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【発明の名称】 放射性廃棄物の固化処理方法
【発明者】 【氏名】佐藤 龍明
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【氏名】金子 昌章
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【氏名】高田 孝夫
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【氏名】田島 文夫
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝エンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】放射性廃棄物をセメント系固型化材料で固定化する際に二次的廃棄物として発生する混合機の洗浄廃液の発生量を低減する。

【解決手段】放射性廃棄物をセメント系固型化材料で固定化する放射性廃棄物の固化処理方法において、放射性廃棄物とセメント系固型化材料を混合機3で混合した混合物6を固化容器7に投入する混合及び混合物投入工程(a)と、混合機3内に洗浄水を入れて洗浄し、混合機3内の洗浄廃液8を前記混合物6が収容された固化容器7に投入する混合機洗浄及び洗浄廃液投入工程(b)と、固化容器7内の洗浄廃液を混合物6に吸収させ硬化して固化体9とする固化容器内固定化工程(c)とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放射性廃棄物をセメント系固型化材料で固定化する放射性廃棄物の固化処理方法において、前記放射性廃棄物とセメント系固型化材料を混合機で混合した混合物を固化容器内に投入する混合及び混合物投入工程と、前記混合機を洗浄した洗浄廃液を前記混合物が収容された前記固化容器内に投入する混合機洗浄及び洗浄廃液投入工程と、前記混合物に前記洗浄廃液が吸収されて硬化し固化体とする容器内固定化工程とからなることを特徴とする放射性廃棄物の固化方法。
【請求項2】 前記放射性廃棄物は、放射性物質取扱い施設から発生する硫酸ナトリウム主成分の廃液であることを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
【請求項3】 前記放射性廃棄物とセメント系固型化材料の混合物に投入する洗浄廃液の投入量は、容積比で前記混合物100に対して洗浄廃液が7.5以下であることを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
【請求項4】 前記セメント系固型化材料は、ポルトランドセメント、ポルトランドセメントと高炉スラグ、ポルトランドセメントとフライアッシュのいずれか1つから選択されたものからなることを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の固化処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所等から発生する放射性廃棄物をセメント系固型化材料で固体化する放射性廃棄物の固化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等から発生する放射性廃棄物は、ポルトランドセメント等のセメント系固型化材料と混合して、固化容器内に安定に固定化する必要がある。この方法として、放射性廃棄物とセメント固型化材料を混合機で混合し、この混合物を固化容器に投入して固定化する、いわゆるアウトドラム方式が知られており、一部の発電所でも採用されている。
【0003】この方式では、混合機から混合物を排出後、混合機内での固着防止の観点から、混合機内を水で洗浄する必要がある。この洗浄方法には混合機内に水を投入して攪拌させるか、ノズルからスプレーして強制洗浄する。この場合、発生した洗浄廃液は、廃液受け槽に入れて上澄みを再利用するか、そのまま固化容器内で固定化させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の放射性廃棄物の固化処理方法においては、混合機の洗浄廃液のスラッジや洗浄廃液をセメント等で固定化した固化体が二次的な放射性廃棄物となることが課題である。
【0005】本発明では、上記課題を解決するためになされたもので、放射性廃棄物をセメント系固化材料で固定化する場合、二次的廃棄物として発生する混合機の洗浄廃液の発生量を低減し、廃棄物処分費を低減できる放射性廃棄物の固化処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、放射性廃棄物をセメント系固型化材料で固定化する放射性廃棄物の固化処理方法において、前記放射性廃棄物とセメント系固型化材料を混合機で混合した混合物を固化容器内に投入する混合及び混合物投入工程と、前記混合機を洗浄した洗浄廃液を前記混合物が収容された前記固化容器内に投入する混合機洗浄及び洗浄廃液投入工程と、前記混合物に前記洗浄廃液が吸収されて硬化し固化体とする容器内固定化工程とからなることを特徴とする。
【0007】請求項2に係る発明は、前記放射性廃棄物は、放射性物質取扱い施設から発生する硫酸ナトリウム主成分の廃液であることを特徴とする。請求項3に係る発明は、前記放射性廃棄物とセメント系固化材の混合物に投入する洗浄廃液の投入量は、容積比で当該混合物100に対して洗浄廃液が7.5以下であることを特徴とする。
【0008】請求項4に係る発明は、前記セメント系固型化材料は、ポルトランドセメント、ポルトランドセメントと高炉スラグ、ポルトランドセメントとフライアッシュのいずれか1つからなることを特徴とする。
