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【発明の名称】 パターン検査方法及び検査装置
【発明者】 【氏名】桑原 雅之
【住所又は居所】東京都三鷹市下連雀九丁目7番1号 株式会社東京精密内

【要約】 【課題】キラー欠陥は欠陥候補として検出されるが、欠陥候補として検出される非キラー欠陥の個数は大幅に低減できるパターン検査方法及び装置の実現。

【解決手段】同一パターンの複数のパターンユニットの多値画像を生成する画像生成部1と、2つのパターンユニットを比較して不一致部を欠陥候補として検出する欠陥候補検出部2と、欠陥候補について解析する解析部3とを備えるパターン検査装置であって、欠陥候補検出部は、2つのパターンユニットの差画像を極性を含めて生成する差画像生成回路と、差画像の絶対値を第1のしきい値と比較して、第1のしきい値より大きな部分を第1候補として検出する第1比較回路と、第1候補の部分の差画像の極性を調べ、一方の極性の部分を欠陥候補として検出する欠陥極性判定回路とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 同一パターン同士を比較して不一致部を欠陥と判定するパターン検査方法であって、比較する2つのパターンの差を極性も含めて算出して差画像を生成し、前記差画像の絶対値を第1のしきい値と比較して、前記第1のしきい値より大きな部分を欠陥候補として検出し、前記欠陥候補の部分の前記差画像の極性を調べ、一方の極性の部分を欠陥と判定することを特徴とするパターン検査方法。
【請求項2】 請求項1に記載のパターン検査方法であって、前記欠陥候補の他方の極性の部分の前記差画像の絶対値を、前記第1のしきい値より大きな第2のしきい値と比較し、前記第2のしきい値より大きい場合には、その部分を前記最終欠陥候補に加えるパターン検査方法。
【請求項3】 請求項1に記載のパターン検査方法であって、前記差画像は異なる2つのパターンとの間で2つ生成され、2つの差画像の絶対値の前記第1のしきい値より大きな部分が一致した部分を欠陥候補とするパターン検査方法。
【請求項4】 請求項3に記載のパターン検査方法であって、前記欠陥の部分について、前記異なる2つのパターン以外の異なる3番目のパターンとの間で更に第3の差画像を生成し、前記第3の差画像の絶対値が第4のしきい値より大きい場合に欠陥として残し、小さい場合には欠陥から除くパターン検査方法。
【請求項5】 請求項4に記載のパターン検査方法であって、前記欠陥の部分について、前記異なる3つのパターン以外の異なる4番目のパターンとの間で更に第4の差画像を生成し、前記第4の差画像の絶対値が前記第4のしきい値より大きい場合に欠陥として残し、小さい場合には欠陥から除くパターン検査方法。
【請求項6】 同一パターンを有する複数のパターンユニットの多値画像を生成する画像生成ステップと、2つの前記パターンユニットを比較して不一致部を欠陥候補として検出する欠陥候補検出ステップと、前記欠陥候補について解析する解析ステップとを備えるパターン検査方法であって、前記欠陥候補検出ステップは、比較する2つのパターンユニットの差を極性も含めて算出して差画像を生成し、前記差画像の絶対値を第1のしきい値と比較して、前記第1のしきい値より大きな部分を第1候補として検出し、前記第1候補の部分の前記差画像の極性を調べ、一方の極性の部分を欠陥候補として検出することを特徴とするパターン検査方法。
【請求項7】 請求項6に記載のパターン検査方法であって、前記第1候補の他方の極性の部分の前記差画像の絶対値を、前記第1のしきい値より大きな第2のしきい値と比較し、前記第2のしきい値より大きい場合には、その部分を前記欠陥候補に加えるパターン検査方法。
【請求項8】 請求項6に記載のパターン検査方法であって、前記差画像は異なる2つのパターンユニットとの間で2つ生成され、2つの差画像の絶対値の前記第1のしきい値より大きな部分が一致した部分を第1候補とするパターン検査方法。
【請求項9】 請求項8に記載のパターン検査方法であって、前記欠陥候補検出ステップは、前記欠陥候補の部分について、前記異なる2つのパターンユニット以外の異なる3番目のパターンユニットとの間で更に第3の差画像を生成し、前記第3の差画像の絶対値が第4のしきい値より大きい場合に欠陥候補として残し、小さい場合には欠陥候補から除くパターン検査方法。
【請求項10】 請求項9に記載のパターン検査方法であって、前記欠陥候補検出ステップは、前記欠陥候補の部分について、前記異なる3つのパターンユニット以外の異なる4番目のパターンユニットとの間で更に第4の差画像を生成し、前記第4の差画像の絶対値が前記第4のしきい値より大きい場合に欠陥候補として残し、小さい場合には欠陥候補から除くパターン検査方法。
【請求項11】 請求項6に記載のパターン検査方法であって、前記複数のパターンユニットは所定のピッチで配列され、前記画像生成ステップは、1次元の撮像装置を前記複数のパターンユニットに対して配列方向に相対移動しながら、順次多値画像を生成するように行われ、前記欠陥候補検出ステップにおける、前記差画像の生成、前記第1候補の検出、及び一方の極性の部分の欠陥候補としての検出は、パイプラインデータ処理により連続して行われるパターン検査方法。
