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【発明の名称】 光情報記録媒体、情報記録再生方法及びそのクロストーク除去方法
【発明者】 【氏名】清水 明彦
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【氏名】小出 博
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【氏名】阪上 弘文
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【氏名】門川 雄一
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【氏名】竹内 弘司
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内

【要約】 【課題】再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、隣接トラックからのクロストーク信号の影響を受けずに信号を正規化できる光情報記録媒体を提供する。

【解決手段】アドレス情報或いは記録データが3値以上の多値情報で記録され、アドレス情報領域或いはデータ領域Dの前に再生信号を正規化するパターンが含まれ、CAV方式又はZCAV方式或いはZCLV方式でトラック上に情報が記録される光情報記録媒体であって、再生信号を正規化するパターン列で構成される正規化パターン領域Bを隣接トラック間の半径方向で互いに重ならないように円周方向にシフトさせることで、多値化情報を再生する際、正規化パターン領域Bが隣接トラック間で重なり合わないので、隣接トラックからのクロストーク信号の影響を受けない正規化パターン信号を検出でき、光ディスクの反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を除去できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アドレス情報或いは記録データが3値以上の多値情報で記録され、前記アドレス情報が存在する領域或いは記録データを記録するデータ領域に再生信号を正規化するパターンが含まれ、CAV方式或いはZCAV方式又はZCLV方式でトラック上に情報が記録される光情報記録媒体であって、前記再生信号を正規化するパターン列で構成される正規化パターン領域が隣接トラック間の半径方向で互いに重ならないように円周方向にシフトされていることを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項2】 前記正規化パターン領域の隣接トラックはマークが存在しない無信号領域とされていることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
【請求項3】 前記正規化パターン領域は、複数個の同じ大きさのマーク列と無信号領域との組合せで構成され、前記マーク列の長さML1、前記無信号領域の長さML2、記録再生ビームのスポット径BDが、ML1>BD かつ ML2>BDの関係に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
【請求項4】 前記アドレス情報が、前記記録データと同じ多値情報として記録された位相ピットにより形成されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の光情報記録媒体。
【請求項5】 前記再生信号を正規化するパターン列のパターンは、前記データ領域に存在しない組合せのパターンとされていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の光情報記録媒体。
【請求項6】 前記アドレス情報が存在する領域の前方或いは後方、又は、前記データ領域の前方にデータ再生時のタイミング信号生成用のプリアンブル信号を含む同期信号領域が設けられ、この同期信号領域は隣接トラック間で半径方向に互いに重なる配置で、2値情報で記録された位相ピットにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一記載の光情報記録媒体。
【請求項7】 前記トラックを形成するグルーブ或いはランドのウォブル基本周期がCAV方式記録領域内又はZCAV方式或いはZCLV方式のゾーン領域内で各トラック内のウォブル数が同一であり、ウォブルが変調されていない隣接トラックで周期の位相が揃って蛇行していることを特徴とする請求項1,2,5又は6記載の光情報記録媒体。
【請求項8】 前記正規化パターン領域或いは前記同期信号領域は隣接トラックを含めてトラックがウォブルなし又は変調なしの一定周期のウォブルであることを特徴とする請求項7記載の光情報記録媒体。
【請求項9】 請求項7記載の光情報記録媒体を対象とし、ウォブル情報に基づいて前記光情報記録媒体を回転駆動する駆動源の回転を制御し、記録時には、前記ウォブル情報から多値情報を記録する記録パルスを発生させるとともにアドレス情報に基づき目標アドレス位置に多値データを記録し、再生時には、正規化パターンに基づき再生信号のレベル変動を除去するとともに同期信号に基づきサンプリング位置を決定し多値データを再生するようにしたことを特徴とする情報記録再生方法。
【請求項10】 請求項2又は3記載の光情報記録媒体に対して対象となる再生トラックとこの再生トラックに隣接する2つの隣接トラックとに対して各々再生ビームを割当てて前記光情報記録媒体の正規化パターン領域を再生する際に、無信号領域で隣接トラックのマーク列からのクロストーク信号の大きさを検出し、この検出結果に基づいてクロストークを補正するための補正係数を学習するようにしたクロストーク除去方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多値記録されるデータの再生に適した光ディスク等の光情報記録媒体、情報記録再生方法及びそのクロストーク除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスクにおいては、渦巻状又は同心円状のトラック上に2値のデジタルデータが、エンボス加工等による凹凸のピット(ROMディスク)や無機・有機記録膜への穴形成(追記型ディスク)・結晶状態の違い(相変化ディスク)・磁化方向の違い(光磁気ディスク)などによって記録されている。これらの記録データを再生する際には、トラック上にレーザビームを照射して、その反射光の強度差や磁気カー効果による偏光方向の差等を検出し、再生RF信号を得る。そして、得られた再生RF信号を、例えば、一定閾値で処理して、2値のデータを検出している。
【0003】情報の記録密度を高めるために、2値データではなく3値以上の多値データを記録する方法が考えられているが、光ディスクにおいては、ディスク間の反射率の違いや、1つの光ディスク内における内周側と外周側での再生周波数特性の違いなど、再生信号には種々の要因でレベル変動や振幅変動が発生する。このため、多値化の際の閾値が固定であると、再生信号を誤った値で検出してしまうことが発生するという問題がある。特に、データが3値、4値などになると、閾値が複数になり、多値データの誤検出の可能性が高くなるという問題点があった。
【0004】このようなことから、例えば、特開平5−54391号公報によれば、上記問題点を解決するため、多値データが記録された記録媒体からの再生信号を基準クロックに基づいてA/D変換し、このA/D変換によって得られた信号レベルデータを閾値と比較することによって多値データを検出する際、再生信号をA/D変換して得られた信号レベルデータを所定の信号単位毎にメモリ手段に記憶していき、メモリ手段に記憶された所定の信号単位毎に信号レベルデータの分布情報を求め、該分布情報に基づいて、当該信号単位内の信号レベルデータの多値化の際に用いられる閾値が設定されるようにしている。この場合、記録されているデータのレベル値の割合が決められているフォーマットが採用されることを前提としている。
【0005】例えば光ディスク上の記録フォーマットにおけるセクタ単位の再生信号等、所定の信号単位で、その再生信号をA/D変換した信号レベルデータを一旦メモリに記憶し、CPUを利用してその発生頻度分布情報を求めることで多値化の基準として最適な閾値を求め、改めてその閾値を利用して記憶した信号レベルデータを多値化してデータ検出している。そのため、再生信号のレベル変動や振幅変動が発生している場合であっても、多値データを誤検出する可能性を低下させ正確な多値検出動作が実現されるという効果があり、結果として記録データの高密度化が促進される。
