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【発明の名称】 平面型表示装置
【発明者】 【氏名】中澤 明
【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 富士通日立プラズマディスプレイ株式会社内

【氏名】川浪 義実
【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 富士通日立プラズマディスプレイ株式会社内

【氏名】佐々木 孝
【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 富士通日立プラズマディスプレイ株式会社内

【要約】 【課題】ディスプレイパネルに対し外部からゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも、衝撃力を適切に吸収してディスプレイパネルの損傷を防止できる平面型表示装置を提供する。

【解決手段】ディスプレイパネル10と外装筐体20との間に緩衝部40を配設し、ディスプレイパネル10表示面に外部から衝撃力を加えようとする物体に対し、緩衝部40が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部40の変形分だけディスプレイパネル10が衝撃力に対し後退する向きへ動くことから、ディスプレイパネル10に対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも衝撃力の影響を緩和でき、衝撃力がディスプレイパネル10表面部に集中するのを防いでディスプレイパネル10の損傷を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平面状のディスプレイパネルと、当該ディスプレイパネルの周囲を覆って保護する略枠状の外装筐体とを備える平面型表示装置において、前記ディスプレイパネルと外装筐体との間に配設され、ディスプレイパネルを介して加わる外力のエネルギを吸収しつつ当該外力の大きさに対応して復元可能に変形する一又は複数の緩衝部を備え、前記ディスプレイパネル及び/又は外装筐体が、一部分又は全体を前記緩衝部の変形量に対応して変位可能に支持されることを特徴とする平面型表示装置。
【請求項2】 前記請求項1に記載の平面型表示装置において、前記ディスプレイパネル背面側と外装筐体との間に配設されてディスプレイパネルと外装筐体とを連結させる略枠状のパネル取付用フレームを備え、前記緩衝部が、可撓性及び弾性変形能を有する略板状体とされて前記ディスプレイパネルとパネル取付用フレームとの間に介在することを特徴とする平面型表示装置。
【請求項3】 前記請求項1に記載の平面型表示装置において、前記ディスプレイパネルと一体に配設され、ディスプレイパネルを前記外装筐体に連結させる略枠状のパネル取付用フレームを備え、前記緩衝部が、前記パネル取付用フレームと外装筐体との間に一又は複数配設されることを特徴とする平面型表示装置。
【請求項4】 前記請求項3に記載の平面型表示装置において、前記緩衝部が、前記パネル取付用フレーム背面側の一又は複数箇所でパネル取付用フレームと外装筐体背面部との間に介在するスペーサの一部分又は全体とされることを特徴とする平面型表示装置。
【請求項5】 前記請求項3に記載の平面型表示装置において、前記緩衝部が、前記パネル取付用フレーム周囲の一又は複数箇所でパネル取付用フレームと外装筐体の天地及び/又は左右の一又は複数の内面との間に配設されることを特徴とする平面型表示装置。
【請求項6】 平面状のディスプレイパネルと、当該ディスプレイパネルの周囲を覆って保護する略枠状の外装筐体と、床又は壁に定置されて前記外装筐体を支持するベース部とを備える平面型表示装置において、前記ディスプレイパネルと外装筐体との間及び外装筐体とベース部との間に配設され、ディスプレイパネルを介して加わる外力のエネルギを吸収しつつ当該外力の大きさに対応して復元可能に変形する一又は複数の緩衝部を備え、前記ディスプレイパネル及び/又は外装筐体が、一部分又は全体を前記緩衝部の変形量に対応して変位可能に支持されることを特徴とする平面型表示装置。
【請求項7】 前記請求項6に記載の平面型表示装置において、前記ベース部が、前記外装筐体下側で外装筐体を支持する略台状とされてなり、前記緩衝部が、前記外装筐体とベース部との間に配設されることを特徴とする平面型表示装置。
【請求項8】 前記請求項6に記載の平面型表示装置において、前記ベース部が、前記外装筐体背面側で外装筐体を支持する壁面固定部分とされてなり、前記緩衝部が、前記外装筐体とベース部との間に配設されることを特徴とする平面型表示装置。
【請求項9】 前記請求項1ないし8のいずれかに記載の平面型表示装置において、前記緩衝部が、良熱伝導性を有することを特徴とする平面型表示装置。
