| 【発明の名称】 |
対応点探索方法及びこれを用いたマッチング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩舘 祐一
【氏名】今泉 浩幸
【氏名】片山 美和
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| 【要約】 |
【課題】誤差や探索誤りを軽減し、滑らかな対応点探索が可能な技術を提供することにある。
【解決手段】一対の撮像画像の内の一方の撮像画像の画素毎の対応先を、他方の撮像画像において特定する画像間の対応点探索方法において、前記一方の撮像画像での走査線を特定するステップと、前記他方の撮像画像の探索範囲に含まれる視差ベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定するステップと、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性を前記状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定するステップと、前記状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより前記他方の撮像画像の1走査線上の各画素の対応点を一括して推定するステップとを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の撮像画像の内の一方の撮像画像の画素毎の対応先を、他方の撮像画像に対して特定する画像間の対応点探索方法において、前記一方の撮像画像での走査線を特定するステップと、前記他方の撮像画像の探索範囲に含まれる視差ベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定するステップと、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性を前記状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定するステップと、前記状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより前記他方の撮像画像の1走査線上の各画素の対応点を一括して推定するステップとを備えることを特徴とする画像間の対応点探索方法。 【請求項2】 請求項1に記載の画像間の対応点探索法において、前記一方の撮像画像での走査線に前後する何れか一の走査線での画素の視差ベクトル値を、前記状態遷移モデルの拘束条件とするステップを備えたことを特徴とする画像間の対応点探索方法。 【請求項3】 動画像の連続するフレーム間での画素毎の対応先を特定するフレーム間の対応点探索方法において、前記動画像の内の先のフレーム像での走査線を特定するステップと、前記先の動画像に連続する後の動画像の2次元方向の探索範囲に含まれる動きベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定するステップと、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性を前記状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定するステップと、前記状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより前記後のフレームの1走査線上の各画素の対応点を一括して推定するステップとを備えることを特徴とするフレーム間の対応点探索方法。 【請求項4】 一対の撮像画像の内の一方の撮像画像の画素毎の対応先を、他方の撮像画像において特定するマッチング装置において、前記一方の撮影画像の1走査線上の画素と前記1走査線に対応する前記他方の撮像画像の探索範囲の画素とから視差ベクトル値を演算する手段と、視差ベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定すると共に、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性を前記状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定し、前記状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより前記他方の撮像画像の1走査線上の各画素の対応点を一括して推定する手段とを備えたことを特徴とするマッチング装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、対応点探索方法及びこれを用いたマッチング装置に関し、特に、ステレオ画像の対応点探索法や動画像の動きベクトル探索法に適用して有効な技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】画像間の対応点探索法として最も基本的な手法はブロックマッチング法であり、MPEG等の符号化システムで動きベクトル検出用途で実用されている。或いは、ステレオ画像による距離計測システムなどでも利用されており、幾つかのシステムが市販されている。 