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【発明の名称】 強誘電体記憶装置
【発明者】 【氏名】西原 利幸
【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニー株式会社内

【要約】 【課題】微細化されたキャパシタ(メモリセル)からデータを読み出すための十分な電位の信号を取り出すことができ、データ書込時の消費電力を小さくすることができると共に、チップ全体の面積を小さくすることができる強誘電体記憶装置を提供する。

【解決手段】各々独立した複数のプレート線P101〜P104と共通ノード電極E101との間に接続された複数の強誘電体キャパシタC101〜C104を有するメモリユニット106とビット線B101との間に増幅回路ユニット110を接続する。この増幅回路ユニット110により、各キャパシタC101〜C104からのデータ読み出し時に共通ノード電極E101のデータ信号(センス信号)を増幅してビット線B101に伝達し、各キャパシタC101〜C104へのデータ書き込み時にビット線B101から受ける信号に応じて電源電圧Vccで共通ノード電極E101を充放電する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 各々独立した複数のプレート線と共通ノード電極との間に接続され、前記プレート線への電圧印加に応じて個々に独立したデータの記憶制御が行われる複数の強誘電体のキャパシタを有するメモリユニットと、前記メモリユニットとビット線との間に接続され、前記キャパシタからのデータ読み出し時に前記共通ノード電極のデータ信号を増幅して前記ビット線に伝達し、前記キャパシタへのデータ書き込み時にビット線から受ける信号に応じて前記共通ノード電極を充放電する増幅回路ユニットとを備えたことを特徴とする強誘電体記憶装置。
【請求項2】 前記メモリユニットを複数有すると共に、この複数のメモリユニットの何れかを前記増幅回路ユニットに接続するスイッチ手段を有することを特徴とする請求項1記載の強誘電体記憶装置。
【請求項3】 前記共通ノード電極を充放電するために前記ビット線から前記増幅回路ユニットへ供給される信号の電圧は、電源電圧よりも低いことを特徴とする請求項1または2記載の強誘電体記憶装置。
【請求項4】 前記メモリユニットは、半導体基板上の層間絶縁膜上に形成され、かつ、前記増幅回路ユニットは、前記半導体基板の前記メモリユニットの形成領域に対応する領域を利用して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の強誘電体記憶装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ記憶用の強誘電体キャパシタを多数備えた強誘電体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体記憶装置として特に強誘電体を用いたFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory) は、高速なアクセスと不揮発性の記憶を併せ持つ使い勝手のよいデバイスとして注目されており、その大容量化が期待されている。FeRAMは、小型で低消費電力であると共に衝撃にも強く、大容量化に伴うビット単価の低下が進めば音声や画像の記録メディアとしても有望である。
【0003】現在主流となっている強誘電体記憶装置のセル構造と動作は、US4873664においてS.Sheffeieldらが提案したものである。この提案に基づき実現された強誘電体記憶装置の回路構成の一例を図8に示す。
【0004】この強誘電体記憶装置は、対となった2つの強誘電体のキャパシタにトランジスタを介して相補的にデータを書き込むことにより1 ビットのデータを記憶するものであり、一対のワード線W1,W2が接続されたワード線用デコーダ・ドライバ10と、各ワード線W1,W2に平行配置関係にある一対のプレート線P1,P2が接続されたプレート線用デコーダ・ドライバ12と、各ワード線W1,W2および各プレート線P1,P2に直交配置関係にある一対のビット線B1,B2が接続された差動センスアンプ14と、各ワード線W1,W2および各プレート線P1,P2に直交配置関係にある一対のビット線B3,B4が接続された差動センスアンプ16とを備え、更に各々一対の強誘電体のキャパシタC1,C2、C3,C4、C5,C6、C7,C8と、これらキャパシタC1〜C8へのデータ書き込み時のスイッチング制御を行うトランジスタT1〜T8とを備えて構成されている。
