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【発明の名称】 接続関係表示方法及び装置
【発明者】 【氏名】林 千登
【住所又は居所】神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーンテクなかい 富士ゼロックス株式会社内

【要約】 【課題】多数の対象の中の注目対象について、注目対象間の関係と、注目対象と他の対象との関係とを識別しやすく表示する。

【解決手段】各対象の属性情報とそれら各対象の関係を示す関係情報とを読み込み、ユーザの設定した分類基準情報に従ってそれら各対象を注目対象とそれ以外の非注目対象とに分類する。そして、注目対象のノードは、円弧状の第1表示領域10に配置し、非注目対象のノードは、その円弧と中心がほぼ同じで半径が小さい円周状の第2表示領域20に配置する。第1表示領域10上に配置した各ノード12間を結ぶアーク30bが第2表示領域20と交わらないよう、第1表示領域10の円弧の範囲を制限することで、注目対象同士の関係を表すアーク30bが、非注目対象同士の関係や注目対象・非注目対象間の関係を表すアークなどと紛れにくくなり、読み取りやすいネットワーク図ができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の対象間の関係をコンピュータを用いて表示する方法であって、それら各対象間の関係の情報を記憶した対象情報記憶部を用意する準備ステップと、対象情報記憶部に記憶された対象の中から注目対象を選択する選択ステップと、各注目対象を表す各ノードを第1の表示領域に、注目対象以外の対象である非注目対象を表す各ノードを第2の表示領域にそれぞれ配置して表示し、対象情報記憶部に記憶された各対象間の関係の情報に従って各ノード間を結ぶアークを表示する表示ステップと、を含み、前記表示ステップでは、前記第1の表示領域に配置した注目対象の各ノード同士を結ぶアークが前記第2の表示領域内を通らないよう前記第1及び第2の表示領域を設定することを特徴とする関係表示方法。
【請求項2】 前記第1の表示領域は、前記第2の表示領域の外側に位置し、前記第2の表示領域内又はその近傍に中心を持つ略円弧状の領域であることを特徴とする請求項1記載の関係表示方法。
【請求項3】 前記第1の表示領域は、前記第2の表示領域の外側に位置し、前記第2の表示領域内又はその近傍に中心を持つ略楕円の、長軸端を含む弧であることを特徴とする請求項1記載の関係表示方法。
【請求項4】 前記第2の表示領域は、前記第1の表示領域に係る楕円と中心を同じくし、長軸が直交する略楕円形状の領域であることを特徴とする請求項3記載の関係表示方法。
【請求項5】 前記選択ステップでは、前記対象の属性情報に関する条件を受け付け、その条件を満足する対象を前記注目対象に選択することを特徴とする請求項1記載の関係表示方法。
【請求項6】 前記選択ステップでは、前記対象の属性情報に関する条件として、他の対象との関係についての属性情報に関する条件を用いることを特徴とする請求項5記載の関係表示方法。
【請求項7】 前記表示ステップでは、前記各注目対象の属性情報に応じ、前記第1の表示領域に配置される各注目対象のノードの配置位置を決定することを特徴とする請求項1記載の関係表示方法。
【請求項8】 前記各注目対象の属性情報に応じて、前記第1の表示領域に配置されるそれら各注目対象のノードの前記第2の表示領域内の基準点からの距離を変えることを特徴とする請求項7記載の関係表示方法。
【請求項9】 前記表示ステップでは、前記各非注目対象の属性情報に応じ、前記第2の表示領域に配置されるそれら各非注目対象のノードの配置位置を決定することを特徴とする請求項1記載の関係表示方法。
【請求項10】 前記対象が人であり、前記対象間の関係が、それら対象同士のコミュニケーションであることを特徴とする請求項1記載の関係表示方法。
