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【発明の名称】 電磁石装置のコイル駆動回路
【発明者】 【氏名】今井 宏貴
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【氏名】馬場 貞彰
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【要約】 【課題】いかなるタイミングで交流電源電圧が入力しても過大な吸引力が発生しない瞬時電圧値でコイルを励磁すること。

【解決手段】瞬時電圧検出回路5の出力を比較回路6で基準電圧Vs1と比較し、基準電圧Vs1以下の場合、検出信号を制御回路7aに出力する。これにより制御回路7aから初めて投入信号S1が出力され、スイッチング素子であるFET13がオン状態となり、当初全波整流された交流電圧のうち基準電圧Vs1以下の電圧がコイル12に印加される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧の瞬時値を検出する瞬時電圧検出回路と、前記瞬時値と基準値との大小関係を比較し前記瞬時値が前記基準値以下になるのを検出する比較回路とを備え、前記制御回路は、前記比較回路の検出信号を受けて、前記投入信号を発生することを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項2】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧の微分値を出力する微分回路と、前記微分値と第1の基準値との大小関係を比較し前記微分値が前記第1の基準値を超えるのを検出する第1の比較回路と、前記微分値と第2の基準値との大小関係を比較し前記微分値が前記第2の基準値以下になるのを検出する第2の比較回路とを備え、前記制御回路は、前記第1の比較回路と前記第2の比較回路からの検出信号のうち先に出力された検出信号を受けて、前記投入信号を発生することを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項3】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路と、前記ゼロクロス検出回路の検出信号を受けて、前記交流電圧がゼロクロス点からピーク値以下の所定電圧値近傍まで上昇するのに要する一定時間を計時する時限回路とを備え、前記制御回路は、前記時限回路が前記一定時間を計時した動作時限後に、前記投入信号を発生することを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項4】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧のピーク値を検出するピーク電圧検出回路と、前記ピーク電圧検出回路の出力を受けて、前記交流電圧がピーク値から所定電圧値以下まで下降するのに要する一定時間を計時する時限回路とを備え、前記制御回路は、前記時限回路が前記一定時間を計時した動作時限後に、前記投入信号を発生することを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項5】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングする第1のスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンにし、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行い、前記電磁石の吸着保持時に、前記発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路と、前記保持信号が出力されている期間には前記コイルのフライホイール回路を導通させ、前記保持信号が出力されていない期間には前記フライホイール回路を遮断する第2のスイッチング素子とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電源スイッチがオフされてからの一定時間であるオフ時限の外部設定が可能なオフ時限設定回路を備え、前記制御回路は、前記電源スイッチがオフされたとき前記オフ時限設定回路のオフ時限後に前記保持信号をオフにすることを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項6】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行い、前記電磁石の吸着保持時に、前記発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電磁石の固定鉄心と可動鉄心との間における磁束密度を検出する磁気検出手段と、前記磁気検出手段の出力信号から直流成分を検出するローパスフィルタと、前記ローパスフィルタの出力値と基準値との大小関係を比較し前記ローパスフィルタの出力値が前記基準値を超えるのを検出する比較回路とを備え、前記制御回路は、前記比較回路の検出信号を受けて、前記スイッチング素子に出力している前記投入信号をオフにし、または前記発振回路の動作を前記投入信号による動作から前記保持信号による動作に切り換え、前記保持信号をオンにすることを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項7】 前記磁気検出手段は、前記電磁石の固定鉄心あるいは可動鉄心の接触面溝部に巻かれた磁気検出コイル、または、前記固定鉄心あるいは前記可動鉄心の脚部に設けられた磁気検出コイルと、前記磁気検出コイルに誘起された電流を検出し対応する電圧信号を前記ローパスフィルタに出力する電流検出回路とを備えたことを特徴とする請求項6に記載の電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項8】 前記磁気検出手段は、前記電磁石の固定鉄心と可動鉄心間のギャップを囲む周辺部に設けられ、外部への漏れ磁束を検出する磁気センサであることを特徴とする請求項6に記載の電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項9】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行い、前記電磁石の吸着保持時に、発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電磁石の可動鉄心を含む可動部の位置を検出する位置検出センサと、前記位置検出センサの出力に基づき前記可動鉄心が固定鉄心に吸着しているか否かを判定する判定回路とを備え、前記制御回路は、前記判定回路から吸着しているとの判定信号が出力されたとき、前記スイッチング素子に出力している前記投入信号をオフにし、または前記発振回路の動作を前記投入信号による動作から前記保持信号による動作に切り換え、前記保持信号をオンにすることを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項10】 電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電磁石の吸着保持時に、発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電磁石の吸着・釈放の動作に連動して接離する接点を有する可動接触子及び固定接触子の前記接点同士が当接することによって形成される電路に通電される電流を検出する電流検出回路と、前記電流検出回路の出力がゼロクロスしたことを検出するゼロクロス検出回路と、前記電路に通電される電流の半周期よりも長い動作時限が設定され、前記ゼロクロス検出回路の出力を受けて前記動作時限に向けての計時動作を行うオフ時限回路とを備え、前記制御回路は、前記オフ時限回路が前記動作時限を計時したとき前記保持信号をオフにして前記電磁石を釈放することを特徴とする電磁石装置のコイル駆動回路。
【請求項11】 前記オフ時限回路の動作時限は、前記電路に通電される電流がゼロ点となるときに、前記接点が開離されるように設定されていることを特徴とする請求項10に記載の電磁石装置のコイル駆動回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電磁開閉器などの電気機器に用いられる電磁石装置のコイル駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気機器に用いられる電磁石装置では、電力消費低減の観点から、電磁石の鉄心ギャップが大きい投入開始時には比較的大きな電流でコイルを励磁するが、鉄心ギャップがない吸着保持時には比較的小さな電流でコイルを励磁することが望まれる。上記事項を考慮した従来の電磁石装置のコイル駆動回路としては、例えば特開平1−132108号公報(電磁石のコイル駆動装置)に開示されたものが知られている。
【0003】また、電気機器に用いられる電磁石装置では、鉄心の釈放時間を短縮させることも重要な課題である。この問題に対処した従来の電磁石装置のコイル駆動回路としては、例えば特開昭62−244109号公報(電磁石装置のコイル駆動回路)に開示されたものが知られている。
