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【発明の名称】 ICカードの作成方法及びICカード
【発明者】 【氏名】内廣 晋治
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内
【氏名】北村 繁寛
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内
【氏名】高橋 秀樹
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内
【氏名】石井 信行
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内
【氏名】服部 良司
【住所又は居所】東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式会社内
【課題】平面性、表面強度、ICチップ周辺部強度、印字性を向上することが可能である。

【解決手段】第1のシート材と第2のシート材との間に介在されるホットメルト接着剤層内にICモジュールを封入するICカードの作成方法において、第1のシート材と第2のシート材をホットメルト接着剤で貼り合わせ後に、第1のシート材と第2のシート材の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】第1のシート材と第2のシート材との間に介在されるホットメルト接着剤層内にICモジュールを封入するICカードの作成方法において、前記第1のシート材と第2のシート材をホットメルト接着剤で貼り合わせ後に、前記第1のシート材と第2のシート材の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷させることを特徴とするICカードの作成方法。
【請求項2】前記急冷させてカード作成後のホットメルト接着剤の伸度2%弾性率が20kg/mm2以上80kg/mm2以下であることを特徴とする請求項1に記載のICカードの作成方法。
【請求項3】前記ホットメルト接着剤層の130℃における粘度が2000mPs以上40000mPs以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICカードの作成方法。
【請求項4】前記ホットメルト接着剤が反応型であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のICカードの作成方法。
【請求項5】一枚または長尺のロール状の第1のシート材と第2のシート材から複数のICカードを作成するICカードの作成方法において、95℃以上150℃以下の温度下で塗工または貼り合わせる加熱工程と、塗工または貼り合わせ後、第1のシート材と第2のシート材の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷する冷却工程と、塗工または貼り合わせ後、0℃以上30℃以下の温度で貼り合わせる貼り合わせ工程とを有することを特徴するICカードの作成方法。
【請求項6】前記請求項1乃至請求項5のいずれかで作成されたICカードであり、0.8mmφサファイア針での引っ掻き強度が150g以上である受像層を有することを特徴するICカード。
【請求項7】対向する2つの基板間の所定の位置にICチップ、アンテナ体を有するICモジュールを含む電子部品が載置され、接着剤が充填されてなるICカードにおいて、前記ICチップの上部または周辺部にシランカップリング剤を設けたことを特徴とするICカード。
【請求項8】前記シランカップリング剤が部分加水分解された重合体であることを特徴とする請求項7に記載のICカード。
【請求項9】前記ICチップに隣接して金属補強板を有することを特徴とする請求項7に記載のICカード。
【請求項10】前記金属補強板がヤング率100GPa以上の素材を一種含むことを特徴とする請求項9に記載のICカード。
【請求項11】前記ICカードのチップ周辺部の平面凹凸性が±10μm以内であることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項12】個人情報として顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報が記載してあることを特徴とする請求項6乃至請求項11のいずれか1項に記載のICカード。
【請求項13】前記ICチップが前記顔画像の部分と重なる位置に存在しないことを特徴とする請求項12に記載のICカード。
【請求項14】前記ICカードがカード外部に電気接点を持たない非接触式であることを特徴とする請求項6乃至請求項13のいずれか1項に記載のICカード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ICチップ及びアンテナ体を有するICモジュールを内蔵した、自動車免許証等の免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証等のICカードの作成方法及びICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、身分証明書カードや、キャッシュカード、クレジットカードなどのIDカードには、磁気記録方式によりデータを記録する磁気カードが広く利用される場合が多い。磁気カードはデータの書き換えが比較的容易にできるため、データの改ざん防止が十分でないこと、媒体が磁気のため外的な影響を受けやすく、データの保護が十分でないこと、更には、記録できる容量が少ないなどの問題点がある。
【0003】そこで、近年、ICチップを内蔵したICカードが普及し始めている。ICカードは、表面に設けられた電気接点や、カード内部のループアンテナを介して外部の機器とデータの読み書きをするようになされる。ICカードは磁気カードに比べて記憶容量が大きく、セキュリティ性も大きく向上している。
【0004】特に、ICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナ体をカード内部に内蔵し、カード外部に電気接点を一切持たない非接触式のICカードは、電気接点をカード表面に有する接触式ICカードに比べてセキュリティ性に優れることから、データの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなICカードとして、例えば表面シート材と裏面シート材とが接着剤を介して貼り合わされ、その接着剤層中にICチップ及びアンテナ体を有するICモジュールを封入するものがある。この接着剤としては反応型ホットメルト接着剤が使用される。反応型ホットメルト接着剤は常温で固形を有している。この接着剤は加熱により溶融させてから接着加工され、その後、湿気を吸収して接着剤自身が硬化する性質を有している。その特徴として、通常のホットメルト接着剤と比較して接着可能時間が長く、かつ接着加工後に軟化温度が高くなるため耐久性に富み、低温での接着加工に適していることが挙げられる。
【0006】すなわち、通常のホットメルト接着剤では、接着加工温度がその接着剤の軟化温度と同じであるため耐熱性は接着加工温度以上にはならない。そのため高耐熱性を要求する場合には、高い接着加工温度が必要になる。例えば、100℃以上の温度で接着加工する場合に、カード基板がそりやすい、ラミネートロールで搬送される際にカードの表面に凹凸が発生しやすいなどの問題点があった。
【0007】さらにICチップが入った状態でラミネートされてカード化されるため、ICチップ周辺が盛り上がり空隙ができやすくなり、その近傍での強度が著しく低下したり、カード表面の印字性が著しく低下するなど重大な問題が発生し、解決が強く求められていた。
【0008】この発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、平面性、表面強度、ICチップ周辺部強度、印字性を向上することが可能なICカードの作成方法及びICカードを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0010】請求項1に記載の発明は、『第1のシート材と第2のシート材との間に介在されるホットメルト接着剤層内にICモジュールを封入するICカードの作成方法において、前記第1のシート材と第2のシート材をホットメルト接着剤で貼り合わせ後に、前記第1のシート材と第2のシート材の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷させることを特徴とするICカードの作成方法。』である。
【0011】この請求項1に記載の発明によれば、最も平面性が良い状態で冷却することで、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0012】請求項2に記載の発明は、『前記急冷させてカード作成後のホットメルト接着剤の伸度2%弾性率が20kg/mm2以上80kg/mm2以下であることを特徴とする請求項1に記載のICカードの作成方法。』である。
【0013】この請求項2に記載の発明によれば、急冷させてカード作成後のホットメルト接着剤の伸度2%弾性率の規定により、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0014】請求項3に記載の発明は、『前記ホットメルト接着剤層の130℃における粘度が2000mPs以上40000mPs以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICカードの作成方法。』である。
【0015】この請求項3に記載の発明によれば、ホットメルト接着剤層の130℃における粘度を規定することで、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0016】請求項4に記載の発明は、『前記ホットメルト接着剤が反応型であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のICカードの作成方法。』である。
【0017】この請求項4に記載の発明によれば、ホットメルト接着剤が反応型であり、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0018】請求項5に記載の発明は、『一枚または長尺のロール状の第1のシート材と第2のシート材から複数のICカードを作成するICカードの作成方法において、95℃以上150℃以下の温度下で塗工または貼り合わせる加熱工程と、塗工または貼り合わせ後、第1のシート材と第2のシート材の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷する冷却工程と、塗工または貼り合わせ後、0℃以上30℃以下の温度で貼り合わせる貼り合わせ工程とを有することを特徴するICカードの作成方法。』である。
