| 【発明の名称】 |
画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム及び記憶媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】新畠 弘之 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】複数の画像処理を統合的、効率的且つ適切に行うことのできる、画像処理装置等を提供する。
【解決手段】対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理装置を、対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解手段と、分解手段により得られた成分を複数の画像処理の各々に関して解析する解析手段と、解析手段の解析結果に基づいて、分解手段により得られた成分を変換する成分変換手段と、成分変換手段による変換後の複数の周波数帯域の成分から、対象画像に対し複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成手段と、から構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理装置であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解手段と、前記分解手段により得られた複数の前記成分を前記複数の画像処理の各々に関して解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する成分変換手段と、前記成分変換手段による変換後の複数の周波数成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理装置であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解手段と、前記分解手段により得られた前記成分を、前記複数の画像処理の各々に関して、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する成分変換手段と、前記成分変換手段による変換後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項3】 前記複数の画像処理は、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理のうちの少なくともいずれか2つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。 【請求項4】 前記対象画像は、放射線撮影により得られた画像を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。 【請求項5】 対象画像に対して画像処理を施す画像処理装置であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解手段と、前記対象画像に対し前記画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する成分変換手段と、前記成分変換手段による変換後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記画像処理が施された後の画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする画像処理装置。 【請求項6】 入力画素値を前記可視画像の画素値に変換する階調変換手段を更に有し、前記成分変換手段は、前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換することを特徴とする請求項2又は5に記載の画像処理装置。 【請求項7】 前記成分変換手段は、前記階調変換特性と、前記画素値レベルの情報と前記成分変換手段の成分変換特性との関係を規定するパターン情報とに基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。 【請求項8】 前記成分変換手段はノイズ除去手段であり、該ノイズ除去手段は、前記画素値レベルの情報に基づいて、ノイズ除去のための係数変換曲線の遮断幅を変更することを特徴とする請求項2、5〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。 【請求項9】 前記対象画像は、被写体の放射線撮影により得られた画像であり、前記パターン情報は、前記被写体の撮影対象部位及び前記放射線撮影の条件の少なくとも一方の情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。 【請求項10】 前記階調変換特性を変更する変更手段を更に備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像処理装置。 【請求項11】 複数の機器が互いに通信可能に接続されてなる画像処理システムであって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像処理装置を構成する各手段を含むことを特徴とする画像処理システム。 【請求項12】 コンピュータを所定の手段として機能させるためのプログラムであって、前記所定の手段は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像処理装置を構成する各手段を含むことを特徴とするプログラム。 【請求項13】 請求項12記載のプログラムを格納していることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。 【請求項14】 対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理方法であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解工程と、前記分解工程において得られた前記成分を前記複数の画像処理の各々に関して解析する解析工程と、前記解析工程における解析結果に基づいて、前記分解工程において得られた前記成分を変換する成分変換工程と、前記成分変換工程において変換された後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。 【請求項15】 対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理方法であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解工程と、前記分解工程において得られた前記成分を、前記複数の画像処理の各々に関して、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、解析する解析工程と、前記解析工程における解析結果に基づいて、前記分解工程において得られた前記成分を変換する成分変換工程と、前記成分変換工程において変換された後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。 【請求項16】 対象画像に対して画像処理を施す画像処理方法であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解工程と、前記対象画像に対し前記画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、前記分解工程において得られた前記成分を変換する成分変換工程と、前記成分変換工程において変換された後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記画像処理が施された後の画像を生成する画像生成工程とを備えることを特徴とする画像処理方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、対象画像に画像処理を施すための画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム及び当該プログラムを格納しているコンピュータ可読記憶媒体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より例えば、X線撮影により得られた胸部画像は、X線が透過しやすい肺野の画像部分、及びX線が非常に透過しにくい縦隔部の画像部分から構成されるため、画素値の存在するレンジが非常に広い。このため、肺野及び縦隔部の両方の画像部分を同時に観察することが可能な、可視化されたX線胸部画像を得ることは困難であるとされてきた。 【0003】そこで、前記の問題を回避する方法として、特開2000−101841等に記載された画像処理方法がある。ここでの画像処理方法は、原画像f(x,y)、原画像f(x,y)の階調変換後の画像fh(x,y)、原画像f(x,y)の圧縮処理後の画像fc(x,y)、原画像f(x,y)の低周波画像(平滑化画像)Sus(x,y)、及び定数Bを以って、 なる式(1)及び式(2)により表されるものである。 【0004】前記式(1)において、f(x,y)−Sus(x,y) の部分は、高周波成分を表す。この部分を含む式(1)の第2項の効果により、圧縮された高周波成分の振幅が復元(B=1の場合)され、よってダイナミックレンジの圧縮後においても、主として高周波成分で構成される微細構造の見え方を、原画像f(x,y)と同様に維持することができる。 【0005】尚、”F()”は、階調変換曲線を表す単調増加関数である。階調変換曲線F()は、連続かつ微分可能となるようになされている。当該方法では、高周波成分の振幅を維持(B=1の場合)したまま、画像データのダイナミックレンジを圧縮することが可能である。 【0006】ここで、前記式(2)で表される低周波画像”Sus(x,y)”は、原画像f(x,y)の移動平均画像である。 【0007】また、前記の微細構造を見やすくするための画像処理としては、所謂鮮鋭化処理が挙げられる。この鮮鋭化処理は、原画像f(x,y)、処理後画像fp(x,y)、原画像f(x,y)の低周波画像Sus2(x,y)、及び定数Cを以って、 なる式(3)により表される。 【0008】尚、低周波画像Sus2(x,y)は、前記(2)式で表される低周波画像Sus(x,y)とマスクサイズが異なるものである。 【0009】また、その他の画像処理として、所定の高周波成分を除去又は抑制することにより、ノイズを減少させるノイズ除去処理の検討が行われつつある。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の画像処理方法では、上述したような、ダイナミックレンジ圧縮処理、鮮鋭化処理、及びノイズ除去処理等の複数の画像処理を、原画像に対して全て満足いくように行うことができなかった。 【0011】具体的にはまず、原画像f(x,y)に対して鮮鋭化処理を行った後に、ダイナミックレンジ圧縮処理を行う場合、前記式(1)は、 なる式(4)となる。この式(4)では、fp(x,y)−Sus3(x,y) の部分が、鮮鋭化処理後の画像fp(x,y)の高周波成分を表すことになる。 【0012】しかしながら、鮮鋭化処理後の画像fp(x,y)の低周波画像Sus3(x,y)は、 なる式(5)及び式(6)に示されるように、”Sus4(x,y)”を含む項の影響を受けるものであり、前記式(1)式での、f(x,y)−Sus(x,y) により示される高周波成分と、前記式(4)でのfp(x,y)−Sus3(x,y) により示される高周波成分とは異なるものである。 