【0006】また、特開平8−287609号公報によれば、隣接トラックからのクロストークによる信号の変動と、同一トラックの前後記録マークからの符号間干渉を解決するため、クロストークと符号間干渉の影響を予め学習し補正する提案がなされている。この学習パターンの構成は、クロストーク量の学習については同公報中の図2の学習トラック認識領域に、符号間干渉の学習については、同公報中の図2の等化係数学習領域に示されている。この学習パターンの特徴は、多値記録する記録マークの内、最大の記録マーク1つと未記録マーク(ミラー)とで構成されている点である。この効果で再生信号のSN比を改善でき、多値記録データの高密度化が図れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前者の特開平5−54391号公報例では、光ディスク内外周における信号レベル変動のように長い区間における変動に対応するため、例えば、セクタ単位に多値化の閾値をレベル変動の分布を学習することで最適化している。このレベル変動学習では、例えば、光ディスクの反射率変動、機械精度(面ぶれ、偏芯)、記録再生パワーによる変動など、キャリア周波数よりも低い変動には効果がある。しかし、キャリア周波数と同じ周波数帯のクロストークや符号間干渉に関しては、固定レベル変動として除去できない。
【0008】また、後者の特開平8−287609号公報例によれば、特開平5−54391号公報例での問題(クロストークや符号間干渉)を解決できるものの、特開平8−287609号公報中の図2に示されるような、最大の記録マーク1つと未記録マーク(ミラー)との構成では、サンプリングの時間ずれにより、最大の記録マークから得られる信号値に誤差が生じ、補正が正しく機能しない問題がある。
【0009】これらの点について、より実際的な多値記録例を参照して説明する。図19に、多値記録マークと再生信号との関係を示す。表面にトラッキンググルーブが形成され、記録消去可能な記録材料が付与された光情報記録媒体は、情報を、所定時間間隔毎にマークとして記録する。この所定時間間隔に相当する領域は情報セル(又は単にセル)と呼ばれる多値情報記録再生の単位である。例えば、記録消去可能な記録材料として相変化(PC)記録膜を利用する場合、このセルにレーザー光を照射し、記録及び消去光量とそれらのタイミングを調整することにより、記録マークの形状(サイズ)を変化させ、複数の再生信号レベルを有する記録マークが形成される。図19では、記録マークを形成しない0レベルから最も大きなマークを形成する7レベルまでの8値を有するセルが記録されている。即ち、各セルは、8=2なので3ビットの情報が記録されている。各セルのレベルを記録した通りに再生できれば、通常の光ディスクはマーク有り無しの1ビットで記録されるので3倍の記録容量が得られる。また、記憶容量を増やすためには、セルを小さくする必要があり、小さくすると図19のように、再生ビーム径内に連続した3つのセルの記録マークが含まれることになる。
【0010】記録消去可能な記録材料としては相変化膜以外に光磁気(MO)記録膜も利用でき、上記レーザー光以外に、図示しない磁気ヘッドからの磁界との協調作業により、記録マークの形状を変化させ、複数の再生レベルの記録マークを形成する。さらに、記録が一回可能な記録材料を適用することも可能であり、記録材料として有機色素や金属膜を利用でき、セルにレーザー光を照射し、記録光量とそれらのタイミングを調整することにより、記録マークの形状を変化させ、複数の再生レベルの記録マークが形成される。また、再生専用の情報媒体でも同様に、記録マークが位相ピットと呼ばれる凹凸形状として基板に形成でき、この位相ピットの長さ、面積、或いは位相ピットの光学的な深さを変調することで多値記録が可能である。
【0011】光ディスクに多値記録を採用し、高密度化のためにトラック密度を詰めると隣接トラックからのクロストークの影響を考慮しなければならない。特に、再生信号を正規化するために一定のパターン(正規化パターン)を記録し、それを再生して、データ領域の再生信号を正規化するとき、正規化パターンに隣接トラックからのクロストークが載ると正規化された信号全てにエラーの発生確率が増大する。また、多値信号検出用のタイミング信号を生成するために使う同期信号に隣接トラックからのクロストークが載ると位相誤差を生じ、データ検出のエラー発生確率が増大する。つまり、記録マークの中心で信号を検出しようとするがそのタイミングがずれてしまう。
【0012】このようなクロストークの影響を除くために、隣接トラックからの信号を検出するために隣接トラックに光ビームを照射(サイドビームを照射)する3ビーム法の光ピックアップを使ってクロストークをキャンセルすることが考えられる。これによっても隣接トラックからのクロストークは軽減できる。
【0013】しかし、サイドビームを照射して隣接トラック上の信号を検出してクロストークを演算によりキャンセルするとき、振幅誤差が生ずる。
【0014】例えば、CLV(Constant Linear Velocity=線速一定)フォーマットを使うと、再生信号を正規化するために正規化パターンを入れた領域(正規化パターン領域)と実際に多値データが書かれる領域の隣接トラックにおける領域の状況が異なるケースが多く発生する。従って、3ビームの光ピックアップによって再生信号を正規化するための正規化パターンの再生信号を補正しても誤差が出ることなってしまう。
【0015】そこで、本発明は、再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、隣接トラックからのクロストーク信号の影響を受けずに信号を正規化することができる光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】また、本発明は、再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、クロストーク信号の影響を受けずに信号を正規化させることができ、サンプリングのタイミングずれに対しマージンが広い光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0017】また、本発明は、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、フォーマット効率が高い光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、正規化パターン検出を精度良く行わせることができる光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0019】また、本発明は、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、多値データを精度良くサンプリングさせることができる光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0020】また、本発明は、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、多値データを精度良く記録再生することができる光情報記録媒体及び情報記録再生方法を提供することを目的とする。
【0021】さらに、本発明は、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、クロストーク信号を精度良く除去できるクロストーク除去方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、アドレス情報或いは記録データが3値以上の多値情報で記録され、前記アドレス情報が存在する領域或いは記録データを記録するデータ領域に再生信号を正規化するパターンが含まれ、CAV方式或いはZCAV方式又はZCLV方式でトラック上に情報が記録される光情報記録媒体であって、前記再生信号を正規化するパターン列で構成される正規化パターン領域が隣接トラック間の半径方向で互いに重ならないように円周方向にシフトされている。
【0023】従って、再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、正規化パターン領域が隣接トラック間で重なり合わないので、クロストーク信号の影響を受けない正規化パターンの信号検出ができ、光ディスクの反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を除去することができる。