【請求項12】 請求項11に記載のパターン検査方法であって、前記差画像は相対移動する方向に隣接する2つのパターンユニットの間で順次生成され、前記第1候補の検出では、各パターンユニットについて、両側に隣接する2つのパターンユニットとの差画像の前記第1のしきい値より大きな部分が一致した部分を前記第1候補とするパターン検査方法。
【請求項13】 同一パターン同士を比較して不一致部を欠陥と判定するパターン検査装置であって、前記パターンの多値画像を生成する画像生成装置と、比較する2つのパターンの差を極性も含めて算出して差画像を生成する差画像生成回路と、前記差画像の絶対値を第1のしきい値と比較して、前記第1のしきい値より大きな部分を欠陥候補として検出する第1比較回路と、前記欠陥候補の部分の前記差画像の極性を調べ、一方の極性の部分を欠陥と判定する欠陥極性判定回路とを備えることを特徴とするパターン検査装置。
【請求項14】 請求項13に記載のパターン検査装置であって、前記欠陥候補の他方の極性の部分の前記差画像の絶対値を、前記第1のしきい値より大きな第2のしきい値と比較し、前記第2のしきい値より大きい場合には、その部分を前記欠陥に加える第2比較回路を更に備えるパターン検査装置。
【請求項15】 請求項13記載のパターン検査装置であって、前記差画像生成回路は、異なる2つのパターンとの間で2つの差画像を生成し、前記第1比較回路は、前記2つの差画像の絶対値の前記第1のしきい値より大きな部分が一致した部分を欠陥候補とするパターン検査装置。
【請求項16】 請求項15に記載のパターン検査装置であって、前記欠陥の部分について、前記異なる2つのパターン以外の異なる3番目のパターンとの間で更に第3の差画像を生成する第1欠陥差画像生成回路と、前記第3の差画像の絶対値が第4のしきい値より大きい場合に欠陥として残し、小さい場合には欠陥から除く第3比較回路とを更に備えるパターン検査装置。
【請求項17】 請求項16に記載のパターン検査装置であって、前記欠陥の部分について、前記異なる3つのパターン以外の異なる4番目のパターンとの間で更に第4の差画像を生成する第2欠陥差画像生成回路と、前記第4の差画像の絶対値が前記第4のしきい値より大きい場合に欠陥として残し、小さい場合には欠陥から除く第4比較回路とを更に備えるパターン検査装置。
【請求項18】 同一パターンを有する複数のパターンユニットの多値画像を生成する画像生成部と、2つの前記パターンユニットを比較して不一致部を欠陥候補として検出する欠陥候補検出部と、前記欠陥候補について解析する解析部とを備えるパターン検査装置であって、前記欠陥候補検出部は、比較する2つのパターンユニットの差を算出して極性を含めて差画像を生成する差画像生成回路と、前記差画像の絶対値を第1のしきい値と比較して、前記第1のしきい値より大きな部分を第1候補として検出する第1比較回路と、前記第1候補の部分の前記差画像の極性を調べ、一方の極性の部分を欠陥候補として検出する欠陥極性判定回路とを備えることを特徴とするパターン検査装置。
【請求項19】 請求項18に記載のパターン検査装置であって、前記欠陥候補検出部は、前記第1候補の他方の極性の部分の前記差画像の絶対値を、前記第1のしきい値より大きな第2のしきい値と比較し、前記第2のしきい値より大きい場合には、その部分を前記欠陥候補に加える第2比較回路を備えるパターン検査装置。
【請求項20】 請求項18に記載のパターン検査装置であって、前記差画像生成回路は、異なる2つのパターンユニットとの間で2つの差画像を生成し、前記第1比較回路は、前記2つの差画像の絶対値の前記第1のしきい値より大きな部分が一致した部分を欠陥候補とするパターン検査装置。
【請求項21】 請求項20に記載のパターン検査装置であって、前記欠陥候補検出部は、前記欠陥候補の部分について、前記異なる2つのパターンユニット以外の異なる3番目のパターンユニットとの間で更に第3の差画像を生成し、前記第3の差画像の絶対値が第4のしきい値より大きい場合に欠陥候補として残し、小さい場合には欠陥候補から除く第3比較回路を更に備えるパターン検査装置。
【請求項22】 請求項21に記載のパターン検査方法であって、前記欠陥候補検出部は、前記欠陥候補の部分について、前記異なる3つのパターンユニット以外の異なる4番目のパターンユニットとの間で更に第4の差画像を生成し、前記第4の差画像の絶対値が前記第4のしきい値より大きい場合に欠陥候補として残し、小さい場合には欠陥候補から除く第4比較回路を更に備えるパターン検査装置。
【請求項23】 請求項18に記載のパターン検査装置であって、前記複数のパターンユニットは所定のピッチで配列され、前記画像生成部は、1次元の撮像装置を前記複数のパターンユニットに対して配列方向に相対移動しながら、順次多値画像を生成し、前記欠陥候補検出部は、メモリとパイプラインデータ処理プロセッサとを備え、前記差画像生成回路と前記第1比較回路と前記欠陥極性判定回路は、前記メモリと前記パイプラインデータ処理プロセッサとで構成されるパターン検査装置。