【0013】したがって、前記式(1)によるダイナミックレンジ圧縮処理と、前記式(4)によるダイナミックレンジ圧縮処理とでは、復元される高周波の周波帯と共に、微細構造の復元性が異なり、これが画質の劣化の原因となる場合が生じてくる。このような問題は、ダイナミックレンジ圧縮処理後に、鮮鋭化処理を行う場合にも同様である。 【0014】即ち、移動平均等による低周波画像を用いた周波数処理を2度以上行う場合、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ圧縮処理に限らず同様の問題が生じてくる。また、濃度(輝度)レベルに応じて高周波成分に対する人間の視覚特性が変化する一方、ダイナミックレンジ圧縮処理では画像の少なくとも一部の領域の濃度(画素値)レベルが変更されることから、鮮鋭化処理の効果がダイナミックレンジ圧縮処理によって影響を受けることも考えられる。 【0015】また、ノイズ除去処理は、基本的には高周波成分を抑制する処理であり、これに対して鮮鋭化処理は、高周波成分を増強する処理である。すなわち、ノイズ除去処理と鮮鋭化処理の両処理は、相反する効果を有する。 【0016】従って、従来のノイズ除去処理と鮮鋭化処理を独立に行う構成では、高周波成分を抑制したい領域を強調してしまったり、これとは逆に高周波成分を強調したい領域を抑制してしまったり等の問題が生じる場合がある。このような問題は直接、画質の劣化へとつながるものである。 【0017】また、式(3)に示す鮮鋭化処理では特定の周波数帯(例えば、所定の単一又は複数の中周波数帯)の強調ができない。そこで、特定周波数帯の調整(強調及び/又は抑制)が容易である多重周波数処理を用いて、鮮鋭化処理等の画像処理を行うことが考えられる。この場合にも、ダイナミックレンジを変更する処理及び鮮鋭化処理等の複数種の画像処理を行う際に、上述と同様の課題がある。 【0018】例えば、ダイナミックレンジ変更処理及び鮮鋭化処理等の複数種の画像処理を適切に融合して、特定周波数帯の画像成分の復元性を担保したり、又は意図通りの周波数強調若しくは抑制処理を行いやすくする必要がある。 【0019】本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、複数の画像処理を統合的、効率的且つ適切に行うことのできる、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム及び当該プログラムを格納しているコンピュータ可読記憶媒体を提供することを目的とする。 【0020】また、安定した画像処理効果の得られる画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム及び当該プログラムを格納しているコンピュータ可読記憶媒体を提供することを目的とする。 【0021】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理装置であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解手段と、前記分解手段により得られた複数の前記成分を前記複数の画像処理の各々に関して解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する成分変換手段と、前記成分変換手段による変換後の複数の周波数成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成手段とを備える。 【0022】上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理装置であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解手段と、前記分解手段により得られた前記成分を、前記複数の画像処理の各々に関して、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、解析する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する成分変換手段と、前記成分変換手段による変換後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成手段とを備える。 【0023】また、好ましくは、前記複数の画像処理は、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理のうちの少なくともいずれか2つを含む。 【0024】また、好ましくは、前記対象画像は、放射線撮影により得られた画像を含む。 【0025】上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、対象画像に対して画像処理を施す画像処理装置であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解手段と、前記対象画像に対し前記画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する成分変換手段と、前記成分変換手段による変換後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記画像処理が施された後の画像を生成する画像生成手段とを備える。 【0026】また、好ましくは、入力画素値を前記可視画像の画素値に変換する階調変換手段を更に有し、前記成分変換手段は、前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する。 【0027】また、好ましくは、前記成分変換手段は、前記階調変換特性と、前記画素値レベルの情報と前記成分変換手段の成分変換特性との関係を規定するパターン情報とに基づいて、前記分解手段により得られた前記成分を変換する。 【0028】また、好ましくは、前記成分変換手段はノイズ除去手段であり、該ノイズ除去手段は、前記画素値レベルの情報に基づいて、ノイズ除去のための係数変換曲線の遮断幅を変更する。 【0029】また、好ましくは、前記対象画像は、被写体の放射線撮影により得られた画像であり、前記パターン情報は、前記被写体の撮影対象部位及び前記放射線撮影の条件の少なくとも一方の情報に基づいて決定される。 【0030】また、好ましくは、前記階調変換特性を変更する変更手段を更に備える。 【0031】上記の目的を達成するための本発明による画像処理システムは以下の構成を備える。即ち、複数の機器が互いに通信可能に接続されてなる画像処理システムであって、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像処理装置を構成する各手段を含むことを特徴とする。 【0032】上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、コンピュータを所定の手段として機能させるためのプログラムであって、前記所定の手段は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像処理装置を構成する各手段を含むことを特徴とする。 【0033】また、好ましくは、請求項12記載のプログラムを格納していることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。 【0034】上記の目的を達成するための本発明による画像処理方法は以下の構成を備える。即ち、対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理方法であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解工程と、前記分解工程において得られた前記成分を前記複数の画像処理の各々に関して解析する解析工程と、前記解析工程における解析結果に基づいて、前記分解工程において得られた前記成分を変換する成分変換工程と、前記成分変換工程において変換された後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成工程とを含む。 【0035】上記の目的を達成するための本発明による画像処理方法は以下の構成を備える。即ち、対象画像に対して複数の画像処理を施す画像処理方法であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解工程と、前記分解工程において得られた前記成分を、前記複数の画像処理の各々に関して、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、解析する解析工程と、前記解析工程における解析結果に基づいて、前記分解工程において得られた前記成分を変換する成分変換工程と、前記成分変換工程において変換された後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記複数の画像処理が施された後の画像を生成する画像生成工程とを備える。 【0036】上記の目的を達成するための本発明による画像処理方法は以下の構成を備える。即ち、対象画像に対して画像処理を施す画像処理方法であって、前記対象画像を複数の周波数帯域の成分に分解する分解工程と、前記対象画像に対し前記画像処理が施されることを経て得られる可視画像の画素値レベルの情報に基づいて、前記分解工程において得られた前記成分を変換する成分変換工程と、前記成分変換工程において変換された後の複数の周波数帯域の成分から、前記対象画像に対し前記画像処理が施された後の画像を生成する画像生成工程とを備える。 【0037】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。 【0038】<実施形態1>本発明は、例えば、図1に示すようなX線撮影装置100に適用される。 【0039】実施形態1のX線撮影装置100は、前記図1に示すように、X線ビーム102を発生するX線発生回路101と、被写体103を透過したX線ビーム102を検出する2次元X線センサ104と、2次元X線センサ104から出力される画像データを収集するデータ収集回路105と、データ収集回路105にて収集された画像データに対して前処理を施す前処理回路106と、前処理回路106による処理後画像等の各種情報や各種処理実行のための処理プログラムを記憶するメインメモリ109と、X線撮影実行等の指示や各種設定を本装置100に対して行うための操作パネル110と、前処理回路106による処理後画像(原画像)に対して複数の画像処理を施す画像処理回路112と、画像処理回路112での処理後画像等を表示する表示器111と、本装置100全体の動作制御を司るCPU108とを備えている。 【0040】また、データ収集回路105、前処理回路106、表示器111、画像処理回路112、CPU108、メインメモリ109、及び操作パネル110はそれぞれ、CPUバス107を介して互いに通信可能なように接続されている。 【0041】また、画像処理回路112は、階調変換回路113、解析回路114、周波数成分分解回路115、周波数係数変換回路116及び復元回路117を備えている。 【0042】解析回路114は、ノイズ除去処理のための解析、鮮鋭化処理を行うための解析、及びダイナミックレンジを変更するための解析等を行う。