【0003】この手法はアルゴリズムが簡単であるが、雑音による誤差や対応点探索の手がかりとなるテキスチャが少ない場合には誤りが生じ易いという欠点がある。 【0004】この欠点を改善するために、「朴鍾一、井上誠喜、“映像合成のための多眼カメラを用いた奥行き抽出”、信学技法、PRMU96−133,pp.33−40,1997−01.」に開示される、縮小画像を階層的に生成しておき、低解像度画像から順次ブロックマッチングを行うことにより破綻の少ない対応点探索が可能な階層型ブロックマッチング法がある。また、「W.Woo,N.Kimand Y.Iwadate,“Object Segmentationfor Z−keying Using Stereo Images,”inProc.IEEE WCC−ICSP’00,pp.1249−1254,Aug.2000.」に開示される、隣接する画素との連続性を考慮して対応点を探索する手法の研究例がある。また、「Yuichi OHTA,TakeoKANADE,“Stereo by Intra−and Inter−Scanline Search Using Dynamic Programming”,IEEE Tra.On P.A.M.l.,Vol.PAM−7,No.2,pp.139−154,March 1985.」に開示されるように、ビタビアルゴリズムを用いたステレオ画像の対応点探索に関しても研究例がある。この方法では、画像中の1走査線上のエッジ位置をノードとした状態遷移モデルを構成し、近傍エッジとの距離をパラメータとしたコスト関数を用いている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。従来手法の一つである階層型ブロックマッチング法では、単純なブロックマッチング手法に対して、雑音の影響やテキスチャが少ない部分で生じる誤りなどの影響を軽減できることが知られている。しかし、階層数やブロックサイズに依存して性能が異なり、必ずしも十分な効果が得られない場合もある。 【0006】また、隣接画素との連続性を考慮した手法においては、隣接画素との拘束条件のみを用いているために、十分に滑らかな対応点が得られないという問題がある。 【0007】さらには、従来のビタビアルゴリズムによる方法では、高解像度の視差ベクトルが得られるものの、エッジの位置情報のみを使っているために雑音による誤差が生じてしまうという問題がある。 【0008】本発明の目的は誤差や探索誤りを軽減し、滑らかな対応点探索が可能な技術を提供することにある。 【0009】本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。 【0010】 【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。 【0011】(1)一対の撮像画像の内の一方の撮像画像の画素毎の対応先を、他方の撮像画像において特定する画像間の対応点探索方法において、前記一方の撮像画像での走査線を特定するステップと、前記他方の撮像画像の探索範囲に含まれる視差ベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定するステップと、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性を前記状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定するステップと、前記状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより前記他方の撮像画像の1走査線上の各画素の対応点を一括して推定するステップとを備える。 【0012】(2)動画像の連続するフレーム間での画素毎の対応先を特定するフレーム間の対応点探索方法において、前記動画像の内の先の動画像での走査線を特定するステップと、前記先の動画像に連続する後のフレームの2次元方向の探索範囲に含まれる動きベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定するステップと、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性を前記状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定するステップと、前記状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより前記後のフレームの1走査線上の各画素の対応点を一括して推定するステップとを備える。 【0013】(3)一対の撮像画像の内の一方の撮像画像の画素毎の対応先を、他方の撮像画像において特定するマッチング装置において、前記一方の撮影画像の1走査線上の画素と前記1走査線に対応する前記他方の撮像画像の探索範囲の画素とから視差ベクトル値を演算する手段と、視差ベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定すると共に、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性を前記状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定し、前記状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより前記他方の撮像画像の1走査線上の各画素の対応点を一括して推定する手段とを備えた。 