【請求項24】 請求項23に記載のパターン検査装置であって、前記差画像生成回路は、相対移動する方向に隣接する2つのパターンユニットの間で順次前記差画像を生成し、前記第1比較回路は、各パターンユニットについて、両側に隣接する2つのパターンユニットとの差画像の前記第1のしきい値より大きな部分が一致した部分を前記第1候補とするパターン検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本来同一パターンであるべきパターン同士を比較して不一致部を欠陥として判定することにより、パターンの欠陥を検出するパターン検査方法及び検査装置に関し、特に半導体ウエハ、フォトマスク、液晶表示パネルなどにおける繰返しパターンの欠陥検出のための検査方法及び検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ、半導体メモリ用フォトマスク、液晶表示パネルなどにおいては、所定のパターンが繰返し形成される。そこで、このパターンの光学像を捕らえ、隣接するパターン同士を比較することによりパターンの欠陥を検出することが行われている。比較の結果、2つのパターン間に差異がなければ欠陥のないパターンであり、差異があればいずれか一方のパターンに欠陥が存在すると判定する。このような装置を一般に外観検査装置と呼んでいるので、ここでもこの語を使用する。また、以下の説明では、半導体ウエハ上に形成されたパターンの欠陥を検査する半導体ウエハ用外観検査装置を例として説明する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、半導体メモリ用フォトマスクや液晶表示パネルなどの外観検査装置にも適用可能であり、更に本来同一であるべきパターン同士を比較して欠陥を検査する構成であれば、どのようなものにも適用可能である。
【0003】半導体装置の製造は非常に多数の工程からなっており、最終及び途中の工程での欠陥の発生具合を検査して製造工程にフィードバックすることが歩留まり向上の上からも重要であり、このような欠陥を検出するために外観検査装置が広く使用されている。図1は、半導体ウエハ用外観検査装置の概略構成を示す図である。半導体ウエハ用外観検査装置は、図1に示すように、半導体ウエハの表面の画像信号を生成する画像生成部1と、画像信号をデジタル変換して同一パターン同士を比較して欠陥の可能性がある部分(欠陥候補)を検出する欠陥候補検出部2と、欠陥候補を解析して歩留まりに影響する致命的な欠陥(キラー欠陥)であるか、無視することができる非キラー欠陥であるかを分類する自動欠陥分類部(Automatic Defect Classification:ADC)3で構成される。
【0004】画像生成部1は、半導体ウエハ19を保持するステージ18と、半導体ウエハ19の表面画像を生成する光学系11と、制御ユニット20とを有する。光学系11は、光源12と、光源12からの照明光を収束する照明用レンズ13と14と、照明光を反射するビームスプリッタ15と、照明光を半導体ウエハ19の表面に照射すると共に半導体ウエハ19の表面の光学像を投影する対物レンズ16と、投影された半導体ウエハ19の表面の光学像を電気的な画像信号に変換する撮像装置17とを有する。撮像装置17としては、2次元CCD素子を使用したTVカメラなどを使用することも可能であるが、高精細の画像信号を得るため1次元CCDなどのラインセンサを使用し、ステージ18により半導体ウエハ19を相対移動して(走査して)画像を捕らえることが多い。従って、半導体ウエハ19をパターンの繰返し配列方向に移動しながらラインセンサで光学像を捕らえると、所定の周期でパターンの同一部分の画像信号が生成されることになる。画像生成部11の構成については広く知られているので、ここではこれ以上の説明を省略する。
【0005】欠陥候補検出部2は、撮像装置17から出力された画像信号を多値のデジタル画像データに変換するアナログ−デジタル変換器(A/D)21と、デジタル画像データを処理してパターンの同一部分を比較し、欠陥候補を検出するダブルディテクション回路22とを有する。欠陥候補検出部2における処理については、後述する。
【0006】ADC3は、欠陥候補検出部2から報告された欠陥候補の部分のデジタル画像データを解析して欠陥候補を分類する。
【0007】次にダブルディテクション回路22における処理について更に説明する。上記のように半導体ウエハ上には複数の半導体チップ(ダイ)が規則的に配列されるように形成される。各ダイのパターンは同一のマスクパターンを露光したもので同じである。従って、図2の(A)に示すように、ダイの配列ピッチで同じパターンが繰り返されるので、隣接したダイの同じ部分を比較する。このような比較をダイ−ダイ比較と呼ぶ。欠陥のない場合にはパターンが一致するが、欠陥がある場合には比較結果に差異が生じる。しかし、差異が生じた場合、1回の比較では比較した2つのダイのどちらに欠陥が存在するか判定できない。そこで、図2の(A)に示すように、各ダイについて両側のダイと2回の比較を行い、2回の比較で差異が生じなかった部分は欠陥がなく、2回の比較とも差異が生じた部分は欠陥であると判定する。このような2回比較による判定方法をダブルディテクションと呼んでいる。なお、1回だけの比較による判定をシングルディテクションと呼んでいる。いずれにしろ、このような隣接するパターンと比較する欠陥判定方法は、欠陥の発生頻度は比較的小さく、比較するパターンの同一部分に同時に欠陥が発生することはほとんどないという前提に基づいており、実際の製造工程で半導体ウエハ上に形成するパターンにおける致命的な欠陥の発生頻度は小さく、このような前提でも特に問題は生じない。