【請求項10】 前記請求項1ないし9のいずれかに記載の平面型表示装置において、少なくとも可視光に対し透明な衝撃吸収性素材製の略シート状体で形成され、前記ディスプレイパネルの表示面側に配設される衝撃緩和部材を備えることを特徴とする平面型表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの表示装置やテレビ受像機などの画像表示機器として用いられる平面型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】表示画面が平面状である平面型表示装置のうち、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称)は、視認性に優れ、高速表示が可能であり、しかも大画面化の容易な薄型の表示デバイスであり、近年急速に普及している。このPDPは、従来、表示画面のコントラスト向上と、外部からの機械的な衝撃による破損防止を図るため、PDPの表示面から所定寸法離れた前方に光学フィルタ板を配設する構造とされていた。しかし、PDPと光学フィルタ板との間に空隙があることから、外部から入射してくる外光が光学フィルタ板の表面とPDPの表示面でそれぞれ反射して、外光が多重に映り込む、いわゆる二重映り現象が発生しやすく、PDPの表示画質が損われるという問題点を有していた。
【0003】このため、外部から加わる衝撃力の緩和を図りつつ、二重映り現象を抑えられる平面型表示装置が提案されている。その一例として、特開2001−13877号公報に記載されているものがある。このような構造の従来の平面型表示装置を図5に示す。図5は従来の平面型表示装置の概略断面図である。
【0004】前記図5に示す従来の平面型表示装置100は、表示面とは反対側の背面側に駆動制御回路105を有するディスプレイパネルとしてのPDP101と、このPDP101を内側に収容する外装筐体102と、外部からの衝撃を緩和する衝撃緩和部材104を含んでPDP101の表示面側に貼設される光学フィルタ103とを備える構成である。上記した構成の平面型表示装置100は、PDP101の表示面側に不意の外力が加わっても、光学フィルタ103中の衝撃緩和部材104で衝撃を緩和してPDP101の損傷又は破損を防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の平面型表示装置は以上のように構成されていることから、PDP101表示面に尖ったものが当った場合などの、PDP101表示面側へ局所的に短時間作用する衝撃は衝撃緩和部材104で緩和できるものの、ゆっくり広い範囲に作用する衝撃、例えば、人が誤ってPDP101表面に寄りかかったりするような場合などには、衝撃緩和部材104では衝撃力を吸収できず、PDP101表面にそのままPDP101の表面強度を超える力が加わってPDP101の破損につながる危険性があるという課題を有していた。
【0006】本発明は前記課題を解消するためになされたもので、ディスプレイパネルに対し外部からゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも、衝撃力を適切に吸収してディスプレイパネルの損傷を防止できる平面型表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る平面型表示装置は、平面状のディスプレイパネルと、当該ディスプレイパネルの周囲を覆って保護する略枠状の外装筐体とを備える平面型表示装置において、前記ディスプレイパネルと外装筐体との間に配設され、ディスプレイパネルを介して加わる外力のエネルギを吸収しつつ当該外力の大きさに対応して復元可能に変形する一又は複数の緩衝部を備え、前記ディスプレイパネル及び/又は外装筐体が、一部分又は全体を前記緩衝部の変形量に対応して変位可能に支持されるものである。このように本発明においては、ディスプレイパネルと外装筐体との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から衝撃力を加えようとする物体に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネルが衝撃力に対し後退する向きへ動くことにより、ディスプレイパネルに対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも衝撃力の影響を緩和できることとなり、衝撃力がディスプレイパネル表面部に集中するのを防いでディスプレイパネルの損傷を防止できる。