【請求項11】 複数の対象間の関係をコンピュータを用いて表示する関係表示装置であって、それら各対象間の関係の情報を記憶した対象情報記憶部と、対象情報記憶部に記憶された対象の中から注目対象を選択する選択部と、各注目対象を表す各ノードを第1の表示領域に、注目対象以外の対象である非注目対象を表す各ノードを第2の表示領域にそれぞれ配置して表示し、対象情報記憶部に記憶された各対象間の関係の情報に従って各ノード間を結ぶアークを表示する表示処理部と、を含み、前記表示ステップでは、前記第1の表示領域に配置した注目対象の各ノード同士を結ぶアークが前記第2の表示領域内を通らないよう、前記第1及び第2の表示領域を設定することを特徴とする関係表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、対象同士の関係を分かりやすく表示するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コミュニティ等について調査・分析を行う場合には、参加者の発言数や発言の傾向などに加え、参加者間のインタラクション(会話その他の相互関係に関する行動)など、参加者同士の関係をネットワークと捉えて分析する手法がある。そのような手法では、様々な指標を用いたネットワークの定量的な分析手法もよく用いられているが、全体について大まかな情報を得るような場合や、様々な分析結果についての全体的な検討を行う場合などには、参加者間の関係を図式化したネットワーク図が有用な手段として利用されている。
【0003】ネットワーク図は、一般に、人や装置、情報などの「対象」が存在する位置にそれら対象を表すノードを配置し、対象間に関係がある場合、それら対象のノード間をアーク(エッジとも呼ばれる)で結んだ図として構成されている。
【0004】例えば、緒方らによる「分散型人脈活用支援システムPeCo-Mediator-IIの構築」(電気情報通信学会論文誌,D-I,Vol.J80-D-I,No.7,pp.551-560,1997年7月)には、電子メールの交換による人脈情報を個人毎に蓄積し、ネットワークを介して人脈をたどって協力者を探す過程を支援する。この従来技術では、メール交換のある個人間をアークで結んだネットワーク図を作成し、そのシステムの効果を評価している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ある程度の規模の組織や、多くの種類の情報、情報サービスを使用して活動する複雑な組織などを調査・分析する際には、これら従来技術で用いられている「関係の表現」方式は、分析者にとって「関係」の特徴を見出しやすいものとは必ずしも言えなかった。
【0006】緒方らのシステムでは、中心的な人を表すノードを中心に配置し、その周りに他の人のノードを配置し、交流のある各個人間をアークで結んで表示している。このような方式は、小規模なコミュニティであれば見やすい表示が可能であるが、例えば大企業のイントラネット内のコミュニティなど、比較的大規模なコミュニティを表現しようとした場合、ノードの数が多くノード間のアークが複雑に絡み合ってしまうため、複雑な結びつきが存在するという以上の情報が読み取りにくいという問題があった。特に、中心的な人物が相当数存在するような多人数のコミュニティの場合、中心的人物同士の関係を表すアークが、他の多数の一般メンバーとの関係を表すアークの中に埋もれて、把握しづらくなるという問題が生じていた。中心的人物同士の交流関係は、コミュニティ内の人脈関係の分析においては重要な情報であり、このような情報が読み取りづらいネットワーク図では分析が困難になるという問題があった。
【0007】かかる問題を鑑み、本発明では、人や物、情報、概念など種々の対象の間の関係を、見やすく表示するための方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、複数の対象間の関係をコンピュータを用いて表示するに当たり、それら各対象間の関係の情報を記憶した対象情報記憶部を用意し、対象情報記憶部に記憶された対象の中から注目対象を選択し、各注目対象を表す各ノードを第1の表示領域に、注目対象以外の対象である非注目対象を表す各ノードを第2の表示領域にそれぞれ配置して表示し、対象情報記憶部に記憶された各対象間の関係の情報に従って各ノード間を結ぶアークを表示する。そして、この表示の際に、前記第1の表示領域に配置した注目対象の各ノード同士を結ぶアークが前記第2の表示領域内を通らないよう前記第1及び第2の表示領域を設定する。