【0024】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光情報記録媒体において、前記正規化パターン領域の隣接トラックはマークが存在しない無信号領域とされている。
【0025】従って、正規化パターン領域の隣接トラックをマークが存在しない無信号領域とすることより、正規化パターンからの再生信号に対してクロストークによる影響が発生しなくなる。
【0026】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光情報記録媒体において、前記正規化パターン領域は、複数個の同じ大きさのマーク列と無信号領域との組合せで構成され、前記マーク列の長さML1、前記無信号領域の長さML2、記録再生ビームのスポット径BDが、ML1>BD かつ ML2>BDの関係に設定されている。
【0027】従って、再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、クロストーク信号の影響を受けずに信号を正規化する正規化パターン領域の構成を提供し、更に正規化パターン領域に関して平坦な部分を有する信号を発生させることができ、サンプリングタイミングのずれに強い正規化パターン領域構成としているので、光情報記録媒体の反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を精度良く(具体的には、サンプリングのタイミングずれに対しマージンが広い)除去することができる。
【0028】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の光情報記録媒体において、前記アドレス情報が、前記記録データと同じ多値情報として記録された位相ピットにより形成されている。
【0029】従って、信号レベルよりも位置情報が重要となるアドレス情報を位相ピットにより形成することにより、信頼性の高いアドレス情報の記録再生が可能となる。
【0030】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の光情報記録媒体において、前記再生信号を正規化するパターン列のパターンは、前記データ領域に存在しない組合せのパターンとされている。
【0031】従って、再生信号を正規化するパターン列の検出精度を向上させることができる。
【0032】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の光情報記録媒体において、前記アドレス情報が存在する領域の前方或いは後方、又は、前記データ領域の前方にデータ再生時のタイミング信号生成用のプリアンブル信号を含む同期信号領域が設けられ、この同期信号領域は隣接トラック間で半径方向に互いに重なる配置で、2値情報で記録された位相ピットにより形成されている。
【0033】従って、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、プリアンブル信号を含んで構成される同期信号領域に関しては、隣接トラック間で信号のピーク位置にずれはないことを利用して、互いに重なる配置、即ち、半径方向に整列させた構成としているので、クロストークを利用して正確に検出できる上に、フォーマット効率を高くすることができる。また、位相ピットで精度良く形成された同期信号に基づいて多値データをサンプリングするので、多値データを精度良くサンプリングでき、タイミングずれによる復調エラーを低減できる。
【0034】請求項7記載の発明は、請求項1,2,5又は6記載の光情報記録媒体において、前記トラックを形成するグルーブ或いはランドのウォブル基本周期がCAV方式記録領域内又はZCAV方式或いはZCLV方式のゾーン領域内で各トラック内のウォブル数が同一であり、ウォブルが変調されていない隣接トラックで周期の位相が揃って蛇行している。
【0035】従って、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、隣接トラック間でウォブルの位相が揃っているので、ウォブルに起因するクロストークによる位相ずれを軽減でき、多値データを精度良くサンプリングし、タイミングずれによる復調エラーを低減できる。
【0036】請求項8記載の発明は、請求項7記載の光情報記録媒体において、前記正規化パターン領域或いは前記同期信号領域は隣接トラックを含めてトラックがウォブルなし又は変調なしの一定周期のウォブルである。
【0037】従って、請求項7記載の光情報記録媒体に関して再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、正規化パターン領域や同期信号領域はウォブルされておらず、又は、変調なしの一定周期のウォブルとされているので、正規化パターンや同期信号の検出にウォブルによる乱れがなく、より信頼度の高い正規化パターンや同期信号を検出できる。この結果、光情報記録媒体の反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を精度良く除去することができる。
【0038】請求項9記載の発明の情報記録再生方法は、請求項7記載の光情報記録媒体を対象とし、ウォブル情報に基づいて前記光情報記録媒体を回転駆動する駆動源の回転を制御し、記録時には、前記ウォブル情報から多値情報を記録する記録パルスを発生させるとともにアドレス情報に基づき目標アドレス位置に多値データを記録し、再生時には、正規化パターンに基づき再生信号のレベル変動を除去するとともに同期信号に基づきサンプリング位置を決定し多値データを再生するようにした。
【0039】従って、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、隣接トラックからのクロストークが軽減されたウォブル信号と位相ピットで形成された同期信号との両方の情報に基づいて多値データをサンプリングするので、多値データを精度良くサンプリングでき、タイミングずれによる復調エラーを低減できる。
【0040】請求項10記載の発明のクロストーク除去方法は、請求項2又は3記載の光情報記録媒体に対して対象となる再生トラックとこの再生トラックに隣接する2つの隣接トラックとに対して各々再生ビームを割当てて前記光情報記録媒体の正規化パターン領域を再生する際に、無信号領域で隣接トラックのマーク列からのクロストーク信号の大きさを検出し、この検出結果に基づいてクロストークを補正するための補正係数を学習するようにした。
【0041】従って、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、正規化パターンでクロストーク信号の影響度を見積もれるので、別途クロストーク用の学習領域を設ける必要がなく(従って、フォーマット効率が高い)、クロストーク信号を精度良く除去することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。
【0043】本実施の形態では、アドレス情報或いは記録データが3値以上の多値情報で記録され、アドレス情報が存在する領域或いは記録データを記録するデータ領域に再生信号を正規化するパターンが含まれる光情報記録媒体であって、CAV(Constant Angular Velocity=角速度一定)方式或いはZCAV(ゾーンCAV)方式又はZCLV方式でトラック上に情報が記録される光情報記録媒体を対象とする。CAV方式又はZCAV方式を適用対象とするのは、セクタ先頭位置が半径方向に揃うためである。ZCLV方式であっても、単なるCLV方式とは異なり、ゾーン単位で考えるとセクタ先頭位置が半径方向に揃うので適用可能である。
【0044】まず、本実施の形態の光情報記録媒体に適用される基本的なフォーマット例を図1に模式的に示す。再生信号の正規化(データ領域Dの振幅の正規化)のために一定周期で基準正規化信号(正規化パターン)を記録するが、この信号はZCAVフォーマット・ゾーン内或いはCAVフォーマット上の一定角度位置に一定間隔で離散的に挿入させる。この際、正規化パターンを含む正規化パターン領域Bが隣接トラック間では半径方向に互いに重ならないように円周方向にシフトさせて形成される。つまり、正規化パターン領域Bの隣接トラックには正規化パターンが存在しないように構成される。