【0008】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、前記ディスプレイパネル背面側と外装筐体との間に配設されてディスプレイパネルと外装筐体とを連結させる略枠状のパネル取付用フレームを備え、前記緩衝部が、可撓性及び弾性変形能を有する略板状体とされて前記ディスプレイパネルとパネル取付用フレームとの間に介在するものである。このように本発明においては、ディスプレイパネル及び外装筐体を互いに連結させるパネル取付用フレームとディスプレイパネルとの間に略板状の緩衝部が配設され、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネルがパネル取付用フレーム及び外装筐体に対し変位することにより、ディスプレイパネルに対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合にディスプレイパネルのみが動いて衝撃力の影響を緩和できることとなり、ディスプレイパネルの損傷を確実に防止しつつ緩衝部への負担を小さくして緩衝部の構造を簡略化でき、緩衝部の低コスト化が図れる。
【0009】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、前記ディスプレイパネルと一体に配設され、ディスプレイパネルを前記外装筐体に連結させる略枠状のパネル取付用フレームを備え、前記緩衝部が、前記パネル取付用フレームと外装筐体との間に一又は複数配設されるものである。このように本発明においては、ディスプレイパネルと一体化されたパネル取付用フレームと外装筐体との間に緩衝部が配設され、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネル及びパネル取付用フレームが外装筐体に対し変位することにより、パネル取付用フレームと一体化したディスプレイパネルがより高い強度となり、ディスプレイパネルがより集中度の高い衝撃力にも耐えられることとなり、様々な外力に対して緩衝部で衝撃を緩和できる。さらに、装置組立時に一体化された状態で取扱われるディスプレイパネル及びパネル取付用フレームに対し緩衝部の追加配設が容易となり、緩衝部導入に際して装置全体の構造を大きく変更せずに済む。
【0010】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、前記緩衝部が、前記パネル取付用フレーム背面側の一又は複数箇所でパネル取付用フレームと外装筐体背面部との間に介在するスペーサの一部分又は全体とされるものである。このように本発明においては、緩衝部をパネル取付用フレーム背面側と外装筐体背面部との間に配設するスペーサの一部分又は全体とし、緩衝部に衝撃吸収と共にパネル取付用フレームと外装筐体との連結の役割を与えることにより、装置全体の構造を簡略化でき、コストダウンを図れると共に、緩衝部交換等の保守作業も容易となる。
【0011】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、前記緩衝部が、前記パネル取付用フレーム周囲の一又は複数箇所でパネル取付用フレームと外装筐体の天地及び/又は左右の一又は複数の内面との間に配設されるものである。このように本発明においては、緩衝部をパネル取付用フレーム外周部と外装筐体天地及び/又は左右の内面との間に配設し、緩衝部がディスプレイパネル背面側に位置しないことにより、薄さを求められることの多い平面型表示装置におけるディスプレイパネル前後方向の寸法を抑えられ、緩衝部を配設した状態でも装置全体の構造を薄型化できる。
【0012】また、本発明に係る平面型表示装置は、平面状のディスプレイパネルと、当該ディスプレイパネルの周囲を覆って保護する略枠状の外装筐体と、床又は壁に定置されて前記外装筐体を支持するベース部とを備える平面型表示装置において、前記ディスプレイパネルと外装筐体との間及び外装筐体とベース部との間に配設され、ディスプレイパネルを介して加わる外力のエネルギを吸収しつつ当該外力の大きさに対応して復元可能に変形する一又は複数の緩衝部を備え、前記ディスプレイパネル及び/又は外装筐体が、一部分又は全体を前記緩衝部の変形量に対応して変位可能に支持されるものである。このように本発明においては、ディスプレイパネルと外装筐体との間及び外装筐体とベース部との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から衝撃力を加えようとする物体に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネルが衝撃力に対し後退する向きへ動くことにより、ディスプレイパネルに対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも衝撃力の影響を緩和できることとなり、衝撃力がディスプレイパネル表面部に集中するのを防いでディスプレイパネルの損傷を防止できる。
【0013】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、前記ベース部が、前記外装筐体下側で外装筐体を支持する略台状とされてなり、前記緩衝部が、前記外装筐体とベース部との間に配設されるものである。このように本発明においては、ディスプレイパネルを内蔵する外装筐体と床に載置されるベース部との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけ外装筐体がベース部に対し変位することにより、外装筐体内各部品には全く影響を与えずに緩衝部を配設でき、緩衝部の導入も容易且つ低コストで行えると共に、緩衝部交換等の保守作業も容易となる。