【0005】各キャパシタC1〜C8とトランジスタT1〜T8との接続関係は以下のようになっている。すなわち、キャパシタC1は、その一端がプレート線P1に接続され、他端が、ゲート端がワード線W1に接続されたトランジスタT1のソース−ドレイン間を介してビット線B1に接続されている。キャパシタC2は、その一端がプレート線P1に接続され、他端が、ゲート端がワード線W1に接続されたトランジスタT2のソース−ドレイン間を介してビット線B2に接続されている。同様に、他の一対のキャパシタC3,C4も、一端がプレート線P2に、他端がトランジスタT3,T4を介してビット線B1,B2に接続され、一対のキャパシタC5,C6も、一端がプレート線P1に、他端がトランジスタT5,T6を介してビット線B3,B4に接続され、一対のキャパシタC7,C8も、一端がプレート線P2に、他端がトランジスタT7,T8を介してビット線B3,B4に接続されている。
【0006】このような構成において、例えば一対のキャパシタC1,C2に着目してその動作を説明する。ワード線用デコーダ・ドライバ10の制御によりワード線W1にトランジスタ作動電圧を印加し、更にプレート線用デコーダ・ドライバ12の制御によりプレート線P1にパルス電圧を供給する。この制御によって一対のキャパシタC1,C2から相補的なデータが、トランジスタT1,T2を介して一対のビット線B1,B2へそれぞれ読み出されるので、それを差動センスアンプ14でセンスすることによってデータが得られる。
【0007】即ち両キャパシタC1,C2は、記憶しているデータによって異なる方向に分極しており、「1」のデータを記憶したキャパシタの分極は、プレート線P1のプレートパルスで反転される。一方、「0」のデータを記憶したキャパシタの分極状態は変わらない。これによって、「1」側の方が、大きな電荷が放出され、ビット線電位が高くなる。
【0008】さらにメモリセルを微細化し、大容量化を促進する手法として特開平09−121032号公報にクロスポイント型記憶装置(強誘電体記憶装置)が提案されている。図9はこのクロスポイント型記憶装置の回路構成例を表すものである。
【0009】このクロスポイント型記憶装置は、ワード線W11が接続されたワード線用デコーダ・ドライバ20と、ワード線W11に平行配置関係にある複数のプレート線P11〜P14が接続されたプレート線用デコーダ・ドライバ22と、ワード線W11および各プレート線P11〜P14に直交配置関係にある一対のビット線B11,B12が接続された差動センスアンプ24とを備え、更に各プレート線P11〜P14と共通ノード電極E11との間に接続された複数の強誘電体のキャパシタC11〜C14から成るメモリユニット26と、各プレート線P11〜P14と共通ノード電極E12との間に接続された複数の強誘電体のキャパシタC15〜C18から成るメモリユニット28と、共通ノード電極E11とビット線B11との間にソース−ドレイン端が接続され、ゲート端がワード線W11に接続されたトランジスタ(FET)T11と、共通ノード電極E12とビット線B12との間にソース−ドレイン端が接続され、ゲート端がワード線W11に接続されたトランジスタ(FET)T12とを備えて構成されている。
【0010】このような構成において、各メモリユニット26,28における各々のキャパシタC11〜C18はそれぞれ別個のデータを記憶し、独立したプレート線P11〜P14を介してプレート線用デコーダ・ドライバ22で制御される。例えばワード線用デコーダ・ドライバ20の制御によってワード線W11にトランジスタ作動電圧を印加し、プレート線用デコーダ・ドライバ22の制御によってプレート線P12〜P14の電位を0Vに固定した状態でプレート線P11にパルス電圧を印加すると、一対のキャパシタC11,C15から共通ノード電極E11,E12およびトランジスタT11,T12を介して一対のビット線B11,B12に電荷が放出される。これによって生じた電位差を差動センスアンプ24でセンスすることでデータを読み出すことができる。このようなクロスポイント型記憶装置は、1つのトランジスタT11を複数のキャパシタC11〜C14が共有するため、実効的にビット当たりの素子数が減少し、コスト低減に有効である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の強誘電体記憶装置においては、チップコストを勘案した場合、単にセル面積を小さくするだけではなく、より多くのセルまたはメモリユニットをビット線に接続して、センスアンプやデコーダ等の周辺回路の数を減らす方が有利である。しかしこの場合、ビット線容量が大きくなってしまい、センス信号が小さくなる。即ちデータを読み出すための十分な電位の信号を取り出すことができなくなるという問題がある。
