| 【発明の名称】 |
光ディスク装置のトラックサーボ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】元島 寿美雄 【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】光ディスク装置においてディスク上に塵や指紋等があってもトラックサーボ引き込みを安定に行えるようにすること。
【解決手段】光ディスク装置において、トラックサーボ位相補償手段を2系統19,20設置し、トラックサーボ引き込み時23とそれ以外(再生時)とで切り替えるように構成21される。更に、トラックサーボ引き込み時の位相補償手段の特性は、再生時の位相補償手段特性に比べて低周波数帯域ゲインを下げた構成としたものである。前記構成とすることにより、トラックサーボ引き込み時にディスク上に塵や指紋などがあったとしてもトラックサーボが暴れて最悪サーボ外れを起こすこともなく、安定してトラックサーボ引き込みができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光ディスク上のトラックと情報読み取り用に照射された光ビームとの相対的な位置の離間量を表すトラッキングエラー信号を生成するTE信号生成手段と、前記光ディスクから読み取られたRF信号に基づいてオフトラックを表す信号を生成するオフトラック生成手段と、トラックサーボ引き込みの収束性を高めるためにオフトラック時に前記トラックエラー信号をホールドするホールド手段と、前記TE信号生成手段と前記ホールド手段からの出力を前記オフトラック信号により切り替えてヒステリシスTE信号を送出する第1の切り替え手段と、を備えた光ディスク装置のトラックサーボ装置であって、前記第1の切り替え手段からの前記ヒステリシスTE信号は、第1の位相補償手段と第2の位相補償手段に供給され、前記第1と第2の位相補償手段の出力は、トラックサーボ引き込み時に切り替わる第2の切り替え手段を通してトラックサーボ信号とされることを特徴とする光ディスク装置のトラックサーボ装置。 【請求項2】 請求項1に記載の光ディスク装置のトラックサーボ装置において、前記第2の位相補償手段は、前記第1の位相補償手段に比べて、その低周波帯域のゲインを低下させた特性を有し、前記トラックサーボ引き込み時に前記第2の切り替え手段の切り替えによって前記第2の位相補償手段が選択されることを特徴とする光ディスク装置のトラックサーボ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク上の情報を読み取るために、ディスクに対して、ビームを照射しトラックサーボループによりトラック引き込みを行うトラックサーボ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】情報記録されたディスクに対して情報読み取り用の光ビームを照射して、情報が記録されているトラックに追従させるために、ディスク上のトラックと光ビームとの相対的な位置の離間量をあらわすトラッキングエラー信号により、トラッキングエラー信号が零となるようにトラックサーボループを機能させてトラックサーボ引き込みを行う。 【0003】更に、トラックサーボ引き込みの際に光ディスクからの反射光量が低下するオフトラック時には、RF信号のエンベロープによりオフトラックであると検出して、トラックエラー信号に対してホールドをかけてヒステリシス動作させてトラックサーボ引き込みの収束性を高めている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の方法では、トラックサーボ引き込み中にディスク上の塵や指紋等に遭遇すると光ディスクからの反射光量が低下し、RFエンベロープ信号をあるレベルでスライスして生成されるオフトラック信号がまともに出力されない。 【0005】また、トラックエラー信号についても同様の理由により(ディスク上の塵や指紋等による反射光量の低下により)、偽の信号が生成され、オフトラック信号とトラックエラー信号とのタイミングによりトラックエラー信号に対するヒステリシス動作がうまく機能せず、トラックサーボ引き込みの収束性を高めるどころか、却ってトラックサーボ信号に低周波数成分が蓄積され、その結果トラックアクチュエータが傾き、サーボ外れを起こすという課題があった。なお、オフトラック信号の生成とトラックエラー(TE)信号の生成についての生成手法は図1の構成ブロック図を参照のこと。 【0006】本発明の目的は、トラックサーボ引き込み時にディスク上に塵や指紋等があった場合でも、トラックサーボが暴れてサーボ外れを起こすという状況をなくし、安定したトラックサーボ引き込みが可能なトラックサーボ装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は次のような構成を採用する。光ディスク上のトラックと情報読み取り用に照射された光ビームとの相対的な位置の離間量を表すトラッキングエラー信号を生成するTE信号生成手段と、前記光ディスクから読み取られたRF信号に基づいてオフトラックを表す信号を生成するオフトラック生成手段と、トラックサーボ引き込みの収束性を高めるためにオフトラック時に前記トラックエラー信号をホールドするホールド手段と、前記TE信号生成手段と前記ホールド手段からの出力を前記オフトラック信号により切り替えてヒステリシスTE信号を送出する第1の切り替え手段とを備えた光ディスク装置のトラックサーボ装置であって、前記第1の切り替え手段からの前記ヒステリシスTE信号は、第1の位相補償手段と第2の位相補償手段に供給され、前記第1と第2の位相補償手段の出力は、トラックサーボ引き込み時に切り替わる第2の切り替え手段を通してトラックサーボ信号とされる光ディスク装置のトラックサーボ装置。 