【0045】例えば、図1に示すように、(n−1),(n+1)等の奇数番目トラック(グルーブG)にはトラック内の(m−1),(m+1)等の奇数番目に位置に正規化パターン領域Bが挿入され、n等で示すような偶数番目トラックにはトラック内の2m等の偶数番目の位置に一定周期の正規化パターン領域Bが挿入されるものであり、従って、(n−1),(n+1)等の奇数番目のトラック内のm等の偶数番目の位置には何も書かない、というフォーマットである。gはギャップである。このようにすれば、基本的に、隣接トラック間からのクロストークによる正規化パターン検出信号の乱れを軽減できる。
【0046】なお、データ領域は、「プリアンブル」「アドレス+CRC(3個)」「データ部(データ+ECC)」なるフォーマットにより構成されている。
【0047】ここで、クロストーク信号による影響(レベル変動)について検討する。図20(b)に、クロストークの影響がある場合(隣接トラックに記録マークが存在する場合であって、図中では破線で記述)とクロストークの影響がない場合(隣接トラックに記録マークが存在しない場合であって、図中では実線で記述)の再生信号(再生和信号=RF信号)レベルの変化を示した。図20(a)は記録マークM(又は位相ピット)が形成された光情報記録媒体に対する記録再生ビームのスポットSによる走査動作を模式的に示す説明図である。
【0048】クロストークの影響がある場合、再生信号のレベルはδ分だけ低下する。そこで、光情報記録媒体の反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を除去するために、一定間隔で配置された正規化パターンから検出される信号レベルを利用して、再生信号のレベルを正規化することで、変動成分を補正する。正規化の例としては、正規化パターンから観測された信号レベルの最大値をmax、最小値をmin、観測信号値をRfとした時、(Rf-min)/(max−min)で算出する。しかし、クロストーク信号の影響が正規化パターンから検出される信号に影響を与えると、このクロストーク信号成分がノイズとなり、正しく正規化されない問題が生じ、多値レベル判定のエラーを増加させる結果となる。このために、正規化領域に形成される正規化パターンはクロストークによる影響がないパターンに構成する必要がある。
【0049】そこで、本実施の形態では、より現実的な正規化パターン構成として、クロストークによる影響を受けないように構成されている。図2はクロストークによる影響を受けない正規化パターンの構成例を示す概念図である。即ち、マークが存在しない無信号領域をA、正規化パターン領域をB、同期信号領域をC、データ領域をDとしたとき、正規化パターン領域Bに対する隣接トラック部分は無信号領域Aとなるように設定されている。同期信号領域Cは後述するように隣接トラック間でトラック半径方向に重なり合うように設定されている。
【0050】図3は、図2の原理に基づき、実際の光情報記録媒体1のトラックであるグルーブG上にクロストークによる影響を受けない正規化パターンを構成した構成例を模式的に示す(図3中では同期信号領域Cを省略している)。
【0051】このような構成によれば、隣接トラック間で正規化パターン領域Bが重なり合わない。また、正規化パターン領域Bに隣接するトラックの領域は無信号領域(記録マークが存在しないミラー領域)Aとされているので、正規化パターンからの再生信号にクロストークの影響は発生しない。また、線速度一定記録(CLV方式)では、セクタ長一定で記録する場合、セクタの先頭位置が半径方向で一致しない。そこで、前述したように、セクタの先頭位置が半径方向に揃う、角速度一定記録(CAV方式又はZCAV方式或いはZCLV方式)で記録再生する必要がある。本実施の形態では、各セクタのデータ部前方に必ず正規化パターンが存在している。
【0052】次に、正規化パターンのパターン構成例について検討する。まず、比較例として、前述した従来例(特開平8−287609号公報)中の図1に示される正規化パターン用の記録マークとその再生信号波形例を図21に示す。この例では、再生信号レベルの最大値maxと最小値minとをサンプリングして検出することにより、前述の場合と同様に正規化を行うものである。しかし、最小値minのピーク(極大)位置で検出しているため、サンプリングのタイミングがΔtだけずれた場合、検出誤差δが生じてしまう。
【0053】このような点を考慮し、本実施の形態では、正規化パターンを図4に示すようなマーク列のパターン構成とするものである。即ち、同じ大きさによる単一の記録マークで構成される記録マーク列(長さML1)と無信号領域(長さML2)との組合せで構成されており、記録再生ビームのスポット径BDに対して、ML1>BD、ML2>BDなる大きさ関係に設定されている。このように、記録再生ビームのスポット径BDに対して、長さML1,ML2がともに大きければ、図4中に示すように平坦な部分を有する再生信号を発生させることができる。この平坦な部分で最大値maxと最小値minとをサンプリングすれば、タイミングずれΔtによる検出誤差を大幅に改善することが可能である。
【0054】また、前述の図2では、記録マーク単位(セル単位)で信号を再生するために使うサンプリングタイミングを生成するための同期信号(プリアンブル)領域C部分を、この正規化パターン領域B又は無信号領域Aの後に配置している。同期信号は、記録マーク単位(セル単位)で再生信号をサンプリングするために必要な信号であり、セル周波数と同じ単位で構成されていることが望ましい。
【0055】このような同期信号については、後述するが、図10に示すようなトラックを形成するグルーブGが蛇行していることを光ピックアップにより検出して出力されるウォブル信号に同期させて記録時に同時に記録することも可能であるが、他の実施の形態として、光情報記録媒体の製造時に予め位相ピットとして形成しておくことも可能である。この場合、再生された同期信号に基づき記録パルス(記録クロック)を生成すれば、スピンドルモータの回転変動による誤差を補正することができる。このように同期信号として利用するマークは、その信号レベルよりもマークが形成されている位置情報が重要になる。そこで、この同期信号は基板に予め凹凸形状として形成された位相ピットで形成することによって高信頼のデータの記録再生が可能となる。
【0056】このように同期信号領域Cは、光ディスク装置にとって重要な領域であり、同期信号から再生された信号にノイズが混入するとシステムとして致命的な問題になる。図22に同期信号領域Cにおけるクロストーク信号により、同期信号の波形が乱れる様子を示す。図22(b)においては、クロストークの影響がある場合(隣接トラックに位相ピットが存在する場合であって、図中では破線で記述)とクロストークの影響がない場合(隣接トラックに位相ピットが存在しない場合であって、図中では実線で記述)の再生信号(再生和信号=RF信号)レベルの変化を示している。
【0057】この波形の乱れにより、同期信号領域Cの同期信号を2値化した場合、2値信号の立上り位置(若しくは、立下り位置)或いは微分することによって検知する信号の極大値にずれが生じ、同期信号に誤差が発生する。この問題を解決するために、正規化パターン領域Bの場合と同様に、隣接トラックを無信号領域Aにする方法も可能である。同期信号領域Cに要する長さを増やさない方がセクタを長く構成できるのでさらによい。
【0058】そこで、本実施の形態では、逆にクロストーク信号を利用する方法が用いられている。図2に示した構成では、同期信号領域Cの隣接トラックの記録マーク或いは位相ピットは半径方向に整列している。この場合、再生信号のレベルはクロストークの影響で変化するが、信号のピーク(極大)位置はずれない(Δt=0)。そこで、同期信号領域Cの記録マーク或いは位相ピットを隣接トラック間で、重なり合うように記録或いは配置すれば良いといえる。
【0059】同期信号領域Cを位相ピットで生成し、これを基準に書込みクロック或いは再生クロックを生成するとき、同期信号はクロストークによる位相誤差が軽減されているので精度の高い記録再生クロックが生成できる。ただし、後で述べるが実際にディスク面に記録されるデータは、記録パルスより遅れた状態で記録マークが形成される(位相がずれる)ので、再生クロックはこの分位相をシフトする。