【0019】この請求項5に記載の発明によれば、加熱工程と、冷却工程と、貼り合わせ工程とを有することで、最も平面性が良い状態で冷却することで、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0020】請求項6に記載の発明は、『前記請求項1乃至請求項5のいずれかで作成されたICカードであり、0.8mmφサファイア針での引っ掻き強度が150g以上である受像層を有することを特徴するICカード。』である。
【0021】この請求項6に記載の発明によれば、ICカードは0.8mmφサファイア針での引っ掻き強度が150g以上である受像層を有することで、表面強度が向上する。
【0022】請求項7に記載の発明は、『対向する2つの基板間の所定の位置にICチップ、アンテナ体を有するICモジュールを含む電子部品が載置され、接着剤が充填されてなるICカードにおいて、前記ICチップの上部または周辺部にシランカップリング剤を設けたことを特徴とするICカード。』である。
【0023】この請求項7に記載の発明によれば、ICチップの上部または周辺部にシランカップリング剤を設けることで、ICチップを補強することができる。
【0024】請求項8に記載の発明は、『前記シランカップリング剤が部分加水分解された重合体であることを特徴とする請求項7に記載のICカード。』である。
【0025】この請求項8に記載の発明によれば、シランカップリング剤が部分加水分解された重合体であることで、ICチップを補強することができる。
【0026】請求項9に記載の発明は、『前記ICチップに隣接して金属補強板を有することを特徴とする請求項7に記載のICカード。』である。
【0027】この請求項9に記載の発明によれば、ICチップに隣接して金属補強板を有することで、ICチップを補強することができる。
【0028】請求項10に記載の発明は、『前記金属補強板がヤング率100GPa以上の素材を一種含むことを特徴とする請求項9に記載のICカード。』である。
【0029】この請求項10に記載の発明によれば、金属補強板がヤング率100GPa以上の素材を一種含むことで、ICチップを補強することができる。
【0030】請求項11に記載の発明は、『前記ICカードのチップ周辺部の平面凹凸性が±10μm以内であることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のICカード。』である。
【0031】この請求項11に記載の発明によれば、ICカードのチップ周辺部の平面凹凸性が±10μm以内であり、チップ周辺部の平滑性が向上する。
【0032】請求項12に記載の発明は、『個人情報として顔画像、住所、名前、生年月日等の個人情報が記載してあることを特徴とする請求項6乃至請求項11のいずれか1項に記載のICカード。』である。
【0033】この請求項12に記載の発明によれば、個人情報が記載され、自動車免許証等の免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証等に用いられる。
【0034】請求項13に記載の発明は、『前記ICチップが前記顔画像の部分と重なる位置に存在しないことを特徴とする請求項12に記載のICカード。』である。
【0035】この請求項13に記載の発明によれば、ICチップが顔画像の部分と重なる位置に存在しないことで、顔画像の損傷を防止することができる。
【0036】請求項14に記載の発明は、『前記ICカードがカード外部に電気接点を持たない非接触式であることを特徴とする請求項6乃至請求項13のいずれか1項に記載のICカード。』である。
【0037】この請求項14に記載の発明によれば、ICカードがカード外部に電気接点を持たない非接触式であり、セキュリティ性に優れ、データの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明のICカードの作成方法及びICカードの実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。
【0039】図1はICカード作成装置を示す図、図2はICカードの構成を示す図、図3はICカードの平面図である。
【0040】この実施の形態のICカード作成装置は、第1のシート材供給部A、第2のシート材供給部B、接着剤塗布部C1、接着剤塗布部C2、インレット供給部D、加熱部E、冷却部F、貼り合わせ部G及び打ち抜き部Hを有し、第1のシート材1と第2のシート材2から複数のICカードを作成する。
【0041】第1のシート材供給部Aから長尺のロール状の第1のシート材1が供給され、第2のシート材供給部Bから長尺のロール状の第2のシート材2が供給されるが、第1のシート材1及び第2のシート材2は長尺のロール状に限定されず、一枚の枚葉シートでもよい。接着剤塗布部C1では、第1のシート材1に接着剤が塗布され、この接着剤としてホットメルト接着剤4が用いられる。また、接着剤塗布部C2では、第2のシート材2に接着剤が塗布され、この接着剤としてホットメルト接着剤4が用いられる。
【0042】インレット供給部Dでは、ICチップ3a、アンテナ体3bを有するICモジュールを含む電子部品3のインレットが第2のシート材2に載置される。
【0043】加熱工程Eは、ラミネートロール200、ヒータ201を有し、第1のシート材1と第2のシート材2とを電子部品3を介在させて95℃以上150℃以下の温度下で塗工または貼り合わせる。
【0044】冷却部Fは、塗工または貼り合わせ後、第1のシート材1と第2のシート材2の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷する。
【0045】貼り合わせ部Gは、塗工または貼り合わせ後、0℃以上30℃以下の温度で貼り合わせる貼り合わせる。
【0046】打ち抜き部Hでは、カッターで所定形状のICカードに打ち抜き、図2に示す構成のICカードを作成する。
【0047】このように、加熱工程と冷却工程とを有し、第1のシート材1と第2のシート材2を、95℃以上150℃以下の温度下で塗工または貼り合わせ後に、第1のシート材1と第2のシート材2の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷させ、最も平面性が良い状態で冷却することで、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。また、ICチップ3aの上部または周辺部にシランカップリング剤を設けることで、ICチップ3aを補強することができる。このシランカップリング剤が部分加水分解された重合体であることで、ICチップ3aを補強することができる。
【0048】また、ICチップ3aに隣接して金属補強板5を有し、この金属補強板5によりICチップ3aを補強することができる。金属補強板5がヤング率100GPa以上の素材を一種含むことで、ICチップ3aを補強することができる。
【0049】図2に示すように、ICカードの表面は、チップ周辺部の平面凹凸性が±10μm以内であり、チップ周辺部の平滑性が向上する。
【0050】このICカードは、図3に示すように、個人情報として顔画像7、住所、名前、生年月日11等の個人情報が記載してあり、自動車免許証等の免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証等に用いられる。ICチップ3aが顔画像8の部分と重なる位置に存在しないことで、顔画像の損傷を防止することができる。
【0051】このICカードはカード外部に電気接点を持たない非接触式であり、セキュリティ性に優れ、データの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用することができる。
【0052】[接着剤]この発明の接着剤は、「JIS K 7127」或いは、「ASTM D638」の規定に準じて測定した硬化後の、伸度2%における引張弾性率が、20kg/mm2以上80kg/mm2であることが好ましい。硬化後の引張弾性率が、80kg/mm2よりも大きい場合や20kg/mm2よりも小さい場合にはカードの弾性が大きすぎたり小さすぎたりして印字ヘッドのカードとの密着性が低下するため印字性が劣化する。好ましくは20kg/mm2以上50kg/mm2以下である。
【0053】また、130℃における粘度が2000mPsよりも小さい場合はカードを貼りあわせる際に気泡が多く発生し、平面凹凸性が悪化し、40000mPsよりも大きい場合では接着剤の塗布性が劣化するため、平面凹凸性が悪化する。硬化後のカード表面強度が低下するといった問題や、バリやヒゲといった問題が発生するため、好ましくは5000mPs以上30000mPs以下であり、より好ましくは10000mPs以上22000mPs以下である。
【0054】[急冷プレス]シート材をホットメルト接着剤で貼合後には、シート材の表面温度を1秒間あたり10℃以上100℃以下で急冷することが好ましい。ホットメルト接着剤を用いてラミネートされた後に、1秒間あたり10℃以上の急冷を行わないと余熱によってシートが硬化されないため、ラミネートされた直後は平滑であるが、その後のプレス部や搬送部でゆがみを与えられながら搬送されて凹凸性が著しく劣化する。また、1秒間あたり100℃より速い速度で急冷すると、温度ムラが生じて内部にひずみを生じ、曲げ適性が劣化する。
【0055】[シランカップリング剤]この発明の高屈折率層に使用される活性エネルギー線反応性基を有しない金属アルコキシドとしては、炭素原子数1〜10のものがよいが、好ましくは炭素原子数1〜4である。また金属アルコキシドの加水分解物はアルコキシド基が加水分解を受けて−金属原子−酸素原子−金属原子−のように反応し、架橋構造を作り、硬化した層を形成する。
【0056】この発明に使用される金属アルコキシドの例として、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(O−i−C3H7)4、Si(O−t−C4H9)が挙げられる。
【0057】これらを単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(O−i−C3H7)4をあらかじめ重合体として合成したものを用いると、加水分解後に乾燥する際に収縮度が小さくなり亀裂の発生を防止する上で特に好ましい。