【0004】上記公報では、電磁石の鉄心が吸着保持されている時にパルス電圧をコイルに印加し、パルス電圧のオフ期間にコイル内に蓄積された残留磁気エネルギーをフライホイール回路で回生させることで、少ない電力での鉄心吸着保持を実現させ、電源電圧が遮断されると、そのフライホイール回路を遮断する手段をもたせることにより、鉄心の釈放を速動化させる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の電磁石装置のコイル駆動回路では、電磁石を投入する際に、交流電源電圧の瞬時値に対する配慮がなされていないので、投入時における交流電源電圧の瞬時値の違いにより、電磁石の吸引力に差が生ずるという問題がある。つまり、従来の電磁石装置のコイル駆動回路では、ある瞬時値で投入動作させると、過大な吸引力が発生して電磁石への衝撃が過大となってしまうことがある。そのため、例えば、電磁開閉器等の電磁石の動作と電気的接点動作とが連動した機器に適用する場合、吸引力が大きいために接点への衝撃が過大となり、異常な接点バウンスが顕著に現われたり、鉄心自身の衝撃が過大となるため、その衝撃による振動で接点が開離する等の現象が起こる。接点が開離することによって、接点間にアークが発生し、そのアーク熱によって接点消耗が増大し、接点寿命が短命となるケースが発生していた。
【0006】また、従来の電磁石装置のコイル駆動回路では、電源電圧が遮断された時にフライホイール回路を遮断することで電磁石の釈放を速動化させているが、その電磁石装置が使用される機器の目的に応じた電磁石の釈放時間を設定することができないという問題がある。
【0007】さらに、従来の電磁石装置のコイル駆動回路では、比較的大きな電流でコイルを励磁する状態から比較的小さな電流でコイルを励磁する状態への切り換えタイミングを、電磁石が吸着される期間を見込んだ一定期間後、もしくは入力された電源電圧の電圧値に応じた期間経過後としているが、電磁石の鉄心が吸着保持しているかを検出することはしていないので、外部的要因による投入不良等が発生した場合でも、比較的大きな電流でコイルを励磁する状態から比較的小さな電流でコイルを励磁する状態への切り換えが行われてしまうという問題がある。
【0008】加えて、従来の電磁石装置のコイル駆動回路では、電磁開閉器等の電路を開閉する機器に対し、電路に通電される電流の状態を検知することなく無制御で電磁石装置を駆動するので、電路に通電される交流電流のピーク付近で電路が開離された場合、接点間に大きなアークが発生し、そのアーク熱によって接点消耗が増大し、接点寿命が短命となってしまうという問題もある。
【0009】この発明は、上記に鑑みてなされたもので、いかなるタイミングで交流電源電圧が入力されても過大な吸引力が発生しない瞬時電圧値でコイルを励磁できる電磁石装置のコイル駆動回路を得ることを目的とする。
【0010】また、この発明は、電磁石装置が使用される機器の目的に応じた電磁石の釈放時間を外部から設定することのできる電磁石装置のコイル駆動回路を得ることを目的とする。
【0011】また、この発明は、外部的要因による投入不良等が発生しても、比較的大きな電流でコイルを励磁する状態から比較的小さな電流でコイルを励磁する状態への切り換えが行われず、確実な投入動作が行える電磁石装置のコイル駆動回路を得ることを目的とする。
【0012】また、この発明は、電路を開離する際に、接点間にアークを発生させず、アークによる接点の消耗を抑制して接点寿命の長命化が図れる電磁石装置のコイル駆動回路を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧の瞬時値を検出する瞬時電圧検出回路と、前記瞬時値と基準値との大小関係を比較し前記瞬時値が前記基準値以下になるのを検出する比較回路とを備え、前記制御回路は、前記比較回路の検出信号を受けて、前記投入信号を発生することを特徴とする。
【0014】この発明によれば、瞬時電圧検出回路にて、整流回路が出力する交流電圧の瞬時値が検出され、比較回路にて、検出された瞬時電圧値と基準値との大小比較が行われ、瞬時電圧値が基準値以下となったとき、初めて制御回路から投入信号が出力され、コイルには、常に、基準値以下の瞬時電圧、つまり過大な吸引力を発生しない所定の電圧値が印加される。
【0015】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧の微分値を出力する微分回路と、前記微分値と第1の基準値との大小関係を比較し前記微分値が前記第1の基準値を超えるのを検出する第1の比較回路と、前記微分値と第2の基準値との大小関係を比較し前記微分値が前記第2の基準値以下になるのを検出する第2の比較回路とを備え、前記制御回路は、前記第1の比較回路と前記第2の比較回路からの検出信号のうち先に出力された検出信号を受けて、前記投入信号を発生することを特徴とする。
【0016】この発明によれば、微分回路にて、整流回路が出力する交流電圧の微分値が求められると、第1の比較回路にて、前記微分値と第1の基準値との大小関係を比較され微分値が第1の基準値を超えるのが検出されると、制御回路に検出信号が出力される。同様に第2の比較回路にて、前記微分値と第2の基準値との大小関係を比較され微分値が第2の基準値を超えるのが検出されると、制御回路に検出信号が出力される。ここに、第1及び第2の基準値は、過大な吸引力を発生させない所定の電圧値に対応する値である。そこで、制御回路は、第1の比較回路と前記第2の比較回路からの検出信号のうち先に出力された検出信号を受けて、前記投入信号を発生する。これにより、常に、コイルは、過大な吸引力を発生しない所定の電圧値で励磁される。
【0017】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路と、前記ゼロクロス検出回路の検出信号を受けて、前記交流電圧がゼロクロス点からピーク値以下の所定電圧値近傍まで上昇するのに要する一定時間を計時する時限回路とを備え、前記制御回路は、前記時限回路が前記一定時間を計時した動作時限後に、前記投入信号を発生することを特徴とする。
【0018】この発明によれば、ゼロクロス検出回路にて、整流回路が出力する交流電圧のゼロクロス点を検出することが行われ、時限回路にて、交流電圧がゼロクロス点からピーク値以下の所定電圧値近傍まで上昇するのに要する一定時間が計時されると、制御回路から投入信号が出力され、コイルにピーク値以下の所定電圧値近傍の電圧、つまり過大な吸引力を発生させない電圧が印加される。
【0019】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンさせ、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行う制御回路とを備える電磁石装置のコイル駆動回路において、前記整流回路が出力する交流電圧のピーク値を検出するピーク電圧検出回路と、前記ピーク電圧検出回路の出力を受けて、前記交流電圧がピーク値から所定電圧値以下まで下降するのに要する一定時間を計時する時限回路とを備え、前記制御回路は、前記時限回路が前記一定時間を計時した動作時限後に、前記投入信号を発生することを特徴とする。
【0020】この発明によれば、ピーク電圧検出回路にて、整流回路が出力する交流電圧のピーク値を検出することが行われ、時限回路にて、交流電圧がピーク値から所定電圧値以下まで下降するのに要する一定時間が計時されると、制御回路から投入信号を出力され、コイルにピーク値以下の所定電圧値近傍の電圧、つまり過大な吸引力を発生させない電圧が印加される。
【0021】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングする第1のスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンにし、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行い、前記電磁石の吸着保持時に、前記発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路と、前記保持信号が出力されている期間には前記コイルのフライホイール回路を導通させ、前記保持信号が出力されていない期間には前記フライホイール回路を遮断する第2のスイッチング素子とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電源スイッチがオフされてからの一定時間であるオフ時限の外部設定が可能なオフ時限設定回路を備え、前記制御回路は、前記電源スイッチがオフされたとき前記オフ時限設定回路のオフ時限後に前記保持信号をオフにすることを特徴とする。
【0022】この発明によれば、オフ時限設定回路は、外部から電源スイッチがオフされてからの一定時間であるオフ時限が任意に設定可能である。制御回路は、電源スイッチがオフされたとき前記オフ時限設定回路のオフ時限後に保持信号をオフにする。これにより、フライホイール回路が遮断され、外部から設定された任意のオフ時限後に電磁石が釈放される。
【0023】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンにし、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行い、前記電磁石の吸着保持時に、前記発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電磁石の固定鉄心と可動鉄心との間における磁束密度を検出する磁気検出手段と、前記磁気検出手段の出力信号から直流成分を検出するローパスフィルタと、前記ローパスフィルタの出力値と基準値との大小関係を比較し前記ローパスフィルタの出力値が前記基準値を超えるのを検出する比較回路とを備え、前記制御回路は、前記比較回路の検出信号を受けて、前記スイッチング素子に出力している前記投入信号をオフにし、または前記発振回路の動作を前記投入信号による動作から前記保持信号による動作に切り換え、前記保持信号をオンにすることを特徴とする。
