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【発明の名称】 検査装置及び検査システム
【発明者】 【氏名】笹田 善登

【要約】 【課題】公文書等の各種書類、印章やスタンプの偽造、改ざん、無断流用(盗用)といった被害を未然に防止したり、容易に発見できるようにして、犯人と間違われる等のトラブルを解消できる検査装置、及び検査システムを提供する。

【解決手段】検査対象1に識別用光を照射する投光手段2と、識別用光の照射によって可視となる画像を検出可能な検出手段3と、この検出手段3による検出情報と予め4に記憶されている前記検査対象1に関する画像情報とを比較して前記検出情報の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力する比較判断手段6とから検査装置を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 検査対象に識別用光を照射する投光手段と、識別用光の照射によって可視となる画像を検出可能な検出手段と、この検出手段による検出情報と予めコンピュータに記憶されている前記検査対象に関する画像情報とを比較して前記検出情報の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力する比較判断手段とから成る検査装置。
【請求項2】 前記検出手段は、識別用光の照射によって可視となる画像の前記検査対象での存否検出、並びに存在する画像の読み取りを行うものであり、前記比較判断手段は、画像が検出されない場合には、その非存在情報と予めコンピュータに記憶されている画像存否データと比較して、前記検出手段の画像非存在検出の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力するとともに、前記画像が検出された場合には、検出された検出画像と予め前記コンピュータに記憶されている画像と比較して、前記検出画像の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力するものに構成されている請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】 検査対象に識別用光を照射する投光手段と、識別用光の照射によって可視となる画像を検出可能な検出手段と、この検出手段による検出情報と予めコンピュータに記憶されている前記検査対象に関する画像情報とを比較して前記検出情報の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力する比較判断手段とから検査装置を構成し、前記検査装置の複数が、それらのコンピュータどうしをインターネットを用いて連係させることにより、相互に情報交換自在に設定されている検査システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検査装置及び検査システムに係り、詳しくは、公文書や認証印といった各種の偽造を発見するに好適な検査技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今、ビジネス全般、金融関係、契約書、官公庁の手続書類、各種証書類等、書類社会化が益々進展する傾向にあり、それに伴って印章やスタンプ等の使用場面も益々増加する傾向にある。住民票、戸籍謄本等の公的書類、伝票、請求書、受領書等も然りである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、書類、印章やスタンプ等の形式はコンピュータ、電子複写機の発達によって簡単に複製することができるため、偽造、改ざん等の悪用容易に行える状況にある。又、他人の印鑑の盗用や無断流用も跡を断たないといった具合、この種の犯罪やトラブルが多発しているのが実情である。例えば、自分専用のものであるはずのキャッシュカード、クレジットカード等の各種カードが、その認証番号といった個人データの流出等によっていつのまにか盗用されててしまい、身に覚えのない請求書が届くといった事例が挙げられる。
【0004】従って、企業、団体、個人においても、いつこうしたトラブルに巻き込まれるか分からないという状況にあり、今後、ビジネスや家庭生活等の様々な面において、個人の責任が重く問われる時代になりつつある。そのため、偽造や盗用等の疑いが掛かる等、前述したトラブルに見舞われたときに、明確に、しかも即座に自己の行為を立証できる手段が必要になってきたように思える。