【0008】上記のように、ラインセンサ17を有する光学系11で半導体ウエハ19を走査しており、走査幅に相当する画像データが走査時間に従って順次生成される。従って、ダブルディテクションを行う場合には、図2の(A)に示すように、ダイAの画像を1繰返し周期遅延させてダイBの画像と順次比較し、同様にダイBの画像を1繰返し周期遅延させてダイCの画像と順次比較し、ダイBのダブルディテクション処理が終了する。これをダイC,D,…という具合に繰り返してすべてのダイについてダブルディテクション処理を行う。最初のダイAは1回だけのシングルディテクション処理であるが、ダイBについては欠陥が検出されており、ダイAのダイBとの不一致部分が欠陥であるかは判明するのでシングルディテクション処理でもよいが、更に別のダイと比較してもよい。2回比較の済んだダイの画像データは順次消去することが可能であり、メモリの消去した部分に次のダイの画像データを記憶するようにすれば、メモリは1ダイ分の画像データを記憶できる容量があればよい。すなわち、この場合のメモリは、画像データを1繰返し周期分遅延させる遅延メモリとして動作する。なお、1枚の半導体ウエハの全ダイの画像データを記憶できる容量のメモリを設けてもよい。その場合にはメモリの容量が膨大になるが、ADC3で欠陥部分を解析するときに再度半導体ウエハを走査して画像データを生成する必要がない。
【0009】半導体メモリのメモリセルの配列部分では、セルと呼ばれる単位パターンが所定の周期で繰返し配列される。そのような部分ではセル間で比較を行うことも可能であり、セル−セル比較と呼ばれる。図2の(B)はセル−セル比較を示す図であり、セルP−Sをダイ−ダイ比較の場合と同様に順次隣接するセル間でダブルディテクション処理を行う。
【0010】ダブルディテクション処理は、画像データの生成に同期して行う必要があり、非常に高速な処理能力が必要である。このような処理を行う回路は、遅延メモリと比較回路を組み合わせた構成で実現できるが、比較位置を合わせたり、繰返し周期を可変にするのが難しいので、通常はパイプライン処理データプロセッサとワーキングメモリを組み合わせた構成で実現される。
【0011】図3は、欠陥候補検出部2における欠陥候補検出処理を示すフローチャートである。A/D21から順次出力されるデジタル化された多値(グレイレベル)画像データ100を、ステップ101で、1繰返し周期(ダイ−ダイ比較の場合はダイ配列ピッチ、セル−セル比較の場合はセル配列ピッチ)に相当する時間遅延させる。この処理は、順次ワーキングメモリに記憶された1繰返し周期前のグレイレベル画像データをアクセスして読み出すことに相当する。ステップ102では、グレイレベル画像データと1周期遅延させたグレイレベル画像データ、すなわち1配列ピッチずれた2つのグレイレベル画像データの差を演算して差画像を生成する。この場合の演算は、極性に関係しないグレイレベル画像データの差の絶対値を算出する演算であり、得られる差画像は極性に関係しないデータである。
【0012】ステップ103では、差画像を所定のしきい値と比較し、差画像の値がしきい値より大きい部分を求める。すなわち、この処理では、2つのグレイレベル画像データの間の差異が大きな部分を求める。このようにして、2値の1回判定画像104が得られる。すなわち、1回判定画像104は、シングルディテクション処理した結果である。
【0013】ステップ105では、1回判定画像104を更に1周期遅延させる。この間に上記のステップを行い、次の1回判定画像104を求め、ステップ106で1周期遅延した1回判定画像と遅延していない1回判定画像104の間でAND処理を行う。これにより、2回の比較で共に差異が大きいと判定された部分を示す2回判定画像107が求まる。すなわち、2回判定画像107は、ダブルディテクション処理した結果であり、欠陥候補画像である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】半導体ウエハ用外観検査装置としては、差異がある部分は漏らさず検出することが重要であり、上記のように2つの画像の差が所定のしきい値を越えた部分は欠陥として認識するように作られている。そのため、設定したしきい値によって欠陥候補と判定される部分の個数が大きく変化する。上記のように、欠陥候補と判定された部分はADC3に報告され、再度半導体装置の歩留まりに影響する致命的な欠陥(キラー欠陥)であるかが解析されるが、この部分はパイプライン処理することが難しく、1つの部分の解析にかなりの時間を必要とするため、欠陥候補の個数が増大するとその分解析に要する時間が増大し、スループットを低下させるという問題を発生する。そのため、ダブルディテクション回路22は、キラー欠陥は漏れなく欠陥候補として検出するが、キラー欠陥でない部分はできるだけ欠陥候補として検出しないことが望ましい。
