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【発明の名称】 エキシマランプ光源装置、およびその製造方法
【発明者】 【氏名】森本 幸裕
【住所又は居所】兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ電機株式会社内

【要約】 【課題】ランプ室と処理室を紫外線透過部材で区画したエキシマランプ光源装置において、被処理物の大面積化に対応すべく、新規な構造、およびその製造方法を提供することである。

【解決手段】紫外線を放射するエキシマランプ(20)と、このエキシマランプを取り囲み一部に紫外線透過窓部材を有するケーシング(11)から構成されるエキシマランプ光源装置の製造方法において、複数枚の紫外線透過板状部材(S)の接合部分にアルコキシド(T)を塗布して、この複数枚の紫外線透過板状部材(S)を前記ケーシング(11)の開口部分(24)に組み込み、その後、エキシマランプ(20)の放射光を前記アルコキシドに照射させて、前記紫外線透過板状部材同士を光接合させて前記紫外線透過窓部材を生成することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】紫外線を放射するエキシマランプと、このエキシマランプを取り囲み一部に紫外線透過窓部材を有するケーシングから構成されるエキシマランプ光源装置の製造方法において、複数枚の紫外線透過板状部材の接合部分にアルコキシドを塗布して、この複数枚の紫外線透過板状部材を前記ケーシングの開口部分に組み込み、その後、エキシマランプの放射光を前記アルコキシドに照射させて、これにより、前記紫外線透過板状部材同士を光接合させて前記紫外線透過窓部材を生成することを特徴とするエキシマランプ光源装置の製造方法。
【請求項2】前記紫外線透過板状部材同士の接合部分にアルコキシドを塗布する工程の前に、当該接合部分に対して、エキシマランプからの放射光を照射させることを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ光源装置の製造方法。
【請求項3】前記紫外線透過板状部材の接合部分へのアルコキシドの塗布は、複数枚の紫外線透過板状部材を前記ケーシングの開口部分に組み込む前ではなく、組み込んだ後に行なうことを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ光源装置の製造方法。
【請求項4】前記エキシマランプの放射光による前記アルコシキドへの照射は、初期試験点灯を利用して行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエキシマランプ光源装置の製造方法。
【請求項5】前記エキシマランプの放射光は、波長172nmにピークを有する光であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエキシマランプ光源装置の製造方法。
【請求項6】紫外線を放射するエキシマランプと、このエキシマランプを取り囲み一部に紫外線透過窓部材を有するケーシングから構成されるエキシマランプ光源装置において、前記紫外線透過窓部材は、エキシマランプからの放射光が複数枚の紫外線透過板状部材に塗布されたアルコキシドを照射することによって光接合されたものであることを特徴とするエキシマランプ光源装置。
【請求項7】前記光接合は、前記エキシマランプの初期試験用点灯を利用して行われたものであることを特徴とする請求項6に記載のエキシマランプ光源装置。
【請求項8】前記エキシマランプはキセノンガスが封入されて、波長172nmにピークを有する光を放射することを特徴とする請求項6に記載のエキシマランプ光源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エキシマランプ光源装置とその製造方法に関し、特に、光源装置の紫外線透過窓部材に関し、さらに、紫外線透過窓部材が大型である場合に関する。
【0002】
【従来の技術】この発明に関連するエキシマランプ光源装置としては、例えば、特開平9−302326号があり、そこには、ランプ室と処理室を紫外線透過窓部材により区画した光源装置が記載される。図1にこのような光源装置を使った処理装置の概略構成を示す。処理装置10は光源装置としてのランプ室Rと処理室Tより構成され、その間を例えば石英ガラスからなる紫外線透過窓部材11で区画されている。ランプ室Rには、エキシマランプ20(20a、20b、20c)が金属ブロック21の溝に配置され、この金属ブロック21には冷却水を流す冷却水用貫通孔22(22a、22b)が設けられている。このランプ室Rには不活性ガスが充填され、不活性ガスを流すための導入口23aと排出口23bが設けられている。処理室Tには、エキシマランプ20から放射される紫外線を受ける被処理物1が保持台31に載置されている。処理室Tにも内部空間に処理用ガスを導入するための導入口32が設けられている。紫外線透過窓部材11はランプ室Rに装着される。
