| 【発明の名称】 |
自動指紋識別方法及びそれを使用する端末 |
| 【発明者】 |
【氏名】ヘイッキ アイリスト
【氏名】ミッコ リンドホルム
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| 【要約】 |
【課題】人の1対1の識別を行う新規な自動指紋識別方法を、限られた計算能力の装置で確実に行われる方法によって提供する。
【解決手段】本発明に係る方法では、3つのステップが実行される。粗い位置決めステップ32は、いくつかの参照点を用いて、検査対象の指紋とテンプレートとを比較する。精細な位置決めステップ33は、合致する指紋の細部を用いて、指紋とテンプレートとを整合させる最良の形態変化を選定する。整合ステップ34は、検査対象の指紋と既知のテンプレートとを互いに整合し、整合する細部からパラメーターを計算して、そのパラメーターにより最終的な識別判定を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 識別されるべき指紋とメモリーに記憶されたテンプレートとを整合する自動指紋識別方法において、粗い位置決めステップ(32)と、精細な位置決めステップ(33)と、整合を示すパラメーターを計算し、それに基づいて前記指紋の識別についての判定を行う指紋整合ステップ(34)と、を有することを特徴とする方法。 【請求項2】 前記粗い位置決めステップ(32)は、前記指紋の参照点及び整合されるテンプレートの参照点を検索するステップ(322)と、それら参照点により前記指紋を位置決めするステップ(323)と、を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記指紋内に5つ以下の参照点を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。 【請求項4】 前記位置決めにおいて、検査される前記指紋を、回転せずに形態変化させて、前記指紋の参照点及び前記テンプレートの参照点を位置決めすることを特徴とする請求項2に記載の方法。 【請求項5】 前記指紋の前記参照点及び前記テンプレートの前記参照点は、全体の指紋パターンの大きさが500x500ピクセルであって、それら参照点が互いに50ピクセルより大きく離れて配置されていないときは、整合しているとみなされることを特徴とする請求項4に記載の方法。 【請求項6】 前記精細な位置決めステップ(33)は、検査される前記指紋の形態変化によって、細部のペアを互いに位置決めするステップであって、前記細部のペアは、前記指紋の隆線と前記テンプレートの隆線、前記指紋の末端部と前記テンプレートの末端部、及び前記指紋の分岐点と前記テンプレートの分岐点の1つを表すステップ(332)と、前記細部の位置決めの検査を行うステップ(333)と、前記精細な位置決めにて使用される形態変化データを記憶するステップ(334)と、前記精細な位置決めにて使用される前記形態変化の中から最良の形態変化を選定するステップ(336)と、を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項7】 検査される前記指紋の前記形態変化が、検査面における前記指紋の平行移動及び回転を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。 【請求項8】 前記細部の位置決めの検査は、与えられた条件によって画定される領域内に複数の末端部が配置されることと、複数の隆線長が与えられた条件に従って一致していることと、複数の隆線形状が与えられた条件に従って整合していることと、の検査を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。 【請求項9】 前記指紋の全体の大きさが500x500ピクセルであって、前記複数の末端部の距離が50ピクセルより小さいときは、前記複数の末端部は位置決めされているとみなされることを特徴とする請求項8に記載の方法。 【請求項10】 前記複数の隆線長の距離が10ピクセル+隆線長の10%を超えていないときは、前記複数の隆線長は一致しているとみなされることを特徴とする請求項8に記載の方法。 【請求項11】 前記隆線の前記末端部から測定した前記隆線長の1/4、1/2及び3/4における双方の隆線の点の距離が0.6x(10ピクセル+隆線長の10%)を超えないときは、検査される前記指紋の前記複数の隆線形状は整合しているとみなされることを特徴とする請求項8に記載の方法。 【請求項12】 前記最良の形態変化は、前記指紋及び前記テンプレートにおける整合した隆線の数が最多となる形態変化であることを特徴とする請求項6に記載の方法。 