ここでの「変更」とは、圧縮及び/又は伸張を意味し、「解析」とは、各処理によって変更された後の周波数係数(周波数成分)若しくはその変更の程度、及び変更される周波数係数の領域(位置)を決定することを意味する。 【0043】周波数成分分解回路115は、原画像に対して、離散ウェーブレット変換(以下、「DWT変換」とも言う)を施すことで、各周波数帯の周波数係数(ウェーブレット変換係数)を取得する。 【0044】周波数係数変換回路116は、解析回路114による解析結果に基づいて、周波数成分分解回路115により分解された周波数帯毎の周波数係数を変換処理する。 【0045】復元回路117は、周波数係数変換回路116による変換処理後の周波数係数に対して、逆離散ウェーブレット変換(以下、「逆DWT変換」とも言う)を行うことにより、画象処理後の画像を生成する。 【0046】尚、実施形態1では、画像を複数の周波数帯の成分に分解する処理としてDWT変換による処理を用いているが、これに限られることはなく、例えば、ラプラシアンピラミッドの方法や、サブバンド化しないフィルタ等による処理(例えば、マスクサイズの異なる複数種の平滑化フィルタを用いる方法)等も適用可能である。 【0047】また、前記図1中の「階調変換回路113」は、後述する実施形態2で必要となる構成部であり、ここではその詳細は省略する。 【0048】図2は本発明の実施形態1のX線撮影装置の動作を示すフローチャートである。 【0049】前記図2のフローチャートに従った動作を実施するにあたって、例えば、メインメモリ109は、CPU108での各種処理実行に必要なデータや処理プログラム等を記憶すると共に、CPU108の作業用メモリ(ワークメモリ)として使用されるが、特に、複数の画像処理のための処理プログラムとして、前記図2のフローチャートに従った処理プログラムを記憶する。 【0050】従って、CPU108は、メインメモリ109から複数の画像処理のための処理プログラム(前記図2のフローチャートに従った処理プログラム)を読み出して実行することで、操作パネル110からの操作に従った、以下に説明するようなX線撮影装置100の動作のための制御を行う。 【0051】ステップS200:X線発生回路101は、被写体(被検査体)103に対してX線ビーム102を放射する。 【0052】X線発生回路101から放射されたX線ビーム102は、被検査体103を減衰しながら透過して、2次元X線センサ104に到達する。2次元X線センサ104は到達したX線の強度分布を検出し、当該強度分布に対応した画像データをX線画像として出力する。ここでのX線画像は、一例として胸部画像等、人体の所定部位の画像とする。 【0053】データ収集回路105は、2次元X線センサ104から出力されたX線画像データを所定の形式のディジタル画像データに変換し、それを前処理回路106に供給する。 【0054】前処理回路106は、データ収集回路105からのX線画像データに対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を施す。 【0055】前処理回路106で前処理が施されたX線画像データは入力画像(原画像)の情報として、CPU108の制御により、CPUバス107を介して、メインメモリ109、表示器111及び画像処理回路112にそれぞれ転送される。 【0056】ステップS201:画像処理回路112において、周波数成分分解回路115は、原画像f(x,y)に対して、2次元の離散ウェーブレット変換処理(DWT変換処理)を施すことで、周波数帯毎の周波数係数を取得する。 【0057】具体的には、例えば、図3Aは、1次元の離散ウェーブレット変換処理の構成を示したものである。この構成では、遅延素子(delay)及びダウンサンプラの組み合わせにより、原画像f(x,y)を、偶数アドレス及び奇数アドレスの各信号に分離し、これらの信号に対して、2つのフィルタp及びuによりフィルタ処理を施す。 【0058】前記のフィルタ処理後の信号s及びdはそれぞれ、1次元の画像信号に対して1レベルの分解を行った際のローパス係数及びハイパス係数を表しており、変換対象となる画像信号x(n)を以って、 なる式(7)及び式(8)により算出される。 【0059】周波数成分分解回路115は、上述のような1次元の離散ウェーブレット変換処理を、原画像f(x,y)の水平及び垂直方向に対して順次実行することにより、1レベルの2次元の離散ウェーブレット変換処理を行う。尚、2次元の離散ウェーブレット変換に関しては、その詳細が公知であるため、ここでは説明を省略する。 【0060】前記図3Bは、周波数成分分解回路115における2次元の離散ウェーブレット変換処理で得られる、2レベルの変換係数群の一例を示したものである。 【0061】前記図3Bに示すように、画像信号は、異なる周波数帯域の係数HH1,HL1,LH1,...,LL等(以下、HH1等を「サブバンド」とも言う)に分解される。 【0062】ステップS202:解析回路114は、まず、図4に示される処理を実行する。 【0063】すなわち、先ず、解析回路114は、周波数成分分解回路115(ステップS201)で得られたサブバンドのうち、高周波係数HL,LH,HHの3つのサブバンドに対して、それぞれのサブバンド毎に任意の閾値を設定する(ステップS302a〜ステップS302c)。 【0064】ここでの閾値の設定方法としては、任意の方法を適用可能であるが、例えば、離散ウェーブレット変換の分解レベルに応じて経験的に求めた定数を設定する方法、或いは各サブバンドの平均値や分散値等の統計量に基づき自動的に決定する方法等が挙げられる。 【0065】次に、解析回路114は、前記の設定閾値に基づいて、高周波係数HL,LH,HHに対して閾値処理を施す(ステップS303a〜ステップS303c)。具体的には例えば、閾値処理としては、 なる式(9)で表される2値化処理が挙げられる。 【0066】前記式(9)において、”THHL”、”THLH”、及び”THHH”はそれぞれ、サブバンドHL,LH,HHに対する設定閾値を示し、”HL(x,y)”、”LH(x,y)”、及び”HH(x,y)”はそれぞれ、サブバンドの画素値、すなわちウェーブレット係数を示す。また、”2値化画像HL(x,y)”、”2値化画像LH(x,y)”、及び”2値化画像HH(x,y)”はそれぞれ、サブバンドHL(x,y),LH(x,y)及びHH(x,y)を、その画素値(係数)に基づいて2値化した後の画像を示す。 【0067】次に、解析回路114は、前記の閾値処理に基づいて、周波数係数変換回路116における処理対象の画素(対象係数)を決定する(ステップS304)。 【0068】ここでの処理対象画素決定方法としては、任意の方法を適用可能であるが、例えば、 なる式(10)で表される、各サブバンドの2値化画像の論理積による方法が挙げられる。ここで、各サブバンドの2値化画像の画素値が”1”である画素に対応する各サブバンドの画素(係数)が、処理対象の画素(対象係数)となる。 【0069】そして、解析回路114は、前記式(10)により決定した処理対象画素に関する情報(各サブバンドの2値化画像)をメインメモリ109に保存する。また、このとき、解析回路114は、各サブバンドの2値化画像の画素値が”1”である画素に対応する各サブバンドの係数の各々に対し、各係数及び各係数の周辺の所定領域内の係数の平均値を算出し、算出された各係数の値及び各係数の位置(座標)をも、メインメモリ109に保存する。 【0070】ステップS203:解析回路114は、鮮鋭化処理のための係数の変換のための解析を行う。 【0071】具体的には例えば、解析回路114は、図5に示すような、原画像の画素値に応じて高周波係数を変更するための変換関数(例えば、原画像の画素値に応じて、周波数係数に乗算される乗数、すなわち変更前後の係数値の比を示す関数)等、原画像の画素値に応じて高周波係数を変更する程度を示すデータに基づいて、サブバンドHL,LH,HHの各周波数係数(高周波係数)を解析(例えば、各周波数係数に対する乗数を決定)し、その解析結果をメインメモリ109に保存する。 【0072】尚、実施形態1では、説明の簡単化のために、サブバンドHL,LH,HHの全てに対して、前記図5に示したような1つの変換関数を用いるようにしたが、これに限られることはなく、サブバンド毎に異なる変換関数を用いるようにしてもよい。 【0073】ステップS204:解析回路114は、画像のダイナミックレンジを変更するために、最も低周波数の帯域(サブバンドLL)に対応する係数を当該係数の値に応じて変更する程度を解析し、その解析結果をメインメモリ109へ保存する。 【0074】具体的には例えば、解析回路114は、図6に示すような、サブバンドLLの係数に応じて当該係数を変更するための変換関数(例えば、当該係数の値に応じて、当該係数に乗算される乗数、すなわち変更前後の係数値の比を示す関数)等、サブバンドLLの係数に応じて当該係数を変更する程度を示すデータに基づいて、サブバンドLLの各周波数係数を解析(例えば、各周波数係数に対する乗数を決定)し、その解析結果をメインメモリ109に保存する。一般的に、最も低周波数の帯域の係数の値は、原画像の画素値の値と高い相関があるため、当該低周波帯域の係数の値を変更することで、復元した画像のダイナミックレンジを変更することができる。 【0075】ステップS205:周波数係数変換回路116は、ステップS202〜ステップS204によるメインメモリ109への保存情報に基づいて、ステップS201において周波数成分分解回路115で得られた周波数帯毎の係数を変換する。 【0076】具体的には、周波数係数変換回路116は、周波数成分分解回路115で得られた係数を、メインメモリ109に保存されたノイズ除去解析により得られた係数に置き換える。その後、メインメモリ109に保存された鮮鋭化解析により得られた変更程度(例えば、乗数)に基づき、係数の変更を行う。さらに、メインメモリ109に保存されたダイナミックレンジ変更解析により得られた変更程度(例えば、乗数)に基づき、最低周波数帯域(サブバンドLL)の係数を変更する。 【0077】ステップS206:復元回路117は、周波数係数変換回路116での処理後の係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、複数の画象処理を施した後の画像を生成する。 【0078】具体的には例えば、図7は、前記図3Aに示した離散ウェーブレット変換処理の構成に対応した、1次元の逆離散ウェーブレット変換処理のための構成を示したものである。この構成では、処理対象の係数(入力係数)s´及びd´に対して、フィルタu及びpの2つのフィルタによる処理を施し、アップサンプリングした後に重ね合わせ、その結果を画像信号x´として出力するようになされている。 【0079】前記の処理は、 なる式(11)及び(12)により表される。 【0080】復元回路117は、上述のような、ウェーブレット係数に対する1次元の逆離散ウェーブレット変換処理を行う。2次元の逆離散ウェーブレット変換は、1次元の逆変換を画像の水平及び垂直方向に対して順次実行するものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。 【0081】上述のようにして、画像処理回路112において、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理の施された原画像は、CPU108の制御により、例えば、表示器111の画面に表示される。 