【0012】特に、強誘電体記憶装置では、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)における絶縁膜の如く強誘電体膜厚を薄くしても信号電荷は大きくならない。従って、セルの微細化が進むほど信号電荷は小さくなり、ビット線への接続セル数はむしろ下げて行く必要がある。この理由からセル数を増やす場合、ビット線数を増やさなければならず、これに伴ってセンスアンプやデコーダ等の周辺回路も増加するので、結果的に周辺回路の面積が増大し、チップ面積が大きくなってしまうという問題がある。
【0013】更に、強誘電体記憶装置にデータを書き込む場合、ビット線の電位をフル振幅させなければならないが、ビット線容量が大きいと消費電力が大きくなるという問題がある。強誘電体記憶装置は読み出し後必ず再書き込みするようになっているので、ビット線の充放電に要する消費電流は動作電流に直結する。従ってこの点でもビット線容量が大きくならないようにするため、ビット線へのセル接続数を増やすことができない。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、微細化されたキャパシタ(メモリセル)からデータを読み出すための十分な電位の信号を取り出すことができ、データ書き込み時の消費電力を小さくすることができ、更にチップ全体の面積を小さくすることができる強誘電体記憶装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の強誘電体記憶装置は、各々独立した複数のプレート線と共通ノード電極との間に接続され、プレート線への電圧印加に応じて個々に独立したデータの記憶制御が行われる複数の強誘電体のキャパシタを有するメモリユニットと、メモリユニットとビット線との間に接続され、キャパシタからのデータ読み出し時に共通ノード電極のデータ信号を増幅してビット線に伝達し、キャパシタへのデータ書き込み時にビット線から受ける信号に応じて共通ノード電極を充放電する増幅回路ユニットとを備えた構成を有している。
【0016】この強誘電体記憶装置では、キャパシタからのデータ読み出し時に共通ノード電極のデータ信号が増幅されてビット線に伝達されるので、キャパシタから共通ノード電極へ伝達されるデータ信号が微小信号であっても、十分にデータの”1”または”0”を判定することが可能な信号がビット線に伝達される。また、キャパシタへのデータ書き込み時にビット線から受ける信号に応じて共通ノード電極が増幅回路ユニットで充放電されるので、共通ノード電極の充放電が増幅回路ユニット内でのみ行われ、ビット線自体を共通ノード電極同様に充放電しなくてもよくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態に係るクロスポイント型記憶装置の回路構成を表すものである。
【0019】このクロスポイント型記憶装置は、ワード線W101が接続されたワード線用デコーダ・ドライバ100と、ワード線W101と平行配置関係にある複数のプレート線P101〜P104が接続されたプレート線用デコーダ・ドライバ102と、ワード線W101および各プレート線P101〜P104と直交配置関係にあるビット線B101が接続されたセンスアンプ104と、各プレート線P101〜P104と共通ノード電極E101との間に接続された複数の強誘電体のキャパシタC101〜C104から成るメモリユニット106とを備え、更にビット線B101およびワード線W101に接続されたNMOS型トランジスタTN0とメモリユニット106が接続された共通ノード電極E101との間に、本発明の特徴要素である増幅回路ユニット110を接続することにより構成したものである。
【0020】増幅回路ユニット110は、3つのNMOS型トランジスタTN1〜TN3と3つのPMOS型トランジスタTP1〜TP3とを備えて構成されている。NMOS型トランジスタTN2とPMOS型トランジスタTP1とは、対となってインバータ回路112を構成し、このインバータ回路112の出力端に接続された共通ノード電極E101を充放電する。なお、NMOS型トランジスタおよびPMOS型トランジスタは以下の説明で単にトランジスタと略す場合もある。