【0024】この発明によれば、磁気検出手段にて、電磁石の固定鉄心と可動鉄心との間における磁束密度が検出される。電磁石の固定鉄心と可動鉄心との間における磁束密度は、吸着状態にあるとき最大値を示す。ローパスフィルタにて、磁気検出手段の出力信号から直流成分が検出され、比較回路にて、ローパスフィルタの出力値が基準値を超えるのが検出されると、制御回路が、スイッチング素子に出力している投入信号をオフにし、または発振回路の動作を投入信号による動作から保持信号による動作に切り換え、保持信号をオンにする。これにより、電磁石が確実に吸着した後に保持信号による吸着保持時の制御が行われる。
【0025】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、上記の発明において、前記磁気検出手段は、前記電磁石の固定鉄心あるいは可動鉄心の接触面溝部に巻かれた磁気検出コイル、または、前記固定鉄心あるいは前記可動鉄心の脚部に設けられた磁気検出コイルと、前記磁気検出コイルに誘起された電流を検出し対応する電圧信号を前記ローパスフィルタに出力する電流検出回路とを備えたことを特徴とする。
【0026】この発明によれば、磁気検出コイルにて、電磁石の固定鉄心と可動鉄心間の磁束密度が直接検出され、電流検出回路にて、磁気検出コイルに誘起された電流が検出され対応する電圧信号がローパスフィルタに出力される。
【0027】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、上記の発明において、前記磁気検出手段は、前記電磁石の固定鉄心と可動鉄心間のギャップを囲む周辺部に設けられ、外部への漏れ磁束を検出する磁気センサであることを特徴とする。
【0028】この発明によれば、磁気センサにて、電磁石の固定鉄心と可動鉄心が吸着しているときには最小値を示す外部への漏れ磁束を検出することにより、電磁石の固定鉄心と可動鉄心間の磁束密度が間接的に検出される。なお、磁気センサには、ホール素子や磁気抵抗素子などが用いられる。
【0029】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電源スイッチの投入時に、投入信号を前記スイッチング素子に出力してオンにし、または投入信号を発振回路に出力して前記発振回路が前記スイッチング素子をオンにする制御を行い、前記電磁石の吸着保持時に、発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電磁石の可動鉄心を含む可動部の位置を検出する位置検出センサと、前記位置検出センサの出力に基づき前記可動鉄心が固定鉄心に吸着しているか否かを判定する判定回路とを備え、前記制御回路は、前記判定回路から吸着しているとの判定信号が出力されたとき、前記スイッチング素子に出力している前記投入信号をオフにし、または前記発振回路の動作を前記投入信号による動作から前記保持信号による動作に切り換え、前記保持信号をオンにすることを特徴とする。
【0030】この発明によれば、位置検出センサにて、電磁石の可動鉄心を含む可動部の位置が検出され、判定回路にて、位置検出センサの出力に基づき可動鉄心が固定鉄心に吸着しているか否かが判定され、判定回路が吸着しているとの判定をしたとき、制御回路が、スイッチング素子に出力している投入信号をオフにし、または発振回路の動作を投入信号による動作から保持信号による動作に切り換え、保持信号をオンにする。これにより、電磁石が確実に吸着した後に保持信号による吸着保持時の制御が行われる。
【0031】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、電源スイッチの投入に応じて交流電源の交流電圧を全波整流する整流回路と、前記整流回路の出力端間に直列に接続される電磁石励磁用のコイル及び前記コイルの励磁電流をスイッチングするスイッチング素子と前記電磁石の吸着保持時に、発振回路からパルス幅が短いパルス信号を前記スイッチング素子に出力させる保持信号を発生する制御回路とを備えた電磁石装置のコイル駆動回路において、前記電磁石の吸着・釈放の動作に連動して接離する接点を有する可動接触子及び固定接触子の前記接点同士が当接することにより形成される電路に通電される電流を検出する電流検出回路と、前記電流検出回路の出力がゼロクロスしたことを検出するゼロクロス検出回路と、前記電路に通電される電流の半周期よりも長い動作時限が設定され、前記ゼロクロス検出回路の出力を受けて前記動作時限に向けての計時動作を行うオフ時限回路とを備え、前記制御回路は、前記オフ時限回路が前記動作時限を計時したとき前記保持信号をオフにして前記電磁石を釈放することを特徴とする。
【0032】この発明によれば、電流検出回路にて、電磁石の吸着・釈放の動作に連動して接離する接点を有する可動接触子及び固定接触子の接点同士が当接することにより形成される電路に通電される電流の検出が行われ、ゼロクロス検出回路にて、前記電流検出回路の出力がゼロクロスするのが検出されると、前記電路に通電される電流の半周期よりも長い動作時限が設定されるオフ時限回路にて、ゼロクロス検出器の出力を受けて前記動作時限に向けての計時動作が行われる。オフ時限回路では、電源スイッチがオフされ、ゼロクロス検出回路が機能停止すると、ゼロクロス検出が発生しなくなるので、最後の検出信号から前記動作時限まで計時する。これにより、制御回路が、保持信号をオフにするので、電磁石が釈放され、可動接触子及び固定接触子の接点同士がアークの発生が抑制される状態で開離される。
【0033】つぎの発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路は、上記の発明において、前記オフ時限回路の動作時限は、前記電路に通電される電流がゼロ点となるときに、前記接点が開離されるように設定されていることを特徴とする。
【0034】この発明によれば、オフ時限回路の動作時限は、前記電路に通電される電流がゼロ点となるときに、前記接点が開離されるように設定されているので、アークの発生の無い開離が実現される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電磁石装置のコイル駆動回路の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0036】実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示した電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明するための電圧波形図である。
【0037】図1において、交流電源1は、電源スイッチ2を介して全波整流回路3の入力端に接続される。全波整流回路3の出力端間には、全波整流された交流電圧が所定値を超えたか否かを検出する電圧検出回路4が接続される。全波整流回路3の一方の出力端には、全波整流された交流電圧の瞬時電圧値を検出する瞬時電圧検出回路5が接続される。瞬時電圧検出回路5の出力は、比較回路6の一方の入力である。比較回路6の他方の入力は、基準電圧Vs1である。比較回路6は、瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になったか否かを検出する。基準電圧Vs1は、過大な吸引力を発生しない所定電圧値に設定される。
【0038】比較回路6の出力は、電圧検出回路4の出力とともに、制御回路7aに与えられる。これによって、制御回路7aは、電磁石投入時に投入信号S1を出力し、電磁石保持時に保持信号S2を出力する。保持信号S2は、パルス信号を発生する発振回路8とフォトトランジスタカプラー9のダイオード側アノードとに供給される。フォトトランジスタカプラー9のダイオード側カソードは、全波整流回路3の他方の出力端に接続される。
【0039】全波整流回路3の一方の出力端には、フライホイールダイオード10のカソードが接続され、フライホイールダイオード10のアノードは、定電圧ダイオード11のアノードとフォトトランジスタカプラー9の出力側エミッタとに接続される。定電圧ダイオード11のカソードは、フォトトランジスタカプラー9の出力側コレクタに接続される。電磁石を励磁するコイル12の一端は、フライホイールダイオード10のカソードとともに、全波整流回路3の一方の出力端に接続される。また、コイル12の他端は、フォトトランジスタカプラー9の出力側コレクタに接続されるとともに、コイル12の励磁電流をスイッチングするFET13を介して全波整流回路3の他方の出力端に接続される。FET13のゲートには、投入信号S1と発振回路8の出力とが印加される。
【0040】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。電源スイッチ2がオンされると(図2(a))、交流電源1で発生する交流電圧は、全波整流回路3にて全波整流され、全波整流回路3の出力端間には、図2(b)に示すような波形の交流電圧Viが現れる。比較回路6の基準電圧Vs1は、図2(b)に示すように、交流電圧Viのピーク値から大きく下がった所定値に設定されている。
【0041】電圧検出回路4は、この全波整流された交流電圧Viの電圧レベルを検出し、所定値を超えると、検出信号を制御回路7aに出力する。これによって、制御回路7aは、動作を開始し、比較回路6から検出信号が入力するのを待機する。一方、瞬時電圧検出回路5は、全波整流された交流電圧Viの瞬時値を検出し、逐一比較回路6に出力する。
