| 【発明の名称】 |
情報記録担体及び情報記録担体の製造装置及び情報記録担体の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 哲也 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番地 日本ビクター株式会社内
【氏名】中川 栄治 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番地 日本ビクター株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】記録容量減及び信号トラックとの相互干渉が生じないアドレス記録を用いた情報記録担体を提供する。
【解決手段】情報記録担体を構成する溝を蛇行させてデータを周波数変移変調または位相変移変調または振幅変移変調し、この蛇行溝と直線溝とを交互に配置し、特に単数または複数波を1チャネルビットとしてデジタル記録するとともに、360度毎にこれらを互いに接続する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも略平行な複数の溝が互いに近接して形成されてなる微細パターンを有した情報記録担体であって、前記微細パターンは、少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、少なくとも直線溝領域を有したトラックとが交互に構成されており、前記蛇行溝領域と、前記直線溝領域とが隣接して配置され、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックとが、360度の角度間隔で交互に配列された一連のトラックとして形成されていることを特徴とする情報記録担体。 【請求項2】 少なくとも略平行な複数の溝が互いに近接して形成されてなる微細パターンを有した情報記録担体であって、前記微細パターンを有した支持体と、前記支持体上に形成された前記微細パターン上に形成された記録層と、前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、前記微細パターンは、少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、少なくとも直線溝領域を有したトラックとが交互に構成されており、前記蛇行溝領域と、前記直線溝領域とが隣接して配置され、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記前記少なくとも直線溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックとが、360度の角度間隔で交互に配列された一連のトラックとして形成されていることを特徴とする情報記録担体。 【請求項3】 前記蛇行溝領域を有したトラックと前記直線溝領域を有したトラックとのピッチをP、照射する光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、P<λ/NAの関係を有して、前記微細パターンが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記録担体。 【請求項4】 前記蛇行溝領域を有したトラックは、前記蛇行溝領域と単一変調領域とから構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の情報記録担体。 【請求項5】 前記蛇行溝領域には、周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調のいずれかによって変調されたデータがデジタル記録されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の情報記録担体。 【請求項6】 前記データは、同一ビットの連続が一定値以下に制限されるようベースバンド変調されたデータであることを特徴とする請求項5に記載の情報記録担体。 【請求項7】 前記ベースバンド変調は、マンチェスタ符号であることを特徴とする請求項6に記載の情報記録担体。 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載の情報記録担体を製造する情報記録担体の製造装置であって、記録すべきデータを生成するデータ生成ユニットと、前記データを変調した被変調データを出力する信号変調ユニットと、ブランク状態の前記情報記録担体を支持する支持ユニットと、前記支持ユニットの回転をモニタする回転モニタと、前記支持ユニットに支持されている前記情報記録担体の位置を変更するために、前記支持ユニットに対して相対運動を付与する相対運動付与ユニットと、エネルギー線を生成して出射するエネルギー線源と、前記エネルギー線を前記被変調データで偏向した偏向エネルギー線を前記支持ユニット側へ出射する偏向器とから少なくともなり、前記信号変調ユニットは、前記回転モニタからの回転角度情報に基づき、前記偏向器へ供給する変調信号の送出タイミングを制御するものであることを特徴とする情報記録担体の製造装置。 【請求項9】 請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載の情報記録担体を製造する情報記録担体の製造方法であって、記録すべきデータを生成する第1工程と、前記データを変調した被変調データを出力する第2工程と、ブランク状態の前記情報記録担体を支持する第3工程と、支持されている前記情報記録担体の半径位置を変更するために、前記情報記録担体に対して相対運動を付与する第4工程と、エネルギー線を生成出射する第5工程と、前記エネルギー線を被変調データで偏向した偏向エネルギー線を前記支持されている前記情報記録担体側へ出射する第6工程とから少なくともなり、前記第6工程は、前記支持されている前記情報記録担体が回転する回転角度情報に基づき、前記被変調データの送出タイミングを制御して前記エネルギー線を偏向する工程であることを特徴とする情報記録担体の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に光学的手段によって情報を記録及び/又は再生するシステムに使用される情報記録担体及び情報記録担体の製造装置及び情報記録担体の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来から情報記録担体を相対運動させて情報を読み出すシステムがあり、その再生には光学的手段、磁気的手段、静電容量的手段などが用いられている。このうち光学的手段によって記録及び/又は再生を行うシステムは日常生活に深く浸透している(ここで「記録及び/又は再生」は記録だけ、再生だけ、記録及び再生の3態様を意味する)。例えば波長λ=650nmのレーザ光を利用した記録再生型情報記録担体としてはDVD−RAMやDVD−RWなどがある(「DVD」はデジタルバーサタイル(多用途)ディスクを意味する)。このように記録再生型情報記録担体は実用化されて、市場に登場してきているものの、記録再生型情報記録担体にアドレス情報を効率良く埋め込む技術の開発についてはいまだ発展途上であり、次世代情報記録担体では従来型アドレス記録技術の改良または新しいアドレス記録技術が必要となっていた。 【0003】そこで、本発明は前記した問題に鑑みて創案されたものであり、少なくとも略平行な複数の溝が互いに近接して形成されてなる微細パターンは、少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、少なくとも直線溝領域を有したトラックとが交互に構成されており、前記蛇行溝領域と、前記直線溝領域とが隣接して配置され、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックとが、360度の角度間隔で交互に配列された一連のトラックとして形成されていることによって、蛇行溝領域を有したトラックと直線溝領域を有したトラックとを交互に配置し、それぞれを360度毎に切り替えるようにしたので、前記蛇行溝領域を有したトラックと前記直線溝領域を有したトラックとの間の溝間部にマークを記録した場合にも、隣接するトラックとの相互干渉がほとんどなく、溝間部の各トラックに記録するユーダデータの記録容量を低下させずに高密度記録容量を維持確保することができる情報記録担体及び情報記録担体の製造装置及び情報記録担体の製造方法を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を解決するために、下記の構成を有する情報記録担体及び情報記録担体の再生方法及び情報記録担体の再生装置を提供する。 (1) 少なくとも略平行な複数の溝が互いに近接して形成されてなる微細パターンを有した情報記録担体であって、前記微細パターンは、少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、少なくとも直線溝領域を有したトラックとが交互に構成されており、前記蛇行溝領域と、前記直線溝領域とが隣接して配置され、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックとが、360度の角度間隔で交互に配列された一連のトラックとして形成されていることを特徴とする情報記録担体。 (2) 少なくとも略平行な複数の溝が互いに近接して形成されてなる微細パターンを有した情報記録担体であって、前記微細パターンを有した支持体と、前記支持体上に形成された前記微細パターン上に形成された記録層と、前記記録層上に形成された透光層とから少なくともなり、前記微細パターンは、少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、少なくとも直線溝領域を有したトラックとが交互に構成されており、前記蛇行溝領域と、前記直線溝領域とが隣接して配置され、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記前記少なくとも直線溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックとが、360度の角度間隔で交互に配列された一連のトラックとして形成されていることを特徴とする情報記録担体。 (3) 前記蛇行溝領域を有したトラックと前記直線溝領域を有したトラックとのピッチをP、照射する光の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、P<λ/NAの関係を有して、前記微細パターンが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記録担体。 (4) 前記蛇行溝領域を有したトラックは、前記蛇行溝領域と単一変調領域とから構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の情報記録担体。 (5) 前記蛇行溝領域には、周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調のいずれかによって変調されたデータがデジタル記録されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の情報記録担体。 (6) 前記データは、同一ビットの連続が一定値以下に制限されるようベースバンド変調されたデータであることを特徴とする請求項5に記載の情報記録担体。 (7) 前記ベースバンド変調は、マンチェスタ符号であることを特徴とする請求項6に記載の情報記録担体。 (8) 請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載の情報記録担体を製造する情報記録担体の製造装置であって、記録すべきデータを生成するデータ生成ユニットと、前記データを変調した被変調データを出力する信号変調ユニットと、ブランク状態の前記情報記録担体を支持する支持ユニットと、前記支持ユニットの回転をモニタする回転モニタと、前記支持ユニットに支持されている前記情報記録担体の半径位置を変更するために、前記支持ユニットに対して相対運動を付与する相対運動付与ユニットと、エネルギー線を生成して出射するエネルギー線源と、前記エネルギー線を前記被変調データで偏向した偏向エネルギー線を前記支持ユニット側へ出射する偏向器とから少なくともなり、前記信号変調ユニットは、前記回転モニタからの回転角度情報に基づき、前記偏向器へ供給する変調信号の送出タイミングを制御するものであることを特徴とする情報記録担体の製造装置。 (9) 請求項1乃至請求項7のいずれか1に記載の情報記録担体を製造する情報記録担体の製造方法であって、記録すべきデータを生成する第1工程と、前記データを変調した被変調データを出力する第2工程と、ブランク状態の前記情報記録担体を支持する第3工程と、支持されている前記情報記録担体の半径位置を変更するために、前記情報記録担体に対して相対運動を付与する第4工程と、エネルギー線を生成出射する第5工程と、前記エネルギー線を被変調データで偏向した偏向エネルギー線を前記支持されている前記情報記録担体側へ出射する第6工程とから少なくともなり、前記第6工程は、前記支持されている前記情報記録担体が回転する回転角度情報に基づき、前記被変調データの送出タイミングを制御して前記エネルギー線を偏向する工程であることを特徴とする情報記録担体の製造方法。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本願発明を理解し易くするために、(A) 〜(C)の順序で説明する。 (A)本願発明に先行する本出願人の発明(B)本願発明の好ましい実施の形態(C)本願発明の具体的な実施例【0006】(A)本願発明に先行する本出願人の発明本発明人は、前述したように、記録再生型情報記録担体は実用化されて、市場に登場してきているものの、記録再生型情報記録担体にアドレス情報を効率良く埋め込む技術の開発についてはいまだ発展途上であり、次世代情報記録担体では従来型アドレス記録技術の改良または新しいアドレス記録技術が必要となっているという、このような背景の下に、アドレス記録した蛇行溝と直線溝から少なくともなる情報記録担体を提案した。 【0007】例えば特願2001−286516号において、周波数変移変調を用いて記録した蛇行溝と直線溝から少なくともなる情報記録担体を提案した。また特願2001−293372号において、位相変移変調を用いて記録した蛇行溝と直線溝から少なくともなる情報記録担体を提案した。さらに特願2001−259444号において、振幅変移変調を用いて記録した蛇行溝と直線溝から少なくともなる情報記録担体を提案した。これらの特許出願に係る発明ではデジタル記録の方法こそ異なるものの、溝蛇行によりデータを記録し、しかもそれを直線溝と交互配置する点は同じであるので、特願2001−286516号を例にとり、説明する。 【0008】図3は特願2001−286516号に記載された情報記録担体の微細パターン900を示した平面図である。ここで微細パターン900とは、蛇行溝201と直線溝203とから少なくともなる情報記録担体であり、蛇行溝201と直線溝203とが交互に配置されている。ここで、蛇行溝201にはアドレスデータなどが周波数変移変調を用いて記録されている。またこれとは別に、ユーザがデータを自由に溝間部202に記録することができる。情報記録担体をこのように構成することによって、効率良く高品質なアドレス情報を埋め込むことができる。すなわち、蛇行溝201を用いているのでユーザ記録再生に供される面積を実効的に減らすことなく、アドレスを低いエラーレートで埋め込むことができ、また埋め込んだアドレスが、ユーザーデータへ干渉せず、記録マークのエラーレートを低く抑えて埋め込むができる。更には直線溝203を間に挟んでいるので、埋め込んだアドレスが、隣接するアドレスへ干渉しない構成となっている。 【0009】このように微細パターン900を有した情報記録担体は、従来の情報記録担体にはない優れた品質のアドレスデータ記録が可能な記録担体である。この情報記録担体は、カード状、ディスク状、テープ状など様々な様式に適応可能な特徴を持っているが、この情報記録担体を円弧状のトラックを有する情報記録担体(例えばディスク状情報記録担体)に適応してみたところ、新たな課題が発生した。すなわち記録面積を有効に活用し、さらにサーチ時間を短縮することを考えると、トラックが円弧状であるがゆえの問題に直面することが判明したのである。 【0010】図16は、この情報記録担体を円弧状のトラックを有する情報記録担体に適応した例を示す平面図である。一点鎖線で図示する蛇行溝201と、直線で図示する直線溝203がそれぞれ円弧状に用意され、且つ互いが交わることなく交互に配置されている。すなわち蛇行溝201と直線溝203は互いに独立した2本のトラックであり、常に一方が他方の内側(または外側)になるように構成されている。そして円弧状を取るがゆえの帰結として、溝間部も2本形成される(内周側溝間部202A、外周側溝間部202B)。 【0011】このような微細パターン900に対して、面積のすべてを利用して、連続的に記録することを考えると、点線で図示したような記録方法となる。すなわち図16では、内周から外周に向かって連続記録を行う方法を示しており、内周側溝間部202Aから記録を開始し、360度進んだところで外周側溝間部202Bに切り替える。そして外周側溝間部202Bに対して記録を始めると、360度進んだところで内周側溝間部202Aに切り替える。以降はこの動作が繰り返し行われる。言い換えれば一周に1回、極性が切り替わることになり、その極性変更ラインをPXとすると、ラインPXで常に内側に1トラックジャンプするようにして記録が行われる。 【0012】なおここでラインPXにおいてジャンプが行われないと、片側の溝間部は使用されないことになり、記録容量が半分に減少することになる。また一方の溝間部のみを連続的に使用し、使い切ったところで他方の溝間部にシフトする方法も考えられるが、サーチ時間が増加し、望ましいものではない。 【0013】このように従来の微細パターン900では、一周に一回の不連続点を有しており、記録再生時には瞬間的なジャンプ動作が必要とされていた。このため情報記録担体にはあらかじめ極性の変更点であるラインPXを指示する信号をあらかじめ記録せねばならなかった。またこのジャンプ動作によって、アドレスデータに不具合が生じないよう、ラインPX周辺でアドレスデータセクタが分断されない工夫が必要であった。またこのジャンプ動作によって、ユーザーデータに不具合が生じないよう、ラインPX周辺でユーザーデータセクタが分断されない工夫も必要であった。