【0021】更に、そのインバータ回路112を構成する一方のトランジスタTN2とアース間にはNMOS型トランジスタTN1が接続され、他方のトランジスタTP1とVcc電源との間にはPMOS型トランジスタTP3が接続されている。トランジスタTN1のゲート端には書き込み制御線WCが接続され、トランジスタTP3のゲート端には、インバータ回路114を介して書き込み制御線WCが接続され、双方のトランジスタTN1,TP3でインバータ回路112を活性状態または不活性状態とするスイッチの役割を果たす。
【0022】即ち、書き込み制御線WCはワード線用デコーダ・ドライバ100に接続されており、そのドライバ100から書き込み制御線WCを介して双方のトランジスタTN1,TP3のゲート端に相補的に信号が供給され、この信号レベルが「H」であればインバータ回路112は活性状態に、「L」であれば不活性状態になる。
【0023】メモリユニット106とアースとの間に接続されたトランジスタTN3は、リセット用スイッチの役割を果たし、そのゲート端に接続されたリセット線Rの信号レベルを「H」とすることで共通ノード電極E101の電位を0Vに落とす。リセット線Rはワード線用デコーダ・ドライバ100に接続されており、そのドライバ100でリセット線Rの信号レベルが制御される。
【0024】Vcc電源とトランジスタTN0との間に接続されたトランジスタTP2は、センス用トランジスタであり、共通ノード電極E101の電位をゲート端で受けることによりトランジスタTN0を介してビット線B101にセンス信号を伝達する。また、トランジスタTP2とTN0との間にはインバータ回路112を構成するトランジスタTN2,TP1の各ゲート端(入力端)116が接続されている。
【0025】このような構成のクロスポイント型記憶装置におけるデータ読み出しおよびデータ再書き込みの動作を、図2に示したタイミングチャートを参照して説明する。
【0026】最初にデータ読み出し動作を説明する。時刻t1の初期状態では、書き込み制御線WCの信号レベルは「L」で、この「L」がトランジスタTN1のゲート端およびインバータ回路114を介してトランジスタTP3のゲート端に供給されることによって双方のトランジスタTN1,TP3がオフとなり、そのトランジスタTN1,TP3間に接続されたインバータ回路112が不活性状態となる。
【0027】更に、同時刻t1では、リセット線Rの信号レベルは「H」で、この「H」がトランジスタTN3のゲート端に供給されることによりトランジスタTN3がオンとなっているので、共通ノード電極E101が0Vにイコライズされている。また、ワード線W101の信号レベルは「L」で、この「L」がトランジスタTN0のゲート端に供給されることによりトランジスタTN0がオフとなっているので、ビット線B101と増幅回路ユニット110とは切り離された状態となっている。更にプレート線P101〜P104の信号レベルは全て0Vとなされている。
【0028】時刻t2になると、リセット線Rの信号レベルが「L」とされることによりトランジスタTN3がオフとされ、これによって共通ノード電極E101が浮遊状態となる。
【0029】時刻t3では、例えばプレート線P101が選択され、このプレート線P101に時刻t3〜t9間で「H」となる電源電圧Vccのパルスが与えられると、強誘電体のキャパシタC101に電圧が印加され、図2に示したように共通ノード電極E101の電位が上昇する。この上昇の度合いは、キャパシタC101が分極反転を伴えば大きくなり(データ”1”となり)、反転を伴わなければ小さくなる(データ”0”となる)。
【0030】時刻t4になると、ワード線W101の信号レベルが「H」となることによりトランジスタTN0がオンし、ビット線B101と増幅回路ユニット110とを接続する。この際、トランジスタTP2のゲート端には共通ノード電極E101の電圧が供給されているので、オン状態のトランジスタTP2を流れる電流に従ってビット線B101が充電され、図2に示したようにその電位が上昇を始める。ここでその上昇度合いは”1”を読み出す場合に小さくなり、”0”を読み出す場合に大きくなる。
【0031】時刻t5においては、ビット線B101に接続されたセンスアンプ104を活性化し、データ”1”または”0”の判定を行う。この判定を行う場合、センスアンプ104は、ビット線B101の電位と参照電位とを比較することによって行う。これによってキャパシタC101からのデータ読み出し動作が完了する。
【0032】続いて、データ再書き込み動作の説明を行う。時刻t6になると、ビット線B101がデータ”1”に相当する電位である場合は、センスアンプ104によって放電され、0Vとなっている。一方、ビット線B101がデータ”0”に相当する電位である場合は、センス用のトランジスタTP2またはセンスアンプ104で1V程度まで充電されている。但し、Vcc=3Vとする。また、ビット線B101の電圧は、ワード線W101の信号レベルが「H」でトランジスタTN0がオン状態となっているので、インバータ回路112の入力端116に供給されている。