【0008】また、前記光ディスク装置のトラックサーボ装置において、前記第2の位相補償手段は、前記第1の位相補償手段に比べて、その低周波帯域のゲインを低下させた特性を有し、前記トラックサーボ引き込み時に前記第2の切り替え手段の切り替えによって前記第2の位相補償手段が選択される光ディスク装置のトラックサーボ装置。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係るトラックサーボ装置について、図1〜図4を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施形態に係る光ディスク装置におけるトラックサーボ装置の構成を示すブロック図である。図2はディスク上に塵又は指紋等の無い場合におけるトラッククロス時での一般的なトラッキングサーボの各種信号波形を示す図であり、図3はディスク上に塵又は指紋等の有る場合におけるトラッククロス時での一般的なトラッキングサーボの各種信号波形を示す図である。また、図4は本発明の実施形態に関する位相補償回路のゲイン特性を示す図である。 【0010】図1において、符号10はディスク、符号11は光ピックアップ、符号12はTE(トラックエラー)信号生成回路、符号13はRF(Radio Frequency)信号生成回路、符号14はRFエンベロープ生成回路、符号15はオフトラック生成回路、符号16はAND回路、符号17はTE信号をホールドする回路、符号18,21は切替え回路、符号19,20は位相補償回路、符号22はトラックドライブ回路、符号23は図示していないCPUからの出力信号である「ヒステリシス動作モード信号」である。 【0011】光ディスク装置は、装着されたディスク10を図示されていないスピンドルモータにより回転駆動し、光ピックアップ11によりディスク10の情報記録面からの情報を再生する。光ピックアップ11により再生された信号は、RF信号生成回路13により光ディスクに記録されたデータ情報であるRF信号を生成し、また、TE信号生成回路12により光ディスク上の情報が記録されたトラックと光ピックアップによりディスク上に照射された光ビームとの離間量をあらわすトラックエラー信号が生成される。 【0012】RFエンベロープ信号生成回路14は、RF信号生成回路の出力信号であるRF信号のピークレベルのエンベロープとボトムレベルのエンベロープとの差信号であるRFエンベロープ信号を生成する。前記RFエンベロープ信号を或るレベルでスライスして2値化する回路がオフトラック生成回路15である。 【0013】TE信号生成回路で生成されたトラックエラー信号は、ダイレクトに切替え回路18に入力される一の信号経路に加えて、ホールド回路17により或る時定数でホールドされて切替え回路18に入力される他の信号経路を通るようになっている。そして、このホールド回路17は、切替え回路18が「H」側に切替えられた時に同期してその時のトラックエラー信号をホールドする。 【0014】切替え回路18の出力は、位相補償回路19,20に入力され光ピックアップ11の特性に合わせた位相補償を行い、切替え回路21経由でトラックドライブ回路22に入力され、光ピックアップ11のトラックアクチュエータを駆動可能なレベルまで増幅され、光ピックアップにより光ディスク上に照射される光ビームを光ディスク上のトラックセンターに追従するようにトラックサーボループが構成されている。 【0015】この切替え回路18は、トラックサーボ引き込み時にサーボ引き込みの収束性を高めるために、トラックエラー信号からヒステリシス動作した信号を生成するための回路であり(後述するが、図2の(d)から(e)の波形を生成する)、切替え回路18の制御信号はオフトラック時に「High」となるオフトラック生成回路15の出力と図示していないCPU(中央演算処理装置)からの制御信号である「ヒステリシス動作モード信号」の論理積をとったAND回路16の出力を使用している。 【0016】また、切替え回路21は、図4の(A)にあるようなゲイン特性を持った位相補償回路20と、位相補償回路20に対して低周波数帯域のゲインを低下させた特性(図4の(B)にあるようなゲイン特性)を持った位相補償回路19を切替えるための回路であり、その制御信号は、「ヒステリシス動作モード信号」23により行われる。ヒステリシス動作モード信号は、図示していないCPUの制御出力信号であるが、トラックサーボオン(トラックサーボ引き込み開始時)と同時にHighとなり或る一定時間(例えば10ms程度)後にLowとなる信号である(トラックサーボ引き込み時以外の、例えば再生時にはLow信号)。 【0017】次に、ヒステリシス動作モードにおけるトラックエラー信号の生成について図2に基づき説明する。図2の(a)は図1のRF信号生成回路13の出力信号、図2の(b)は図1のRFエンベロープ生成回路14の出力信号、図2の(c)は図1のオフトラック生成回路15の出力信号、図2の(d)は図1のTE信号生成回路12の出力信号、図2の(e)は図1の切替え回路18の出力信号である。 