B)を設けてなることを特徴とする金属ベース回路基板。 【請求項2】磁性層(A)と磁性層(B)とが、前記コイル状回路を空間的に囲んで配置されていることを特徴とする請求項1記載の金属ベース回路基板。 【請求項3】磁性層(A)、磁性層(B)が共にフェライトを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属ベース回路基板。 【請求項4】金属板がAlからなることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の金属ベース回路基板。 【請求項5】金属板がFe、又はFe−Siからなることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の金属ベース回路基板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、良好な高周波特性を有する、コイル状の回路を設けた金属ベース回路基板に関する。 【0002】 【従来の技術】金属ベース回路基板は、アルミニウム等の金属板上に絶縁層を介して銅等の回路を設けた構造を有しているために、その用途からコイル状の回路形成を必要とする場合には、前記銅等からなる回路を、上方より見たときに、平面的にコイル状に、言い換えれば渦巻き状に、形成する必要がある。 【0003】しかし、この構造故に、前記渦巻き状の回路に電流が流れるときに発生する磁束の影響で、金属板内に渦電流が発生し、コイルのインダクタンスが低下するとう問題があり、いろいろな用途への適用が制限されているという事情がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、金属板上の回路で形成したコイルが高いインダクタンスを得ること、また、磁束の漏洩を防止することにより隣接のコイルや回路との相互干渉を防止すること、更に良好な高周波特性の金属ベース回路基板を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、金属板上に、磁性層(A)と絶縁層とを順次介して、平面的にコイル状の回路を設けて、更に前記回路上に磁性層(B)を設けてなることを特徴とする金属ベース回路基板であり、好ましくは、磁性層(A)と磁性層(B)とが、前記コイル状回路を空間的に囲んで配置されていることを特徴とする前記の金属ベース回路基板である。 【0006】また、本発明の好ましい実施態様として、前記磁性層(A)、磁性層(B)が共にフェライトを含有すること、または、金属板がAl又はFe若しくはFe−Siからなることを特徴とする前記の金属ベース回路基板である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明は、金属板上に、磁性層(A)と絶縁層とを順次介して、平面的にコイル状の回路を設けて、更に前記回路上に磁性層(B)を設けてなることを特徴とする金属ベース回路基板であり、前記構造を採用することで、インダクタンスの高いコイル状回路が安定して得られる、特に、高周波領域で高いインダクタンスのコイル状回路が得られるという特徴がある。 【0008】金属ベース回路基板において、回路で構成されるコイルのインダクタンスは、コイルの近傍に存在する金属板、磁性層(A)、絶縁層、磁性層(B)の特性(特に誘電率)、寸法、配置状態等のさまざまな要因から影響を受けるが、本発明者の実験的検討に基づけば、絶縁層の厚さ、磁性層(A)と磁性層(B)との接触状況に支配される。 【0009】絶縁層に関しては、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素等の無機質フィラーを含有する樹脂、特に熱硬化性のエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなる場合、その厚さは80〜200μmが好ましい。80μm未満の場合、コイルを有する回路と金属板間の電気的絶縁が確保できないことがあるし、200μmを超えるときは、回路上に搭載される電子、電気部品或いは回路自体から発生する熱を金属板を通じて外部に放散することが容易でなくなり、その結果用途面での制約を受けるからである。 【0010】また、前記無機質フィラーのうち、酸化アルミニウムと窒化アルミニウムは高熱伝導性でしかも高充填可能なものが入手し易いことから好ましく、樹脂としては、金属板との接合性に優れることからエポキシ樹脂が好ましい。更に、無機質フィラーと樹脂との配合割合は、全量に対して無機質フィラーが50〜75体積%が熱放散性と電気的絶縁性とのバランス上好ましい範囲として選択される。 【0011】本発明において、磁性層(A)並びに磁性層(B)を構成する材質については、電気抵抗が高く、しかも高透磁率を有することが好ましい。前記特性のものを選択することで、金属板内での渦電流の発生を低減してコイル状回路のインダクタンスを高く維持することができるし、磁性層(A)及び/又は磁性層(B)内に磁束を集束することにより磁束の漏れを防止して、隣接コイルや隣接回路との相互干渉を防止できるからである。 【0012】また、磁性層(A)並びに磁性層(B)を構成する材質について、前記の特性を有するとともに、金属ベース回路基板の一部を構成し、該金属ベース回路基板の放熱特性や電気特性を低下させないことが望ましい。