【0058】また、この発明の高屈折率層においては、上記金属アルコキシドを加水分解(部分または完全加水分解)させたものを使用してもよく、酸性触媒または塩基性触媒の存在下に例えば上記の金属アルコキシドを有機溶媒中で加水分解することによって得られる。この酸性触媒としては、例えば硝酸、塩酸等の鉱酸やシュウ酸、酢酸等の有機酸がよく、また塩基性触媒としては、例えばアンモニア等が挙げられる。
【0059】この発明に使用される上記金属アルコキシド化合物を含む層は、金属アルコキシド自身が自己縮合して架橋し網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することができ、それらには、金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機ケイ素化合物、光酸発生剤等がある。
【0060】[金属補強板]この発明に用いられる金属補強板としては、強度を有するものであれば特に限定はしないが、ステンレスのように強度があり比較的計量なものが好ましい。この金属補強板はヤング率100GPa以上の素材を少なくとも一つ以上含むほうが耐久性上好ましい。金属補強板の厚さはICチップを保護するのに充分な厚さがあれば良いが、チップ上部に設置した時にカードの平面凹凸をなくし印字性を向上させるためには薄いほうが好ましい。
【0061】金属補強板の位置はICチップ上方と限定されることはなく、ICチップを覆う形状や周囲をめぐらす構造であってもよい。
【0062】[接着剤の種類]これら接着剤の種類としては、特に限定はしないが、ホットメルト接着剤、熱可塑性樹脂等を用いることが好ましい。例えば、ホットメルト接着剤は、一般に使用されているものを用いることができる。ホットメルト接着剤の主成分としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられる。反応型ホットメルト接着剤として湿気硬化型の材料で特開2000−036026、特開2000−219855、特開平2000−211278、特開平2000−219855で開示されている。光硬化型接着剤として特開平10−316959号、特開平11−5964号等が開示されている。
【0063】この発明の特性を有していれば、これら接着剤のいずれも使用してもよく、この発明には制限はない材料を用いることが好ましい。
【0064】また、これら接着剤に添加剤を混合することで、この発明の特性を有する接着剤を作成してもよく、添加剤は、特に限定はしないが、例えば有機、無機顔料や樹脂材料としてフェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリカーボネート等があげられる。
【0065】また、この発明の接着部材の硬化後とは、温度25℃、湿度50%RHの条件化で7日以上放置したもの、或いはこれら接着剤が硬化に必要となる条件で硬化したものであれば特に限定はしない。
【0066】[ICカード基材用のシート材]第1のシート材と第2のシート材のシート部材としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、または上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。本発明の支持体の厚みは30〜300μm望ましくは50〜200μmである。30μm以下であると第1のシート材と第2のシート材の貼り合わせ時に熱収縮等を起こし問題である。
【0067】この発明においては、湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いる場合はシート材の湿気透過率が10(g・25μ/m2、24hr)以上が好ましい。第1のシート材と第2のシート材の両方の面側から、接着剤層に効率良く水分が供給され、接着剤の硬化を早くすることができ、生産性が向上する。またカード全面の硬化率が同じになり均一な硬度のカードを作製することができる。この発明においては白色の顔料を混入させた、或いは気泡をハニカム構造に折り込んだ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等が好ましく、例えば射出成形用に結晶化がコントロールされているイーストマンケミカル社のPET−G(R)が、受像シートが融着し易い点からも好適である。湿気透過率は、10(g・25μ/m2、24hr)以上である。ここでいう湿気透過率は、JIS K7128−Z0208防湿包装材料の透湿度試験方法で測定したものであり、条件は40℃、90%RHである。
【0068】第2のシート材は場合により、当該カード利用者の顔画像を形成するため受像層、クッション層を設けてもよい。個人認証カード基体表面には画像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられたものであってもよく、また全く印刷部分のないホワイトカードであってもよい。
【0069】受像層用としては公知の樹脂を用いることができ、例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂である。
【0070】この発明のクッション層を形成する材料としては、ポリオレフィンが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエンの様な柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。
【0071】この発明でいうクッション層とは、ICと画像を受容する受像層の間に位置し、ICモジュール等の電子部品による凹凸影響を緩和する役割を果たす軟質の樹脂層を意味する。
【0072】樹脂層は、前記基体と実質的に同質の別支持体の片面もしくは両面上に塗設あるいは貼合されて、形成される事が特に好ましい。
【0073】ICカードの裏面シートとなる第1のシート材にはペンで書ける筆記層、クッション層等を設けてもよく特に制限はない。
【0074】筆記性層は、例えば炭酸カルシウム、タルク、ケイソウ土、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微細粉末を熱可塑性樹脂(ポリエチレン等のポリオレフィン類や、各種共重合体等)のフィルムに含有せしめて形成する。
【0075】[電子部品]電子部品とは、情報記録部材のことを示し具体的には当該電子カードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップ及び該ICチップに接続されたコイル状のアンテナ体である。ICチップはメモリのみやそれに加えてマイクロコンピューターなどである。場合により電子部品にコンデンサーを含んでもよい。この発明はこれに限定はされず情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。
【0076】ICモジュールはアンテナコイルを有するものであるが、アンテナパターンを有する場合、導電性ペースト印刷加工、或いは銅箔エッチング加工、巻線溶着加工等のいずれかの方法を用いてもよい。プリント基板としては、ポリエステル等の熱可塑性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが有利である。ICチップとアンテナパターンとの接合は銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤(日立化成工業のEN−4000シリーズ、東芝ケミカルのXAPシリーズ等)や、異方性導電フィルム(日立化成工業製アニソルム等)を用いる方法、或いは半田接合を行う方法が知られているがいずれの方法を用いてもよい。
【0077】予めICチップを含む部品を所定の位置に載置してから樹脂を充填するために、樹脂の流動による剪断力で接合部が外れたり、樹脂の流動や冷却に起因して表面の平滑性を損なったりと安定性に欠けることを解消するため、予め基板シートに樹脂層を形成しておいて該樹脂層内に部品を封入するために該電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シート状にし使用されることが好ましい。例えば特願平11−105476号等の記載されている方法等を用いることができる。
【0078】また、ICチップは点圧強度が弱いためにICチップ近傍に補強板を有することも好ましい。
【0079】電子部品の全厚さは10〜300μmが好ましく、より好ましくは30〜300μm、更に好ましくは30〜250μmが好ましい。
【0080】[第1のシート材と、第2のシート材との間に電子部品とを備える方法]この発明の第1のシート材と第2のシート材との間に所定の電子部品とを備えるために製造方式としては、熱貼合法、接着剤貼合法及び射出成形法が知られているが、いずれの方法で張り合わせてもよい。また、第1のシート材と第2のシート材は貼り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷または、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。
【0081】この発明のIC搭載カード基材の製造方法は、特開2000−036026、特開2000−219855、特開平2000−211278、特開平2000−219855、特開平10−316959号、特開平11−5964号等のように貼り合わせ、塗設方法が開示されている。いずれの張り合わせ方式、塗設方式方法等をも用いることができ、この発明には特に制限はない。
【0082】また、この発明の請求項3乃至請求項5記載のように、特定の位置に接着剤を配置させる方法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などにより、所定位置に接着剤を塗布することにより製造することができる。また、ホットメルト接着剤を使用する場合には、ハンドガンタイプのホットメルトアプリケーターにより、ノズルから接着剤をビード状に塗布することでそれぞれの配置へ塗布することも可能である。
【0083】或いは、フィルム状に加工された該接着剤を、所定の配置に設置するべく断裁し、それぞれの配置へ設置した後に、加熱、加圧処理を施して貼り合わせることもできる。