【0082】以上説明したように、実施形態1では、原画像に対して、複数の周波数成分への分解処理を行い、これらの周波数成分に対し、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理のための解析を行う。次に、これらの解析結果に基づいて、所定の周波数成分に対し、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理のための変換処理を行う。そして、変換処理後の各周波数成分に基づいてノイズ除去処理及び鮮鋭化処理の施された画像を生成するように構成したので、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理の両処理の間で矛盾する効果又は干渉を生じることなく、効果的かつ効率的に鮮鋭化処理及びノイズ除去処理を実施することができる。 【0083】また、ダイナミックレンジ変更(圧縮等)処理及び鮮鋭化処理のための解析を原画像の複数の周波数成分に対し行う。次に、その解析結果に基づいて、所定の周波数成分に対し、ダイナミックレンジ変更処理及び鮮鋭化処理のための変換処理を行う。そして、変換処理後の各周波数成分に基づいてダイナミックレンジ変更処理及び鮮鋭化処理の施された画像を生成するように構成したので、ダイナミックレンジ変更処理及び鮮鋭化処理の両処理の影響が干渉することがなく、画質の劣化が生じない。また、効果的かつ効率的にダイナミックレンジ変更処理及び鮮鋭化処理を実施することができる。 【0084】また、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理のそれぞれを互いに、効果等に矛盾なく、且つ干渉することなく実施することができるため、それぞれの処理の目的を達成することができる。従って、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理を施した後の画像の画質の向上を図ることができる。 【0085】また、原画像に対して、複数の周波数成分への分解処理を行い、これらの周波数成分に対し、複数の画像処理のための解析を行う。次に、これらの解析結果に基づいて、所定の周波数成分に対し、複数の画像処理のための変換処理を行う。そして、変換処理後の各周波数成分に基づいて複数の画像処理の施された画像を生成するように構成したので、効果的且つ効率的に複数の画像処理を実施でき、処理時間の短縮を図ることができる。 【0086】<実施形態2>実施形態2では、前記図1に示すようなX線撮影装置100の動作を、例えば、図8のフローチャートに従った動作とする。 【0087】ステップS700:前記図2に示したステップS200と同様にして、X線撮影装置100において、被写体103のX線撮影が行なわれ、前処理の施された後のX線画像は、原画像として画像処理回路112に転送される。 【0088】ステップS701:画像処理回路112において、階調変換回路113は、ダイナミックレンジ変更(圧縮等)処理の一環として、原画像Org(x,y)に対して、階調変換曲線(階調変換関数)f()を用いた階調変換処理を施し、階調変換後の画像f(Org(x,y))を生成する。 【0089】尚、”(x,y)”は、画像上での画素の位置(座標)を表す。 【0090】ステップS702:周波数成分分解回路115は、画像f(Org(x,y))に対して、前記図2に示したステップS201での処理と同様にして、2次元の離散ウェーブレット変換処理を施し、複数の周波数帯域(サブバンド)の係数を取得する。 【0091】ステップS703:解析回路114は、原画像Org(x,y)の画素値に基づいて、ノイズ除去処理を行う領域を決定する。 【0092】具体的には、例えば、解析回路114は、原画像Org(x,y)において、所定画素値Th以下の画素値を有する領域を、ノイズ除去処理を行う領域とし、この領域に対応する所定の高周波サブバンドにおける領域(係数の位置)に関する情報をメインメモリ109に保存する。 【0093】ステップS704:解析回路114は、前記図2に示したステップS203の処理と同様にして、鮮鋭化処理のための係数の変換のための解析を行い、その解析結果をメインメモリ109に保存する。 【0094】ステップS705:解析回路114は、 h2n(x,y)/hn(x,y)=(1/f'(Org(x,y))) (13) なる式(13)により、ダイナミックレンジ変更処理の一環としての係数変換のための解析を行い、その解析結果をメインメモリ109に保存する。 【0095】前記式(13)において、”hn(x,y)”は、サブバンドn(所定の高周波帯域のサブバンド)の周波数係数を示し、”h2n(x,y)”は、”hn(x,y)”に対し、ダイナミックレンジ変更処理の一環としての係数変換を施した後のサブバンドnの周波数係数を示す。 【0096】従って、”h2n(x,y)/hn(x,y)”はダイナミックレンジ変更処理の一環として係数が変換される程度(変換のために周波数係数に乗算される乗数)を示し、この乗数及び各乗数の位置(座標)が、メインメモリ109に保存される。 【0097】ステップS706:周波数係数変換回路116は、メインメモリ109に保存されたノイズを除去する領域に対応する所定高周波サブバンドの係数を、当該係数を含む周辺領域の係数を用いて平滑化した値に置き換える。ここでの平滑化は、例えば、当該係数を含む所定周辺領域内の係数を平均化することにより実施される。 【0098】また、周波数係数変換回路116は、ステップS704及びステップS705のそれぞれで解析回路114により解析された変更の程度(高周波係数を変更する程度であって、例えば、周波数係数に乗算される乗数)を複合(例えば、乗算)し、この複合(乗算)結果に基づいて、所定の高周波サブバンド(前記平滑化処理の施された領域を含む高周波サブバンドも含まれてよい)の係数を変更する。但し、この係数変更は、処理対象の高周波サブバンドhn(x,y)の係数が、当該サブバンドn毎に設定される閾値THnより小さい場合にのみ、実行されることとする。 【0099】ステップS707:復元回路117は、前記図2に示したステップS206での処理と同様にして、周波数係数変換回路116で処理された後の係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、複数の画像処理が施された後の画像を生成する。 【0100】ここで、実施形態2では、実施形態1に対して、ダイナミックレンジ変更処理において、画像を複数の周波数帯域の成分に分解して得た低周波帯(サブバンドLL)の係数を変更しないように構成したことが異なる。一般に、より低周波の帯域の係数を変更するほど、復元画像(DWT変換処理に対する逆DWT変換処理等、所定の周波数変換処理(周波数成分分解処理)に対する逆変換処理によって生成される画像)において当該係数変更の波及する範囲が広くなる。 【0101】このため、最低周波数帯の係数を変更するよりも、より高周波の帯域の係数を変更したほうが、当該係数変更の波及する範囲を狭くすることができ、有利である。さらに、原画像におけるエッジ構造を構成するために用いられる係数は、最低周波数サブバンド(サブバンドLL)を除く各サブバンドで比較的大きな値(絶対値)を示す。 【0102】このため、所定閾値以上の係数を不変に保つこと、又は当該係数を変更する程度を抑制することは、復元画像におけるエッジ構造を保存するのに有効である。このことは、復元画像のエッジ部分でオーバシュート等と呼ばれるアーティファクトが生じにくくなることを意味する。 【0103】従って、実施形態2によれば、実施形態1での効果に加えて、復元画像(処理後の画像)において、エッジ構造の崩壊又はエッジ部におけるオーバシュートが生じにくいという効果がある。 【0104】尚、実施形態1においても、次のような、やや複雑な構成を付加することにより、同様の効果を得ることができる。すなわち、係数変更の施される最低周波数帯域(サブバンドLL)の係数について、当該係数に対応する各高周波数帯域(各高周波サブバンド)の係数の絶対値が所定閾値より大きい場合には、当該高周波係数の最終的な値が、鮮鋭化処理等に拘らず、対応する原画像の高周波係数を、対応する最低周波数帯域の係数の変更の程度(例えば、不変又は所定乗数倍)と同等な程度で変更(例えば、不変又は所定乗数倍)した値になるように処理する。これにより、復元画像(処理後画像)において、エッジ構造の崩壊又はエッジ部におけるオーバシュートを生じにくくすることができる。 【0105】<実施形態3>本発明は、例えば、図9に示すようなX線撮影装置800に適用される。 【0106】尚、実施形態3のX線撮影装置800において、前記図1に示したX線撮影装置100の構成と同じ構成は同一の参照番号を付加し、その詳細については省略する。特に、実施形態3のX線撮影装置800は、前記図1に示したX線撮影装置100の構成に対し、さらに、第2周波数成分分解回路118及び置換回路119を画像処理回路112内に設けた構成としている。 【0107】第2周波数成分分解回路118は、階調変換回路113で階調変換された原画像をDWT変換する。 【0108】置換回路119は、第2周波数成分分解回路118でのDWT変換によって得た高周波係数(高周波サブバンド)を、周波数係数変換回路116での変換によって得た高周波係数(高周波サブバンド)で置換する。 【0109】上述のようなX線撮影装置800の動作について、図10のフローチャートを用いて説明する。 【0110】尚、前記図9のX線撮影装置800において、前記図1のX線撮影装置100と同様に機能する構成部には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。ここでは、前記図1のX線撮影装置100と異なる構成及び動作についてのみ具体的に説明する。 【0111】ステップS900:前記図2に示したステップS200と同様にして、X線撮影装置100において、被写体103のX線撮影が行なわれ、前処理の施されたX線画像は、原画像として画像処理回路112に転送される。 【0112】ステップS901:画像処理回路112において、周波数成分分解回路115は、前記図2に示したステップS201での処理と同様にして、原画像Org(x,y)に対して、2次元の離散ウェーブレット変換処理を施し、複数の周波数帯域の係数を取得する。 【0113】ステップS902:解析回路114は、前記図2に示したステップS202での処理と同様にして、ノイズ除去処理のための係数の変換の程度、すなわち処理対象画素(係数)に関する情報(例えば、処理対象係数の位置と処理後の係数値)を解析し、その解析結果をメインメモリ109に保存する。 【0114】ステップS903:解析回路114は、前記図2に示したステップS203での処理と同様にして、鮮鋭化処理のための係数の変換の程度(例えば、処理対象係数毎の乗数)を解析し、その解析結果をメインメモリ109へ保存する。 【0115】ステップS904:周波数係数変換回路116は、前記図2のステップS205での処理と同様にして、メインメモリ109に保存された解析結果に基づいて、周波数成分分解回路115で得られた高周波係数(所定の高周波サブバンドの係数)を変更する。 【0116】ステップS905:階調変換回路113は、原画像を、ダイナミックレンジ変更(圧縮等)処理の一環として、階調変換する。 【0117】ステップS906:第2周波数成分分解回路118は、階調変換回路113による階調変換後の原画像をDWT変換する。 【0118】ステップS907:置換回路119は、第2周波数成分分解回路117で得られた高周波係数(所定の高周波サブバンドの係数)を、周波数係数変換回路116で得られた高周波係数(所定の高周波サブバンドの係数)で置換する。