前記理由から、磁性層(A)及び磁性層(B)が共に、磁性体を含有する熱硬化性樹脂からなることが好ましく選択される。 【0013】ここで、磁性体を含有する熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂に、鉄、酸化鉄(フェライト)、パーマロイ等の磁性体粉末を充填したものが挙げられるが、本発明者の実験的検討結果によれば、磁性体粉末としてフェライトを用い、樹脂として絶縁層と同じ種類の樹脂を用いることが、金属板、絶縁層、回路と密着性に優れることから、好ましく選択される。 【0014】磁性層(A)並びに磁性層(B)の厚さについては、それらを構成する材料の透磁性にもよるが、本発明者の実験的検討に基づけば、50〜500μmが好ましく選択される。50μm未満では本発明の目的を充分には達成しにくくなるし、500μmを超えるときには熱放散性が低下することがあるからである。前記と同じ理由で、150〜300μmがより好ましい範囲として選択される。 【0015】また、本発明において、前記磁性層(A)と前記磁性層(B)とが、コイル状回路を空間的に囲んで配置され、両者がコイル状回路の外周にコイルの形状に合わせた磁気回路を形成するべく配置されていることが好ましい。このような配置を採用することで、コイルで発生した磁束が磁気回路内に制限することができ、その結果金属板に発生する渦電流に基づく損失を防止できるため、インダクタンスを高めることが出来るし、また磁束の漏れが無くなるために、他のコイルや回路との相互干渉が防止できる。更に、高周波領域で高いインダクタンスを一層達成し易くなるからである。 【0016】本発明において、金属板がアルミニウム又はアルミニウム合金(両者を併せてAlという)からなることが好ましい。その理由は、半導体素子を始めとするいろいろな実装部品で発生する熱を効率良く放熱することが一層容易となるからである。 【0017】一方、本発明において、金属板がFe又はFe−Siからなることが好ましい。その理由は、金属板が磁気回路を構成し、インダクタンスを向上させると共に、磁束の漏れを防止して、隣接コイルや隣接回路との相互干渉を一層防止でき、好ましい。 【0018】 【実施例】〔実施例1〕アルミ板上の所望の位置にNi−Zn系フェライトを.75体積%含有するエポキシ樹脂を硬化後の厚さが0.04mmとなるように塗布し、加熱して前記エポキシ樹脂を硬化後にアルミナを75体積%含有するエポキシ樹脂を前記アルミ板と前記フェライトを含有するエポキシ樹脂の全面に、厚さが80μmとなるように塗布し、更に厚さ35μmの銅箔を積層し、加圧条件下で加熱することで前記アルミナを含有するエポキシ樹脂を硬化して、金属ベース基板を形成した。 【0019】前記金属ベース基板の、前記銅箔をエッチングして、外形寸法が10mm×10mmで、回路幅が0.15mm、回路間隔が0.1mmで、上方より見た時に方形で、巻き数が10回の扁平渦巻きコイル状回路を形成した。そして、前記扁平渦巻きコイル状回路の全てを覆う様に、前記フェライトを含有するエポキシ樹脂を塗布し、加熱して、エポキシ樹脂を硬化させて金属ベース回路基板を得た(図1参照)。 【0020】前記金属ベース回路基板について、LCRメーターを接続し400kHzでインダクタンスを測定したところ、インダクタンスが0.8μHであった。 【0021】〔実施例2〕実施例1において、上層のフェライトを含有するエポキシ樹脂を塗布する操作の前に、コイル状回路の周囲部のアルミナを含有するエポキシ樹脂を機械加工法により除去した後に、上層のフェライトを含有するエポキシ樹脂を塗布することで、フェライトを含有するエポキシ樹脂の硬化層がコイル状回路を囲む様にした。前記以外は実施例1と同じ操作をして得た金属ベース回路基板(図2参照)について、実施例1と同じ評価をしたところ、インダクタンスは6.4μHであった。 【0022】〔比較例〕実施例1に於いて、フェライトを含有するエポキシ樹脂の硬化層を設けていない金属ベース回路基板を作成し、実施例1と同じ評価を行った所、インダクタンスは0.1μHであった。 【0023】 【発明の効果】本発明に拠れば、相互干渉が無く、高インダクタンスのコイルを形成した熱伝導率の良い金属ベース回路基板を提供できるという特徴があり、産業上極めて有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003296 【氏名又は名称】電気化学工業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区有楽町1丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成13年8月16日(2001.8.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−59719(P2003−59719A) |
| 【公開日】 |
平成15年2月28日(2003.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2001−247150(P2001−247150) |
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