これらの整合調整はわずらわしいばかりか、整合のための予備領域を必要とするので情報記録担体の実質的な記録容量を下げることになり、高密度記録にはふさわしいフォーマットではない。 【0014】(B)本願発明の好ましい実施の形態そこで本願発明は、微細パターン900の利点を活かしつつ、実質的な記録容量を下げずに記録再生の可能な高密度記録フォーマットを提供することを目的とする。 【0015】以下、本発明の好ましい実施の形態について、図1乃至図15に沿って説明する。まず本発明の実施形態について図1及び図2を用いて説明する。 【0016】本発明の実施の形態の情報記録担体1は、記録、再生の少なくとも1つが主に光学的な手段により行われる情報記録担体である。例えば相変化記録型情報記録担体、色素型情報記録担体、光磁気型情報記録担体、光アシスト磁気型情報記録担体などである。 【0017】図1に示すように、情報記録担体1の表面(レーザ光照射面)または内部には、その記録再生領域として凹凸状の微細パターンが形成され、その平面構造は略平行な複数の溝が互いに近接して形成される微細パターン100を構成している。図1の例では微細パターン100をそのごく一部について円弧状に描いているが、実際はこの円弧が螺旋状に連続して形成されている。 【0018】また図1では情報記録担体1が円形として描かれているが、本発明はその形状に限定されるものではない。図2に記載されたカード状の情報記録担体1であってもよく、図1と同様に、微細パターン100が円状に形成されている。 【0019】また図3は図1〜図2に記載された微細パターン100を部分的に拡大して、その平面微細構造を示したものである。微細パターン100は少なくとも蛇行溝領域を有したトラック201と、直線溝領域を有したトラック203からなり、これらはマクロ的には略平行に、そして互いに交互に構成されている。なおここで説明のために蛇行溝領域を有したトラック201と、直線溝領域を有したトラック203の間は、溝間部202と呼ぶことにする。そして蛇行溝領域を有したトラック201と、直線溝領域を有したトラック203は高さが同じであり、溝間部202の高さとは異なっている。 【0020】なおここで蛇行溝領域を有したトラック201は、データが周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調のいずれかを用いて形状記録されている。データは2値(バイナリ)であっても、多値であってもよい。また蛇行形状の基本波は、正弦波に限らず、三角波、矩形波などから選ぶことができるが、特に正弦波を選択すると高周波成分を含まず、帯域を制限した品質の良い記録ができる。なお記録されたデータの読み取りには、位相変移変調と同様にプッシュプル法を用いることができる。また蛇行溝領域を有したトラック201、直線溝領域を有したトラック203は共にスパイラル状であり、蛇行溝領域と、直線溝領域とが半径方向に順次交互に隣接して配置されている。なお周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調による具体的な記録方法については、後に詳述する。 【0021】本発明で記録しようとするデータはデジタルデータであり、微細パターン100の少なくとも一部に、溝の形状として記録される。従って書き換えのできない永久データである。データの種類は特に問わないが、アドレス情報、複製防止情報、暗号化した情報、暗号鍵などを扱うことができる。なおここでアドレス情報とは、情報記録担体1全面に対して割り当てられた絶対アドレス、部分領域について割り当てられた相対アドレス、トラック番号、セクタ番号、フレーム番号、フィールド番号、時間情報、エラー訂正コードなどから選ばれるデータであり、例えば10進法または16進法によって記述されたものを2進法(BCDコードやグレイコードの例を含む)に変換したデータである。なお以下の説明では理解を容易にするために、記録するデジタルデータをアドレスデータとして説明する。 【0022】なお図面では蛇行溝領域を有したトラック201と直線溝領域を有したトラック203は、溝間部202より狭く描写されているが、それぞれの溝幅に制限はない。また蛇行溝領域を有したトラック201の幅と、直線溝領域を有したトラック203の幅は、同じであっても、異なっていてもよい。 【0023】また蛇行溝領域を有したトラック201中心と、直線溝領域を有したトラック203中心とのピッチPや、これらの溝幅との関係は任意であるが、高密度化の観点から、本発明になる情報記録担体1を再生する再生光(照射するレーザ光)の波長をλ、対物レンズの開口数をNAとする時、P<λ/NAの関係を有して構成されていることが望ましい。例えばDVD同様λ=650nm、NA=0.6とした時P<1083nmで構成される。また例えば窒化ガリウム系化合物半導体発光素子と高NAピックアップを使用した時は、λ=405nm、NA=0.85としたときP<476nmで構成されている。 【0024】また蛇行溝領域を有したトラック201の溝蛇行の振幅Δは、ピッチPとの間にΔ<Pの関係を有して形成されている。また蛇行溝領域を有したトラック201及び直線溝領域を有したトラック203の高さと、溝間部202の高さの差は、情報記録担体1のトラッキング性能を得るために再生光学系のλ、NAを考慮して、λ/(28k)〜λ/(4.6k)、望ましくはλ/(18k)〜λ/(6k)の関係をなすことが望ましい。特にλ/(16k)〜λ/(8k)が好適である。ここでkはレーザ光の入射する透過層のλにおける屈折率を表す。 【0025】次に図4を用いて、本発明の主点である情報記録担体1の微細パターン100の平面構造について説明する。図4は微細パターン100の平面構造を示した平面図であり、少なくとも蛇行溝領域を有したトラック201は1点鎖線、少なくとも直線溝領域を有したトラック203は直線で図示されている。このうち少なくとも蛇行溝領域を有したトラック201が円周状に360度連続している。そして少なくとも直線溝領域を有したトラック203が円周状に360度連続している。さらにこれら2種類のトラックは、360度毎に互いに接続されて、1つのスパイラルを構成している。換言すれば、蛇行溝領域を有したトラック201と直線溝領域を有したトラック203とが360度の角度間隔で交互に配列された一連のトラックとして螺旋状に形成されている。従ってこれら2種類のトラックの接続点は、1方向に揃うことになり、図4ではその接続点を接続ラインCXとして図示されている。また溝間部202も円周状に360度連続しているが、そのまま360度以上についても連続し、1つのスパイラルを構成している。従来の微細パターン900のように、溝間部が2つのスパイラル(202A、202B)を構成することはない。従って例えば内周から、または外周から連続して記録再生を行うことが可能になる。 【0026】上述したように本発明になる情報記録担体1は、少なくとも蛇行溝領域を有したトラック201と、溝間部202と少なくとも直線溝領域を有したトラック203から少なくともなり、これらは略平行にそして互いに交互に隣接して配置され、蛇行溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、且つ直線溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、且つこれらが毎に互いに接続されて、微細パターン100を構成している。このうち蛇行溝領域を有したトラック201に対し、データが周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調から選ばれた1のまたは組み合わせた変調方式を用いて変調されることによって永久情報として形状記録される。溝の蛇行、具体的には周波数の変化、位相の変化、振幅の変化に対応してデジタル記録するので、再生時のデータ判別能力には優れたものがある。従って比較的少ないC/Nであっても低いエラーレートを得ることができる。また溝トラックの中(201等及び203)や溝間部202に相変化や色素や光磁気による記録マークを記録してノイズが重畳されたとしても、予め溝トラックに形状記録したデータが乱されることはない。 【0027】また隣り合った溝のデータの相互干渉(クロストーク)に関しては、蛇行領域を有した溝201どおしの間に、直線溝203が挿入されているので、隣接トラックアドレスのクロストークは生じない。従って、クロストークによるデータエラーの発生はほとんどないので、CLVのように隣接トラックとの距離が瞬間瞬間で変化するパターンに対しても、アドレスエラーレートは低く維持できる。また溝間部が1つのスパイラルを構成しているので、溝間部をトレースする限り、内周または外周から連続して記録再生を行うことが可能になる。 【0028】次に本発明になる情報記録担体1の再生方法について説明する。図5は、再生方法を説明するための微細パターン100の拡大平面図である。従って蛇行溝領域を有したトラック201及び直線溝領域を有したトラック203が交互に配置され、その間には溝間部202が設けられている。なお蛇行溝領域を有したトラック201及び直線溝領域を有したトラック203及び溝間部202は互いに略平行であり、半径方向には垂直、接線方向には平行の方向に伸びている。図5には再生レーザ光91も併せて図示しており、溝間部202にスポットが集光されており、再生または記録再生を行うことができる。再生レーザ光91は蛇行溝領域を有したトラック201及び直線溝領域を有したトラック203の両方の壁面も同時に照射している。