【請求項13】 前記指紋整合ステップ(34)は、検査される前記指紋の1つの隆線(41)及びそれに対応するテンプレートの隆線(42a)の末端部(21、22)の少なくとも1つが最大距離条件(40)を満たすように、前記検査される前記指紋の1つの隆線(41)及び前記それに対応するテンプレートの隆線(42a)を選定するステップ(341)と、前記隆線の長い方(42a)をカットして、前記隆線の短い方(41)の長さに合わせるステップ(342)と、前記隆線(41、42b)を所定の角度より小さい角度だけ回転させることによって、前記隆線(41、42b)を整合させることができるかどうかを検査するステップ(343)と、前記隆線(41、42b)の対応する複数の点の間の距離を、点毎に測定するステップ(344)と、前記点毎の整合が、与えられた制限値に従うかどうかを検査するステップ(345)と、ペアとして認められる前記隆線(41、42b)の合致を示すパラメーターを計算し、計算された前記パラメーターを保存するステップ(346)と、検査可能な隆線のペアの全てが既に検査されているかをチェックするステップ(347)と、比較が行われた全ての特定の隆線に基づいて、検査される前記指紋の標準化されたパラメーターを計算するステップ(348)と、前記標準化されたパラメーターに基づいて、人の同一性を判定するステップ(349)と、を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。 【請求項14】 前記複数の隆線(41、42b)の前記複数の末端部の少なくとも1組が、25ピクセルを超えて離れていないことを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項15】 前記隆線(41、42b)は、双方の隆線を最大0.1ラジアン回転させることによって、平行になることを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項16】 整合された前記隆線(41、42b)の前記距離(d)の前記点毎の比較において、10ピクセル+隆線長の5%を超える距離(d)が測定されないときは、前記隆線は合致しているとみなされることを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項17】 末端部条件、回転条件及び合致条件を満たす前記隆線のペアのために、整合する細部のペア毎に1増加する識別カウンター値と、前記隆線(41、42b)が有するペアの点の距離から計算される距離(d)の合計(Σd)と、計算された合致隆線(41、42b)の長さと、合致隆線の長さの2乗を、整合された前記隆線の元の合計長さ(41、42a)で除して求められる加重長さと、のパラメーターが、計算され保存されることを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項18】 前記指紋のために標準化されたパラメーターが計算され(348)、前記標準化されたパラメーターは、標準化された識別カウンター値と、合致隆線の標準化された合計長さと、標準化された加重長さと、前記隆線のペアについて計算された対応する点の距離の平均値のためのパラメーターと、を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項19】 前記標準化された識別カウンター値は、前記識別カウンター値を、双方の指紋に見出された隆線の平均の数で除することにより得られることを特徴とする請求項18に記載の方法。 【請求項20】 合致隆線の前記標準化された合計長さは、合致隆線の合計長さに2を乗じて、双方の指紋に見出された全ての隆線の合計長さで除することにより得られることを特徴とする請求項18に記載の方法。 【請求項21】 前記標準化された加重長さは、個々の細部の加重長さを計算し、双方の指紋に見出された全ての隆線の合計長さで除することにより得られることを特徴とする請求項18に記載の方法。 【請求項22】 前記隆線のペアについて計算された対応する点の距離の平均値のための前記パラメーターは、位置決め可能な全ての隆線のペアが有する前記距離の合計(Σd)を、双方の指紋に見出された全ての隆線の合計長さで除することにより得られることを特徴とする請求項18に記載の方法。 【請求項23】 標準化されたパラメーターに基づく識別判定(349)において、N次元空間に設定された閾値を用いる識別方法、デシジョンツリー識別方法又はニューラルネットワーク演繹識別方法の1つを利用することを特徴とする請求項18に記載の方法。 【請求項24】 携帯電話ネットワークの端末であって、前記端末へのPINコードの入力が、請求項1に記載のユーザー識別に置き換えられていることを特徴とする携帯電話ネットワークの端末。