【0060】また、前述のウォブル信号から生成した記録クロックにてデータを記録するときは、同期信号領域Cに前述のように隣接トラック間で重なり合うように同期信号を記録して構成すれば、再生するときの同期信号領域Cから検出される同期信号はクロストークによる位相誤差は軽減される。ディスク面に記録されるデータは、記録パルスより遅れた状態で記録マークが形成される(位相がずれる)ので、再生するときウォブル信号から生成した再生クロックを、前記同期信号で位相補正すれば、より正確な再生クロックが生成できる。
【0061】本発明の第二の実施の形態を図5に基づいて説明する。本実施の形態では、正規化パターン領域B中の正規化パターンは記録マークMによるマーク列で形成され、同期信号領域Cの同期信号は位相ピットPにより構成されている。また、この正規化パターンは、データ領域Dを再生し、データをセクタ単位或いはブロック単位で処理するために、セクタ或いはブロックの先頭を示すマークとしても使われる。
【0062】データをサンプリングして検出するアルゴリズムとしては、光情報記録媒体上のウォブルを検出したウォブル信号と目標の速度時のウォブル信号周波数と等しい基準パルス信号と同期するようにして所望の初期値回転数でスピンドルモータを回転させ、セクタの先頭位置である正規化パターンを認識して、それに続く同期信号領域を検出し、更にこの同期信号を基に再生クロックであるサンプリングタイミング信号或いは記録クロックである記録パルス用のクロックを生成する。
【0063】このため、まず、正規化パターンを検出することが重要であり、正規化パターンと同じパターンがデータ領域D中に存在すると、セクタの先頭位置を正しく検出できない問題が生じる。
【0064】そこで、本実施の形態では、正規化パターンと同じパターンがデータ領域D中に発生しないように、データ領域Dの変調に制限が加えられている。逆にいえば、正規化パターンのパターンはデータ領域D中に存在しない(出現しない)組合せのパターンとされている。
【0065】また、セクタの番地を示すアドレス情報(アドレス領域は図示せず)は、この正規化パターン領域Bの後に配置すれば良い。同期信号領域Cを入れたフォーマットの場合は、同期信号領域Cの後にアドレス領域を配置する。データ情報と同じ復調回路を用いるためにも、データ領域Dと同じ多値データで記録されていることが望ましい。この場合は、ウォブルに変調されたアドレス情報を再生して位置決めされ、記録時に正規化パターン領域B、同期信号領域C、アドレス領域、そしてデータ領域を記録する。また、アドレス情報のフォーマッティングの簡便さから、基板に予め凹凸形状として位相ピットとして形成しても良い。この場合は、アドレス情報領域は2値化情報にし、この前に配置されている同期信号領域Cも位相ピットで形成し、正規化パターン領域は、当然記録時に記録する。また、正規化パターン領域Bと同期信号領域C、そしてアドレス情報と記録データを多値情報として記録された位相ピットで構成すると、データ再生時の信号の正規化動作も行われ高密度な再生専用の光ディスク(ROM)を実現できる。このようなフォーマットのROMを実現すると、同じ光ディスク装置で安価にリライタブル型メディア、書き込み1回型メディア、及びROMメディアに対して互換性を持たせて記録或いは再生できる。
【0066】本発明の第三の実施の形態を図6に基づいて説明する。記録又は再生動作に際しては、最初に、所望の初期値回転数でスピンドルモータを回転させた後、正規化パターン領域Bと同期信号領域Cとを検出するために、或る程度目標値に近い回転をさせる必要がある。
【0067】そこで、基本的には、図10に示すようにCD−RやCD−RWで使われているようにグルーブGを蛇行(ウォブル)させ、このウォブルの状態を光ピックアップの2分割フォトディテクタの差分で検出するプッシュプル法によるトラキングエラー信号を帯域フィルタに通して再生する。ここでは、この再生信号をウォブル信号と記述する。このウォブル信号に基づいてスピンドルモータの回転を制御する。
【0068】しかし、このウォブルされたグルーブGも再生信号に影響を与えるため、前述の正規化パターン領域Bや同期信号領域Cでは、グルーブGが蛇行しているのは望ましくない。このように、クロストークは隣接トラックのデータ信号と蛇行したトラックによるウォブルからの信号との両方がある。
【0069】隣接トラック間で、ウォブルの位相がずれていると、ウォブル信号の一定周期の位相が、隣接ウォブルのクロストークの影響でシフトする。このウォブル信号の位相シフトは、ウォブルより生成される記録或いは再生クロックの位相シフトにもなり、再生データ誤りの原因となる。この隣接ウォブルによるクロストークの影響を軽減させるため、本実施の形態では、隣接トラックからのクロストークの和が一定となるようにする。つまり、図6に示すようにグルーブG(或いはランドL)のウォブル基本周期がCAV記録方式領域内或いはZCAV(場合によっては、ZCLV)方式のゾーン領域内で各トラック内のウォブル数が同一であり隣接トラックで周期の位相が揃うように蛇行させている。このことより、記録或いは再生クロックの位相シフトの課題はもちろんデータ再生時におけるウォブルによる再生信号への影響も軽減できる。
【0070】本発明の第四の実施の形態を図7に基づいて説明する。前述の第三の実施の形態によれば、データ部を含めてウォブルにより隣接トラックからのクロストークを軽減できる。本実施の形態では、さらにデータ領域の再生信号を正規化するための正規化パターンの信号品質をより良くしたものである。
【0071】具体的には、再生信号を正規化する正規化パターンを記録する正規化パターン領域Bは図7に示すように隣接トラックを含めてトラックを直線(ウォブルなし)とする。即ち、直線グルーブ領域Asとウォブルグルーブ領域Awとが交互に形成されている。これによれば、第三の実施の形態の場合のように両側トラックのウォブルによるクロストークは変化するが和が変化しないことを利用する方式よりも、より正確に正規化のための正規化パターン信号を検出できる。つまり、第三の実施の形態の場合には、隣接トラックの蛇行品質の影響が含まれてくるからである。
【0072】さらに、CD−RやCD−RWのように、光情報記録媒体上のアドレス情報をトラックの蛇行(ウォブル)上に挿入させるために一部変調(蛇行の一定周期を変えるなどして情報を入れる)するのが通常であるが、データ領域Dの再生信号を正規化するための正規化パターンの信号品質をより良くするために、この正規化パターン領域Bと隣接トラック領域とはウォブルさせても変調させないようにすれば(変調なし)、正確に正規化パターン信号を検出できる。
【0073】また、多値データ再生時の再生クロックであるサンプリング信号生成用の同期信号(プリアンブル信号)を含む同期信号領域Cを設け、この同期信号領域Cを隣接トラック間で半径方向に互いに重り合った配置とし、2値情報で記録されたディスク半径方向に記録マークが整列するように形成される同期用記録マークで構成することによって、隣接トラックからのクロストークがあっても同期信号(プリアンブル信号)の位相がずれないので、これを基準に記録或いは再生用のクロックをPLL回路によって生成すれば精度の高い記録再生用クロックが生成できることは既に述べたが、この同期信号領域もウォブルは変調させないか、トラックを直線にすれば(ウォブルなし)、より良い品質の同期信号(プリアンブル信号)が得られる。この同期信号領域Cからの精度の高い同期信号とPLL出力である再生クロックとを位相比較し、再生クロックを同期信号の位相に合わせるようにPLLを制御し、データ再生時はこの位相補正された状態の再生クロックを使えばデータ誤りを少なくすることができる。
【0074】前述したようにトラックの蛇行(ウォブル)を位相変調方式等の規則に従ってアドレス情報等の情報を記入する場合において、アドレス情報等の情報を記入するために変調してあるウォブル領域は、セクタ或いはブロックの長のほんの一部とし、他は一定の周期であるように構成する。そして、この一定周期の信号発生時のみPLLの位相比較器の入力で位相比較するようにしてPLLを構成し記録或いは再生クロックを生成し、さらに再生時にはPLLより出力される再生クロック用信号と同期信号(プリアンブル信号)との位相差を検出して補正できる前述のPLL回路によって精度の高いクロックを形成でき、また、回転変動等の外乱に強い方式となる。
【0075】本発明の第五の実施の形態を図8及び図9に基づいて説明する。本実施の形態は、図3に示したようなフォーマットを利用するとともに、メインビームBm,サブビームBs1,Bs2による3ビーム方式の光ピックアップを用いることにより、隣接トラックからのクロストーク信号を除去するための学習方法に関する。