【0003】また、エキシマランプ20は、例えば、特開平2−7353号に開示されており、そこには、放電容器にエキシマ分子を形成する放電用ガスを充填し、誘電体バリア放電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)によってエキシマ分子を形成せしめ、このエキシマ分子から放射される光を取り出す放射器、すなわちエキシマランプ(誘電体バリア放電ランプともいう)について記載されている。また、ドイツ特許公開公報DE4022279A1にはMHzという単位で点灯させるエキシマランプが開示されている。そして、放電容器の形状は円筒状であり、放電容器の少なくとも一部は誘電体バリア放電を行う誘電体を兼ねており、この誘電体の少なくとも一部はエキシマ分子から放射される真空紫外光(波長200nm以下の光)に対して透光性であることが開示される。さらに、放電容器の外面には一方の電極として網状電極が設けられたエキシマランプが記載されている。このようなエキシマランプは、従来の低圧水銀放電ランプや高圧アーク放電ランプにはない種々の特長、例えば、単一の波長の真空紫外光を強く放射するなどを有している。
【0004】図1に示す紫外線処理装置では、エキシマランプから放射される真空紫外光、例えば、波長172nmの光によって被処理物1の表面の乾式洗浄、表面酸化処理、表面改質処理、光CVD処理などをすることができる。
【0005】ここで、紫外線透過窓部材は不可欠である。その理由は、第一に、エキシマランプは放電容器の外面に電極を配置するという特殊な構造を有しており、電極の微小成分が蒸発して被処理物へ付着することを防止するためである。第二に、エキシマランプから放射される真空紫外光が酸素にきわめて高い確率で吸収されてしまうため、酸素が混在しないランプ室空間を構成することが好ましく、また、放電容器の形状が断面円形である場合には、放電容器の外周面において被処理物への直線距離が異なるため、被処理物へ到達する紫外線の光量のバラツキを防止すると言う意味でも紫外線透過部材、特に偏平な透過部材を設けることに大きな意味を有している。このような技術については、例えば、特開平8−124540号に開示されている。
【0006】ところが、この窓部材は被処理物の大面積化に伴い、大型化が求められている。これは、透過窓のサイズは被処理物のサイズより大きくする必要があり、また、被処理物に対する視野角の確保という意味においても当該出射窓のサイズは大きなものになってしまうからである。数値例をあげると、窓部材寸法は一辺が1m以上であり、大型で一枚板のものを使わなければならなかった。
【0007】一方、特開平10−282339号には、短波長の紫外線(260nm以下の紫外線)を照射光とする物質の接着、接合に関する技術として、光源から直線偏向を取り出す偏向子について、紫外線を石英ガラスと石英ガラス間に塗布したアルコキシドに照射させて、このアルコキシドの塗膜を固化させ、接着層であるSiO2を形成する技術が知られている。本発明は、このような公知技術に基づいて、前記エキシマランプ光源装置における新たな課題を解決することを目的とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しようとする課題は、ランプ室と処理室を紫外線透過部材で区画したエキシマランプ光源装置において、被処理物の大面積化に対応すべく、新規な構造、およびその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、この発明に係るエキシマランプ光源装置の製造方法は、紫外線を放射するエキシマランプと、このエキシマランプを取り囲み一部に紫外線透過窓部材を有するケーシングから構成されるエキシマランプ光源装置の製造方法において、複数枚の紫外線透過板状部材の接合部分にアルコキシドを塗布して、この複数枚の紫外線透過板状部材を前記ケーシングの開口部分に組み込み、その後、エキシマランプの放射光を前記アルコキシドに照射させて、これにより前記紫外線透過板状部材同士を光接合させて前記紫外線透過窓部材を生成することを特徴とする。
【0010】さらに、前記紫外線透過板状部材へのアルコシキドの塗布は、当該複数枚の紫外線透過板状部材を前記ケーシングの開口部分に組み込む前に行なうのではなく、当該複数枚の紫外線透過板状部材を前記ケーシングの開口部分に組み込んだ後に行なうことを特徴とする。さらに、前記エキシマランプの初期試験点灯は、波長172nmにピークを有する光を放射することを特徴とする。さらに、前記紫外線透過板状部材同士の接合部分にアルコキシドを塗布する工程の前に、当該接合部分に対して、エキシマランプからの放射光を照射させることを特徴とする。