【0033】時刻t7において、非選択のプレート線P102〜P104の電位をVcc/2(=1.5V)とする。この時、選択されているプレート線P101の電位はVcc(=3V)である。
【0034】時刻t8において、書き込み制御線WCの信号レベルを「H」にすることによってインバータ回路112を活性状態とする。このインバータ回路112の閾値は、ここでは0.5V程度に設定されており、ビット線B101を0Vとすることによってデータ”1”を書き込む時は共通ノード電極E101がVccの電位となり、ビット線B101を1Vとすることによってデータ”0”を書き込む時は共通ノード電極E101が0Vの電位となる。これによってキャパシタC101に”0”が書き込まれる場合、共通ノード電極E101の電位が0VとなるのでキャパシタC101の両極間には−Vccが印加され、”0”が書き込まれる。この時、非選択キャパシタc12〜C14に印加される電圧は−(Vcc/2)であり、抗電界がそれ以下に設定してあれば分極方向は保持される。
【0035】時刻t9では、選択プレート線P101の信号レベルを「L」、即ち電位を0Vとする。これによって例えばビット線B101を0Vとすることによって共通ノード電極E101がVccの電位となり、選択キャパシタC101にVccの電圧が印加され、”1”が書き込まれる。この時、非選択キャパシタC12〜C14に印加される電圧はVcc/2であり、抗電界がそれ以下に設定してあれば分極方向は保持される。
【0036】時刻t10において、ワード線W101の信号レベルが「L」となるとトランジスタTN0がオフとなり、ビット線B101と増幅回路ユニット110とが切り離される。更に書き込み制御線WCの信号レベルが「L」とされることによってインバータ回路112が不活性状態となる。
【0037】最後に、時刻t11において、リセット線Rの信号レベルを「H」とすることによって共通ノード電極E101の電位を0Vに戻す。更に、非選択プレート線P102〜P104の電位を0Vに戻し、ビット線B101も0Vにイコライズしてデータ再書き込み動作を終了する。
【0038】更に、データの書き込みを行う場合は、上記のデータ読み出し動作を行った後、センスアンプ104に接続された複数のビット線の内、所望のビット線のみを”1”または”0”に反転させて上記のデータ再書き込み動作を行えば良い。
【0039】なお、ビット線B101に接続されたセンスアンプ104の構成やデータ”1”または”0”の判定方法に制限は無いが、例えば差動センスアンプを使用し、対となるビット線に図3に示すようなダミーの増幅回路ユニット120を取りつけても良い。図3に示すダミーの増幅回路ユニット120では、ダミーワード線W101aがゲート端に接続されたNMOS型のトランジスタTN0aが図1のトランジスタTN0と、PMOS型トランジスタTP2aが図1のPMOS型トランジスタTP2と同サイズであり、トランジスタTP2aのゲート端に、図1に示すトランジスタTP2のゲート端に供給されるメモリユニット106からの”1”または”0”のセンス信号の中間電位Vrefを供給する。このダミーの増幅回路ユニット110がビット線B101aに接続されると、ビット線B101aの立ち上がり速度が”1”と”0”の中間値となり、選択ビット線B101との電位差を検出して増幅することが可能になる。
【0040】このように、第1の実施の形態のクロスポイント型記憶装置によれば、各々独立した複数のプレート線P101〜P104と共通ノード電極E101との間に接続された複数の強誘電体キャパシタC101〜C104を有するメモリユニット106とビット線B101との間に増幅回路ユニット110を接続し、この増幅回路ユニット110で、各キャパシタC101〜C104からのデータ読み出し時に共通ノード電極E101のデータ信号(センス信号)を増幅してビット線B101に伝達し、各キャパシタC101〜C104へのデータ書き込み時にビット線B101から受ける信号に応じて電源電圧Vccで共通ノード電極E101を充放電するように構成した。
【0041】この構成によれば、キャパシタC101〜C104から共通ノード電極E101へ伝達されるデータ信号が微小信号であっても、十分にデータの”1”または”0”を判定することが可能な信号がビット線B101に伝達される。従って、ビット線容量が大きくなることによりデータ信号が小さくなっても、データを読み出すための十分な電位の信号をビット線B101に取り出すことができる。