【0076】即ち、図3に示したようなフォーマット及び3ビーム法を利用すれば、隣接トラックからのクロストーク信号の大きさを検出し、この検出結果に基づきクロストークを補正する補正係数を学習できる(3ビームによるクロストーク補正におけるサブビームBs1,Bs2により検出した信号の補正量を決定できる)。
【0077】図3に示したように正規化パターン領域Bの隣接トラックは無信号状態の無信号領域Aとしているので、記録する対象トラック上には当然何も信号がない領域が存在する。再生時にこのような無信号領域Aをクロストーク計測領域として利用して隣接トラックからのクロストーク量を計測し、その計測量に対応した補正をさせるようにしたものである。本実施の形態の対象とするCAV方式記録領域内又はZCAV(場合によっては、ZCLV)方式のゾーン内では当然データ記録再生の一塊であるセクタ位置は半径方向に揃っている。
【0078】この原理を用いた計測・学習方法について、図8及び図9を参照してさらに詳しく説明する。図8では、正規化パターンは隣接トラックからクロストーク信号が混入しないパターンで構成されている。そこで、このパターンを学習することで、クロストーク信号を除去することが可能である。クロストーク信号の除去方法に関しては、従来例(特開平8−287609号公報)中に説明されているように、3つのビームスポットを利用するものとする。3つのビームBm,Bs1,Bs2のスポットは、図8に示すように、互いに隣接する3つのトラックの中心に位置している。メインビームBmは対象トラック上に照射される。また、図8中に斜線を施して示す領域が正規化パターン領域Bであり、図4で示したような記録マーク列と無信号領域とにより構成されている。
【0079】いま、トラックナンバーTr No.=4nを対象とする再生トラックとし、(4n−1)番目と(4n+1)番目がそれに隣接するトラックとする。このような配置でメインビームBmによりトラックナンバーTr No.=4nなる再生トラック上を走査した場合に、各々のビームBm,Bs1,Bs2に基づき得られる再生信号の波形例を図9に示す。
【0080】図8はビームBs1とビームBs2がビームBmに対してトラック方向に対して前後にずれて配置されている。本来ビームBs1とビームBs2とに基づいて検出される信号は、ビームBmで検出される信号に対して前後にΔt時間シフトする。しかし、図9では説明を容易にするためにΔt=0として描いてある。
【0081】まず、図8において、(4n−1)番目と(4n+1)番目のトラックに配置された正規化パターンとからのクロストーク信号量の大きさmin(ms1)とmin(ms2)とを検出することができる。また、この時のサブビームBs1,Bs2のスポットにより、自身のトラック上で検出された正規化パターンの信号値をmin(s1),min(s2)とすると、(4n−1)番目側の隣接トラックからは、サブビームBs1で検出された信号に対して(min(ms1)/min(s1))の割合でクロストーク信号が影響することを学習でき、同じようにしてサブビームBs2で検出された信号に対して(min(ms2)/min(s2))の割合でクロストーク信号が影響することが学習できる。このようにして、正規化パターンを前述したフォーマットのように隣接トラックで正規化パターンが重ならない配置にすれば、クロストーク信号除去用の補正係数を学習することができる。つまり、ビームBs1或いはビームBs2に基づき検出される再生信号によりデータ部再生データを上記補正係数を利用して補正するのである。
【0082】なお、図8に示す例では、両側隣接トラックのクロストークを別々に独立して計測できるフォーマットを採用することで精度を上げているが、図7に示す実施の形態のように両側隣接トラックからの正規化パターンのクロストークがあるフォーマットの場合は、サブビームBs1,Bs2で、自身のトラックで検出された正規化パターンの信号値を各々min(s1)′,min(s2)′とし、メインビームBm(再生トラック)における両側隣接トラックに配置された正規化パターンからのクロストーク信号量の大きさをminとすると、サブビームBs1で検出された信号に対しては(min/min(s1)′)/2の割合でクロストーク信号が影響するものとして扱い、同じようにしてサブビームBs2で検出された信号に対しては(min/min(s2)′)/2の割合でクロストーク信号が影響するものとして扱えばよい。
【0083】両側隣接トラックのうち、片側トラックにしかデータがない場合でも、図8に示す実施の形態では、補正係数の導出は同様である。つまり、記録データ(或いは位相ピットデータ)のないトラックからのクロストークはないのでmin(ms1)/min(s1)=0或いはmin(ms2)/min(s2)=0となる。ただし、図7に示したような実施の形態では、隣接トラックのデータのある側のクロストークの影響の割合は(min/min(s1)′)或いは(min/min(s2)′)となる。従って、片側隣接トラックにデータのないときは、ビームBs1或いはビームBs2に基づいて検出される信号でデータのある無しが判定できるので、それに基づいて補正係数を決定できる。さらに、前記補正係数の導出にあたって、複数のデータを取り込み、異常データ(ノイズなどによって発生する考慮外のデータ)を取り除き平均化処理をすればさらに信頼性が向上する。
【0084】ちなみに、前述の図2、図5、図6、図8、図20及び図22におけるトラックは、グルーブGとランドLを説明の容易化のために描いていないが、例えば、ディスク上のグルーブG中心を基準に記録するときは、グルーブG中心間の1/2の線上がトラックの境目となる。
【0085】本実施の形態では、クロストーク補正用の信号として正規化パターンを利用したが、別の領域、例えば正規化パターンの次にクロストーク補正信号領域を構成しても良い。もちろん、この場合も隣接トラックとの関係は、前記した正規パターン領域と同様な関係とする。この場合、記録部と同様な多値データを例えば多値の全量子化レベルを一定長記録するなどした一定パターンを記録して、異常データを取り除き量子化レベルの発生確率を考慮して平均化処理をすればより信頼性は向上する。多値記録におけるクロストーク量は、記録マーク長によって変化することは明らかである。つまり、図19を見れば明らかなようにセルは一定間隔に設定されその中に記録マーク長を変えて多値を実現しているので、短いマークからのクロストーク量は当然小さくなる。
【0086】ここで、前述したウォブル信号に基づいて記録クロック或いは再生クロックを生成し、記録時に同期信号領域Cにデータ部多値記録のセルと同―長で同一位相(同期信号領域Cとデータ部のセル中央位置がセル間隔の整数倍の関係)の連続セルを構成し、各セルの先端部より一定長(例えば、セル長の1/2)の記録マークを記録した同期信号を用いて再生クロックの位相補正を行う具体的な回路システムの実施の形態を第六の実施の形態として図10ないし図18に基づいて説明する。また、図10に示すように、隣接トラック間で位相が揃っているウォブルを形成すれば、隣接トラックのウォブルによるクロストークによってウォブル信号の周期の位相がずれないことから、このようなウォブル信号を基準に精度の高い記録再生クロックを生成できる。
【0087】まず、本実施の形態で用いられる光情報記録媒体のグルーブGに形成されるウォブルの検出信号を図11に示す。ここでは、多値信号記録再生の基本単位周期Tの32倍(=32T)の周期でウォブルが構成されている。また、図12は2値記録の場合の例であるが、基本的に、光情報記録媒体上に記録されるマークが記録データ(記録信号)からTdだけずれて記録されることを示している。これは、例えば相変化メディアの場合、記録層の材料或いはディスク製造ばらつきによるディスク間とディスク面内ばらつきによって記録マークが記録クロックよりずれるので、常に前記ウォブル信号に基づいて形成されたクロックの位相により近づけるためには、その位相ずれ分を考慮してタイミングを補正した記録クロックを発生させる必要があり、図12を参照すれば、記録時にはTd分前のタイミングに記録データを発生させておく必要がある。従って、再生信号のタイミングは一般的に記録時とは、ずれることを示している。
【0088】このような前提の下、本実施の形態の書込み/再生クロックをウォブル検出信号に基づきコントローラ11に対して生成出力する基本回路構成例を図13に示す。基本的には、位相比較器12、チャージポンプ13、ループフィルタ14及び電圧可変周波数発振器(VCO)15により構成され、32T周期のウォブル検出信号を入力とするPLL(Phase Locked Loop)回路16が設けられている。このPLL回路16の出入力間(VCO15・位相比較器12間)には、1/128カウンタ17、1/32カウンタ18が接続されている。