【0009】請求項1に係る発明においては、混合及び混合物投入工程で放射性廃棄物である廃液とセメント系固型化材料の混合物を投入し、混合機洗浄及び洗浄廃液投入工程で固化容器内に前記混合物を混合した混合機の洗浄液を直接投入する。請求項2に係る発明のように対象とする放射性廃棄物が硫酸ナトリウム主成分の濃縮廃液である場合、請求項3に係る発明のように容積比で100のセメント混合物に対して7.5以下の洗浄廃液量で有れば、容器内固定化工程でセメント系固型化材料の水和に洗浄廃液が吸収され、ブリージング水が残留することなく良好な固化体として固定化することが可能となる。
【0010】請求項4に係る発明によれば、セメント系固型化材料は、ポルトランドセメント、ポルトランドセメントと高炉スラグ、ポルトランドセメントとフライアッシュのいずれか1つから選択することにより、いずれも良好な固化体を得ることができる。
【0011】本発明によれば、放射性廃棄物とセメント系固型化材料の混合物、または充てんモルタル等に吸収しうる水の量を把握しておくことにより、あらゆる放射性廃棄物の固化時に適用することができる。
【0012】また、混合機の洗浄廃液を直接固化体に吸収させるため、洗浄廃液専用の受け容器や処理装置を設ける必要がなく、これにより、放射性廃棄物のセメント固化設備を大幅に低コスト化することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1により本発明に係る放射性廃棄物固化方法の第1の実施の形態を説明する。図1に示す工程図において、最初に混合及び混合物投入工程(a)では放射性物質取扱い施設から発生する放射性廃棄物としての濃縮廃液を濃縮廃液タンク1に収容し、この濃縮廃液タンク1から濃縮廃液を濃縮廃液計量槽2での計量を経て混合機3に投入する。
【0014】この混合機3に、セメント系固型化材料を収容したセメント系固型化材料タンク4からセメント系固型化材料計量槽5を経たセメント系固型化材料を投入して混合する。そして、混合機3内の混合物6を排出して固化容器7に投入する。
【0015】つぎに、混合機洗浄及び洗浄廃液投入工程(b)において、混合機3から混合物6を排出した後の空状態の混合機3内に、所定量の洗浄水を投入して混合機3を攪拌する。攪拌により混合機3内に付着し残存する混合物を洗浄され洗浄廃液となる。洗浄廃液8を流出して、固化容器7内に投入すると混合物6上に貯留する。
【0016】最後に固化容器内固定化工程(c)において、所定時間後の固化容器7内の洗浄廃液8は混合物6の硬化時に吸収され、ブリージング水の残留しない良好な固化体9となる。この際、必要に応じて固化容器7の上端開口に蓋10を締めるようにする。
【0017】図2は本実施の形態による固化処理方法において、セメント系固型化材料と模擬廃液の混合物に水を投入して、混合物への洗浄廃液投入量を確認した結果を示すプロット図である。固化処理方法としては、セメント系固型化材料として高炉セメント2500gを用い、放射性物質取扱い施設から発生する硫酸ナトリウム主成分の廃液を模擬した模擬濃縮廃液である25wt%硫酸ナトリウム水溶液1200mlとをミキサで混練した。
【0018】この混練物のうち1Lをポリ袋に投入し、この混練物にミキサの洗浄廃液と見なした水を投入して、24時間後の固化体ブリージング率強度を測定した。この結果、混練物1Lに対し、75ml以下の水の投入量であれば、固化体が硬化時に水を吸収してブリージング水が残留しないことが認められた。
【0019】また、上記実施の形態において、200Lドラム缶を固化容器7とした規模で実証した実施例1〜3の結果を表1にまとめた。表に示した配合でセメント系固型化材料と模擬放射性廃液である硫酸ナトリウム25wt%水溶液を混合機3で混合し、この混合物200Lを固化容器である200Lドラム缶に投入した。続いて、混合機3を20Lの水で洗浄し、この洗浄廃液を混合物が入れられた200Lドラム缶内に投入した。
【0020】この結果、実施例1のポルトランドセメント、実施例2の高炉セメント及び実施例3のフライアッシュセメントのいずれのセメント系固型化材料の場合でも24時間後にはブリージング水が残留することなく固定化されていることが認められた。また、28日後に固化体からコアボーリングして圧縮強度を測定した結果、いずれの固化体も良好な強度が得られることがわかった。本実施の形態によれば、混合機の洗浄廃液を直接混合物に投入することにより、洗浄廃液処理設備を必要とすることなく固化体とすることができる。
【0021】
【表1】

【0022】
【発明の効果】本発明によれば、原子力発電所等から発生する放射性廃棄物のセメント固化処理時において、発生する混合機の洗浄廃液を直接固化容器内の廃棄物とセメント系固型化材料との混合物内に投入して固定化するため、二次的な廃棄物となる洗浄廃液の発生量を低減できる。また、洗浄廃液のみを固化処理した固化体も発生しないため、放射性廃棄物処理に係わるコスト低減に大きく寄与できる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【識別番号】000221018
【氏名又は名称】東芝エンジニアリング株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区堀川町66番2
【出願日】 平成14年3月1日(2002.3.1)
【代理人】 【識別番号】100087332
【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
【公開番号】 特開2003−255085(P2003−255085A)
【公開日】 平成15年9月10日(2003.9.10)
【出願番号】 特願2002−55206(P2002−55206)