【0042】比較回路6は、図2(b)に示すように、基準電圧Vs1と検出された瞬時電圧値との大小関係を比較し、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になると、制御回路7aに検出信号を出力する。図2(c)に示すように、比較回路6は、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になる期間内、高レベルとなるパルス信号を繰り返し出力する。
【0043】制御回路7aは、比較回路6からの出力を受けて初めて、一定期間のレベル信号である投入信号S1(図2(d))をFET13に対して出力する。これによって、スイッチング素子であるFET13がオン状態となり、図2(e)に示すように、全波整流された交流電圧Viのうち、投入信号S1が立ち上がった時以降の交流電圧Vc1がコイル12に印加される。
【0044】ここに、コイル12に当初印加される電圧レベルは、電源スイッチがいかなるタイミングで投入されても基準電圧Vs1以下の電圧値となる。この基準電圧Vs1は、過大な吸引力を発生しない所定の瞬時電圧値に設定されている。したがって、電磁開閉器等に適用した場合、接点への過大衝撃がなくなるので、異常な接点バウンスが減少する。加えて、鉄心自身の過大衝撃がなくなるので、接点開離現象も減少する。その結果、接点間に発生するアークの発生頻度が減少するので、アーク熱による接点消耗が抑制され、接点寿命を伸ばすことができる。
【0045】なお、図1では、投入信号S1が直接FET13のゲートに印加される場合を示したが、投入信号S1によって発振回路8を起動し、発振回路8からFET13のゲートに長いパルス幅のパルス信号を印加するようにしてもよい。
【0046】また、制御回路7aは、投入信号S1を電磁石保持期間へ移行するまでの、ある一定期間出力すると、その後、投入信号S1をオフにして保持信号S2をオンにするようになっている。保持信号S2が出力されると、発振回路8からFET13のゲートに短いパルス幅のパルス信号が印加される。これによって、電磁石の鉄心が吸着保持されている時にパルス電圧がコイル12に印加される。そして、パルス電圧のオフ期間にコイル12内に蓄積された残留磁気エネルギーをフォトトランジスタカプラー9とフライホイールダイオード10とで構成されるフライホイール回路で回生させることが行われる。保持信号S2がオフすると、フォトトランジスタカプラー9がオフ動作を行うので、フライホイール回路が遮断され、電磁石の釈放が行われる。
【0047】実施の形態2.図3は、この発明の実施の形態2である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図4は、図3に示した電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明するための電圧波形図である。なお、図3では、図1で示した構成要素と同一である要素には、同一の符号および同一の名称を付している。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0048】図3に示すように、この実施の形態2では、図1に示した瞬時電圧検出回路5と比較回路6に代えて、微分回路14と比較回路15,16とが設けられ、それに伴い制御回路7aに代わる制御回路7bが設けられている。
【0049】図3において、全波整流回路3の一方の出力端には、全波整流された交流電圧の微分値を出力する微分回路14が接続され、微分回路14の出力端には、2つの比較回路15,16が接続される。比較回路15は、微分回路14の出力が基準電圧Vs2を超えたことを検出すると、検出信号を制御回路7bに出力する。比較回路16は、微分回路14の出力が基準電圧Vs3以下になったことを検出すると、検出信号を制御回路7bに出力する。制御回路7bは、比較回路15,16からの入力のうち、先に入力した検出信号に従って投入信号S1を出力し、その後、保持信号S2を出力するようになっている。基準電圧Vs2,Vs3は、実施の形態1で示した基準電圧Vs1を規定するように設定されている。
【0050】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。電源スイッチ2がオンされると(図4(a))、交流電源1で発生する交流電圧は、全波整流回路3によって全波整流され、全波整流回路3の出力端間には、図4(b)に示すような波形の交流電圧Viが現れる。なお、図4(b)では、実施の形態1で示した基準電圧Vs1が、基準電圧Vs2,Vs3との関係を明らかにするために示されている。
【0051】電圧検出回路4は、この全波整流された交流電圧Viの電圧レベルを検出し、所定値を超えると、検出信号を制御回路7bに出力する。これによって、制御回路7bは、動作を開始し、比較回路15,16から検出信号が入力するのを待機する。一方、微分回路14は、全波整流された交流電圧Viの微分値を求め、逐一比較回路15,16に出力する。図4(c)に示すように、微分回路14の出力波形に対し、基準電圧Vs2,Vs3が設定されている。それらは、基準電圧Vs1に相当する所定電圧値である。
【0052】比較回路15は、図4(c)に示すように、基準電圧Vs2と微分値とを比較し、微分値が基準電圧Vs2を超えたことを検出すると、制御回路7bに検出信号を出力する。図4(d)に示すように、比較回路15は、微分値が基準電圧Vs2を超える期間内、高レベルとなるパルス信号を繰り返し出力する。
【0053】比較回路16は、図4(c)に示すように、基準電圧Vs3と微分値とを比較し、微分値が基準電圧Vs3以下になったことを検出すると、制御回路7bに検出信号を出力する。図4(e)に示すように、比較回路16は、微分値が基準電圧Vs3以下になる期間内、高レベルとなるパルス信号を繰り返し出力する。
【0054】制御回路7bは、比較回路15,16からの入力のうち、先に入力した検出信号に従って投入信号S1を出力する。図4(f)では、比較回路16から検出信号が先に入力したので、制御回路7bは、比較回路16からの出力を受けて初めて、一定期間のレベル信号である投入信号S1をFET13に対して出力する場合が示されている。
【0055】これによって、スイッチング素子であるFET13がオン状態となり、図4(g)に示すように、全波整流された交流電圧Viのうち、投入信号S1が立ち上がった時以降の交流電圧Vc1がコイル12に印加される。
【0056】ここに、コイル12に当初印加される電圧レベルは、電源スイッチ2がいかなるタイミングで投入されても基準電圧Vs1以下の電圧値となるので、電源投入時に過大な吸引力が発生しないようにすることができ、実施の形態1と同様の作用・効果が得られる。
【0057】なお、発振回路8が、投入信号S1によって起動されFET13を一定期間オン駆動する場合があることと、保持信号S2に関する動作とは、前述した通りである。
【0058】実施の形態3.図5は、この発明の実施の形態3である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図6は、図5に示した電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明するための電圧波形図である。なお、図5では、図1で示した構成要素と同一である要素には、同一の符号および同一の名称が付されている。ここでは、この実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
【0059】図5に示すように、この実施の形態3では、図1に示した瞬時電圧検出回路5と比較回路6とに代えて、ゼロクロス検出回路17と時限回路18とが設けられ、それに伴い制御回路7aに代わる制御回路7cが設けられている。
【0060】図5において、全波整流回路3の一方の出力端には、全波整流された交流電圧のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路17が接続され、ゼロクロス検出回路17の出力端には、時限回路18が接続される。時限回路18は、ゼロクロス検出回路17の出力を受けて、全波整流された交流電圧がゼロクロス点からピーク値以下の所定電圧値近傍まで上昇するのに要する一定時間を計時し、時限信号を制御回路7cに出力する。制御回路7cは、時限回路18が一定時間を計時した動作時限後に、投入信号S1を出力し、その後、保持信号S2を出力する。
【0061】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。電源スイッチ2がオンされると(図6(a))、交流電源1で発生する交流電圧は、全波整流回路3によって全波整流され、全波整流回路3の出力端間には、図6(b)に示すような波形の交流電圧Viが現れる。なお、図6(b)では、実施の形態1で示した基準電圧Vs1が、時限回路18に設定される動作時限T1との関係を明らかにするために示されている。
【0062】電圧検出回路4は、この全波整流された交流電圧Viの電圧レベルを検出し、所定値を超えると、検出信号を制御回路7cに出力する。これによって、制御回路7cは、動作を開始し、時限回路18の出力を待機する。一方、ゼロクロス検出回路17は、全波整流された交流電圧Viのゼロクロス点(図6(b))を検出し、検出できると時限回路18への信号をオンにする(図6(c))。
【0063】時限回路18は、図6(d)に示すように、ゼロクロス検出回路17の出力がオンするのに応答して、出力を動作時限T1の時間を要して除々に立ち上げ、動作時限T1になると、出力を一定値に保持する。動作時限T1は、図6(b)(d)から理解できるように、交流電圧Viがゼロクロス点から基準電圧Vs1の近傍まで上昇するのに要する時間である。