【0042】このことから、1本のビット線B101に、より多くのキャパシタを接続して、センスアンプやデコーダ等の周辺回路の数を減らすことができるので、チップ全体の面積(クロスポイント型記憶装置全体の面積)を小さくすることができる。
【0043】また、キャパシタC101〜C104へのデータ書き込み時にビット線B101から受ける信号に応じて電源電圧Vccで共通ノード電極E101が充放電されるので、共通ノード電極E101の充放電が増幅回路ユニット110内でのみ行われ、ビット線B101自体を共通ノード電極E101と同様に充放電しなくてもよくなる。更に、共通ノード電極E101を充放電するためにビット線B101から増幅回路ユニット110へ供給される信号の電圧は電源電圧よりも低くて済む。これらのことから、データ書き込み時の消費電力を小さくすることができる。
【0044】(第2の実施の形態)図4は、本発明の第2の実施の形態に係るクロスポイント型記憶装置の回路構成を表すものである。ここでは、図1の第1の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0045】本実施の形態のクロスポイント型記憶装置が、第1の実施の形態のクロスポイント型記憶装置と異なる点は、増幅回路ユニット110を2つのメモリユニット106および130で共有させたことにある。即ち、上記のメモリユニット106と増幅回路ユニット110との間にNMOS型トランジスタTN4を接続し、更に、共通ノード電極E101と各プレート線P101,P102,…との間に両端の電極が接続された複数のキャパシタC111,C112,…から成るメモリユニット130を、NMOS型トランジスタTN5を介して増幅回路ユニット110に接続した。各トランジスタTN4とTN5のゲート端はワード線用デコーダ・ドライバ100にユニット選択ワード線W102とW103で接続されており、そのスイッチング動作がドライバ100によって制御されるようになっている。
【0046】このような構成において、例えばキャパシタC101からデータを読み出す場合は、ドライバ100の制御によりユニット選択ワード線W102の信号レベルを「H」、ユニット選択ワード線W103の信号レベルを「L」とすることによってトランジスタTN4のみをオンとする。更に上記第1の実施の形態で説明したと同様にプレート線P101に「H」のパルスを与えて、増幅回路ユニット110にデータ信号を伝達する。このデータ信号をセンス用のトランジスタTP2で増幅し、トランジスタTN0を介してビット線B101に伝達する。
【0047】キャパシタC111からデータを読み出す場合は、ドライバ100の制御によりユニット選択ワード線W102の信号レベルを「L」、ユニット選択ワード線W103の信号レベルを「H」とすることによってトランジスタTN5のみをオンとする。更にプレート線P101に「H」のパルスを与えて、増幅回路ユニット110にデータ信号を伝達したのちトランジスタTP2で増幅し、トランジスタTN0を介してビット線B101に伝達する。
【0048】データを書き込む場合にも、同様に書き込み対象となるメモリユニット106または130に接続されたトランジスタTN4またはトランジスタTN5をオンとさせ、上記第1の実施の形態と同様に書き込み動作を行う。
【0049】このように、本実施の形態のクロスポイント型記憶装置では、複数のメモリユニット106,130をトランジスタTN4,TN5を介して増幅回路ユニット110に接続し、メモリユニット106,130の何れかが増幅回路ユニット110に接続されるように構成した。この構成によって、ビット線B101に増幅回路ユニット110を介して、更に多くのメモリユニット106,130を接続することができるので、チップ全体の面積(クロスポイント型記憶装置全体の面積)を更に小さくすることができる。
【0050】(第3の実施の形態)図5は、本発明の第3の実施の形態に係るクロスポイント型記憶装置の回路構成を表すものである。ここでも、同様に、図1の第1の実施の形態の各部に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】本実施の形態のクロスポイント型記憶装置が、第1の実施の形態のクロスポイント型記憶装置と異なる点は、増幅回路ユニット110に代え、他の構成の増幅回路ユニット140を備えたことにある。