【0014】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、前記ベース部が、前記外装筐体背面側で外装筐体を支持する壁面固定部分とされてなり、前記緩衝部が、前記外装筐体とベース部との間に配設されるものである。このように本発明においては、ディスプレイパネルを内蔵する外装筐体と壁に固定されるベース部との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけ外装筐体がベース部に対し変位することにより、外装筐体内各部品には全く影響を与えずに緩衝部を配設でき、緩衝部の導入も容易且つ低コストで行えると共に、緩衝部交換等の保守作業も容易となる。
【0015】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、前記緩衝部が、良熱伝導性を有するものである。このように本発明においては、ディスプレイパネルと外装筐体との間及び/又は外装筐体とベース部との間に配設される緩衝部が良熱伝導性を有してなり、ディスプレイパネルで熱が発生する場合に、ディスプレイパネルの熱が緩衝部を通じて他部材側へ伝わることにより、ディスプレイパネルから発生する熱を緩衝部を介して外部側へ放熱できることとなり、衝撃によるパネル損傷防止に加えてディスプレイパネルの過熱を防止でき、表示動作の信頼性を高められる。
【0016】また、本発明に係る平面型表示装置は必要に応じて、少なくとも可視光に対し透明な衝撃吸収性素材製の略シート状体で形成され、前記ディスプレイパネルの表示面側に配設される衝撃緩和部材を備えるものである。このように本発明においては、ディスプレイパネルの表示面側に衝撃吸収性素材製の衝撃緩和部材を配設し、ディスプレイパネルの表示面側でも外部から加わる衝撃力に対応することにより、ディスプレイパネルの表示面へ広範囲に且つゆっくりと加わる衝撃力に対する緩衝部の衝撃緩和作用に加えて、衝撃緩和部材による局所的に且つ短時間加わる衝撃力に対する衝撃緩和作用を有することとなり、衝撃に対する保護能力が高まり、ディスプレイパネルの破損をより確実に防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】(本発明の第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態に係る平面型表示装置について、図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態においては、PDPを用いる平面型表示装置に適用する例について説明する。図1は本実施の形態に係る平面型表示装置の概略断面図、図2は本実施の形態に係る平面型表示装置における緩衝部変形状態説明図である。
【0018】前記各図に示すように、本実施の形態に係る平面型表示装置1は、前記従来同様、プラズマディスプレイパネル10(以下、PDPと略称)と、外装筐体20と、光学フィルタ30とを備える一方、異なる点として、衝撃吸収性能を有してPDP10と外装筐体20との間に配設される緩衝部40を備える構成を有するものである。
【0019】前記PDP10は、公知の表示デバイスであり、表示面に光学フィルタ30を貼設されると共に、背面側に緩衝部40を配設され、さらにこの緩衝部40背面側に金属製のパネル取付用フレーム11及び駆動制御回路12を一体に取付けられている。前記パネル取付用フレーム11には、外装筐体20への連結用となるスペーサ13が背面側へ突出状態として配設され、このスペーサ13を介してパネル取付用フレーム11及びPDP10が外装筐体20に支持される仕組みである。
【0020】前記外装筐体20は、内部にPDP10等を保持し得る十分な強度を有する前面開放状態の略箱状体で形成される構成である。この外装筐体20は壁固定部分又はスタンド部分としてのベース部(図示を省略)に一体に係合してベース部に支持された状態となる仕組みである。なお、外装筐体20は、フロント部分とリア部分との二分割構造として組立時に合体させる構成としてもよい。
【0021】前記光学フィルタ30は、前記従来同様のものであり、衝撃緩和部材31と共に、PDP10の発光色に対する色調整層32や外光に対する光反射率調整層33、PDP10から出射する赤外線を遮蔽するフィルタ等をそれぞれ備える構成である。衝撃緩和部材31は、可視光域で透明であり、且つ耐衝撃性を有するプラスチック材料等からなるフィルム状部材で形成される構成である。
