| 【発明の名称】 |
原子炉圧力容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】池田 達實 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内
【氏名】岩城 智香子 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内
【氏名】秋永 誠 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内
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| 【要約】 |
【課題】原子炉の炉心溶融事故を想定し、堆積デブリと圧力容器内面との間に強制的に冷却材流路隙間を形成させ、これによって堆積デブリの冷却を促進させる。
【解決手段】圧力容器2の底部の内表面に沿って、この内表面との間に冷却材流路隙間9を形成するように内壁10を設け、溶融堆積物が内壁10の上に堆積するように構成されている。内壁は複数の孔12を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原子炉圧力容器の底部の内表面に沿って、この内表面との間に冷却材流路隙間を形成するように内壁を設け、当該原子炉の想定事故時に生じる溶融堆積物が前記内壁の上に堆積するように構成されていること、を特徴とする原子炉圧力容器。 【請求項2】 請求項1記載の原子炉圧力容器において、前記内壁は複数の孔を有すること、を特徴とする原子炉圧力容器。 【請求項3】 請求項1記載の原子炉圧力容器において、前記内壁は波板形状であること、を特徴とする原子炉圧力容器。 【請求項4】 請求項1記載の原子炉圧力容器において、前記内壁は金属製の網で構成されていること、を特徴とする原子炉圧力容器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉圧力容器に関し、特に、炉心溶融事故を想定した場合に溶融堆積物を炉内保持するための安全性を備えた原子炉圧力容器に関する。 【0002】 【従来の技術】沸騰水型原子炉(BWR)などの原子炉においてはシビアアクシデントが発生すると、炉心で溶融などが発生して、その溶融物と水が爆発的に反応して燃料を小片に粉砕し、原子炉圧力容器(以下、単に「圧力容器」と呼ぶ)の下部に落下して堆積(デブリ)を生じることが考えられる。従来は、このデブリは圧力容器を貫通して容器外に流出するものとされていたため、圧力容器外でのデブリ冷却手段を設置することが必要であった。 【0003】ところが、1979年のTMI(スリーマイル島原子力発電所)−2号機の炉心損傷事故の分析により、溶融炉が下部ヘッドに到達しても、直ちに圧力容器の破損には至らず、圧力容器内に溶融炉心が維持されるという可能性のあることが示された。 【0004】図5に、従来の圧力容器2の下部構造を示す。圧力容器2の内部に炉心1が配置され、炉心1に挿入引抜きされる制御棒(図示せず)を駆動するための制御棒駆動機構のハウジング4が圧力容器2の底部を貫通している。原子炉の運転時には、冷却材である水が圧力容器2内で、炉心1の下方から上方に向かって流れている。 【0005】シビアアクシデントでは、冷却材が圧力容器2外に流出し、炉心1の一部が溶融することが想定される。しかし、圧力容器2内の冷却材が完全になくなるわけではない。 【0006】溶融炉の圧力容器2内での冷却メカニズムは次のように説明される。まず炉心1が溶融して圧力容器2の底部に落下する時には圧力容器2の底部(下部プレナム)には水深4m以上の冷却水プール3が存在するとされている。したがって、溶融炉心はこのプール中に落下する過程で分散・粒子化することによって冷却が促進され、圧力容器2の底部壁(下部ヘッド)への到達時には溶融炉心の温度は低下し、圧力容器2の底部に堆積すると考えられる。 【0007】また、圧力容器2自体もヒートシンク(冷熱源)としての効果がある。BWRではTMI−2に比べても内径約7mと大型の圧力容器を使用しているため、さらにこの効果が大きいと期待できる。加えてBWRの場合は、圧力容器2の底部に制御棒駆動機構ハウジング4の貫通部が多数存在するため、これらの貫通部からの放熱も期待される。さらに、堆積したデブリ5と圧力容器の間に狭隘なギャップが形成され、このギャップに水が浸入することによる沸騰冷却の可能性も指摘されている。現状のBWRではこうしたメカニズムにより、シビアアクシデントに至った場合でも溶融炉心が圧力容器2内で良好に冷却されることによって、圧力容器2内に維持される可能性があるとされている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】BWRは万が一シビアアクシデントに至った場合でも前述のような冷却メカニズムにより圧力容器の健全性が維持される可能性がある。これが確実に達成できれば、圧力容器外での過剰なデブリ冷却手段を設置する必要性はなく、合理的な設備とすることができ、さらに、一層の安全性の向上をはかることができる。しかしながら、堆積デブリと圧力容器の間の狭隘なギャップは確実に形成されるとは限らず、またその形態についても明かではない。