【0052】増幅回路ユニット140は、上記の増幅回路ユニット110からプルダウン用のトランジスタTN1とTN2を省略して構成したものである。更にトランジスタTP3のゲート端には、図1に示すようにインバータ回路114を接続せず、図5に示すように書き込み制御線WCが直接接続してある。
【0053】このような構成のクロスポイント型記憶装置におけるデータ読み出しおよびデータ再書き込みの動作を、図6に示したタイミングチャートを参照して説明する。
【0054】最初にデータ読み出し動作を説明する。時刻t21の初期状態では、書き込み制御線WCの信号レベルは「H」で、この「H」がトランジスタTP3のゲート端に供給されることによってトランジスタTP3がオフとなっている。更に、リセット線Rの信号レベルは「H」で、この「H」がトランジスタTN3のゲート端に供給されることによりトランジスタTN3がオンとなっているので、共通ノード電極E101が0Vにイコライズされている。また、ワード線W101の信号レベルは「L」で、この「L」がトランジスタTN0のゲート端に供給されることによりトランジスタTN0がオフとなっているので、ビット線B101と増幅回路ユニット140とは切り離された状態となっている。更にプレート線P101〜P104の信号レベルは全て0Vとなされている。
【0055】時刻t22においては、リセット線Rの信号レベルが「L」とされることによりトランジスタTN3がオフとされ、これによって共通ノード電極E101が浮遊状態となる。
【0056】時刻t23になると、例えばプレート線P101を選択し、このプレート線P101に時刻t23〜t29間で「H」となる電源電圧Vccのパルスを与えると、強誘電体のキャパシタC101に電圧が印加され、図6に示したように共通ノード電極E101の電位が上昇する。この上昇の度合いは、キャパシタC101が分極反転を伴えば大きくなり(データ”1”となり)、反転を伴わなければ小さくなる(データ”0”となる)。
【0057】時刻t24では、ワード線W101の信号レベルが「H」となることによりトランジスタTN0をオンとし、ビット線B101と増幅回路ユニット140とを接続する。この際、トランジスタTP2のゲート端には共通ノード電極E101の電圧が供給されているので、オン状態のトランジスタTP2を流れる電流に従ってビット線B101が充電され、図6に示すようにその電位が上昇を始める。ここでその上昇度合いは”1”を読み出す場合に小さくなり、”0”を読み出す場合に大きくなる。
【0058】時刻t25になると、ビット線B101に接続されたセンスアンプ104が活性化され、データ”1”または”0”の判定を行われる。この判定を行う場合センスアンプ104は、ビット線B101の電位と参照電位とを比較することによって行う。これによってキャパシタC101からのデータ読み出し動作が完了する。
【0059】続いて、データ再書き込み動作の説明を行う。時刻t26では、ビット線B101がデータ”1”に相当する電位である場合は、センスアンプ104によって放電され、0Vとなっている。一方、ビット線B101がデータ”0”に相当する電位である場合は、センス用のトランジスタTP2またはセンスアンプ104で1V程度まで充電されている。但し、Vcc=3Vとする。また、ビット線B101の電圧は、ワード線W101の信号レベルが「H」でトランジスタTN0がオン状態となっているので、トランジスタTP1のゲート端に供給されている。
【0060】時刻t27になると、非選択のプレート線P102〜P104の電位がVcc/2(=1.5V)となる。このとき、選択されているプレート線P101の電位はVcc(=3V)である。
【0061】時刻t28において、リセット線Rの信号レベルを「H」にすることによってトランジスタTN3をオンとし、共通ノード電極E101の電位を0Vに落とす。これによってキャパシタC101に−Vccが印加され、まず”0”が書き込まれる。一方、非選択キャパシタc12〜C14に印加される電圧は−(Vcc/2)であり、抗電界がそれ以下に設定してあれば分極方向は保持される。
【0062】時刻t29では、選択プレート線P101の電位を0Vに落としてリセット線Rの電位を「L」とする。時刻t30になると、書き込み制御線WCの信号レベルを「L」にすることによりトランジスタTP3をオンにすると、共通ノード電極E101の電位が、トランジスタTN0を介してトランジスタTP1のゲート端に印加されるビット線B101の電圧(データ)に依存した速度で上昇を始める。ここでトランジスタTP1の電流能力は(Vg−Vth)の2乗に比例する。但し、Vthは閾値、Vgはソース(ここではVcc)を基準としたゲート端の印加電圧とする。例えばVthを−1.5Vとすると、”1”書き込み時の電流能力は、”0”書き込み時の9倍になる。