【0084】貼り合わせ時には、基材の表面平滑性、第1のシート材と第2のシート材との間に所定の電子部品の密着性をあげるために加熱及び加圧を行うことが好ましく、上下プレス方式、ラミネート方式等で製造することが好ましい、更にはIC部品の割れを考慮して、線接触に近く、僅かなズレでも無理な曲げ力が加わるローラを避けて平面プレス型とするのが好ましい。加熱は、10〜180℃が好ましく、より好ましくは30〜150℃である。加圧は、1.0〜300kgf/cm2が好ましく、より好ましくは1.0〜200kgf/cm2である。これより圧が高いとICチップが破損する。加熱及び加圧時間は好ましくは、0.001〜90secより好ましくは0.001〜60secである。これより時間が長いと製造効率が低下する。
【0085】また、湿気硬化型接着剤のように水分等の影響により反応速度が低下するものは、即ち接着力、カード耐久性を劣化させるので貼り合わせる際に真空下若しくは窒素下で貼り合わせることがより効果的である。その貼り合わせまたは塗設工程において、所定の加圧加温条件の下で基板用の部材、電子部品保持体及び表面用の部材とが貼り合わされるので、電子部品保持体自身を接着剤にして基板用の部材と、その電子部品保持体と、表面用の基板とを再現性良く貼り合わせることができる。
【0086】前記第1のシート材と第2のシート材が接着剤を介して貼り合わされ、その接着剤層中にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを有するICカード用のシートは、所定の条件下で保管された後に、ICカード用のシートを打ち抜き金型に供給し、前記打ち抜き金型によって、ICカード用のシートからICカードを打ち抜くことによって、ICカードは製造される。
【0087】この場合、打ち抜き加工の前に、認証識別画像や書誌事項を記録してもよい。
【0088】[光硬化型樹脂層]光硬化型樹脂層は、付加重合性又は開環重合性を有する素材からなるものであり、付加重合成化合物とは、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特願平7−231444号等の各号公報及び特願平7−231444号明細書に記載されている光重合成(熱重合性も含む)組成物を用いた光硬化型材料であってもよい。付加重合成化合物とは、カチオン重合系の光硬化型材料が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化材料も例えば、特開平6−43633号公報等に公開されている。ハイブリッド型重合系の光硬化材料としては特開平4−181944号等で組成物が開示されている。具体的には、上記カチオン系開始剤、カチオン重合性化合物、ラジカル系開始剤、ラジカル重合性化合物のいずれかを含む光硬化層であり、本発明の目的においてはいずれの光硬化層を用いても構わない。
【0089】[熱硬化型樹脂層]この発明において、熱硬化性樹脂組成物としては、例えばエポキシ系、ポリエステル系、アクリル系等の樹脂に硬化剤や硬化触媒、流展剤、その他添加剤等を配合してもよい。
【0090】ポリエステル樹脂の組成としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を主体とし、ジオール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールを主体とするものがよく、これらにアジピン酸やアゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸やピロメリット酸等の三価以上のカルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト−ル等の三価以上のアルコール等を少量含んでいるものは溶融流動性、架橋反応性が向上するのでより好ましい。
【0091】また、ポリエステル樹脂の平均重合度は5〜50の範囲のものが好ましい。これより低いものはフィルムにしたとき十分な強度が得られず、これより高いものは粉砕が困難になる。次に硬化剤としては、ポリエステルの末端基が−OH型のものはイソシアナート化合物やメラミン樹脂、例えばε−カプロラクタムブロックイソシアナートやメチル化メラミン等がある。末端基が−COOH型のものはエポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレート等がある。
「熱または光硬化型樹脂層作成方法」熱または光硬化型樹脂層を画像記録体上に作成する場合、塗布方式で作成するか若しくは転写箔で形成することが好ましい。
【0092】画像記録体上に保護する方法として塗布を選択する場合、従来公知の方法、例えば回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、フェルト塗布、エアーナイフ塗布、スプレイ塗布、エアースプレイ塗布、静電エアースプレイ塗布、ロール塗布ブレード塗布及びカーテン塗布等の方法が用いられる。この際塗布量は用途により異なるが、例えば固形分として0.05〜50.0g/m2の塗布量が好ましい。なお、塗布量が少なくなるにつれて見掛けの感度が大になるが画像形成層の皮膜特性、耐薬品性は低下する。
【0093】塗布後硬化させる方法として活性な電磁波を発生させるものは全て用いることができる。例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯、無電極光源等をあげることができる。好ましくは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯等の光源が挙げられ、この際加えられるエネルギーは、重合開始剤の種類により、露光距離、時間、強度を調整することにより適時選択して用いることができる。
「活性硬化線」レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。レーザー光源としてはアルゴンレーザー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に用いることが可能である。
【0094】また、活性光線を用い光硬化を行う場合、減圧下、窒素気流中で光硬化を安定化する手段等を用いてもかまわない。
「熱処理」熱エネルギーを加えることもでき、手段としては、オーブン、ヒ−トロ−ル、ホットスタンプ、サーマルヘッド、レーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなどを適時選択して用いることができる。
【0095】この発明の熱または光硬化型樹脂層からなる保護は、耐熱性の支持体、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に塗工によって形成された透明保護層リボンもしくは透明保護箔をあらかじめ用意しておき、これを、例えば、サーマルヘッドや熱転写ロールを用いて、熱転写することによって形成することができる。
[転写箔を用いてのICカードの作成方法]以下、この発明の転写箔及びICカード作成方法の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態の説明及び図面に限定されるものではない。まず、第1の実施の形態を図4及び図5に示し、図4はICカード作成装置の概略構成図、図5はICカードの層構成を示す図である。
【0096】この実施の形態のICカード作成装置には、上方位置にカード基材供給部10及び情報記録部20が配置され、下方位置に、保護付与部及び又は光学変化素子付与部40、活性光線硬化層付与部及び/又は活性光線照射部90が配置され、ICカードとしてカードを作成するが、シートも作成することもできる。
【0097】カード基材供給部10には、カード使用者の個人情報を書き込むために予め枚葉状にカットされた複数枚のカード基材50が、顔写真を記録する面を上に向けてストックされている。この例では、カード基材50が支持体51と受像層52からなり、このカード基材50は1枚づつカード基材供給部10から所定のタイミングで自動供給される。
【0098】情報記録部20には、イエローリボンカセット21、マゼンタリボンカセット22、シアンリボンカセット23、ブラックリボンカセット24が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド25〜28が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材50が移動されている間に、その受像層52の所定領域にカード使用者の顔写真等の諧調を有する画像領域53が記録される。また、文字リボンカセット31及び記録ヘッド32が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の認証識別情報54が記録され、画像記録層が形成される。
【0099】保護付与部及び/又は光学変化素子付与部40では、転写箔カセット41が配置され、この転写箔カセット41に対応して熱転写ヘッド42が配置されている。透明保護転写箔64及び/又は光学変化素子転写箔43を熱転写して、透明保護転写層640及び/又は光学変化素子転写層430が設けられる。
【0100】その後活性光線硬化層付与部及び/又は活性光線照射部90により活性光線硬化液が塗布され、活性光線により露光が行なわれ、図5の構成のICカードの層構成が得られ、透明保護転写層640及び/又は光学変化素子転写層430上に活性光線硬化層650が設けられる。
【0101】次に、第2の実施の形態を図6及び図7に示し、図6はICカード作成装置の概略構成図、図7はICカードの層構成を示す図である。
【0102】この実施の形態のICカード作成装置1では、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、情報記録部20の次に樹脂付与部60が配置されている。
【0103】樹脂付与部60には、転写箔カセット61が配置され、この転写箔カセット61に対応して熱転写ヘッド62が配置位置されている。転写箔カセット61に硬化型転写箔66がセットされ、この硬化型転写箔66を転写し硬化型保護層含有転写層660が設けられる。
【0104】次に、第3の実施の形態を図8及び図9に示し、図8はICカード作成装置の概略構成図、図9はICカードの層構成を示す図である。
【0105】この実施の形態のICカード作成装置1では、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、情報記録部20の次に保護付与部及び又は光学変化素子付与部40、樹脂付与部60が配置される。
【0106】保護付与部及び又は光学変化素子付与部40では、透明保護転写層640及び/又は光学変化素子転写層430が設けられる。樹脂付与部60では、受像層52上に透明保護転写層640及び/又は光学変化素子転写層430で形成されたICカード上に硬化型転写箔66を熱転写し硬化型保護層含有転写層660が設けられる。