【0009】このように第1及び第2の表示領域を設定することで、注目対象同士の関係を表すアークと、非注目対象同士の関係を表すアークとを分離することができ、注目対象同士の関係が他の関係に埋もれにくくすることができる。
【0010】好適な態様では、前記第1の表示領域は、前記第2の表示領域の外側に位置し、前記第2の表示領域内又はその近傍に中心を持つ略円弧状の領域である。
【0011】この態様によれば、各注目対象のノードから第2の表示領域を望む角がほぼ等しくなるので、その望む角の範囲内のアークの数が、その範囲の表示の濃度や色合いなどで容易に把握できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0013】図1は、本発明に係る装置により生成される関係のネットワーク表示の例を示す図である。この図は、コミュニティ参加者同士の間のコミュニケーション関係のネットワークを図示したものである。この例では、コミュニティ参加者を中心的参加者と一般参加者とに分類し、中心的参加者と一般参加者とに別々の表示領域を設定している。中心的参加者としては、例えば分析対象のコミュニティ中で他の参加者とのコミュニケーションが多い参加者であり、これは電子メールの送受信の分析などから自動的に求めることができる。
【0014】図1に示した円弧状の第1表示領域10が中心的参加者のノードを配置する領域であり、円周状の第2表示領域20が一般参加者のノードを配置する領域である。第1表示領域10の円弧と第2表示領域の円周は中心が同一となっている。図では、中心的参加者のノードを注目対象ノード12,一般参加者のノードを非注目対象ノード22と表している。そして、コミュニケーション関係のある参加者同士のノード間が、直線状のアーク30a又は30bで結ばれている。アーク30a又は30bの矢印は、コミュニケーションの方向を示している。すなわちこの例は、電子メールなどのように一方から他方にメッセージを伝える方式のコミュニケーション手段での通信情報(ログなど)を元に作成したネットワーク図であるため、コミュニケーションの方向性を表すことができる。アークには、中心的参加者と一般的参加者との間のコミュニケーションを表すアーク30aと、中心的参加者同士又は一般的参加者同士の間のコミュニケーションを表すアーク30bがある。なお、第1表示領域10と第2表示領域20を示した一点鎖線は、領域の形状を説明するために便宜上示したものであり、実際のディスプレイ表示などにおいてこのような領域の明示を行う必要は必ずしもない。また、一般参加者同士のコミュニケーション関係が重要でない場合には、ノード22間の関係を示すアークを表示しないようにすることで、中心的参加者のコミュニケーション関係をより見やすくすることができる。
【0015】図1に例示したネットワーク図では、第1表示領域10の円弧の範囲(中心角)を、これと同心状の第2表示領域20の径を考慮して制限することで、その円弧上に配置される注目対象ノード12同士を結ぶアーク30bが、第2表示領域20内を通らないようにしている。これにより、中心的参加者同士を結ぶアーク30bと一般参加者同士を結ぶアークとが交わることをなくすことができる。また、中心的参加者同士を結ぶアーク30bと、中心的参加者と一般参加者を結ぶアーク30aとで、アークの方向が異なるため両者が紛れにくい。このように、図1のネットワーク図は、コミュニティの中の中心的参加者同士のコミュニケーション関係が、一般参加者との関係と区別して読み取りやすくなっている。
【0016】また、このネットワーク図では、特に外側の第1表示領域10上の各注目対象ノード12に対するアークの入射方向が限られているので、それら注目対象ノード12に繋がる接続アークの数が数えやすいというメリットがある。