このとき、ダイナミックレンジ変更処理の効果を失わないよう、最低周波数帯(サブバンドLL)の係数は置換しない。 【0119】但し、この係数置換は、処理対象の高周波サブバンドhn(x,y)の係数が、当該サブバンドn毎に設定される閾値THnより小さい場合にのみ、実行されることにすれば、実施形態2と同様、復元後の画像において、エッジ構造の崩壊を抑制するのに有効である。このようにして、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理の施された周波数係数を得ることができる。 【0120】ステップS908:復元回路117は、置換回路119での処理後の周波数係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理の施された画像を生成する。 【0121】上述のように、実施形態3では、実施形態2と同様の効果に加えて、原画像の高周波係数に対し、ノイズ除去処理や鮮鋭化処理等の周波数処理のための解析を行うように構成したので、実施形態2のように原画像を階調変換した後の画像の高周波係数に対し当該解析を行うのに比して、階調変換による画素値変更の影響を受けないため、当該解析が容易となるという効果がある。 【0122】<実施形態4>実施形態4では、前記図1に示すようなX線撮影装置100の動作を、例えば、図11のフローチャートに従った動作とする。 【0123】ステップS1100:前記図2に示したステップS200と同様にして、X線撮影装置100において、被写体103のX線撮影が行なわれ、前処理の施されたX線画像は、原画像として画像処理回路112に転送される。 【0124】ステップS1101:周波数成分分解回路115は、原画像Org(x,y)に対して、前記図2に示したステップS201での処理と同様にして、2次元の離散ウェーブレット変換処理を施し、複数の周波数帯域(サブバンド)の係数を取得する。 【0125】ステップS1102:解析回路114は、原画像Org(x,y)の画素値に基づいて、ノイズ除去処理を行う領域を決定する。 【0126】具体的には、例えば、解析回路114は、原画像Org(x,y)において、所定画素値Th以下の画素値を有する領域を、ノイズ除去処理を行う領域とし、この領域に対応する所定の高周波サブバンドにおける領域(係数の位置)に関する情報をメインメモリ109に保存する。 【0127】ステップS1103:解析回路114は、前記図2に示したステップS203の処理と同様にして、鮮鋭化処理のための係数の変換のための解析を行い、その解析結果をメインメモリ109に保存する。 【0128】ステップS1106:解析回路114は、前記式(13)により、ダイナミックレンジ変更処理の一環としての係数変換のための解析を行い、その解析結果をメインメモリ109に保存する。 【0129】前記式(13)において、”hn(x,y)”は、サブバンドn(所定の高周波帯域のサブバンド)の周波数係数を示し、”h2n(x,y)”は、”hn(x,y)”に対し、ダイナミックレンジ変更処理の一環としての係数変換を施した後のサブバンドnの周波数係数を示す。従って、”h2n(x,y)/hn(x,y)”はダイナミックレンジ変更処理の一環として係数が変換される程度(変換のために周波数係数に乗算される乗数)を示し、この乗数及び各乗数の位置(座標)が、メインメモリ109に保存される。 【0130】ステップS1105:周波数係数変換回路116は、メインメモリ109に保存されたノイズを除去する領域に対応する所定高周波サブバンドの係数を、当該係数を含む周辺領域の係数を用いて平滑化した値に置き換える。ここでの平滑化は、例えば、当該係数を含む所定周辺領域内の係数を平均化することにより実施される。 【0131】また、周波数係数変換回路116は、ステップS704及びステップS705のそれぞれで解析回路114により解析された変更の程度(高周波係数を変更する程度であって、例えば、周波数係数に乗算される乗数)を複合(例えば、乗算)し、この複合(乗算)結果に基づいて、所定の高周波サブバンド(前記平滑化処理の施された領域を含む高周波サブバンドも含まれてよい)の係数を変更する。但し、この係数変更は、処理対象の高周波サブバンドhn(x,y)の係数が、当該サブバンドn毎に設定される閾値THnより小さい場合にのみ、実行されることとする。 【0132】ステップS1106:復元回路117は、前記図2に示したステップS206での処理と同様にして、周波数係数変換回路116で処理された後の係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、複数の画像処理が施された後の画像を生成する。 【0133】ステップS1107:階調変換回路113は、復元回路117での逆離散ウェーブレット変換処理後の画像Prc(x,y)に対して、階調変換曲線(階調変換関数)f()を用いた階調変換処理を施し、階調変換後の画像f(Prc(x,y))を生成する。 【0134】上述した実施形態2では、階調変換後の原画像に対して離散ウエーブレット変換処理を行った後に、係数変換を行い、最後に逆変換を行って処理後画像を得る。それに対し、実施形態4では、原画像に対して離散ウエーブレット変換処理を行った後に、係数変換を行う。次に、逆変換を行って画像を生成し、生成された画像に対して最後に階調変換を行って処理後画像を得る。 【0135】実施形態2のように、階調変換後の画像に対して離散ウエーブレット変換処理を行った後に解析処理を行う場合には、階調変換の影響を考慮して、鮮鋭化処理やノイズ除去処理を行う領域や強度を決定しなければならないが、実施形態4のように、原画像に対して離散ウエーブレット変換処理を行った後に解析処理を行う場合には、階調変換の影響を考慮する必要がないため、解析処理が容易になる。 【0136】従って、実施形態4では、実施形態2の効果に加えて、解析処理が簡易に又は精度良く行え、よって処理後画像を効率的又は効果的に得られるという効果がある。 【0137】以上説明したように、上記実施形態1〜4では、対象画像(放射線画像等)に対して複数の画像処理(ノイズ除去処理、鮮鋭化処理、及びダイナミックレンジ変更処理等の複数の画像処理)を施す際、対象画像を複数の周波数成分に分解し、当該複数の周波数成分を複数の画像処理の各々に関して解析し、当該解析結果に基づいて、複数の周波数成分の係数を変換し、当該変換後の複数の周波数成分から、複数の画像処理の施された画像を生成するように構成する。 【0138】これにより、複数の画像処理の間で、矛盾する効果又は干渉を生じることなく、効果的且つ効率的に処理を行うことができる。 【0139】例えば、対象画像に対して、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を施す際、両処理の間で矛盾する効果又は干渉を生じることなく、効果的且つ効率的にノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を実施することができる。 【0140】また、対象画像に対して鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理を施す場合についても、両処理の影響が干渉することがなく、画質の劣化が生じず、よって効果的且つ効率的に鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理を実施することができる。 【0141】また、対象画像に対してノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理を施す場合についても、それぞれの処理を矛盾なく、且つ干渉することなく実行することができ、それぞれの処理の目的を達成することができる。 【0142】そのため、画質の向上が図れ、効果的且つ効率的にノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理を実施することができる。 【0143】また、高周波数帯の係数の絶対値が所定閾値より大きい場合に、当該係数の変更を行わない、当該係数の変更の程度を抑制する、又は当該係数を、当該係数に対応する所定の低周波成分の係数の変更に応じて変更するように構成した場合、処理後の画像におけるエッジ構造の崩壊又はエッジ部でオーバシュート等が生じることを抑制することができる。 【0144】また、原画像の高周波係数に対し、ノイズ除去処理や鮮鋭化処理等の周波数処理のための解析を行うように構成した場合、原画像を階調変換した後の画像の高周波係数に対し当該解析を行うのに比して、階調変換による画素値変更の影響を受けないため、当該解析が容易となるという効果がある。 【0145】<実施形態5>近年のデジタル技術の進歩により放射線画像をデジタル画像信号に変換し、該デジタル画像信号に対して周波数処理などの画像処理を施し、CRT等に表示、あるいはプリンタによりフィルム上に画像を描画して出力することが行われている。 【0146】ところで、このような周波数処理は画像を複数の周波数帯の画像成分に分離し、周波数帯毎の画像成分を増加又は減弱することにより行われている。また、周波数処理では画像の画素値や低周波帯の画素値に依存してその効果に強弱をつけることが行われている。また、ノイズ領域の画質を改善しノイズを低減する処理の開発が進められている。また、ダイナミックレンジを圧縮する処理も行われている。 【0147】しかしながら、上述の方法では、原画像又は原画像の低周波画像の画素値に依存して画像処理の効果の強弱を変更していた。一般に、このように周波数処理された画像は、更に階調変換された後に、プリンタやCRTにより記録又は表示される。また、ダイナミックレンジ変更処理された画像の画素値分布は、原画像の画素値分布から比較的大きく変更される。 【0148】このように、階調変換処理又はダイナミックレンジ変更処理等により画像の画素値分布が変更されてしまうにも拘わらず、従来の周波数処理は原画像又はその低周波成分の画素値に依存して行われていた。 【0149】その結果、最終的な出力画像(可視画像)の画素値(例えば、フィルムに記録された画像の濃度値)のレベルを考慮せずに周波数処理が行われていたことになる。従って、従来の処理は、人の視覚の感度が濃度値又は輝度値のレベルによって異なるという性質を考慮していないものであり、視覚感度に応じた処理効果を得ることができない。また、階調変換関数(階調変換曲線の曲線形等)は観察者の好みにより変更され、それに従い、最終出力画像の画素の濃度値又は輝度値レベルも変更されるが、このような変更が周波数処理などに反映されていないという問題があった。 【0150】また、処理効果を安定させるためには、処理に先立ち、画像の画素値分布やノイズ分布を解析することが有効となり得る。しかし、画素値分布は被写体に応じて大きく変動する場合があり、特に、人体などの生物ではその傾向が強い。さらに、ノイズ分布は、撮影条件などに応じても変動するものである。そのため、画素値分布を解析した結果に応じて適切に周波数処理を行うことは、一般に困難である。 【0151】さらに、原画像の画素値に依存する周波数処理では、処理効果(処理内容)を修正する際の基準がさだまらず、処理効果の調整も容易ではない。これは、画素値分布、ノイズ分布は、上述のように、被写体、撮影条件に依存して変動するためである。 【0152】以下に説明する実施形態5〜8は、上記のような課題を解決するためのものであり、フイルム又はCRT等に出力(記録又は表示)された画像の濃度値又は輝度値に依存して画像処理効果を安定させる構成についてのものである。 