【0107】次に、第4の実施の形態を図10及び図11に示し、図10はICカード作成装置の概略構成図、図11はICカードの層構成を示す図である。
【0108】この実施の形態のICカード作成装置1は、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、透明保護層及び/又は光学変化素子転写層付与部/又は樹脂層付与部70が配置され、この後更に透明保護層及び/又は光学変化素子転写層付与部/又は樹脂層付与部70が配置されている。
【0109】透明保護層及び/又は光学変化素子転写層付与部/又は樹脂層付与部70では、転写箔カセット71が配置され、この転写箔カセット71に対応して熱転写ヘッド72が配置されている。光学変化素子転写箔43及び/又は透明保護転写箔64、硬化型転写箔66を転写し、光学変化素子転写層430及び/透明保護転写層640、硬化型保護層含有転写層660が設けられる。
【0110】次に第5の実施形態を図12及び図13に示し、図12はICカード作成装置の概略図、図13はICカードの層構成を示す図である。
【0111】この実施形態のICカード作成装置1はカード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、透明保護層及び/又は光学変化素子転写付与部/又は樹脂層付与部70が配置される。
【0112】透明保護層及び/又は光学変化素子転写付与部/又は樹脂層付与部70には、転写カセット71が配置され、この転写箔カセット71に対応して熱転写ヘッド72が配置されている。硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44を転写し、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が設けられる。
【0113】この発明では、透明保護転写箔とは、画像を保護する透明保護箔であり、透明保護層とは、画像を保護する透明保護層である。また樹脂層とは、この発明にあたる破断伸度、摩擦係数を規定した樹脂を有する層である。また活性硬化線樹脂層とは、樹脂層の種類の一部であり、この発明では好ましい実施形態であるが、製造上樹脂層に限定される場合がある。また硬化型保護層含有光学変化素子層とは、硬化層と光学変化素子層が一体になっている層のことを表す。また保護性付与転写箔とは、樹脂層(好ましくは活性光線硬化性樹脂)を少なくとも一層含む転写箔のことを表す。
【0114】次に、透明保護転写箔64の実施の形態を図14に示す。図14(a)の透明保護転写箔64は透明保護転写層640と支持体64bから構成され、透明保護転写層640は離型層64a1、透明保護層64a2、接着層64a3から構成され、透明保護層64a2の両側に離型層64a1、接着層64a3が設けられ、離型層64a1が支持体64bに接着されている。図14(b)の透明保護転写箔64は図14(a)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2と接着層64a3との間に中間層64a4が設けられている。図14(c)の透明保護転写箔64は図14(b)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2を2層設けている。図14(d)の透明保護転写箔64は図14(b)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2と中間層64a4との間にバリヤー層64a5が設けられている。
【0115】これらの透明保護転写箔64は、透明保護転写層640が支持体43bから剥離して転写される。
【0116】光学変化素子転写箔43の実施の形態を図15に示す。図15(a)の光学変化素子転写箔43は光学変化素子転写層430と支持体43bから構成され、光学変化素子転写層430は離型層43a1、光学変化素子層43a2、接着層43a3から構成され、光学変化素子層43a2の両側に離型層43a1、接着層43a3が設けられ、離型層43a1が支持体43bに接着されている。図15(b)の光学変化素子転写箔43は図15(a)の転写箔と同様に構成されるが、接着層43a3と光学変化素子層43a2との間に中間層43a4が設けられている。図15(c)の光学変化素子転写箔43は図15(b)の転写箔と同様に構成されるが、光学変化素子層43a2と中間層43a4との間にバリヤー層43a5が設けられている。図15(d)の転写箔は図15(c)の転写箔と同様に構成されるが、離型層43a1と光学変化素子層43a2との間に透明保護層43a6が設けられている。
【0117】これらの光学変化素子転写箔43は、光学変化素子転写層430が支持体43bから剥離して転写される。
【0118】次に、硬化型転写箔66の実施の形態を図16に示す。図16(a)の硬化型転写箔66は硬化型保護層含有転写層660と支持体66bから構成され、硬化型保護層含有転写層660は離型層66a1、硬化層66a2、中間層66a4、接着層66a3から構成され、硬化層66a2の両側に離型層66a1と中間層66a4が設けられ、離型層66a1が支持体66bに接着されている。図16(b)の硬化型転写箔66は図16(a)の転写箔と同様に構成されるが、硬化層66a2を2層設けている。図16(c)の硬化型転写箔66は図16(a)の転写箔と同様に構成されるが、接着層66a3と中間層63a4との間にバリヤー層66a5が設けられている。
【0119】これらの硬化型転写箔66は、硬化型保護層含有転写層660が支持体43bから剥離して転写される。
【0120】次に、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44の実施の形態を図17に示す。図17(a)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440と支持体44bから構成され、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440は離型層44a1、硬化層44a9、光学変化素子層44a2、中間層44a4、バリヤー層44a5、接着層44a3から構成され、離型層44a1が支持体44bに接着されている。図17(b)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は図17(a)の転写箔と同様に構成されるが、中間層44a4がない構成であり、また図17(c)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は図17(a)の転写箔と同様に構成されるが、バリヤー層44a5がない構成である。
【0121】これらの硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が支持体44bから剥離して転写される。
【0122】この実施の形態の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が支持体44bから剥離して転写され、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が、少なくとも、離型層、硬化層、光学変化素子層、中間層、接着層を有する構成であり、表面保護性、表面摩耗耐久性に優れている。
【0123】また、少なくとも、光学変化素子層よりICカード表面側に位置する透明保護層が、紫外線硬化層または電子線硬化層であることが表面保護性、表面摩耗耐久性に優れ好ましい。
【0124】また、光学変化素子層が、凹凸像を有するハードコート層、蒸着層であることが、より偽変造防止の硬化があり好ましい。
【0125】また、少なくとも1つの透明保護層が、カード全面に熱転写されていることが表面保護性、表面摩耗耐久性に優れ好ましい。
【0126】さらに、透明保護転写箔または光学変化素子転写箔のいずれかの層に、帯電防止剤が含有されていることが好ましく、ゴミが付着しないカード、あるいはシートを作成できる。
【0127】また、先に転写された転写表面が、後から転写される転写箔の易接着加工されていることが、接着性がよく好ましい。
【0128】この発明の転写箔においては、帯電防止層、離型層、透明保護層、光学変化素子層、バリヤ層、中間層、接着層に少なくとも一層が設けられることが好ましい。転写箔の帯電防止層は、帯電防止性に優れたアニオン性高分子物質及び/又は導電性粒子を含有する。
【0129】[転写箔材料の詳細な説明]この発明転写箔は、離型層、透明樹脂層を有する支持体からなることが好ましく、より好ましくは離型層、透明樹脂層、中間層、バリヤー層、プライマー層、接着層の少なくとも1つから成る層で構成されていることが好ましい。本発明の場合、ICチップにより偽変造等の防止が行えるが、目的で目視判別のために光学変化素子層を設けることも可能である。
<転写箔用支持体>支持体としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。本発明の支持体の厚みは10〜200μm望ましくは15〜80μmである。10μm以下であると支持体が転写時に破壊してしまい問題である。本発明の特定離型層においては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0130】この発明の支持体は必要に応じて凹凸を有することができる。凹凸作成手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチング等が挙げられる。マットコーティングの場合有機物及び無機物のいずれでもよい。
【0131】例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。マット剤の付着方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。又複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。本発明で凹凸加工する場合、転写面、背面のいずれか片面以上に施すことが可能である。