【0011】また、この発明に係るエキシマランプ光源装置は、紫外線を放射するエキシマランプと、このエキシマランプを取り囲み一部に紫外線透過窓部材を有するケーシングから構成されて、前記紫外線透過窓部材は、複数枚の紫外線透過板状部材がエキシマランプから放射光をアルコキシドに照射させて光接合されたことを特徴とする。
【0012】さらに、前記光接合は、前記エキシマランプの初期試験用点灯を利用して行われたものであることを特徴とする。さらに、前記エキシマランプはキセノンガスが封入されて、波長172nmにピークを有する光を放射することを特徴とする。
【0013】このように、本発明は光源からの放射光を直線偏向させる偏向子において石英ガラスと石英ガラスを重ね合わせるという公知技術に基づき、当該技術がエキシマランプ光源装置における大型化する紫外線透過窓の接合に適していることを見出したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】図2は本発明に係るエキシマランプ光源装置の製造工程を示す。図2(a)は、エキシマランプを組み込んだランプ室R(いわゆる、光源装置になるべき部分)を示し、図1に示すランプ室に比べて紫外線透過窓部材が装着されていない点で相違している。ランプ室Rは、全体を構成するケーシング2内に金属ブロック21が配置されて、この金属ブロック21に設けられた溝部に放電ランプ20が配置される。また、金属ブロック21には冷却水用の通路22が設けられるとともに、ケーシングの側壁には不活性ガスを供給、排気するための開口23が設けられる。なお、各放電ランプ20には図示略の電源装置が接続されており、放電ランプ20は点灯可能な状態にある。ケーシング2の一端には開口部24が形成され、この開口24に後工程により紫外線透過窓部材が装着される。
【0015】次に、図2(b)に示すように、面積の小さい短冊状の石英ガラスS(S1,S2,S3・・・)を固定枠3の中に多数並べて石英ガラス組立体Sを形成する。そして、この組立体をケーシング2の開口部24に接近配置させる。ここで、図3は石英ガラス組立体Sを放電ランプ側から眺めた図面である。(a)は図2における石英ガラス組立体Sを示し、面積の小さい短冊状のガラスSを複数並べることで全体として大型ガラスの形態を形成している。一例を挙げると、面積の小さいガラス板は、厚さ10mm、長さ50mm×300mmのものを4枚並べている。なお、小さいガラス板の配置は図に示すように固定枠に対して側辺が平行になるように配置する場合に限定されず、図3(b)に示すように傾斜させるように配置させる構造であってもよい。この構造の利点は、処理物がコロ搬送される場合などにおいて照射ムラが低減できるということである。また、ガラス板の配置については上記実施例に示すもの以外の構造を適用することができ、例えば、正方形のガラス板を碁盤状に並べることなどが可能となる。いずれにしても、ガラス板の大きさや配置は、ケーシング2の開口部24に大きさや形状によって適宜決めることができる。
【0016】また、ガラス板同士の突合せについては、図4(a)〜(c)に示すように各種の形態が適用できる。これらの構造によって、ガラス板同士の接触面積を大きくすることができ、接合強度をより高めることができる。これらの構造についてもは、ガラス板の厚さ、ガラス板の面積、ランプ室の圧力などを考慮して適宜選択することができる。
【0017】図2に戻り、(b)において、エキシマランプ20を点灯させて放射光を石英ガラス組立体Sに照射させる。このときの紫外光は、例えば、波長172nmにピークを有する真空紫外光であり、これにより後段の接合工程に対する前処理としての表面処理を達成することができる。照射時間は、例えば、15分間であり、全体を不活性ガス雰囲気で充満させたチャンバー4などの中で処理することができる。また、固定枠3の周縁であって石英ガラスと接する面には、例えば、テフロン(登録商標)パッキンを介して石英ガラスを固定することができる。さらに、石英ガラスの照射面には、例えば、ソーダ石灰ガラスを配置してテープで固体枠3に固定することができる。
【0018】ここで、エキシマランプ20は製造完成直後のものであって、まだ初期点灯試験(エージング)をしていないものを使うことが好ましい。放電ランプは、一般に製造完成後、エーシングを済ませて出荷する必要があるが、当該エーシングにおける放射光を有効に活用できるからである。
【0019】ここで、石英ガラス組立体Sは固定枠に収容する方法に限定されるものではなく、その他の手段により固定させることもできる。さらには、エキシマランプには、製造完成直後のエージングをしていないものに限らず、既に実用的使用を経ているものであってもかまわない。さらには、光源装置内に内蔵されたエキシマランプを使うのではなく、別のエキシマランプ、例えば、当該工程専用のエキシマランプとその照射装置を使うこともできる。