【0064】制御回路7cは、時限回路18の出力が一定値となるのを検出すると、初めて、一定期間のレベル信号である投入信号S1をFET13に対して出力する(図6(e))。これによって、スイッチング素子であるFET13がオン状態となり、図6(f)に示すように、全波整流された交流電圧Viのうち、投入信号S1が立ち上がった時以降の交流電圧Vc2がコイル12に印加される。
【0065】ここに、コイル12に当初印加される電圧レベルは、電源スイッチ2がいかなるタイミングで投入されても基準電圧Vs1以下の電圧値となるので、電源投入時に過大な吸引力が発生しないようにすることができ、実施の形態1と同様の作用・効果が得られる。
【0066】なお、実施の形態3と同様の動作を行う他の構成例として、ゼロクロス検出回路17に代えて、交流電圧Viのピーク値を検出するピーク電圧検出回路を設ける場合を挙げることができる。但し、この場合には、時限回路18の動作時限は、交流電圧Viがピーク値から基準電圧Vs1以下に下降するまでに要する時間として設定される。
【0067】また、発振回路8が、投入信号S1によって起動されFET13を一定期間オン駆動する場合があることと、保持信号S2に関する動作とは、前述した通りである。
【0068】実施の形態4.図7は、この発明の実施の形態4である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図8は、図7に示す電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明するための電圧波形図である。なお、図7では、図1で示した構成要素と同一である要素には、同一の符号・名称が付されている。ここでは、この実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
【0069】図7に示すように、この実施の形態4では、図1に示した構成に加えて、オフ時限設定回路19が追加され、それに伴い制御回路7aに代わる制御回路7dが設けられている。オフ時限設定回路19は、全波整流回路3の一方の出力端と制御回路7dとの間に設けられている。
【0070】オフ時限設定回路19には、電源スイッチ2をオフにした後の動作時限が外部から任意に設定できるようになっている。制御回路7dは、オフ時限設定回路19の動作時限後に保持信号S2をオフにするようになっている。
【0071】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。なお、図8では、投入信号S1がオフされた後の動作が示されている。即ち、投入信号S1は、上記したように一定時間経過するとオフされる。さらに、この発明では、後述する実施の形態5〜7で示すように、投入信号S1は、一定時間経過ではなく、電磁石の吸着検出によってオフされるようになっている。
【0072】制御回路7dは、投入信号S1を出力した後、電源スイッチ2がオンしている期間内に(図8(a))上記の条件を満足すると、投入信号S1をオフにし、同時に保持信号S2をオンにする。保持信号S2がオンすると発振回路8が作動し、FET13にはパルス信号が入力される。その結果、コイル12には、図8(b)に示すように、全波整流された交流電圧をパルス状に分割した電圧Vc3が印加される。
【0073】また、保持信号S2がオンすると、フォトトランジスタカプラー9がオンし、コイル12に印加されるパルス電圧Vc3のオフ期間においてコイル12内に蓄積された残留磁気エネルギーをフォトトランジスタカプラー9とフライホイールダイオード10とで形成されるフライホイール回路で回生させることが行われる。これにより、図示していない電磁石の少ない電力での保持吸着を実現させている。
【0074】ここで、電源スイッチ2のオフにより交流電源1からの入力が遮断されると(図8(a))、コイル12に印加されるパルス電圧Vc3は消滅するが(図8(b))、オフ時限設定回路19が、オフ時限T2を計時する期間内(図8(c))、制御回路7dは、保持信号S2をオン状態に維持している(図8(d))。したがって、オフ時限T2の期間内、フライホイール回路を流れる回生電流によって電磁石保持が維持される(図8(e))。
【0075】そして、制御回路7dは、オフ時限T2を経過すると、保持信号S2を初めてオフにする(図8(d))。これによって、フォトトランジスタカプラー9がオフし、フライホイール回路が遮断されるので、コイル12内に蓄積された残留磁気エネルギーが定電圧ダイオード11で消費され、図示していない電磁石が直ちに釈放される。
【0076】ここで、オフ時限設定回路19のオフ時限T2は、外部から設定することができるので、例えば、電磁石の釈放時間を遅らせた遅延釈放形電磁開閉器への適用など、この発明に係る電磁石装置の駆動回路が使用される機器の目的に応じた電磁石の釈放時間を設定することができる。
【0077】なお、この実施の形態4では、実施の形態1への適用例を示したが、実施の形態2,3にも同様に適用できることは言うまでもない。また、発振回路8が、投入信号S1によって起動されFET13を一定期間オン駆動する場合があることは、前述した通りである。
【0078】実施の形態5.図9は、この発明の実施の形態5である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図10は、図9に示した可動鉄心21が固定鉄心20に吸着する直前の部分斜視図である。図11は、図9に示した電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する電圧波形図である。
【0079】図9に示すように、この実施の形態5では、電磁石の具体的な構成が示され、図1に示した構成に加えて、電流検出回路23とローパスフィルタ24と比較回路25とが追加され、それに伴い制御回路7aに代わる制御回路7eが設けられている。
【0080】電磁石は、コイル12が巻かれた固定鉄心20と、固定鉄心20に対して図示例では上下動自在に対向して配置される可動鉄心21とで構成されるが、この実施の形態5では、磁気検出コイル22が固定鉄心20の接触面溝部に巻かれて配置されている。磁気検出コイル22は、可動鉄心21が固定鉄心20に確実に吸着されたことを検出するセンサである。
【0081】電流検出回路23は、磁気検出コイル22に誘起される電流を検出し、この検出した電流を電圧変換して出力する。ローパスフィルタ24は、電流検出回路23の出力電圧から直流成分を取り出す。比較回路25は、ローパスフィルタ24の出力が基準電圧Vs4を超えたか否かを検出すると、検出信号を制御回路7eに出力する。制御回路7eは、比較回路25の出力を受けて、投入信号S1をオフにし、保持信号S2をオンにする制御を行う。
【0082】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。電源スイッチ2がオンされると(図11(a))、交流電源1で発生する交流電圧は、全波整流回路3にて全波整流され、全波整流回路3の出力端間には、図11(b)に示すような波形の交流電圧Viが現れる。
【0083】電圧検出回路4は、この全波整流された交流電圧Viの電圧レベルを検出し、所定値を超えると、検出信号を制御回路7eに出力する。これによって、制御回路7eは、動作を開始し、比較回路6から検出信号が入力するのを待機する。一方、瞬時電圧検出回路5は、全波整流された交流電圧Viの瞬時値を検出し、逐一比較回路6に出力する。
【0084】比較回路6は、図11(b)に示すように、基準電圧Vs1と検出された瞬時電圧値とを比較し、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になると、検出信号を制御回路7eに出力する。図11(c)に示すように、比較回路6は、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になる期間内、高レベルとなるパルス信号を繰り返し出力する。
【0085】制御回路7eは、比較回路6からの出力を受けて初めて、レベル信号である投入信号S1をFET13のゲートに出力する。投入信号S1のオン期間内、FET13はオン状態となる(図11(f)(h))。ここで出力される投入信号S1のオン期間は、実施の形態1〜3で説明した電磁石が投入動作を行うと想定される一定期間ではなく、保持信号S2がオンするまでの期間である。
【0086】これによって、図11(i)に示すように、全波整流された交流電圧Viのうち、投入信号S1が立ち上がった時以降の交流電圧Vc4がコイル12に印加される。このとき、当初に印加される電圧レベルは、常に、基準電圧Vs1以下の電圧である。
【0087】コイル12に流れる励磁電流によって固定鉄心20が励磁されると、図9、図10に示した磁束B1,B2,B3が矢印方向に発生する。磁束B1,B2は、磁気検出コイル22内を通過する磁束であり、磁束B3は、外部への漏れ磁束である。当初、電磁石は、図9に示す状態にあり、外部への漏れ磁束B3が相当にあり、相対的に磁束B1,B2は小さくなっている。
【0088】磁気検出コイル22内を通過する磁束B1,B2によって磁気検出コイル22には誘導電流が発生する。電流検出回路23は、磁気検出コイル22に誘起される電流を検出し、電圧信号に変換する。ローパスフィルタ24は、電流検出回路23が出力する電圧信号の直流成分だけを取り出し、比較回路25に出力する【0089】図10に示すように、可動鉄心21が固定鉄心20に極接近し可動鉄心21が固定鉄心20に吸着するに従い、漏れ磁束B3が減少することによって、磁気検出コイル内の磁束B1,B2は増大し、最終的に可動鉄心21が吸着すると漏れ磁束B3はほぼ0となり、磁束B1、B2は急増して、ある最大値で一定値となる。