従って溝間部202に記録再生が行われても、プッシュプル法によりアドレスデータを再生することができる。 【0029】すなわち、再生ピックアップ(図示せず)に内蔵された4分割フォトディテクタの出力差を適当に選ぶことによって、プッシュプル信号を生成できる。図5のレーザ光91には4分割されるフォトディテクタをA,B,C,Dとして投影しているが、例えば半径方向の出力差、すなわち(A+B)−(C+D)を生成することによって、プッシュプル信号が得られる。これによって周波数変移変調、位相変位変調、振幅変移変調のいずれかで記録されたアドレスデータを良好に再生することができる。 【0030】このプッシュプル信号は同時に、データが溝間部202に対して、内周側または外周側のいずれかに記録されたものであるかを知る手段にもなる。例えば(A+B)信号と(C+D)信号を比較し、再生出力が変動している側を記録側と判定することができる。このことはデータ記録をアドレス記録に適応した場合に強く効力を発生する。すなわち本発明になる情報記録担体1では、アドレスデータは、直線溝領域を有したトラック203と交互に記録されているから、そのままではアドレスは2トラックに1トラック分しか出てこない。しかしながらプッシュプル信号により、右側または左側(ディスク状情報記録担体であれば、内周側または外周側)のいずれかに記録されたものであるかが判定できるのであれば、新たな2値情報を得ることになるので、1トラックに1トラック分のアドレスを得ることができる。 【0031】図6は情報記録担体1の微細パターン100の平面構造を示した平面図であり、その再生または記録再生方法を具体的に示す図である。蛇行溝201は1点鎖線、直線溝203は直線で図示されている。先述したように、溝間部202は連続した1つのスパイラルを構成しているので、図5において点線矢印で示したように溝間部202にトラッキングを取り、トレースする限り連続した再生または記録再生が可能である。すなわち図6の最内周から再生すると、最初のトラックでは、外周側に蛇行溝201が見られ、内周側では直線溝203が見られるが、360度回転したCX以降は外周側に直線溝203が見られ、内周側で蛇行溝201が見られることになる。以降はこれを繰り返すことになるが、1つのスパイラルで構成されているので、ジャンプ動作を伴うことなく、連続して記録再生を行うことが可能になる。従って、極性の変更点であるラインCXを指示する信号の記録は不要であり、またアドレスデータセクタやユーザーデータセクタが分断されない工夫も不要になり、情報記録担体の記録容量は高いまま維持できることになる。 【0032】次に本発明になる情報記録担体1の構成について、図7〜図10を用いてさらに詳しく説明する。図7は本発明になる情報記録担体1の断面図と再生方式を模式的に図示したものである。情報記録担体1は、支持体13、記録層12,透光層11から少なくともなる。そして支持体13の記録層12と接する側に、前述した微細パターン(蛇行溝領域を有したトラック201と直線溝領域を有したトラック203と溝間部202)が凹凸形状として形成されている。そして記録または再生を担うレーザ光91は、対物レンズ90を介して、透光層11側から入射される。透光層11を通過した光は、記録層12に照射され、再生または記録・再生が行われる。 【0033】このような構成の情報記録担体1に対して、前述したアドレスデータの記録再生を適応した場合、いわゆるグルーブGとランドLのいずれかに蛇行溝領域を有したトラック201(及び直線溝領域を有したトラック203)と溝間部202を配置することになる。なおここでグルーブGとランドLの名称は、グルーブLは入射面に近い方の溝、ランドLは入射面から遠い方の溝を表した名称である(例えば日本工業規格JIS−X6271−1991)。 【0034】そこで前記した蛇行溝領域を有したトラック201(及び直線溝領域を有したトラック203)と溝間部202とのいずれをグルーブGとランドLに配置するのが相応しいかを検討した。この課題は、アドレスデータのみならず、記録層12にユーザが記録再生するにはグルーブG、ランドLのいずれに記録するのが相応しいかという課題と深く関係してくる。そのような観点で検討したときに、記録層12へのユーザ記録はグルーブGにのみ選択的に記録するのが、再生ジッタ及びエラーレートを低く抑えられ、なおかつ記録の繰り返し性能にも優れることが判明した。この理由は、グルーブGがランドLよりもレーザ光91(対物レンズ90側)からみて手前に位置する(近接している)ために、ランドLよりもグルーブGにはレーザ光91の照射による熱が蓄積しやすい。この結果、グルーブGにおける記録感度は高感度になるばかりか、そこに形成される記録マークの形状が均一となり、よってグルーブGでは理想的記録が行えることが判明したからである。一方、ランドLに同様のマークを記録した場合には、レーザ光91の照射による熱がグルーブGよりも放熱しやすくなるので、そこに形成される記録マークの形状は不均一となるから、ランドLでは理想的記録が行えないことが判明したためである。 【0035】また記録再生をこのようにグルーブGに限定した場合、蛇行溝領域を有したトラック201(及び直線溝領域を有したトラック203)をランドL側に配置し、溝間部202をグルーブG側に配置するのが相応しいことが判明した。即ち、この構成が逆であると、蛇行溝領域を有したトラック201の中心にレーザ光91が照射されることになり、アドレスはランドL側に配置する場合の約2倍の出力で再生される。しかし次のトラックでは直線溝領域を有したトラック203の中心にやはりレーザ光が照射されることになり、アドレスは全く再生されなくなる。従ってアドレスは2周に1つしか再生されないことになり、情報記録担体1のアドレスとして役立たないことになるからである。 【0036】以上をまとめると、図7に示すように蛇行溝領域を有したトラック201(及び直線溝領域を有したトラック203)をランドL側に配置し、溝間部202をグルーブG側に配置するのが相応しく、さらに記録再生はグルーブGにフォーカスして行うのが最も相応しいことになる。 【0037】ところでここで、図7中の支持体13、記録層12及び透光層11について詳細に説明しておく。支持体13は、この上に形成されている記録層12及び透光層11を機械的に保持する機能を有するベースである。この材料としては、合成樹脂、セラミック、金属のいずれかが用いられる。合成樹脂の代表例としては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどの各種熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、各種エネルギー線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂の例を含む)を好適に用いることができる。 【0038】なお、これらは金属粉またはセラミック粉などを配合した合成樹脂であってもよい。また、セラミックの代表例としてはソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。また、金属の代表例としてはアルミニウムのような透光性を有しない金属板も用いることもできる。なお機械的に保持する必要性から支持体13の厚みは0.3〜3mm、望ましくは0.5〜2mmが好適に用いられる。情報記録担体1が円盤状である場合には、従来の光ディスクとの互換性から、支持体13、記録層12,透光層11等の合計厚みが1.2mmとなるように、支持体13の厚みを設計するのが望ましい。 【0039】記録層12は、情報を読み出し、あるいは情報を記録ないしは書き換える機能を有した薄膜層である。この記録層12の材料としては、相変化材料に代表される記録前後において反射率変化や屈折率変化を起こす材料、あるいは光磁気材料に代表される記録前後においてカー回転角変化を起こす材料、あるいは色素材料に代表される記録前後において屈折率変化や深さ変化を起こす材料が用いられる。 【0040】相変化材料の具体例としては、インジウム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビスマス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、アルミニウム、シリコン、パラジウム、錫、砒素などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にGeSbTe系、AgInTeSb系、CuAlSbTe系、AgAlSbTe系などの合金が好適である。これらの合金に微量添加元素としてCu、Ba,Co,Cr,Ni,Pt,Si,Sr,Au,Cd,Li,Mo,Mn,Zn,Fe,Pb,Na,Cs,Ga,Pd,Bi,Sn,Ti、V、Ge、Se、S、As、Tl、In、Pd、Pt、Niの群から選ばれる少なくとも1種以上の元素を合計で0.01原子%以上10原子%未満含有することもできる。 【0041】なお各元素の組成は、例えばGeSbTe系としてGe2Sb2Te5、Ge1Sb2Te4、 GeSbTe系にSn、In等の金属を添加した系、AgInSbTe系として、Ag4In4Sb66Te26、Ag4In4Sb64Te28、Ag2In6Sb64Te28、Ag3In5Sb64Te28、Ag2In6Sb66Te26、AgInSbTe系にCu、Fe、Ge等の金属や半導体を添加した系、CuAlSbTe系、AgAlSbTe系などがある。 