【0014】前述した手段によれば、一方の撮像画像での走査線を特定し、視差ベクトルの探索範囲に含まれる視差ベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定し、マッチング誤差及び隣接ノード間のベクトルの連続性を状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定し、この状態遷移モデルに基づいて、ビタビアルゴリズムにより前記他方の撮像画像の1走査線上の各画素の対応点を一括して推定するので、滑らかで誤差の少ない視差ベクトルを求めることができる。 【0015】また、動画像の連続するフレーム間での画素毎の対応先を特定するフレーム間の対応点を探索する場合には、動画像の内の先のフレームでの走査線を特定し、先のフレームに連続する後の動画像の2次元方向の探索範囲に含まれる動きベクトル値を状態遷移モデルのノードとして設定し、予め設定されたブロック内のマッチング誤差及び隣接ノード間(連続するフレーム間)でのベクトルの連続性を状態遷移モデルのノード間のパスの重みとして設定し、この状態遷移モデルに基づいてビタビアルゴリズムにより後の動画像の1走査線上の各画素の対応点を一括して推定するので、滑らかで誤差の少ない動画像の動きベクトルを求めることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。 【0017】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1の画像間の対応点探索方法を説明するための図であり、特に、ビタビアルゴリズムを適用するための状態遷移を説明するための図である。ただし、一対の画像に対して、周知のビタビアルゴリズムを適用するための状態遷移を示すものである。 【0018】図1に示すように、実施の形態1では、画像の左端側(0(ゼロ)で示す)で始まり、右端側(N−1で示す)で終わる場合を示すものである。従って、画像の収集手段として、例えば周知のテレビカメラを用いる場合には、走査線の左端で始まり、右端で終わることとなる。 【0019】この場合、それぞれの画素位置には、探索範囲0〜S−1に対応したノード101からなる列があり、このノード列間が図1中に矢印で示すパス102で結ばれている。このパス102は対応度を表すマッチング誤差エネルギー成分と、視差ベクトルの滑らかさを表す視差ベクトル場のエネルギー成分とにより重み付けされている。このとき、図1から明らかなように、パス102の組み合わせは水平画素数をNとした場合、SN通り存在することとなるが、実施の形態1ではビタビアルゴリズムを適用する構成となっているので、このパス102の組み合わせからマッチング誤差が小さく、且つ視差ベクトルが滑らかになるような最適なパス102を効率的に推定することができる。このとき、各画素の視差ベクトルは、最適パスが通過するノード番号として得られる。ただし、実施の形態1では、ビタビアルゴリズムで最適パスを推定するにあたり、前述するように、図1の左端から計算を始め、各画素位置のそれぞれのノード101で、生き残りパスを求める。 【0020】例えば、カメラを並行移動して撮影した図2に示すような2枚のステレオ画像の場合には、R画像の所定の走査線上の画素の対応点は、必ずL画像の同じ走査線上に存在する。 【0021】従って、実施の形態1の対応点探索方法では、一つの走査線上の各画素に対する視差ベクトル値をノード101とする状態遷移を図1に示すように構成し、一つの走査線上の各画素に対応する視差ベクトルをビタビアルゴリズムを用いて一括して求める。 【0022】次に、図3にビタビアルゴリズムによる生き残りパスの推定手順を説明するための図を示し、以下、図3に基づいてビタビアルゴリズムによる生き残りパスの推定手順を説明する。なお、以下の説明では、図1に示す画素位置i−1から画素位置iへのS本のパス102から1本のパスである生き残りパスを決定する手順を説明する。ただし、このときの決定法は、マッチング誤差と視差ベクトルの滑らかさを基にして決定する。 【0023】画素位置iの任意の位置vのノード101での生き残りパスがもつパスメトリックをEvとし、Euを画素位置i−1の各ノード101のパスメトリックとすると、Evは下記の式(1)で決定される。ただし、本願明細書中におけるパスメトリックは、生き残りパスに含まれるパスが持つエネルギーの総和を示すものである。また、uは画素位置i−1の縦方向のノード101に対応しており、vは画素位置iの縦方向のノード101に対応しているので、u及びvはそれぞれ0≦u≦S−1,0≦v≦S−1となる。 【0024】 【数1】
ここで、ssdvは視差ベクトルをvとした場合のマッチング誤差エネルギー、Du,vは視差ベクトルの滑らかさを表すエネルギー成分であり、下記の式(2),(3)で与えられる。 【0025】 【数2】