【0022】前記緩衝部40は、可撓性及び弾性変形能を有して衝撃吸収可能となっているアクリル系樹脂等のプラスチック材料製略板状体で形成され、PDP10とパネル取付用フレーム11との間に配設される構成である。この緩衝部40の弾性率は、弾性変形に伴う衝撃吸収作用を発揮でき、且つPDP10を時間経過に関わりなく略一定位置に保持可能となる値に設定される。具体的には1×103〜1×106[Pa]の範囲に設定されるのが望ましく、さらに望ましい値は50kPaである。
【0023】次に、本実施の形態に係る平面型表示装置における衝撃緩和動作について説明する。PDP10表示面側の広い範囲に外部から物体が接触して衝撃力がゆっくりと加わると、PDP10を介して緩衝部40に衝撃力が伝わる。緩衝部40は、PDP10を介して加わる衝撃力のエネルギを吸収しつつ、この衝撃力の大きさに対応する分だけ復元可能に変形していく。緩衝部40が変形するのに伴い、PDP10も衝撃力を与えた物体に対し後退して、物体のPDP表面への当接圧力はPDP10の表面耐圧強度以下に保たれることとなり、PDP10表面部分の変形・損傷を抑えられる。PDP10表示面から物体が離れるなど、PDP10表示面に力が加わらない状態になると、緩衝部40はゆっくりと元の形状に戻り、PDP10も以前の位置に戻った状態となる。
【0024】一方、PDP10表示面に尖った物体が誤って当った際など、PDP10表示面に局所的且つ短時間に衝撃力が加わった場合には、従来同様にPDP10前面の光学フィルタ30における衝撃緩和部材31が一部変形しつつ衝撃力を緩和し、PDP10の損傷を防ぐ。このように、本実施の形態に係る平面型表示装置においては、パネル取付用フレーム11とPDP10との間に緩衝部40を配設し、PDP10表示面に外部から衝撃力を加えようとする物体に対し、緩衝部40が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部40の変形分だけPDP10が衝撃力に対し後退する向きへ動くことから、PDP10に対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも衝撃力の影響を緩和できることとなり、衝撃力がPDP10表面部に集中するのを防いでPDP10の損傷を防止できる。また、PDP10の表示面側に衝撃緩和部材31を配設し、PDP10の表示面側でも外部から加わる衝撃力に対応することから、緩衝部40の衝撃緩和作用に加えて、局所的に且つ短時間加わる衝撃力に対する衝撃緩和作用をも有することとなり、衝撃に対してPDP10をより確実に保護できる。
【0025】なお、前記実施の形態に係る平面型表示装置においては、緩衝部40をプラスチック材料からなる構成としているが、これに限らず、緩衝部40の材料を、プラスチック材料にアルミニウムやカーボン等の良熱伝導性材料粉末を所定量添加したものとし、緩衝部40を前記良熱伝導性材料が内部で前面側から背面側へ連結状態となって分散している良熱伝導体として形成する構成とすることもでき、PDP10をはじめとするディスプレイパネルで熱が発生する場合に、ディスプレイパネルの熱を緩衝部40を通じてパネル取付フレーム11側へ速やかに放熱できることとなり、衝撃によるパネル損傷防止に加えてディスプレイパネルの過熱を防止でき、表示動作の信頼性を高められる。
【0026】(本発明の第2の実施形態)本発明の第2の実施形態に係る平面型表示装置について、図3に基づいて説明する。本実施形態においても、PDPを用いる平面型表示装置に適用する例について説明する。図3は本実施の形態に係る平面型表示装置の概略断面図である。前記図3に示すように、本実施の形態に係る平面型表示装置は、前記第1の実施形態同様、PDP10と、外装筐体20と、光学フィルタ30とを備える一方、異なる点として、緩衝部40がPDP10と外装筐体20との間に配設されるスペーサ13の一部として配設される構成を有するものである。
【0027】前記PDP10は、前記第1の実施形態同様、表示面に光学フィルタ30を貼設される一方、異なる部分として、背面側にそのままパネル取付用フレーム11及び駆動制御回路12を一体に取付けられる構成である。前記パネル取付用フレーム11には、外装筐体20への連結用となるスペーサ13が背面側へ突出状態として配設され、このスペーサ13が前記緩衝部40を一体に含む構成である。前記外装筐体20は、前記第1の実施形態同様、前面開放状態の略箱状体で形成され、底面でスタンド部分としてのベース部50に一体に係合してこのベース部50に下側から支持された状態となる仕組みである。
【0028】前記緩衝部40は、前記スペーサ13の一部として、可撓性及び弾性変形能を有して衝撃吸収可能となっているアクリル系樹脂等のプラスチック材料製略板状体で形成され、スペーサ13の他部をなしているより硬質のプラスチック部材間に挟まれた状態で一体に配設される構成である。
【0029】次に、本実施の形態に係る平面型表示装置における衝撃緩和動作について説明する。PDP10表示面側の広い範囲に外部から物体が接触して衝撃力がゆっくりと加わると、PDP10、パネル取付用フレーム11及びスペーサ13の他部を介して緩衝部40に衝撃力が伝わる。緩衝部40は、PDP10等を介して加わる衝撃力のエネルギを吸収しつつ、この衝撃力の大きさに対応する分だけ復元可能に変形していく。