【0042】また、光磁気材料の具体例としては、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、錫などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にTbFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどに代表されるように遷移金属と希土類の合金で構成するのが好適である。更に、コバルトと白金の交互積層膜を用いて記録層12としてもよい。 【0043】また、色素材料の具体例としては、ポルフィリン色素、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用いることができる。なお記録層12には、これら記録を担う材料以外に、記録性能または再生性能を増強する目的で、補助材料を内蔵、または積層をしてもよい。例えばZnS、SiO、SiN、SiC、AlO、AlN、MgF、ZrOなどの誘電体材料を先述の記録材料に積層することによって、再生光量の増大や、書き換え回数の向上をすることができる。 【0044】なおここで記録層12への記録、すなわちユーザデータ記録に用いる信号方式について触れておくと、例えばいわゆる(d,k)符号と呼ばれる変調信号を用いることができる。ここで(d,k)変調信号は、固定長符号であっても可変長符号であっても用いることができる。例えば固定長符号の(d,k)変調の例としては、d=2、k=10としたEFM、EFMプラス(8−16変調)や特開2000−286709記載の変調信号(D8−15変調)、d=1、k=9とした特願2000−80205号記載の変調信号(D4、6変調)がある。また可変長符号の(d,k)変調の例としては、d=1、k=7とした特開平11−346154記載の変調信号(1,7PP変調)などを好適に用いることができる。 【0045】また透光層11は,収束した再生光を光学的歪みの少ない状態で記録層12に導く機能を有する。例えば、再生波長λにおいて透過率を70%以上、望ましくは80%以上有した材料を好適に用いることができる。この透光層11は、光学的な異方性が少なく、具体的には複屈折が90度(垂直)入射ダブルパスにて±100nm以下、望ましくは±50nm以下、さらに望ましくは±30nm以下とした材料が用いられる。このような特性を有する材料としてポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどを用いることができる。 【0046】なお、透光層11は、記録層12を機械的、化学的に保護する機能を有するようにしても良い。このような機能を有する材料として、剛性の高い材料を用いることができ、例えば透明セラミック(例えばソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス)や熱硬化性樹脂、エネルギー線硬化樹脂(例えば紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、電子線硬化樹脂)が好適に用いられる。なお透光層11の厚みは、複屈折(光学異方性)を低減する意味から2mm以下、特に1.2mm以下が望ましい。また対物レンズ90の開口数NAが0.7以上の情報記録担体再生装置に装着して使用する場合には、情報記録担体1が傾斜した場合の光学収差を抑える観点から0.4mm以下が望ましく、特にNAを0.85以上とする場合には0.12mm以下が望ましい。また記録層12へのスクラッチ傷を防止する観点から0.02mm以上が望ましい。すなわちNAを0.85以上とする場合の望ましい範囲としては0.02〜0.12mmの範囲である。また厚みの一面中でのバラツキは最大で±0.003mm、望ましくは±0.002mm以下とする。更に望ましくは±0.001mm以下とする。なお透光層11は、図7に記したような単層構造に限らず、機能が同様な複数の層の積層であってもよい。 【0047】また本発明になる情報記録担体1を拡張して、多層のスタック状情報記録担体を構成することもできる。例えば情報記録担体1を支持体13,第1記録層、第1透光層、第2記録層、第2透光層の順に積層することにより、2層の情報記録担体1とすることができる。このようにすると第1記録層と第2記録層に別々のユーザーデータを記録することができ、記録容量を倍増することができる。 【0048】次に本発明になる情報記録担体1に記録されるアドレスの記録方法について説明する。先述したとおり、蛇行溝領域を有したトラック201は、データが周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調のいずれかを用いて形状記録されている。データは2値(バイナリ)であっても、多値であってもよいが、ここではバイナリであるとして周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調を説明する。 【0049】周波数変移変調の具体的な記録は、例えば図8のように、高周波数部分と低周波数部分とを用いて形状記録される。図8はデータ1,0,1,1,0を形状記録した一例であり、高周波数部分301と低周波数部分300とからなっている。そして高周波数部分301と低周波数部分300はデータビットの1と0にそれぞれ対応し、1チャネルビット毎に周波数が切り替わってデジタル記録されている。ここでそれぞれの周波数部分を構成する波の数に制限はなく、1波以上の波で構成される。しかし再生装置において周波数を正しく検知すること、及びデータ転送速度をある程度得るため、冗長になりすぎないことを考慮すると、1〜100波、望ましくは1〜30波の範囲で、前記した各データビットに対応した周波数部分のそれぞれを構成するのが望ましい。また高周波数部分301と低周波数部分300それぞれの振幅は一致していてよい。しかし振幅比に制限はなく、再生装置の周波数特性を考慮して、高周波数部分301の振幅を、低周波数部分300よりも大きく形成してもよい。また高周波数部分301及び低周波数部分300で構成されるチャネルビットの物理長さや、その振幅の大きさについて制限はない。 【0050】ここで図8に記載した蛇行溝領域を有したトラック201のように、高周波数部分301と低周波数部分300の振幅が、各々揃っており、且つ高周波数部分301の長さが、低周波数部分300の長さと同じになっていてもよいものである。このようにすると、再生時に0,1判定を充分な振幅閾値で行うことができ、なおかつシリーズ化したデータを1つの時間閾値で読み取ることができるので、再生回路が簡単になる。また再生データにジッタ(時間軸方向の揺らぎ)があった場合にも、その影響を最小にできるというメリットがある。また記録するコードが理想的に対称であったとすると、高周波数部分301の長さ総計と低周波数部分302の長さ総計は等しくなり、再生信号に直流成分がないことになる。これはデータのデコード及びサーボに負担がかからないことになり、有利である。 【0051】また高周波数部分301と低周波数部分302のチャネルビットの切り替え点における位相は任意に設定してよいが、位相ジャンプの発生を防止すべく、図8のようにチャネルビット切り替え点で位相連続性が保たれるように、高周波数部分301と低周波数部分302を配置してもよい。すなわち高周波数部分301の終了と低周波数部分300の開始が同じ位相方向になるように低周波数部分300の開始位相を選択する。また逆も同じで、低周波数部分300の終了と高周波数部分301の開始が同じ位相方向になるように高周波数部分301の開始位相を選択する。このように選択すると、位相の連続性は保たれ、電力効率が向上するとともに、再生エンベロープが一定となるので情報記録担体1のデータエラーレートが向上する。 【0052】また高周波数部分301と低周波数部分302の周波数の選択は任意であるが、情報記録担体1にユーザがデータを記録する周波数帯との干渉を避けるために、高周波数部分301は低周波数部分302と比べ、著しく高い周波数にならないことが求められる。一方アドレスデータの再生エラーレートを良好にするために高周波数部分301と低周波数部分302の周波数差はある程度有し、分離性を良好に保つことが望ましい。これらの観点から、高周波数部分301と低周波数部分302の周波数比(高周波数/低周波数)は、1.09〜1.67の範囲内であることが望ましい。言い換えると、2つの周波数の位相差は、±π/12〜±π/2(360±15度〜±90度)の範囲とすることが望ましい。 【0053】このうち特に、図8の図面例で示すように周波数比(高周波数/低周波数)を1.5倍とすると、2つの周波数は単一波の位相を−π/2.5と+π/2.5にずらした関係となる。言い換えると360±72度にずらした関係となる。これら2つの周波数は単一の周波数(ここでは0.5)の整数倍(ここでは3倍と2倍)で表現できる。従って復調回路を簡単化できるという利点が生じる。また0.5のウインドを持った回路により、クロックの生成も容易になる。また、復調を同期検波回路により行うこともでき、その場合はエラーレートを著しく減少させることができる。 【0054】次に位相変移変調の具体的な記録について説明する。