【0017】また、このネットワーク表示では、第1表示領域10と第2表示領域20とが同心円構造をなしているので、第1表示領域10上の各点から内側の第2表示領域20を望む角度は一定となり、外側の各ノード12に集まるアーク群の広がりは、その「望む角(視角)」の範囲に収まることになる。したがって、多数の一般参加者とコミュニケーションをとっている中心的参加者ほど、その一定の「望む角」の範囲内に表示されるアークの本数が多くなり、視覚的にその「望む角」のなす三角形の表示の濃度が濃く見えることになる。このように、本方式では、第1表示領域10上の注目対象ノード12から第2表示領域20に延びるアーク群のなす三角形の表示濃度により、各中心的参加者の一般参加者に対するコミュニケーションの幅広さを直感的に把握することができる。この表示濃度による接続量の直感把握効果は、第2表示領域20上のノード22の数が多くなればなるほど顕著になる。
【0018】以上では、コミュニティの中心的参加者に注目したネットワーク図を例にとったが、他の観点からコミュニティの中で注目する対象を選び、その注目対象を第1表示領域10に配置すれば、注目対象とそれ以外との関係と、注目対象同士の関係とを区別しやすいネットワーク図を得ることができる。また、以上では人間のコミュニティの分析を例にとって説明したが、本実施形態のネットワーク図は、これに限らず各種の対象の関係を分析する場合にも有益である。
【0019】以上、本実施形態のネットワーク図表示方式及びそのメリットを説明した。次に、そのような接続関係表示を生成するための装置及び手順について説明する。
【0020】図2は、本実施形態に係る装置の構成例を示した図である。以下に示す装置構成は、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータシステムをベースに、ソフトウエア的に実現することができる。以下に示す各装置構成要素は、基本的に、その説明に示す処理内容を記述したプログラムをコンピュータシステム上で実行することにより実現される。
【0021】図2において、分類基準情報格納部102は、注目対象とそれ以外とを分類するための分類基準の情報を格納した機能モジュールである。分類基準には、例えば「電子メールの送受信が所定数以上の人を注目対象とする」などのコミュニケーションの観点からの基準や、「A部門にx年以上在籍する人を注目対象とする」などの個人属性の観点からの基準を用いることができる。後者には、この他にも例えば管理職か否か、他のコミュニティに参加しているか否か、特定の経験を持った人か否か、特定の専門知識を持っているか否か、などの基準も考えられる。このような分類基準情報は、この装置によるネットワーク図作成処理の前に予め格納部102に格納しておいてもよいし、ユーザインタフェース装置を介して分析者から対話的に入手してもよい。また、これら分類基準に基づく自動分類の代わりに、またはその自動分類機能に加えて、ユーザが個別の対象を注目対象として選択できるようにするユーザインタフェースを提供することも可能である。
【0022】表示領域情報格納部104は、ノードが配置される第1表示領域10及び第2表示領域20の各々の形状や相互の位置関係、それら各領域10,20におけるノードの配置規則などの情報を格納した機能モジュールである。配置規則には、例えば「各対象を、それぞれの分類に応じた表示領域10又は20に等間隔に配置する」といった単純な規則もあれば、年齢順に並べるなど対象の属性を考慮した規則、あるいは「注目対象を電子メールの送受信の多い順に並べる」などといった対象間の関係についての情報を考慮した規則なども考えられる。
【0023】ユーザが注目対象として選択した対象をこれら各領域10及び20のどちらに配置するかを表す情報も、この表示領域情報格納部104に保持される。これらの情報は、静的なデータの形に限ったものではなく、各ノードの配置を計算するプログラムの形であっても当然よい。なお、本実施の形態の装置において、第1表示領域10及び20の形状等やノードの配置規則を可変とすることもでき、この場合、それらを変化させるための規則なども表示領域情報格納部104に記憶される。