【0090】したがって、ローパスフィルタ24の出力波形は、図11(d)に示すように、可動鉄心21が固定鉄心20に接近するのに伴い漸増し、可動鉄心21の吸着前後でステップ状に増大し、その後一定値をとる波形となる。比較回路25の基準電圧Vs4は、その一定値よりも少しだけ低い電圧値に設定されている。そこで、比較回路25は、ローパスフィルタ24の出力が基準電圧Vs4以上になったとき、検出信号を制御回路7eに出力する(図11(e))。
【0091】これによって、制御回路7eは、投入信号S1をオフにし、保持信号S2をオンにし、投入信号S1から保持信号S2への切り換え制御を行う(図11(f)(g))。その結果、FET13のゲートには、発振回路8からパルス信号が印加され(図11(h))、コイル12には、保持信号S2が立ち上がった時以降、パルス状の交流電圧Vc4が印加される(図11(i))。
【0092】このように、可動鉄心21が確実に吸着されてから、投入信号S1から保持信号S2へ切り換えられるので、外部的要因による投入不良が発生した場合でも、誤って投入信号S1から保持信号S2に切り替わることがなく、確実な投入動作が実現できる。
【0093】ここで、例えば、この発明に係る電磁石装置のコイル駆動回路を電磁開閉器に使用した場合、電磁開閉器の主回路に交流電流が通電されると、交流成分のみの磁束が周囲に発生するが、磁気検出コイル22でその漏れ磁束を検出してもローパスフィルタ24にて交流成分が遮断されるので、固定鉄心20で発生する磁束B1、B2を正確に検出することが可能である。
【0094】なお、この実施の形態5では、磁気検出コイル22が固定鉄心20の接触面溝部に巻かれて配置されている場合を示したが、その他、可動鉄心21の接触面溝部に同様に配置してもよく、また、固定鉄心20と可動鉄心21の何れか一方の脚部に巻回して配置することでもよい。
【0095】また、制御回路7eが、投入信号S1を直接FET13に出力するのではなく、投入信号S1を発振回路8に出力し、発振回路8がFET13をオン駆動する場合には、発振回路8に出力する投入信号S1が起動信号(パルス信号)となるので、比較回路25の検出信号を受けて、発振回路8の動作を投入信号S1による動作から保持信号S2による動作に切り換え、保持信号S2をオンにするようになっている。
【0096】さらに、この実施の形態5では、実施の形態1への適用例を示したが、制御回路7eがFET13に直接出力する投入信号S1のオン期間が、固定の期間ではない点に注意すれば、実施の形態2,3,4にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0097】実施の形態6.図12は、この発明の実施の形態6である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図13は、図12に記載の可動鉄心21が固定鉄心20に吸着する直前の部分斜視図である。図14は、図12に示した電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する電圧波形図である。
【0098】図12に示すように、この実施の形態6では、電磁石の具体的な構成が示され、図1に示した構成に加えて、ローパスフィルタ24と比較回路27とが追加され、それに伴い制御回路7aに代わる制御回路7fが設けられている。
【0099】電磁石は、コイル12が巻かれた固定鉄心20と、固定鉄心20に対して図示例では上下動自在に対向して配置される可動鉄心21とで構成されるが、この実施の形態6では、磁気センサ(例えばホール素子)26が固定鉄心20と可動鉄心21間のギャップを囲む周辺部に設けられている。磁気センサ(以下「ホール素子」という)26は、可動鉄心21が固定鉄心20に確実に吸着されたことを検出するセンサである。
【0100】ローパスフィルタ24は、磁気センサ26の出力電圧から直流成分を取り出す。比較回路27は、ローパスフィルタ24の出力が基準電圧Vs5以下になると、検出信号を制御回路7fに出力する。制御回路7fは、比較回路27の出力を受けて、投入信号S1をオフし、保持信号S2をオンすることを行うようになっている。
【0101】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。電源スイッチ2がオンされると(図14(a))、交流電源1で発生する交流電圧は、全波整流回路3にて全波整流され、全波整流回路3の出力端間には、図14(b)に示すような波形の交流電圧Viが現れる。
【0102】電圧検出回路4は、この全波整流された交流電圧Viの電圧レベルを検出し、所定値を超えると、検出信号を制御回路7fに出力する。これによって、制御回路7fは、動作を開始し、比較回路6から検出信号が入力するのを待機する。一方、瞬時電圧検出回路5は、全波整流された交流電圧Viの瞬時値を検出し、逐一比較回路6に出力する。
【0103】比較回路6は、図14(b)に示すように、基準電圧Vs1と検出された瞬時電圧値とを比較し、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になると、検出信号を制御回路7fに出力する。図14(c)に示すように、比較回路6は、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になる期間内、高レベルとなるパルス信号を繰り返し出力する。
【0104】制御回路7fは、比較回路6からの出力を受けて初めて、レベル信号である投入信号S1をFET13のゲートに出力する。投入信号S1のオン期間内、FET13はオン状態となる(図14(f)(h))。ここで出力される投入信号S1のオン期間は、実施の形態1〜3で説明した電磁石が投入動作を行うと想定される期間ではなく、保持信号S2がオンするまでの期間である。
【0105】これによって、図14(i)に示すように、全波整流された交流電圧Viのうち、投入信号S1が立ち上がった時以降の交流電圧Vc5がコイル12に印加される。このとき、当初に印加される電圧レベルは、常に、基準電圧Vs1以下の電圧である。
【0106】コイル12に流れる励磁電流により固定鉄心20が励磁されると、図12、図13に示すように、磁束B1,B2,B3の矢印方向の磁束が発生する。磁束B1,B2は、固定鉄心20と可動鉄心21間のギャップ磁束であり、磁束B3は、外部への漏れ磁束である。当初、電磁石は、図12に示す状態にあり、外部への漏れ磁束B3が相当にあり、相対的にギャップ磁束B1,B2は小さくなっている。
【0107】固定鉄心20の吸着部周辺に設けられた磁気センサ26によって、漏れ磁束B3の磁束密度が検出され、その検出された磁束密度を示す電圧信号の直流成分だけをローパスフィルタ24によって取り出す図13に示すように、可動鉄心21が固定鉄心20に極接近し可動鉄心21が固定鉄心20に吸着するに従い、漏れ磁束B3が減少することによって、ギャップ磁束B1,B2は増大し、最終的に可動鉄心21が吸着すると漏れ磁束B3はほぼ0となり、ギャップ磁束B1、B2は急増して、ある最大値で一定値となる。
【0108】したがって、ローパスフィルタ24の出力波形は、図14(d)に示すように、可動鉄心21が固定鉄心20に接近するのに伴い漸減し、可動鉄心21の吸着前後でステップ状に減少し、その後0レベルになる波形となる。比較回路27の基準電圧Vs5は、0レベルよりも少しだけ高い電圧値に設定されている。そこで、比較回路27は、ローパスフィルタ24の出力が基準電圧Vs5以下になったとき、制御回路7fに信号を出力する(図14(e))。
【0109】これによって、制御回路7fは、投入信号S1をオフにし、保持信号S2をオンにし、投入信号S1から保持信号S2への切り換え制御を行う(図14(f)(g))。その結果、FET13のゲートには、発振回路8からパルス信号が印加され(図14(h))、コイル12には、保持信号S2が立ち上がった時以降、パルス状の交流電圧Vc5が印加される(図14(i))。
【0110】このように、可動鉄心21が確実に吸着されてから、投入信号S1から保持信号S2へ切り換えられるので、外部的要因による投入不良が発生した場合でも、誤って投入信号S1から保持信号S2に切り替わることがなく、確実な投入動作が実現できる。
【0111】ここで、例えば、この発明に係る電磁石装置のコイル駆動回路を電磁開閉器に使用した場合、電磁開閉器の主回路に交流電流が通電されると交流成分のみの磁束が周囲に発生するが、磁気センサ26がその漏れ磁束を検出してもローパスフィルタ24にて交流成分が遮断されるので、固定鉄心20で発生する漏れ磁束B3を正確に検出することができる。
【0112】なお、この実施の形態6では、磁気センサ26としてホール素子を示したが、その他、例えば磁気抵抗素子も同様に用いることができる。また、制御回路7fが、投入信号S1を直接FET13に出力するのではなく、発振回路8に出力し、発振回路8がFET13をオン駆動する場合には、発振回路に出力する投入信号S1が起動信号(パルス信号)となるので、比較回路27の検出信号を受けて、発振回路8の動作を投入信号S1による動作から保持信号S2による動作に切り換え、保持信号S2をオンにするようになっている。