【0015】しかし、2つの画像の差が大きい部分がかならずしもキラー欠陥とは限らないため、しきい値の設定だけではこの要求を満たすのが難しいという問題がある。例えば、半導体装置のメタル工程においては、ユーザが検出したいキラー欠陥はパターン間のショートなどであり、メタルグレインなどの非キラー欠陥は欠陥候補から除くことが望ましい。しかし、一般的には、パターン間のショート部分で生じるグレイレベルの差よりも、メタルグレインにより生じるグレイレベルの差の方が圧倒的に大きくなってしまう場合が多い。そのため、メタルグレインが完全に欠陥候補として検出されないようなしきい値を設定すると、本来検出する必要のあるパターン間のショートがほとんど検出できないことになる。そこで、パターン間のショートが確実に検出できるしきい値を設定して、一旦ショートとメタルグレインを含めて欠陥候補として検出し、ADC3がキラー欠陥であるか分類している。
【0016】従来はADC3が設けられておらず、この分類作業は外観検査装置を使用したりあるいはレビューステーションと呼ばれる別の装置を使用して、各欠陥候補を再度顕微鏡下に移動して目視により分類していたため、メタルグレインが多数発生していた場合には、分類のために膨大な時間が必要であった。近年、ADC3を設けてこの分類作業を自動化することが徐々に行われている段階であるが、自動化するためには検出された欠陥候補が含まれるダイの画像と、その比較に用いられた少なくとも一方のダイの画像が必要であり、それらを再度取得してADC3に送り、欠陥候補の再検出を行った上で、欠陥分類処理を行う必要がある。なお、上記のように、1枚の半導体ウエハの全ダイの画像データを記憶できる大容量のメモリを設ければ、ADC3で欠陥部分を解析するときに再度半導体ウエハの画像データを取得する必要はないが、全ダイの画像データを記憶できメモリ容量は膨大であり、非常なコスト増になるという問題がある。
【0017】上記のように、ダブルディテクション回路は高いスループットを実現するために、例えば1G画素/秒というような高速で比較処理を行っており、外観検査装置でこの部分の占めるコストの割合はかなり大きい。従って、装置コストとスループットはトレードオフの関係にあり、各種の要因を考慮してダブルディテクション回路(パイプライン処理データプロセッサとメモリ)の処理性能を設定していた。そのため、例えば、単位処理画像当りに報告可能な欠陥候補数の上限が設定されており、検出された欠陥候補の個数がこの上限を超えてしまった場合には、単位処理画像中に1つの大きな欠陥が存在するものと報告するようにしていた。このように、検出されたすべての欠陥候補に関係する2つの画像データを自動欠陥分類装置(ADC)に送り、更にADC内ですべての欠陥候補について再度欠陥候補を検出して分類を行うには膨大なコストや処理時間を要するという問題があった。
【0018】本発明は、このような問題を解決した、キラー欠陥は欠陥候補として検出されるが、欠陥候補として検出される非キラー欠陥の個数は大幅に低減できるパターン検査方法及び検査装置の実現を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を実現するため、本発明のパターン検査方法及び検査装置は、比較する2つのパターンの差画像を極性も含めて算出し、差画像の絶対値を第1のしきい値と比較して欠陥候補として検出した後、欠陥候補の部分の差画像の極性を調べ、一方の極性の部分を欠陥と判定することを特徴とする。
【0020】明視野顕微鏡を用いた半導体ウエハ上の半導体装置、特徴的にはメタル工程でのパターン欠陥検査においては、検出する必要のあるパターンショートのようなキラー欠陥は対応する正常な部分よりグレイレベルが高く、一方検出する必要のないグレインのような非キラー欠陥は対応する正常な部分よりグレイレベルが低い場合がほとんどである。従って、差画像の絶対値が第1のしきい値より大きい部分を欠陥候補として検出した後、検出された欠陥候補の部分の差画像の極性を調べればキラー欠陥であるか非キラー欠陥であるかが判定できる。そこで、キラー欠陥に対応する一方の極性の欠陥候補を欠陥候補として残す。極性を含めた差画像の演算は、各画素に対して連続して行われるので、パイプライン処理プロッセサで行うのに適している。また、極性の判定は欠陥候補のみに対して行われるので、この処理を行っても、欠陥候補検出処理のスループットの低下は小さい。
【0021】他方の極性の欠陥候補については、その部分の差画像の絶対値を、第1のしきい値より大きな第2のしきい値と比較し、第2のしきい値より大きい場合には、その部分を欠陥候補に加えるようにする。これにより、検出した欠陥候補の極性に応じて、異なるしきい値で判定することになる。
【0022】ここで、半導体装置のメタル層の画像を明視野顕微鏡で捕らえた場合を例として本発明の原理を詳しく説明する。図4の(A)は、半導体装置のメタル層のパターン例であり、図4の(B)はそれを明視野顕微鏡で捕らえた場合のグレイレベル画像を示す。