【0030】緩衝部40が変形するのに伴い、PDP10等も衝撃力を与えた物体に対し後退して、物体のPDP表面への当接圧力はPDP10の表面耐圧強度以下に保たれることとなり、PDP10表面部分の変形・損傷を抑えられる。PDP10表示面から物体が離れるなど、PDP10表示面に力が加わらない状態になると、緩衝部40はゆっくりと元の形状に戻り、PDP10、パネル取付用フレーム11及びスペーサ13の他部も以前の位置に戻った状態となる。
【0031】このように、本実施の形態に係る平面型表示装置においては、PDP10と一体化されたパネル取付用フレーム11と外装筐体20との間におけるスペーサ13の一部分として緩衝部40を配設し、PDP10表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部40が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部40の変形分だけPDP10及びパネル取付用フレーム11が外装筐体20に対し変位することから、パネル取付用フレーム11と一体化したPDP10がより高い強度となり、PDP10がより集中度の高い衝撃力にも耐えられることとなり、様々な外力に対して緩衝部40で衝撃を緩和できる。さらに、緩衝部40をスペーサ13の一部分とすることで、装置全体の構造を簡略化でき、交換等の保守作業も容易となってコストダウンを図れると共に、緩衝部40導入に際して装置全体の構造を大きく変更せずに済む。
【0032】なお、前記第1及び第2の各実施形態に係る平面型表示装置においては、ディスプレイパネルとしてのPDP10と外装筐体20との間に緩衝部40を配設する構成としているが、この他、図4に示すように、外装筐体20と床に載置されるベース部50との間、または、外装筐体と壁に固定されるベース部との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部40が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部40の変形分だけ外装筐体20をベース部50に対し変位させる構成とすることもでき、外装筐体20内各部品には全く影響を与えずに緩衝部40を配設でき、緩衝部40の導入も容易且つ低コストで行えると共に、緩衝部40交換等の保守作業も容易となる。合わせて、ディスプレイパネルと外装筐体20との間にも緩衝部40を配設していれば、振動緩和効果がより一層高まることとなり、ディスプレイパネルを確実に保護できる。
【0033】また、前記第1及び第2の各実施形態に係る平面型表示装置においては、ディスプレイパネルとしてのPDP10の背面側に緩衝部40を配設する構成としているが、これに限らず、緩衝部40をパネル取付用フレーム11外周部と外装筐体20天地及び/又は左右の各内面のうちいずれか一又は複数面との間に一又は複数配設し、緩衝部40をディスプレイパネル背面側に位置させない構成とすることもでき、薄さを求められることの多い平面型表示装置におけるディスプレイパネル前後方向の寸法を抑えられ、緩衝部40を配設した状態でも装置全体の構造を薄型化できる。
【0034】また、前記第1及び第2の各実施形態に係る平面型表示装置においては、PDP10の表示面に衝撃緩和部材31を含む光学フィルタ30を貼設する構成としているが、これに限らず、PDP10の表示面側には衝撃緩和部材を配設せず、衝撃緩和用としては緩衝部40のみを配設する構成とすることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ディスプレイパネルと外装筐体との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から衝撃力を加えようとする物体に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネルが衝撃力に対し後退する向きへ動くことにより、ディスプレイパネルに対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも衝撃力の影響を緩和できることとなり、衝撃力がディスプレイパネル表面部に集中するのを防いでディスプレイパネルの損傷を防止できるという効果を奏する。
【0036】また、本発明によれば、ディスプレイパネル及び外装筐体を互いに連結させるパネル取付用フレームとディスプレイパネルとの間に略板状の緩衝部が配設され、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネルがパネル取付用フレーム及び外装筐体に対し変位することにより、ディスプレイパネルに対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合にディスプレイパネルのみが動いて衝撃力の影響を緩和できることとなり、ディスプレイパネルの損傷を確実に防止しつつ緩衝部への負担を小さくして緩衝部の構造を簡略化でき、緩衝部の低コスト化が図れるという効果を有する。