【0113】さらに、この実施の形態6では、実施の形態1への適用例を示したが、制御回路7fがFET13に直接出力する投入信号S1のオン期間が、固定の期間ではない点に注意すれば、実施の形態2,3,4にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0114】実施の形態7.図15は、この発明の実施の形態7である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図16は、図15に示した電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する電圧波形図である。
【0115】図15に示すように、この実施の形態7では、電磁石の具体的な構成が示され、図1に示した構成に加えて、判定回路29が追加され、それに伴い制御回路7aに代わる制御回路7gが設けられている。
【0116】電磁石は、コイル12が巻かれた固定鉄心20と、固定鉄心20に対して図示例では上下動自在に対向して配置される可動鉄心21とで構成されるが、この実施の形態7では、可動鉄心21の位置を検出する位置検出センサ28が設けられている。位置検出センサ28は、例えば、可動鉄心21と固定鉄心20のギャップの大きさや可動鉄心21の上端と天井との間隔の大きさを光学的に検出することによって、可動鉄心21の固定鉄心20に対する位置を検出する。ここでは、可動鉄心21と固定鉄心20間のギャップの大きさを検出している。
【0117】したがって、判定回路29は、位置検出センサ28の検出信号が0レベルになったときに、制御回路7gに信号を出力するようにしている。制御回路7gは、判定回路29の出力を受けて、投入信号S1をオフにし、保持信号S2をオンにすることを行うようになっている。
【0118】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。電源スイッチ2がオンされると(図16(a))、交流電源1で発生する交流電圧は、全波整流回路3にて全波整流され、全波整流回路3の出力端間には、図16(b)に示すような波形の交流電圧Viが現れる。
【0119】電圧検出回路4は、この全波整流された交流電圧Viの電圧レベルを検出し、所定値を超えると、検出信号を制御回路7gに出力する。これによって、制御回路7gは、動作を開始し、比較回路6から検出信号が入力するのを待機する。一方、瞬時電圧検出回路5は、全波整流された交流電圧Viの瞬時値を検出し、逐一比較回路6に出力する。
【0120】比較回路6は、図16(b)に示すように、基準電圧Vs1と検出された瞬時電圧値とを比較し、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になると、検出信号を制御回路7gに出力する。図16(c)に示すように、比較回路6は、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になる期間内、高レベルとなるパルス信号を繰り返し出力する。
【0121】制御回路7gは、比較回路6からの出力を受けて初めて、レベル信号である投入信号S1をFET13のゲートに出力する。投入信号S1のオン期間内、FET13はオン状態となる(図14(f)(h))。ここで出力される投入信号S1のオン期間は、実施の形態1〜3で説明した電磁石が投入動作を行うと想定される期間ではなく、保持信号S2がオンするまでの期間である。
【0122】これによって、図16(i)に示すように、全波整流された交流電圧Viのうち、投入信号S1が立ち上がった時以降の交流電圧Vc6がコイル12に印加される。このとき、当初に印加される電圧レベルは、常に、基準電圧Vs1以下の電圧である。
【0123】コイル12に流れる励磁電流により固定鉄心20が励磁されると、可動鉄心21は吸着される。このとき、位置検出センサ28からの出力信号は、可動鉄心21が固定鉄心20に近づくのに伴い漸減し、可動鉄心21が固定鉄心20に吸着されると0レベルになる波形となる(図16(d))。判定回路29は、位置検出センサ28の出力信号が0レベルになった時点で制御回路7gに判定信号を出力する(図16(e))。
【0124】これによって、制御回路7gは、投入信号S1をオフにし、保持信号S2をオンにし、投入信号S1から保持信号S2への切り換え制御を行う(図16(f)(g))。その結果、FET13のゲートには、発振回路8からパルス信号が印加され(図16(h))、コイル12には、保持信号S2が立ち上がった時以降、パルス状の交流電圧Vc6が印加される(図16(i))。
【0125】このように、可動鉄心21が確実に吸着されてから投入信号S1から保持信号S2へ切り換えられるので、外部的要因による投入不良が発生した場合でも誤って投入信号S1から保持信号S2に切り替わることはなく、確実な投入動作が実現できる。
【0126】なお、制御回路7gが、投入信号S1を直接FET13に出力するのではなく、投入信号S1を発振回路8に出力し、発振回路8がFET13をオン駆動する場合には、発振回路8に出力する投入信号S1が起動信号(パルス信号)となるので、判定回路29の判定信号を受けて、発振回路8の動作を投入信号S1による動作から保持信号S2による動作に切り換え、保持信号S2をオンにするようになっている。
【0127】また、この実施の形態7では、実施の形態1への適用例を示したが、制御回路7gがFET13に直接出力する投入信号S1のオン期間が、固定の期間ではない点に注意すれば、実施の形態2,3,4にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0128】実施の形態8.図17は、この発明の実施の形態8である電磁石装置のコイル駆動回路の構成を示すブロック図である。図18は、図17に示した電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する電圧波形図である。
【0129】図17に示すように、この実施の形態8では、電磁継電器の具体的な構成が示され、図1に示した構成に加えて、電流検出回路35a〜35cと、ゼロクロス検出器36a〜36cと、オフ時限回路37a〜37cとが設けられ、それに伴い制御回路7aに代わる制御回路7hが設けられている。
【0130】電磁石は、コイル12が巻かれた固定鉄心20と、固定鉄心20に対して図示例では上下動自在に対向して配置される可動鉄心21とが吸着した状態で示されている。電磁継電器は、可動鉄心21の上端に連結された可動部30の窓枠内に組み込まれ支持されている。
【0131】即ち、電磁継電器は、接点を有し電路を形成する可動接触子31a〜31cと、可動接触子31a〜31cの接触圧力を発生させるばね32a〜32cと、可動接触子31a〜31cの接点と対向する接点を有し、外部との電路を形成する固定接触子33a〜33cと、固定接触子33a〜33cの周囲に巻かれた電流検出コイル34a〜34cとを備えている。
【0132】電流検出回路35a〜35cは、電流検出コイル34a〜34cで発生した電流を検出し、それを電圧信号に変換する。ゼロクロス検出器36a〜36cは、電流検出回路35a〜35cの出力電圧のゼロクロスを検出する。オフ時限回路37a〜37cには、電源スイッチ2がオフされた後の動作時限が設定されている。
【0133】次に、以上のように構成される電磁石装置のコイル駆動回路の動作を説明する。電源スイッチ2がオンされると(図18(a))、交流電源1で発生する交流電圧は、全波整流回路3にて全波整流され、全波整流回路3の出力端間には、図18(b)に示すような波形の交流電圧Viが現れる。
【0134】電圧検出回路4は、この全波整流された交流電圧Viの電圧レベルを検出し、所定値を超えると、検出信号を制御回路7hに出力する。これにより制御回路7hは、動作を開始し、比較回路6から検出信号が入力するのを待機する。一方、瞬時電圧検出回路5は、全波整流された交流電圧Viの瞬時値を検出し、逐一比較回路6に出力する。
【0135】比較回路6は、基準電圧Vs1と検出された瞬時電圧値とを比較し、検出された瞬時電圧値が基準電圧Vs1以下になると、検出信号を制御回路7hに出力する。制御回路7hは、比較回路6からの出力を受けて初めて、レベル信号である投入信号S1をFET13のゲートに出力する。投入信号S1のオン期間内、FET13はオン状態になる。これにより、全波整流された交流電圧Viのうち、投入信号S1が立ち上がった時以降の交流電圧Vc6がコイル12に印加される。このとき、当初に印加される電圧レベルは、常に、基準電圧Vs1以下の電圧である。
【0136】コイル12に流れる励磁電流により固定鉄心20が励磁されると、可動鉄心21は吸引され、可動鉄心21の上端に連結した可動部30も吸引される。このとき、同時に可動接触子31a〜31cも吸引され、可動接触子31a〜31cの接点が固定接触子33a〜33cの接点に当接し、電路が形成される。接点当接後も可動鉄心21は吸引されるので、ばね32a〜32cは押し込まれ、その荷重がそのまま接点間に係り、接点の接触圧力を増大させ、接点の接触を安定させている。
【0137】電路が形成されると、電路に電流が流れ、その電流により電流検出コイル34a〜34cに、その電流に比例した電流を発生する(図18(c))。発生した電流は、電流検出回路35a〜35cにて電圧信号に変換されてゼロクロス検出器36a〜36cに入力される。ゼロクロス検出器36a〜36cは、入力された電圧信号が0レベルになる瞬間を検出するので、図18(d)に示すように、固定接触子33a〜33cを流れる電流の半周期毎に検出信号をオフ時限回路37a〜37cに出力する。