<転写箔離型層>剥離層としては、高ガラス転移温度を有するアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ボリビニルブチラール樹脂などの樹脂、ワックス類、シリコンオイル類、フッ素化合物、水溶性を有するポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、Si変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシセルロース樹脂、シリコン樹脂、パラフィンワックス、アクリル変性シリコーン、ポリエチレンワックス、エチレン酢酸ビニルなどの樹脂が挙げられ、他にポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、またはこの硬化物、等が挙げられる。他のフッ素系化合物としては、フッ素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。これらの離型剤で溶解性の乏しいものは分散するなどして用いることができる。
【0132】転写箔を2枚転写する場合は熱可塑性エラストマーを添加してもよい。熱可塑性エラストマーは具体的にスチレン系(スチレン・ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が挙げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されている。
【0133】この発明で好適に用いられる、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる引っ張り伸びが100%以上熱可塑性エラストマーとは、スチレンおよび炭素数10以下の直鎖または分岐の飽和アルキルのブロックからなる熱可塑性樹脂(以下熱可塑性樹脂S1ともいう)を言う。特に、ポリスチレン相とポリオレフィンを水素添加した相をもつブロックポリマーであるスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン/プロピレン(SEP)のブロックポリマー等があげられる。
【0134】また、必要に応じて、本発明の離型層と樹脂層或いは活性光線硬化層との間に熱硬化型樹脂層を用いてもよい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0135】転写箔の透明樹脂層は、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロース系、熱可塑性ポリエステル、天然樹脂等、他の任意の高分子重合体を併用してもよい。また、その他、赤松清監修、「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体を併用してもよい。
【0136】この発明においては、ICカード上に保護をする目的で光又は/熱硬化性層を転写箔で設けることが好ましい。光又は/熱硬化性層とは前記記載の組成物からなる材料であれば特に制限はない。透明樹脂層の厚みは0.3〜50μmが好ましく、より好ましくは0.3〜30μm、特に好ましくは0.3〜20μmである。
【0137】転写箔の中間層としては、中間層1層以上の層から構成されることが好ましく場合によりプライマー層、バリヤ層として介在させ層間の接着性をさらに向上させてもよい。
【0138】例えば塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂、およびそれらの変性物などを用いることができる。
【0139】上述した樹脂の中でも、この発明の目的に好ましいのは、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂である。これらの樹脂は一種を単独に用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0140】具体的な化合物としては、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール等が好ましい。この発明の中間層において、重合度が1000以上のポリビニルブチラール樹脂としては積水化学工業(株)製のエスレックBH−3、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BH−S、電気化学工業(株)製のデンカブチラール#4000−2、#5000−A、#6000−EP等が市販されている。中間層のポリブチラールの熱硬化樹脂としては熱硬化前の重合度に限定はなく低重合度の樹脂でもよく、熱硬化にはイソシアネート硬化剤やエポキシ硬化剤等を用いることができ、熱硬化条件は50〜90℃で1〜24時間が好ましい。中間層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。
【0141】転写箔の接着層としては、熱貼着性樹脂としてエチレン酢酸ビニル樹脂、エチンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、粘着付与剤(例えばフェノール樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂など)などが挙げられ、それらの共重合体や混合物でもよい。
【0142】具体的には、ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体としては東邦化学工業(株)製のハイテックS−6254、S−6254B、S−3129等が市販され、ポリアクリル酸エステル共重合体としては日本純薬(株)製のジュリマーAT−210、AT−510、AT−613、互応化学工業(株)製のプラスサイズL−201、SR−102、SR−103、J−4等が市販されている。ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体とポリアクリル酸エステル共重合体の重量比は9:1から2:8が好ましく、接着層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。
【0143】場合により偽変造防止の目的で光学変化素子層転写層設けることが可能である。光学変化素子(Optical Variable Device:OVD)とは、1)キネグラムのような回析格子の2次元のCG画像であり、線画像構成の画像が移動、回転、膨張、縮小等自由に動き変化する点に特徴があるもの、2)Pixelgramのような画像がポジとネガに変化する特徴があるようなもの、3)OSD(Optical Security Device)のような色が金色から緑色に変化するもの、4)LEAD(Long LastingEconomical Anticopy Device)のような像画が変化して見えるもの、5)ストライブ型OVD、6)金属箔等を表し、日本印刷学会誌(1998年)第35巻第6号P482〜P496記載にあるような用紙の素材、特殊な印刷技法、特殊インキ等でセキュリティを維持してもよい。この発明においては、ホログラムがとくに好ましい。
【0144】この発明で用いるホログラムは、レリーフホログラム、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム、リップマンホログラム、レインボーホログラム等の白色再生ホログラム、カラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチフレックスホログラム、ホログラムフレックステレオグラム、ホログラフィック回折格子等任意に採用できる。
【0145】光学変化素子層は、例えばホログラムシートを受像層上に接着することによって形成することができる。ホログラムシートとしては、レリーフ型ホログラムシートを使用することができる。レリーフ型ホログラムシートは、支持体フィルム上にホログラム形成層とホログラム効果層とをこの順に積層してなる。具体的に言うと、ホログラムシートは、例えばポリエチレンテフタレートフィルム等の支持体フィルムの表面に、常温で固体であり、しかも熱形成性を有する樹脂層、例えば常温で固体の熱可塑成性の電子線硬化性樹脂層(ホログラム形成層)を形成し、この面にホログラムの干渉模様が凹凸状に形成されているホログラム原版を加圧圧縮させて、凹凸形状を樹脂表面に転写し、硬化し、さらに凹凸形状の表面に十分な透明性とある角度での大きな反射性を兼ね備え、かつホログラム形成層と屈折率が異なる材料(例えばTiO2、SiO2、ZnSの蒸着膜)からなる薄膜のホログラム効果層を形成することによって得ることができる。昼光、照明光等の白色光で像が再生されるホログラムは、通常の状態でもホログラム像が観察されるので、装飾性にも優れている。一方、レーザー光によって像が再生されるタイプのものは、改ざんの発見性に優れている。
【0146】また、この発明では、ビーズ保有層を設けることができ、この発明にかかるビーズを有するビーズ保有層は、人射光の一部に位相差を付与して再合成し、特定波長領域の光成分を干渉により強調し入射光とは異なる色調の着色光を入射光進入方向へ帰還させ、反射基板と、基板上に整列配置された透明なビーズとを有する。ビーズを有するビーズ保有層は、反射基板上に樹脂層を設け、更にその表層側にガラス等よりなるビーズ径が10〜60μm、好ましくは15〜40μmのビーズを多数整列配置して構成され、ビーズの光屈折率は1.6〜2.1が好ましく、1.7〜2.0が更に好ましい。外方より入射した入射光は、ビーズ内に進行し、少なくともその一部は透明なビーズより樹脂層を介して反射基板に反射され、再度ビーズに帰還し、外方へ進行する。ビーズの外方へ突出している面は球面であるので、人射角の多少の変動があっても同様な作用を生じ、入射方向へ反射光を帰還させることができる。
【0147】次に、この発明では、反射性層を設けることができ、この発明の反射性層は、反射性層としては、少なくとも金属薄膜、金属酸化物薄膜、光干渉性物質及び光回折層から選ばれる。反射性層は干渉性物質、金属酸化物、雲母等干渉色を発現できる粉末を含有する塗料を任意の紋様に印刷することで設けることが好ましい。
【0148】金属酸化物としては二酸化チタン、酸化鉄、低次酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、チタン酸コバルトなど、及びLi2CoTi3O8あるいはKNiTiOxなどの複合酸化物、あるいはこれらの金属酸化物の混合物などが挙げられるが、干渉色を発現できる金属酸化物であれば、特にこれらに限定されるものではない。干渉物質層としては、金属膜の表面を酸化することによって得られる干渉色を持った金属膜を用いることができる。これらの金属膜は、金属アルミニウム、金属チタン、ステンレス膜などを陽極酸化する方法や、干渉色を発現できる金属酸化物をゾルーゲル法によって調製し、これをコートする方法あるいは干渉色を発現できる金属のアルコキシドを金属膜に塗布してこれを加熱分解する方法、及びCVDやPVDのような蒸着操作法などが拳げられる。
「ICカード上への転写箔付与方法」転写箔の被転写材への転写は通常サーマルヘッド、ヒートローラー、ホットスタンプマシンなどの加熱しながら加圧を行える手手段を用い転写を行う。