図9はデータ1,0,1,1,0を位相変移変調により形状記録した一例であり、前進位相部分311と後進位相部分310とからなっている。そして前進位相部分311と後進位相部分310はデータビットの1と0にそれぞれ対応し、1チャネルビット毎に位相が切り替わってデジタル記録されている。具体的には前進位相部分311は正弦波のsin0で表され、後進位相部分310は正弦波のsin(−π)で表される。前進位相部分311と後進位相部分310はそれぞれ1波で構成されているが、位相差はπもあるので、エンベロープ検波や同期検波によって充分分離再生することができる。 【0055】ここで前進位相部分311と後進位相部分310の周波数はいずれも同じであるが、それぞれを構成する波の数に制限はなく、1波以上の波で構成される。しかし再生装置において位相を正しく検知すること、及びデータ転送速度をある程度得るため、冗長になりすぎないことを考慮すると、1〜100波、望ましくは1〜30波の範囲で、前記した各データビットに対応した周波数部分のそれぞれを構成するのが望ましい。 【0056】また前進位相部分311と後進位相部分310とのそれぞれの物理長さは同じであっても異なっていてもよい。しかしぞれぞれの物理長さを同じとすると、再生時にシリーズ化したデータ1つ1つを一定の時間(クロック)で区切ることができるので、再生回路が簡単になる。また再生データにジッタ(時間軸方向の揺らぎ)があった場合にも、その影響を最小にできるというメリットがある。なお位相変位変調は、公知の同期検波回路によって低いエラーレートで再生できる。また前進位相部分311と後進位相部分310それぞれの振幅は一致していても異なっていてもよいが、再生のしやすさを考慮すると一致していることが望ましい。 【0057】また前進位相部分311と後進位相部分310の位相差であるが、情報記録担体1に適応して、実験的にその分離限界を求めたところ、位相差がπ/8まで分離できることを確かめた。言い換えると最小位相差をπ/8〜πの範囲で設定することが可能である(πはバイナリの最小位相差に相当)。すなわち多値記録の場合には2値から16値のデータまで扱うことができる。 【0058】また図示はしないが、基本波を鋸波として、立ち上がりと立ち下がりそれぞれを別々に制御することで位相の違いを表現してもよい。例えばデータ「1」を立ち上がり緩やか、立ち下がり急峻部分、データ「0」を立ち上がり急峻、立ち下がり穏やか部分として形状記録してもよい。このような登りと下りの角度の違いによってデータを記録する方法は、高帯域フィルターに入力し、微分成分を抽出することで復調でき、簡単な回路構成で、且つ低いC/N環境下でも再生できる利点がある。 【0059】次に振幅変移変調の具体的な記録について説明する。図10はデータ1,0,1,1,0を振幅変移変調により形状記録した一例であり、溝を一定の周期で蛇行させた振幅部分321と蛇行させない非振幅部分320とからなる。そして振幅部分321と非振幅部分320はデータビットの1と0にそれぞれ対応する。図10では振幅部分321が3波から構成されているが、その数には制限がない。しかし波が多すぎると非振幅部分320の長さも必然的に長くなるので、再生時にゲートを生成する基本波を検出しにくくなる。従って2〜100波、望ましくは3〜30波が適当である。また、振幅部分321と非振幅部分320のそれぞれの長さや、振幅部分321の振幅の大きさについて制限を与えるものではない。図10に記載した蛇行領域を有した溝221のように、振幅部分321の振幅が、各々揃っており、且つ振幅部分321の長さが非振幅部分320の長さと同じとすると、再生時に0,1判定を充分な振幅閾値で行うことができ、なおかつシリーズ化したデータを1つの時間閾値で読み取ることができるので、再生回路が簡単になる。再生データにジッタ(時間軸方向の揺らぎ)があった場合にも、その影響を最小にできるというメリットもある。また記録するコードが理想的に対称であったとすると、振幅部分321の総計長さと非振幅部分320の総計長さは等しくなり、再生信号に直流成分がないことになる。これはデータのデコード及びサーボに負担がかからないことになり、有利である。 【0060】以上本発明になる情報記録担体1の構成及び効果について縷々説明してきた。なお本発明は図1〜図10の説明なる情報記録担体1に限定されるものではなく、本発明の趣旨に則った種々変形、応用が可能である。 【0061】例えばこれまでの説明では記録方法として、アドレスデータをそのまま直接記録する方法を用いて説明してきたが、本発明はこの直接記録に限定されない。すなわち直接記録では長いアドレスデータ列を記録する場合、0が連続するまたは1が連続する可能性があり、データに直流成分が生じる可能性がある。これを回避するためにあらかじめデータをベースバンド変調して記録する方法を取ってもよい。すなわち0と1をあらかじめ別のコードに置き換えて、0と1の連続を一定値以下にする。そのような方法として、マンチェスタ符号、PE変調、MFM変調、M2変調、NRZI変調、NRZ変調、RZ変調、微分変調などを単独または組み合わせて用いることができる。 【0062】本発明になる情報記録担体1に特に相応しいベースバンド変調の方法として、マンチェスタ符号(バイフェイズ変調)がある。これは記録しようとするデータ1ビットに対して、図11のように2ビットを当てはめる方法である。すなわち記録しようとするデータ0に対して00または11を、データ1に対して01または10を割り当てる。そしてデータの接続に際しては、必ず前の符号の反転符号から入るようにする。 【0063】図12に記載したように、100001というアドレスデータは、001010101011という符号列になる。オリジナルのアドレスデータは0の連続を4つ含み、また0の出現確率は1の2倍となった非対称なデータである。それに対し変調を行うと、0または1の連続は最大2つで済み、また0と1の出現確率は等しい対称なデータに変換される。このように同一ビットの連続が一定値以下に制限されるようなベースバンド変調は、その読み取りの安定性を向上させる効果があるので、長いアドレスデータを扱う際に相応しい前処理となる。 【0064】またアドレスデータを高度に分解して、分散記録する方法もある。例えばダミーデータと組み合わせて、「10X」(Xは0か1)というデータの組み合わせで記録し、一定間隔毎にこのデータ列を配置する記録方法である。「10」をデータトリガとして、Xのみを抽出すれば、データを復元できる。この方法は、扱うデータ列を時間をかけて読み込んでもよいフォーマットの場合に有効である。 【0065】また、アドレスデータは主情報に対して少量であるので、図13に示す例のように蛇行溝領域を有したトラック231をマクロ的に2つの領域に分けてもよい。図3と共通の部分の説明は省略するが、蛇行溝領域を有したトラック231はアドレスデータを記録した蛇行溝変調領域400と、クロックを抽出するための単一変調領域401に分割することができる。以下、便宜上蛇行溝変調領域400をアドレス領域400、単一変調領域401をクロック領域401と呼ぶ。前者は今まで説明してきたように、例えば高周波数部分と低周波数部分とから構成される。また後者は一定周波数部分のみから構成される。これら2領域の基本波形状、振幅量は異なってもよいが、記録回路、再生回路の簡素化及び安定化を考えると、同じであることが望ましい。また周波数に関して、高周波数部分と低周波数部分とクロック領域401の周波数は互いに異なっていてよいが、高周波数部分と低周波数部分のいずれかと、クロック領域401の単一周波数は同じである方が、クロックの抽出に用いる物理長さを若干拡大できることになるので、クロックの安定抽出がしやすくなり有利である。 【0066】またこれら2領域の境界には、その区分を明確化するためのスタートビット信号やストップビット信号、同期信号などを記録してもよい。なお図13では基本波の形状を正弦波としているが、クロック領域の再生において安定したクロック抽出ができ、なお且つユーザデータ記録への高周波成分漏れ込みがない波形のため、好適に用いることができる。 【0067】図14は、図13に示した微細パターン130を円周状に展開した情報記録担体1の平面図である。図4と共通の部分の説明は省略するが、蛇行溝領域を有したトラック231に、例えば最内周ではアドレス領域400が4箇所配置され、その他の部分が単一変調領域401になっている。このように構成すると、アドレスを適当な間隔で抽出でき、なおかつそれ以外の時間をクロック生成に割りあてることができるので、ディスク状記録に好適な情報記録担体1となる。 【0068】なお図14では最内周ではアドレス領域400が4箇所配置されているが、その次のトラックでは8箇所配置されている。このように外周側のトラックでは内周側のトラックと比べてアドレス領域400を同数またはそれ以上の数で配置すると、アドレス領域400どおしの間隔をある程度の範囲内に収めることができる。その結果、サーチ能力が内周でも外周でもそれほど差のない情報記録担体1とすることができる。 【0069】次に図4または図14に図示した微細パターン100または130を形成するための情報記録担体の製造装置及び製造方法を説明する。まず、情報記録担体の製造装置4を説明する。本発明になる情報記録担体の製造装置4は、アドレスデータを記録しようとするブランク基体5に対して、エネルギー線を照射して記録を行う製造装置である。