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、識別すべき指紋をメモリー内のテンプレートと比較する自動指紋識別方法に関する。さらに、本発明はその方法を使用する端末に関する。 【0002】 【従来の技術】人を識別する必要性は、古くからある。最古の既知の識別方法は、恐らく人の指紋に基づくものである。既に何千年分もの研究者の様々な文献が、指紋の型をシール上に作ることにより正当化されている。1900年代の初期において、犯罪調査者が指紋をその業務に使い始めた。指紋は、個々人に特有のものでありかつ終生変更できないものであることが、この頃までに確認されていたからである。光学的に指紋を比較し、それと合致するデータベース内の指紋を検索する特殊な指紋照合装置は、20世紀に開発された。 【0003】個々人を高い信頼性で自動識別することは、発展的な課題である。人々は、より頻繁に、各自の銀行や他の事柄を、信頼できるユーザー識別を必要とする装置を使用して管理している。このことは、識別番号又はそれに類するものを使用して通常は達成される。そのような識別番号又はコード名は、個人識別コード(personal identification codes)又はPINコードと呼ばれる場合がある。4桁のPINコードの場合、一万分の一の確率で、権限のないユーザーが他のユーザーのPINコードを偶然に発見する。故に多数の異なるサービスシステムが使用され、また多数の異なるセキュリティコードが必要とされる。それらのコードの全てを記憶することは、特に高齢者には困難な場合がある。一方、仮にある人が多くのシステムにおいて同じコードを使用している場合は、もしそのコードがあるシステムにおいて発見されると、その人のコードは、その人が利用する他の全てのシステムにおいて不法に使用されるという危険性がある。 【0004】これらの問題により、様々な生物測定学的自動識別方法が開発された。そのような方法においては、個々人の識別は、例えば指紋、手の形状、眼の虹彩又は眼底、顔の形状、声、又はキーボードに関連したユーザーのキー押し操作の強弱に基づく。いかなる自動識別においても、人の識別は、当該人の特徴が圧縮形態で保存されたテンプレートの使用に基づく。整合プロセスに基づいて、その人の同一性が識別される。識別作業は、「1対多」を識別することができ、また犯罪の場合には「1対1」を識別できる。この識別作業は、例えば種々のサービス自動機械に関連したPINコードの使用と置き換えられる。後者の方法は、通常は照合(verification)と呼ばれる。 【0005】指紋を基礎とする自動識別は、識別方法としてはまだ時事的である。しかしながら、その単純さにも関わらず、同時にその利用は複雑である。図1(a)は、記録された指紋を示す。指紋、特に犯罪調査に関して記録された指紋は、時として重度に、不鮮明で破損している場合がある。従って、部分的な指紋からでも識別が可能であるべきである。図1(a)はまた、自動識別を困難にする他の事柄も示している。指先の弾性は、ある範囲で指紋の形状や大きさに常に影響する。さらに、指紋には、真の指紋にはないいくつかの誤った特徴が常にある。これらは、例えば指が僅かに動いたときに発生する。指紋に基づく自動識別は、このような誤差要因を考慮しなければならない。実際に、指紋の自動識別においては、検査対象である指紋の画像ファイルはある方法で画像処理される必要がある。そのような方法は、指紋の真の特徴を明らかにし、その方法によればその指紋に正当に属するとは思われない特徴を、その指紋から除去する。図1(b)は、図1(a)に示した指紋を画像処理した画像ファイルの図である。指紋の隆線は、記録された指紋の基本パターンを形成する細線で表される。 【0006】図2は、図1(b)の詳細図であり、指紋のいくつかの細部を示している。そのような細部には、特に、隆線23、分岐点20及び末端部21、22が含まれる。指紋の識別は、例えば、これらの細部と既存のテンプレートとの整合(matching)に基づく。他の選択としては、指紋の様々な点における隆線方向の比較がある。しかし、指紋に見られる誤った特徴によって、識別はより困難になる。識別が確実に行われるためには、これらの誤った特徴は可能な限り発見されねばならない。しかしながら、エラーの解析及び除去は、多大な計算能力を必要とする。従って、適当な処理能力及びメモリー容量を備えた携帯型装置における、指紋に基づく自動識別が問題となる場合がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、人の「1対1」の識別が、限られた計算能力の装置で確実に行われる方法によって、新規な指紋識別方法を提供することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明のその目的は、3段階の識別方法によって達成される。