マッチング誤差エネルギーには、式(2)に示すように、画素iを中心としたXiで示す矩形ブロック402内の積分値を用いている。なお、画素iを中心としたXiで示す矩形ブロック402内の積分値については、後述する。 【0026】また、滑らかさは式(3)に示すように、uとvのノルムである。なお、式(1)の初期値は、i=0の場合にEu=0とする。 【0027】このようにして、例えば画素位置iのノード101に入力するS本のパス102から1本のパスが決定される。画素iに対応するすべてのノード101の内から1本のパスが残されるので、画素位置i−1の各ノード101と画素位置iの各ノード101との間には、常時S本のパスが生き残る。画素位置が右端の終点に至ったら、S本のパスの中からパスメトリックが最も小さいパスを選択し、そのパスが通過したノード番号を各画素の視差ベクトルとする。このプロセスを全ての走査線について行い、画像全体の視差ベクトルを求めることができる。 【0028】ここで、R画像の所定の走査線上の画素の対応点は、必ずL画像の同じ走査線上に存在する、すなわち視差ベクトルの垂直方向の連続性と対応点が同じ垂直位置の走査線上存在するという特徴に基づいて、前述の式(3)による視差ベクトルの滑らかさを表すエネルギー成分を、下記の式(4)に示すように演算することによって、一つの走査線上の各画素に対応する視差ベクトルをビタビアルゴリズムを用いて一括して求めるものである。 【0029】 【数3】
ただし、式(4)の第一項はエピポーラ線上の拘束条件であり、R画像での所定の画素の対応点は必ずその前画素の対応点の右側に存在することを条件としたものである。この条件はオクルージョン、すなわち一方では見えるが他方では隠されている状態になっていない限り成り立つ。 【0030】また、第二項は垂直方向の条件である。dpは1ライン前の画素位置での視差ベクトルであり、現画素位置でのssdvが小さい、すなわち信頼性が高い場合にはこの拘束条件が小さくなるようにssdvを乗じている。 【0031】図4は実施の形態1の矩形ブロックを説明するための図である。図4に示すように、実施の形態1では、前述する式(2)におけるマッチング誤差エネルギーは、所定の画素(例えば、画素i)を中心とした3×3画素の矩形ブロック402内の積分値を用いている。なお、矩形ブロック402の画素数は、3×3に限定されることはなく、他の画素数でもよいことはいうまでもない。 【0032】図5は実施の形態1の対応点探索方法を用いて計算した視差ベクトル画像であり、図6は従来の対応点探索方法であるブロックマッチング法により計算した視差ベクトル画像である。 【0033】ただし、図5及び図6は、図2に示す一対のステレオ画像から視差ベクトル画像を得たものである。また、図5に示す視差ベクトル画像は、Xiで示す矩形ブロック402のブロックサイズが3×3画素、λLが3000、λSが1000、λ2が0.6、探索範囲が0〜31として得られたものである。また、図5及び図6は階調の違いを分かりやすくるために、演算により得られた階調値を8倍にしたものである。 【0034】図5及び図6から明らかなように、実施の形態1の対応点探索方法を用いて計算した視差ベクトル画像では、ブロックマッチング法により計算した視差ベクトル画像よりも得られた視差ベクトルの誤りが少ない。その結果、画像のエッジ部分の先鋭度を維持しつつ全体的に滑らかな画像を得ることができることが明らかである。 【0035】以上説明したように、実施の形態1の対応点探索法では、1走査線上の画素列に対して、探索範囲に含まれる全ての視差ベクトル値をノード101とし、マッチング誤差及び隣接ノード間でのベクトルの連続性をノード間のパス102の重みとして状態遷移モデルを構成し、ビタビアルゴリズムにより1走査線分の視差ベクトルを一括して求めるので、滑らかで誤差の少ない視差ベクトルを求めることができる。 【0036】また、実施の形態1の対応点探索法では、1走査線上のすべての画像情報を用いるとともに、画面垂直方向の連続性も考慮して対応点探索を行うので、雑音やテキスチャ不足による影響を受け難くすることができ、安定した対応点探索が行える。 【0037】また、雑音に強いので、コスト関数を計算するブロックのサイズを小さくすることができ、高解像度の対応点探索が可能となる。さらには、ビタビアルゴリズムは畳み込み符号の復号などで実用化されているので、ハードウェア化も容易である。 【0038】なお、実施の形態1の画像間の対応点探索方法では、対をなす2枚のステレオ画像に対する視差ベクトルの対応点探索法について説明したが、これに限定されることはなく、視差ベクトルの探索範囲に含まれる視差ベクトル値であるノード101を2次元化し、1走査線上の各画素の動きベクトルを一括して推定することによって、動画像の動きベクトルの対応点探索方法にも適用可能である。 【0039】ただし、動画像の動きベクトルには、水平方向成分と垂直方向成分とがある。従って、動画像の動きベクトルの対応点探索方法に本願発明を適用する場合には、例えば、前述する図1に示すノード101を、図7に示すように面上(以下、「ノード面」と記す)に配置された複素数ノード701に置き換えることにより適用可能となる。