【0023】図4の(A)に示すように、メタル配線51と配線間のスペース52が所定の間隔で配置されている。参照番号53はキラー欠陥のパターンショートであり、参照番号54は非キラー欠陥の大きなメタルグレインであり、参照番号55は非キラー欠陥の小さなメタルグレインである。図4の(B)に示すように、メタル配線51の部分は反射率が高くグレイレベルが200であり、スペース52は反射率が低くグレイレベルが30である。パターンショートによる欠陥が存在する部分は必ずスペース部にあたるため、比較の対象となる正常な参照(reference)部のグレイレベルと比較すると、パターンショート部のグレイレベルの方が高くなっている。具体的には、参照部であるスペース部のグレイレベルが30であるのに対して、パターンショート部のグレイレベルは60である。
【0024】メタルグレインの断面構造は、一般に図5のようになっており、対物レンズを通して入射される照明光はグレイン上で散乱されるためグレイレベルが低くなる。つまり、参照部であるグレインのない正常なメタル配線部のグレイレベルと比較すると、グレイン部のグレイレベルの方が低くなっている。具体的には、参照部であるメタル配線部のグレイレベルが200であるのに対して、大きなグレイン部54のグレイレベル60はであり、小さなグレイン部55のグレイレベル150はである。
【0025】この例では、従来のようなサ画像の絶対値と単一しきい値を比較する判定方法では、メタル配線間のパターンショートを検出しながら、且つメタル配線上のグレインを非検出とすることはできない。なぜならば、パターンショート部と正常なスペース部のグレイレベルの差は30しかないが、小さなグレイン部のグレイレベル差は50であるからである。
【0026】これに対して、本発明では更に差画像の極性も判定の要素とする。上記のように、パターンショート部のグレイレベルは60であり、参照部である正常なスペース部のグレイレベルは30なので、参照部を基準とするとその差は+30である。これに対して、小さなグレイン部のグレイレベルは150であり、参照部である正常なメタル配線部のグレイレベルは200であり、参照部を基準とするとその差は−50である。従って、差画像の極性を判定すれば、キラー欠陥のパターンショートであるか、非キラー欠陥のメタルグレインであるかが判定できる。
【0027】本発明は、シングルディテクション処理とダブルディテクション処理の両方に適用できる。ダブルディテクション処理の場合には、差画像の絶対値が第1のしきい値より大きな部分が2つの差画像で一致した部分を欠陥候補とし、その上で欠陥候補の差画像の極性を調べる。
【0028】グレインの発生頻度は比較的高く、稀ではあるが2繰返し周期離れてグレインが発生する場合があり得る。その場合、2繰返し周期離れた2つのグレインの中間に、パターンショートと同じ極性の欠陥候補が現れ、パターンショートもグレインもない部分が欠陥候補として検出される場合がある。このような擬似欠陥の検出を防止するには、欠陥候補として残された部分のグレイレベル画像と、ダブルディテクション処理で2つの差画像を生成するために使用した2つのパターン以外の別の3番目のパターンとの間で更に第3の差画像を生成し、第3の差画像の絶対値が第4のしきい値より大きい場合に欠陥候補として残し、小さい場合には欠陥候補から除くようにする。例えば、2繰返し周期離れてグレインが発生して擬似欠陥候補として検出される確率を1/10とすれば、これによりその確率を1/100にできる。なお、この方法を繰り返すことで擬似欠陥候補を検出する確率を更に低下させることができる。例えば、この方法を行った後でなお欠陥候補として残された部分のグレイレベル画像と、更に別の4番目のパターンとの間で更に第4の差画像を生成し、第4の差画像の絶対値が第4のしきい値より大きい場合に欠陥候補として残し、小さい場合には欠陥候補から除くようにすれば、2繰返し周期離れてグレインが発生して擬似欠陥候補として検出される確率は1/1000になる。これらの処理は欠陥候補として検出された部分についてのみ行うので、対象となる処理数が少なく、スループットの低下はほとんど問題にならない。
【0029】
【発明の実施の形態】図6は、本発明の実施例の半導体ウエハ用外観検査装置の概略構成を示す図であり、図1の従来の構成とは、ダブルディテクション回路22が符号付ダブルディテクション回路31である点が異なる。従って、符号付ダブルディテクション回路31以外の部分については説明を省略する。
【0030】符号付ダブルディテクション回路31は、ワーキングメモリ32とパイプライン処理プロッセサ33で構成される。なお、ワーキングメモリ32は、ダブルディテクションを実行できるだけのメモリ容量が必要である。更に、第2実施例を実行する場合には、4繰返し周期以上のグレイレベル画像データを記憶できるメモリ容量が必要である。また、パイプライン処理プロッセサ33に加えて、パイプライン処理以外の処理を行う補助プロッセサを設けることも可能である。
【0031】図7は、第1実施例における欠陥候補検出処理を示すフローチャートであり、図8はこの処理に対応した画像データの例を示す図である。第1実施例においては、セル−セル比較を例として説明する。第1実施例における処理を図7及び図8を参照しながら説明する。