【0005】本発明の目的は、公文書等の各種書類偽造、印章やスタンプの偽造、改ざん、無断流用(盗用)といった被害を未然に防止できるとか、容易に発見できるようにして、前述したトラブルを解消できる検査装置、及び検査システムを提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の構成は、検査対象に識別用光を照射する投光手段と、識別用光の照射によって可視となる画像を検出可能な検出手段と、この検出手段による検出情報と予めコンピュータに記憶されている検査対象に関する画像情報とを比較して検出情報の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力する比較判断手段とから検査装置を構成したことを特徴とする。
【0007】請求項1の構成によれば、検査対象に識別用光が照射されたことで可視となる文字や図形といった画像の有無、又は予め設定されている画像との形状差、色調差等を把握することにより、可視となる画像の存在によって、又はコンピュータに記憶されている通りの画像が検出されたことにより、検査対象が正式のものであると判断することができる。又、可視となる画像の非存在、又はコンピュータに記憶されている通りでない画像が検出されると、検査対象が偽者であると判断すすことができるようになる。
【0008】又、検査対象との比較を行う情報データを、コンピュータに覚えさせるようにしたので、情報データが多数に及んでも無理なく記憶、呼び出し、比較等の必要な処理を瞬時にして行うことができ、多数ある中からの任意の検査対象の真偽を即座に行える検査装置が実現できる。つまり、膨大な量のデータ処理を瞬時に行えるコンピュータを用いることにより、実用に供する検査装置を実現することができた。
【0009】請求項2の構成は、請求項1の構成において、検出手段は、識別用光の照射によって可視となる画像の検査対象での存否検出、並びに存在する画像の読み取りを行うものであり、比較判断手段は、画像が検出されない場合には、その非存在情報と予めコンピュータに記憶されている画像存否データと比較して、検出手段の画像非存在検出の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力するとともに、画像が検出された場合には、検出された検出画像と予めコンピュータに記憶されている画像と比較して、検出画像の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力するものに構成されていることを特徴とするものである。
【0010】請求項2の構成は、請求項1の構成による検査装置における具体的は処理状況を規定したものである。即ち、請求項2の構成によれば、識別用光の照射によって可視となる画像の有無、即ち、画像が浮かび上がってくれば本物であり、浮かび上がってこ無かったら偽物であるという判断処理が行われる。そして、識別用光の照射によって可視となる画像はあるが、その浮かび上がった画像と、検査対象に応じて予めコンピュータに記憶されている画像とが一致すれば本物であり、異なっていれば偽物であるという判断処理が行われる。
【0011】請求項3の構成は、検査システムにおいて、検査対象に識別用光を照射する投光手段と、識別用光の照射によって可視となる画像を検出可能な検出手段と、この検出手段による検出情報と予めコンピュータに記憶されている検査対象に関する画像情報とを比較して検出情報の正誤を判断し、かつ、その判断情報を出力する比較判断手段とから検査装置を構成し、検査装置の複数が、それらのコンピュータどうしをインターネットを用いて連係させることにより、相互に情報交換自在に設定されるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】請求項3の構成によれば、請求項1の構成による検査装置の複数を、インターネットによって連係することで、相互に情報交換自在に設定してあるから、ある検査装置で得られた偽物発見等の情報を、瞬時にして連係されている全ての検査装置に取り込むことができるから、一度検査に引っ掛かった検査対象は、その後に、知らずに別の検査装置で検査するという二度手間を省くことができ、検査の効率化が図れる。
【0013】又、新規加入者に対応する等により、新たな画像の有無データや、画像データをある検査装置において登録すれば、その登録情報は瞬時にして連係された全ての検査装置においても登録されたことになる等、相互の情報交換によるシステム効率の向上がも図れるようになる。又、インターネットで連係されるので、日本と米国といった具合に、複数の検査装置が互いに遠く離れている等の地理的条件が不利でも、前記の種々の独特な作用を良好に発揮することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に本発明による検査装置が、図2にその検査装置Aを用いた検査システムSが夫々示されている。これら検査装置A及び検査システムSは、公文書等の書類の表裏に押された印章(スタンプ)が正当なものであるか否かの検査が行えるものであり、換言すれば、真偽判定装置及びシステムでもある。つまり、押捺印の真偽の判定を、従来の形状、サイズによる判別に、インキに差別化を加えることによる識別用光を用いた検査を加えることにより、言わば二重、三重のハードルを設けて、偽造、改ざん等の不正の防止システムである。