【0089】これにより、記録時には、コントローラ11は、このPLL回路16(1/128カウンタ17)によって得られるウォブル信号の32逓倍出力の基本クロックに同期させて光情報記録媒体上にデータを記録させるように動作制御する。このとき位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ19によるウォブル検出信号(2値化信号)の遅延時間はゼロに設定する。一方、再生時には、光情報記録媒体上の同期信号(プリアンブル)領域(基本クロック周期Tとなるようにマーク長がT/2,スペース長T/2となる連続マークが記録される領域)の信号を再生して、PLL回路16のウォブル信号の32逓倍出力との位相差を比較する。つまり、記録時にはこのプリアンブル領域にウォブル信号の32逓倍出力の基本クロックに同期した連続マークを記録しているので、この位相差(図12のTdに相当する)が再生時の記録データからのずれとなる。従って、このずれを補正した再生用のクロックを生成する必要がある。
【0090】図13に示す基本回路においては、この位相差を補正するための位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ19がPLL回路16の入力側に設けられている。また、位相差を検出するための128進カウンタ20がPLL回路16の出力側に設けられている。この位相差を計測するためにウォブルに対して128×32=4096逓倍の制御用クロックを使用している。この128進カウンタ20に対してはウォブル信号の32逓倍出力に基づきそのカウント動作の開始(トリガー)を制御する立上り微分構成のデジタル微分回路21が接続されている。つまり、ウォブル信号の32逓倍信号のクロック(1/128カウンタ17出力)の立上りからの時間を4096逓倍クロックで128進カウンタ20でカウントする。また、128進カウンタ20により計数された位相差データをプリアングル領域から到来する同期信号パルスの立上りのタイミングでレジスタ37に格納する。そして、このレジスタ37出力はコントローラ11へ送られる。前述のレジスタにラッチさせるタイミング生成はこのような回路で生成される。コントローラ11からのプリアンブル領域の指定に基づきプリアンブル領域における前述した同期信号パルスがきた立上りタイミングでレジスタ37に128進カウンタ20出力をラッチさせるように制御するANDゲート23、立上り微分構成のデジタル微分回路24及びANDゲート25が設けられている。
【0091】このANDゲート25の出力のラッチ信号は、また、コントローラ11への割り込み信号INTとして入力する。コントローラ11はこの割り込み信号INTを受けるとレジスタ37の位相差情報を受け取る。割り込み信号INTはプリアンブル領域の同期パルスの数分入力されるので、複数の位相差情報をコントローラ11は受け取る。コントローラ11はこの複数の位相差情報を使って演算処理し、より精度の高い位相差情報をレジスタ22へ送出する。前記情報処理は、例えば異常位相差情報は取り除き、後は平均化処理して求める。そして、位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ11はレジスタ22で設定された情報分2値化されたウォブル信号が遅延される。この入力信号によってPLL回路16が動作するようになるので、生成された再生クロックは信頼性高いデータ部多値データ再生を実現することできる。
【0092】ここで、位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ19の構成例を図14に示す。この位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ19はウォブル検出信号に対して立上り微分動作するデジタル微分回路26と、このデジタル微分回路26の出力が入力される毎にイネーブル信号ENを出力するフリップフロップ27と、レジスタ22にラッチされている位相遅れ量のデータがプリセットされ、フリップフロップ27の出力がイネーブルされていると、その位相差分を4096逓倍クロックで計数した時にPLL回路16に対してキャリー信号を出力するプリセッタブルカウンタ28とにより構成されている。この構成により入力信号がレジスタ22で設定された遅延情報分遅延した信号が得られる。
【0093】もっとも、位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ19としては、図15に示すうにウォブル検出信号が入力されるとともに4096逓倍クロックのタイミングでシフトされるシフトレジスタ29と、レジスタ22にラッチされている位相遅れ量のデータを変換するデコーダ30と、シフトレジスタ29の出力とデコーダ30の出力との各ビット毎の一致をとる複数のANDゲート31と、これらのANDゲート31のうちデコーダ30出力によって指定されるゲートから出力され、レジスタ22で設定された遅延時間遅延された2値化されたウォブル検出信号をORゲート32を通してPLL回路16に対して出力させる組合せにより構成されたものであってもよい。
【0094】また、デジタル微分回路21,24或いは26の構成例を図16に示す。デジタル微分回路21,24或いは26は、被微分信号を2段接続のJ−K型のフリップフロップ33,34に入力させ、それらの入出力の組合せで、ANDゲート35,36により立上り微分か立下り微分かに応じて出力を切換えるように構成されている。本実施の形態では、何れもANDゲート35の出力を用いる立上り微分方式とされている。
【0095】ここで、図13に示した基本回路で用いている2値化されたウォブル検出信号(32T)と、記録クロック(T)と制御用クロック(T/128)との関係を図17に示す。また、同期信号パルス(プリアンブル領域に書き込まれた記録マークより再生される信号)がウォブル信号の32逓倍出力の基本クロック(記録/再生クロック)に対して遅れている場合の検出原理を図18に示す。前記同期信号パルスの立上り時に記録/再生クロック(T)がHレベルであれば位相遅れとなる。前記同期信号パルスは図12で示したように常に位相遅れの状態となる。この位相遅れ量Δ(位相差)を計測するためにウォブル検出信号に対して128×32=4096逓倍の制御用クロックを使用している。
【0096】このような原理により、128進カウンタ20は、2値化されたウォブル信号の32逓倍出力の立上り部で計数を開始させるためにデジタル微分回路21によって常にカウント開始のトリガーをかけられており(実際は、128進カウンタ20をクリアしており)、そして、PLL回路16から出力される4096逓倍のクロックを計数している。そして、コントローラ11からのプリアンブル領域の指定に基づきプリアンブル領域における前述の同期信号パルスが光ピックアップからの再生2値化信号として来たときに(同期信号パルスの立上りタイミング)、レジスタ37に128進カウンタ20の出力がラッチされるので、その時点の128進カウンタ20の出力が位相差としてレジスタ37にラッチされる。レジスタ37にラッチされたデータ(位相差=位相遅れ量)複数個がコントローラ11に取り込まれ、コントローラ11は演算処理をし、その結果に基づいて位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ19の遅延時間が設定される。この位相遅れ補正可変ビットシフトレジスタ19ではレジスタ22のデータ(位相差=位相遅れ量)だけ4096逓倍のクロック分遅らせたタイミングでウォブル検出信号をPLL回路16側に出力する。この状態でPLL回路16が動作するので、ウォブル信号の32倍逓倍出力は正確に多値記録データが再生できるクロック(サンプリング信号)として使えることとなる。
【0097】なお、ディスクのグルーブをウォブルさせないトラックで形成する場合において有効な方法となる前記したプリアンブル領域(同期信号領域)を位相ピットで形成して記録再生するときは、図13において2値化ウォブル検出信号入力の代わりに32T時間周期を生成する発振器出力を入力する回路システムによって記録再生クロック生成する。記録時も再生時も、前記したと同様して記録或いは再生クロックをプリアンブル領域の同期信号パルスの位相に合わせる。そして、再生時にデータ部の記録データは前述のように時間遅れを生じるので、図13に示した回路構成で再生クロックを生成した後、この時間遅れ分を予め見積もって再生クロックを遅延させるか、或いは、記録データ部の先頭にプリアングル部を構成し、図13に示した回路構成で再度同期し直す。