【0138】オフ時限回路37a〜37cは、検出信号を受けてオフ時限T3の初期値からカウントダウンを行い、オフ時限T3となると出力を0レベルにするが、オフ時限T3が固定接触子33a〜33cを流れる電流の半周期よりも長い時限に設定されている。したがって、ゼロクロス検出器36a〜36cが検出信号を出力している期間では、図18(e)に示すように、オフ時限T3となる以前に次の検出信号が入力するので、オフ時限回路37a〜37cの出力波形は、高レベルから僅かに下降することを繰り返す鋸歯状波形となる。制御回路7hは、オフ時限回路37a〜37cの出力が0レベルとなるのを監視しているので、この段階では、保持信号S2のオン状態を維持する(図18(f))。
【0139】ついで、電源スイッチ2により交流電源1からの入力が遮断されると(図18(a))、ゼロクロス検出器36a〜36cの機能は停止され、検出信号の出力が停止する(図18(d))。その結果、オフ時限回路37a〜37cの出力信号は、図18(e)に示すように、ゼロクロス検出器36a〜36cから最後の検出信号を受けてからオフ時限T3の経過時点で0レベルとなるような波形となる。
【0140】なお、電源スイッチ2により交流電源1からの入力が遮断されても(図18(a))、制御回路7hが保持信号S2のオン状態を維持するので(図18(f))、フォトトランジスタカプラー9はオン状態を維持し、コイル12内に蓄積された残留磁気エネルギーがフォトトランジスタカプラー9とフライホイールダイオード10とで形成されるフライホイール回路にて回生され、可動鉄心21の吸着が保持される。
【0141】制御回路7hは、オフ時限回路37a〜37cの出力信号が0レベルになった時、保持信号S2をオフにする(図18(f))。これにより、フライホイール回路が遮断されるので、可動鉄心21は、直ちに釈放され、時間T4(図18(c))が経過すると可動接触子31a〜31cの接点が開離する。
【0142】このとき、オフ時限回路37a〜37cのオフ時限T3と保持信号S2がオフしてから可動接触子31a〜31cの接点が開離するまでの時間T4の合計時間が固定接触子33a〜33cに流れる交流電流の半周期の倍数となるように設定されている。つまり、オフ時限回路37a〜37cの動作時限であるオフ時限T3は、電路に通電される電流がゼロ点となるときに、接点が開離されるように設定されている。そうすると、固定接触子33a〜33cに流れる交流電流が0点のとき、可動接触子31a〜31cの接点が開離するようになる。
【0143】このようにすれば、接点が開離する際に、電流を遮断することがないので、接点間にはアークが発生せず、アーク熱による接点消耗が抑制され、接点寿命を伸ばすことができる。
【0144】なお、この実施の形態8では、保持信号S2をオフにするタイミングに関するものであり、投入信号S1に関しては問題としていない。したがって、実施の形態1への適用だけでなく、その後の実施の形態2〜7にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、瞬時電圧検出回路にて、整流回路が出力する交流電圧の瞬時値が検出され、比較回路にて、検出された瞬時電圧値と基準値との大小比較が行われ、瞬時電圧値が基準値以下となったとき、初めて制御回路から投入信号が出力され、コイルには、常に、基準値以下の瞬時電圧、つまり過大な吸引力を発生しない所定の電圧値が印加されるようになる。したがって、電磁開閉器等へ適用した場合、接点への過大衝撃がなくなるので、異常な接点バウンスは減少する。加えて、鉄心自身の過大衝撃がなくなるので、接点開離現象も減少する。その結果、接点間に発生するアークの発生頻度が減少するので、アーク熱による接点消耗が抑制され、接点寿命を伸ばすことができる。
【0146】つぎの発明によれば、微分回路にて、整流回路が出力する交流電圧の微分値が求められると、第1の比較回路にて、微分値が第1の基準値を超えるのが検出されると、制御回路に検出信号が出力され、同様に第2の比較回路にて、微分値が第2の基準値を超えるのが検出されると、制御回路に検出信号が出力され、制御回路にて、第1の比較回路と前記第2の比較回路からの検出信号のうち先に出力された検出信号を受けて、投入信号を発生するようになる。第1及び第2の基準値は、過大な吸引力を発生させない所定の電圧値に対応する値であるので、常に、コイルは、過大な吸引力を発生しない所定の電圧値で励磁されるようにすることができる。したがって、上記の発明と同様の効果が得られる。
【0147】つぎの発明によれば、ゼロクロス検出回路にて、整流回路が出力する交流電圧のゼロクロス点を検出することが行われ、時限回路にて、交流電圧がゼロクロス点からピーク値以下の所定電圧値近傍まで上昇するのに要する一定時間が計時されると、制御回路から投入信号が出力されるようになる。したがって、コイルには、常に、ピーク値以下の所定電圧値近傍の電圧、つまり過大な吸引力を発生させない電圧が印加されるので、上記の発明と同様の効果が得られる。
【0148】つぎの発明によれば、ピーク電圧検出回路にて、整流回路が出力する交流電圧のピーク値を検出することが行われ、時限回路にて、交流電圧がピーク値から所定電圧値以下まで下降するのに要する一定時間が計時されると、制御回路から投入信号を出力されるようになる。したがって、コイルには、常に、ピーク値以下の所定電圧値近傍の電圧、つまり過大な吸引力を発生させない電圧が印加されるので、上記の発明と同様の効果が得られる。
【0149】つぎの発明によれば、オフ時限設定回路にて、外部から電源スイッチがオフされてからの一定時間であるオフ時限を任意に設定し、制御回路にて、電源スイッチがオフされたとき前記オフ時限設定回路のオフ時限後に保持信号をオフにする。これにより、フライホイール回路が遮断され、外部から設定された任意のオフ時限後に電磁石が釈放されるようになる。したがって、この発明による電磁石装置のコイル駆動回路が使用される機器の目的に応じた電磁石の釈放時間を外部から選択設定することにより、電磁石の釈放タイミングを調節することができる。
【0150】つぎの発明によれば、磁気検出手段にて、電磁石の固定鉄心と可動鉄心との間における磁束密度が検出され、ローパスフィルタにて、磁気検出手段の出力信号から直流成分が検出され、比較回路にて、ローパスフィルタの出力値が基準値を超えたことを検出すると、制御回路が、スイッチング素子に出力している投入信号をオフにし、または発振回路の動作を投入信号による動作から保持信号による動作に切り換え、保持信号をオンにする。これにより、電磁石が確実に吸着した後に保持信号による吸着保持時の制御が行われるようになる。したがって、外部的要因による投入不良等が発生しても、誤った切り換えが行われることがなく、比較的大きな電流でコイルを励磁する状態から比較的小さな電流でコイルを励磁する状態へ切り換える投入動作が確実に実現できる。
【0151】つぎの発明によれば、上記の発明において、磁気検出コイルにて、電磁石の固定鉄心と可動鉄心間の磁束密度を直接検出し、電流検出回路にて、磁気検出コイルに誘起された電流を検出し対応する電圧信号をローパスフィルタに出力することができる。
【0152】つぎの発明によれば、上記の発明において、磁気センサにて、電磁石の固定鉄心と可動鉄心が吸着しているときには最小値を示す外部への漏れ磁束を検出することにより、電磁石の固定鉄心と可動鉄心間の磁束密度を間接的に検出することができる。
【0153】つぎの発明によれば、位置検出センサにて、電磁石の可動鉄心を含む可動部の位置が検出され、判定回路にて、位置検出センサの出力に基づき可動鉄心が固定鉄心に吸着しているか否かが判定され、判定回路が吸着しているとの判定をしたとき、制御回路が、スイッチング素子に出力している投入信号をオフにし、または発振回路の動作を投入信号による動作から保持信号による動作に切り換え、保持信号をオンにする。これにより、電磁石が確実に吸着した後に保持信号による吸着保持時の制御が行われるようになる。したがって、外部的要因による投入不良等が発生しても、誤った切り換えが行われることがなく、比較的大きな電流でコイルを励磁する状態から比較的小さな電流でコイルを励磁する状態へ切り換える投入動作が確実に実現できる。
【0154】つぎの発明によれば、電流検出回路にて、電磁石の吸着・釈放の動作に連動して接離する接点を有する可動接触子及び固定接触子の接点同士が当接することにより形成される電路に通電される電流の検出が行われ、ゼロクロス検出回路にて、前記電流検出回路の出力がゼロクロスするのが検出されると、前記電路に通電される電流の半周期よりも長い動作時限が設定されるオフ時限回路にて、ゼロクロス検出器の出力を受けて前記動作時限に向けての計時動作が行われる。オフ時限回路では、電源スイッチがオフされ、ゼロクロス検出回路が機能停止すると、ゼロクロス検出が発生しなくなるので、最後の検出信号から前記動作時限まで計時する。これにより、制御回路が、保持信号をオフにするので、電磁石が釈放され、可動接触子及び固定接触子の接点同士がアークの発生が抑制される状態で開離させることができる。
【0155】つぎの発明によれば、上記の発明において、オフ時限回路の動作時限は、前記電路に通電される電流がゼロ点となるときに、接点が開離されるように設定されているので、アークの発生の無い開離が実現できるようになる。したがって、アーク熱による接点消耗が抑制され、接点寿命を伸ばすことができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号
【出願日】 平成13年8月20日(2001.8.20)
【代理人】 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【公開番号】 特開2003−59716(P2003−59716A)
【公開日】 平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願番号】 特願2001−249168(P2001−249168)