【0149】実施例以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、この発明の態様はこれに限定されない。尚、以下において「部」は「重量部」を示す。
(接着剤の作成)
接着剤1・Henkel社製Macroplast QR3460(湿気硬化型接着剤) 80部・多孔質高シリカアルミノシリケート (AMT−SILICA#200B;水澤化学工業製) 表1に示す量前記成分を温度150℃にて60分間、ホモジナイザーにて攪拌し、接着剤1を作成した。
【0150】
接着剤2・積水化学工業製 エスダイン9631W 95部・多孔質高シリカアルミノシリケート (AMT−SILICA#200B;水澤化学工業製) 表に示す量前記成分を温度150℃にて60分間、ホモジナイザーにて攪拌し、接着剤2を作成した。
【0151】
接着剤3・日立化成ポリマー製 ハイボン4810 95部・多孔質高シリカアルミノシリケート (AMT−SILICA#200B;水澤化学工業製) 表に示す量前記成分を温度150℃にて60分間、ホモジナイザーにて攪拌し、接着剤3を作成した。
(接着剤物性測定)
[引張弾性率、引張破断点伸度の測定]接着剤1〜2を、ホットプレス装置を使用し、該接着剤と厚さ300μmのスペーサーを50μm厚みの離型PETフィルムの間に挟み、100℃の条件でかつ、5kg/cm2の条件で3分間プレスした後、温度25℃湿度50%RHの条件で7日間放置し、前記、離型PETフィルムを取り除き、厚さ300μmの硬化後の接着剤を得た。
【0152】このようにして得られた、接着剤シートを株式会社オリエンテックテンシロン万能試験機RTA−100を用いASTM D638に準じて、引張弾性率を測定した。測定した結果を表1に示す。
(ICカードの作成)図18はICカード、個人認証カードの積層構成例を示す図である。
【0153】実施例のICカード、個人認証カード100は、裏面シート(第1のシート材)101、表面シート(第2のシート材)102の間に、接着シート103,104、ICチップ105aとアンテナ体105bからなる電子部品105を介在して貼り合わせて構成される。表面シート(第2のシート材)102には、顔画像106、住所、名前、生年月日107等の個人情報が記載してある。
【0154】支持体1表面シート及び裏面シートとしてJIS K7128−Z0208による湿気透過率が22(g・25μ/m2、24hr)である厚さ100μm、75μmの白色ポリエステルシートを使用した。
【0155】支持体2表面シート及び裏面シートとしてJIS K7128−Z0208による湿気透過率が5(g・25μ/m2、24hr)である厚さ100μm、75μmの白色塩ビシートを使用した。
(表面シートの作成)前記支持体表シート100μmにコロナ放電処理した面に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
〈第1受像層形成用塗工液〉 ポリビニルブチラール樹脂 9部〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕
イソシアネート 1部〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
メチルエチルケトン 80部 酢酸ブチル 10部〈第2受像層形成用塗工液〉 ポリビニルブチラール樹脂 6部〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部 メチルエチルケトン 80部 酢酸ブチル 10部〈第3受像層形成用塗工液〉 ポリエチレンワックス 2部〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部 水 90部(フォーマット印刷)樹脂凸版印刷法により、ロゴとOPニスを順次印刷した。
(裏面シートの作成)
(筆記層の作成)前記支持体裏シート75μmにコロナ放電処理した面に王子油化(株)製:ユポDFG−65シートを貼合し下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第1筆記層形成用塗工液〉 ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部 イソシアネート 1部〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量 二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部 メチルエチルケトン 80部 酢酸ブチル 10部〈第2筆記層形成用塗工液〉 ポリエステル樹脂 4部〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 5部 二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部 水 90部〈第3筆記層形成用塗工液〉 ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部 メタノール 95部得られた筆記層の中心線平均粗さは1.34μmであった。
(ICカード用のシートの作成)図19はICカード作成装置の実施の一例を示す図である。
【0156】ICカード作成装置には、第1のシート材301を送り出す送出軸310が設けられ、この送出軸310から送り出される第1のシート材301はガイドローラ311、駆動ローラ312に掛け渡されて供給される。送出軸310とガイドローラ311間には、アプリケーターコーター313が配置されている。アプリケーターコーター313は接着剤層302aを所定の厚さでシートに塗工する。
【0157】また、ICカードの製造装置には、第2のシート材304を送り出す送出軸314が設けられ、この送出軸314から送り出される第2のシート材304はガイドローラ315、駆動ローラ316に掛け渡されて供給される。送出軸314とガイドローラ315間には、アプリケーターコーター317が配置されている。アプリケーターコーター317は接着剤層302bを所定の厚さでシートに塗工する。
【0158】接着剤が塗工された第1のシート材301と、第2のシート材304とは離間して対向する状態から接触して搬送路318に沿って搬送される。第1のシート材301と、第2のシート材304の離間して対向する位置には、ICモジュール303が挿入される。
【0159】ICモジュール303は単体あるいはシートやロール状で複数で供給される。ICカードの製造装置の搬送路318中には、第1のシート材301と、第2のシート材304の搬送方向に沿って、急冷ラミネート部319、切断部320が配置される。また、急冷ラミネート部319の前には保護フィルム供給部を設けても良く、搬送路318の上下に対向して配置されるのが好ましい。急冷ラミネート部319は、搬送路318の上下に対向して配置される平型の冷却ラミネート上型321と冷却ラミネート下型322とからなる。冷却ラミネート上型321と下型322は互いに接離する方向に移動可能に設けられている。冷却ラミネート部319を経た後は切断部にてシート材から所定の大きさにカットする。
【0160】なお、ICモジュールのICチップ上もしくは周囲には補強板を設けることができ、また強度を上げるためにチップ上からシランカップリング剤を添加することができる。添加方法はスポイトのような装置で液滴を垂らす方法や、ディップコーティング、スピンコーティングなど一般的なコーティング方法を用いることができる。
(ICカード用シート1の作成)図19のICカード作成装置を使用し、第1のシート材及び第2のシート材として裏面シート及び表面シートを使用した。
【0161】それぞれのシートに接着剤1をTダイを使用して厚みが280μmになるように塗工し、該接着剤付き上下シートの間にICモジュールを入れ、表に示す条件で急冷ラミネートして作製した。
【0162】ここで用いたICモジュールのICチップの一部にはチップに隣接する部分に補強板を接着した。補強板の種類を図20乃至図25に示す。図20は方形の補強板がICチップの上側に設けられ、図21は方形の補強板の開口部にICチップを嵌め込み、図22は方形の補強板の凹部にICチップを嵌め込み、図23は楕円の補強板がICチップの上側に設けられ、図24は十字形の補強板がICチップの上側に設けられ、図25は断面波形の補強板がICチップの上側に設けられている。
【0163】この補強板はステンレスで作製されたものであり、そのヤング率は120GPaであった。
【0164】また、一部のICモジュールにはシランカップリング剤を市販のスポイトを用いて3ml滴下した。補強板とシランカップリング剤と併用する場合には、補強板と逆の面から滴下した。
【0165】このように作成されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境化で7日間保存した。
(個人認証用カードへの個人情報記載方法及び表面保護方法)前記打ち抜き加工を施したICカードに下記により顔画像と属性情報とフォーマット印刷を設けた個人認証カードの作成を行った。
(昇華型感熱転写記録用のインクシートの作成)裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになる様に設け、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
〈イエローインク層形成用塗工液〉 イエロー染料(化合物Y−1) 3部 ポリビニルアセタール 5.5部〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部 トルエン 20部〈マゼンタインク層形成用塗工液〉 マゼンタ染料(化合物M−1) 2部 ポリビニルアセタール 5.5部〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 2部〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部 トルエン 20部〈シアンインク層形成用塗工液〉 シアン染料(化合物C−1) 1.5部 シアン染料(化合物C−2) 1.5部 ポリビニルアセタール 5.6部〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部 トルエン 20部(溶融型感熱転写記録用のインクシートの作成)裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになる様に塗布乾燥してインクシートを得た。