【0024】ネットワーク情報入力部106は、ネットワーク図の作成対象であるネットワーク(上述の例では多数人からなるコミュニティ)の情報を、他の装置から取得するための機能モジュールである。ネットワークの情報には、そのネットワークに含まれる個々の対象自体の情報と、それら各対象間の関係を示す情報とが含まれる。以下の処理では、それら個々の対象をノードとし、対象間の関係をアークとして表現したネットワーク図を作成する。したがって、以下では個々の対象自体の情報をノード情報と呼び、対象間の関係を関係情報と呼ぶことにする。多数人からなるコミュニティの分析の場合、1つ1つの「対象」は個人であり、対象間の関係は、それら各個人間での電子メールの送信、受信などのコミュニケーションである。この場合、ノード情報には例えば各個人のID情報や、年齢や性別などの個人属性情報などが含まれる。また関係情報には、それら個人間でのコミュニケーションの情報などが含まれる。例えば、電子メールの送受信のログ情報を基礎にコミュニティ内での人的交流関係を示すネットワーク図を作成する場合、各個人間での電子メールを送信・受信の各々の有無の情報は、関係情報として用いることができる。また、各個人間での電子メールの送信・受信各々の回数などを関係情報として用いれば詳細な分析が可能である。また更に、各個人間で送受信した個別のメールの送受信の日時の情報や、そのメールが他のメールに対する「返信」であるのか「転送」であるのか、それら両者のいずれでもないオリジナルのメールであるのかなどの送信属性の情報など、個別のメールに関する情報を関係情報を用いれば、更に詳細な分析が可能である。極端な場合には、コミュニティ内でやり取りされた電子メール群(いわばログ情報自体)をそのまま関係情報として読み込み、本装置でそれらから適宜必要なコミュニケーションの情報(誰から誰にメールが送られたかなど)を抽出することも可能である。このような情報は、例えばコミュニティの人々の電子メール送受信を管理するメールサーバで収集することができる。
【0025】このようにしてネットワーク情報入力部106で取得されたノード情報はノード情報格納部108に格納され、関係情報は関係情報格納部109に格納される。
【0026】ノード配置計算部110は、ノード情報格納部108に格納された各対象を、分類基準情報格納部102に格納された分類基準情報に基づいて注目対象と非注目対象とに分類し、表示領域情報格納部104に格納された表示領域10及び20の情報や配置規則の情報に従って、それら各対象の各表示領域10又は20でのノード配置位置(例えばネットワーク図の空間でのノードの座標)を計算する。このようにして計算された各対象のノードの情報は、配置情報格納部112に格納される。
【0027】描画情報生成部114は、配置情報格納部112に格納された各ノードの配置位置の情報に従って各ノードを配置し、関係情報格納部109に格納された各対象間の関係情報に従って、関係のある各ノード間をアークで結んだネットワーク図の画像情報を生成する。ここで、例えば各人の所属部署毎に異なった色のノードを用いるなど、ノードやアークの表示形態を各対象の属性に応じて変えることも可能であり、この場合描画情報生成部114はノード情報格納部108を参照してその属性情報を得ればよい。
【0028】出力部116は、描画情報生成部114が生成したネットワーク図の画像情報を、本装置に接続された出力装置が取扱可能なデータ形式に変換し、その出力装置に供給する。ここでは例えば、出力装置がプリンタの場合はそのプリンタがサポートしているページ記述言語や、そのページ記述言語に変換しやすい中間データの形に、CRTや液晶ディスプレイなどラスタ情報を受け付ける装置の場合はラスタイメージの形に変換される。また、デスクトップパブリッシングソフトウエアなど他のアプリケーションプログラムを介して表示出力される場合も考えられ、このような場合にはそのアプリケーションに応じたデータ形式に変換すればよい。
【0029】次に図3を参照して、この装置によるネットワーク図の作成処理の手順を説明する。ここでは、表示領域10や20の情報やノード配置規則などはすでに決定されており、各対象の情報(ノード情報)や、それら対象間の関係情報も既に本装置内に保持されているものとする。
【0030】この手順では、まずユーザ(分析者)からノード(対象)の分類基準の設定を受け付ける(S10)。もちろん、ユーザに分類基準を設定してもらう代わりに、個々の注目対象を選んでもらうようにすることも可能である。ただし、対象の数が多い場合には、分類基準による自動分類の方が一般にユーザの作業負担を軽減できる。