具体的にはコントローラ500,データ生成ユニット501、信号変調ユニット502、エネルギー線源550、偏向器551,相対運動付与ユニット552,回転モニタ553、支持ユニット554とから少なくともなるものである。換言するならば、本発明の情報記録担体の製造装置は、後述するように、記録すべきデータを生成するデータ生成ユニット501と、前記データを変調した被変調データを出力する信号変調ユニット502と、ブランク状態の前記情報記録担体を支持する支持ユニット554と、前記支持ユニット554の回転をモニタする回転モニタ553と、前記支持ユニット554に支持されている前記情報記録担体の半径位置を変更するために前記支持ユニット554に対して相対運動を付与する相対運動付与ユニット552と、エネルギー線を生成して出射するエネルギー線源550と、前記エネルギー線を前記被変調データで偏向した偏向エネルギー線を前記支持ユニット554側へ出射する偏向器551とから少なくともなる。そして、前記信号変調ユニット502は、前記回転モニタ553からの回転角度情報に基づき、前記偏向器551へ供給する変調信号の送出タイミングを制御するものである。 【0070】ここで、支持ユニット554はブランク基体5を設置し、少なくともエネルギー線照射により記録を行う間、支持できるユニットである。具体的には高精度に研磨されたテーブルが該当し、それにブランク基体5が設置できるように固定機構(ねじ止め、真空吸着、静電吸着など)が付与されたものである。ここで設置されるブランク基体11は、平坦基体上にエネルギー線感応膜が少なくとも片面に形成されたものであり、情報記録担体1を製造する原盤になる。ここでエネルギー線感応膜は、少なくともエネルギー線照射によって感応し、凹凸のパターンを形成するものであり例えば公知のレジストや色素を用いることができる。また平坦な基体は、表面が光学グレード並みにフラットに仕上げられた基体であり、例えば酸化珪素や、ANガラス、7913ガラス、シリコン、モリブデン、タングステンやこれらの合金(酸化物、窒化物、炭化物の例を含む)などから選ばれる。 【0071】また、相対運動付与ユニット14は、微細パターン100、130を記録するにあたって走査するユニットであり、エネルギー線源550(及び偏向器551)または支持ユニット554の少なくとも一方に接続される。その機構としてはモーターやリニアドライブなどが用いられ、回転、X移動、Y移動、Z移動またはこれらの複合移動を行う。図5で記載したものは、支持ユニット554の方を動かすもので、回転を与えると共に、X又はY方向に一定速度でスライドさせてスパイラルを形成させるものである。なお、必要に応じて位置モニターを設置し、モニターされた位置に応じて制御を行うようにしてもよい。 【0072】また回転モニタ553は、相対運動付与ユニット552の運動を受けて、回転する支持ユニット554の実際の回転をモニターするもので、例えばロータリーエンコーダーを用いることができる。少なくとも1周に1回のパルスを発生させるもので、リアルタイムに回転角度を出力するものが最も望ましい。また、エネルギー線照射源550は、波長10〜1500nmの電磁波(γ線、X線、極端紫外線、遠紫外線、紫外線、可視光、赤外線など)や、粒子線(α線、β線、陽子線、中性子線、電子線など)を照射する。簡便には波長150〜500nmの電磁波(光)を用いることができる。 【0073】また偏向器551は変調された信号に応じて、エネルギー線の出射角度を可変させるもので、エネルギー線が光である場合には、公知の電気光学結晶素子または音響光学結晶素子を用いることができる。 【0074】またデータ生成ユニット501は、スタート信号を受けてアドレスデータを時間順に生成し、送信するものである。 【0075】また信号変調ユニット502は、受信したデータに基づいて変調を行い、さらに偏向器551の仕様に合わせて電圧を設定し、信号を送出するものである。なおここで行う変調は、周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調のいずれかである。 【0076】またコントローラ500は、以上説明してきた部品の一部またはすべてを統括し、ユーザーの指示に基づいて命令を与えたり、装置内のモニター結果に基づいて命令を行ったりするもので、CPUなどを好適に用いることができる。なおこの他、必要に応じて各種部品を追加してもよく、エネルギー線が光である場合には露光量調節器、エクスパンダー、対物レンズ、シャッターなどを追加してもよい。 【0077】次に図15なる製造装置4を用いながら、ブランク基体5に記録を行う具体的な方法について説明する。図15ではエネルギー線の出射を点線矢印、データまたは命令の流れを実線矢印で示している。本発明になる情報記録担体1の製造方法では、ユーザの指示に基づきコントローラ500がデータ記録の開始を指示する。具体的にはデータ生成ユニット501と相対運動付与ユニット552が駆動される。データ生成ユニット501では、図4または図14の構造をあらかじめ1つの時間軸上に展開し、例えば内周から時間順にデータを信号変調ユニット502に送信してゆく。例えば図4の場合には直線部分(無信号)からスタートし、続いてアドレスデータを送信する。そして再び直線部分(無信号)に戻って、以降はこの動作を繰り返す。アドレスデーターは時間の進行と共にインクリメントまたはデクリメントする。 【0078】また相対運動付与ユニット552では、データ記録の開始の指示に基づいて、相対運動の付与を開始する。この場合は偏向器551からのエネルギー線がブランク基体5の内周部に照射されるように支持ユニット554の位置決めをし、所定の回転数で回転させる。そして同時に平面上を一方向に移動させることによって、エネルギー線がスパイラルの軌跡を取るように制御する。 【0079】データ生成ユニット501からの信号を受信した信号変調ユニット502は、受信したデータに基づいて、周波数変移変調、位相変移変調、振幅変移変調のいずれかにより変調を行い、偏向器551に信号を送出する。溝蛇行を作るための信号であるからアナログ信号となる。 【0080】なお記録中は回転モニタ553より、回転角度の情報をコントローラ500に供給する。1周に1回転の情報(以下360度情報と呼ぶ)が少なくとも得られるようになっており、コントローラ500に供給される。コントローラ500は信号変調ユニット502に対して、回転角度の情報を連続的に転送、または360度情報のみを転送する。信号変調ユニット502では連続してアドレスデータ等を受信しそれを変調するが、その過程で回転角度の情報を参照する。少なくとも360情報を参照し、無信号とアドレス情報の切り替わり位置を比較する。そして正しい位置で切り替わりが行われるように、信号変調ユニット502内でアドレスデーターの遅延送信または先行送信を行う。このような方法によって記録され、完成したブランク基体4は、公知の方法でスタンパー化され、さらに成形工程を経て、情報記録担体1が完成する。 【0081】このように本発明になる情報記録担体1の製造方法では、信号変調ユニット502において、回転モニタ553からの回転角度情報に基づき、偏向器551へ送る信号送出のタイミングを調節するので、切り替えラインCXが非常に高い精度で決められた情報記録担体1を製造することができる。 【0082】(C)本願発明の具体的な実施例次に、本発明の実施例につき、(実施例1)〜(実施例3)の順序で説明する。 【0083】(実施例1)図14の構成なるディスク状情報記録担体1を製作した。蛇行溝領域を有したトラック231と直線溝領域を有したトラック233のピッチPは0.32μm、それぞれの溝の幅は0.16μm、溝間部232の幅は0.16μmである。蛇行溝領域を有したトラック231と直線溝領域を有したトラック233は図7のランド部Lに配置し、溝間部232はグルーブ部Gに配置した。蛇行溝領域を有したトラック231は、アドレス領域400(長さ5.5μm)とクロック領域401のみから構成し、アドレス領域を一周につき6個配置した。アドレス領域400及びクロック領域401はともに基本波を正弦波とした。また直線溝領域を有したトラック233は360度連続の連続直線溝とした。 【0084】またアドレス領域400に関しては、高周波部分301と低周波部分300の位相差を±π/2.5とし、更にチャネルビット切り替え点で位相連続性が保たれるようにした周波数変移変調により、低周波部分1波を1チャネルビットとする情報単位でアドレスデータを記録した。なお低周波部分の周波数はクロック領域401の単一周波数と一致させた。また高周波部分301、低周波部分300及びクロック領域401のそれぞれの振幅は同じとした。なお記録の前処理として、アドレスデータはマンチェスタ符号によりベースバンド変調を行い、更に微分変調を行った。 【0085】ディスク状情報記録担体1は、AgInSbTeを主たる記録材料とする記録層12を有した相変化書き換えディスクとし、0.1mm透光層11を通して記録再生できる情報記録担体1を完成させた。 【0086】なお低周波部分300の周波数はクロック領域401の単一周波数と一致させた。また高周波部分301、低周波部分300及びクロック領域401のそれぞれの振幅は同じとした。なお記録の前処理として、アドレスデータはマンチェスタ符号によりベースバンド変調を行った。 【0087】このようなディスク状情報記録担体1に、波長λ405nm(窒化ガリウム発光素子)、NA0.85からなるピックアップ90によるレーザ光91をグルーブ部Gに照射して、ユーザデータの記録再生を行った。