【0032】A/D変換器21から出力されるグレイレベル画像データ201は従来と同様に生成される。グレイレベル画像データ201には、図8の(A)に示すように、パターンショート61と、メタルグレイン62,63が存在する。また、パターンは図8の(A)に示す周期で繰り返されるとする。
【0033】スッテプ202で、図8の(B)に示すように、グレイレベル画像データ201は1繰返し周期遅延される。ステップ203では、グレイレベル画像データ201から1周期遅延されたグレイレベル画像データを減算して符号付差画像が生成される。ステップ204では、符号付差画像の絶対値を第1しきい値と比較して大きい部分を求め、大きいと判定された部分については差画像の符号を付加し、符号付き1回判定欠陥候補マップ205が生成される。この1回判定欠陥候補マップは、例えば2ビットのデータで構成し、上位1ビットは符号を、下位1ビットは第1のしきい値以上であるかを表す。図8の(A)のようなグレイレベル画像であれば、1回判定欠陥候補マップは、図8の(C)に示すように、パターンショート61の部分が+に、1周期遅延したパターンショート61Aの部分が−に、グレイン62,63の部分が−に、1周期遅延したグレイン62,63の部分が+になる。1回判定欠陥候補マップは、いわゆるシングルディテクションの結果であり、どちらに欠陥があるのか特定されないので、更にステップ206と207でダブルディテクションを行う。
【0034】ステップ206では、1回判定欠陥候補マップを更に1繰返し周期遅延させ、図8の(D)のような1周期遅延1回判定マップが得られる。ステップ207では、1回判定欠陥候補マップと1周期遅延1回判定マップの下位1ビットの第1のしきい値以上であるかを表すデータのANDを演算し、2回判定欠陥候補マップが作られる。これにより従来のダブルディテクションが行われたことになる。本実施例では、更に、1周期遅延1回判定マップの上位1ビットを2回判定欠陥候補マップに符号として付加して符号付2回判定欠陥候補マップ208が得られる。図8の(E)の符号付2回判定欠陥候補マップ208では、パターンショートの欠陥候補61Fが+で、グレインの欠陥候補62F,63Fが−である。
【0035】続いて、スッテプ209で符号付2回判定欠陥候補マップ208のすべての欠陥候補の符号を判定し、一方の符号(この場合は+)の欠陥候補61Fを欠陥候補として残す。他方の符号(この場合は−)の欠陥候補62F,63Fについては、更にステップ210で、他方の符号の欠陥候補62F,63Fの部分の符号付き差画像の絶対値について、第1のしきい値より大きな第2のしきい値と比較し、第2のしきい値より大きい場合に欠陥候補に加える。このようにして最終的な1ビットの欠陥候補マップが得られる。欠陥候補62F,63Fの符号付き差画像の絶対値が第2のしきい値より小さい場合には、図8の(F)のような欠陥候補マップになる。
【0036】メタルグレインはパターンショートに比べて発生頻度が高い。そのため、メタルグレインが1繰返し周期や2繰返し周期離れて発生する場合が起こりえる。1繰返し周期離れてメタルグレインが発生した場合には差画像に差を生じないため欠陥候補として検出されないが、もともとキラー欠陥でないので問題はない。しかし、メタルグレインが2繰返し周期離れて発生した場合中間に最終的な欠陥候補として残される擬似欠陥候補が検出されるという問題が生じる。以下,図9を参照してこの擬似欠陥候補の検出を説明する。
【0037】図9の(A)に示すように、グレイレベル画像データにパターンショート61とグレイン62−64が存在し、グレイン62とグレイン64は2繰返し周期離れているとする。図7の処理に従って、図9の(B)から(E)の画像を生成、図9の(E)のような符号付2回判定マップが得られる。符号付2回判定マップでは、パターンショート61とグレイン62−64に対応する欠陥候補61F,62F,63F,64Fに加えて、パターンショートもグレインも存在しない部分に+の符号の欠陥候補が検出される。この欠陥候補は符号が+なので最終的な欠陥候補として残される。このようにして、本来パターンショートもグレインも存在しない部分に、擬似欠陥候補が検出されることになる。このような擬似欠陥候補はグレインが2繰返し周期離れて発生した場合に発生するので、その検出頻度はグレインの発生頻度に比べて大幅に小さい。しかし、グレインの発生頻度が非常に多い場合には、最終的な欠陥候補に占める擬似欠陥候補の割合は無視できなくなり、その分ADC3での処理時間が長くなり、スループットを低下させる。第2実施例では、このような擬似欠陥候補を最終的な欠陥候補から除く処理を行う。