ただし、図7における水平ベクトルは実数部を示しており、垂直ベクトルは虚数部を示している。 【0040】すなわち、図7に示すように、座標位置(0,0)で示す複素数ノード701を基準とし、水平方向の探索範囲が±Hであり、垂直方向の探索範囲が±Vである複素数ノード701を図1に示す各ノード101毎に設ける。このとき、図1の隣接するノード101間のパスは、隣接するノード面間のパスとして、一方のノード面に配列される各複素数ノード701から他方のノード面に配列される各複素数ノード701への全てのノード状態の組み合わせとしてのパスとなる。 【0041】このようにして、隣接するノード面間でのパスを定義することによって、2次元の状態遷移モデルを構成し、ビタビアルゴリズムを用いて最適パスを選択することで各ノード位置での動きベクトル値を推定することが可能となるので、滑らかで誤差の少ない動画像の動きベクトルを求めることができる。 【0042】従って、MPEG符号化装置における動きベクトル探索へ本願発明を適用することが可能であり、例えば図9に示すように、前述する本願発明の動画像の動きベクトルの対応点探索方法を従来の動きベクトル探索部に適用することによって、従来の動きベクトル探索部を本願発明の動画像の動きベクトルの対応点探索方法を用いた動きベクトル探索部901に置き換えることが可能である。すなわち、図9に示すように、本願発明を適用した動きベクトル探索部901の出力を周知のMPEG映像符号化部902と周知の動きベクトル符号化部903とに入力し、MPEG映像符号化部902と動きベクトル符号化部903とからの出力を周知の多重化手段904で多重化することによって、MPEG符号が得られることとなる。このとき、本願発明の動画像の動きベクトルの対応点探索方法を動きベクトル探索部901に適用することによって、動きベクトルの推定精度を向上させることが可能となるので、MPEG映像符号化で使われているフレーム間予測符号化の符号化効率を向上させることができる。 【0043】また、MPEGでは、動きベクトル情報がDPCMにより符号化されて多重伝送される。すなわち、前画素の動きベクトル値との差分のみが伝送される。この差分値はさらにハフマン符号化され、差分値が小さい情報は頻度が高い情報として短い符号が割り当てられる。従って、差分値が小さいほど効率的な伝送が期待できる。一方、従来の動きベクトル推定手法では、推定誤差が大きく、DPCM符号化された差分値も大きくなる場合があった。それに対して、本願発明を適用することによりビタビアルゴリズムで滑らかなベクトル列が得られるので、DPCM符号化された差分値を小さくすることができ、動きベクトルの効率的な伝送が可能となる。 【0044】(実施の形態2)図8は本発明の実施の形態2のマッチング装置の概略構成を説明するための図である。ただし、801〜803は格納手段、804〜807はマッチング誤差エネルギー演算手段、808はビタビ演算部、809は最小値選択部を示す。また、実施の形態2のマッチング装置は、R画像の所定の走査線上の画素の対応点が必ずL画像の同じ走査線上に存在する、すなわち視差ベクトルの垂直方向の連続性と対応点が同じ垂直位置の走査線上存在することを条件とするものである。さらには、実施の形態2のマッチング装置は、実施の形態1とは逆の構成であり、左側画像であるL画像の対応先を右側画像であるR画像から探索する装置である。 【0045】図8に示す実施の形態2のマッチング装置は、右側画像(R画像)がR画像の入力端子から入力され、左側画像(L画像)がL画像の入力端子からそれぞれ入力される構成となっている。このとき、R画像およびL画像の入力端子から入力される画像は、それぞれが同じ1走査線の画素値が順次入力される構成となっている。すなわち、R画像およびL画像が同じ走査線の同じ画素順で同期して読み出され、それぞれ対応する入力端子(R画像の入力端子およびL画像の入力端子)に入力される構成となっている。 【0046】また、実施の形態2のマッチング装置は、たとえばR画像の入力端子から入力される画素毎の画素値を順次格納する周知の格納手段801〜803を有する構成となっている。図8に示すように、各格納手段801〜803は複数個の格納手段801〜803が直列に接続される構成となっており、R画像の入力端子から入力される画素値が第1番目の格納手段(第1の格納手段)801から順次第3の格納手段803にまで、順次シフトされ格納される構成となっている。ただし、格納手段801〜803の個数すなわち段数は、R画像の探索範囲とする画素数によって適宜決定されるものである。さらには、第1の格納手段801に入力される画素と同じ画素の画素値が第0番目のマッチング誤差エネルギー演算手段804に入力される構成となっている。 【0047】また、実施の形態2のマッチング装置は、L画像の入力端子から入力された画素毎の画素値を一方の入力とすると共に、R画像の入力端子あるいは格納手段801〜803から出力される画素値を他方の入力とするマッチング誤差エネルギー演算手段804〜807を有する構成となっている。このマッチング誤差エネルギー演算手段804〜807は、前述した実施の形態1に示すように、2つの入力から視差ベクトルをvとした場合のマッチング誤差エネルギーssdvを式(2)に基づいて演算する手段であり、例えば周知の情報処理装置上で動作するプログラムによって実現される。