〈インク層形成用塗工液〉 カルナバワックス 1部 エチレン酢酸ビニル共重合体 1部〔三井デュポンケミカル社製:EV40Y〕
カーボンブラック 3部 フェノール樹脂〔荒川化学工業(株)製:タマノル521〕 5部 メチルエチルケトン 90部(顔画像の形成)受像層と昇華型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより画像に階調性のある人物画像を受像層に形成した。この画像においては上記色素と受像層のニッケルが錯体を形成している。
(文字情報の形成)OPニス部と溶融型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報をOPニス上に形成した。(表面保護方法)
[個人認証用カード表面保護剤添加樹脂合成例1]
活性光線硬化層使用樹脂1窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸メチル73部、スチレン15部、メタアクリル酸12部とエタノール500部、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1.0部を加え、3時間反応させ目的のアクリル系共重合体の合成バインダー1を得た。
[表面保護層形成方法1]
(透明樹脂転写箔1の作成)ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に下記処方をワイヤーバーコーティングにて塗工乾燥して、透明樹脂転写箔1を作成した。
(剥離層) 膜厚 0.5μm アクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87) 5部(樹脂層) 膜厚 0.5μmアクリル系樹脂(三菱レイヨン(株)製、ダイアナールBR−87) 5部ポリビニルアセトアセタール(SP値:9.4)
(積水化学(株)、KS−1) 5部メチルエチルケトン 40部トルエン 50部(中間層) 膜厚2μmスチレン系樹脂(クラレ(株)、セプトン2006) 5部ポリビニルブチラール樹脂(積水化学(株)、BL−S) 5部トルエン 90部(接着層) 膜厚2μmスチレン系樹脂(旭化成(株)、タフテックM−1953) 6部脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学(株)、アルコンP100) 3.5部炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)、タマパールTP−123) 0.5部トルエン 90部上記の組成の剥離層、中間層、接着層で構成される透明樹脂転写箔1を作成した。
【0166】次いで、ICカード作成装置を使用して、顔画像と属性情報とフォーマット印刷を設けたカードに、透明樹脂転写箔1を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力150kg/cm2で1.2秒間熱をかけて転写をおこなった。前記転写箔1が転写されたカードに前記紫外線硬化樹脂含有塗布液を20g/m2の塗布量になるように特定の地模様を持つグラビアロールコーターにより塗布し、下記の硬化条件にて紫外線硬化樹脂含有塗布液1を硬化させて紫外線硬化保護層を形成し、保護層を有する個人認証カードを作成した。
【0167】
硬化条件光照射源 60w/cm2の高圧水銀ランプ照射距離 10cm照射モード 3cm/秒で光走査評価方法[紫外線硬化樹脂含有塗布液1]
ビス(3,4−エポキシー6−メチルシクロヘキシルメチル)アジパート 70部ビスフェノールAグリシジルエーテル 10部1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル 13部トリアリールスルホニウムフルオロアンチモン 7部[表面保護層形成方法2]
(活性光線硬化型転写箔1の作成)0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムー2の離型層上に下記組成物を積層し活性光線硬化型転写箔1の作成を行った。
(活性光線硬化性化合物)
新中村化学社製 A−9300/新中村化学社製 EA−1020=35/11.75部反応開始剤 イルガキュア184日本チバガイギー社製 5部 添加剤不飽和基含有樹脂 48部その他の添加剤 大日本インキ界面活性剤F−179 0.25部〈中間層形成塗工液〉 膜厚1.0μmポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕
3.5部タフテックスM−1913(旭化成) 5部硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5部 メチルエチルケトン 90部塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
〈接着層形成塗工液〉 膜厚0.5μm ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕
2部 水 45部 エタノールさらに画像、文字が記録された前記受像体上に前記構成からなる活性光線硬化型転写箔1を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力150kg/cm2で1.2秒間熱をかけて転写をおこなった。前記転写は、表3に記載のICカード作成装置を使用して行った。
◎カードの評価<偽変造防止用カードスクラッチ強度(耐摩耗性)の評価方法>耐摩耗性試験機(HEIDON−18)を用い、0.1mmφのサファイア針で200g、250gと荷重を変化させて、作成されたカード(文字、画像形成前)の表面を摺動させた。その時のカード表面の傷が付き始めた部分を測定し、何gで傷が付くか測定を行った。結果は表1に示す。
<表面粗さの測定>作成されたカード(文字、画像形成前)の表面粗さを表面粗さ計(RST/PLUS WYCO社製)によって測定した。±5μm以内が実用可能なレベルである。
<曲げ適性の評価>このように最後まで作成された個人認証カードを、図26に示すように、カードの長辺方向:たわみ35mm、カードの短辺方向:たわみ15mmとなるように、125回毎に長辺方向、短辺方向を周期30/minの条件で合計1000回のテストを行った。その後市販のリーダーライターでIC機能を確認し、3段階で評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0168】○:変形がなく、IC機能も問題ない。
【0169】△:変形はないが、IC機能が失われている。
【0170】×:折れ曲がってしまい、IC機能が失われている。
<画像印字性>顔画像および文字情報を形成した後の形成性を5段階で評価した。得られた結果を表1に示す。
【0171】1 チップ周辺部に文字や画像のカスレが全くなくきれいである。
【0172】2 チップ周辺部に文字や画像のカスレはないが、凹凸により文字や画像がやや見にくい。
【0173】3 チップ周辺部に文字や画像のカスレが見られる。
【0174】4 チップ周辺部で文字や画像が全く形成されていない部分が一部ある。
【0175】5チップ周辺部だけでなく文字や画像が全く形成されていない部分が多数ある。
【0176】1と2が実用可のレベルである。
【0177】
【表1】

【0178】
【発明の効果】前記したように、請求項1に記載の発明では、最も平面性が良い状態で冷却することで、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0179】請求項2に記載の発明では、急冷させてカード作成後のホットメルト接着剤の伸度2%弾性率の規定により、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0180】請求項3に記載の発明では、ホットメルト接着剤層の130℃における粘度を規定することで、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0181】請求項4に記載の発明では、ホットメルト接着剤が反応型であり、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0182】請求項5に記載の発明では、加熱工程と、冷却工程と、貼り合わせ工程とを有することで、最も平面性が良い状態で冷却することで、表面強度が向上し、かつ平面性が向上する。
【0183】請求項6に記載の発明では、ICカードは0.8mmφサファイア針での引っ掻き強度が150g以上である受像層を有することで、表面強度が向上する。
【0184】請求項7に記載の発明では、ICチップの上部または周辺部にシランカップリング剤を設けることで、ICチップを補強することができる。
【0185】請求項8に記載の発明では、シランカップリング剤が部分加水分解された重合体であることで、ICチップを補強することができる。
【0186】請求項9に記載の発明では、ICチップに隣接して金属補強板を有することで、ICチップを補強することができる。
【0187】請求項10に記載の発明では、金属補強板がヤング率100GPa以上の素材を一種含むことで、ICチップを補強することができる。
【0188】請求項11に記載の発明では、ICカードのチップ周辺部の平面凹凸性が±10μm以内であり、チップ周辺部の平滑性が向上する。
【0189】請求項12に記載の発明では、個人情報が記載され、自動車免許証等の免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証等に用いられる。
【0190】請求項13に記載の発明では、ICチップが顔画像の部分と重なる位置に存在しないことで、顔画像の記録性が向上する。
【0191】請求項14に記載の発明では、ICカードがカード外部に電気接点を持たない非接触式であり、セキュリティ性に優れ、データの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカ株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿1丁目26番2号
【出願日】 平成13年10月23日(2001.10.23)
【代理人】 【識別番号】100081709
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴若 俊雄
【公開番号】 特開2003−132311(P2003−132311A)
【公開日】 平成15年5月9日(2003.5.9)
【出願番号】 特願2001−324339(P2001−324339)