【0063】時刻t31において、”1”書き込み時の共通ノード電極E101の電位がVccに達したタイミングで、ワード線W101の信号レベルを「L」とし、トランジスタTN0をオフとする。この時”1”書き込みおよび”0”書き込みにおける共通ノード電極E101の電位は次のようになる。まず、”1”書き込み時の共通ノード電極E101の電位はVccでラッチされる。一方、”0”書き込み時の共通ノード電極E101の電位はまだ1V以下であり、センス用のトランジスタTP2はオン状態のままである。
【0064】この結果、ノード116の電位が急速にVccまで充電され、トランジスタTP1のゲート端に供給されるので、トランジスタTP1の電流供給が停止する。即ち、”0”書き込み時の共通ノード電極E101の電位は1V以下の浮遊状態で保持される。
【0065】このようなプロセスを経て、”1”書き込みの場合、選択キャパシタC101にVccの電圧が印加され、”1”の書き込みが行われる。一方、”0”書き込み時の選択キャパシタC101には1V以下の電位しか印加されない。また、非選択キャパシタC102〜C104に印加される電圧はVcc/2であり、抗電界がそれ以下に設定してあれば分極方向は保持される。
【0066】時刻t32において、書き込み制御線WCを「H」としてトランジスタTP3をオフとする。時刻t33では、リセット線Rの信号レベルを「H」とすることによって共通ノード電極E101の電位を0Vに戻す。更に、非選択プレート線P102〜P104の電位を0Vに戻し、ビット線B101も0Vにイコライズしてデータ再書き込み動作を終了する。
【0067】このように、本実施の形態のクロスポイント型記憶装置によれば、増幅回路ユニット140を第1の実施の形態の増幅回路ユニット110よりも少ないトランジスタ数で構成したので、その分、チップ全体の面積(クロスポイント型記憶装置全体の面積)を更に小さくすることができる。
【0068】なお、第1〜第3の実施の形態で説明した増幅回路ユニット110,140は、従来のクロスポイント型記憶装置での未使用シリコン領域に形成すれば、チップ全体の面積(クロスポイント型記憶装置全体の面積)を更に小さくすることができる。これを図1に示したクロスポイント型記憶装置の断面図である図7を参照して説明する。
【0069】すなわち、各キャパシタC101〜C104は、強誘電体膜150を、プレート線(プレート電極)P101〜P104と共通ノード電極E101で挟んで形成されている。共通ノード電極E101は層間絶縁膜153内に形成されたプラグ153を介してトランジスタTN0の拡散層154に接続されている。またビット線B101およびワード線W101は、共通ノード電極E101とトランジスタTN0との間の層に形成されている。このセルの構成素子は、その殆どがキャパシタであるため、その占有面積もトランジスタTN0では無く、キャパシタ群を構成するプレート線P101〜P104によって決まる。すなわち、セル内のシリコン半導体基板151上には大きな未使用領域152が存在する。この未使用領域152に増幅回路ユニット110を形成すれば、よりチップ全体の面積を小さくすることができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明の強誘電体記憶装置によれば、各々独立した複数のプレート線と共通ノード電極との間に接続された複数の強誘電体のキャパシタを有するメモリユニットとビット線との間に増幅回路ユニットを接続し、この増幅回路ユニットで、キャパシタからのデータ読み出し時に共通ノード電極のデータ信号を増幅してビット線に伝達し、キャパシタへのデータ書き込み時にビット線から受ける信号に応じて共通ノード電極を充放電するようにした。これによって、微細化されたキャパシタ(メモリセル)からデータを読み出すための十分な電位の信号を取り出すことができ、データ書き込み時の消費電力を小さくすることができ、更にチップ全体の面積を小さくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号
【出願日】 平成13年10月17日(2001.10.17)
【代理人】 【識別番号】100098785
【弁理士】
【氏名又は名称】藤島 洋一郎
【公開番号】 特開2003−123465(P2003−123465A)
【公開日】 平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願番号】 特願2001−319207(P2001−319207)