また、実施の形態2のマッチング装置は、複数のマッチング誤差エネルギー演算手段804〜807を有する構成となっており、各マッチング誤差エネルギー演算手段804〜807はL画像の入力に対して並列に接続される構成となっている。ただし、マッチング誤差エネルギー演算手段804〜807は、格納手段801〜803の個数に1を加算した個数となる。 【0048】各マッチング誤差エネルギー演算手段804〜807の出力は、ビタビ演算部808に入力される構成となっており、ビタビ演算部808において周知のビタビアルゴリズムに基づいてパスメトリックの演算を順次行う構成となっている。ただし、ビタビ演算部808によるパスメトリックの演算は、入力される画素が走査線の左側に達した場合にリセットされる構成となっており、このような構成とすることにより走査線ごとの探索範囲のパスメトリックを演算するものである。 【0049】ビタビ演算部808の出力は、最小値選択部809に入力される構成となっており、ビタビ演算部808によるパスメトリックの演算が走査線上の右端のノードに至った場合に、最小値選択部809はビタビ演算手段より入力されるパスメトリックの内でその値が最小となるパスを選択し、そのパスの最小のパスとして1走査分の視差ベクトルを出力する構成となっている。また、最小値選択部809による最小パスの選択は、画素値に入力が右端に達した場合に行う構成となっており、このような構成とすることにより走査線ごとのパスメトリックを演算するものである。また、実施の形態2のマッチング装置は、以上に説明した動作を全ての走査線について順次行う構成となっている。 【0050】以上説明したように、実施の形態2のマッチング装置は、一対の画像の対応点を探索する際に、1走査線分の視差ベクトルを一括して求める動作を順次繰り返すことによって一対の画像の対応点を探索するので、滑らかで誤差の少ない視差ベクトルを得ることができる。 【0051】また、1走査線上のすべての画像情報を用いるとともに、画面垂直方向の連続性も考慮して対応点探索を行うので、雑音やテキスチャ不足による影響を受け難くすることができ、安定した対応点探索が行える。 【0052】さらには、雑音に強いので、コスト関数を計算するブロックのサイズを小さくすることができ、高解像度の対応点探索が可能となる。 【0053】また、図10に示すように、本願発明の対応点探索方法を用いたマッチング装置1001の出力である視差ベクトルから距離を演算する周知の距離演算手段1002を設けることによって、精度の高い距離情報が得ることが可能なステレオ画像による距離計測装置を構成できることはいうまでもない。ただし、L画像とR画像との間の対応点探索により得られる視差ベクトル(視差値)に基づいて、カメラから被写体までの距離を求めるためには、L画像とR画像とをそれぞれ撮影したカメラの間隔をB、カメラの焦点距離をF、カメラの画素の物理的な大きさをps、視差値(画素数)をdとして、下記の式(5)によって演算可能である。 【0054】 【数4】
【0055】以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。 【0056】 【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。 【0057】(1)ビタビアルゴリズムにより1走査線分の視差ベクトルを一括して求めることができるので、滑らかで誤差の少ない視差ベクトルを求めることができる。 (2)1走査線上のすべての画像情報を用いるとともに、画面垂直方向の連続性も考慮して対応点探索を行うので、雑音やテキスチャ不足による影響を受け難くすることができ、安定した対応点探索が行える。 【0058】(3)雑音に強いので、コスト関数を計算するブロックのサイズを小さくすることができ、高解像度の対応点探索が可能となる。 (4)ビタビアルゴリズムは畳み込み符号の復号などで実用化されているので、ハードウェア化も容易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004352 【氏名又は名称】日本放送協会
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| 【出願日】 |
平成13年9月10日(2001.9.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083552 【弁理士】 【氏名又は名称】秋田 収喜
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| 【公開番号】 |
特開2003−85566(P2003−85566A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月20日(2003.3.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−273428(P2001−273428) |
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