【0153】本発明は、例えば、図12に示すようなX線装置1100に適用される。 【0154】尚、実施形態5のX線撮影装置800において、上記図1に示したX線撮影装置100の構成と同じ構成は同一の参照番号を付加し、その詳細については省略する。 【0155】画像処理回路112において、階調変換調整回路1113は、原画像の階調変換を行う。また、階調変換曲線を作成して階調変換を行うとともにその階調変換画像を表示器111に表示する。尚、この階調変換曲線は、オペレータによって新規に作成あるいは変更可能である。 【0156】鮮鋭化解析回路115は、階調変換調整回路113で決定された階調変曲線(例えば、図14で示される階調変換曲線401)、及び図13で示されるような係数変換パターン(尚、図13では、係数変換パターン例として、2種類の係数変換パターン301、302を示している)に基いて、各係数の変換内容を解析する(例えば、各係数の変換倍率を特定する)。 【0157】尚、図13は、濃度値(以後、濃度値という場合は、濃度値又は輝度値を意味する)に対する処理内容(処理効果)を示す図であり、横軸が濃度値、縦軸が周波数係数を変更する変更倍率であり、濃度値に応じた係数変換パターンを示している。例えば、濃度値が1.0である場合には、高周波係数を1倍、つまり、なにも変更せず、濃度値が0.5である場合には、高周波係数を0.5倍する。また、図14は階調変換調整回路1113で用いる階調変換曲線の一例であり、階調変換曲線による画素値から濃度値への変換内容を記述している。この階調変換曲線は、操作パネル110を介したオペレータの操作等により、その形状が変更可能である。 【0158】ノイズ解析回路1116は、ノイズ除去処理のための解析を行う。この詳細については、実施形態6で説明する。 【0159】周波数係数変換1117は、鮮鋭化解析回路115で解析した結果に基いて、周波数成分分解回路115で分解された周波数帯毎の高周波係数を変換処理する。 【0160】図15は本発明の実施形態5のX線撮影装置の動作を示すフローチャートである。 【0161】ステップS210:上記図2に示したステップS200と同様にして、X線撮影装置1100において、被写体103のX線撮影が行なわれ、前処理の施された後のX線画像は、原画像として画像処理回路112に転送される。 【0162】ステップS211:画像処理装置112において、階調変換調整回路1113は、原画像f(x,y)を解析し、被写体の特徴となる部分の画素値を算出する(例えば、胸部正面画像では肺野内の最大画素値をこの特徴量とする)。 【0163】ステップS212:階調変換調整回路1113は、特徴量が示す画素値が一定濃度値となるように、図14に示すような階調変換曲線を作成し、この階調変換曲線を用いて原画像を階調変換する。 【0164】ステップS213:階調変換調整回路1113は、さらに、階調変換後の階調変換画像を表示器111に表示する。 【0165】ステップS214:オペレータによって、表示器111に自動的に表示される画像が参照され、適切な階調変換画像であるとみなされる場合には、操作パネル110を介して了解信号の入力を受け付ける。一方、適切な階調変換画像でないとみなされる場合には、階調変換曲線の形状を微調整するため、階調変換曲線の画素値Xと濃度値Yとの関係を示す情報の入力を受け付け、(14)式で表される調整後の階調変換曲線を決定する。 【0166】 Y=F(X) (14) ステップS215:鮮鋭化解析回路1116は、図13に示す濃度値Yと係数の倍率との関係を示す係数変換パターン及び(14)式から、画素値と係数の変換倍率との関係を記述するパターンを解析する。ここで、図13に示す濃度値Yと係数の変換倍率Kとの関係を(15)式で示す。 【0167】 K=G(Y) (15) 従って、(14)、(15)式から K=G(F(X)) (16) となり、画素値Xと係数の変換倍率Kとの関係が解析的にもとまる。 【0168】ここで、図13に示す係数変換パターンは、撮影された被写体の部位や撮影条件等により選択されるものである。例えば、撮影X線量が少ない場合には、低濃度域の係数の増加を抑制気味とする(又は減少させる)係数変換パターン301を選択する。一方、撮影X線量が多い場合には、例えば、低濃度域の係数も増加するようにする係数変換パターン302を選択する。また、撮影対象部位や診断目的によっても、例えば、鮮鋭化対象の濃度値領域及び鮮鋭化強度が異なるため、この場合も、部位及び目的に応じた係数変換パターンが選択される。 【0169】ステップS216:周波数成分分解回路115は、原画像f(x,y)に対して、上記図2に示したステップS201での処理と同様にして、2次元の離散ウェーブレット変換処理を施し、複数の周波数帯域(サブバンド)の係数を取得する。 【0170】ステップS217:周波数係数変換回路1117は、取得したサブバンドのうち高周波係数を示すHL、LH、HHの3つのサブバンドに対して、それぞれのサブバンドごとに式(16)で記述される関係から係数の大きさを変更する。ここで、係数の座標は原画像f(x,y)の座標から一意にさだまるものであり、係数の座標から原画像f(x,y)の画素値Xを求めることにより、係数を変換していく。 【0171】ここで、HL、LH、HH等のサブバンド毎に係数変換パターンを用意しておいてもよいが、通常は一つのパターンで3つのサブバンドの係数を変換して差し支えない。 【0172】ステップS218:復元回路117は、上記図2に示したステップS206での処理と同様にして、周波数係数変換回路1117で処理された後の周波数係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、鮮鋭化された画像を生成する。 【0173】尚、一般に、係数を増加する場合には鮮鋭化処理の効果が得られ、係数を低減する場合には平滑化の効果が得られるため、図13に示されるような濃度値Yと係数の倍率Kとの関係を示す係数変換パターンの形状によっては、出力画像の濃度値に依存して、鮮鋭化と平滑化とを同時に行うことができる。 【0174】以上説明したように、実施形態5によれば、出力画像の濃度レベルに基き係数を増減するようにしているので、画像の濃度がいかように変更されようが、出力画像の濃度レベルに応じた鮮鋭化効果を得ることができる。また、濃度値と係数増減との関係をパターン化することで、鮮鮮鋭化処理効果をイメージしやすく、処理内容の調整が容易になる効果もある。 【0175】さらに、濃度値と画素値との関係を記述する階調変換曲線を介して濃度値と係数増減との関係を記述することで、画像の階調変換曲線を変更しても、同一の濃度レベルに対して、実質的に同一の鮮鋭化の処理効果を容易に得ることができる。また、階調変換曲線の修正を可能にしているため、濃度の調整を容易に行えるとともに、調整された濃度に応じて鮮鋭化の処理内容をも変更することができる。 【0176】また、階調変換曲線に基づいて空間周波数処理の内容を規定できるため、オペレータによる処理内容の調整の手間を省くことができ、また、複雑な解析処理をおこなわずとも、安定した処理効果を得ることができる。加えて、出力画像の濃度値に応じて処理効果を規定するため、オペレータの視覚感度との整合を図りやすくすることができる。 【0177】<実施形態6>実施形態6は、出力画像(可視画像)の濃度値に依存してノイズ除去効果を安定させる構成について説明する。図12において、ノイズ解析回路116は、ノイズ除去処理のための解析回路であり、その他の回路については、実施形態5と同様の処理をするため、同一の番号を付して説明を省略する。 【0178】図16は本発明の実施形態6のX線撮影装置の動作を示すフローチャートである。 【0179】尚、図16において、実施形態5の図15の処理と同様な処理は、同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。 【0180】また、図17は一般に遮断又はウェーブレット縮退等といわれるノイズ減少用の係数変換曲線を示し、横軸が入力係数値、縦軸が変換後の係数値(出力係数値)を示す。ここで、701が遮断幅といわれる範囲であり、遮断幅701の領域では、出力係数値が入力係数値よりも減少される。この遮断幅が広がるほど係数値が減少する範囲が増加し、ノイズ除去効果が増加する。 【0181】更に、図18は、図17の遮断幅701と濃度値との関係を示す図であり、横軸が濃度値、縦軸が遮断幅を示す。また、この関係は部位情報、撮影情報(撮影条件)などにより変更される。特に、濃度値が低くなるほど、その濃度値に対応する遮断幅701が大きくなるため、濃度値が低くなるほど、ノイズ除去効果が大きくなる。 【0182】ステップS611:まず、階調変換調整回路113は、原画像Org(x,y)に対して、階調変換曲線f()を用いた階調変換処理を施し、階調変換後の画像f(Org(x,y))を生成する。 【0183】尚、"(x,y)"は、画像上での画素の位置(座標)を表す。 【0184】そして、この画像f(Org(x,y))に対して、ステップS214及びステップS216の処理を施し、高周波係数群HL、LH、HHを含む複数の周波数帯域(サブバンド)の係数を取得する。 【0185】ステップS614:ノイズ解析回路1116は、取得した高周波係数群HL、LH、HHの係数値に基いて、各高周波係数がノイズであるか否かを判定する。 【0186】具体的な方法は、上記図2に示したステップS202での処理と同様である。まず、HL、LH、HHの3つのサブバンドに対して、それぞれのサブバンド毎に所定の閾値を設定する。 【0187】次に、ノイズ解析回路1116は、上記の設定閾値に基づいて、高周波係数HL、LH、HHに対して閾値処理を施す。具体的には、図4に示した処理と同様に、閾値処理を実行する。次に、その閾値処理結果に基づいて、周波数係数変換回路1117による処理の対象画素(対象係数)を決定する。すなわち、閾値処理に基づく各サブバンドの2値化画像の画素値がいずれも「1」である画素に対応する各サブバンドの画素(係数)がノイズであるとして、その係数の位置情報(ノイズ判別情報)をメインメモリ109に保存する。 【0188】ステップS615:周波数係数変換回路1117は、ノイズを減少させるための係数変換処理として、以下の処理を実行する。 【0189】まず、図18で決まる濃度Yと遮断幅Wの関係を W=H(Y) (17) とする。 【0190】また、上述のようにして確定した階調変換曲線において画素値Xと濃度Yとの関係が(14)式より、Y=F(x)である。従って、 W=H(F(x)) (18) として、遮断幅Wと画素値の関係が記述される。 【0191】周波数係数変換回路1117は、メインメモリ109に保存されるノイズ判別情報からノイズに対応する係数を、図17で示される係数変換曲線を用いて変換する。この場合、遮断幅Wは係数の座標に対応する原画像の座標の画素値xに基づいて変更される。 【0192】ステップS218:復元回路117は、上記図2に示したステップS206での処理と同様にして、周波数係数変換回路1117で処理された後の周波数係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、ノイズが減少された画像を生成する。 【0193】以上説明したように、実施形態6によれば、出力画像(可視画像)の濃度値レベルに基いて、ノイズを減少する処理の内容を決定するため、同一の濃度値レベルに対しては同一の処理効果を得ることができる。