まず記録を行う前にクロック領域からプッシュプル法により、単一周波数を読み取り,C/Nを測定した。するとC/Nで35dBの良好なクロック信号が、隣接アドレスの干渉なく再生できた(RBW1kHz)。続いてプッシュプル法によりアドレス領域を選択的に再生して、アドレスのエラーレートを測定した。2.5E-5もの良好なエラーレートであった。またアドレスの内周側、外周側の判定も良好に行うことができた。 【0088】続いてディスク状情報記録担体1の溝間部232に対して、ユーザ記録を行った。具体的には特願2000−80205号公報記載の変調信号(D4、6変調)を用いて、2T〜10T及び13T(同期信号)からなるランダムユーザデータを10回重ね記録した。なおここで最短マーク長(2T)は0.154μmとした。この記録信号を再生したところ、ジッタ8.6%、エラーレート3.5E−6の良好なエラーレートが得られた。またアドレスのエラーレートを再測定したところ、3E−5であり、若干のエラー増加は認められるものの良好なエラーレートであった。アドレス情報とユーザデータの干渉は特に認められなかった。またアドレスの内周側、外周側の判定も乱されることなく、良好に行うことができた。 【0089】(実施例2)図14の構成なるディスク状情報記録担体1を製作した。蛇行溝領域を有したトラック231と直線溝領域を有したトラック233のピッチPは0.32μm、それぞれの溝の幅は0.16μm、溝間部232の幅は0.16μmである。蛇行溝領域を有したトラック231と直線溝領域を有したトラック233は図7のランド部Lに配置し、溝間部232はグルーブ部Gに配置した。蛇行溝領域を有したトラック231は、アドレス領域400(長さ5.5μm)とクロック領域401のみから構成し、アドレス領域を一周につき6個配置した。アドレス領域400及びクロック領域401はともに基本波を正弦波とした。また直線溝領域を有したトラック233は360度連続の連続直線溝とした。 【0090】なおアドレス領域400に関しては、図9に示すように前進位相部分311と後進位相部分310の位相差をπとした位相変移変調により、1波を1チャネルビットとする情報単位でアドレスデータを記録した。なおアドレス領域400の周波数はクロック領域401の単一周波数と一致させた。また前進位相部分301、後進位相部分300及びクロック領域401のそれぞれの振幅は同じとした。なお記録の前処理として、アドレスデータはマンチェスタ符号によりベースバンド変調を行った。 【0091】ディスク状情報記録担体1は、AgInSbTeを主たる記録材料とする記録層12を有した相変化書き換えディスクとし、0.1mm透光層11を通して記録再生できる情報記録担体1を完成させた。 【0092】このようなディスク状情報記録担体1に、波長λ405nm(窒化ガリウム発光素子)、NA0.85からなるピックアップ90によるレーザ光91をグルーブ部Gに照射して、ユーザデータの記録再生を行った。まず記録を行う前にクロック領域からプッシュプル法により、単一周波数を読み取り,C/Nを測定した。するとC/Nで35dBの良好なクロック信号が、隣接アドレスの干渉なく再生できた(RBW1kHz)。続いてプッシュプル法によりアドレス領域を選択的に再生して、アドレスのエラーレートを測定した。5E-5もの良好なエラーレートであった。またアドレスの内周側、外周側の判定も良好に行うことができた。 【0093】続いてディスク状情報記録担体1の溝間部232に対して、ユーザ記録を行った。具体的には特開平11−346154号公報記載の変調信号(17PP変調)を用いて、2T〜8Tからなるランダムユーザデータを10回重ね記録した。なおここで最短マーク長(2T)は0.151μmとした。この記録信号を再生したところ、ジッタ8.7%、エラーレート4E−6の良好なエラーレートが得られた。またアドレスのエラーレートを再測定したところ、7.3E−5であり、若干のエラー増加は認められるものの良好なエラーレートであった。アドレス情報とユーザデータの干渉は特に認められなかった。またアドレスの内周側、外周側の判定も乱されることなく、良好に行うことができた。 【0094】(実施例3)図14の構成なるディスク状情報記録担体1を製作した。蛇行領域を有した溝231と直線溝233のピッチPは0.32μm、それぞれの溝の幅は0.16μm、溝間部232の幅は0.16μmである。蛇行溝領域を有したトラック231と直線溝領域を有したトラック233は図7のランド部Lに配置し、溝間部232はグルーブ部Gに配置した。蛇行溝領域を有したトラック231は、アドレス領域400(長さ30μm)とクロック領域401のみから構成し、アドレス領域を一周につき3個配置した。アドレス領域400及びクロック領域401はともに基本波を正弦波とした。また直線溝領域を有したトラック233は360度連続の連続直線溝とした。 【0095】またアドレス領域400に関しては、図10に示すように、振幅部分321と非振幅部分320で構成した振幅変移変調により、3波を1チャネルビットとする情報単位でアドレスデータを記録した。なお振幅部分321の周波数はクロック領域401の単一周波数と一致させた。また振幅部分321、非振幅部分320及びクロック領域401のそれぞれの振幅は同じとした。なお記録の前処理として、アドレスデータはマンチェスタ符号によりベースバンド変調を行った。ディスク状情報記録担体1は、GeドーピングSbTeを主たる記録材料とする記録層12を有した相変化書き換えディスクとし、0.1mm透光層11を通して記録再生できる情報記録担体1を完成させた。 【0096】このようなディスク状情報記録担体1に、波長λ405nm(窒化ガリウム発光素子)、NA0.85からなるピックアップ90によるレーザ光91をグルーブ部Gに照射して、ユーザデータの記録再生を行った。まず記録を行う前にクロック領域からプッシュプル法により、単一周波数を読み取り,C/Nを測定した。するとC/Nで35dBの良好なクロック信号が、隣接アドレスの干渉なく再生できた(RBW1kHz)。続いてプッシュプル法によりアドレス領域を選択的に再生して、アドレスのエラーレートを測定した。5E−5もの良好なエラーレートであった。またアドレスの内周側、外周側の判定も良好に行うことができた。 【0097】続いてディスク状情報記録担体1の溝間部232に対して、ユーザ記録を行った。具体的には特開2000−286709記載の変調信号(D8−15変調)を用いて、3T〜11T及び12T(同期信号)からなるランダムユーザデータを100回重ね記録した。なおここで最短マーク長(3T)は0.185μmとした。この記録信号を再生したところ、ジッタ7.7%、エラーレート8E−7の良好なエラーレートが得られた。またアドレスのエラーレートを再測定したところ、7E−5であり、若干のエラー増加は認められるものの良好なエラーレートであった。アドレス情報とユーザデータの干渉は特に認められなかった。またアドレスの内周側、外周側の判定も乱されることなく、良好に行うことができた。 【0098】 【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように本発明によれば、少なくとも略平行な複数の溝が互いに近接して形成されてなる微細パターンは、少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、少なくとも直線溝領域を有したトラックとが交互に構成されており、前記蛇行溝領域と、前記直線溝領域とが隣接して配置され、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックが円周状に360度連続し、前記少なくとも蛇行溝領域を有したトラックと、前記少なくとも直線溝領域を有したトラックとが、360度の角度間隔で交互に配列された一連のトラックとして形成されていることによって、蛇行溝領域を有したトラックと直線溝領域を有したトラックとを交互に配置し、それぞれを360度毎に切り替えるようにしたので、前記蛇行溝領域を有したトラックと前記直線溝領域を有したトラックとの間の溝間部にマークを記録した場合にも、隣接するトラックとの相互干渉がほとんどないので、溝間部の各トラックに記録するユーダデータの記録容量を低下することなく高密度記録容量を維持確保することができ、また、低いエラーレートでクロストークなしにデジタルデータを良好に記録できる情報記録担体及び情報記録担体の製造装置及び情報記録担体の製造方法を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004329 【氏名又は名称】日本ビクター株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番地
|
| 【出願日】 |
平成13年10月9日(2001.10.9) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2003−123321(P2003−123321A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月25日(2003.4.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−311113(P2001−311113) |
|