そこで、本発明は、堆積デブリと圧力容器内面との間に強制的に冷却材流路隙間を形成させ、これによって堆積デブリの冷却を促進させることを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、原子炉圧力容器の底部の内表面に沿って、この内表面との間に冷却材流路隙間を形成するように内壁を設け、当該原子炉の想定事故時に生じる溶融堆積物が前記内壁の上に堆積するように構成されていること、を特徴とする原子炉圧力容器である。 【0010】請求項1に記載の発明によれば、万が一シビアアクシデントにより炉心が溶融して圧力容器の底部に堆積した場合でも、デブリと圧力容器内面の間の冷却材流路が確保できる。 【0011】また請求項2に記載の発明は、請求項1記載の原子炉圧力容器において、前記内壁は複数の孔を有すること、を特徴とする。請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用・効果に加えて、冷却材の出入り口を多数確保することができるので効果向上が期待できる。 【0012】また請求項3に記載の発明は、請求項1記載の原子炉圧力容器において、前記内壁は波板形状であること、を特徴とする。請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用・効果に加えて、内壁を薄くしても必要な剛性を確保でき、また、スペーサがなくとも、デブリと圧力容器内面の間の冷却材流路を確保することができる。 【0013】また請求項4に記載の発明は、請求項1記載の原子炉圧力容器において、前記内壁は金属製の網で構成されていること、を特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用・効果に加えて、スペーサを必要としないで、デブリと圧力容器内面との間に冷却材流路を確保することができる。また、網目からの冷却材の出入りも期待できる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明に係る第1ないし第3の実施の形態を説明する。ここで、従来技術と、または各実施の形態同士で共通または類似の部分には同一の符号を付して重複説明は省略する。 【0015】図1および図2は、本発明に係る原子炉圧力容器の第1の実施の形態を示す。図示のように、第1の実施の形態では、圧力容器2の底部の内面に沿って隙間9を設けて、内壁10を設ける構成になっている。隙間9は、スペーサ11を圧力容器2の内面に溶接等で固定して、その上に内壁10を固定することによって形成される。内壁10には、多数の孔12が設けられている。 【0016】この原子炉で、万が一、シビアアクシデント(想定事故)に至ってデブリ(溶融堆積物)5が堆積した場合、デブリ5は内壁10の上に堆積し、隙間9には冷却材の流路が形成される。このためこの隙間9に浸入する水の沸騰伝熱によって堆積デブリの冷却を促進することができる。また孔12は、隙間9に出入りする冷却材の通路になる。なお、上記実施の形態の変形例として、内壁10に孔12を設けず、隙間9に出入りする冷却材がすべて内壁10の周辺部を通る構成にすることもできる。 【0017】次に、図3は、本発明に係る原子炉圧力容器の第2の実施の形態を示す。図示のように、第2の実施の形態では、圧力容器2の底部の内面に沿って、波板状の内壁13を設ける構成になっている。波板状の内壁13の谷の部分を圧力容器2の内面に溶接等で固定する。このとき、山の部分に隙間20が形成される。この場合は、スペーサ11(図2)を必要としない。一般的に、波板は平板に比べて、同じ剛性を得るために薄い材料にすることができ、軽くできる等の利点がある。 【0018】なお、図3では三角形状の波板にしているが、上記実施の形態の変形例として、矩形状の波板、あるいは山部および谷部が丸く湾曲した形状の波板(図示せず)を使用しても同様な作用・効果がある。 【0019】次に、図4は、本発明に係る原子炉圧力容器の第3の実施の形態を示す。図示のように、第3の実施の形態では、金属製の網14を圧力容器2の底部の内面に溶接等で貼りつけた構成である。この網14により内壁を形成する。網14には多数の隙間15が形成される。このため、網14の上にデブリ5が堆積しても冷却材流路が確保される。 【0020】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、堆積デブリの冷却を促進することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年2月15日(2002.2.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087332 【弁理士】 【氏名又は名称】猪股 祥晃 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−240887(P2003−240887A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−38862(P2002−38862) |
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