また、ノイズを減少する処理の内容を、階調変換曲線を介して画素値と関係づけたため、階調変換曲線が変更されても、ノイズを減じる処理効果を容易に安定させることができる。このことは、一定濃度には一定の処理効果が起きることを意味する。また、遮断幅を被写体の撮影対象部位の情報、撮影情報(撮影条件)等に応じて変更するようにすれば、更に適切なノイズ除去効果を得ることができる。 【0194】<実施形態7>本発明は、例えば、図19に示すようなX線装置2100に適用される。 【0195】尚、実施形態7のX線撮影装置2100において、上記図1に示したX線撮影装置100の構成と同じ構成は同一の参照番号を付し、その詳細については省略する。 【0196】画像処理回路112において、第1階調変換回路2112は、原画像を階調変換するための第1階調変換曲線を作成するとともに、該第1階調変換曲線で原画像の階調変換を行う。 【0197】第2階調変換回路2113は、第1階調変換回路2112で作成された第1階調変換曲線に基いて、ダイナミックレンジを変更するための第2階調変換曲線を作成するとともに、該第2階調変換曲線で画像の階調変換を行う。 【0198】解析回路2114は、第2階調変換回路2113で作成された第2階調変換曲線の傾きから、原画像の画素値と周波数係数の変更度との関係を解析する。 【0199】パラメータ決定回路2118は、あらかじめ、第1階調変換回路2112による第1階調変換曲線と、その第1階調変換曲線を用いて階調変換した階調変換後の画像とを表示器111に表示し、第1及び第2の階調変換曲線のパラメータを決定するためのパラメータ決定回路である。加えて、パラメータ決定回路は、階調変換曲線の形状を変更するための各種パラメータを入力する入力回路を兼ねている。 【0200】図20は表示器111で表示される表示例を示している。この表示例において、421は、対象画像の階調変換処理後の画像を示している。422は、第1階調変換回路2112で作成される第1階調変換曲線形である。423は、第2階調変換回路2113で作成される第2階調変換曲線形を、後述する様に、第1階調変換曲線形と複合した複合階調変換曲線表示したものである。424は、第1階調変換曲線形を平行移動する、つまり、一定濃度値に対する画素値の値をシフトする(すなわち、階調変換曲線を横軸に沿って全体的にシフトする)ための移動度を入力するためのシフト部である。425、427はそれぞれ、第1階調変換曲線、第2階調変換曲線の傾きを変更するパラメータの値(ガンマ値)を変更するための第1及び第2傾き変更部である。426は第2階調変換曲線において傾きの変化する起点となる濃度値(起点濃度)を指示する指示部であり、この濃度値に対応する画素値を第1階調変換曲線から算出し、算出した画素値に基いて、第2階調変換曲線を変更するものである。 【0201】図21は第1階調変換曲線と第2階調変換曲線との関係を示している。 【0202】図21において、521は、第2階調変換回路113で作成される第2階調変換曲線を示している。指示部426で入力された起点濃度1.0に対応する画素値以下の画素値領域について、変更部427で入力された傾きに応じた傾きとして作成された曲線を示している。尚、起点濃度1.0に対応する画素値を超える画素値領域については、傾きを1としている。 【0203】図22は本発明の実施形態7のX線撮影装置の動作を示すフローチャートである。 【0204】ステップS220:パラメータ決定回路2118は、第1及び第2階調変換曲線のパラメータを決定する。この詳細について、図23を用いて説明する。 【0205】ステップS321:前処理回路106で処理された後の原画像f(x,y)を、CPU108の制御によりCPUバス107を介して受信した第1階調変換回路2112は、あらかじめ決められたパラメータに従って、(19)式における第1階調変換曲線F()を作成する。また、第2階調変換回路113は、(20)式における第2階調変換曲線F1()を作成する。 【0206】 P(x,y)=F(f(x,y)) (19) P(x,y)=F(F1(f(x,y))) (20) ここで、f(x,y)は原画像の画素値を示し、x,yは原画像上の座標を示す。また、P(x,y)は階調変換処理後の画像の濃度値を示す。ここに、例えば、第1階調変換曲線F()の曲線形を図20の422とし、第2階調変換曲線F1()の曲線形を図21の521とする。 【0207】尚、第1階調変換曲線F()は、例えば、被写体画像の画素値特徴量を解析する解析部(不図示)から得られた特徴量及び初期パラメータを用いて作成される。 【0208】一方、第2階調変換曲線は、第1階調変換曲線形が決定した後、初期パラメータに基き解析的に決定される。第1階調変換曲線は、原画像の画素値と濃度値との関係を規定するが、この関係及び初期値に基いて、第2階調変換曲線形が決定される。例えば、図21に示すように、濃度1.0以下の濃度に対応する原画像のダイナミックレンジを変更する場合には、第1階調変換曲線422で決まる濃度1.0に対応する画素値以下の画素値領域のダイナミックレンジを変更するように、第2階調変換曲線521が決定される。 【0209】ステップS322:表示器111は、階調変換処理後の画像P(x,y)を表示し、これを、例えば、図20の421とする。さらに、表示器111は、パラメータ入力用に用いるグラフィカル・ユーザ・インタフェースとして、シフト部424、第1傾き変更部425、起点濃度指示部426、第2傾き変更部427を表示する。 【0210】ステップS323:CPU10は、オペレータからの、原画像の階調変換処理を変更するための入力の有無を判定する。変更の入力がない場合、処理を終了して、図22のステップS221に進む。一方、変更の入力がある場合、ステップS324に進む。 【0211】ステップS324:オペレータが、階調変換処理内容を変更したい場合に、所望のパラメータの入力を、シフト部424、第1傾き変更部425、起点濃度指示部426、第2傾き変更部427を介して行うと、当該変更内容をパラメータ決定回路2118が受付ける。 【0212】ステップS325:第1階調変換回路2112は、入力されたパラメータから第1階調変換曲線の形状を変更して新たな第1階調変換曲線を作成する。 【0213】ステップS326:第2階調変換回路2113は、入力されたパラメータ及び作成された第1階調変換曲線に基づいて、第2階調変換曲線を作成するためのパラメータを計算する。 【0214】ステップS327:第2階調変換回路2113は、計算したパラメータに従って、(20)式で示した第2階調変換曲線F1を作成する。 【0215】ステップS328:第1階調変換回路2112及び第2階調変換回路2113は、第1階調変換曲線及び第2階調変換曲線を用いて、対象画像に対して順次階調変換処理を行う。 【0216】ステップS329:表示器111は、新たな階調変換処理後の画像P(x,y)を表示する。尚、このとき、変更された階調処理曲線も、図20と同様に、表示される。 【0217】尚、ステップS220でのパラメータの決定過程では、処理後画像の濃度特性を観察するのが目的であるため、表示画像は、原画像と同一サイズの画像である必要はなく、濃度調整に支障の無い程度の大きさの画像(間引き画像又は縮小画像)であればよい。また、同様の理由から、ダイナミックレンジの圧縮に伴う高周波強調等の周波数処理をこの段階で行うことは、必ずしも必要ではない。 【0218】このことにより、計算時間を短縮でき、パラメータ調整を容易に行うことができる。 【0219】図22の説明に戻る。 【0220】ステップS221:解析回路2114は、高周波成分の調整を行うため、原画像の画素値f(x,y)と周波数係数の変更度との関係を解析する。具体的には、後述する周波数係数を変更する度合い(変更度)である係数C(x,y)を(21)式に従い算出する。 【0221】 C(x,y)=(1/F1´(f(x,y))) (21) ステップS222:周波数成分分解回路115は、原画像f(x,y)に対して、上記図2に示したステップS201での処理と同様にして、2次元の離散ウェーブレット変換処理を施し、複数の周波数帯域(サブバンド)の係数を取得する。 【0222】ステップS223:周波数係数変換回路116は、(21)式で解析的に求めたC(x,y)を、(22)式に示すように高周波係数に乗算することで、周波数帯毎の係数を変換する。ここで、hn(x,y)をnレベルの周波数係数、h2n(x,y)を、hn(x,y)を係数変換した後の係数の値とする。 【0223】 h2n(x,y)=C(x,y) × hn(x,y) (22) このように、高周波係数を変更することで、ダイナミックレンジ変更後の画像においても、原画像と同様の微細構造のコントラストを維持できる。尚、(22)式の右辺に、調整可能な係数を更に乗算可能に構成することにより、周波数係数を変更する強度を調整することもできる。また、原画像の濃度値レベルを決定する第1階調変換曲線に基いて、第2階調変換曲線を決定し、第2階調変換曲線の傾きに基いて周波数係数を変更しているため、周波数処理(周波数処理とは、周波数係数を変更することを意味する)対象の画素値領域を濃度値レベルに対応付けることができる。 【0224】ステップS224:復元回路117は、上記図2に示したステップS206での処理と同様にして、周波数係数変換回路116で処理された後の周波数係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、復元画像f2(x,y)を生成する。 【0225】ステップS225:第1階調変換回路2112、第2階調変換回路2113は、(22)式に従って、復元画像f2(x,y)に対して、階調変換処理を施すことにより、階調変換処理後画像f3(x,y)を生成する。 【0226】 f3(x,y)=F(F1(f2(x,y))) (22) 尚、階調変換処理の順序はこの逆であってもよい。尚、上述の方法では、起点濃度以下に対応する画素値領域に対し階調変換曲線の傾きを変更したが、起点濃度以上に対応する画素値領域に対し階調変換曲線の傾きを変更するのも同様な方法で行える。 【0227】以上説明したように、実施形態7によれば、第1階調変換曲線とダイナミックレンジを変更する第2階調変換曲線との複合曲線を表示することで、階調変換処理とダイナミックレンジ変更処理との関係を容易に把握できる。また、ダイナミックレンジを変更するためのパラメータ調整を容易に行えるとともに、適切にダイナミックレンジを変更することができる。 【0228】また、第1及び第2階調変換曲線のパラメータを自在に変更できるので、第1及び第2階調変換曲線の曲線形を自在に変更でき、また、ダイナミックレンジ(濃度値範囲)を変更する画素値範囲及び変更度合いも自在に変更できる。 【0229】また、階調変換処理後の画像(可視画像)の濃度値レベルを決定する第1階調変換曲線に基いて、第2階調変換曲線を決定し、第2階調変換曲線の傾きに基いて周波数係数を変更しているため、周波数処理対象の画素値領域を濃度値レベルに対応付け、周波数処理を濃度値レベルに応じて行うことができる。 【0230】<実施形態8>実施形態8は、出力画像(可視画像)の画素濃度(フィルム濃度又はCRT輝度等)を規準とした周波数処理及びノイズ除去処理に関するものである。特に、ダイナミックレンジ変更処理を行うと、フイルム濃度、CRT輝度などはそれにより変更されるが、その変更の影響を受けない高周波強調処理、ノイズ除去処理等の統合処理系を提供することを趣旨とするものである。 【0231】尚、実施の形態8は、実施形態7(図19)とは、解析回路2114内の構成が異なる。 【0232】図24は本発明の実施形態8の解析回路2114の詳細構成を示す図である。 