【0020】次に、図2(c)に示すように、前記テープを剥がして石英ガラス板の表面にアルコキシド液を塗布させる。このとき、アルコシキドTは石英ガラス同士の突合せ部分に注射器などで注入することが好ましい。なお、アルコキシドとしてはTMOS(Teara Methoxy Oxy Silane Si(och3)4)が採用できる。このTMOSの成分は、例えば、TMOSモノマー88%、オリゴマー3%、メタノール9%のものを採用した。
【0021】次に、図2(d)に示すように、石英ガラス組立体Sをランプ室Rの開口部24に保持具5によって組み込む。このときの石英ガラス組立体Sは、ガラス板同士が接合されていないため、必要に応じて、ガラス保持台などを採用することもできる。その後、再度、エキシマランプ20を点灯させて放射光を石英ガラス組立体Sの表面に照射させる。このときの紫外光も、例えば、波長172nmにピークを有する真空紫外光である。なお、ケーシング内には開口23から窒素ガスなどの不活性ガスを流しながら紫外線を照射させる。
【0022】照射時間は、例えば0.2時間であるが、この真空紫外光の照射によりアルコキシドが石英ガラス板同士の接着剤としての機能を果たし、多数の石英ガラスを接合させて一体化した大型の石英ガラスを形成することができる。さらに、アルコキシド自体も石英ガラスとほぼ同じ性質を有し、石英ガラス板同士を突き合わせた部分には照射光を減衰させるようなことはほとんどないように、あたかも1枚の紫外光透過窓部材を形成することができる。また、ケーシング内には窒素ガスを供給しているが、前記1枚化した紫外線透過窓部材は全体として撓むだけであり、接合部分から割れるということはなく、本発明者は、実際に1000時間の窒素ガスの供給にはガラス板が強度を言う点で十分に耐え得ることを確認した。
【0023】なお、前記実施例では、石英ガラス組立体Sにアルコキシドを塗布した後に、当該石英ガラス組立体Sをケーシングの開口部24に組み込むものであったが、例えば、石英ガラス組立体Sを開口部24に組み込んだ後にアルコキシドを塗布することも可能である。この場合は、例えば、石英ガラス組立体Sの外表面(エキシマランプとは反対側)からアルコキシドを塗布、注入することや、例えば、ケーシング2に設けられた開口部23などを利用してアルコキシドを石英ガラス組立体Sのエキシマランプ照射面から塗布することができる。
【0024】このように本発明のエキシマランプ光源装置、およびその製造方法は、石英ガラスと石英ガラスをアルコキシドで光接合するという偏向子の製造方法に採用されていた公知技術に基づき、エキシマランプ光源装置の大型化する紫外線透過窓部材に応用したものである。さらに、エキシマランプのエージング工程に当該光接合を行なうことで極めて効率的な製造方法を提供するものである。
【0025】ここで、前記実施例においては、工程(b)において複数枚のガラス板に対してエキシマランプからの放射光を照射させた。これは、後工程の光接合に対する前処理になるものであるが、この前処理は必ずしも必要な工程ではなく、場合によっては省くことも可能である。すなわち、この場合は図2(b)に示す工程が行なわれないことになる。また、図2(c)に示す工程では、複数のガラス板を並べてからアルコシキドを塗布するものものであったが、1枚のガラス板にアルコシキドを塗布あるいは付着させながら、並べる方法であっても可能である。
【0026】さらには、図2(d)に示す工程においても、エキシマランプ20は製造完成直後のものであって、まだ初期点灯試験(エージング)をしていないものを使うことが好ましい。放電ランプは、一般に製造完成後、エーシングを済ませて出荷する必要があるが、当該エーシングにおける放射光を有効に活用できるからである。しかしながら、エージングをしていないランプに限定されるものではなく、既に実用的使用を経ているものであってもかまわない。さらには、当該ケーシング内に内蔵されたエキシマランプではなく、別のエキシマランプによる照射であってもかまわない。この場合は、ガラス板をケーシングの開口部24に嵌め合わせてケーシング外部から照射させたり、あるいは、別のチャンバーなどでエキシマ光を照射させた後で1枚化した石英ガラスを開口部24に嵌め合わせてもかまわない。さらには、図2(b)の工程と同様に、石英ガラスSは固定枠に収容する方法に限定されるものではなく、その他の手段により固定させることもできる。
【0027】図5は、本発明に係るエキシマランプ光源装置を表すものであり、図1に示す装置を異なる視点から構造をみることができる。ランプ室Rは処理室Tに対して開閉する構造になっており、ランプ室Rに紫外線透過窓部材11が装着される。処理室Tには被処理物1が配置される。なお、図5が光源装置の概念を示すもので、細かい構造は省略している。