【0031】分類基準が設定されると、ノード配置計算部110が、その基準に従って全ノードを注目対象かそれ以外かに分類し、それら各分類毎に、対応する表示領域10又は20上での各ノードの配置位置を決定する(S12)。
【0032】各ノードの配置位置が決定されると、描画情報生成部114が、各ノードをその各々の配置位置に描画し、各ノード間の関係を表すアークを描画する(S14)。この結果、本実施形態のネットワーク図が作成され、それが所定の出力装置から可視的な図の形態で表示出力される。
【0033】以上に説明したネットワーク図の生成のための装置は、例えば以上に説明した機能あるいは処理手順を記述したプログラムを、パーソナルコンピュータを初めとするコンピュータシステムに実行させることによって実現することができる。この場合、プログラムは、例えばフレキシブルディスクやCD−ROMなどの記録媒体の形態あるいは通信回線を介して供給され、これを例えばコンピュータに付属する固定ディスク装置にインストールすることにより、実行可能となる。
【0034】以上の例では、非注目対象を円周状の第2表示領域20上に配置し、注目対象をその円周と同心で半径の大きい円弧状の第1表示領域10上に配置したが、本発明はこのような表示領域に限定されるものではない。
【0035】例えば、円の代わりに、楕円、凸多角形などを基準にした表示領域10及び20を用いることもできる。この場合、外側の第1表示領域10と内側の第2表示領域20の中心が等しくなるようにし(厳密に等しくする必要はない)、第1表示領域10上のノード12同士を結ぶアーク30bが第2表示領域20を通らないよう第1表示領域10の範囲を制限すれば、図1の例とほぼ同等の効果が得られる。例えば図4の例では、第2表示領域20を楕円の周とし、第1表示領域10をその楕円と中心を同じくする楕円の弧とした例を示している。この例では、第1表示領域10の長軸と第2表示領域20の長軸とがほぼ直交するようにし、第1表示領域10として楕円の長軸端Aを含んだ部分を用いることで、第1表示領域10と第2表示領域20との間の空間を広くとることができ、注目対象ノード12間のアーク30b同士を区別しやすくすることができる。
【0036】また、別の例として、図5に示すような表示形態も考えられる。この例では、中央にある円形の第2表示領域20に対し、その円の中心から例えば等角度ごとに放射状に延びる基準線15の集まりを第1表示領域10とするものである。この場合、図1の同心円構造のように各注目対象ノードから第2表示領域20を望む角がほぼ一定になるという効果は得られないが、その代わりに基準線15上に配置する各注目対象ノード12の中心Oからの距離に意味を持たせられるという効果が得られる。例えば、注目対象のある属性に着目し、その属性の値を注目対象ノードの中心Oの距離で表現するなどが可能である。この場合、同じ基準線15上に注目ノード12を複数配置すると、注目対象ノード12から第2表示領域20上に延びるアーク30a同士の交差が複雑になって見づらくなる場合も考えられるので、そのような場合には1つの基準線15上のノード12を1つに制限するなどすればよい。
【0037】また図1の例では、第1表示領域10が第2表示領域20と同心関係をなしていたが、この代わりに図6に示すように、第2表示領域20に対して中央部が凸状にふくらんだラインを第1表示領域10とすることもできる。この図6の例では、第1表示領域10上の各点から第2表示領域20を望む角がほぼ一定になるという効果は得られないものの、第1表示領域10上のノード同士を結ぶアーク30bと、第1表示領域10と第2表示領域20との間を結ぶアーク30aとが交わらない。このため、注目対象間の接続関係の様子と、注目対象・非注目対象間の接続関係の様子を区別しやすい。またこの場合には、アーク30b,30aの間での交差がないので、例えばアーク30bとして、第1表示領域10のラインとは逆方向に凸な曲線を用いることでより読みとりやすい図となる。