【0038】図10は、擬似欠陥候補を判定する方法を説明する図である。図9の(A)のようなグレイレベル画像から図10の(A)に示すような符号付2回判定マップが得られる。このうち符号が+の欠陥候補61Fと65Fについて、2繰返し周期離れた部分と差画像を生成する。具体的には、図10の(B)に示すように、グレイレベル画像において、パターンショート61とその左側に2周期離れた部分61Hと右側に2周期離れた部分(図示せず)との差算出し、同様に擬似欠陥候補の部分65Gとその左側に2周期離れた部分65Hと右側に2周期離れた部分65Iとの差算出し、差が第3のしきい値以上であるか判定する。第3のしきい値は、パターンショートの場合の差が十分に検出できればよく、例えば第1のしきい値を使用できるが、それには限定されない。パターンショート61の場合は、2周期離れた部分に同じパターンショートが存在する可能性は非常に少ないので、ある程度の差があり、差は第3のしきい値以上である。これに対して、擬似欠陥候補の場合は、グレインが存在しておらず、2周期離れた部分にグレインが存在する可能性も小さいので、差は生じないので、第3のしきい値以下である。このようにして擬似欠陥であることが判定できる。なお、2周期離れた部分との比較は、一方のみを行えば大部分の擬似欠陥候補を除けるが、グレイン発生の頻度が高い場合には、一方に2周期離れた部分との比較のみでは、まだかなりの個数の擬似欠陥が残る可能性があるので、その場合には一方に2周期離れた部分との比較で差が第3のしきい値以上であると判定された場合のみ、他方に2周期離れた部分との比較を行う。なお、この比較は1回又は2回に限定されず、必要に応じて1周期の整数倍離れた部分と更に比較してもよい。また、1回目と2回目の比較を、2周期以外の1周期の整数倍離れた部分と行ってもよい。
【0039】図11は第2実施例における欠陥候補検出処理を示すフローチャートである。第2実施例では、第1実施例の図7のステップ209で符号付2回判定欠陥候補マップの符号が+で、最終的な欠陥候補マップに残すと判定された欠陥候補について、図10のステップ221から229を行い、図7のステップ211へ進む。なお、第2実施例では、ワーキングメモリは4繰返し周期以上のグレイレベル画像データを記憶できるものとする。
【0040】ステップ221では、ステップ209で符号が+であると判定された欠陥候補の部分のグレイレベル画像を読み出す。ステップ222では、2周期前(−2周期)のグレイレベル画像を読み出す。ステップ223で、2つの差を算出する。ステップ224で、差が第3のしきい値より大きいかを判定し、小さければ擬似欠陥候補であるので、ステップ225で欠陥候補マップから削除し、図7のステプ211へ進む。
【0041】ステップ224で差が第3のしきい値より大きいと判定された時には、ステップ226では、2周期後(+2周期)のグレイレベル画像を読み出す。ステップ227で、2つの差を算出する。ステップ228で、差が第3のしきい値より大きいかを判定し、小さければ擬似欠陥候補であるので、ステップ225で欠陥候補マップから削除し、図7のステプ211へ進み、大きければステップ229でそのまま欠陥候補マップに保持し、ステプ211へ進む。なお、この比較を1回のみ行う場合には、ステップ224で差が第3のしきい値より大きいと判定された時に、ステップ211へ進む。
【0042】第2実施例における処理は、最終的に欠陥候補として検出された部分についてのみ行うため、アクセスするメモリのアドレスが連続しておらず、パイプライン処理には適していない。しかし、最終的に欠陥候補として検出される部分の個数は多くないので、パイプライン処理プロセッサで第2実施例の処理を行っても特に問題は生じない。なお、第2実施例の処理にパイプライン処理プロセッサを使用するのが全体として非効率である場合には、例えば、別に処理能力の小さなプロセッサを付加して第2実施例の処理を行うことも可能である。
【0043】また、欠陥候補検出部2で検出した欠陥候補をADC3で更に解析するとしたが、本発明により欠陥候補として検出されるのがパターンショートのみであれば、ADCで欠陥の分類を行う必要がない場合もあり得る。
【0044】以上、半導体装置のメタル配線層のパターンをダブルディテクションでセル−セル比較する場合を例として説明したが、本発明はこれに限定されず、ダイ−ダイ比較でも、シングルディテクションでも、メタル配線層以外のパターンでも、半導体装置以外のパターンでも適用可能である。また、実施例では各種の演算処理をパイプライン処理プロセッサで行なう例を示したが、それらを演算回路で行なうことも可能である。例えば、比較処理は比較回路で、遅延処理は遅延回路で行なえる。また、パイプライン処理プロセッサでなく通常のプロセッサを使用してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、一方の極性を有する欠陥候補の検出感度を低下させることなく、他方の極性を有する欠陥候補の検出を抑制することが可能になるので、検出が必要な欠陥候補は漏らさず検出し、検出が不要な欠陥候補の検出個数を低減できる。
【出願人】 【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
【住所又は居所】東京都三鷹市下連雀9丁目7番1号
【出願日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2003−85558(P2003−85558A)
【公開日】 平成15年3月20日(2003.3.20)
【出願番号】 特願2001−280141(P2001−280141)