【0037】また、本発明によれば、ディスプレイパネルと一体化されたパネル取付用フレームと外装筐体との間に緩衝部が配設され、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネル及びパネル取付用フレームが外装筐体に対し変位することにより、パネル取付用フレームと一体化したディスプレイパネルがより高い強度となり、ディスプレイパネルがより集中度の高い衝撃力にも耐えられることとなり、様々な外力に対して緩衝部で衝撃を緩和できるという効果を有する。さらに、装置組立時に一体化された状態で取扱われるディスプレイパネル及びパネル取付用フレームに対し緩衝部の追加配設が容易となり、緩衝部導入に際して装置全体の構造を大きく変更せずに済むという効果を有する。
【0038】また、本発明によれば、緩衝部をパネル取付用フレーム背面側と外装筐体背面部との間に配設するスペーサの一部分又は全体とし、緩衝部に衝撃吸収と共にパネル取付用フレームと外装筐体との連結の役割を与えることにより、装置全体の構造を簡略化でき、コストダウンを図れると共に、緩衝部交換等の保守作業も容易となるという効果を有する。
【0039】また、本発明によれば、緩衝部をパネル取付用フレーム外周部と外装筐体天地及び/又は左右の内面との間に配設し、緩衝部がディスプレイパネル背面側に位置しないことにより、薄さを求められることの多い平面型表示装置におけるディスプレイパネル前後方向の寸法を抑えられ、緩衝部を配設した状態でも装置全体の構造を薄型化できるという効果を有する。
【0040】また、本発明によれば、ディスプレイパネルと外装筐体との間及び外装筐体とベース部との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から衝撃力を加えようとする物体に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけディスプレイパネルが衝撃力に対し後退する向きへ動くことにより、ディスプレイパネルに対しゆっくりと広い範囲に衝撃力が加わった場合でも衝撃力の影響を緩和できることとなり、衝撃力がディスプレイパネル表面部に集中するのを防いでディスプレイパネルの損傷を防止できるという効果を有する。
【0041】また、本発明によれば、ディスプレイパネルを内蔵する外装筐体と床に載置されるベース部との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけ外装筐体がベース部に対し変位することにより、外装筐体内各部品には全く影響を与えずに緩衝部を配設でき、緩衝部の導入も容易且つ低コストで行えると共に、緩衝部交換等の保守作業も容易となるという効果を有する。
【0042】また、本発明によれば、ディスプレイパネルを内蔵する外装筐体と壁に固定されるベース部との間に緩衝部を配設し、ディスプレイパネル表示面に外部から加わる衝撃力に対し、緩衝部が衝撃力を吸収すると共に、この衝撃力に応じた緩衝部の変形分だけ外装筐体がベース部に対し変位することにより、外装筐体内各部品には全く影響を与えずに緩衝部を配設でき、緩衝部の導入も容易且つ低コストで行えると共に、緩衝部交換等の保守作業も容易となるという効果を有する。
【0043】また、本発明によれば、ディスプレイパネルと外装筐体との間及び/又は外装筐体とベース部との間に配設される緩衝部が良熱伝導性を有してなり、ディスプレイパネルで熱が発生する場合に、ディスプレイパネルの熱が緩衝部を通じて他部材側へ伝わることにより、ディスプレイパネルから発生する熱を緩衝部を介して外部側へ放熱できることとなり、衝撃によるパネル損傷防止に加えてディスプレイパネルの過熱を防止でき、表示動作の信頼性を高められるという効果を有する。
【0044】また、本発明によれば、ディスプレイパネルの表示面側に衝撃吸収性素材製の衝撃緩和部材を配設し、ディスプレイパネルの表示面側でも外部から加わる衝撃力に対応することにより、ディスプレイパネルの表示面へ広範囲に且つゆっくりと加わる衝撃力に対する緩衝部の衝撃緩和作用に加えて、衝撃緩和部材による局所的に且つ短時間加わる衝撃力に対する衝撃緩和作用を有することとなり、衝撃に対する保護能力が高まり、ディスプレイパネルの破損をより確実に防止できるという効果を有する。
【出願人】 【識別番号】599132708
【氏名又は名称】富士通日立プラズマディスプレイ株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
【公開番号】 特開2003−195773(P2003−195773A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−397697(P2001−397697)