【0038】また、別の例として、図7に例示するように、1つの第1表示領域10に対し、複数の第2表示領域20を設定することもできる。これは例えば、複数のコミュニティにおいて中心的な参加者が共通している場合などに利用することができる。すなわち、それら共通の中心的参加者を注目対象ノード12として第1表示領域10上に配置し、各コミュニティごとに第2表示領域20を設けて各メンバのノードをそこに配置することで、各中心的参加者同士の関係と、それら各中心的参加者と各コミュニティの関係とを、図7に示すような1つの図で表現することができる。また、同じコミュニティでも、ノードの配置の順序を変えた場合には接続関係の見え方が異なってくる場合があり、そのような異なった見え方を一覧するのに図7のような表示方式を用いることもできる。
【0039】なお、上記は、1つの第1表示領域10に対し複数の第2表示領域20を設ける場合であったが、これとは逆に1つの第2表示領域20に対し複数の第1表示領域10を設定する表示方式も有用である。これは例えば同一コミュニティで異なる観点から注目対象を選択し、各観点毎の注目対象に対してそれぞれ別々の第1表示領域10を割り当てて表示する場合などに利用できる。また、この方法は、注目対象は同じでも、第2表示領域20のノードの配置を変えた場合の接続関係の見え方の違いを一覧するためにも利用できる。
【0040】また、以上では、各ノードを円周や円弧などの一次元領域に配置する例を例示したが、表示領域10及びを2次元的な広がりを持った領域としてもよい。
【0041】また、上記の例では、対象を注目対象と非注目対象の2つに分類して表示したが、同じ注目対象でもその重要度に差がある場合などには、注目対象の重要度などに応じて複数の第1表示領域10を設けることもできる。例えば図1の構造を利用した場合、第2表示領域20と同心で半径の異なる複数の円弧状の第1表示領域10を設け、例えば重要度の高い注目対象ほど外側の円弧状領域に配置するなどの方式も考えられる。
【0042】また、以上の各例では、第2表示領域20を円周などの閉曲線としたが、これに限らず円弧や直線分などを第2表示領域20として用いてもよい。
【0043】また、第1表示領域10や第2表示領域20でのノードの配置位置に意味を持たせることも可能である。例えば図8に示す例は、コミュニティの電子掲示板などの分析において、第2表示領域20に配置するノードを、そのノードに対応した発言者が最初に掲示板に発言した日時に従って順に並べて配置した例である。この例では、第1表示領域10上の各注目対象ノード12に対応する人が、どの時期に掲示板に参加した人に対して返信をよく投稿しているかなど、時間的な特徴をネットワーク図から読み取ることができる。また、時間経過に従った配置だけでなく、各対象の所属部門ごとに分けて配置したり、電子掲示板等で話し合われている話題(これは各発言の参照関係などから分かる)毎に順に配置したりすることもできる。
【0044】また、以上のネットワーク図表示において、各対象の属性情報の値に応じてそれに対応するノードの色や形状を変えて表示することも可能であり、これによりネットワーク図上に表示できる情報が増える。これと同様に、ノード間を結ぶアークの色や太さ、線の種類(実線、破線など)を、アークの表す関係の内容に応じて変えることも可能である。例えば、アークの線の太さで通信の量(電子メールの送受信数など)を表現すれば、単に対象間に関係があるというだけでなく、その関係の強さも表示することができる。
【0045】また、上記の例では、第2表示領域20には非注目対象を配置したが、一般に注目対象は非注目対象よりもはるかに少数と考えられるので、注目対象も含めた全対象を第2表示領域20に配置するようにしても類似の表示が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【住所又は居所】東京都港区赤坂二丁目17番22号
【出願日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
【公開番号】 特開2003−85570(P2003−85570A)
【公開日】 平成15年3月20日(2003.3.20)
【出願番号】 特願2001−279223(P2001−279223)