【0018】図2の波形は、光ピックアップの光ビームが塵や指紋等が無いディスク上をトラック方向に対して横切っているときのものであるが、ポイントcにおいて光ピックアップのディスクに対する進行方向が外周向きから内周向きに変わっている場合である。 【0019】RFエンベロープ信号(b)は、RF信号のピークとボトムのエンベロープの差信号として生成され、オフトラック信号(c)はRFエンベロープ信号を図示しているスライスレベルで2値化した信号であり、ヒステリシスTE信号(e)は、TE信号(d)をオフトラック信号(c)におけるHigh時にホールドして生成する。 【0020】ここで、トラックサーボ信号としてヒステリシスTE信号(e)(トラックエラー信号において、オフトラック時のトラックエラー信号がホールドされた信号を含むトラックエラー信号)を用いる効果は、図2の外周向き移動時のヒステリシスTE信号(e)は、ヒステリシス動作により外周側にオフトラックしている量が大きくなるので、光ピックアップのトラックアクチュエータに対しては内周側に戻そうとするように作用し、また、内周向き移動時は、ヒステリシスTE信号(e)は、内周側にオフトラックしている量が大きくなり、トラックアクチュエータに対しては外周側に戻そうとするように作用し、結果として、トラックサーボの引き込みの収束性を高めることにある。 【0021】一方、光ピックアップが、指紋があるディスク上をトラック方向に対して横切った場合の波形を図3に示す。図3のRF信号では、指紋領域においてディスクからの反射光量が低下するために信号振幅が低下し、オフトラック信号が正しく生成されずにオフトラックがべたHigh(複数のトラックを横切る期間に亘ってオフトラック信号がHigh)となる場合が発生する。その結果、ヒステリシスTE信号としては図3の場合では、外周側にオフトラックしているという偽の情報が続き、トラックアクチュエータを傾けてしまう。トラックサーボ引き込み時にこの現象が発生すると、トラックサーボ外れを起こすという課題がある。 【0022】そこで、図1に示すように位相補償回路を2系統設け(位相補償回路1と位相補償回路2)、トラックサーボ引き込み時のみ、指紋等に起因するヒステリシスTE信号の偽の低周波数成分(トラックサーボ引き込み時という動作態様における図2の(e)波形に比べて、同一の動作態様における図3のヒステリシスTE信号は指紋領域に起因して(トラックずれが実際に発生していないにも関わらず)低周波成分を形成している)によるトラックアクチュエータの傾きを防止するために、位相補償回路のゲイン特性を図4の(B)のように通常の特性に比べ低域周波数帯域のゲインを低下させた位相補償回路2を選択するようにトラックサーボを構成している。 【0023】このように、トラックサーボ引き込み時に、位相補償回路として低周波数帯域ゲインを低下させた特性を用いることにより(図4の(B)の特性を有する位相補償回路2を選定して)、塵や指紋等によりオフトラック信号やトラックエラー信号が正しく生成されずに低周波数成分の蓄積が発生しても、トラックアクチュエータの傾きの発生を抑えることができ、トラックサーボ外れの防止が可能となる。 【0024】以上説明したように、本発明の特徴は、光ディスク装置においてトラックサーボ位相補償手段を2系統設置し、トラックサーボ引き込み時とそれ以外(再生時)とで切り替えるように構成され、トラックサーボ引き込み時の位相補償手段の特性は、再生時の位相補償手段特性に比べて低周波数帯域ゲインを下げた構成としたものである。このような構成とすることにより、トラックサーボ引き込み時にディスク上に塵や指紋などがあったとしても、トラックサーボが暴れて最悪の場合にサーボ外れを起こすと云うことが無く、安定してトラックサーボ引き込みができる。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、トラックサーボ引き込み時に、塵や指紋等によってトラックエラー信号やオフトラック信号が正しく生成されずに低周波数成分が蓄積されている場合にも、トラックアクチュエータの傾き発生を抑えることができて、安定したトラックサーボの引き込みが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005049 【氏名又は名称】シャープ株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
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| 【出願日】 |
平成13年12月27日(2001.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111914 【弁理士】 【氏名又は名称】藤原 英夫
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| 【公開番号】 |
特開2003−196851(P2003−196851A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月11日(2003.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−397659(P2001−397659) |
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