その方法は、比較される指紋とテンプレートとを粗く位置決めするステップ、比較される指紋のための最適な形態変化を選定するために精細に位置決めするステップ、及び形態変化した指紋の同一性を判定する整合ステップを有する。 【0009】本発明に係る自動識別方法は、粗い位置決めを行うステップと、精細な位置決めを行うステップと、整合状態を示すパラメーターが計算され、それに基づいて指紋の識別についての判定が行われる指紋の整合ステップとを有することを特徴とする。 【0010】本発明に係る端末は、PINコードの端末への入力が、指紋に基づく自動識別に置き換えられることを特徴とする。 【0011】本発明の有益な実施形態は、従属請求項に示されている。 【0012】本発明の思想は、基本的には以下の通りである。指紋の識別は、3段階のプロセスで実行される。第1ステップでは、検査される指紋とメモリーに記憶されたテンプレートが粗く位置決めされる。このことは、比較される指紋に見られるいくつかの参照点(細部)を用いて実行される。その指紋とテンプレートとの間の参照点が最も良く一致する状態を見出すために、検査される指紋は、回転させられずに画像処理される。次のステップでは、精細な位置決めがなされる。検査される指紋は、指紋の細部及び隆線が最もよく合致するように、そこで平行移動及び回転させられる。第3のステップは指紋の整合であり、そこでは、個々の隆線をペアで組み合わせるために、隆線の局所的な平行移動及び回転が行われる。これらの隆線のペアのために、計算されたパラメーターが、整合精度を示すとともに、指紋とテンプレートにおける隆線のペアの最良の整合を行うための判定基準として使用される。指紋上で識別される隆線のペアのためのこれらのパラメーターは、指紋の総合的な識別を示すパラメーターを導出するために使用され、その総合的な識別は、指紋の同一性の判定に利用される。 【0013】本発明に係る識別方法の長所は、複雑な形態変化や計算アルゴリズムを必要とせず、それにより、限られた計算能力及びメモリー容量の装置において、その識別方法を利用できることである。 【0014】本発明を、添付図面を参照して、以下にさらに詳細に説明する。 【0015】図1(a)、(b)及び図2については、従来技術の説明に関連して既述されている。 【0016】 【発明の実施の形態】図3は、本発明に係る方法の3つの主なステップのフローチャートの一例を示す。この図は、1対1の自動識別、すなわち人の身元照合を含む場合を表している。指紋識別プロセスは、ステップ31から始まることが適当である。ステップ32では、識別される指紋とメモリーに記憶されたある人の指紋のテンプレートとが粗く位置決めされる。識別される指紋は、指紋上に見出されたいくつか(4〜5)の「参照点」を用いて、比較される指紋が位置決めされ得るように、平行移動される。 【0017】精細な位置決めステップ33では、指紋上に見出された隆線23、分岐点20及び末端部21、22を使用する。このステップにおいては、合致すると思われるいくつかの細部の整合が試行される。整合の試行が個別的に行われている間は、検査される指紋全体の形態変化を行うことが可能である。細部のペアの比較が全て完了したら、細部の整合を最も多く生じさせた形態変化が選定される。 【0018】整合ステップ34では、検査される指紋と指紋テンプレートとの間で、個々の隆線のペアが対比される。このステップでは、隆線の平行移動及び隆線の回転が可能である。各々の整合試行のために、当該の隆線のペアの整合精度を示すパラメーターが計算される。隆線の整合試行が全て完了したら、隆線のための個別的パラメーターの全てが、指紋全体の整合を表すパラメーターの計算に使用され、それに基づいて指紋の同一性についての判定がなされる。この判定の後、識別プロセスはステップ35で終了する。 【0019】図4は、本発明に係る粗い位置決めステップ32に含まれる複数のステップを示している。指紋の識別はステップ321から始まり、粗い位置決めが開始される。粗い位置決めは、双方の指紋に見出されたいくつかの「参照点」を用いて実行される。これらの参照点は、例えばLOCCS(Local Orientation Change Circular Sum)方法のような、ステップ322を用いて見出される。他の既存の従来技術もまた使用可能である。検査される指紋画像の参照点は、テンプレート上の対応する細部と比較される。検査される指紋の形状は、それらの指紋が合致するように変えることができる(ステップ323)。しかし、この形態変化においては、指紋は回転しないことに留意すべきである。さらに、参照点は、比較される2つの指紋パターンにおいて完全に一致する必要はない。