【0015】即ち、手続書類(検査対象の一例)1の表面1a及び裏面1bにブラックライト(識別用光の一例)を照射する投光手段2と、ブラックライトの照射によって可視となる画像を検出可能な撮像機(検出手段の一例)3と、この撮像機3による検出情報と予めコンピュータ4に記憶されている手続書類1に関する画像情報とを比較して検出情報の正誤を判断し、かつ、その判断情報を液晶画面5に出力表示する比較判断手段6とから検査装置Aが構成されている。
【0016】手続書類の表面1aに押捺される印章7に使用するインキは、従来どおりの朱肉(スタンプインキ)であるに対して、裏面1bに使用するインキは、紫外線光源下で発光する蛍光塗料等の無機蛍光剤を従来の朱肉に混入させた混合インキとしてある。混合インキを用いた印章にブラックライトを当てると、日中の太陽光や蛍光灯の光といった可視光では現れない色が浮かび上がってくる性質があるので、その浮かび上がってくる色を、検査対象である手続書類1に応じたリストの形式として、予めコンピュータ(パソコン等)4のハードディスク等にインプットさせておく。
【0017】しかして、手続書類1が検査装置Aに送られてきたら、手続書類1の裏面1bに投光手段2のブラックライトが照射され、その反射光を撮像機3が撮像して、その撮像情報をCPU等から成るコンピュータ4の制御本体6に送られ、そこで正当なものであるか否かが判断される。しかして、撮像された色や形が正当なものなら「OK」の文字が、そして、正当なものでないなら「NG」の文字が液晶画面5に表示されるように検査装置Aが機能するので、作業者は液晶画面5さえ見ておけば、裏面に押捺された印章が、即ち、手続書類1の真偽を瞬時にして判定することができるのである。
【0018】手続書類1の種類は多数存在するとともに、契約書や請求書等、他の書類の印章検査も行えるようにするには、混合インキに関する膨大な量の色、形状等の画像データを予め記憶させておく必要がある。本検査装置Aではコンピュータ4を用いて処理させているので、それら膨大な量の記憶処理、並びに、検査データとの比較・判断処理等が瞬時にして行うことができ、偽の印章を確実に、しかも素早く発見することができ、公文書偽造等の不正検査を次々に行えるのである。
【0019】そして、図2に示すように、互いに遠く離れた箇所において複数の検査装置A1,A2,A3を、それらのコンピュータ4(制御本体6)どうしをプロバイダ(サーバ)8を介してインターネット9によって連係させ、互いに情報交換自在となる検査システムSとしておけば好都合である。例えば、第1検査装置A1にて、新たな混合インキや画像情報を入力すれば、その入力操作に伴って全ての検査装置A1,A2,A3にその情報がインプットされるように機能する。
【0020】又、第2検査装置A2にて、偽造が発覚すれば、その偽造情報が直ちに全ての検査装置A1,A2,A3に送られるように機能するといった具合に、各々の検査装置Aが、それら情報をタイムラグ無く共用できるようになり、情報網が強化できてより信頼性に優れたものにできる。これにより、インターネット9によってリンクされる検査装置Aの数が増えれば増える程に情報量も多くなり、偽造、盗用といった不正や犯罪発見の成果を挙げ易くなるとともに、検査装置Aの配置される場所、地域、数等の諸条件による不利が一切関係なく検査できるシステムSを構築できている。
【0021】尚、ブラックライトとは、主として波長365nm(ナノメーター)を中心とする蛍光発光作用に優れた安全な紫外線だけを引き出す光源であり、無機蛍光剤とは、希土類等による特殊蛍光発光体(金属酸化物)である〔例:ルミライトカラー(Lumilite Color)(登録商標)〕。専用のインキを用いて用紙に文字、図形等を描いておくと、可視光では単なる白い紙にしか見えないが、ブラックライトを照射すると、予め描かれた文字、図形等の画像が、所定の色が施された状態で浮かび上がって見えるようになる公知の技術である。例えば、裏面に専用インキを用いて互いに異なる色彩が施され、表面には互いに同じ色が塗布された複数のカラー見本では、通常は同じ色にみえるが、ブラックライトを照射すると、互いに異なった色に変化する。