【0233】図24の解析回路2114において、第1解析回路701は、第2階調変換曲線の傾きから画像の画素値と周波数係数の変更度との関係を求める。ノイズ解析回路702は、周波数係数の値からノイズであるか否かを解析する。第2解析回路703は、あらかじめ決められる濃度と周波数処理効果の強弱との関係を規定するパターン、あらかじめ決められる濃度とノイズ除去効果の強弱との関係を規定するパターンを、第1及び第2階調曲線形曲線を介して、画素値とこれら効果との関係を規定するパターンに変更する。 【0234】図25は本発明の実施形態8のX線撮影装置の動作を示すフローチャートである。 【0235】ステップS220:パラメータ決定回路2118は、上記図22に示したステップS220での処理と同様にして、第1及び第2階調変換曲線のパラメータを決定する。 【0236】ステップS221:解析回路2114内の第1解析回路721では、上記図22に示したステップS221での処理と同様にして、原画像の画素値f(x,y)と周波数係数の変更度との関係を解析する。 【0237】ステップS821:解析回路2114内の第2解析回路723は、規準とする係数変換パターン301(図13)と、第1階調変換回路2112及び第2階調変換回路2113による各階調変換曲線を複合した複合階調変換曲線423(図21)から、原画像の画素値f(x,y)と係数変換との関係に変更する解析を行う。 【0238】具体的には、図13で示される濃度値と係数の変更倍率B(x,y)との関係を示す曲線形を B(x,y)=H(P) (23) とする。ここで(x,y)は画像の座標を示し、Pを濃度値とする。 【0239】また、実施形態7から、(24)式の関係が得られる。 【0240】 P(x,y)=F(F1(f(x,y))) (24) そこで、第2解析回路723では B(x,y)= H(F(F1(f(x,y)))) (25) なる周波数係数の変更倍率B(x,y)を算出し、メモリ109に保存する。 【0241】また、図17における遮断幅W(x,y)と濃度値Pとの関係を示す曲線形を(26)式で表す。 【0242】 W(x,y)=H2(P) (26) そこで、第2解析回路723では W(x,y)=H2(F(F1(f(x,y)))) (27) なる遮断幅W(x,y)を算出し、メモリ109に保存する。 【0243】ステップS222:周波数成分分解回路115は、前記図2に示したステップS201での処理と同様にして、画像に対して、2次元の離散ウェーブレット変換処理を施し、複数の周波数帯域の係数を取得する。 【0244】ステップS822:ノイズ解析回路722は、取得した高周波係数HL、LH、HHの値に基いて、その高周波係数がノイズであるか否かを判定する。 【0245】具体的な方法は、上記図2に示したステップS206での処理と同様にして、高周波係数HL、LH、HHの3つのサブバンドに対して、それぞれのサブバンド毎に任意の閾値を設定する。 【0246】次に、ノイズ解析回路722は、上記の設定閾値に基づいて、高周波係数HL、LH、HHに対して閾値処理を施す。具体的には、図3に示した処理と同様にして、閾値処理を実行する。次に、その閾値処理に基づいて、周波数係数変換回路1117の処理対象の画素(対象係数)を決定する。具体的には、各サブバンドの2値化画像の画素値がいずれも「1」である画素に対応する各サブバンドの画素(係数)をノイズであるとして、その係数の周辺係数の平均値を計算する。そして、この計算された平均値とその位置情報(ノイズ判別情報)をメインメモリ109に保存する。 【0247】ステップS823:周波数係数変換回路116は、周波数係数の変換を行う。ここで、図17で示される係数の変換曲線形を(28)式で表すこととする。ここで、k(x,y)が座標(x,y)に対応する周波数係数、k1(x,y)が変換後の周波数係数である。 【0248】 k1(x,y)=H3(k(x,y)) (28) 次に、周波数係数変換回路116は、ノイズ解析回路722で解析されたノイズ成分に対して k2(x,y)=C(x,y)XH(F(F1(f(x,y))))XH3(k(x,y)) (29) なる周波数係数変換を行う。また、ノイズ成分以外には k3(x,y)=C(x,y)XH(F(F1(f(x,y))))Xk(x,y) (30) なる周波数係数変換を行う。 【0249】ステップS224:復元回路117は、上記図2に示したステップS206での処理と同様にして、周波数係数変換回路116で処理された後の周波係数に対して、逆離散ウェーブレット変換処理を施すことにより、画像を生成する。 【0250】以上説明したように、実施形態8によれば、ダイナミックレンジ変更処理、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理等の複数の処理を、出力画像(可視画像)の濃度値または輝度値に依存して行うことができる。そのため、濃度値や輝度値の変更の影響を受けることなく、同一の濃度値又は輝度値レベルに対しては同一の処理効果を得ることができる。 【0251】また、画像をあらかじめ周波数帯域に分解したうえで、ノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を複合的かつ適切に行うので、両者で矛盾する効果を生じることなく、効率よくノイズ除去処理及び鮮鋭化処理を行うことができる。また、ダイナミックレンジ変更処理及び鮮鋭化処理を複合的かつ適切に行うので、両処理の影響が干渉せず、画質の劣化が生じない。また、ノイズ除去処理、鮮鋭化処理及びダイナミックレンジ変更処理を複合的かつ適切に行うため、それぞれの処理を、干渉することなく行え、それぞれの処理の目的を達することができ、また、複合処理された画像の画質向上が図れる。さらに、周波数処理のための重複した処理を行わないため、計算時間の短縮を図ることができる。 【0252】尚、本発明の目的は、実施形態1〜8の装置又はシステムの機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、装置又はシステムに供給し、その装置又はシステムのコンピュータ(CPU又はMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読みだして実行することによっても、達成されることは言うまでもない。 【0253】この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が実施形態1〜8の機能を実現することとなり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体及び当該プログラムコードは本発明を構成することとなる。 【0254】プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。 【0255】また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、実施形態1〜8の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって実施形態1〜8の機能が実現される場合も本発明の実施の態様に含まれることは言うまでもない。 【0256】さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって実施形態1〜8の機能が実現される場合も本発明の実施の態様に含まれることは言うまでもない。 【0257】図26は、前記コンピュータの機能1000の構成を示したものである。 【0258】コンピュータ機能1000は、前記図26に示すように、CPU1001と、ROM1002と、RAM1003と、キーボード(KB)1009に関する制御を行うキーボードコントローラ(KBC)1005と、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)1010に関する制御を行うCRTコントローラ(CRTC)1006と、ハードディスク(HD)1011及びフロッピー(登録商標)ディスク(FD)1012に関する制御を行うディスクコントローラ(DKC)1007と、ネットワーク1020との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)1008とが、システムバス1004を介して互いに通信可能に接続されて構成されている。 【0259】CPU1001は、ROM1002若しくはHD1011に記憶されたソフトウェア、又はFD1012より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス1004に接続された各構成部を総括的に制御する。 【0260】すなわち、CPU1001は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM1002若しくはHD1011、又ははFD1012から読み出して実行することで、上述した実施形態1〜8の動作を実現するための制御を行う。 【0261】RAM1003は、CPU1001の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。KBC1005は、KB1009や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力に関する制御を行う。CRTC1006は、CRT1010の表示に関する制御を行う。 【0262】DKC1007は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び所定の処理プログラム等を記憶するHD1011及びFD1012へのアクセスに関する制御を行う。 【0263】NIC1008は、ネットワーク1020上の装置或いはシステムと、双方向にデータをやりとりする。 【0264】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複数の画像処理を統合的、効率的且つ適切に行うことのできる、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム、及び当該プログラムを格納しているコンピュータ可読記憶媒体を提供できる。 【0265】また、安定した画像処理効果の得られる、画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラム、及び当該プログラムを格納しているコンピュータ可読記憶媒体を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
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| 【出願日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076428 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 康徳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−76992(P2003−76992A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月14日(2003.3.14) |
| 【出願番号】 |
特願2002−138875(P2002−138875) |
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