本発明に係るこの方法においては、指紋全体の画像サイズを約500x500ピクセルとすると、比較される指紋画像において、比較される参照点が互いから40〜50ピクセル以内に配置されていれば十分である。粗い位置決めは、ステップ324で終了する。 【0020】図5は、本発明に係る精細な位置決めプロセスのステップを示す。精細な位置決めはステップ331から始まる。ステップ332において、指紋上に見出された細部のペアは、ペア毎に比較される。ここで、比較される指紋上の隆線の長さ及び末端部の位置が比較される。比較される隆線は、もう一方と完全に整合する必要はない。双方の隆線の末端部のそのペアとの距離が例えば50ピクセル以下であるときは、隆線は整合しているとみなされる。同様に、整合された隆線の長さは、その隆線の形状がテンプレートの隆線に実質的に一致している限り、10ピクセル又は隆線長の10%異なってもよい。隆線長の1/4、1/2及び3/4の部分が互いに±(0.6x(10ピクセル+隆線長の10%))の距離に位置しているときは、隆線の形状は同様とみなされる。隆線の各々の比較のために、検査される指紋画像の大きさは、テンプレートに対して変更される。検査される指紋パターンは、さらに回転させられる。上述の判定基準に基づいて、ステップ333の判定が行われる。その判定結果が否定であるときは、当該の精細な位置決めはそれ以上行われない(ステップ338)。しかし、判定結果が肯定であるときは、精細な位置決めに使用される指紋の形態変化(すなわち平行移動及び回転)データは、後の使用のためにステップ334にて記憶される。 【0021】ステップ335は、比較される指紋パターン間の比較可能な細部のペアの全てが検査されたことを確認する。未検査の細部のペアがある場合は、プロセスは、ステップ332に戻って未検査の細部のペアについて続行する。しかし、実行可能な精細な位置決めの試行の全てが完了した場合は、プロセスはステップ336に進み、精細な位置決めプロセスに使用される最良の平行移動−回転の組合わせが選定される。最良の組合わせは、比較される2つの指紋パターン間の整合する細部のペアの数が最多となる平行移動−回転の組合わせを見出すことにより決定する。この組合わせのデータは、整合ステップのために保存される。最良の組合わせが選定されたら、プロセスはステップ337に進み、精細な位置決めは終了する。 【0022】図6及び図7は、本発明に係る比較される指紋のための整合ステップに含まれる複数のステップを示す。精細な位置決めステップの完了時(ステップ337)は、検査される指紋のための最良の平行移動−回転の組合わせが選定されている。この平行移動−回転の組合わせは、指紋全体の画像処理に使用される。ステップ341において、指紋上の隆線の末端部は、互いに対して整合される。この整合は、精細な位置決めにおいて既に使用された比較技術を利用する。比較される指紋上にある複数の隆線末端部の位置は、指紋上でのそれら位置の差が25ピクセル以内であるときは、合致しているものとみなされる。図8(a)に示された例は、隆線のペア41及び42aと、判定基準に従う範囲(参照符号40)内にある合致した末端部の配置とを表している。検査される隆線のペアの末端部の1つがこの判定基準を満たす場合は、その隆線のペアはさらに詳しく検査される。上述の条件が満たされない場合は、検査される指紋の隆線は、テンプレート内で見出された他のいくつかの隆線に整合される。 【0023】ステップ342においては、先ず検査される隆線のペアの長い方は、隆線の長さが等しくなるように短くカットされる。図8(b)に示された例においては、隆線42bは、その長さが隆線41の長さと等しくなるようにカットされている。隆線42bの元の長さは、図8(a)の隆線42aの長さと等しい。隆線のカットは、テンプレートの隆線又は検査される指紋の隆線のいずれにも実行可能である。カットされた隆線42bは、隆線41とよりよく位置決めされるために、回転及び再配置されることができる。しかし、本発明に係る方法においては、最大回転角度として定められた角度は、0.1ラジアンであり、この値を超えてはならない。ステップ343は、この回転条件を満たすかどうかを判定する。ステップ343の条件が満たされない場合は、検査される隆線はテンプレート上の他のいくつかの隆線に整合される。すなわち、プロセスはステップ341に戻る。 【0024】ステップ343の判定が肯定である場合は、プロセスはステップ344に進み、指紋上の隆線の点が互いに整合される。この整合の前に、指紋又はテンプレートは、複数の隆線間で可能な最良の一致を得るために、上述の条件に従って短縮、平行移動及び回転させられる。図8(c)は、例えば、隆線43及び44の対応する点の間の距離dが測定される状態を示している。この距離dは、10ピクセル+隆線長の5%よりも小さいという条件を満たす必要がある。