【0098】後者の方法では、同期信号領域で既に一度同期しているので記録データ部の先頭のプリアングル部は僅かな補正をするだけで済むことから、通常のプリアンブルより短くてよい。即ち、図13のPLL回路16の引き込み動作が終了しているので僅かな補正でよいこととなる。多値の再生専用ディスク(ROM)でプリンアンブル領域の同期信号クロックで再生クロックを位相補正する場合は、前記した図13において2値化ウォブル検出信号入力の代わりに32T時間周期を生成する発振器出力を入力する回路システムによって行う。
【0099】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、アドレス情報或いは記録データが3値以上の多値情報で記録され、前記アドレス情報が存在する領域或いは記録データを記録するデータ領域に再生信号を正規化するパターンが含まれ、CAV方式或いはZCAV方式又はZCLV方式でトラック上に情報が記録される光情報記録媒体であって、前記再生信号を正規化するパターン列で構成される正規化パターン領域が隣接トラック間の半径方向で互いに重ならないように円周方向にシフトされているので、再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、正規化パターン領域が隣接トラック間で重なり合わないことから、クロストーク信号の影響を受けない正規化パターンの信号検出ができ、光ディスクの反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を除去することができる。
【0100】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光情報記録媒体において、前記正規化パターン領域の隣接トラックはマークが存在しない無信号領域としたので、正規化パターンからの再生信号に対してクロストークによる影響を発生しなくなるようにすることができる。
【0101】請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の光情報記録媒体において、前記正規化パターン領域は、複数個の同じ大きさのマーク列と無信号領域との組合せで構成され、前記マーク列の長さML1、前記無信号領域の長さML2、記録再生ビームのスポット径BDを、ML1>BD かつ ML2>BDの関係に設定することで、再生信号のレベルが多値化された情報を再生する際、クロストーク信号の影響を受けずに信号を正規化する正規化パターン領域の構成を提供し、更に正規化パターン領域に関して平坦な部分を有する信号を発生させることができ、サンプリングタイミングのずれに強い正規化パターン領域構成としているので、光情報記録媒体の反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を精度良く除去することができる。
【0102】請求項4記載の発明によれば、請求項1,2又は3記載の光情報記録媒体において、信号レベルよりも位置情報が重要となるアドレス情報を位相ピットにより形成したので、信頼性の高いアドレス情報の記録再生が可能となる。
【0103】請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一記載の光情報記録媒体において、前記再生信号を正規化するパターン列のパターンは、前記データ領域に存在しない組合せのパターンとすることで、再生信号を正規化するパターン列の検出精度を向上させることができる。
【0104】請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5の何れか一記載の光情報記録媒体において、前記アドレス情報が存在する領域の前方或いは後方、又は、前記データ領域の前方にデータ再生時のタイミング信号生成用のプリアンブル信号を含む同期信号領域を設け、この同期信号領域を隣接トラック間で半径方向に互いに重なる配置で、2値情報で記録された位相ピットにより形成することで、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、プリアンブル信号を含んで構成される同期信号領域に関しては、隣接トラック間で信号のピーク位置にずれはないことを利用して、互いに重なる配置、即ち、半径方向に整列させた構成となっていることから、クロストークを利用して正確に検出できる上に、フォーマット効率を高くすることができ、また、位相ピットで精度良く形成された同期信号に基づいて多値データをサンプリングするので、多値データを精度良くサンプリングでき、タイミングずれによる復調エラーを低減させることができる。
【0105】請求項7記載の発明によれば、請求項1,2,5又は6記載の光情報記録媒体において、前記トラックを形成するグルーブ或いはランドのウォブル基本周期がCAV方式記録領域内又はZCAV方式或いはZCLV方式のゾーン領域内で各トラック内のウォブル数が同一であり、ウォブルが変調されていない隣接トラックで周期の位相が揃って蛇行しているので、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、ウォブルに起因するクロストークによる位相ずれを軽減でき、多値データを精度良くサンプリングし、タイミングずれによる復調エラーを低減させることができる。
【0106】請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の光情報記録媒体に関して再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、正規化パターン領域や同期信号領域はウォブルされておらず、又は、変調なしの一定周期のウォブルとされているので、正規化パターンや同期信号の検出にウォブルによる乱れがなく、より信頼度の高い正規化パターンや同期信号を検出でき、この結果、光情報記録媒体の反射率の変動、機械精度による変動、記録再生パワーの変動などの影響を精度良く除去することができる。
【0107】請求項9記載の発明の情報記録再生方法によれば、請求項7記載の光情報記録媒体を対象とし、ウォブル情報に基づいて前記光情報記録媒体を回転駆動する駆動源の回転を制御し、記録時には、前記ウォブル情報から多値情報を記録する記録パルスを発生させるとともにアドレス情報に基づき目標アドレス位置に多値データを記録し、再生時には、正規化パターンに基づき再生信号のレベル変動を除去するとともに同期信号に基づきサンプリング位置を決定し多値データを再生するようにしたので、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、隣接トラックからのクロストークが軽減されたウォブル信号と位相ピットで形成された同期信号との両方の情報に基づいて多値データをサンプリングするので、多値データを精度良くサンプリングでき、タイミングずれによる復調エラーを低減させることができる。
【0108】請求項10記載の発明のクロストーク除去方法によれば、請求項2又は3記載の光情報記録媒体に対して対象となる再生トラックとこの再生トラックに隣接する2つの隣接トラックとに対して各々再生ビームを割当てて前記光情報記録媒体の正規化パターン領域を再生する際に、無信号領域で隣接トラックのマーク列からのクロストーク信号の大きさを検出し、この検出結果に基づいてクロストークを補正するための補正係数を学習するようにしたので、再生信号のレベルが多値化された情報を記録再生する際、正規化パターンでクロストーク信号の影響度を見積もれるので、別途クロストーク用の学習領域を設ける必要がなく、フォーマット効率を高くして、クロストーク信号を精度良く除去することができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号
【出願日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【代理人】 【識別番号】100101177
【弁理士】
【氏名又は名称】柏木 慎史 (外2名)
【公開番号】 特開2003−85774(P2003−85774A)
【公開日】 平成15年3月20日(2003.3.20)
【出願番号】 特願2001−275319(P2001−275319)