【0028】ここで、エキシマランプについて説明する。図6はエキシマランプの概略構造を示す。エキシマランプ20は、全体形状が円筒状であり、材質は誘電体バリア放電によって誘電体として機能するとともに、真空紫外光を透過する合成石英ガラスから構成される。放電ランプ20は内側管63と外側管62が同軸に配置して二重円筒管を構成するとともに、両端を閉じたことから内側管63と外側管62の間に放電空間64が形成される。放電空間64には誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成するとともに、このエキシマ分子から真空紫外光を放射する放電用ガス、例えばキセノンガスが封入される。
【0029】外側管62の外面には網状電極65が設けられ、内側管3の内部に他方の電極である内側電極66が設けられる。網状電極65はシームレスに構成され、全体として伸縮性を有することから外側管62への密着性を良くすることができる。内側電極66はパイプ状、あるいは断面において一部に切り欠きを有する概略C字状のものであり内側管63に密着するように設けられる。放電空間4には必要に応じてゲッタが配置される。網状電極65、内側電極66の間には、図示略の交流電源が接続され、これにより放電空間64にエキシマ分子が形成されて真空紫外光を発光する。放電用ガスとしてキセノンガスを使った場合は波長172nmの光を放射する。このような外部電極型エキシマランプは、放電としては、例えば、50Hzから数MHzで行なわれ、放射照度は5〜50mW/cm、半値幅が2〜15nmぐらいとなる。
【0030】このようなエキシマランプは、従来の放電ランプにはない幾つかの特徴を有している。例えば、従来の放電ランプでは実現できなかった波長180nm以下の真空紫外光を効率よく発光するので、従来の放電ランプでは達成できなかった化学反応を引き起こすことができ、また、反応速度を高めることもできる。また、発光波長は実質的に1波長だけであるため化学反応に必要な紫外線エネルギーだけを効率よく放射できる。また、赤外光を放射せず、時間も短いため処理物を短時間で低温度処理することができる。さらに、従来の放電ランプに比べて入力電力から放射光への変換効率が高いため、低電力でも大きなエネルギーを発生させることもできる。
【0031】上記実施例のエキシマランプは、キセノンガスを封入して波長172nmの光を放射するものであるが、その他のエキシマランプを使うこともでき、例えば、アルゴンガスを封入して波長126nmの光を放射するものや、クリプトンガスを封入して波長146nmの光を放射するものも適用できる。
【0032】ここで、大型化する紫外線透過窓部材の製造方法として、複数の小さな板状部材を一般的な接着剤、例えばセラミックス性ボンドヤフリットガラスで接合すという方法も考えられる。しかし、この方法では接合という意味においては可能かもしれないが、当該接合部分が紫外線透過性を有していないため、被処理物から見ると接合部直下に対応する領域だけ紫外線照射が十分行なわれないという不具合を生じる。この点、本発明の光接合では接合部直下であってもある程度の紫外線照度を確保することができ、さらに、図4(b)(c)に示すように接着面を斜めにする接合形態を採用することで放電ランプからの放射光であるエキシマ光の散乱効果を被処理物に対する処理時において期待することもできる。
【0033】以上、説明したように本発明のエキシマランプ光源装置、およびその製造方法は、石英ガラスと石英ガラスをの間にアルコキシドを塗布させて、このアルコキシドに紫外線を照射させて接着層を形成するという偏向子の製造方法に採用されていた公知技術に基づき、エキシマランプ光源装置の大型化する紫外線透過窓部材に応用したものである。さらに、エキシマランプのエージング工程に当該光接合を行なうことで極めて効率的な製造方法を提供することができる。数値例をあげると、一辺が30cm程度あるいはそれ以上の紫外線透過窓部材においては本発明の光接合は、エキシマランプ光源装置の従来の問題を解消することができて極めて有効に作用することができる。
【出願人】 【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町2丁目6番1号 朝日東海ビル19階
【出願日】 平成13年12月28日(2001.12.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−195000(P2003−195000A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−399598(P2001−399598)