この条件は、ステップ345で判定される。この条件を満たす場合は、隆線のペアは整合しているとみなされる。その後で、2重に識別される過誤を防ぐために、整合する指紋の双方において隆線のペアにマーキングがなされる。1組の隆線のペアの同一性が認められたら、本発明に係る識別カウンターの値が1だけ増加する。判定条件を満たさない場合は、プロセスはステップ341に戻り、テンプレート上に見出された他のいくつかの隆線に別の隆線を整合させる試行が開始される。 【0025】ステップ345において、隆線のペアが同一の隆線として認められると、識別カウンター値の増加に加えて、識別精度を示すパラメーター(隆線41及び42bの対応する複数の点の間の距離の合計(Σd)、合致した隆線(合致隆線)の長さ並びに加重長さ)が好都合に計算される。ここで加重長さとは、合致隆線長の2乗をΣdで除した値である。これらのパラメーターは、後の使用のために保存される。 【0026】ステップ347では、隆線のペアの全てが検査されたかどうかがチェックされる。未検査のペアがある場合は、プロセスは再度ステップ341に戻る。隆線のペアの全てが検査されている場合は、プロセスは図7に示すステップ348に進む。 【0027】ステップ348において、指紋全体の識別プロセスを示すいくつかのパラメーターが計算される。そのようなパラメーターは、以下の値を好都合に有する。− 標準化された識別カウンター値、すなわち指紋上で識別された合致隆線(41及び42b)の数を、双方の指紋に見出された全ての隆線の平均の数(双方の指紋に見出された細部の合計を2で除した値)で除した値− 合致隆線の標準化された合計長さ、すなわち全ての合致隆線の合計長さに2を乗じて、双方の指紋に見出された全ての隆線の合計長さで除した値− 標準化された加重長さ、すなわち同一性を認められた隆線の加重長さの合計を、双方の指紋に見出された全ての隆線の合計長さで除した値− 隆線のペアについて測定された対応する複数の点の平均距離、すなわち測定された全ての距離の合計値を、双方の指紋に見出された隆線の合計長さで除した値【0028】上述のパラメーターは、指紋識別判定を行うためにステップ349にて使用される。識別判定は、N次元空間で設定可能な閾値に基づいて有利に行われる。選択的に、識別判定は、ツリー又はニューラルネットワークを使用して行うこともできる。識別判定基準を満たす場合は、プロセスはステップ350に進み、1対1の識別に対して承認が与えられる。識別判定基準を満たさない場合は、プロセスはステップ351に進み、識別に対して否定的結果が与えられる。1対1の識別の場合は、識別された人は、指紋識別を利用するシステムのユーザーとして認められない。 【0029】本発明に係る方法は、多くのメモリー及び計算能力を要しないため、多数の異なる場合において適用可能である。この方法は、様々なビルディング通行システムの実施、及び識別を要する種々のシステムにおける異なるセキュリティコードと置き換えて使用可能である。そのようなシステムは、例えば種々の銀行業務及び支払システムを含む。同様に、そのようなシステムは、携帯電話システムの端末におけるPINコードと置き換えて使用可能である。携帯ネットワーク端末にこの方法を適用するには、指紋読取装置がその端末にインストールされることが必要とされる。さらに、端末のメモリーの一部又はそこに取付けられるSIMカードは、識別に関する計算パラメーターに対して割り当てられると同様に、本発明に係る方法に必要なソフトウェアアプリケーション及び指紋のファイルに割り当てられねばならない。 【0030】以上に本発明の有益な実施形態を説明した。本発明は、説明された実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る方法は、1対多の識別にも適用可能である。本発明の思想は、特許請求の範囲内で多数の用途に適用可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398012616 【氏名又は名称】ノキア コーポレイション
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| 【出願日】 |
平成14年6月27日(2002.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−30662(P2003−30662A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月31日(2003.1.31) |
| 【出願番号】 |
特願2002−187508(P2002−187508) |
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