【0022】本発明はこの原理を用いて検査を行うようにしたものであり、正式な書類には専用のインキ(前述の混合インキ等)を用いて印章を作成しておくのである。つまり、模倣によって偽造の書類を作成した場合には、印章にブラックライトを当てても、予め処理された「色」が見えてこないので、そのことをもって偽物であることを検査装置Aにて発見することができる。又、ブラックライトで浮かび上がる画像が描かれていたとしても、その色使いまでも模倣できない場合には、予め記憶されている色情報と、撮像された浮かび上がり画像の色情報との異なりの有無により、正式なものか偽物であるかを判断することができる。
【0023】例えば、個人情報がデータ化されている場合等では、個人別に蛍光色の配合や組合わせを決めたオリジナルカラーとして予めコンピュータ4に登録しておくのである。すると、日本国内及び外国においても、個人情報の掲載されているカード等の登録済み証の真偽が検査装置Aで簡単に判別できるので、公文書偽造等のあらぬ疑いが身に降り掛かっても、慌てることなく潔白であることの立証や証明を行うことができる。
【0024】〔別実施形態〕
《1》 所有者(使用者)のデータ管理とカラー分析、測定を行い、証明、鑑定ができる機能を備えた検査装置Aや、検査システムSでも良い。即ち、データに対応した専用インキによるカラーをセットして、コンピュータ4に記憶させておくことにより、膨大な量の個人データの中から、特定の個人データの真偽を検査装置A又はシステムSを用いて瞬時にして判断することができる。この場合、カラーの配合データやサンプルを作成しておくとか、高精度蛍光測定器を撮像機として用いることで、優れたカラー分析機能を装備させることができる。
【0025】《2》 パスポート、免許証、社員証といったものにも、各個人に対応した専用インキによる文字、図形、記号等の画像を描いておけば、それら免許証等の真偽を検査装置A又は検査システムSを用いて即座に判断することができる。その他、宝石や貴金属類の鑑定書、絵画や彫刻といった芸術作品、名作楽器等、種々のものの真偽判定も可能である。
【0026】《3》 請求項1の「識別用光の照射によって可視となる画像」という文章における「可視」とは、人間の目で見えること以外に、赤外光、遠赤外光、X線等の目には見えないが、専用の撮像機では視認できるという意味も含んだものとして定義する。
【0027】《4》 投光手段としては、紫外線投光器、蛍光ランプ等でも良く、検出手段としては、物体色、蛍光色、透過色を高精度に測定可能な分光測色計や、高精度蛍光測定が行える分光蛍光側色計でも良い。
【0028】《5》 図1に示す検査装置において、撮像機3によって色の識別や形状も判別が行えるようにしたものでも良い。手続書類1に付された印肉を無機蛍光剤から成るものとするとか、専用の形状として、それら色や形状の違いを判別するのである。インキの中に混入された磁気、薬品等の色成分以外の成分を検出できるようにした検査装置も可能である。又、コンピュータ4の能力設定により、色の配合割合を識別できるようにした検査装置や検査システムも可能である。
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載の検査装置では、識別用光を検査対象に照射することで初めて浮かび上がる画像を検出して、予めコンピュータに記憶されている画像情報と比較させて一致するかどうかを瞬時にして知ることができるので、検査対象の真偽、正誤、○×等の検査を、そのためのデータの多さ如何に拘らずに即座に行える便利なものにできた。
【0030】請求項2に記載の検査装置では、請求項1の構成による前記効果を奏するとともに、識別用光の照射によって可視となる画像の有無に関する検査、及び識別用光の照射によって可視となる画像の正偽に関する検査の双方が行えるものとなり、複数種の検査を1台で行える経済的、合理的なものにできた。
【0031】請求項3に記載の検査装置では、識別用光を検査対象に照射することで初めて浮かび上がる画像を検出して、予めコンピュータに記憶されている画像情報と比較させて一致するかどうかを瞬時にして知ることができるので、検査対象の真偽、正誤、○×等の検査を、そのためのデータの多さ如何に拘らずに即座に行える便利な検査装置を提供できたとともに、インターネットによる検査装置どうしの連係により、検査装置の存在する場所、国、言語等の諸条件の異なりに対応できながらも、検査効率やシステム効率も向上する利点がある。
【出願人】 【識別番号】501266198
【氏名又は名称】株式会社 ブイ・エス・シー
【出願日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【代理人】 【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
【公開番号】 特開2003−16447(P2003−16447A)
【公開日】 平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願番号】 特願2001−202683(P2001−202683)